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JPH08333458A - シロキサン高分子及びその製造方法 - Google Patents

シロキサン高分子及びその製造方法

Info

Publication number
JPH08333458A
JPH08333458A JP14182995A JP14182995A JPH08333458A JP H08333458 A JPH08333458 A JP H08333458A JP 14182995 A JP14182995 A JP 14182995A JP 14182995 A JP14182995 A JP 14182995A JP H08333458 A JPH08333458 A JP H08333458A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
groups
carbon atoms
formula
aromatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14182995A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Inoue
浩二 井上
Kenji Iwata
健二 岩田
Junichi Ishikawa
石川  淳一
Masayoshi Ito
正義 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP14182995A priority Critical patent/JPH08333458A/ja
Publication of JPH08333458A publication Critical patent/JPH08333458A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性および耐燃焼性に優れた含ケイ素材料
を提供する。 【構成】 繰り返し単位中にアセチレン結合、Si−H
結合およびシロキサン結合を有する一般式(1) (式中、R1、R2、R4、R5は水素原子または炭素数1
から30のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
フェニル基やナフチル基などの芳香族基、R3は炭素数
1から30の二価の炭化水素基であり、アルキレン基、
アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフ
チレン基などの二価の芳香族基である。lは0または
1、mは正の整数、nは0または正の整数である。)で
表されるシロキサン高分子、およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱、耐燃焼材料とし
て有用なシロキサン高分子とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鎖状のポリシロキサンを合成する
方法は、ジクロロシラン化合物を加水分解してまず環状
のシロキサンをつくり、これを開環重合する2段階反応
であった。また、ケイ素上に種々の置換基を導入して耐
熱性の向上を図っているが、置換基の効果だけでは限界
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、Si−
H結合とアセチレン結合を含むクロロシラン化合物を単
独で、あるいはジクロロシランの共存下で加水分解する
ことにより、環状のシロキサンを経由することなく1段
階の反応で、目的とする高い耐熱性を有するシロキサン
化合物を製造することを課題とし、これにむかって鋭意
努力し、本発明に到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、繰り返し単位
中にアセチレン結合、Si−H結合およびシロキサン結
合を有する一般式(1)(化5)
【0005】
【化5】 (式中、R1、R2、R4、R5は水素原子または炭素数1
から30のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
フェニル基やナフチル基などの芳香族基、R3は炭素数
1から30の二価の炭化水素基であり、アルキレン基、
アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフ
チレン基などの二価の芳香族基であって、これらはハロ
ゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置
換基を含んでいてもよい。lは0または1、mは正の整
数、nは0または正の整数である。)で表されるシロキ
サン高分子である。
【0006】また本発明は、一般式(2)(化6)
【0007】
【化6】 (式中、R1、R2は水素原子または炭素数1から30の
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基
やナフチル基などの芳香族基、R3は炭素数1から30
の二価の炭化水素基であり、アルキレン基、アルケニレ
ン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフチレン基な
どの二価の芳香族基であって、これらはハロゲン原子、
水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置換基を含ん
でいてもよい。lは0または1である。)で表されるビ
ス(クロロ)シラン化合物及び 一般式(3)(化7)
【0008】
【化7】 (式中、R4、R5は水素原子または炭素数1から30の
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基
やナフチル基などの芳香族基であって、これらはハロゲ
ン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置換
基を含んでいてもよい。)で表されるジクロロシラン化
合物を加水分解させることを特徴とする一般式(1)
(式中、R1、R2、R4、R5は水素原子または炭素数1
から30のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
フェニル基やナフチル基などの芳香族基、R3は炭素数
1から30の二価の炭化水素基であり、アルキレン基、
アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフ
チレン基などの二価の芳香族基であって、これらはハロ
ゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置
換基を含んでいてもよい。lは0または1、mは正の整
数、nは0または正の整数である。)で表されるシロキ
サン高分子の製造方法である。
【0009】また本発明は、1種または2種以上の一般
式(2) (式中、R1、R2は水素原子または炭素数1
から30のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
フェニル基やナフチル基などの芳香族基、R3は炭素数
1から30の二価の炭化水素基であり、アルキレン基、
アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフ
チレン基などの二価の芳香族基であって、これらはハロ
ゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置
換基を含んでいてもよい。lは0または1である。)で
表されるビス(クロロ)シラン化合物を加水分解させる
ことを特徴とする、一般式(1) (式中、R1、R2
4、R5は水素原子または炭素数1から30のアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチ
ル基などの芳香族基、R3は炭素数1から30の二価の
炭化水素基であり、アルキレン基、アルケニレン基、ア
ルキニレン基、フェニレン基やナフチレン基などの二価
の芳香族基であって、これらはハロゲン原子、水酸基、
アミノ基、カルボキシル基などの置換基を含んでいても
よい。lは0または1、mは正の整数、nは0または正
の整数である。)で表されるシロキサン高分子の製造方
法である。
【0010】また本発明は、一般式(2) (式中、R
1、R2は水素原子または炭素数1から30のアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチ
ル基などの芳香族基、R3は炭素数1から30の二価の
炭化水素基であり、アルキレン基、アルケニレン基、ア
ルキニレン基、フェニレン基やナフチレン基などの二価
の芳香族基であって、これらはハロゲン原子、水酸基、
アミノ基、カルボキシル基などの置換基を含んでいても
よい。lは0または1である。)で表されるビス(クロ
ロ)シラン化合物を単独で、または一般式(3) (式
中、R4、R5は水素原子または炭素数1から30のアル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナ
フチル基などの芳香族基であって、これらはハロゲン原
子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置換基を
含んでいてもよい。)で表されるジクロロシラン化合物
と共に加水分解し、次いで一般式(4)(化8)
【0011】
【化8】 (式中、R6、R7、R8は水素原子または炭素数1から
30のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェ
ニル基やナフチル基などの芳香族基であって、これらは
ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基など
の置換基を含んでいてもよい。)で表されるシラノール
で処理することを特徴とする一般式(1)(式中、
1、R2、R4、R5は水素原子または炭素数1から30
のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル
基やナフチル基などの芳香族基、R3は炭素数1から3
0の二価の炭化水素基であり、アルキレン基、アルケニ
レン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフチレン基
などの二価の芳香族基であって、これらはハロゲン原
子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置換基を
含んでいてもよい。lは0または1、mは正の整数、n
は0または正の整数である。)で表されるシロキサン高
分子の製造方法である。
【0012】本発明の製造方法の特徴は、要約すると、
反応式(5)(化9)
【0013】
【化9】 (式中、R1、R2は水素原子または炭素数1から30の
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基
やナフチル基などの芳香族基、R3は炭素数1から30
の二価の炭化水素基であり、アルキレン基、アルケニレ
ン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフチレン基な
どの二価の芳香族基であって、これらはハロゲン原子、
水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置換基を含ん
でいてもよい。lは0または1である。)または反応式
(6)(化10)
【0014】
【化10】 (式中、R1、R2、R4、R5は水素原子または炭素数1
から30のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
フェニル基やナフチル基などの芳香族基、R3は炭素数
1から30の二価の炭化水素基であり、アルキレン基、
アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフ
チレン基などの二価の芳香族基であって、これらはハロ
ゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置
換基を含んでいてもよい。lは0または1、mは正の整
数、nは0または正の整数である。)で表されるよう
に、ビス(クロロ)シラン化合物を単独で、あるいは他
のジクロロシラン化合物と共に加水分解させることによ
ってシロキサン高分子が製造できることにある。
【0015】本発明における一般式(2) (式中、R
1、R2は水素原子または炭素数1から30のアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチ
ル基などの芳香族基、R3は炭素数1から30の二価の
炭化水素基であり、アルキレン基、アルケニレン基、ア
