JPH083665A - 耐酸化性および高温強度に優れた金型用Ni基超耐熱合金 - Google Patents
耐酸化性および高温強度に優れた金型用Ni基超耐熱合金Info
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- JPH083665A JPH083665A JP13696494A JP13696494A JPH083665A JP H083665 A JPH083665 A JP H083665A JP 13696494 A JP13696494 A JP 13696494A JP 13696494 A JP13696494 A JP 13696494A JP H083665 A JPH083665 A JP H083665A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐酸化性および高温強度に優れた金型用Ni
基超耐熱合金に関するものである。 【構成】 Ni基合金が、重量%で、Al:0.8〜7
%、Ti:0.8〜7%、Mo:13〜25%、Cr:
8〜16%、Ta:1.1〜8%、Si:2.5%以
下、Mn:3%以下、N:0.0001〜0.1%:
C:0.1%以下を含有し、さらに必要に応じて、F
e:0.01〜6%、B:0.001〜0.1%、Z
r:0.001〜0.1%、Ca:0.001〜0.0
1%、Co:0.1〜5%、V:0.1〜0.5%、
W:0.1〜4%、Nb:0.1〜1%、Hf:0.1
〜2%及びCu:0.1〜2%のうちの1種または2種
以上を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる耐酸
化性および高温強度に優れた金型用Ni基超耐熱合金か
らなる。
基超耐熱合金に関するものである。 【構成】 Ni基合金が、重量%で、Al:0.8〜7
%、Ti:0.8〜7%、Mo:13〜25%、Cr:
8〜16%、Ta:1.1〜8%、Si:2.5%以
下、Mn:3%以下、N:0.0001〜0.1%:
C:0.1%以下を含有し、さらに必要に応じて、F
e:0.01〜6%、B:0.001〜0.1%、Z
r:0.001〜0.1%、Ca:0.001〜0.0
1%、Co:0.1〜5%、V:0.1〜0.5%、
W:0.1〜4%、Nb:0.1〜1%、Hf:0.1
〜2%及びCu:0.1〜2%のうちの1種または2種
以上を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる耐酸
化性および高温強度に優れた金型用Ni基超耐熱合金か
らなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金型用Ni基超耐熱
合金に関し、さらに詳しくは、高温に加熱された金型に
おいて鍛造を行う超耐熱合金の恒温鍛造等に使用するこ
とが可能な耐酸化性および高温強度に優れた金型用Ni
基超耐熱合金に関するものである。
合金に関し、さらに詳しくは、高温に加熱された金型に
おいて鍛造を行う超耐熱合金の恒温鍛造等に使用するこ
とが可能な耐酸化性および高温強度に優れた金型用Ni
基超耐熱合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、高温で使用される鍛造用
の金型の材料としては、耐酸化性および高温強度が要求
されることから、高温強度に優れたMo基合金(TZ
M)や、耐酸化性に優れた、多くのNi基超耐熱合金が
用いられている。
の金型の材料としては、耐酸化性および高温強度が要求
されることから、高温強度に優れたMo基合金(TZ
M)や、耐酸化性に優れた、多くのNi基超耐熱合金が
用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、産業界
の強い要望により、各種の超耐熱材料の開発が進み、例
えばこれら材料の鍛造加工を行うために使用される金型
用の材料については、より高温と言う過酷な条件下での
利用が必要で、耐酸化性および高温強度により優れた金
型用超耐熱合金が望まれている。しかし、上記のMo基
合金(TZM)は、特に高温での耐酸化性が劣っている
ので、真空または不活性ガス中で鍛造を行う必要があ
り、このため、鍛造設備が複雑となり、作業性が悪く、
かつ、設備費が高いという問題があった。また、上記従
来のNi基超耐熱合金は、一般的には、高温での耐酸化
性が良好であるので、大気中においても使用可能である
が、更に、高温である1000℃以上の温度になると、
