JPH0839741A - 積層フィルムおよびそれを用いたコンデンサ - Google Patents
積層フィルムおよびそれを用いたコンデンサInfo
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- JPH0839741A JPH0839741A JP18126494A JP18126494A JPH0839741A JP H0839741 A JPH0839741 A JP H0839741A JP 18126494 A JP18126494 A JP 18126494A JP 18126494 A JP18126494 A JP 18126494A JP H0839741 A JPH0839741 A JP H0839741A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は積層フィルムおよびそれを用いたコ
ンデンサに関するものであり、さらに詳しく言えばコン
デンサ用誘電体フィルムとして好適な、フィルムの製造
時やコンデンサ製造時のフィルムの走行性、耐削れ性に
優れ、且つ電圧負荷時の耐湿性、セルフヒーリング性が
改良されたシンジオタクチックポリスチレン系積層フィ
ルムおよびコンデンサに関するものである。 【構成】 シンジオタクチック構造を有するスチレン系
重合体からなるフィルムの少なくとも片面に表面層が積
層され、該表面層の三次元表面粗さSRa(μm) およびS
λa(μm) とガラス転移温度の関係が、所定の式で表さ
れる範囲にある積層フィルムおよびそれを用いたコンデ
ンサ。
ンデンサに関するものであり、さらに詳しく言えばコン
デンサ用誘電体フィルムとして好適な、フィルムの製造
時やコンデンサ製造時のフィルムの走行性、耐削れ性に
優れ、且つ電圧負荷時の耐湿性、セルフヒーリング性が
改良されたシンジオタクチックポリスチレン系積層フィ
ルムおよびコンデンサに関するものである。 【構成】 シンジオタクチック構造を有するスチレン系
重合体からなるフィルムの少なくとも片面に表面層が積
層され、該表面層の三次元表面粗さSRa(μm) およびS
λa(μm) とガラス転移温度の関係が、所定の式で表さ
れる範囲にある積層フィルムおよびそれを用いたコンデ
ンサ。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層フィルムおよびそれ
を用いたコンデンサに関するものであり、さらに詳しく
言えばコンデンサ用誘電体フィルムとして好適な、フィ
ルムの製造時やコンデンサ製造時のフィルムの走行性、
耐削れ性に優れ、且つ電圧負荷時の耐湿性、セルフヒー
リング性が改良されたシンジオタクチックポリスチレン
系積層フィルムおよびコンデンサに関するものである。
を用いたコンデンサに関するものであり、さらに詳しく
言えばコンデンサ用誘電体フィルムとして好適な、フィ
ルムの製造時やコンデンサ製造時のフィルムの走行性、
耐削れ性に優れ、且つ電圧負荷時の耐湿性、セルフヒー
リング性が改良されたシンジオタクチックポリスチレン
系積層フィルムおよびコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】シンジオタクチックポリスチレン系重合
体を主成分とする樹脂組成物を二軸延伸、熱固定した二
軸延伸フィルムは耐熱性、電気特性が良好であるためコ
ンデンサの誘電体に展開されている(特開平2-143851、
特開平3-124750、特開平5-200858)。また、コンデンサ
ーの製造時の走行性向上や収率向上のために滑り性を改
良したものが知られている(特開平6-29146 、特開平6-
80793 )。
体を主成分とする樹脂組成物を二軸延伸、熱固定した二
軸延伸フィルムは耐熱性、電気特性が良好であるためコ
ンデンサの誘電体に展開されている(特開平2-143851、
特開平3-124750、特開平5-200858)。また、コンデンサ
ーの製造時の走行性向上や収率向上のために滑り性を改
良したものが知られている(特開平6-29146 、特開平6-
80793 )。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
シンジオタクチックポリスチレン系フィルムにおいて、
フィルムの製造時及びコンデンサ製造時の耐削れ性、走
行性の改良は見られるが、得られたコンデンサの電圧負
荷時の耐湿性およびセルフヒーリング性に関しては必ず
しも満足できるものではなかった。
シンジオタクチックポリスチレン系フィルムにおいて、
フィルムの製造時及びコンデンサ製造時の耐削れ性、走
行性の改良は見られるが、得られたコンデンサの電圧負
荷時の耐湿性およびセルフヒーリング性に関しては必ず
しも満足できるものではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、シンジオタク
チック構造を有するスチレン系重合体からなるフィルム
の少なくとも片面に表面層が積層され、該表面層の三次
元表面粗さSRa(μm)およびS λa(μm) とガラス転移
温度の関係が、 SRa ≧0.01+0.02 ×(Tgc−Tgs)/Tgc 3+4 ×(Tgc−Tgs)/Tgc ≦S λa ≦20+10 ×(Tgc−Tgs)
/Tgc ここで、Tgc はシンジオタクチックポリスチレン系フィ
ルム層のガラス転移温度 Tgs は表面層のガラス転移温度 の関係を満足することを特徴とする積層フィルムであ
る。更に該表面層のガラス転移温度が90℃以下であるこ
と、該表面層のX線光電子分光法により評価した極表面
の、炭素原子に対する酸素原子の比率が10%以上である
こと、該表面層の厚みが積層フィルムの厚みの30%以下
であること、積層フィルムの誘電正接(25℃、1kHz)が
0.001 以下であることにより、コンデンサ用誘電体フィ
ルムとして好適な、フィルムの製造時やコンデンサ製造
時の滑剤の脱落を抑制し、走行性に優れ、且つ電圧負荷
時の耐湿性、セルフヒーリング性が改良されたシンジオ
タクチックポリスチレン系積層フィルムを得ることが出
来る。また、このようなシンジオタクチックポリスチレ
ン系積層フィルムの少なくとも片面に金属薄膜層を形成
した金属化シンジオタクチックポリスチレン系積層フィ
ルムを用いたことを特徴とするコンデンサは電気特性に
優れ、且つ電圧負荷時の耐湿性およびセルフヒーリング
性に優れたものである。
チック構造を有するスチレン系重合体からなるフィルム
の少なくとも片面に表面層が積層され、該表面層の三次
元表面粗さSRa(μm)およびS λa(μm) とガラス転移
温度の関係が、 SRa ≧0.01+0.02 ×(Tgc−Tgs)/Tgc 3+4 ×(Tgc−Tgs)/Tgc ≦S λa ≦20+10 ×(Tgc−Tgs)
/Tgc ここで、Tgc はシンジオタクチックポリスチレン系フィ
