JPH0834732A - 抗痴呆薬含有徐放性マイクロスフェア - Google Patents
抗痴呆薬含有徐放性マイクロスフェアInfo
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- JPH0834732A JPH0834732A JP11814495A JP11814495A JPH0834732A JP H0834732 A JPH0834732 A JP H0834732A JP 11814495 A JP11814495 A JP 11814495A JP 11814495 A JP11814495 A JP 11814495A JP H0834732 A JPH0834732 A JP H0834732A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 2−(8−ジメチルアミノオクチルチオ)−
3−(2−テノイル)−6−イソプロピルピリジンまた
はその酸付加塩を生体内分解性機能を有する生体内組織
適合性高分子物質からなる基剤に包含させてなる平均粒
子径15〜400μmの抗痴呆薬含有徐放性マイクロス
フェア。 【効果】 1回の皮下注射または筋肉内注射により、2
週間から1ケ月間効果が持続する抗痴呆薬含有製剤を提
供する。
3−(2−テノイル)−6−イソプロピルピリジンまた
はその酸付加塩を生体内分解性機能を有する生体内組織
適合性高分子物質からなる基剤に包含させてなる平均粒
子径15〜400μmの抗痴呆薬含有徐放性マイクロス
フェア。 【効果】 1回の皮下注射または筋肉内注射により、2
週間から1ケ月間効果が持続する抗痴呆薬含有製剤を提
供する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗痴呆薬を有効成分と
して含有する徐放性マイクロスフェアに関する。
して含有する徐放性マイクロスフェアに関する。
【0002】
【従来の技術】アルツハイマー病(老人性痴呆)は、先
進国を中心に深刻な問題になりつつある。この疾患に対
する薬物治療方法はアセチルコリン分解酵素を阻害する
化合物を中心になされてきたが、いまだ満足すべき結果
は得られていない。特開平2−275858号公報によ
り知られている2−(8−ジメチルアミノオクチルチ
オ)−3−(2−テノイル)−6−イソプロピルピリジ
ン(以下、本化合物と称することもある)またはその酸
付加塩は、PPCE(post proline cleaving enzyme,
propyl endopeptidase) を阻害することで、以下の2点
が期待され、抗痴呆薬として有用である。
進国を中心に深刻な問題になりつつある。この疾患に対
する薬物治療方法はアセチルコリン分解酵素を阻害する
化合物を中心になされてきたが、いまだ満足すべき結果
は得られていない。特開平2−275858号公報によ
り知られている2−(8−ジメチルアミノオクチルチ
オ)−3−(2−テノイル)−6−イソプロピルピリジ
ン(以下、本化合物と称することもある)またはその酸
付加塩は、PPCE(post proline cleaving enzyme,
propyl endopeptidase) を阻害することで、以下の2点
が期待され、抗痴呆薬として有用である。
【0003】1)サブスタンスP,TRH(甲状腺刺激
ホルモン)、バソプレッシン等の記憶学習障害に関与す
るといわれる神経ペプチドの分解を防ぐ。 2)β−アミロイド(最近の知見から、アルツハイマー
病患者の脳内に多く蓄積しており、原因として最も重要
視されている)の蓄積を防ぐ。
ホルモン)、バソプレッシン等の記憶学習障害に関与す
るといわれる神経ペプチドの分解を防ぐ。 2)β−アミロイド(最近の知見から、アルツハイマー
病患者の脳内に多く蓄積しており、原因として最も重要
視されている)の蓄積を防ぐ。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本化合物は痴呆症の発
症予防あるいは症状の進行遅延を目的として用いられる
ため、継続して長期間服用することが望まれる。しかし
ながら、アルツハイマー病患者を対象としていることか
ら、ドラッグコンプライアンス(Drug compliance) の低
下が大きな問題となる。従って、長期にわたる継続治療
時のドラッグコンプライアンスを高める工夫をする必要
がある。
症予防あるいは症状の進行遅延を目的として用いられる
ため、継続して長期間服用することが望まれる。しかし
ながら、アルツハイマー病患者を対象としていることか
ら、ドラッグコンプライアンス(Drug compliance) の低
下が大きな問題となる。従って、長期にわたる継続治療
時のドラッグコンプライアンスを高める工夫をする必要
がある。
【0005】また、経口投与の場合、消化管、肝臓で受
ける代謝反応(first pass代謝)により薬物の血漿中濃
度が低くなる可能性があり、効果発現には高投与量を要
することがある。これらの問題点から、1回の投与で長
時間の効果を維持できる非経口製剤の開発が望まれてい
た。
ける代謝反応(first pass代謝)により薬物の血漿中濃
度が低くなる可能性があり、効果発現には高投与量を要
することがある。これらの問題点から、1回の投与で長
時間の効果を維持できる非経口製剤の開発が望まれてい
た。
【0006】一方、特開昭63−122620号公報に
より、平均粒子径が約0.1〜10μmのポリ乳酸マイ
クロスフェアが知られている。本製剤はリンパ指向性、
肝臓、膵臓などの網内皮系組織への蓄積を意図した静脈
注射用マイクロスフェアであって、その粒子径は0.1
〜10μmに設定するために超音波処理を行っている。
また、本製剤は徐放性を嘔っていて、リンパ液中での薬
