JPH08339550A - 光ディスクドライブ装置用制御回路の調整方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 必要なジッタレベルを確保しながら安定した
トラッキング制御を行える光ディスクドライブ装置用制
御回路の調整方法を提供することを目的とする。 【構成】 ＣＤ再生時にフォーカスサーボ引き込み後、
トラッキングエラー信号のオフセット調整及びトラッキ
ングサーボ引き込みの前に、ＲＦ信号振幅が最大となる
ようにデフォーカス調整を行うことにより、ディスクの
ピット形状が非対称の場合や光ビームの照射角度がディ
スクに対して垂直でない場合でも、安定したトラッキン
グ制御を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、安定したトラッキング
を行えるようにした光ディスクドライブ装置用制御回路
の調整方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、光ディスクドライブ装置は、半導
体レーザ等の光源の出射光を、光プリズム等を介して対
物レンズによって光ディスク表面に絞り込み、トラック
上に信号の記録・再生を行う装置であり、音楽再生用の
みならず、情報記録・再生用としての利用も盛んとなっ
ている。

【０００３】ところで、光ディスクドライブ装置におい
てディスク上にピットとして記録されたデータを検出す
る光ピックアップは、反射光の検出方式によっていくつ
かの種類に分けられる。

【０００４】特にトラッキングエラー信号の検出に関し
ては、１本の光ビームを用いるプッシュプル方式（１ビ
ーム方式）と、３本の光ビームを用いる３ビーム方式の
２種類が良く知られている。

【０００５】以下に従来の光ディスクドライブ装置の光
ピックアップの制御方式について説明する。図３は、従
来の光ディスクドライブ装置用制御回路の調整方法を示
すフローチャートである。

【０００６】まず、光ディスク再生の指令が出される
と、制御回路は光ピックアップのレーザーダイオードを
発光させた後、フォーカスアクチュエータを駆動し対物
レンズを所定の移動範囲内で移動させる（ステップ
１）。この対物レンズの移動範囲は、この移動範囲内に
光ビームの合焦点に対応する対物レンズ位置が存在する
ように予め設定されている。

【０００７】これと並行して、制御回路は、フォーカス
引き込みを行う（ステップ２）。より具体的には、対物
レンズ移動中に検出されるフォーカスエラー信号をモニ
ターして、対物レンズが合焦点に対応する位置に到達し
たか否かを検出し、対物レンズが合焦点に対応する位置
に到達した場合には、フォーカスエラー信号を制御信号
として閉ループ制御モードに入る。

【０００８】次に、スピンドルモータを起動し、通常再
生時よりも線速度の調整許容範囲がやや広いラフＣＬＶ
モードとなったところで、サーボの基準電圧レベルにト
ラッキングエラー信号振幅のセンターが一致するように
オフセット調整を行う（ステップ３）。

【０００９】次に、トラッキング引き込みが行われる
（ステップ４）。トラッキング引き込みが行われたとこ
ろで、ジッタ最良点あるいは情報信号振幅を最大とする
デフォーカス調整を行う（ステップ５）。

【００１０】デフォーカス調整後、フォーカスサーボ及
びトラッキングサーボのゲインを最適値とするＡＧＣ
（オートゲインコントロール）が行われ（ステップ
６）、データの読み込みが行われる（ステップ７）。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光ディスクドライブ装置用制御回路の調整方法では、デ
ィスクのピット形状が非対称の場合や、光ビームの照射
角度がディスクに対して垂直でない場合には、デフォー
カス調整によりプッシュプル法ではトラッキングエラー
信号にオフセットが生じる。このオフセットにより、光
ビームのスポットはトラックの中心からずれてサーボさ
れるため、トラックはずれをおこしやすい、ジッタが劣
化する等の問題点があった。

【００１２】この時点で再度トラッキングエラー信号の
オフセットをキャンセルする様に調整を行うと、デフォ
ーカス位置がジッタ最良点からずれるため、調整が収束
しないという問題点があった。

【００１３】そこで本発明は、必要なジッタレベルを確
保しながら安定したトラッキング制御を行える光ディス
クドライブ装置用制御回路の調整方法を提供することを
目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明では、フォーカス
サーボ手段によってフォーカス引き込みを行った後で、
トラッキングサーボ手段によりトラッキング引き込みを
行う前に、情報信号振幅が最大となるようにデフォーカ
ス調整を行う。

【００１５】

【作用】上記構成によれば、トラッキングエラー信号に
生じるオフセットをキャンセルできるため、必要なジッ
タレベルを確保しながら、トラッキング制御を安定させ
ることができる。

【００１６】

【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら説明する。

【００１７】図１は、本発明の一実施例における光ディ
スクドライブ装置のブロック図である。図１において、
光ディスクドライブ装置１は、光ディスク２を回転させ
るスピンドルモータ３と、回転している光ディスク２の
記録情報を読み取り情報信号（ＲＦ信号）として出力す
るピックアップ４と、ＲＦ信号を増幅してＲＦ増幅信号
として出力するＲＦアンプ部５と、ＲＦ増幅信号を２値
信号に変換し、フレーム同期パターンを分離した後、Ｅ
ＦＭ復調し、誤り訂正等の信号処理を行って再生データ
として出力するデコーダ部６と、デコーダ部６により出
力された再生データについて外部のホストコンピュータ
等との間でインターフェイス動作を行うインターフェイ
ス部７と、ＲＦアンプ部５及びデコーダ部６の出力信号
に基づいてフォーカスサーボ、トラッキングサーボ、キ
ャリッジサーボ及びスピンドルサーボを行うサーボ部８
と、光ディスクドライブ装置１全体の制御を行うコント
ロール部９と、コントロール部９の制御下で各種データ
の入力、表示を行う表示操作部１０とを備えている。