ルム層のガラス転移温度 Tgs は表面層のガラス転移温度 の関係を満足することを特徴とする積層フィルムであ
る。更に該表面層のガラス転移温度が90℃以下であるこ
と、該表面層のX線光電子分光法により評価した極表面
の、炭素原子に対する酸素原子の比率が10%以上である
こと、該表面層の厚みが積層フィルムの厚みの30%以下
であること、積層フィルムの誘電正接(25℃、1kHz)が
0.001 以下であることにより、コンデンサ用誘電体フィ
ルムとして好適な、フィルムの製造時やコンデンサ製造
時の滑剤の脱落を抑制し、走行性に優れ、且つ電圧負荷
時の耐湿性、セルフヒーリング性が改良されたシンジオ
タクチックポリスチレン系積層フィルムを得ることが出
来る。また、このようなシンジオタクチックポリスチレ
ン系積層フィルムの少なくとも片面に金属薄膜層を形成
した金属化シンジオタクチックポリスチレン系積層フィ
ルムを用いたことを特徴とするコンデンサは電気特性に
優れ、且つ電圧負荷時の耐湿性およびセルフヒーリング
性に優れたものである。
【0005】本発明に用いられる立体規則性がシンジオ
タクチック構造であるポリスチレン系重合体は、側鎖で
あるフェニル基又は置換フェニル基が核磁気共鳴法によ
り定量されるタクティシティがダイアッド(構成単位が
二個)で85%以上、ペンタッド(構成単位が5個)で50
%以上のシンジオタクチック構造であることが望まし
い。
タクチック構造であるポリスチレン系重合体は、側鎖で
あるフェニル基又は置換フェニル基が核磁気共鳴法によ
り定量されるタクティシティがダイアッド(構成単位が
二個)で85%以上、ペンタッド(構成単位が5個)で50
%以上のシンジオタクチック構造であることが望まし
い。
【0006】該ポリスチレン系重合体としては、ポリス
チレン、ポリ(p-、m-又はo-メチルスチレン)、ポリ
(2,4-、2,5-、3,4-又は3,5-ジメチルスチレン)、ポリ
(p-ターシャリーブチルスチレン)などのポリ(アルキ
ルスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-クロロスチレン)、
ポリ(p-、m-又はo-ブロモスチレン)、ポリ(p-、m-又
はo-フルオロスチレン)、ポリ(o-メチル-p-フルオロ
スチレン)などのポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ
(p-、m-又はo-クロロメチルスチレン)などのポリ(ハ
ロゲン置換アルキルスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-メ
トキシスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-エトキシスチレ
ン)などのポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(p-、m-
又はo-カルボキシメチルスチレン)などのポリ(カルボ
キシアルキルスチレン)ポリ(p-ビニルベンジルプロピ
ルエーテル)などのポリ(アルキルエーテルスチレ
ン)、ポリ(p-トリメチルシリルスチレン)などのポリ
(アルキルシリルスチレン)、さらにはポリ(ビニルベ
ンジルジメトキシホスファイド)などが挙げられる。
チレン、ポリ(p-、m-又はo-メチルスチレン)、ポリ
(2,4-、2,5-、3,4-又は3,5-ジメチルスチレン)、ポリ
(p-ターシャリーブチルスチレン)などのポリ(アルキ
ルスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-クロロスチレン)、
ポリ(p-、m-又はo-ブロモスチレン)、ポリ(p-、m-又
はo-フルオロスチレン)、ポリ(o-メチル-p-フルオロ
スチレン)などのポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ
(p-、m-又はo-クロロメチルスチレン)などのポリ(ハ
ロゲン置換アルキルスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-メ
トキシスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-エトキシスチレ
ン)などのポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(p-、m-
又はo-カルボキシメチルスチレン)などのポリ(カルボ
キシアルキルスチレン)ポリ(p-ビニルベンジルプロピ
ルエーテル)などのポリ(アルキルエーテルスチレ
ン)、ポリ(p-トリメチルシリルスチレン)などのポリ
(アルキルシリルスチレン)、さらにはポリ(ビニルベ
ンジルジメトキシホスファイド)などが挙げられる。
【0007】本発明においては、前記ポリスチレン系重
合体のなかで、特にポリスチレンが好適である。また、
本発明で用いるシンジオタクチック構造を有するポリス
チレン系重合体は、必ずしも単一化合物である必要はな
く、シンジオタクティシティが前記範囲内であればアタ
クチック構造やアイソタクチック構造のポリスチレン系
重合体との混合物や、共重合体及びそれらの混合物でも
よい。
合体のなかで、特にポリスチレンが好適である。また、
本発明で用いるシンジオタクチック構造を有するポリス
チレン系重合体は、必ずしも単一化合物である必要はな
く、シンジオタクティシティが前記範囲内であればアタ
クチック構造やアイソタクチック構造のポリスチレン系
重合体との混合物や、共重合体及びそれらの混合物でも
よい。
【0008】また本発明に用いるポリスチレン系重合体
は、重量平均分子量が10,000以上、更に好ましくは50,0
00以上である。重量平均分子量が10,000未満のもので
は、強伸度特性や耐熱性に優れたフィルムを得ることが
できない。重量平均分子量の上限については、特に限定
されるものではないが、1500,000以上では延伸張力の増
加に伴う破断の発生などが生じるため余り好ましくな
い。
は、重量平均分子量が10,000以上、更に好ましくは50,0
00以上である。重量平均分子量が10,000未満のもので
は、強伸度特性や耐熱性に優れたフィルムを得ることが
できない。重量平均分子量の上限については、特に限定
されるものではないが、1500,000以上では延伸張力の増
加に伴う破断の発生などが生じるため余り好ましくな
い。
【0009】更に、本発明のシンジオタクチックポリス
チレン系フィルムは、公知の方法、例えば、縦延伸及び
横延伸を順に行なう逐次二軸延伸方法のほか、横・縦・
縦延伸法、縦・横・縦延伸法、縦・縦・横延伸法などの
延伸方法を採用することができ、要求される強度や寸法
安定性などの諸特性に応じて選択される。また、熱固定
処理、縦弛緩処理、横弛緩処理などを施すことができ