物は11日間にわたって高濃度が維持されているが、血
漿中においては4日目に消失していることが窺われる。
より、平均粒子径が約0.1〜10μmのポリ乳酸マイ
クロスフェアが知られている。本製剤はリンパ指向性、
肝臓、膵臓などの網内皮系組織への蓄積を意図した静脈
注射用マイクロスフェアであって、その粒子径は0.1
〜10μmに設定するために超音波処理を行っている。
また、本製剤は徐放性を嘔っていて、リンパ液中での薬
物は11日間にわたって高濃度が維持されているが、血
漿中においては4日目に消失していることが窺われる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決すべく検討をかさねた結果、本化合物含有
製剤を生体内分解性機能を有する生体内組織適合性高分
子物質の基剤からなる徐放性製剤にし、これを皮下また
は筋肉内に投与することによって、長期間効果を持続さ
せることができることを見出し、本発明を完成するに至
った。
な課題を解決すべく検討をかさねた結果、本化合物含有
製剤を生体内分解性機能を有する生体内組織適合性高分
子物質の基剤からなる徐放性製剤にし、これを皮下また
は筋肉内に投与することによって、長期間効果を持続さ
せることができることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0008】すなわち、本発明は2−(8−ジメチルア
ミノオクチルチオ)−3−(2−テノイル)−6−イソ
プロピルピリジンまたはその酸付加塩を生体内分解性機
能を有する生体内組織適合性高分子物質からなる基剤に
包含させてなる平均粒子径15〜400μmの抗痴呆薬
含有徐放性マイクロスフェアを提供するものである。以
下、本発明を詳細に説明する。
ミノオクチルチオ)−3−(2−テノイル)−6−イソ
プロピルピリジンまたはその酸付加塩を生体内分解性機
能を有する生体内組織適合性高分子物質からなる基剤に
包含させてなる平均粒子径15〜400μmの抗痴呆薬
含有徐放性マイクロスフェアを提供するものである。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明の徐放性マイクロスフェアの有効成
分である本化合物またはその酸付加塩の投与量は、その
対象となる疾患および患者の症状に合わせてきめること
ができるが、通常、成人一人当り30〜500mg、好
ましくは50〜300mgの薬物を含有する徐放性マイ
クロスフェアを皮下または筋肉内に投与することができ
る。しかし、本発明は薬物の含有量によって限定される
ものではない。なお、本発明のマイクロスフェアは、当
該製剤中の薬物含量によって徐放化の程度をコントロー
ルすることができる。すなわち、マイクロスフェア中の
薬物含量を低くする程、薬理作用を長期間持続させるこ
とができる。
分である本化合物またはその酸付加塩の投与量は、その
対象となる疾患および患者の症状に合わせてきめること
ができるが、通常、成人一人当り30〜500mg、好
ましくは50〜300mgの薬物を含有する徐放性マイ
クロスフェアを皮下または筋肉内に投与することができ
る。しかし、本発明は薬物の含有量によって限定される
ものではない。なお、本発明のマイクロスフェアは、当
該製剤中の薬物含量によって徐放化の程度をコントロー
ルすることができる。すなわち、マイクロスフェア中の
薬物含量を低くする程、薬理作用を長期間持続させるこ
とができる。
【0010】本化合物の酸付加塩としては塩酸塩、臭化
水素酸塩、硫酸塩などの無機酸塩およびフマル酸塩、マ
レイン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、p−トルエンスル
ホン酸塩などの有機酸塩が含まれる。このうち、クエン
酸塩、p−トルエンスルホン酸塩が好ましい。本発明の
徐放性マイクロスフェアを構成する基剤は、1回の投与
で一定の血漿中濃度を維持し、長期間にわたって安定に
効力を発揮させる機能を付与するものでなければならな
い。
水素酸塩、硫酸塩などの無機酸塩およびフマル酸塩、マ
レイン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、p−トルエンスル
ホン酸塩などの有機酸塩が含まれる。このうち、クエン
酸塩、p−トルエンスルホン酸塩が好ましい。本発明の
徐放性マイクロスフェアを構成する基剤は、1回の投与
で一定の血漿中濃度を維持し、長期間にわたって安定に
効力を発揮させる機能を付与するものでなければならな
い。
【0011】本発明の徐放性マイクロスフェアは、上述
のような機能を有する基剤として生体内分解性機能を有
する生体内組織適合性高分子物質を用い、これに薬物が
包含されるように構成したものである。上記基剤として
は、生体内分解性機能を有する生体内組織適合性高分子
物質(以下、ポリマーということもある)であれば、如
何なるものでもよく、具体的にはポリ乳酸、ポリグリコ
ール酸、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸、ポリ乳酸・グリ
コール酸等の脂肪酸エステルの単独重合体や共重合体、
ポリα−シアノアクリル酸エステル等のポリアクリル酸
エステル類、ポリβ−ヒドロキシ酪酸等のヒドロキシ酪
酸類、ポリトリメチレンオキサレート等のポリアルキレ
ンオキサレート類、ポリオルソエステル類、ポリオルソ
カーボネート、ポリエチレンカーボネート等のポリカー
ボネート類、ポリγ−ベンジル−L−グルタミン酸、ポ
リL−アラニン等のポリアミノ酸などが挙げられる。な
かでも、ポリ乳酸、ポリ乳酸・グリコール酸が好まし
い。これらの生体内適合性高分子は、1種のみを使用し
てもよく、また、必要により2種以上を混合してもよ