ルキニレン基、フェニレン基やナフチレン基などの二価
の芳香族基であって、これらはハロゲン原子、水酸基、
アミノ基、カルボキシル基などの置換基を含んでいても
よい。lは0または1である。)で表されるビス(クロ
ロ)シラン化合物とは、同一ケイ素上に水素原子と塩素
原子の両方を持っている。具体的には、化学式(7)
(化11)
【0016】
【化11】 、化学式(8)(化12)
【0017】
【化12】 、化学式(9)(化13)
【0018】
【化13】 、化学式(10)(化14)
【0019】
【化14】 、化学式(11)(化15)
【0020】
【化15】 、化学式(12)(化16)
【0021】
【化16】 、化学式(13)(化17)
【0022】
【化17】 、化学式(14)(化18)
【0023】
【化18】 、化学式(15)(化19)
【0024】
【化19】 、化学式(16)(化20)
【0025】
【化20】 、化学式(17)(化21)
【0026】
【化21】 、化学式(18)(化22)
【0027】
【化22】 、化学式(19)(化23)
【0028】
【化23】 、化学式(20)(化24)
【0029】
【化24】 、化学式(21)(化25)
【0030】
【化25】 、化学式(22)(化26)
【0031】
【化26】 、化学式(23)(化27)
【0032】
【化27】 、化学式(24)(化28)
【0033】
【化28】 、化学式(25)(化29)
【0034】
【化29】 、化学式(26)(化30)
【0035】
【化30】 、化学式(27)(化31)
【0036】
【化31】 、化学式(28)(化32)
【0037】
【化32】 、化学式(29)(化33)
【0038】
【化33】 、化学式(30)(化34)
【0039】
【化34】 、化学式(31)(化35)
【0040】
【化35】 、化学式(32)(化36)
【0041】
【化36】 、化学式(33)(化37)
【0042】
【化37】 、化学式(34)(化38)
【0043】
【化38】 、化学式(35)(化39)
【0044】
【化39】 、化学式(36)(化40)
【0045】
【化40】 、化学式(37)(化41)
【0046】
【化41】 、化学式(38)(化42)
【0047】
【化42】 、化学式(39)(化43)
【0048】
【化43】 、化学式(40)(化44)
【0049】
【化44】 、化学式(41)(化45)
【0050】
【化45】 、化学式(42)(化46)
【0051】
【化46】 、化学式(43)(化47)
【0052】
【化47】 、化学式(44)(化48)
【0053】
【化48】 、化学式(45)(化49)
【0054】
【化49】 、または化学式(46)(化50)
【0055】
【化50】 などが挙げられる。
【0056】本発明における一般式(3) (式中、R
4、R5は水素原子または炭素数1から30のアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチ
ル基などの芳香族基であって、これらはハロゲン原子、
水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置換基を含ん
でいてもよい。)で表されるジクロロシラン化合物を例
示すれば、ジメチルジクロロシラン(Me2SiC
2)、ジエチルジクロロシラン(Et2SiCl2)、
ジフェニルジクロロシラン(Ph2SiCl2)、メチル
フェニルジクロロシラン(MePhSiCl2)、ジク
ロロシラン(SiH2Cl 2)、メチルジクロロシラン
(MeSiCl2H)、エチルジクロロシラン(EtS
iCl2H)、シクロペンチルジクロロシラン(c−C5
9SiCl2H)、シクロヘキシルジクロロシラン(c
−C611SiCl2H)、n−ヘキシルジクロロシラン
(n−C613SiCl2H)、n−ドデシルジクロロシ
ラン(n−C1225SiCl2H)、クロロメチルジク
ロロシラン(CClH2SiCl2H)、ジクロロメチル
ジクロロシラン(CCl2HSiCl2H)、トリクロロ
メチルジクロロシラン(CCl3SiCl2H)、トリフ
ルオロメチルジクロロシラン(CF3SiCl2H)、
3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン(C
3(CH22SiCl2H)、メトキシメチルジクロロ
シラン(CH3OCH2SiCl2H)、3−メトキシプ
ロピルジクロロシラン(CH3O(CH23SiCl
2H)、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルジク
ロロシラン(Et2N(CH23SiCl2H)、ビニル
ジクロロシラン(CH2=CHSiCl2H)、アリルジ
クロロシラン(CH2=CHCH2SiCl2H)、2−
(3−シクロヘキセニル)エチルジクロロシラン(化学
式(47))(化51)
【0057】
【化51】 、エチニルジクロロシラン(CH≡CSiCl2H)、
プロパルギルジクロロシラン(CH≡CCH2SiCl2
H)、フェニルジクロロシラン(PhSiCl2H)、
4−トルイルジクロロシラン(化学式(48))(化5
2)
【0058】
【化52】 、4−エチニルフェニルジクロロシラン(化学式(4
9))(化53)
【0059】
【化53】 、メシチルジクロロシラン(化学式(50))(化5
4)
【0060】
【化54】 、ベンジルジクロロシラン(PhCH2SiCl2H)、
2−フェニルエチルジクロロシラン(Ph(CH22
iCl2H)、3−フェニルプロピルジクロロシラン
(Ph(CH23SiCl2H)、3−ブロモフェニル
ジクロロシラン(化学式(51))(化55)
【0061】
【化55】 、4−クロロメチルフェニルジクロロシラン(化学式
(52))(化56)
【0062】
【化56】 、4−シリルフェニルジクロロシラン(化学式(5
3))(化57)
【0063】
【化57】 、4{3−(4−メトキシフェニル)プロピル}フェニ
ルジクロロシラン(化学式(54))(化58)
【0064】
【化58】 などが挙げられる。
【0065】本発明における一般式(4) (式中、R
6、R7、R8は水素原子または炭素数1から30のアル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナ
フチル基などの芳香族基であって、これらはハロゲン原
子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置換基を
