JPH08334602A - 屈折率分布型光学樹脂材料 - Google Patents
屈折率分布型光学樹脂材料Info
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- JPH08334602A JPH08334602A JP7143711A JP14371195A JPH08334602A JP H08334602 A JPH08334602 A JP H08334602A JP 7143711 A JP7143711 A JP 7143711A JP 14371195 A JP14371195 A JP 14371195A JP H08334602 A JPH08334602 A JP H08334602A
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- fluoropolymer
- resin material
- refractive index
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- optical resin
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- Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 非結晶性の含フッ素重合体と、該重合体と
の比較において屈折率の差が0.001以上である少な
くとも1種類の物質とからなり、該少なくとも1種類の
物質が特定の方向に沿って濃度勾配を有して分布してい
る屈折率分布型光学樹脂材料であって、(a)1g中お
よび(b)1g中に含まれる径0.5μm以上の異物の
数が5000個以下で、かつ径2μm以上の数が500
個以下である屈折率分布型光学樹脂材料。 【効果】 耐熱性、耐湿性、耐薬品性、不燃性を有
し、紫外光から近赤外光までの光を極めて低損失に伝送
することができる。
の比較において屈折率の差が0.001以上である少な
くとも1種類の物質とからなり、該少なくとも1種類の
物質が特定の方向に沿って濃度勾配を有して分布してい
る屈折率分布型光学樹脂材料であって、(a)1g中お
よび(b)1g中に含まれる径0.5μm以上の異物の
数が5000個以下で、かつ径2μm以上の数が500
個以下である屈折率分布型光学樹脂材料。 【効果】 耐熱性、耐湿性、耐薬品性、不燃性を有
し、紫外光から近赤外光までの光を極めて低損失に伝送
することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来の光学樹脂では実
現が困難であった、高い透明性と耐熱性を合わせ持った
屈折率分布型光学樹脂材料(以下、光学樹脂材料と略す
ことがある)であって、異物の数を低減化した材料に関
するものである。
現が困難であった、高い透明性と耐熱性を合わせ持った
屈折率分布型光学樹脂材料(以下、光学樹脂材料と略す
ことがある)であって、異物の数を低減化した材料に関
するものである。
【0002】本発明の光学樹脂材料は、それ自身が光フ
ァイバー等の光伝送体であってもよく、また光ファイバ
ーのプリフォーム等の光伝送体の母材であってもよい。
ァイバー等の光伝送体であってもよく、また光ファイバ
ーのプリフォーム等の光伝送体の母材であってもよい。
【0003】本発明の光学樹脂材料である光伝送体は、
非結晶樹脂であり、かつ異物による光の散乱がなく、し
かも紫外光から近赤外光まで広範囲の波長帯で透明性が
非常に高いため、多種多様な波長の光システムに有効利
用が可能である。特に光通信分野において幹線石英ファ
イバーに利用されている波長である1300nm、15
50nmで低損失である光伝送体を与えるものである。
非結晶樹脂であり、かつ異物による光の散乱がなく、し
かも紫外光から近赤外光まで広範囲の波長帯で透明性が
非常に高いため、多種多様な波長の光システムに有効利
用が可能である。特に光通信分野において幹線石英ファ
イバーに利用されている波長である1300nm、15
50nmで低損失である光伝送体を与えるものである。
【0004】
【従来の技術】従来より知られている屈折率分布型プラ
スチック光伝送体用の樹脂としては、メチルメタクリレ
ート系樹脂を代表とした光学樹脂や、WO94/049
49に記載されたテトラフルオロエチレン樹脂やビニリ
デンフルオライド樹脂が提案されている。
スチック光伝送体用の樹脂としては、メチルメタクリレ
ート系樹脂を代表とした光学樹脂や、WO94/049
49に記載されたテトラフルオロエチレン樹脂やビニリ
デンフルオライド樹脂が提案されている。
【0005】段階屈折型プラスチック光ファイバーとし
てはコアをメチルメタクリレート樹脂、スチレン樹脂、
カーボネート樹脂、ノルボルネン樹脂等の光学樹脂を使
用し、クラッドを含フッ素ポリマーとする提案が多くな
されている。また特開平2ー244007号公報にはコ
アとクラッドに含フッ素樹脂を用いた提案もされてい
る。
てはコアをメチルメタクリレート樹脂、スチレン樹脂、
カーボネート樹脂、ノルボルネン樹脂等の光学樹脂を使