い。
のような機能を有する基剤として生体内分解性機能を有
する生体内組織適合性高分子物質を用い、これに薬物が
包含されるように構成したものである。上記基剤として
は、生体内分解性機能を有する生体内組織適合性高分子
物質(以下、ポリマーということもある)であれば、如
何なるものでもよく、具体的にはポリ乳酸、ポリグリコ
ール酸、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸、ポリ乳酸・グリ
コール酸等の脂肪酸エステルの単独重合体や共重合体、
ポリα−シアノアクリル酸エステル等のポリアクリル酸
エステル類、ポリβ−ヒドロキシ酪酸等のヒドロキシ酪
酸類、ポリトリメチレンオキサレート等のポリアルキレ
ンオキサレート類、ポリオルソエステル類、ポリオルソ
カーボネート、ポリエチレンカーボネート等のポリカー
ボネート類、ポリγ−ベンジル−L−グルタミン酸、ポ
リL−アラニン等のポリアミノ酸などが挙げられる。な
かでも、ポリ乳酸、ポリ乳酸・グリコール酸が好まし
い。これらの生体内適合性高分子は、1種のみを使用し
てもよく、また、必要により2種以上を混合してもよ
い。
【0012】本発明に使用されるこれらのポリマーの平
均分子量は約2000から約80000のものが好まし
く、より好ましくは約5000から約20000の範囲
のものから選定される。上記のポリマーとして乳酸・グ
リコール酸共重合物を用いる場合、その組成比は約7
5:25ないし約50:50が好ましい。
均分子量は約2000から約80000のものが好まし
く、より好ましくは約5000から約20000の範囲
のものから選定される。上記のポリマーとして乳酸・グ
リコール酸共重合物を用いる場合、その組成比は約7
5:25ないし約50:50が好ましい。
【0013】これらポリマーの使用量は、薬物放出の速
度および期間などによって決めることができるが、通常
本化合物またはその酸付加塩に対し、重量比で0.2倍
量から10000倍量の範囲であり、好ましくは、重量
比で等倍量から1000倍量でよい。上記ポリマーを含
む溶液(油層)は、ポリマーを溶媒中に溶解したものが
用いられる。油層中のポリマーの濃度は、約0.5〜約
90%(重量比)、さらに好ましくは約2〜約60%
(重量比)から選ばれる。
度および期間などによって決めることができるが、通常
本化合物またはその酸付加塩に対し、重量比で0.2倍
量から10000倍量の範囲であり、好ましくは、重量
比で等倍量から1000倍量でよい。上記ポリマーを含
む溶液(油層)は、ポリマーを溶媒中に溶解したものが
用いられる。油層中のポリマーの濃度は、約0.5〜約
90%(重量比)、さらに好ましくは約2〜約60%
(重量比)から選ばれる。
【0014】該溶媒としては、沸点が約120℃以下
で、かつ水と混和しない性質のものでポリマーを溶解す
るものであればよく、たとえばハロゲン化アルカン(ジ
クロロメタン、クロロホルム、クロロエタン、ジクロロ
エタン、トリクロロエタン、四塩化炭素など)、酢酸エ
チル、エチルエーテル、シクロヘキサン、n−ヘキサ
ン、ベンゼン、トルエンが挙げられ、これらは2種以上
混合して用いてもよい。これら溶媒のうちジクロロメタ
ンが特に好ましく使用される。
で、かつ水と混和しない性質のものでポリマーを溶解す
るものであればよく、たとえばハロゲン化アルカン(ジ
クロロメタン、クロロホルム、クロロエタン、ジクロロ
エタン、トリクロロエタン、四塩化炭素など)、酢酸エ
チル、エチルエーテル、シクロヘキサン、n−ヘキサ
ン、ベンゼン、トルエンが挙げられ、これらは2種以上
混合して用いてもよい。これら溶媒のうちジクロロメタ
ンが特に好ましく使用される。
【0015】本発明のマイクロスフェアの製造方法は次
の通りである。すなわち、ポリマーと本化合物またはそ
の酸付加塩を上記溶媒に溶解または分散し、油層とす
る。このようにして得られた油層を水中乾燥に付す。す
なわち、油層を水層中に加え、ついで乳化操作を行い、
O/W型乳化物をつくる。その後、油層中の溶媒を脱離
させマイクロスフェアを調製する。
の通りである。すなわち、ポリマーと本化合物またはそ
の酸付加塩を上記溶媒に溶解または分散し、油層とす
る。このようにして得られた油層を水中乾燥に付す。す
なわち、油層を水層中に加え、ついで乳化操作を行い、
O/W型乳化物をつくる。その後、油層中の溶媒を脱離
させマイクロスフェアを調製する。
【0016】該乳化操作としては、公知の分散法、たと
えば断続振盪法、プロペラ型攪拌機あるいはタービン型
攪拌機などのミキサーによる方法、コロイドミル法、ホ
モジナイザー法、超音波照射法などが用いられる。水層
中に乳化剤を加えてもよく、その例としては、一般に安
定なO/W型乳化物を形成するものであればいずれでも
よいが、たとえば、アニオン性界面活性剤(オレイン酸
ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナ
トリウムなど)、非イオン性界面活性剤(ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ヒマシ油誘導体など)、あるいはポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロー
ス、レシチン、ゼラチンなどが挙げられ、これらの中の
一種類か、いくつかを組合せて使用してもよい。使用の
際の濃度は約0.01%から約20%の範囲から適宜選
定でき、より好ましくは約0.05%から約10%の範
囲で用いられる。
えば断続振盪法、プロペラ型攪拌機あるいはタービン型
攪拌機などのミキサーによる方法、コロイドミル法、ホ
モジナイザー法、超音波照射法などが用いられる。水層
中に乳化剤を加えてもよく、その例としては、一般に安