る。
チレン系フィルムは、公知の方法、例えば、縦延伸及び
横延伸を順に行なう逐次二軸延伸方法のほか、横・縦・
縦延伸法、縦・横・縦延伸法、縦・縦・横延伸法などの
延伸方法を採用することができ、要求される強度や寸法
安定性などの諸特性に応じて選択される。また、熱固定
処理、縦弛緩処理、横弛緩処理などを施すことができ
る。
【0010】本発明に用いられるシンジオタクチックポ
リスチレン系重合体には必要に応じて、公知の酸化防止
剤、帯電防止剤等を適量配合したものを用いることがで
きる。配合量はシンジオタクチックポリスチレン系重合
体100重量%に対して10重量%以下が望ましい。10重量
%を越えると延伸時に破断を起こしやすくなり、生産安
定性不良となるので好ましくない。
リスチレン系重合体には必要に応じて、公知の酸化防止
剤、帯電防止剤等を適量配合したものを用いることがで
きる。配合量はシンジオタクチックポリスチレン系重合
体100重量%に対して10重量%以下が望ましい。10重量
%を越えると延伸時に破断を起こしやすくなり、生産安
定性不良となるので好ましくない。
【0011】表面層の形成方法としてはシンジオタクチ
ックポリスチレン系重合体と表面形成用樹脂組成物を溶
融した状態でダイ内部又はダイの開口部等で接合させ積
層しダイから押出し急冷し無定形シートを作成した後延
伸する方法、シンジオタクチックポリスチレン系重合体
をダイから押出し急冷し得られた無定形シート上もしく
は一軸延伸したフィルム上に表面形成用樹脂組成物をコ
ーティングした後更に延伸する方法、それぞれ別々に延
伸したフィルムを接着し重ね合せるする方法等が挙げら
れる。
ックポリスチレン系重合体と表面形成用樹脂組成物を溶
融した状態でダイ内部又はダイの開口部等で接合させ積
層しダイから押出し急冷し無定形シートを作成した後延
伸する方法、シンジオタクチックポリスチレン系重合体
をダイから押出し急冷し得られた無定形シート上もしく
は一軸延伸したフィルム上に表面形成用樹脂組成物をコ
ーティングした後更に延伸する方法、それぞれ別々に延
伸したフィルムを接着し重ね合せるする方法等が挙げら
れる。
【0012】本発明のシンジオタクチックポリスチレン
系に積層される樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポ
リエチレン−2,6 −テレナフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート等のポリエステル系重合体、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン12、ナイロン4 、ポリヘキサメチ
レンアジパミド等のポリアミド系重合体、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポ
リエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド等が
挙げられる。上記樹脂は混合物や共重合体及びそれらの
混合物でもよい。
系に積層される樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポ
リエチレン−2,6 −テレナフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート等のポリエステル系重合体、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン12、ナイロン4 、ポリヘキサメチ
レンアジパミド等のポリアミド系重合体、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポ
リエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド等が
挙げられる。上記樹脂は混合物や共重合体及びそれらの
混合物でもよい。
【0013】そして、前記の三次元表面粗さS λa 及び
SRa は、フィルムの製膜条件、突起形成剤及び積層化等
によって調整される。突起形成剤の種類及び添加量は三
次元表面粗さS λa 、SRa が所定の範囲に入るならば特
に限定されるものではないが、、例えばシリカ、二酸化
チタン、タルク、カオリナイト、ゼオライト等の金属酸
化物、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウ
ムなどの金属の塩またはシリコーン樹脂、架橋ポリスチ
レン等の有機重合体からなる粒子等の添加が例示され
る。そして、これら微粒子は、いずれか一種を単独で用
いてもよく、また2種以上を併用してもよいが、使用す
る微粒子の平均粒子系は0.01μm以上2.0μm以下、特
に0.05μm以上1.5 μm以下が好ましく、粒子径のばら
つき度(標準偏差と平均粒子径との比率)が25%以下が
好ましい。添加量はシンジオタクチックポリスチレン系
重合体100 重量%に対し0.005 重量%以上2.0 重量%以
下含有することが好ましく、特に0.1 重量%以上1.0 重
量%以下が好ましい。
SRa は、フィルムの製膜条件、突起形成剤及び積層化等
によって調整される。突起形成剤の種類及び添加量は三
次元表面粗さS λa 、SRa が所定の範囲に入るならば特
に限定されるものではないが、、例えばシリカ、二酸化
チタン、タルク、カオリナイト、ゼオライト等の金属酸
化物、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウ
ムなどの金属の塩またはシリコーン樹脂、架橋ポリスチ
レン等の有機重合体からなる粒子等の添加が例示され
る。そして、これら微粒子は、いずれか一種を単独で用
いてもよく、また2種以上を併用してもよいが、使用す
る微粒子の平均粒子系は0.01μm以上2.0μm以下、特
に0.05μm以上1.5 μm以下が好ましく、粒子径のばら
つき度(標準偏差と平均粒子径との比率)が25%以下が
好ましい。添加量はシンジオタクチックポリスチレン系
重合体100 重量%に対し0.005 重量%以上2.0 重量%以
下含有することが好ましく、特に0.1 重量%以上1.0 重
量%以下が好ましい。
【0014】本発明のシンジオタクチックポリスチレン
系積層フィルムの表面層の三次元表面粗さS λa および
SRa は、積層フィルムのガラス転移温度によって、フィ
ルムの走行時やコンデンサ製造時の滑剤の脱落を抑制
し、走行性に優れた物にするための最適な範囲が異な
り、下記範囲内にする必要があることが分かった。 SRa ≧0.01+0.02 ×(Tgc−Tgs)/Tgc 3+4 ×(Tgc−Tgs)/Tgc ≦S λa ≦20+10 ×(Tgc−Tgs)
/Tgc SRaがこの範囲を外れた場合には走行性不良となりフィ