【００１８】次に、光ディスクドライブ装置１における
再生時の動作について図２を参照して説明する。

【００１９】図２に、本発明の一実施例における光ディ
スクドライブ装置用制御回路の調整方法を示すフローチ
ャートである。

【００２０】まず、表示操作部１０を介して光ディスク
２の再生の指令が出されると、コントロール部９は、ピ
ックアップ４に設けられているレーザダイオードを発光
させた後に、図示しないフォーカスアクチュエータを駆
動し、対物レンズを光ディスク２の情報記録面に対し、
垂直方向に所定の距離範囲内で移動させる（ステップ
１）。ここで、フォーカスアクチュエータにより対物レ
ンズが移動する範囲内に光ビームの合焦点があるよう
に、予め調整が行われているものとする。

【００２１】これと並行してコントロール部９は、対物
レンズ移動中に検出されるフォーカスエラー信号をモニ
ターし、図示しないフォトディテクタの出力信号に基づ
いて合焦点に到達したことを検出すると、フォーカスエ
ラー信号を制御信号とする閉ループ制御モードに入る
（ステップ２）。

【００２２】次に、コントロール部９は、サーボ部８を
介してスピンドルモータ３を駆動し、ラフＣＬＶモード
とすべく動作を開始する。このラフＣＬＶモードとは、
通常再生時のように完全な線速度一定にするものではな
く、ある線速度範囲に光ディスク２の回転速度を引き込
むものである。

【００２３】上記ラフＣＬＶモードとなった時点で、ま
ず、デフォーカス調整を行う（ステップ３）。デフォー
カス調整はＲＦ信号振幅のピーク値が最大となるように
フォーカスエラー信号にオフセット電圧を加算するもの
とする。

【００２４】ＲＦ信号振幅のピーク値をモニタするかわ
りに、ＲＦ信号振幅を積分した平均値をモニタしても良
い。

【００２５】次に、トラッキングエラー信号のオフセッ
ト調整を行う（ステップ４）。そして、デフォーカス調
整及び、トラッキングエラー信号のオフセット調整が終
わった後、トラッキングサーボ引き込みを行う（ステッ
プ５）。

【００２６】コントロール部９は、トラッキングサーボ
引き込みが完了した時点で、フォーカスサーボ及びトラ
ッキングサーボのＡＧＣを行う（ステップ６）。

【００２７】これによりピックアップ４は、光ディスク
２の記録情報の読み取りを開始し、ＲＦ信号としてＲＦ
アンプ部５に出力し、ＲＦアンプ部５は入力されたＲＦ
信号を増幅してＲＦ増幅信号としてデコーダ部６に出力
する。

【００２８】この結果、デコーダ部６は、ＲＦ増幅信号
を２値信号に変換し、フレーム同期パターンを分離した
後、ＥＦＭ復調し、誤り訂正等の信号処理を行い、イン
ターフェイス部７を介して再生データとして外部のホス
トコンピュータ等に出力する（ステップ７）。

【００２９】以上のように本実施例によれば、トラッキ
ングエラー信号のオフセット調整及びトラッキングサー
ボ引き込みを行う前に、ＲＦ信号振幅を最大とするデフ
ォーカス調整を行うことにより、プッシュプル方式によ
りトラッキングエラー信号を生成する光ピックアップを
用いる光ディスクドライブ装置において、ディスクのピ
ット形状が非対称の場合や光ビームの照射角度がディス
クに対して垂直でない場合でも、トラッキングエラー信
号のオフセットを完全にキャンセルして調整できるた
め、安定したトラッキング制御を行うことができる。

【００３０】

【発明の効果】本発明は、トラッキングエラー信号のオ
フセット調整及びトラッキングサーボ引き込みを行う前
に、ＲＦ信号振幅を最大とするデフォーカス調整を行っ
ているので、プッシュプル方式によりトラッキングエラ
ー信号を生成する光ピックアップを用いる光ディスクド
ライブ装置において、ディスクのピット形状が非対称の
場合や光ビームの照射角度がディスクに対して垂直でな
い場合でも、安定したトラッキング制御を行うことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における光ディスクドライブ
装置のブロック図

【図２】本発明の一実施例における光ディスクドライブ
装置用制御回路の調整方法を示すフローチャート

【図３】従来の光ディスクドライブ装置用制御回路の調
整方法を示すフローチャート

【符号の説明】

１ 光ディスクドライブ装置 ２ 光ディスク ３ スピンドルモータ ４ ピックアップ ５ ＲＦアンプ部 ６ デコーダ部 ７ インターフェイス部 ８ サーボ部 ９ コントロール部 １０ 表示操作部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光ディスクドライブ装置において、フォー
   カスサーボ手段によりフォーカス引き込みを行った後で
   あって、トラッキングサーボ手段によりトラッキング引
   き込みを行う前に、フォーカスエラー信号に電気的なオ
   フセット電圧を加算することにより、情報信号振幅が最
   大となるようにデフォーカス調整を行うことを特徴とす
   る光ディスクドライブ装置用制御回路の調整方法。