定なO/W型乳化物を形成するものであればいずれでも
よいが、たとえば、アニオン性界面活性剤(オレイン酸
ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナ
トリウムなど)、非イオン性界面活性剤(ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ヒマシ油誘導体など)、あるいはポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロー
ス、レシチン、ゼラチンなどが挙げられ、これらの中の
一種類か、いくつかを組合せて使用してもよい。使用の
際の濃度は約0.01%から約20%の範囲から適宜選
定でき、より好ましくは約0.05%から約10%の範
囲で用いられる。
【0017】薬物封入率(以下、内包効率ということも
ある)を高める目的で水層中に塩あるいはpH調整剤を
加えてもよい。そのような塩の例としては食塩が、pH
調整剤の例としては酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩が挙
げられ、これらの中の一種類か、またはいくつかを組み
合わせて使用してもよい。このうち、内包効率を最も向
上させる好ましいものはpH調整剤である。
ある)を高める目的で水層中に塩あるいはpH調整剤を
加えてもよい。そのような塩の例としては食塩が、pH
調整剤の例としては酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩が挙
げられ、これらの中の一種類か、またはいくつかを組み
合わせて使用してもよい。このうち、内包効率を最も向
上させる好ましいものはpH調整剤である。
【0018】また、内包効率は用いる薬物の形態によっ
て異なり、特に2−(8−ジメチルアミノオクチルチ
オ)−3−(2−テノイル)−6−イソプロピルピリジ
ンのp−トルエンスルホン酸塩は最も内包効率を向上さ
せることができることから、特に好ましい形態である。
塩またはpH調整剤を使用する際の濃度は約0.01M
から約2Mの範囲から適宜選定でき、より好ましくは約
0.05Mから約0.5Mの範囲で用いられる。
て異なり、特に2−(8−ジメチルアミノオクチルチ
オ)−3−(2−テノイル)−6−イソプロピルピリジ
ンのp−トルエンスルホン酸塩は最も内包効率を向上さ
せることができることから、特に好ましい形態である。
塩またはpH調整剤を使用する際の濃度は約0.01M
から約2Mの範囲から適宜選定でき、より好ましくは約
0.05Mから約0.5Mの範囲で用いられる。
【0019】油層の溶媒の脱離は、通常用いられている
揮散させる方法が採用される。該方法としては、プロぺ
ラ型攪拌機、あるいはマグネチックスターラーなどで攪
拌しながら徐々に減圧して行うか、ロータリーエバポレ
ーターなどを用いて、真空度を調節しながら溶媒を脱離
する。このようにして得られたマイクロスフェアは遠心
分離あるいは濾過して分取した後、マイクロスフェアの
表面に付着している遊離の薬物、乳化剤などを蒸留水で
数回繰り返し洗浄し、必要であれば加温し、減圧下でマ
イクロスフェア中の水分の脱離およびマイクロスフェア
中の溶媒の脱離をより完全に行う。
揮散させる方法が採用される。該方法としては、プロぺ
ラ型攪拌機、あるいはマグネチックスターラーなどで攪
拌しながら徐々に減圧して行うか、ロータリーエバポレ
ーターなどを用いて、真空度を調節しながら溶媒を脱離
する。このようにして得られたマイクロスフェアは遠心
分離あるいは濾過して分取した後、マイクロスフェアの
表面に付着している遊離の薬物、乳化剤などを蒸留水で
数回繰り返し洗浄し、必要であれば加温し、減圧下でマ
イクロスフェア中の水分の脱離およびマイクロスフェア
中の溶媒の脱離をより完全に行う。
【0020】上記で得られたマイクロスフェアは、必要
であれば軽く粉砕した後、篩過して、大きすぎるマイク
ロスフェア部分を除去する。マイクロスフェアの粒子径
は、徐放性の程度により、懸濁剤として使用する場合に
は、その分散性、通針性を満足させる範囲であればよ
く、平均粒子径として15〜400μmの範囲が挙げら
れ、より好ましくは15〜200μmの範囲にあること
が望まれる。平均粒子径を増大することにより持効性は
増大し、平均粒子径10μm以下のものでは所望の持効
性は得られない。
であれば軽く粉砕した後、篩過して、大きすぎるマイク
ロスフェア部分を除去する。マイクロスフェアの粒子径
は、徐放性の程度により、懸濁剤として使用する場合に
は、その分散性、通針性を満足させる範囲であればよ
く、平均粒子径として15〜400μmの範囲が挙げら
れ、より好ましくは15〜200μmの範囲にあること
が望まれる。平均粒子径を増大することにより持効性は
増大し、平均粒子径10μm以下のものでは所望の持効
性は得られない。
【0021】本発明のマイクロスフェアを分散剤(ポリ
ソルベート80、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(メチルパラ
ベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール、クロロ
ブタノールなど)、等張化剤(塩化ナトリウム、グリセ
リン、ソルビトール、ブドウ糖など)などと共に水性懸
濁剤とするか、またはオリーブ油、ゴマ油、落花生油、
綿実油、コーン油などの植物油、プロピレングリコール
などに分散して油性懸濁剤とすることによって徐放性注
射剤を得ることができる。
ソルベート80、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(メチルパラ
ベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール、クロロ
ブタノールなど)、等張化剤(塩化ナトリウム、グリセ
リン、ソルビトール、ブドウ糖など)などと共に水性懸
濁剤とするか、またはオリーブ油、ゴマ油、落花生油、
綿実油、コーン油などの植物油、プロピレングリコール
などに分散して油性懸濁剤とすることによって徐放性注
射剤を得ることができる。
【0022】さらに、上記のマイクロスフェアの徐放性
注射剤は、賦形剤として上記の組成以外に、マンニトー
ル、ソルビトール、ラクトース、ブドウ糖などを加えて
再分散した後、凍結乾燥もしくは噴霧乾燥して固型化
し、用時に、注射用蒸留水あるいは適当な分散媒(ポリ
ソルベート80、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ムなど)を加えると、より安定した徐放性注射剤が得ら
れる。
注射剤は、賦形剤として上記の組成以外に、マンニトー
ル、ソルビトール、ラクトース、ブドウ糖などを加えて
再分散した後、凍結乾燥もしくは噴霧乾燥して固型化
し、用時に、注射用蒸留水あるいは適当な分散媒(ポリ
ソルベート80、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ムなど)を加えると、より安定した徐放性注射剤が得ら
れる。
【0023】
【発明の効果】本発明の徐放性マイクロスフェアは、た
とえば次の特徴を有する。 (1)長期間投与が必要な場合に、毎日投与するかわり
に、2週間に1回あるいは1ケ月間に1回の注射で、所
望の薬理効果が安定して得られる。 (2)生体内分解性機能を有する生体内組織適合性高分
子物質を用いているので、埋め込みなどの外科手術が一
切不用で、一般の懸濁注射剤とまったく同様に容易に皮
下および筋肉内に投与でき、再び取り出す必要がない。 (3)経口投与するとfirst pass代謝を受ける化合物に
おいては、毎日の経口投与よりも少ない投与量で、強い
薬理効果が得られる。 (4)乳化条件を変化させることにより、マイクロスフ
ェアの粒子径を調整し、薬物放出速度をコントロールす
ることができる。
とえば次の特徴を有する。 (1)長期間投与が必要な場合に、毎日投与するかわり
に、2週間に1回あるいは1ケ月間に1回の注射で、所
望の薬理効果が安定して得られる。 (2)生体内分解性機能を有する生体内組織適合性高分
子物質を用いているので、埋め込みなどの外科手術が一
切不用で、一般の懸濁注射剤とまったく同様に容易に皮
下および筋肉内に投与でき、再び取り出す必要がない。 (3)経口投与するとfirst pass代謝を受ける化合物に
おいては、毎日の経口投与よりも少ない投与量で、強い
薬理効果が得られる。 (4)乳化条件を変化させることにより、マイクロスフ
ェアの粒子径を調整し、薬物放出速度をコントロールす
ることができる。
【0024】これらの特徴により、本発明のマイクロス
フェアは1回の皮下注射または筋肉内注射により、2週
間から1ケ月間効果が持続する徐放性製剤として有用で
あり、痴呆症の予防または治療に用いることができる。
フェアは1回の皮下注射または筋肉内注射により、2週
間から1ケ月間効果が持続する徐放性製剤として有用で
あり、痴呆症の予防または治療に用いることができる。
【0025】
【実施例】以下に実施例、実験例を挙げて本発明をさら
に具体的に説明する。用いた化合物は2−(8−ジメチ
ルアミノオクチルチオ)−3−(2−テノイル)−6−
イソプロピルピリジン(化合物A)、そのクエン酸塩
(化合物B)およびそのp−トルエンスルホン酸塩(化
合物C)である。なお、化合物Bまたは化合物Cを用い
てマイクロスフェアを調製した場合にも化合物Aとして
マイクロスフェア内に存在する。したがって、以下に示
すマイクロスフェア中の薬物濃度および薬物の血漿中濃
度はすべて化合物Aとして記載した。なお、実施例1お
よび実施例2の各組成で得られたマイクロスフェアの含
量はいずれも約10%である。
に具体的に説明する。用いた化合物は2−(8−ジメチ
ルアミノオクチルチオ)−3−(2−テノイル)−6−
イソプロピルピリジン(化合物A)、そのクエン酸塩
(化合物B)およびそのp−トルエンスルホン酸塩(化
合物C)である。なお、化合物Bまたは化合物Cを用い
てマイクロスフェアを調製した場合にも化合物Aとして
マイクロスフェア内に存在する。したがって、以下に示
すマイクロスフェア中の薬物濃度および薬物の血漿中濃
度はすべて化合物Aとして記載した。なお、実施例1お
よび実施例2の各組成で得られたマイクロスフェアの含
量はいずれも約10%である。
【0026】実施例1 組成1:化合物B194mgおよびdl−ポリ乳酸(分
子量約10000)756mgをジクロロメタン4ml
に溶解した。これを5%濃度の食塩を含む0.5%ポリ
ビニルアルコール(ゴーセノールEG−40、日本合成
化学工業)水溶液1000mlに注入し、ホモジナイザ
ー(T.K.ホモミクサー、特殊機科工業)で分散さ
せ、O/W型乳化物を調製した。この後、O/W型乳化
物を通常の攪拌機でゆっくり攪拌し、マイクロスフェア
がジクロロメタンの揮散と共に固化するのを待って遠心
分離器で捕集し、同時に蒸留水で水洗した。捕集された
マイクロスフェアは凍結乾燥することによって平均粒子
径約20μmの粉末として得られた。
子量約10000)756mgをジクロロメタン4ml
に溶解した。これを5%濃度の食塩を含む0.5%ポリ
ビニルアルコール(ゴーセノールEG−40、日本合成
化学工業)水溶液1000mlに注入し、ホモジナイザ
ー(T.K.ホモミクサー、特殊機科工業)で分散さ
せ、O/W型乳化物を調製した。この後、O/W型乳化
物を通常の攪拌機でゆっくり攪拌し、マイクロスフェア