ルムの製造時及びコンデンサ製造時にロールとの接触に
よりしわ及び傷等の欠点が発生するため好ましくない。
また、S λa が3+4 ×(Tgc−Tgs)/Tgc 未満になった場
合には走行性が不良となる。更に、S λa が20+10 ×(T
gc−Tgs)/Tgc より大きくなった場合には、突起の削れ
に伴う白粉が生じ、耐磨耗性不良となるため好ましくな
い。
系積層フィルムの表面層の三次元表面粗さS λa および
SRa は、積層フィルムのガラス転移温度によって、フィ
ルムの走行時やコンデンサ製造時の滑剤の脱落を抑制
し、走行性に優れた物にするための最適な範囲が異な
り、下記範囲内にする必要があることが分かった。 SRa ≧0.01+0.02 ×(Tgc−Tgs)/Tgc 3+4 ×(Tgc−Tgs)/Tgc ≦S λa ≦20+10 ×(Tgc−Tgs)
/Tgc SRaがこの範囲を外れた場合には走行性不良となりフィ
ルムの製造時及びコンデンサ製造時にロールとの接触に
よりしわ及び傷等の欠点が発生するため好ましくない。
また、S λa が3+4 ×(Tgc−Tgs)/Tgc 未満になった場
合には走行性が不良となる。更に、S λa が20+10 ×(T
gc−Tgs)/Tgc より大きくなった場合には、突起の削れ
に伴う白粉が生じ、耐磨耗性不良となるため好ましくな
い。
【0015】本発明に於いて表面層のガラス転移温度が
90℃以下であることが好ましい。90℃より高い場合に
は、セルフヒーリング性が不良となり易い。また、本発
明の表面層の極薄い、X線光電子分光法により評価した
極表面の炭素原子に対する酸素原子の比率は10%以上で
あることが好ましい。更に好ましくは、15%以上であ
る。表面層の極表面の炭素原子に対する酸素原子の比率
が10%より小さくなると、電圧負荷時の耐湿性およびセ
ルフヒーリング性が不良なものとなるため好ましくな
い。ここで、表面層の極表面の炭素原子に対する酸素原
子の比率が10%以上の場合には、電圧負荷時の耐湿性お
よびガラス転移温度が90℃以上の場合においても、セル
フヒーリング性が良好な積層フィルムが得られる。表面
の極表面の炭素原子に対する酸素原子の比率を10%以上
にする方法としては、炭素原子に対する酸素原子の比率
が10%以上である樹脂組成物により表面層(勿論、極
表面も)を形成する方法、および樹脂組成物により形成
した表面層の極表面の炭素原子に対する酸素原子の比率
が10%以下のときに酸化法により表面処理する方法等が
挙げられる。表面層の厚みは積層フィルムの厚みの30%
以下であることが好ましい。30%より厚い場合には静電
容量や誘電正接の温度、周波数特性等の電気特性および
耐熱性が不良になるため好ましくない。厚みの下限につ
いては特に限定されないが、0.005 μm より薄くなると
セルフヒーリング性の改良効果が得られにくくなるため
好ましくない。
90℃以下であることが好ましい。90℃より高い場合に
は、セルフヒーリング性が不良となり易い。また、本発
明の表面層の極薄い、X線光電子分光法により評価した
極表面の炭素原子に対する酸素原子の比率は10%以上で
あることが好ましい。更に好ましくは、15%以上であ
る。表面層の極表面の炭素原子に対する酸素原子の比率
が10%より小さくなると、電圧負荷時の耐湿性およびセ
ルフヒーリング性が不良なものとなるため好ましくな
い。ここで、表面層の極表面の炭素原子に対する酸素原
子の比率が10%以上の場合には、電圧負荷時の耐湿性お
よびガラス転移温度が90℃以上の場合においても、セル
フヒーリング性が良好な積層フィルムが得られる。表面
の極表面の炭素原子に対する酸素原子の比率を10%以上
にする方法としては、炭素原子に対する酸素原子の比率
が10%以上である樹脂組成物により表面層(勿論、極
表面も)を形成する方法、および樹脂組成物により形成
した表面層の極表面の炭素原子に対する酸素原子の比率
が10%以下のときに酸化法により表面処理する方法等が
挙げられる。表面層の厚みは積層フィルムの厚みの30%
以下であることが好ましい。30%より厚い場合には静電
容量や誘電正接の温度、周波数特性等の電気特性および
耐熱性が不良になるため好ましくない。厚みの下限につ
いては特に限定されないが、0.005 μm より薄くなると
セルフヒーリング性の改良効果が得られにくくなるため
好ましくない。
【0016】また、本発明に於いてシンジオタクチック
構造を有するスチレン系重合体からなるフィルムの少な
くとも片面に表面層が積層された積層フィルムの誘電正
接(25℃、1kHz)は0.001 以下であることが好ましい。
誘電正接(25℃、1kHz)が0.001 より大きくなった場
合、シンジオタクチックポリスチレン系重合体からなる
フィルムの持つ良好な電気特性が、積層された表面層の
樹脂の特性の影響を受けたことにより、損なわれた物と
なるため好ましくない。
構造を有するスチレン系重合体からなるフィルムの少な
くとも片面に表面層が積層された積層フィルムの誘電正
接(25℃、1kHz)は0.001 以下であることが好ましい。
誘電正接(25℃、1kHz)が0.001 より大きくなった場
合、シンジオタクチックポリスチレン系重合体からなる
フィルムの持つ良好な電気特性が、積層された表面層の
樹脂の特性の影響を受けたことにより、損なわれた物と
なるため好ましくない。
【0017】更に、本発明に於いてこれらの積層フィル
ムの少なくとも片面に金属薄膜層を形成した金属化シン
ジオタクチックポリスチレン系積層フィルムを用いたコ
ンデンサは、コンデンサ製造工程における滑剤の脱落が
抑制され、且つ走行性に優れているため得られたコンデ
ンサの特性のバラツキが減少し、収率が向上する。ま
た、得られたコンデンサは電圧負荷時の耐湿性およびセ
ルフヒーリング性が改良された物となる。
ムの少なくとも片面に金属薄膜層を形成した金属化シン
ジオタクチックポリスチレン系積層フィルムを用いたコ
ンデンサは、コンデンサ製造工程における滑剤の脱落が
抑制され、且つ走行性に優れているため得られたコンデ
ンサの特性のバラツキが減少し、収率が向上する。ま
た、得られたコンデンサは電圧負荷時の耐湿性およびセ
ルフヒーリング性が改良された物となる。
【0018】
【実施例】以下に実施例にて本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな
い。なお、フィルムの評価方法を以下に示す。
が、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな
い。なお、フィルムの評価方法を以下に示す。
【0019】(1)三次元表面粗さS λa 、SRa フィルム表面を触針式3次元表面粗さ計(SE-3AK, 株式
会社小坂研究所社製)を用いて、針の半径2μm、荷重
30mgの条件化に、フィルムの長手方向にカットオフ値0.