特に高温強度が不足する場合が多く、また耐酸化性を満
足しない場合もあることから、上記要望に充分に対応す
ることが出来ないのが現状である。
の強い要望により、各種の超耐熱材料の開発が進み、例
えばこれら材料の鍛造加工を行うために使用される金型
用の材料については、より高温と言う過酷な条件下での
利用が必要で、耐酸化性および高温強度により優れた金
型用超耐熱合金が望まれている。しかし、上記のMo基
合金(TZM)は、特に高温での耐酸化性が劣っている
ので、真空または不活性ガス中で鍛造を行う必要があ
り、このため、鍛造設備が複雑となり、作業性が悪く、
かつ、設備費が高いという問題があった。また、上記従
来のNi基超耐熱合金は、一般的には、高温での耐酸化
性が良好であるので、大気中においても使用可能である
が、更に、高温である1000℃以上の温度になると、
特に高温強度が不足する場合が多く、また耐酸化性を満
足しない場合もあることから、上記要望に充分に対応す
ることが出来ないのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述の観点から、耐酸化性および高温強度に優れてお
り、1000〜1200℃の温度においても、また、大
気中においても使用することが可能な鍛造用の金型材料
であるNi基超耐熱合金を開発すべく研究を行った結
果、Ni基超耐熱合金を、重量%(以下、%は重量%を
示す)で、Al:0.8〜7%、Ti:0.8〜7%、
Mo:13〜25%、Cr:8〜16%、Ta:1.1
〜8%、Si:2.5%以下、Mn:3%以下、N:
0.0001〜0.1%、C:0.1%以下を含有し、
さらに必要に応じてFe:0.01〜6%、B:0.0
01〜0.1%、Zr:0.001〜0.1%、Ca:
0.001〜0.01%、Co:0.1〜5%、V:
0.1〜0.5%、W:0.1〜4%、Nb:0.1〜
1%、Hf:0.1〜2%、およびCu:0.1〜2%
のうちの1種または2種以上を含有し、残りがNiと不
可避不純物で構成すると、この結果のNi基合金は、耐
酸化性および高温強度に優れた金型用Ni基超耐熱合金
になり得るとの知見を得たのである。
上述の観点から、耐酸化性および高温強度に優れてお
り、1000〜1200℃の温度においても、また、大
気中においても使用することが可能な鍛造用の金型材料
であるNi基超耐熱合金を開発すべく研究を行った結
果、Ni基超耐熱合金を、重量%(以下、%は重量%を
示す)で、Al:0.8〜7%、Ti:0.8〜7%、
Mo:13〜25%、Cr:8〜16%、Ta:1.1
〜8%、Si:2.5%以下、Mn:3%以下、N:
0.0001〜0.1%、C:0.1%以下を含有し、
さらに必要に応じてFe:0.01〜6%、B:0.0
01〜0.1%、Zr:0.001〜0.1%、Ca:
0.001〜0.01%、Co:0.1〜5%、V:
0.1〜0.5%、W:0.1〜4%、Nb:0.1〜
1%、Hf:0.1〜2%、およびCu:0.1〜2%
のうちの1種または2種以上を含有し、残りがNiと不
可避不純物で構成すると、この結果のNi基合金は、耐
酸化性および高温強度に優れた金型用Ni基超耐熱合金
になり得るとの知見を得たのである。
【0005】この発明は、かかる知見にもとづいてなさ
れたものであって、Al:0.8〜7%、Ti:0.8
〜7%、Mo:13〜25%、Cr:8〜16%、T
a:1.1〜8%、Si:2.5%以下、Mn:3%以
下、N:0.0001〜0.1%、C:0.1%以下を
含有し、さらに必要に応じて、Fe:0.01〜6%、
B:0.001〜0.1%、Zr:0.001〜0.1
%、Ca:0.001〜0.01%、Co:0.1〜5
%、V:0.1〜0.5%、W:0.1〜4%、Nb:
0.1〜1%、Hf:0.1〜2%、およびCu:0.
1〜2%のうちの1種または2種以上を含有し、残りが
Niおよび不可避不純物からなる組成である耐酸化性お
よび高温強度に優れた金型用Ni基超耐熱合金に特徴を
有するものである。
れたものであって、Al:0.8〜7%、Ti:0.8
〜7%、Mo:13〜25%、Cr:8〜16%、T
a:1.1〜8%、Si:2.5%以下、Mn:3%以
下、N:0.0001〜0.1%、C:0.1%以下を
含有し、さらに必要に応じて、Fe:0.01〜6%、
B:0.001〜0.1%、Zr:0.001〜0.1
%、Ca:0.001〜0.01%、Co:0.1〜5
%、V:0.1〜0.5%、W:0.1〜4%、Nb:
0.1〜1%、Hf:0.1〜2%、およびCu:0.
