JPH084116Y2 - クーラント浄化装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、例えば、各種工作機械でワークを加工す
る時に用いるクーラント（coolant、ワーク冷却液）か
ら切粉や鉄粉を分離して浄化するようなクーラント浄化
装置に関する。

（従来技術） 従来、上述例の工作機械用クラーントの浄化装置とし
ては、例えば、特開昭60-25517号公報に記載の濾過装置
がある。

すなわち、クーラントタンク内におけるクーラント入
口と、浄化クーラント出口との間に固定構造のフィルタ
を配設し、このフィルタに沿って可動するスクレーパで
フィルタの切粉を除去すべく構成した装置であるが、こ
の従来装置においては、上述のフィルタが固定構造であ
るためフィルタの目詰りが頻繁に発生する問題点を有し
ていた。

従来、このようなフィルタの目詰りを解消するため
に、マグネットによる切粉吸着作用を利用したクーラン
ト浄化装置が既に考案されている。

つまり、回収トラフに連通する１次切粉回収槽と、ク
ーラント流路の底部にマグネット板を敷設した２次切粉
回収槽と、浄化液槽との３槽構造のクーラント浄化装置
である。

この従来装置においては、上述の回収トラフから１次
切粉回収槽にクーラントを還流し、この回収槽で切粉の
自重沈降により１次切粉回収を行ない、次に上述の１次
切粉回収槽のクーラントを２次切粉回収槽に流通するこ
とで、２次切粉回収を行なった後に、浄化クーラントを
浄化液槽に流出する。

しかし、この従来装置においては２次切粉回収槽での
切粉の自重沈降を充分に行なうためには広いスペースが
必要不可欠となるため、装置の小型コンパクト化が達成
できない問題点を有していた。

（考案の目的） この考案は、装置の小型コンパクト化を図りつつ、切
粉の充分な自重沈降を行なうことができるクーラント浄
化装置の提供を目的とする。

（考案の構成） この考案は、クーラント中の切粉を除去するクーラン
ト浄化装置であって、クーラントが一端部より流入し他
端部より流出するクーラント浄化通路を設け、上記クー
ラント浄化通路の底部にマグネット板を敷設する一方、
上記マグネット板上を移動して切粉を掻取る千鳥状配置
のスクレーパを備えたクーラント浄化装置。であること
を特徴とする。

（考案の効果） この考案によれば、クーラント浄化通路のマグネット
板上を移動する上述のスクレーパを千鳥状配置になした
ので、このスクレーパにより蛇行状のクーラント流路を
形成することができ、クーラント流路長さの大幅な増加
を図ることができる。

この結果、クーラント浄化装置の小型コンパクト化を
図りつつ、上述のクーラント流路により切粉の充分な自
重沈降を行なうことができる効果がある。

（実施例） この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。

図面はクーラント浄化装置を示し、第１図乃至第３図
において、クーラントＣを貯溜するクーラントタンク１
内に架構２を立設固定し、この架構２の上部には仕切り
用の左右の側壁3,4とタンク内壁とで囲繞されたクーラ
ント浄化通路５を形成し、このクーラント浄化通路５の
底部つまり架構２上面にはマグネット板６を敷設してい
る。

なお、このマグネット６としては複数分割したものを
用いる。

上述のクーラント浄化通路５を形成する左側壁３の一
端部にはクーラント入口７を形成する一方、右側壁４の
他端部には浄化クーラント出口８を形成し、一端側のク
ーラント入口７から流入したクーラントＣを他端側の浄
化クーラント出口８から上述のクーラントタンク１内に
流下すべく構成し、上述のクーラント浄化通路５を可及
的長く形成している。

上述の左側壁３の外面とクーラントタンク１内面との
間には、マグネット板６の配設高さより若干高い位置に
樋９をほぼ水平に張架すると共に、この樋９の上述のク
ーラント入口７に対応する部分をマグネット板６と面一
状になるように窪ませて凹部9aを形成することで、クー
ラントＣを回収する解消トラフ10を構成している。

ところで、上述のクーラントタンク１の外部上方に設
けたチェーン駆動用の原動軸11と、クーラント浄化通路
５の一端上部に設けたチェーン駆動用の従動軸12との間
にはスプロケット13…を介して無限軌道としての２条の
チェーン14,14をエンドレス状に張架している。