がジクロロメタンの揮散と共に固化するのを待って遠心
分離器で捕集し、同時に蒸留水で水洗した。捕集された
マイクロスフェアは凍結乾燥することによって平均粒子
径約20μmの粉末として得られた。
【0027】組成2:dl−ポリ乳酸・グリコール酸
(75:25)(分子量約10000)を用いて以下、
組成1として同様にして平均粒子径約20μmのマイク
ロスフェアを得た。 組成3:dl−ポリ乳酸・グリコール酸(50:50)
(分子量約10000)を用いて以下、組成1と同様に
して平均粒子径約20μmのマイクロスフェアを得た。
(75:25)(分子量約10000)を用いて以下、
組成1として同様にして平均粒子径約20μmのマイク
ロスフェアを得た。 組成3:dl−ポリ乳酸・グリコール酸(50:50)
(分子量約10000)を用いて以下、組成1と同様に
して平均粒子径約20μmのマイクロスフェアを得た。
【0028】実験例1 実施例1で得られたマイクロスフェア(平均粒子径約2
0μm)を、化合物Aとして6.85mg/0.5ml
の投与量でSD系雄性ラットまたはWistar系雄性ラット
(10週齢)の大腿筋肉内に投与した。一定時間経過
後、各時間毎に眼底から採血し、薬物の血漿中濃度を測
定した。その結果、図1に示すように、薬物の血漿中濃
度が持続していることが確認され、用いるポリマー種に
より持効化の程度をコントロールすることができること
が判明した。また、表1に示すように薬物の内包効率も
用いるポリマー種により異なることが判明した。
0μm)を、化合物Aとして6.85mg/0.5ml
の投与量でSD系雄性ラットまたはWistar系雄性ラット
(10週齢)の大腿筋肉内に投与した。一定時間経過
後、各時間毎に眼底から採血し、薬物の血漿中濃度を測
定した。その結果、図1に示すように、薬物の血漿中濃
度が持続していることが確認され、用いるポリマー種に
より持効化の程度をコントロールすることができること
が判明した。また、表1に示すように薬物の内包効率も
用いるポリマー種により異なることが判明した。
【0029】
【表1】 ─────────────────────────────── 組 成 内包効率(%) ─────────────────────────────── 組成1 64.6 組成2 74.8 組成3 82.1 ─────────────────────────────── 実施例2 組成1:化合物A105mgおよびdl−ポリ乳酸(分
子量約10000)756mgをジクロロメタン2ml
に溶解した。これを0.1M酢酸ナトリウムを含む0.
5%ポリビニルアルコール水溶液1000mlに注入
し、ホモジナイザーで分散させ、O/W型乳化物を調製
した。以下、実施例1と同様にして平均粒子径約20μ
mのマイクロスフェアを得た。
子量約10000)756mgをジクロロメタン2ml
に溶解した。これを0.1M酢酸ナトリウムを含む0.
5%ポリビニルアルコール水溶液1000mlに注入
し、ホモジナイザーで分散させ、O/W型乳化物を調製
した。以下、実施例1と同様にして平均粒子径約20μ
mのマイクロスフェアを得た。
【0030】組成2:dl−ポリ乳酸(分子量約200
00)を用いて以下、組成1と同様にして平均粒子径約
20μmのマイクロスフェアを得た。 組成3:dl−ポリ乳酸・グリコール酸(75:25)
(分子量約20000)を用いて以下、組成1と同様に
して平均粒子径約20μmのマイクロスフェアを得た。
00)を用いて以下、組成1と同様にして平均粒子径約
20μmのマイクロスフェアを得た。 組成3:dl−ポリ乳酸・グリコール酸(75:25)
(分子量約20000)を用いて以下、組成1と同様に
して平均粒子径約20μmのマイクロスフェアを得た。
【0031】組成4:dl−ポリ乳酸(分子量約100
00)を用いて、外水相に5%濃度の食塩を含む0.5
%ポリビニルアルコール1000mlを用い、以下、組
成1と同様にして平均粒子径約20μmのマイクロスフ
ェアを得た。 実験例2 実施例2の組成1〜3で得られたマイクロスフェア(平
均粒子径約20μm)を用いて実験例1と同様に血漿中
濃度を測定した。その結果、図2に示すように、血漿中
濃度が持続していることが確認された。また表2に示す
ように、組成4と比較すると外水相にpH調整剤を加え
ることにより薬物の内包効率は向上することが判明し
た。
00)を用いて、外水相に5%濃度の食塩を含む0.5
%ポリビニルアルコール1000mlを用い、以下、組
成1と同様にして平均粒子径約20μmのマイクロスフ
ェアを得た。 実験例2 実施例2の組成1〜3で得られたマイクロスフェア(平
均粒子径約20μm)を用いて実験例1と同様に血漿中
濃度を測定した。その結果、図2に示すように、血漿中
濃度が持続していることが確認された。また表2に示す
ように、組成4と比較すると外水相にpH調整剤を加え
ることにより薬物の内包効率は向上することが判明し
た。
【0032】
【表2】 ─────────────────────────────── 組 成 内包効率(%) ─────────────────────────────── 組成1 83.2 組成2 84.9 組成3 84.5 組成4 70.9 ─────────────────────────────── 実施例3 組成1:化合物A105mgおよびdl−ポリ乳酸(分
子量約20000)756mgをジクロロメタン2ml
に溶解した。これを、0.1M酢酸ナトリウムを含む
0.5%ポリビニルアルコール1000mlに注入し、
ホモジナイザーで分散させ、O/W型乳化物を調製し
た。乳化の条件を実施例1の場合より緩和にし、その他
は実施例1と同様にしてマイクロスフェアを得た。この
ようにして得られたマイクロスフェアの含量は約10