1〜2%のうちの1種または2種以上を含有し、残りが
Niおよび不可避不純物からなる組成である耐酸化性お
よび高温強度に優れた金型用Ni基超耐熱合金に特徴を
有するものである。
【0006】この発明のNi基超耐熱合金の成分組成を
上記の範囲に限定した理由を説明する。
上記の範囲に限定した理由を説明する。
【0007】(a)AlおよびTi AlおよびTi成分には、素地成分と反応して、Ni3
AlおよびNi3 Ti(γ′相)を形成して、素地の高
温強度を向上させる作用があるが、AlまたはTiの含
有量が0.8%未満では、上記、作用効果が得られず、
一方AlまたはTiの含有量が7%を越えると、共晶が
晶出して、鍛造性を悪化させることから、その含有量を
Al:0.8〜7%、Ti:0.8〜7%、望ましくは
Al:3〜6.5%、Ti:1〜4%に定めた。
AlおよびNi3 Ti(γ′相)を形成して、素地の高
温強度を向上させる作用があるが、AlまたはTiの含
有量が0.8%未満では、上記、作用効果が得られず、
一方AlまたはTiの含有量が7%を越えると、共晶が
晶出して、鍛造性を悪化させることから、その含有量を
Al:0.8〜7%、Ti:0.8〜7%、望ましくは
Al:3〜6.5%、Ti:1〜4%に定めた。
【0008】(b)Mo Mo成分には、素地に固溶して、素地の高温強度を高め
る作用があるが、その含有量が13%未満では、上記所
望の作用効果が得られず、一方その含有量が25%を越
えると、耐酸化性が低下することから、その含有量を1
3〜25%、望ましくは15〜20%に定めた。
る作用があるが、その含有量が13%未満では、上記所
望の作用効果が得られず、一方その含有量が25%を越
えると、耐酸化性が低下することから、その含有量を1
3〜25%、望ましくは15〜20%に定めた。
【0009】(c)Cr Cr成分には、耐酸化性を向上させる作用があるが、そ
の含有量が8%未満では、上記所望の作用効果が得られ
ず、一方その含有量が16%を越えると、延性が低下す
ることから、その含有量を8〜16%、望ましくは10
〜14%に定めた。
の含有量が8%未満では、上記所望の作用効果が得られ
ず、一方その含有量が16%を越えると、延性が低下す
ることから、その含有量を8〜16%、望ましくは10
〜14%に定めた。
【0010】(d)Ta Ta成分には、高温耐酸化性を向上させる作用がある
が、その含有量が1.1%未満では、上記作用効果が得
られず、一方その含有量が8%を越えると、高温強度が
低下することから、その含有量を1.1〜8%、望まし
くは1.1〜3%に定めた。
が、その含有量が1.1%未満では、上記作用効果が得
られず、一方その含有量が8%を越えると、高温強度が
低下することから、その含有量を1.1〜8%、望まし
くは1.1〜3%に定めた。
【0011】(e)Si Si成分には、耐酸化性の向上させる作用および溶湯を
脱酸することにより鍛造性を改善させる作用があるが、
その含有量が2.5%を越えると、合金の靱性が低下す
ることから、その含有量を2.5%以下、望ましくは
0.3%以下に定めた。
脱酸することにより鍛造性を改善させる作用があるが、
その含有量が2.5%を越えると、合金の靱性が低下す
ることから、その含有量を2.5%以下、望ましくは
0.3%以下に定めた。
【0012】(f)Mn Mn成分には、脱硫作用があり、高温強度の改善効果が
見られるが、その含有量が3%を越えると耐酸化性が劣
化するので好ましくないことから、その含有量を3%以
下、望ましくは1%に定めた。
見られるが、その含有量が3%を越えると耐酸化性が劣
化するので好ましくないことから、その含有量を3%以
下、望ましくは1%に定めた。
【0013】(g)N N成分には、延性を改善する作用があるが、その含有量
が0.001%未満では、上記、所望の作用効果が得ら
れず、一方、その含有量が0.1%を越えると、靱性を
低下させることから、その含有量を0.0001〜0.