なお、図面では図示の便宜上、ピンリンクおよびロー
ラリンクを誇大示している。

しかも、上述の２条のチェーン14,14のピンリンク15
…にチェーンアタッチメント16を介してスクレーパ17…
を千鳥状に配置している。

この実施例では山形鋼いわゆるアングルの所定部を切
り落としてスクレーパ17を形成し、この山形鋼製のスク
レーパ17の取付け部を、上述のチェーンアタッチメント
16,16にボルトアップしている。

上述のスクレーパ17…はマグネット板６上を移動して
切粉を掻取るもので、多数のスクレーパ17…を第３図に
示すように千鳥状に配置したことで、クーラント蛇行流
路18を形成して、マグネット板６上のクーラント通過時
間を長くし、切粉が自重沈降するに要する時間を確保し
ている。

上述のチェーン14,14はその必要部をチェーンカバー1
9で囲繞し、また所定部にはチェーン押え部材20を配設
している。

上述のチェーンカバー19のクーラントタンク１外方へ
の導出部にはチェーン駆動用のモータ21を取付ける一
方、このモータ21の取付け部位に対応する上述のチェー
ンカバー19には開口部19aを形成し、上述のスクレーパ1
7で掻取った切粉を、この開口部19aを介して下方に設置
した切粉回収ボックス22に回収すべく構成している。

一方、クーラントタンク１の開口部を覆うプレート23
を設け、このプレート23上にクーラントポンプ24を取付
けると共に、このクーラントポンプ24の吸込み側に接続
した揚液パイプ25をクーラントタンク１のクーラントＣ
中に浸漬し、この揚液パイプ25の下端にはストレーナ26
を取付けている。

図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下作
用を説明する。

モータ21を駆動して、クーラント流速より充分遅い駆
動速度でチェーン14およびスクレーパ17を第２図の矢印
ａ方向へ走行させた状態下において、回収トラフ10に第
３図の矢印ｂ方向からクーラントＣを回収すると、この
クーラントＣは樋９からその凹部9aに向けて流通し、こ
の凹部9aから同図に矢印ｄで示すようにクーラント入口
７を介してクーラント浄化通路５に流入する。

このクーラント浄化通路５に流入したクーラントＣは
スクレーパ17の千鳥状配置により形成されたクーラント
蛇行流路18を同図に矢印e,f,g,h,i,jで示すように蛇行
流通し、この蛇行流通する間にクーラントＣ中の切粉は
自重沈降し、自重沈降した切粉はマグネット板６に吸引
されると共に、上述のスクレーパ17により掻取られる。

上述のクーラント浄化通路５で切粉が除去された浄化
クーラントＣは第３図に矢印ｋで示すように浄化クーラ
ント出口８からクーラントタンク１内に流下する。

このようにして、上述のクーラントタンク１内に貯溜
された浄化クーラントＣはクーラントポンプ24の駆動時
に、ストレーナ26および揚液パイプ25を介して汲み上げ
られ、浄化クーラント吐出パイプ27を介して各種工作機
械におけるツールのワーク加工部位などに供給される。

このように、上述のクーラント浄化通路５のマグネッ
ト板６上を移動する上述のスクレーパ17を千鳥状配置に
なしたので、このスクレーパ17によりクーラント蛇行流
路18を形成することができ、クーラント流路長さの大幅
な増加を図ることができる。

この結果、クーラント浄化装置の小型コンパクト化を
図りつつ、上述のクーラント流路により切粉の充分な自
重沈降を行なうことができる効果がある。

なお、上述のスクレーパ17で掻取られた切粉はチェー
ンカバー19に沿って開口部19aまで搬送され、この開口
部19aから下方の切粉回収ボックス22に回収される。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、 第１図はクーラント浄化装置の縦断面図、 第２図は第１図のＡ−Ａ線矢視断面図、 第３図は第２図のＢ−Ｂ線矢視断面図である。 ５……クーラント浄化通路 ６……マグネット板 17……スクレーパ Ｃ……クーラント

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】クーラント中の切粉を除去するクーラント
   浄化装置であって、 クーラントが一端部より流入し他端部より流出するクー
   ラント浄化通路を設け、 上記クーラント浄化通路の底部にマグネット板を敷設す
   る一方、 上記マグネット板上を移動して切粉を掻取る千鳥状配置
   のスクレーパを備えた クーラント浄化装置。