25mmで、測定長1mm にわたって測定し、2μm ピッチで
500 点に分割し、各点の高さを3次元粗さ解析装置(SP
A-11) に取り込ませた。これと同様の操作をフィルムの
幅方向について2 μm 間隔で連続的に150 回、即ちフィ
ルムの幅方向0.3mm にわたって行ない、解析装置にデー
タを取り込ませた。次に、解析装置を用いて、S λa お
よびSRa を求めた。
会社小坂研究所社製)を用いて、針の半径2μm、荷重
30mgの条件化に、フィルムの長手方向にカットオフ値0.
25mmで、測定長1mm にわたって測定し、2μm ピッチで
500 点に分割し、各点の高さを3次元粗さ解析装置(SP
A-11) に取り込ませた。これと同様の操作をフィルムの
幅方向について2 μm 間隔で連続的に150 回、即ちフィ
ルムの幅方向0.3mm にわたって行ない、解析装置にデー
タを取り込ませた。次に、解析装置を用いて、S λa お
よびSRa を求めた。
【0020】(2)ガラス転移温度 理学電気株式会社製 THERMOFLEX DSC-8230を用いて、
昇温速度は20℃/ 分、サンプル重量は5mg の条件で測定
した。
昇温速度は20℃/ 分、サンプル重量は5mg の条件で測定
した。
【0021】(3)X線光電子分光法による極表面の炭
素原子に対する酸素原子の比率(O/C比) 炭素原子に対する酸素原子の比率は、株式会社島津製作
所製 ESCA-850により、光源にMg-Kα線(1254ev )を
用い、極表面に存在する炭素原子と酸素原子との比率を
測定した。O/C比(%)=酸素原子量/炭素原子量×
100
素原子に対する酸素原子の比率(O/C比) 炭素原子に対する酸素原子の比率は、株式会社島津製作
所製 ESCA-850により、光源にMg-Kα線(1254ev )を
用い、極表面に存在する炭素原子と酸素原子との比率を
測定した。O/C比(%)=酸素原子量/炭素原子量×
100
【0022】(4)誘電正接 横河・ヒューレットパッカード株式会社製 4192A LF
IMPEDANCE ANALYZERを用いて、25℃、1kHzにおける誘
電正接を評価した。
IMPEDANCE ANALYZERを用いて、25℃、1kHzにおける誘
電正接を評価した。
【0023】(5)フィルムの走行性および耐削れ性 フィルムを細幅にスリットしたテープ状とし、これを金
属製ガイドロールにこすり付けて高速でかつ長時間走行
させ、このガイドロール擦過後のテープ張力の大小およ
びガイドロールの表面に発生する白紛量の多少を、それ
ぞれ以下に示すように5段階評価し、ランク付けした。 (イ)走行性 1級;張力大(擦り傷非常に多い) 2級;張力やや大(擦り傷多い) 3級;張力中(擦り傷ややあり) 4級;張力やや小(擦り傷ほとんどなし) 5級;張力小(擦り傷発生なし) (ロ)耐削れ性 1級;白紛の発生非常に多い 2級;白紛に発生多い 3級;白紛の発生ややあり 4級;白紛の発生ほぼなし 5級;白紛の発生なし
属製ガイドロールにこすり付けて高速でかつ長時間走行
させ、このガイドロール擦過後のテープ張力の大小およ
びガイドロールの表面に発生する白紛量の多少を、それ
ぞれ以下に示すように5段階評価し、ランク付けした。 (イ)走行性 1級;張力大(擦り傷非常に多い) 2級;張力やや大(擦り傷多い) 3級;張力中(擦り傷ややあり) 4級;張力やや小(擦り傷ほとんどなし) 5級;張力小(擦り傷発生なし) (ロ)耐削れ性 1級;白紛の発生非常に多い 2級;白紛に発生多い 3級;白紛の発生ややあり 4級;白紛の発生ほぼなし 5級;白紛の発生なし
【0024】(6)電圧負荷時の耐湿性 コンデンサを60℃、95%RHの雰囲気下で、100V(DC)の
電圧を印加し1000時間エージングして静電容量変化率を
横河・ヒューレットパッカード株式会社製 4192A LF
IMPEDANCE ANALYZERを用いて測定した。これをΔC /
C (%)で示し、この静電容量変化率が小さいいほど耐
湿性が良好である。ここで、C はエージング前の静電容
量、ΔC はエージング前の静電容量からエージング後の
静電容量を引いた値である。判定は以下に示すように5
段階評価し、ランク付けした。 1級;−20>ΔC /C 2級;−10>ΔC /C ≧−20 3級; −5 >ΔC /C ≧−10 4級; 0>ΔC /C ≧−5 5級; ΔC /C ≧0
電圧を印加し1000時間エージングして静電容量変化率を
横河・ヒューレットパッカード株式会社製 4192A LF
IMPEDANCE ANALYZERを用いて測定した。これをΔC /
C (%)で示し、この静電容量変化率が小さいいほど耐
湿性が良好である。ここで、C はエージング前の静電容
量、ΔC はエージング前の静電容量からエージング後の