1%、望ましくは0.001〜0.05%に定めた。
が0.001%未満では、上記、所望の作用効果が得ら
れず、一方、その含有量が0.1%を越えると、靱性を
低下させることから、その含有量を0.0001〜0.
1%、望ましくは0.001〜0.05%に定めた。
【0014】(h)C 不純物としてのC成分の含有量が0.1%を越えると、
粒界に存在する炭化物の量が増大するようになって、合
金の延性並びに靱性を劣化させることから、その含有量
を0.1%以下、望ましくは0.02%以下に定めた。
粒界に存在する炭化物の量が増大するようになって、合
金の延性並びに靱性を劣化させることから、その含有量
を0.1%以下、望ましくは0.02%以下に定めた。
【0015】(i)Fe、B、ZrおよびCa これらの成分には、延性および靱性を改善する作用があ
るのでさらに優れた延性および靱性が要求される場合に
必要に応じて含有されるが、その含有量がFe:0.0
1%未満、B:0.001%未満、Zr:0.001%
未満、Ca:0.001%未満では、上記所望の作用効
果が上がらず、一方その含有量がFeで6%を越え、B
で0.1%を越え、Zrで0.1%を越え、Caで0.
01%を越えると高温強度の低下傾向が現われるように
なることから、その含有量をFe:0.01〜6%、
B:0.001〜0.1%、Zr:0.001〜0.1
%、Ca:0.001〜0.01%望ましくは、Fe:
0.5〜4%、B:0.002〜0.01%、Zr:
0.002〜0.01%、Ca:0.002〜0.00
8%に定めた。
るのでさらに優れた延性および靱性が要求される場合に
必要に応じて含有されるが、その含有量がFe:0.0
1%未満、B:0.001%未満、Zr:0.001%
未満、Ca:0.001%未満では、上記所望の作用効
果が上がらず、一方その含有量がFeで6%を越え、B
で0.1%を越え、Zrで0.1%を越え、Caで0.
01%を越えると高温強度の低下傾向が現われるように
なることから、その含有量をFe:0.01〜6%、
B:0.001〜0.1%、Zr:0.001〜0.1
%、Ca:0.001〜0.01%望ましくは、Fe:
0.5〜4%、B:0.002〜0.01%、Zr:
0.002〜0.01%、Ca:0.002〜0.00
8%に定めた。
【0016】(j)Co、VおよびW これら成分には、高温強度を改善する作用があるので、
高温強度を更に高めることが要求される場合に必要に応
じて含有されるが、その含有量が、Co:0.1%未
満、V:0.1%未満、W:0.1%未満では、上記所
望の作用効果が上がらず、一方その含有量がCoで5%
を越え、Vで0.5%を越え、Wで4%を越えると、延
性および靱性が低下するので、その含有量を、Co:
0.1〜5%、V:0.1〜0.5%、W:0.1〜4
%望ましくはCo:0.2〜2%、V:0.2〜0.4
%、W:0.2〜2%に定めた。
高温強度を更に高めることが要求される場合に必要に応
じて含有されるが、その含有量が、Co:0.1%未
満、V:0.1%未満、W:0.1%未満では、上記所
望の作用効果が上がらず、一方その含有量がCoで5%
を越え、Vで0.5%を越え、Wで4%を越えると、延
性および靱性が低下するので、その含有量を、Co:
0.1〜5%、V:0.1〜0.5%、W:0.1〜4
%望ましくはCo:0.2〜2%、V:0.2〜0.4
%、W:0.2〜2%に定めた。
【0017】(k)Hb、HfおよびCu こられ成分には、高温耐酸化性を向上させる作用がある
ので更に優れた高温耐酸化性が要求される場合に必要に
応じて含有されるが、その含有量がNb:0.1%未
満、Hf:0.1%未満、Cu:0.1%未満では、上
記、所望の作用効果が上がらず、一方その含有量がNb
で1%を越え、Hfで2%を越え、Cuで2%を越える