含んでいてもよい。)で表されるシラノールを例示すれ
ば、トリメチルシラノール(Me3SiOH)、トリエ
チルシラノール(Et3SiOH)、ジメチルフェニル
シラノール(Me2PhSiOH)、メチルジフェニル
シラノール(MePh2SiOH)、ジエチルフェニル
シラノール(Et2PhSiOH)、エチルジフェニル
シラノール(EtPh2SiOH)、1−ヒドロキシ−
1−メチルシラシクロブタン(化学式(55))(化5
9)
【0066】
【化59】 、トリ−n−プロピルシラノール((C373SiO
H)、トリイソプロピルシラノール([(CH32
H]3SiOH)、トリ−n−ブチルシラノール((C4
93SiOH)、トリ−tert−ブチルシラノール
([(CH33C]3SiOH)、トリフェニルシラノ
ール(Ph3SiOH)、メチル−1−ナフチルフェニ
ルシラノール(化学式(56))(化60)
【0067】
【化60】 などが挙げられる。
【0068】一般式(1) (式中、R1、R2、R4
5は水素原子または炭素数1から30のアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基
などの芳香族基、R3は炭素数1から30の二価の炭化
水素基であり、アルキレン基、アルケニレン基、アルキ
ニレン基、フェニレン基やナフチレン基などの二価の芳
香族基であって、これらはハロゲン原子、水酸基、アミ
ノ基、カルボキシル基などの置換基を含んでいてもよ
い。lは0または1、mは正の整数、nは0または正の
整数である。)で表されるシロキサン高分子を製造する
方法を説明する。反応装置は、原料の貯蔵容器、原料の
流量を制御しつつ供給する部分、原料の流体を混合する
部分、反応容器内部の攪拌装置、反応容器の温度を制御
する部分などからなる。
【0069】本発明はビス(クロロ)シラン化合物の加
水分解を行うことが特徴であり、下記の製造法例に限定
されるものではない。原料となる一般式(2) (式
中、R 1、R2は水素原子または炭素数1から30のアル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナ
フチル基などの芳香族基、R3は炭素数1から30の二
価の炭化水素基であり、アルキレン基、アルケニレン
基、アルキニレン基、フェニレン基やナフチレン基など
の二価の芳香族基であって、これらはハロゲン原子、水
酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置換基を含んで
いてもよい。lは0または1である。)で表されるビス
(クロロ)シラン化合物の製造方法は、本発明者らが提
案しているように(特願平7−80041)、ヒドロシ
ラン化合物をヨウ化第一銅触媒の存在下で、塩化第二銅
と反応させることにより、容易に定量的に合成できる
が、これらの製造方法に特に限定されるものではない。
【0070】一般式(1) (式中、R1、R2、R4
5は水素原子または炭素数1から30のアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基
などの芳香族基、R3は炭素数1から30の二価の炭化
水素基であり、アルキレン基、アルケニレン基、アルキ
ニレン基、フェニレン基やナフチレン基などの二価の芳
香族基であって、これらはハロゲン原子、水酸基、アミ
ノ基、カルボキシル基などの置換基を含んでいてもよ
い。lは0または1、mは正の整数、nは0または正の
整数である。)においてnが0の場合のシロキサン高分
子を製造する方法を説明する。容器内に一般式(2)
(式中、R1、R2は水素原子または炭素数1から30の
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基
やナフチル基などの芳香族基、R3は炭素数1から30
の二価の炭化水素基であり、アルキレン基、アルケニレ
ン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフチレン基な
どの二価の芳香族基であって、これらはハロゲン原子、
水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置換基を含ん
でいてもよい。lは0または1である。)で表されるビ
ス(クロロ)シラン化合物および必要に応じて溶媒を仕
込む。これらの容器への仕込みの順序は特に限定するも
のではない。容器内は反応前に高純度窒素、高純度アル
ゴン等の不活性ガスで置換することが好ましい。この溶
液を反応容器内の水に加え、反応容器を所定の反応温度
に制御しつつ、攪拌しながら所定の時間反応させる。本
発明者らは加水分解時に生成するシラノール基を、一般
式(4)(式中、R6、R7、R8は水素原子または炭素
数1から30のアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、フェニル基やナフチル基などの芳香族基であって、
これらはハロゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシ
ル基などの置換基を含んでいてもよい。)で表されるシ
ラノール、例えばトリメチルシラノールで処理すること
によって、アセチレン結合を含むシロキサン高分子を安
定に単離できることを見出した。反応液から有機層を抽
出し、一般式(4)で表されるシラノールを加えて、所
定の反応時間後、反応液を分離精製装置に送り、反応生
成物と原料、溶媒とを分離する。
【0071】水の量は、一般式(2) (式中、R1
2は水素原子または炭素数1から30のアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基
などの芳香族基、R3は炭素数1から30の二価の炭化
水素基であり、アルキレン基、アルケニレン基、アルキ
ニレン基、フェニレン基やナフチレン基などの二価の芳
香族基であって、これらはハロゲン原子、水酸基、アミ
ノ基、カルボキシル基などの置換基を含んでいてもよ
い。lは0または1である。)で表されるビス(クロ
ロ)シラン化合物1molに対して0.5〜7500m
ol、好ましくは1〜750mol、より好ましくは1
〜400molである。
【0072】本発明では無溶媒で反応させることもでき
るが、溶媒を用いることもできる。溶媒は、n−ペンタ
ン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンのよ
うな飽和炭化水素系溶媒や、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、メシチレンのような芳香族炭化水素系溶媒、TH
F、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロピラ
ン、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテルのよう
なエーテル系溶媒や、それらの混合溶媒が有効に用いら
れる。溶媒の量は原料の一般式(2) (式中、R1
2は水素原子または炭素数1から30のアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基
などの芳香族基、R3は炭素数1から30の二価の炭化
水素基であり、アルキレン基、アルケニレン基、アルキ
ニレン基、フェニレン基やナフチレン基などの二価の芳
香族基であって、これらはハロゲン原子、水酸基、アミ
ノ基、カルボキシル基などの置換基を含んでいてもよ
い。lは0または1である。)で表されるビス(クロ
ロ)シラン化合物1mmolに対して0.5〜100m
lが適切である。
【0073】加水分解の反応温度は0〜100℃が好ま
しい。より好ましくは0〜20℃である。加水分解の反
応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでも良いが、常圧
が好ましい。加水分解の反応時間は反応温度などにより
異なるが、1分〜10時間が適切である。
【0074】一般式(4) (式中、R6、R7、R8
水素原子または炭素数1から30のアルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基などの
芳香族基であって、これらはハロゲン原子、水酸基、ア
ミノ基、カルボキシル基などの置換基を含んでいてもよ
い。)で表されるシラノールの量はビス(クロロ)シラ
ン化合物1molに対して0.0001〜10molが
好ましい。より好ましくは0.001〜5molであ
る。
【0075】シラノールとの反応温度は0〜100℃が
好ましい。より好ましくは0〜80℃である。シラノー
ルとの反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでも良い
が、常圧が好ましい。シラノールとの反応時間は反応温
度などにより異なるが、1分〜50時間が適切である。
【0076】次に一般式(1) (式中、R1、R2、R
4、R5は水素原子または炭素数1から30のアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチ
ル基などの芳香族基、R3は炭素数1から30の二価の
炭化水素基であり、アルキレン基、アルケニレン基、ア
ルキニレン基、フェニレン基やナフチレン基などの二価
の芳香族基であって、これらはハロゲン原子、水酸基、
アミノ基、カルボキシル基などの置換基を含んでいても
よい。lは0または1、mは正の整数、nは0または正
の整数である。)においてnが1以上で表されるシロキ
サン高分子を製造する方法を説明する。容器内に一般式
(2) (式中、R1、R2は水素原子または炭素数1か
ら30のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フ
ェニル基やナフチル基などの芳香族基、R3は炭素数1
から30の二価の炭化水素基であり、アルキレン基、ア
ルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフチ
レン基などの二価の芳香族基であって、これらはハロゲ
ン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置換
基を含んでいてもよい。lは0または1である。)で表
されるビス(クロロ)シラン化合物、一般式(3)
(式中、R4、R5は水素原子または炭素数1から30の
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基
やナフチル基などの芳香族基であって、これらはハロゲ
ン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置換
基を含んでいてもよい。)で表されるジクロロシラン化
合物および必要に応じて溶媒を仕込む。これらの容器へ
の仕込みの順序は特に限定するものではない。容器内は
反応前に高純度窒素、高純度アルゴン等の不活性ガスで
置換することが好ましい。この溶液を反応容器内の水に
加え、反応容器を所定の反応温度に制御しつつ、攪拌し
ながら所定の時間反応させる。反応液から有機層を抽出
し、一般式(4) (式中、R6、R7、R8は水素原子
または炭素数1から30のアルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、フェニル基やナフチル基などの芳香族基
であって、これらはハロゲン原子、水酸基、アミノ基、
カルボキシル基などの置換基を含んでいてもよい。)で
表されるシラノールを加えて、所定の反応時間後、反応
液を分離精製装置に送り、反応生成物と原料、溶媒とを
分離する。
【0077】一般式(3) (式中、R4、R5は水素原
子または炭素数1から30のアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基などの芳香
族基であって、これらはハロゲン原子、水酸基、アミノ
基、カルボキシル基などの置換基を含んでいてもよ
い。)で表されるジクロロシラン化合物の量は特に制限
するものではないが、一般式(2) (式中、R1、R2
は水素原子または炭素数1から30のアルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基など
の芳香族基、R3は炭素数1から30の二価の炭化水素
基であり、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレ
ン基、フェニレン基やナフチレン基などの二価の芳香族
基であって、これらはハロゲン原子、水酸基、アミノ
基、カルボキシル基などの置換基を含んでいてもよい。
lは0または1である。)で表されるビス(クロロ)シ
ラン化合物1molに対して0.0001〜10000
mol、好ましくは0.001〜1000mol、さら
に好ましくは0.01〜100molである。
【0078】水の量は、一般式(2) (式中、R1