静電容量を引いた値である。判定は以下に示すように5
段階評価し、ランク付けした。 1級;−20>ΔC /C 2級;−10>ΔC /C ≧−20 3級; −5 >ΔC /C ≧−10 4級; 0>ΔC /C ≧−5 5級; ΔC /C ≧0
【0025】(7)セルフヒーリング性(SH性) 片側に厚さ600 Åのアルミニウムを蒸着した積層フィル
ムを、一辺1cm の正方形に切り、2 枚重ね合せ、更に一
辺2cm のゴム板に挟み、2kg の荷重をかけた。この状態
で、蒸着フィルムに電圧を印加し絶縁破壊を発生させセ
ルフヒーリング性の有無をサンプル数20個で評価した。 1級;セルフヒーリング性なし 2級;セルフヒーリング性ほとんどない 3級;セルフヒーリング性ない場合あり 4級;セルフヒーリング性ほとんどあり 5級;セルフヒーリング性すべてあり
ムを、一辺1cm の正方形に切り、2 枚重ね合せ、更に一
辺2cm のゴム板に挟み、2kg の荷重をかけた。この状態
で、蒸着フィルムに電圧を印加し絶縁破壊を発生させセ
ルフヒーリング性の有無をサンプル数20個で評価した。 1級;セルフヒーリング性なし 2級;セルフヒーリング性ほとんどない 3級;セルフヒーリング性ない場合あり 4級;セルフヒーリング性ほとんどあり 5級;セルフヒーリング性すべてあり
【0026】(8)温度特性 横河・ヒューレットパッカード株式会社製 4192A LF
IMPEDANCE ANALYZERを用いて、150 ℃、1kHzにおける
誘電正接で評価した。誘電正接を以下に示すように5段
階評価し、ランク付けした。 1級;0.05以上 2級;0.01〜0.05 3級;0.005 〜0.01 4級;0.001 〜0.005 5級;0.001 未満
IMPEDANCE ANALYZERを用いて、150 ℃、1kHzにおける
誘電正接で評価した。誘電正接を以下に示すように5段
階評価し、ランク付けした。 1級;0.05以上 2級;0.01〜0.05 3級;0.005 〜0.01 4級;0.001 〜0.005 5級;0.001 未満
【0027】実施例1、2 比較例1 (a) ポリエステル水溶液の調整 バイロナール MD1200(東洋紡績株式会社製) 20重量部(固形分25%) 水 36重量部 イソプロピルアルコール 36重量部 ベンジルアルコール 8重量部
【0028】(b) 積層フィルムの製造 シンジオタクチックポリスチレン(重量平均分子量2500
00)100 重量部に対して、突起形成剤として炭酸カルシ
ウム微粒子(平均粒子径=1.0μm 、ばらつき度=20 %)
を40重量%含有するポリエチレンテレフタレート(IV=0.
62) 樹脂を4.0重量部添加したポリマーチップと、突起
形成剤の添加されていないポリマーチップを0.2 対9.8
(比較例1 )、0.5 対9.5 (実施例1 )、1対9(実施
例2 )の割合で混合した後、乾燥し、300 ℃で溶融し、
200 μmのリップギャップのT ダイから押し出し、40℃
の冷却ロールに静電印荷法により密着・ 冷却固化し、44
μmの無定形シートを得た。該無定形シートをまずロー
ルにより100 ℃に予熱し、表面温度700 ℃の赤外線加熱
ヒーターを4本使用により更に加熱し、フィルム温度13
9 ℃で縦方向に2.0 倍延伸し、更に125 ℃で縦方向に1.
8 倍延伸した。該一軸延伸フィルムに上記(a) で得た塗
工液をバーコート法により両面に塗布した。ついでテン
ターで、フィルムを120 ℃に予熱し、横方向に延伸温度
120 ℃で2.0倍延伸し、更に150 ℃で1.6 倍横方向に延
伸した後、260 ℃で熱固定した。得られた積層フィルム
全体の厚みは4μm、表面層の厚みの合計は0.1 μm
で、均一な塗布膜であった。得られたフィルムの塗布面
上にアルミニウムを500 Å蒸着し巻回型フィルムコンデ
ンサを試作した。フィルムおよびコンデンサ特性を表1
に示す。
00)100 重量部に対して、突起形成剤として炭酸カルシ
ウム微粒子(平均粒子径=1.0μm 、ばらつき度=20 %)
を40重量%含有するポリエチレンテレフタレート(IV=0.
62) 樹脂を4.0重量部添加したポリマーチップと、突起
形成剤の添加されていないポリマーチップを0.2 対9.8
(比較例1 )、0.5 対9.5 (実施例1 )、1対9(実施
例2 )の割合で混合した後、乾燥し、300 ℃で溶融し、
200 μmのリップギャップのT ダイから押し出し、40℃
の冷却ロールに静電印荷法により密着・ 冷却固化し、44
μmの無定形シートを得た。該無定形シートをまずロー
ルにより100 ℃に予熱し、表面温度700 ℃の赤外線加熱
ヒーターを4本使用により更に加熱し、フィルム温度13
9 ℃で縦方向に2.0 倍延伸し、更に125 ℃で縦方向に1.