と高温強度に低下傾向が現われるようになることから、
その含有量をNb:0.1〜1%、Hf:0.1〜2
%、Cu:0.1〜2%望ましくは、Nb:0.2〜
0.5%、Hf:0.2〜1%、Cu:0.2〜1%に
定めた。 (l)不可避不純物 溶解原料として、S,P,Sn,ZnおよびPb等の不
可避不純物は避けられない。
ので更に優れた高温耐酸化性が要求される場合に必要に
応じて含有されるが、その含有量がNb:0.1%未
満、Hf:0.1%未満、Cu:0.1%未満では、上
記、所望の作用効果が上がらず、一方その含有量がNb
で1%を越え、Hfで2%を越え、Cuで2%を越える
と高温強度に低下傾向が現われるようになることから、
その含有量をNb:0.1〜1%、Hf:0.1〜2
%、Cu:0.1〜2%望ましくは、Nb:0.2〜
0.5%、Hf:0.2〜1%、Cu:0.2〜1%に
定めた。 (l)不可避不純物 溶解原料として、S,P,Sn,ZnおよびPb等の不
可避不純物は避けられない。
【0018】
【実施例】ついで、本発明Ni基超耐熱合金の内容につ
いて、実施例にもとづいて具体的に説明する。雰囲気制
御が可能な高周波溶解炉を用い、特に合金中へNを添加
するために、溶解時の雰囲気をArガスとN2 ガスの混
合ガス雰囲気とし、ArガスとN2 ガスの混合比および
混合ガスの圧力を変化させることにより、N添加量を制
御した。その後、溶湯を金型に鍛造し、表1〜5に示さ
れる成分組成を有し、厚さ:8.5mmのインゴットを
作製し、このインゴットを1150〜1230℃の範囲
内で24hrの均質化処理後、1000〜1230℃の
範囲内の所定の温度に加熱し、この温度に保持しなが
ら、まづ1回目の熱間圧延加工で8.2mm厚さに減少
させ、以下1回の熱間圧延で0.2〜0.5mmの厚さ
を減少させつつ最終的に厚さ:3mmとし、圧延中の割
れの有無を観察し、割れのないものについて、1220
〜1250℃の範囲内の所定の温度で、1時間保持後、
水冷し、引き続いて900〜1100℃の範囲内の温度
に30分間保持の条件で熱処理を施して、表1〜5に示
す本発明Ni基超耐熱合金1〜57、比較Ni基超耐熱
合金1〜15を作製した。更に別途従来の合金として表
5に示した成分組成の合金を作製した。
いて、実施例にもとづいて具体的に説明する。雰囲気制
御が可能な高周波溶解炉を用い、特に合金中へNを添加
するために、溶解時の雰囲気をArガスとN2 ガスの混
合ガス雰囲気とし、ArガスとN2 ガスの混合比および
混合ガスの圧力を変化させることにより、N添加量を制
御した。その後、溶湯を金型に鍛造し、表1〜5に示さ
れる成分組成を有し、厚さ:8.5mmのインゴットを
作製し、このインゴットを1150〜1230℃の範囲
内で24hrの均質化処理後、1000〜1230℃の
範囲内の所定の温度に加熱し、この温度に保持しなが
ら、まづ1回目の熱間圧延加工で8.2mm厚さに減少
させ、以下1回の熱間圧延で0.2〜0.5mmの厚さ
を減少させつつ最終的に厚さ:3mmとし、圧延中の割
れの有無を観察し、割れのないものについて、1220
〜1250℃の範囲内の所定の温度で、1時間保持後、
水冷し、引き続いて900〜1100℃の範囲内の温度
に30分間保持の条件で熱処理を施して、表1〜5に示
す本発明Ni基超耐熱合金1〜57、比較Ni基超耐熱
合金1〜15を作製した。更に別途従来の合金として表
5に示した成分組成の合金を作製した。
【0019】つぎに、上記本発明Ni基超耐熱合金1〜
63、比較Ni基超耐熱合金1〜15および従来合金に
ついて、高温強度を評価する目的で、高温引張り試験を
行った。また、耐酸化性を評価する目的で、1100℃
の乾燥空気中で、強制空冷を12サイクル繰り返す(合
計100時間)酸化試験を行い、腐食減量を測定した。
これらの結果を表5〜7に示した。