2は水素原子または炭素数1から30のアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基
などの芳香族基、R3は炭素数1から30の二価の炭化
水素基であり、アルキレン基、アルケニレン基、アルキ
ニレン基、フェニレン基やナフチレン基などの二価の芳
香族基であって、これらはハロゲン原子、水酸基、アミ
ノ基、カルボキシル基などの置換基を含んでいてもよ
い。lは0または1である。)で表されるビス(クロ
ロ)シラン化合物1molに対して0.5〜7500m
ol、好ましくは1〜750mol、より好ましくは1
〜400molである。
【0079】本発明では無溶媒で反応させることもでき
るが、溶媒を用いることもできる。溶媒は、n−ペンタ
ン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンのよ
うな飽和炭化水素系溶媒や、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、メシチレンのような芳香族炭化水素系溶媒、TH
F、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロピラ
ン、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテルのよう
なエーテル系溶媒や、それらの混合溶媒が有効に用いら
れる。溶媒の量は、原料の一般式(2) (式中、
1、R2は水素原子または炭素数1から30のアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチ
ル基などの芳香族基、R3は炭素数1から30の二価の
炭化水素基であり、アルキレン基、アルケニレン基、ア
ルキニレン基、フェニレン基やナフチレン基などの二価
の芳香族基であって、これらはハロゲン原子、水酸基、
アミノ基、カルボキシル基などの置換基を含んでいても
よい。lは0または1である。)で表されるビス(クロ
ロ)シラン化合物1mmolに対して0.5〜100m
lが適切である。
【0080】加水分解の反応温度は0〜100℃が好ま
しい。より好ましくは0〜20℃である。加水分解の反
応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでも良いが、常圧
が好ましい。加水分解の反応時間は反応温度などにより
異なるが、1分〜10時間が適切である。
【0081】一般式(4) (式中、R6、R7、R8
水素原子または炭素数1から30のアルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基などの
芳香族基であって、これらはハロゲン原子、水酸基、ア
ミノ基、カルボキシル基などの置換基を含んでいてもよ
い。)で表されるシラノールの量は、一般式(2)(式
中、R1、R2は水素原子または炭素数1から30のアル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナ
フチル基などの芳香族基、R3は炭素数1から30の二
価の炭化水素基であり、アルキレン基、アルケニレン
基、アルキニレン基、フェニレン基やナフチレン基など
の二価の芳香族基であって、これらはハロゲン原子、水
酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置換基を含んで
いてもよい。lは0または1である。)で表されるビス
(クロロ)シラン化合物1molに対して0.0001
〜10molが好ましい。より好ましくは0.001〜
5molである。
【0082】シラノールとの反応温度は0〜100℃が
好ましい。より好ましくは0〜80℃である。シラノー
ルとの反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでも良い
が、常圧が好ましい。シラノールとの反応時間は反応温
度などにより異なるが、1分〜50時間が適切である。
【0083】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 実施例1 一般式(1)においてlが1、nが0である場合のアセ
チレン結合を含むシロキサン高分子の製造方法:100
mlのガラス製容器の内部に磁気攪拌子を設置する。容
器内を高純度窒素ガスで置換した。続いて容器内に化学
式(11)で表されるビス(クロロ)シラン化合物を
6.35g(15.6mmol)および溶媒としてTH
F30mlを仕込んだ。別の反応容器内に水30ml
(1.66mol)を仕込み氷浴で5℃に冷却し、攪拌
しながら、THF溶液を15分かけて滴下した。滴下後
反応容器を氷浴から取り出し、室温に戻しながら30分
攪拌を続けた。有機層を水層と分離し、有機層に室温で
トリメチルシラノールを2.83g(31.4mmo
l)加え、15.5時間攪拌しながら反応を行った。反
応液を30mlの水で3回水洗し、無水硫酸ナトリウム
で一晩乾燥した。反応液を5mlまで濃縮し、攪拌しな
がらヘキサン200ml中に加えると橙色のポリマーが
析出してきた。60℃で15時間乾燥させて 1.82
gのポリマー粉末が得られた。収率は33%であった。
GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)によるポリスチ
レン換算の重量平均分子量は5800であった。
【0084】元素分析の測定値は、炭素74.10%(理論値
74.96%)、水素4.76%(理論値4.57%)であり、測定値
は、測定誤差の範囲で理論値とよく一致している。1 H-NMR(ppm, CDCl3) 0.22、5.23、7.27〜7.84。13 C-NMR(ppm, CDCl3) 1.6、91.3、107.6、122.7、128.0
〜135.5。29 Si-NMR(ppm, CDCl3) -45.2、13.8。 IR(cm-1) 3070(w)、2160(s)、1592(m)、1568(w)、1476
(m)、1428(m)、1406(w)、1264(s)、1176〜998(br, s)、
950(s)、820(s)、738(m)、698(m)、682(m)。 次にこのポリマーの熱物性をTGA−DTAにより測定
した。アルゴン雰囲気中では重量減少が殆ど認められず
1000℃での重量残が85%であった。この値は、ポ
リイミド(キャプトン)のアルゴン雰囲気中における1
000℃での重量残55%と比較すると大きく、本発明