8 倍延伸した。該一軸延伸フィルムに上記(a) で得た塗
工液をバーコート法により両面に塗布した。ついでテン
ターで、フィルムを120 ℃に予熱し、横方向に延伸温度
120 ℃で2.0倍延伸し、更に150 ℃で1.6 倍横方向に延
伸した後、260 ℃で熱固定した。得られた積層フィルム
全体の厚みは4μm、表面層の厚みの合計は0.1 μm
で、均一な塗布膜であった。得られたフィルムの塗布面
上にアルミニウムを500 Å蒸着し巻回型フィルムコンデ
ンサを試作した。フィルムおよびコンデンサ特性を表1
に示す。
【0029】比較例2 シンジオタクチックポリスチレン(重量平均分子量2500
00)100 重量部に対して、突起形成剤として炭酸カルシ
ウム微粒子(平均粒子径=1.0μm 、ばらつき度=20 %)
を4.0 重量部添加したポリマーチップと、突起形成剤の
添加されていないポリマーチップを重量比で0.5 対9.5
の割合で混合し、使用した以外は実施例1と同様に実施
した。得られたフィルムの塗布面上にアルミニウムを50
0 Å蒸着し巻回型フィルムコンデンサを試作した。フィ
ルムおよびコンデンサ特性を表1に示す。
00)100 重量部に対して、突起形成剤として炭酸カルシ
ウム微粒子(平均粒子径=1.0μm 、ばらつき度=20 %)
を4.0 重量部添加したポリマーチップと、突起形成剤の
添加されていないポリマーチップを重量比で0.5 対9.5
の割合で混合し、使用した以外は実施例1と同様に実施
した。得られたフィルムの塗布面上にアルミニウムを50
0 Å蒸着し巻回型フィルムコンデンサを試作した。フィ
ルムおよびコンデンサ特性を表1に示す。
【0030】実施例3、4 比較例3 シンジオタクチックポリスチレン(重量平均分子量2500
00)100 重量部に対して、突起形成剤として炭酸カルシ
ウム微粒子(平均粒子径=1.0μm 、ばらつき度=20 %)
を4.0 重量部添加したポリマーチップと、突起形成剤の
添加されていないポリマーチップを重量比で1 対9 の割
合で混合したものと、表面層として突起形成剤を含まな
いポリエチレンテレフタレート(IV=0.62 )をそれぞれ
別々の押し出し機に供給、溶融し、T ダイ中でポリエチ
レンテレフタレートが両方の表面層を形成するように接
合し、200 μmのリップギャップのT ダイから押し出
し、40℃の冷却ロールに静電印荷法により密着・ 冷却固
化し、44μmの無定形積層シートを得た。ここで、表面
層の厚みの合計は5μm (実施例3)、11μm (実施例
4)、14μm (比較例3)となるようにした。該無定形
シートをまずロールにより100 ℃に予熱し、表面温度70
0 ℃の赤外線加熱ヒーターを4本使用により更に加熱
し、フィルム温度139 ℃で縦方向に2.0 倍延伸し、更に
125 ℃で縦方向に1.8 倍延伸した。該一軸延伸フィルム
に上記(a) で得た塗工液をバーコート法により両面に塗
布した。ついでテンターで、フィルムを120 ℃に予熱
し、横方向に延伸温度120 ℃で2.0 倍延伸し、更に150
℃で1.6 倍横方向に延伸した後、260℃で熱固定した。
得られた積層フィルム全体の厚みは4 μmであった。得
られたフィルムの塗布面上にアルミニウムを500 Å蒸着
し巻回型フィルムコンデンサを試作した。フィルムおよ
びコンデンサ特性を表1 に示す。
00)100 重量部に対して、突起形成剤として炭酸カルシ
ウム微粒子(平均粒子径=1.0μm 、ばらつき度=20 %)
を4.0 重量部添加したポリマーチップと、突起形成剤の
添加されていないポリマーチップを重量比で1 対9 の割
合で混合したものと、表面層として突起形成剤を含まな
いポリエチレンテレフタレート(IV=0.62 )をそれぞれ
別々の押し出し機に供給、溶融し、T ダイ中でポリエチ
レンテレフタレートが両方の表面層を形成するように接
合し、200 μmのリップギャップのT ダイから押し出
し、40℃の冷却ロールに静電印荷法により密着・ 冷却固
化し、44μmの無定形積層シートを得た。ここで、表面
層の厚みの合計は5μm (実施例3)、11μm (実施例
4)、14μm (比較例3)となるようにした。該無定形
シートをまずロールにより100 ℃に予熱し、表面温度70
0 ℃の赤外線加熱ヒーターを4本使用により更に加熱
し、フィルム温度139 ℃で縦方向に2.0 倍延伸し、更に
125 ℃で縦方向に1.8 倍延伸した。該一軸延伸フィルム
に上記(a) で得た塗工液をバーコート法により両面に塗
布した。ついでテンターで、フィルムを120 ℃に予熱
し、横方向に延伸温度120 ℃で2.0 倍延伸し、更に150
℃で1.6 倍横方向に延伸した後、260℃で熱固定した。
得られた積層フィルム全体の厚みは4 μmであった。得
られたフィルムの塗布面上にアルミニウムを500 Å蒸着
し巻回型フィルムコンデンサを試作した。フィルムおよ
びコンデンサ特性を表1 に示す。
【0031】実施例5、6 比較例4 シンジオタクチックポリスチレン(重量平均分子量2500
00)100 重量部に対して、突起形成剤として炭酸カルシ
ウム微粒子(平均粒子径=1.0μm 、ばらつき度=20 %)
を4.0 重量部添加したポリマーチップと、突起形成剤の
添加されていないポリマーチップを重量比で1 対9 の割
合で混合したものと、表面層として突起形成剤を含まな
いポリエチレン−2,6 −テレナフタレート(実施例
5)、ポリプロピレン(実施例6)、ポリフェニレンサ
ルファイド(比較例4)をそれぞれ別々の押し出し機に
供給、溶融し、T ダイ中でポリエチレンテレフタレート
が両方の表面層を形成するように接合し、200 μmのリ
ップギャップのT ダイから押し出し、40℃の冷却ロール
に静電印荷法により密着・ 冷却固化し、44μmの無定形
積層シートを得た。ここで、表面層の厚みの合計は1.0
μm となるようにした。該無定形シートをまずロールに
より100 ℃に予熱し、表面温度700 ℃の赤外線加熱ヒー
ターを4本使用により更に加熱し、フィルム温度139 ℃
で縦方向に2.0 倍延伸し、更に125 ℃で縦方向に1.8 倍
延伸した。該一軸延伸フィルムに上記(a)で得た塗工液
をバーコート法により両面に塗布した。ついでテンター
で、フィルムを120 ℃に予熱し、横方向に延伸温度120
℃で2.0 倍延伸し、更に150 ℃で1.6 倍横方向に延伸し
た後、260 ℃で熱固定した。得られた積層フィルム全体
の厚みは4μmであった。得られたフィルムの塗布面上
にアルミニウムを500 Å蒸着し巻回型フィルムコンデン
サを試作した。フィルムおよびコンデンサ特性を表1に
示す。
00)100 重量部に対して、突起形成剤として炭酸カルシ
ウム微粒子(平均粒子径=1.0μm 、ばらつき度=20 %)
を4.0 重量部添加したポリマーチップと、突起形成剤の
添加されていないポリマーチップを重量比で1 対9 の割
合で混合したものと、表面層として突起形成剤を含まな