63、比較Ni基超耐熱合金1〜15および従来合金に
ついて、高温強度を評価する目的で、高温引張り試験を
行った。また、耐酸化性を評価する目的で、1100℃
の乾燥空気中で、強制空冷を12サイクル繰り返す(合
計100時間)酸化試験を行い、腐食減量を測定した。
これらの結果を表5〜7に示した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】
【表6】
【0026】
【表7】
【0027】
【表8】
【0028】
【発明の効果】表6〜8に示される結果から本発明Ni
基合金1〜57は、いずれもすぐれた耐酸化性および高
温強度を有し、一方比較Ni基合金1〜15では、これ
を構成するNi基合金のうちの必須元素の含有量が、こ
の発明の範囲から外れると、少なくとも耐酸化性および
高温強度のいずれかの特性が劣ったものとなることが明
らかであり、又従来合金のMo合金(TZM)では、大
気中での高温強度に劣ることが明らかである。上述のよ
うに、この発明のNi基合金は、一段とすぐれた耐酸化
性および高温強度を有するので、例えば高温で使用され
る鍛造用の金型材料として高性能を有し、工業上非常に
有用である。
基合金1〜57は、いずれもすぐれた耐酸化性および高
温強度を有し、一方比較Ni基合金1〜15では、これ
を構成するNi基合金のうちの必須元素の含有量が、こ
の発明の範囲から外れると、少なくとも耐酸化性および
高温強度のいずれかの特性が劣ったものとなることが明
らかであり、又従来合金のMo合金(TZM)では、大
気中での高温強度に劣ることが明らかである。上述のよ
うに、この発明のNi基合金は、一段とすぐれた耐酸化
性および高温強度を有するので、例えば高温で使用され
る鍛造用の金型材料として高性能を有し、工業上非常に
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊蔵 康司 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテリ アル株式会社中央研究所内
Claims (8)
- 【請求項1】 重量%で、 Al:0.8〜7%、Ti:0.8〜7%、Mo:13
〜25%、Cr:8〜16%、Ta:1.1〜8%、S
i:2.5%以下、Mn:3%以下、N:0.0001
〜0.1%、C:0.1%以下を含有し、残りがNiと
不可避不純物からなる耐酸化性および高温強度に優れた
金型用Ni基超耐熱合金。 - 【請求項2】 重量%で、 Al:0.8〜7%、Ti:0.8〜7%、Mo:13
〜25%、Cr:8〜16%、Ta:1.1〜8%、S
i:2.5%以下、Mn:3%以下、N:0.0001
〜0.1%、C:0.1%以下を含有し、さらに、 Fe:0.01〜6%、B:0.001〜0.1%、Z
r:0.001〜0.1%、Ca:0.001〜0.0
1%のうちの1種または2種以上、を含有し、残りがN
iと不可避不純物からなる耐酸化性および高温強度に優
れた金型用Ni基超耐熱合金。 - 【請求項3】 重量%で、 Al:0.8〜7%、Ti:0.8〜7%、Mo:13
〜25%、Cr:8〜16%、Ta:1.1〜8%、S
i:2.5%以下、Mn:3%以下、N:0.0001
〜0.1%、C:0.1%以下を含有し、さらに、 Co:0.1〜5%、V:0.1〜0.5%、W:0.
1〜4%のうちの1種または2種以上、を含有し、残り
がNiと不可避不純物からなる耐酸化性および高温強度
に優れた金型用Ni基超耐熱合金。 - 【請求項4】 重量%で、 Al:0.8〜7%、Ti:0.8〜7%、Mo:13
〜25%、Cr:8〜16%、Ta:1.1〜8%、S
i:2.5%以下、Mn:3%以下、N:0.0001
〜0.1%、C:0.1%以下を含有し、 Nb:0.1〜1%、Hf:0.1〜2%、Cu:0.