におけるアセチレン結合を含むシロキサン高分子が耐熱
性に極めて優れていることを示している。
【0085】実施例2 化学式(11)で表されるビス(クロロ)シラン化合物
の代わりに、化学式(42)で表されるビス(クロロ)
シラン化合物3.23g(15.6mmol)を用い
て、実施例1と同様に反応を行った。0.95gの褐色
の液状ポリマーが得られた。収率は40%であった。G
PCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は460
0であった。
【0086】元素分析の測定値は、炭素47.78%(理論値
47.32%)、水素5.51%(理論値5.29%)であり、測定値
は、測定誤差の範囲で理論値とよく一致している。1 H-NMR(ppm, CDCl3) 0.36、5.02。13 C-NMR(ppm, CDCl3) -2.8、79.9、90.9。29 Si-NMR(ppm, CDCl3) -45.7、12.6。 IR(cm-1) 2968(w)、2172(s)、2076(s)、1259(m)、1150
〜1000(br, s)、870(s)、840(s)。 次にこのポリマーの熱物性をTGA−DTAにより測定
した。アルゴン雰囲気中では重量減少が殆ど認められず
1000℃での重量残が75%であった。この値は、ポ
リイミド(キャプトン)のアルゴン雰囲気中における1
000℃での重量残55%と比較すると大きく、本発明
におけるアセチレン結合を含むシロキサン高分子が耐熱
性に極めて優れていることを示している。
【0087】実施例3 一般式(1)においてlおよびnが0である場合のアセ
チレン結合を含むシロキサン高分子の製造方法:化学式
(11)で表されるビス(クロロ)シラン化合物の代わ
りに、化学式(44)で表されるビス(クロロ)シラン
化合物4.79g(15.6mmol)を用いて、実施
例1と同様に反応を行った。1.50gの無色の液状ポ
リマーが得られた。収率は38%であった。GPCによ
るポリスチレン換算の重量平均分子量は6300であっ
た。
【0088】元素分析の測定値は、炭素66.02%(理論値
66.62%)、水素4.96%(理論値4.79%)であり、測定値
は、測定誤差の範囲で理論値とよく一致している。1 H-NMR(ppm, CDCl3) 0.28、5.08、7.30〜7.86。13 C-NMR(ppm, CDCl3) 2.6、109.5、128.4、131.0、135.
0。29 Si-NMR(ppm, CDCl3) -45.9、13.0。 IR(cm-1) 2170(s)、2046(m)、1430(m)、1260(m)、1160
〜998(br, s)、790(s)、735(m)、694(m)。 次にこのポリマーの熱物性をTGA−DTAにより測定
した。アルゴン雰囲気中では重量減少が殆ど認められず
1000℃での重量残が81%であった。この値は、ポ
リイミド(キャプトン)のアルゴン雰囲気中における1
000℃での重量残55%と比較すると大きく、本発明
におけるアセチレン結合を含むシロキサン高分子が耐熱
性に極めて優れていることを示している。
【0089】実施例4 一般式(1)においてlが1、nがm以上であり、R4
とR5のどちらか一方が水素原子であるアセチレン結合
を含むシロキサン高分子の製造方法:50mlのガラス
製容器の内部に磁気攪拌子を設置する。容器内を高純度
窒素ガスで置換した。続いて容器内に化学式(11)で
表されるビス(クロロ)シラン化合物を1.0g(2.
5mmol)、フェニルジクロロシラン8.8g(50
mmol)および溶媒としてTHF30mlを仕込ん
だ。別の反応容器内に水30ml(1.66mol)を
仕込み氷浴で5℃に冷却し、攪拌しながら、THF溶液
を15分かけて滴下した。滴下後反応容器を氷浴から取
り出し、室温に戻しながら30分攪拌を続けた。有機層
を水層と分離し、有機層に室温でトリメチルシラノール
を 9.47g(105mmol)加え、15時間攪拌
しながら反応を行った。反応液を30mlの水で3回水
洗し、無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥した。反応液を1
0mlまで濃縮し、攪拌しながらヘキサン200ml中
に加えると橙色のポリマーが析出してきた。60℃で1
5時間乾燥させて0.74gのポリマー粉末が得られ
た。収率は12%であった。GPCによるポリスチレン
換算の重量平均分子量は4600であった。
【0090】1H-NMR(ppm, CDCl3) 0.20、5.18、7.31〜
7.98。13 C-NMR(ppm, CDCl3) 1.7、91.2、107.3、122.5、128.2
〜135.8。29 Si-NMR(ppm, CDCl3) -46.0、-36.0〜-34.7、-46.0。 IR(cm-1) 3070(w)、2160(s)、1592(w)、1566(w)、1476
(m)、1428(m)、1404(w)、1262(s)、1168〜1000(br,
s)、950(s)、820(s)、738(m)、688(m)、680(m)。 次にこのポリマーの熱物性をTGA−DTAにより測定
した。アルゴン雰囲気中では重量減少が殆ど認められず
1000℃での重量残が73%であった。この値は、ポ
リイミド(キャプトン)のアルゴン雰囲気中における1
000℃での重量残55%と比較すると大きく、本発明
におけるアセチレン結合を含むシロキサン高分子が耐熱
性に極めて優れていることを示している。
【0091】実施例5 一般式(1)においてlが1、nがm以上であり、R4
とR5の両方とも水素原子でないアセチレン結合を含む
シロキサン高分子の製造方法:フェニルジクロロシラン
の代わりにジフェニルジクロロシラン12.66g(5
0mmol)を用いて、実施例4と同様に反応を行っ
た。0.86gの橙色ポリマー粉末が得られた。収率は
8.6%であった。GPCによるポリスチレン換算の重
量平均分子量は5200であった。
【0092】1H-NMR(ppm, CDCl3) 0.22、5.20、7.33〜
8.00。13 C-NMR(ppm, CDCl3) 1.7、91.4、107.1、122.7、128.2
〜136.7。29 Si-NMR(ppm, CDCl3) -47.6〜-45.9、-45.1、13.8。 IR(cm-1) 3070(w)、2162(s)、1592(w)、1568(w)、1470
(m)、1426(m)、1404(w)、1262(s)、1170〜1000(br,