いポリエチレン−2,6 −テレナフタレート(実施例
5)、ポリプロピレン(実施例6)、ポリフェニレンサ
ルファイド(比較例4)をそれぞれ別々の押し出し機に
供給、溶融し、T ダイ中でポリエチレンテレフタレート
が両方の表面層を形成するように接合し、200 μmのリ
ップギャップのT ダイから押し出し、40℃の冷却ロール
に静電印荷法により密着・ 冷却固化し、44μmの無定形
積層シートを得た。ここで、表面層の厚みの合計は1.0
μm となるようにした。該無定形シートをまずロールに
より100 ℃に予熱し、表面温度700 ℃の赤外線加熱ヒー
ターを4本使用により更に加熱し、フィルム温度139 ℃
で縦方向に2.0 倍延伸し、更に125 ℃で縦方向に1.8 倍
延伸した。該一軸延伸フィルムに上記(a)で得た塗工液
をバーコート法により両面に塗布した。ついでテンター
で、フィルムを120 ℃に予熱し、横方向に延伸温度120
℃で2.0 倍延伸し、更に150 ℃で1.6 倍横方向に延伸し
た後、260 ℃で熱固定した。得られた積層フィルム全体
の厚みは4μmであった。得られたフィルムの塗布面上
にアルミニウムを500 Å蒸着し巻回型フィルムコンデン
サを試作した。フィルムおよびコンデンサ特性を表1に
示す。
【0032】
【表1】 表より、実施例1 〜6 で得られたフィルムは、フィルム
の製造時やコンデンサ製造時のフィルムの走行性、耐削
れ性に優れ、且つ電圧負荷時の耐湿性、セルフヒーリン
グ性が改良されたシンジオタクチックポリスチレン系積
層フィルムおよびコンデンサであった。
の製造時やコンデンサ製造時のフィルムの走行性、耐削
れ性に優れ、且つ電圧負荷時の耐湿性、セルフヒーリン
グ性が改良されたシンジオタクチックポリスチレン系積
層フィルムおよびコンデンサであった。
【0033】
【発明の効果】以上、記載のとおり、本発明は前記特許
請求の範囲に記載のとおりの構成を採用することによ
り、フィルムの製造時やコンデンサ製造時のフィルムの
走行性、耐削れ性に優れ、且つ電圧負荷時の耐湿性、セ
ルフヒーリング性が改良されたシンジオタクチックポリ
スチレン系積層フィルムおよびコンデンサが提供され、
従って、本発明の工業的価値は大である。
請求の範囲に記載のとおりの構成を採用することによ
り、フィルムの製造時やコンデンサ製造時のフィルムの
走行性、耐削れ性に優れ、且つ電圧負荷時の耐湿性、セ
ルフヒーリング性が改良されたシンジオタクチックポリ
スチレン系積層フィルムおよびコンデンサが提供され、
従って、本発明の工業的価値は大である。
Claims (6)
- 【請求項1】 シンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体からなるフィルムの少なくとも片面に表面層
が積層され、該表面層の三次元表面粗さSRa(μm) およ
びS λa(μm) とガラス転移温度の関係が、 SRa ≧0.01+0.02 ×(Tgc−Tgs)/Tgc 3+4 ×(Tgc−Tgs)/Tgc ≦S λa ≦20+10 ×(Tgc−Tgs)
/Tgc ここで、Tgc はシンジオタクチックポリスチレン系フィ
ルム層のガラス転移温度 Tgs は表面層のガラス転移温度 の関係を満足することを特徴とする積層フィルム。 - 【請求項2】表面層のガラス転移温度が90℃以下である
ことを特徴とする請求項1記載の積層フィルム。 - 【請求項3】表面層のX線光電子分光法により評価した
極表面の、炭素原子に対する酸素原子の比率が10%以
上であることを特徴とする請求項1記載の積層フイル
ム。 - 【請求項4】表面層の厚みが積層フィルムの厚みの30%
以下であることを特徴とする請求項1記載の積層フィル
ム。 - 【請求項5】 シンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体からなるフィルムの少なくとも片面に表面層
が積層された積層フィルムの誘電正接(25℃、1kHz
)が0.001 以下であることを特徴とする請求項1記載
の積層フィルム。 - 【請求項6】 請求項1記載のシンジオタクチックポリ
スチレン系積層フィルムの少なくとも片面に金属薄膜層
を形成した金属化シンジオタクチックポリスチレン系積
層フィルムを用いたことを特徴とするコンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18126494A JPH0839741A (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | 積層フィルムおよびそれを用いたコンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18126494A JPH0839741A (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | 積層フィルムおよびそれを用いたコンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0839741A true JPH0839741A (ja) | 1996-02-13 |
Family
ID=16097666
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18126494A Pending JPH0839741A (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | 積層フィルムおよびそれを用いたコンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0839741A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8067105B2 (en) | 2004-01-29 | 2011-11-29 | Teijin Dupont Films Japan Limited | Biaxially oriented film |
-
1994
- 1994-08-02 JP JP18126494A patent/JPH0839741A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8067105B2 (en) | 2004-01-29 | 2011-11-29 | Teijin Dupont Films Japan Limited | Biaxially oriented film |
US8367199B2 (en) | 2004-01-29 | 2013-02-05 | Teijin Dupont Films Japan Limited | Biaxially oriented film |
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