1〜2%のうちの1種または2種以上、を含有し、残り
がNiと不可避不純物からなる耐酸化性および高温強度
に優れた金型用Ni基超耐熱合金。 - 【請求項5】 重量%で、 Al:0.8〜7%、Ti:0.8〜7%、Mo:13
〜25%、Cr:8〜16%、Ta:1.1〜8%、S
i:2.5%以下、Mn:3%以下、N:0.0001
〜0.1%、C:0.1%以下を含有し、 Fe:0.01〜6%、B:0.001〜0.1%、Z
r:0.001〜0.1%、Ca:0.001〜0.0
1%のうちの1種または2種以上、を含有し、さらにC
o:0.1〜5%、V:0.1〜0.5%、W:0.1
〜4%のうちの1種または2種以上、を含有し、残りが
Niと不可避不純物からなる耐酸化性および高温強度に
優れた金型用Ni基超耐熱合金。 - 【請求項6】 重量%で、 Al:0.8〜7%、Ti:0.8〜7%、Mo:13
〜25%、Cr:8〜16%、Ta:1.1〜8%、S
i:2.5%以下、Mn:3%以下、N:0.0001
〜0.1%、C:0.1%以下を含有し、 Fe:0.01〜6%、B:0.001〜0.1%、Z
r:0.001〜0.1%、Ca:0.001〜0.0
1%のうちの1種または2種以上、を含有し、さらにN
b:0.1〜1%、Hf:0.1〜2%、Cu:0.1
〜2%のうちの1種または2種以上、を含有し、残りが
Niと不可避不純物からなる耐酸化性および高温強度に
優れた金型用Ni基超耐熱合金。 - 【請求項7】 重量%で、 Al:0.8〜7%、Ti:0.8〜7%、Mo:13
〜25%、Cr:8〜16%、Ta:1.1〜8%、S
i:2.5%以下、Mn:3%以下、N:0.0001
〜0.1%、C:0.1%以下を含有し、 Co:0.1〜5%、V:0.1〜0.5%、W:0.
1〜4%のうちの1種または2種以上、を含有し、さら
にNb:0.1〜1%、Hf:0.1〜2%、Cu:
0.1〜2%のうちの1種または2種以上、を含有し、
残りがNiと不可避不純物からなる耐酸化性および高温
強度に優れた金型用Ni基超耐熱合金。 - 【請求項8】 重量%で、 Al:0.8〜7%、Ti:0.8〜7%、Mo:13
〜25%、Cr:8〜16%、Ta:1.1〜8%、S
i:2.5%以下、Mn:3%以下、N:0.0001
〜0.1%、C:0.1%以下を含有し、 Fe:0.01〜6%、B:0.001〜0.1%、Z
r:0.001〜0.1%、Ca:0.001〜0.0
1%のうちの1種または2種以上、を含有し、さらにC
o:0.1〜5%、V:0.1〜0.5%、W:0.1
〜4%のうちの1種または2種以上、を含有し、さらに
Nb:0.1〜1%、Hf:0.1〜2%、Cu:0.
1〜2%のうちの1種または2種以上、を含有し、残り
がNiと不可避不純物からなる耐酸化性および高温強度
に優れた金型用Ni基超耐熱合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13696494A JPH083665A (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | 耐酸化性および高温強度に優れた金型用Ni基超耐熱合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13696494A JPH083665A (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | 耐酸化性および高温強度に優れた金型用Ni基超耐熱合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH083665A true JPH083665A (ja) | 1996-01-09 |
Family
ID=15187610
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP13696494A Withdrawn JPH083665A (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | 耐酸化性および高温強度に優れた金型用Ni基超耐熱合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH083665A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2006255767A (ja) * | 2005-03-18 | 2006-09-28 | Sanyo Special Steel Co Ltd | 熱間で使用する金型用Ni基肉盛粉末および熱間用金型 |
US7160400B2 (en) | 1999-03-03 | 2007-01-09 | Daido Tokushuko Kabushiki Kaisha | Low thermal expansion Ni-base superalloy |
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CN105624472A (zh) * | 2015-12-28 | 2016-06-01 | 广东华科新材料研究院有限公司 | 一种3d打印用镍基高温合金粉及其制备方法 |
-
1994
- 1994-06-20 JP JP13696494A patent/JPH083665A/ja not_active Withdrawn
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