%、平均粒子径は約100μmであった。
子量約20000)756mgをジクロロメタン2ml
に溶解した。これを、0.1M酢酸ナトリウムを含む
0.5%ポリビニルアルコール1000mlに注入し、
ホモジナイザーで分散させ、O/W型乳化物を調製し
た。乳化の条件を実施例1の場合より緩和にし、その他
は実施例1と同様にしてマイクロスフェアを得た。この
ようにして得られたマイクロスフェアの含量は約10
%、平均粒子径は約100μmであった。
【0033】組成2:化合物B200mgおよびdl−
ポリ乳酸(分子量約20000)756mgをジクロロ
メタン6mlに溶解した。これを0.5%ポリビニルア
ルコール1000mlに注入し、ホモジナイザーで分散
させ、O/W型乳化物を調製した。以下、実施例と同様
にしてマイクロスフェアを得た。このようにして得られ
たマイクロスフェアの含量は約5%、平均粒子径は約2
0μmであった。
ポリ乳酸(分子量約20000)756mgをジクロロ
メタン6mlに溶解した。これを0.5%ポリビニルア
ルコール1000mlに注入し、ホモジナイザーで分散
させ、O/W型乳化物を調製した。以下、実施例と同様
にしてマイクロスフェアを得た。このようにして得られ
たマイクロスフェアの含量は約5%、平均粒子径は約2
0μmであった。
【0034】実験例3 実施例3で得られたマイクロスフェアを用いて実験例1
と同様に血漿中濃度を測定した。その結果、図3に示す
ように、図1および図2に示したマイクロスフェアと比
較して、血漿中濃度が長期間、一定の濃度範囲内に持続
していることが確認された。すなわち、実施例3の組成
1の場合、実施例2の組成2で示したマイクロスフェア
と比較して薬物濃度が長期間持続し、薬物の消失時間が
延長されることから、粒子径が大きくなる程徐放化され
ることが判明した。また、実施例3の組成2の場合、実
施例2の組成2で示したマイクロスフェアと比較して薬
物濃度がさらに持続し、薬物消失時間の顕著な延長がみ
られることから、薬物含量が低くなる程徐放化されるこ
とが判明した。
と同様に血漿中濃度を測定した。その結果、図3に示す
ように、図1および図2に示したマイクロスフェアと比
較して、血漿中濃度が長期間、一定の濃度範囲内に持続
していることが確認された。すなわち、実施例3の組成
1の場合、実施例2の組成2で示したマイクロスフェア
と比較して薬物濃度が長期間持続し、薬物の消失時間が
延長されることから、粒子径が大きくなる程徐放化され
ることが判明した。また、実施例3の組成2の場合、実
施例2の組成2で示したマイクロスフェアと比較して薬
物濃度がさらに持続し、薬物消失時間の顕著な延長がみ
られることから、薬物含量が低くなる程徐放化されるこ
とが判明した。
【0035】以上のことから、本発明のマイクロスフェ
アの粒子径を大きくする程、または薬物含量を低くする
程、所望の徐放効果が長期間安定して得られることが判
明した。 実施例4 組成1:化合物B33.7mgおよびdl−ポリ乳酸
(分子量約10000)189.2mgをジクロロメタ
ン1mlに溶解した。これを0.1M酢酸ナトリウムを
含む0.5%ポリビニルアルコール250mlに注入
し、ホモジナイザー(ポリトロン,KINEMATIC
A製)で分散させ、O/W型乳化物を調製した。以下実
施例1と同様にして平均粒子径約20μmのマイクロス
フェアを得た。
アの粒子径を大きくする程、または薬物含量を低くする
程、所望の徐放効果が長期間安定して得られることが判
明した。 実施例4 組成1:化合物B33.7mgおよびdl−ポリ乳酸
(分子量約10000)189.2mgをジクロロメタ
ン1mlに溶解した。これを0.1M酢酸ナトリウムを
含む0.5%ポリビニルアルコール250mlに注入
し、ホモジナイザー(ポリトロン,KINEMATIC
A製)で分散させ、O/W型乳化物を調製した。以下実
施例1と同様にして平均粒子径約20μmのマイクロス
フェアを得た。
【0036】組成2:化合物C26.1mgおよびdl
−ポリ乳酸(分子量約10000)162mgをジクロ
ロメタン0.5mlに溶解した。これを0.1M酢酸ナ
トリウムを含む0.5%ポリビニルアルコール水溶液1
00mlに注入し、ホモジナイザー(ポリトロン,KI
NEMATICA製)で分散させ、O/W型乳化物を調
製した。以下実施例1と同様にして平均粒子径約20μ
mのマイクロスフェアを得た。
−ポリ乳酸(分子量約10000)162mgをジクロ
ロメタン0.5mlに溶解した。これを0.1M酢酸ナ
トリウムを含む0.5%ポリビニルアルコール水溶液1
00mlに注入し、ホモジナイザー(ポリトロン,KI
NEMATICA製)で分散させ、O/W型乳化物を調
製した。以下実施例1と同様にして平均粒子径約20μ
mのマイクロスフェアを得た。
【0037】実験例4 実施例4および実施例2の組成1で得られたマイクロス
フェアの内包効率を表3に示す。その結果、用いる本化
合物の形態によって内包効率が大きく変化することが判
明した。すなわち、化合物Cは他の形態と比較して内包
効率を顕著に向上させることから、当該化合物を用いる
ことにより本発明のマイクロスフェアを最も効率よく製
造できることが判明した。
フェアの内包効率を表3に示す。その結果、用いる本化
合物の形態によって内包効率が大きく変化することが判
明した。すなわち、化合物Cは他の形態と比較して内包
効率を顕著に向上させることから、当該化合物を用いる
ことにより本発明のマイクロスフェアを最も効率よく製
造できることが判明した。
【0038】
【表3】 ─────────────────────────────── 組 成 内包効率(%) ─────────────────────────────── 実施例2の組成1 83.2 実施例4の組成1 83.0 実施例4の組成2 102.2 ───────────────────────────────