s)、946(s)、818(s)、738(m)、688(m)、680(m)。 次にこのポリマーの熱物性をTGA−DTAにより測定
した。アルゴン雰囲気中では重量減少が殆ど認められず
1000℃での重量残が69%であった。この値は、ポ
リイミド(キャプトン)のアルゴン雰囲気中における1
000℃での重量残55%と比較すると大きく、本発明
におけるアセチレン結合を含むシロキサン高分子が耐熱
性に極めて優れていることを示している。
【0093】
【発明の効果】新規なビス(クロロ)シラン化合物を用
いることにより、1段階の反応で、耐熱、耐燃焼性高分
子として有用な、アセチレン結合とSi−H結合を含む
直鎖状のシロキサン高分子をつくる経済的な製造方法が
確立された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 正義 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繰り返し単位中にアセチレン結合、Si
    −H結合およびシロキサン結合を有する一般式(1)
    (化1) 【化1】 (式中、R1、R2、R4、R5は水素原子または炭素数1
    から30のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
    フェニル基やナフチル基などの芳香族基、R3は炭素数
    1から30の二価の炭化水素基であり、アルキレン基、
    アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフ
    チレン基などの二価の芳香族基であって、これらはハロ
    ゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置
    換基を含んでいてもよい。lは0または1、mは正の整
    数、nは0または正の整数である。)で表されるシロキ
    サン高分子。
  2. 【請求項2】 一般式(2)(化2) 【化2】 (式中、R1、R2は水素原子または炭素数1から30の
    アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基
    やナフチル基などの芳香族基、R3は炭素数1から30
    の二価の炭化水素基であり、アルキレン基、アルケニレ
    ン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフチレン基な
    どの二価の芳香族基であって、これらはハロゲン原子、
    水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置換基を含ん
    でいてもよい。lは0または1である。)で表されるビ
    ス(クロロ)シラン化合物及び 一般式(3)(化3) 【化3】 (式中、R4、R5は水素原子または炭素数1から30の
    アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基
    やナフチル基などの芳香族基であって、これらはハロゲ
    ン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置換
    基を含んでいてもよい。)で表されるジクロロシラン化
    合物を加水分解させることを特徴とする請求項1記載の
    シロキサン高分子の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(2) (式中、R1、R2は水素
    原子または炭素数1から30のアルキル基、アルケニル
    基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基などの芳香
    族基、R3は炭素数1から30の二価の炭化水素基であ
    り、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、
    フェニレン基やナフチレン基などの二価の芳香族基であ
    って、これらはハロゲン原子、水酸基、アミノ基、カル
    ボキシル基などの置換基を含んでいてもよい。lは0ま
    たは1である。)で表されるビス(クロロ)シラン化合
    物を加水分解させることを特徴とする請求項1記載のシ
    ロキサン高分子の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(2) (式中、R1、R2は水素
    原子または炭素数1から30のアルキル基、アルケニル
    基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基などの芳香
    族基、R3は炭素数1から30の二価の炭化水素基であ
    り、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、
    フェニレン基やナフチレン基などの二価の芳香族基であ
    って、これらはハロゲン原子、水酸基、アミノ基、カル
    ボキシル基などの置換基を含んでいてもよい。lは0ま
    たは1である。)で表されるビス(クロロ)シラン化合
    物を単独で、または一般式(3) (式中、R4、R5
    水素原子または炭素数1から30のアルキル基、アルケ
    ニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基などの
    芳香族基であって、これらはハロゲン原子、水酸基、ア
    ミノ基、カルボキシル基などの置換基を含んでいてもよ
    い。)で表されるジクロロシラン化合物と共に加水分解
    し、次いで一般式(4)(化4) 【化4】 (式中、R6、R7、R8は水素原子または炭素数1から
    30のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェ
    ニル基やナフチル基などの芳香族基であって、これらは
    ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基など
    の置換基を含んでいてもよい。)で表されるシラノール
    で処理することを特徴とする請求項1記載のシロキサン
    高分子の製造方法。
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