【図1】実施例1で得られたマイクロスフェアをSD系
雄性ラットに筋肉内投与した後の血漿中濃度推移を示す
図である。
雄性ラットに筋肉内投与した後の血漿中濃度推移を示す
図である。
【図2】実施例2で得られたマイクロスフェアをWistar
系雄性ラットに筋肉内投与した後の血漿中濃度推移を示
す図である。
系雄性ラットに筋肉内投与した後の血漿中濃度推移を示
す図である。
【図3】実施例3で得られたマイクロスフェアをWistar
系雄性ラットに筋肉内投与した後の血漿中濃度推移を示
す図である。
系雄性ラットに筋肉内投与した後の血漿中濃度推移を示
す図である。
フロントページの続き (72)発明者 中島 透 福岡県築上郡吉富町大字小祝955番地 吉 富製薬株式会社創薬第二研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 2−(8−ジメチルアミノオクチルチ
オ)−3−(2−テノイル)−6−イソプロピルピリジ
ンまたはその酸付加塩を生体内分解性機能を有する生体
内組織適合性高分子物質からなる基剤に包含させてなる
平均粒子径15〜400μmの抗痴呆薬含有徐放性マイ
クロスフェア。 - 【請求項2】 平均粒子径が15〜200μmである請
求項1記載の抗痴呆薬含有徐放性マイクロスフェア。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11814495A JPH0834732A (ja) | 1994-05-17 | 1995-05-17 | 抗痴呆薬含有徐放性マイクロスフェア |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-102526 | 1994-05-17 | ||
JP10252694 | 1994-05-17 | ||
JP11814495A JPH0834732A (ja) | 1994-05-17 | 1995-05-17 | 抗痴呆薬含有徐放性マイクロスフェア |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0834732A true JPH0834732A (ja) | 1996-02-06 |
Family
ID=26443239
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11814495A Pending JPH0834732A (ja) | 1994-05-17 | 1995-05-17 | 抗痴呆薬含有徐放性マイクロスフェア |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0834732A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20150328197A1 (en) * | 2012-09-29 | 2015-11-19 | Targeted Therapeutics, Llc | Method and pharmaceutical composition for inhibiting pi3k/akt/mtor signaling pathway |
US9750728B2 (en) | 2012-09-29 | 2017-09-05 | Targeted Therapeutics, Llc | Method and pharmaceutical composition for inhibiting PI3K/AKT/mTOR signaling pathway |
JP2021509662A (ja) * | 2017-09-06 | 2021-04-01 | インベンテージ ラボ インコーポレイテッドInventage Lab Inc. | モキシデクチンを含むマイクロ粒子およびその製造方法 |
-
1995
- 1995-05-17 JP JP11814495A patent/JPH0834732A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20150328197A1 (en) * | 2012-09-29 | 2015-11-19 | Targeted Therapeutics, Llc | Method and pharmaceutical composition for inhibiting pi3k/akt/mtor signaling pathway |
US9545396B2 (en) * | 2012-09-29 | 2017-01-17 | Targeted Therapeutics, Llc | Method and pharmaceutical composition for inhibiting PI3K/AKT/mTOR signaling pathway |
US9750728B2 (en) | 2012-09-29 | 2017-09-05 | Targeted Therapeutics, Llc | Method and pharmaceutical composition for inhibiting PI3K/AKT/mTOR signaling pathway |
JP2021509662A (ja) * | 2017-09-06 | 2021-04-01 | インベンテージ ラボ インコーポレイテッドInventage Lab Inc. | モキシデクチンを含むマイクロ粒子およびその製造方法 |
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