用し、クラッドを含フッ素ポリマーとする提案が多くな
されている。また特開平2ー244007号公報にはコ
アとクラッドに含フッ素樹脂を用いた提案もされてい
る。
【0006】また本発明者は、実質的にC−H結合を有
しない非結晶性の含フッ素重合体(a)と、含フッ素重
合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以
上である少なくとも1種類の物質(b)とからなり、含
フッ素重合体(a)中に物質(b)が特定の方向に沿っ
て濃度勾配を有して分布している屈折率分布型光学樹脂
材料を特願平6−78828号において提案している。
しない非結晶性の含フッ素重合体(a)と、含フッ素重
合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以
上である少なくとも1種類の物質(b)とからなり、含
フッ素重合体(a)中に物質(b)が特定の方向に沿っ
て濃度勾配を有して分布している屈折率分布型光学樹脂
材料を特願平6−78828号において提案している。
【0007】この光学樹脂材料は、メチルメタクリレー
ト樹脂、カーボネート樹脂、ノルボルネン樹脂等の光伝
送体では達し得なかった、自動車、オフィスオートメー
ション(OA)機器、家電機器用途等で要求される耐熱
性、耐湿性、耐薬品性、不燃性を有し、また紫外光(波
長200nmから400nm)と近赤外光(波長700
nmから2500nm)を利用可能とし、さらに広範囲
の伝送領域帯で低い光伝送損失をもつものである。
ト樹脂、カーボネート樹脂、ノルボルネン樹脂等の光伝
送体では達し得なかった、自動車、オフィスオートメー
ション(OA)機器、家電機器用途等で要求される耐熱
性、耐湿性、耐薬品性、不燃性を有し、また紫外光(波
長200nmから400nm)と近赤外光(波長700
nmから2500nm)を利用可能とし、さらに広範囲
の伝送領域帯で低い光伝送損失をもつものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者の提案する上
記光学樹脂材料に用いる含フッ素樹脂は、通常乳化重合
法により製造されるため、重合媒体として使用する大量
の水や乳化剤などに含まれる異物が含フッ素樹脂中に混
入する場合があり、光学樹脂材料の光伝送特性を低下さ
せる原因となる。
記光学樹脂材料に用いる含フッ素樹脂は、通常乳化重合
法により製造されるため、重合媒体として使用する大量
の水や乳化剤などに含まれる異物が含フッ素樹脂中に混
入する場合があり、光学樹脂材料の光伝送特性を低下さ
せる原因となる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
すべくなされたものであり、実質的にC−H結合を有し
ない非結晶性の含フッ素重合体(a)と、含フッ素重合
体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上
である少なくとも1種類の物質(b)とからなり、含フ
ッ素重合体(a)中に物質(b)が特定の方向に沿って
濃度勾配を有して分布している屈折率分布型光学樹脂材
料であって、含フッ素重合体(a)1g中および物質
(b)1g中に含まれる径0.5μm以上の異物の数が
5000個以下で、かつ径2μm以上の数が500個以
下であることを特徴とする屈折率分布型光学樹脂材料で
ある。
すべくなされたものであり、実質的にC−H結合を有し
ない非結晶性の含フッ素重合体(a)と、含フッ素重合
体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上
である少なくとも1種類の物質(b)とからなり、含フ
ッ素重合体(a)中に物質(b)が特定の方向に沿って
濃度勾配を有して分布している屈折率分布型光学樹脂材
料であって、含フッ素重合体(a)1g中および物質
(b)1g中に含まれる径0.5μm以上の異物の数が
5000個以下で、かつ径2μm以上の数が500個以
下であることを特徴とする屈折率分布型光学樹脂材料で
ある。
【0010】含フッ素重合体として、従来よりテトラフ
ルオロエチレン樹脂、パーフルオロ(エチレン−プロピ
レン)樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂、ビニリデン
フルオライド樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン
樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂等が広く知られ
ている。しかしながら、これらの含フッ素樹脂は結晶性
を有するため、光の散乱が起こり、透明性が良好でな
く、プラスチック光伝送体の材料としては好ましくな
い。
ルオロエチレン樹脂、パーフルオロ(エチレン−プロピ
レン)樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂、ビニリデン
フルオライド樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン
樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂等が広く知られ
ている。しかしながら、これらの含フッ素樹脂は結晶性
を有するため、光の散乱が起こり、透明性が良好でな
く、プラスチック光伝送体の材料としては好ましくな
い。
【0011】これに対して、非結晶性の含フッ素重合体
は、結晶による光の散乱がないため、透明性に優れる。
本発明における含フッ素重合体(a)としては、C−H
結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体であれば何ら
限定されないが、主鎖に環構造を有する含フッ素重合体
が好ましい。主鎖に環構造を有する含フッ素重合体とし
ては、含フッ素脂肪族環構造、含フッ素イミド環構造、
含フッ素トリアジン環構造または含フッ素芳香族環構造
を有する含フッ素重合体が好ましい。含フッ素脂肪族環
構造を有する含フッ素重合体では含フッ素脂肪族エーテ
ル環構造を有するものがさらに好ましい。
は、結晶による光の散乱がないため、透明性に優れる。
本発明における含フッ素重合体(a)としては、C−H
結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体であれば何ら
限定されないが、主鎖に環構造を有する含フッ素重合体
が好ましい。主鎖に環構造を有する含フッ素重合体とし
ては、含フッ素脂肪族環構造、含フッ素イミド環構造、
含フッ素トリアジン環構造または含フッ素芳香族環構造
を有する含フッ素重合体が好ましい。含フッ素脂肪族環
構造を有する含フッ素重合体では含フッ素脂肪族エーテ
ル環構造を有するものがさらに好ましい。
【0012】含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重
合体は、含フッ素イミド環構造、含フッ素トリアジン環
構造または含フッ素芳香族環構造を有する含フッ素重合
体に比べ、後述の熱延伸または溶融紡糸によるファイバ
ー化に際してもポリマー分子が配向しにくく、その結果
光の散乱を起こすこともないなどの理由から、より好ま
しい重合体である。
合体は、含フッ素イミド環構造、含フッ素トリアジン環
構造または含フッ素芳香族環構造を有する含フッ素重合
体に比べ、後述の熱延伸または溶融紡糸によるファイバ
ー化に際してもポリマー分子が配向しにくく、その結果
光の散乱を起こすこともないなどの理由から、より好ま
しい重合体である。
【0013】含フッ素重合体(a)の溶融状態における
粘度は、溶融温度200℃〜300℃において103〜
105ポイズが好ましい。溶融粘度が高過ぎると溶融紡
糸が困難なばかりでなく、屈折率分布の形成に必要な、
物質(b)の拡散が起こりにくくなり屈折率分布の形成
が困難になる。また、溶融粘度が低過ぎると実用上問題
が生じる。すなわち、電子機器や自動車等での光伝送体
として用いられる場合に高温にさらされ軟化し、光の伝
送性能が低下する。
粘度は、溶融温度200℃〜300℃において103〜
105ポイズが好ましい。溶融粘度が高過ぎると溶融紡
糸が困難なばかりでなく、屈折率分布の形成に必要な、
物質(b)の拡散が起こりにくくなり屈折率分布の形成
が困難になる。また、溶融粘度が低過ぎると実用上問題
が生じる。すなわち、電子機器や自動車等での光伝送体
として用いられる場合に高温にさらされ軟化し、光の伝
送性能が低下する。
【0014】含フッ素重合体(a)の数平均分子量は、
10,000〜5000,000が好ましく、より好ま
しくは50,000〜1000,000である。分子量
が小さ過ぎると耐熱性を阻害することがあり、大き過ぎ
ると屈折率分布を有する光伝送体の形成が困難になるた
め好ましくない。
10,000〜5000,000が好ましく、より好ま
しくは50,000〜1000,000である。分子量
が小さ過ぎると耐熱性を阻害することがあり、大き過ぎ
ると屈折率分布を有する光伝送体の形成が困難になるた
め好ましくない。
【0015】含フッ素脂肪族環構造を有する重合体とし
ては、含フッ素環構造を有するモノマーを重合して得ら
れるものや、少なくとも2つの重合性二重結合を有する
含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に含フッ
素脂肪族環構造を有する重合体が好適である。
ては、含フッ素環構造を有するモノマーを重合して得ら
れるものや、少なくとも2つの重合性二重結合を有する
含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に含フッ
素脂肪族環構造を有する重合体が好適である。
【0016】含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーを
重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する
重合体は、特公昭63−18964号公報等により知ら
れている。即ち、パーフルオロ(2,2−ジメチル−
1,3−ジオキソール)等の含フッ素脂肪族環構造を有
するモノマーを単独重合することにより、またこのモノ
マーをテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエ
チレン、パーフルオロ(メチルビニールエーテル)など
のラジカル重合性モノマーと共重合することにより主鎖
に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する
重合体は、特公昭63−18964号公報等により知ら
れている。即ち、パーフルオロ(2,2−ジメチル−
1,3−ジオキソール)等の含フッ素脂肪族環構造を有
するモノマーを単独重合することにより、またこのモノ
マーをテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエ
チレン、パーフルオロ(メチルビニールエーテル)など
のラジカル重合性モノマーと共重合することにより主鎖
に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
【0017】また、少なくとも2つの重合性二重結合を
有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特開昭63−
238111号公報や特開昭63−238115号公報
等により知られている。即ち、パーフルオロ(アリルビ
ニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテ
ル)等のモノマーを環化重合することにより、またはこ
のようなモノマーをテトラフルオロエチレン、クロロト
リフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニールエ
ーテル)などのラジカル重合性モノマーと共重合するこ
とにより主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が
得られる。
有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特開昭63−
238111号公報や特開昭63−238115号公報
等により知られている。即ち、パーフルオロ(アリルビ
ニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテ
ル)等のモノマーを環化重合することにより、またはこ
のようなモノマーをテトラフルオロエチレン、クロロト
リフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニールエ
ーテル)などのラジカル重合性モノマーと共重合するこ
とにより主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が
得られる。
【0018】また、パーフルオロ(2,2−ジメチル−
1,3−ジオキソール)等の含フッ素脂肪族環構造を有
するモノマーとパーフルオロ(アリルビニルエーテル)
やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)等の少なく
とも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーと
を共重合することによっても主鎖に含フッ素脂肪族環構
造を有する重合体が得られる。
1,3−ジオキソール)等の含フッ素脂肪族環構造を有
するモノマーとパーフルオロ(アリルビニルエーテル)
やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)等の少なく
とも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーと
を共重合することによっても主鎖に含フッ素脂肪族環構
造を有する重合体が得られる。
【0019】上記の含フッ素脂肪族環構造を有する重合
体としては、具体的には以下の(I)〜(IV)式から
選ばれる繰り返し単位を有するものが例示される。な
お、これらの含フッ素脂肪族環構造を有する重合体中の
フッ素原子は、屈折率を高めるために一部塩素原子で置
換されていてもよい。
体としては、具体的には以下の(I)〜(IV)式から
選ばれる繰り返し単位を有するものが例示される。な
お、これらの含フッ素脂肪族環構造を有する重合体中の
フッ素原子は、屈折率を高めるために一部塩素原子で置
換されていてもよい。
【0020】
【化1】
【0021】[上記(I)〜(IV)式において、lは
0〜5、mは0〜4、nは0〜1、l+m+nは1〜
6、o,p,qはそれぞれ0〜5、o+p+qは1〜
6、RはFまたはCF3、R1はFまたはCF3、R2はF
またはCF3、X1はFまたはCl、X2はFまたはCl
である。] 含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、主鎖に環構造
を有する重合体が好適であるが、環構造を有する重合単
位を20モル%以上、好ましくは40モル%以上含有す
るものが透明性、機械的特性等の面から好ましい。
0〜5、mは0〜4、nは0〜1、l+m+nは1〜
6、o,p,qはそれぞれ0〜5、o+p+qは1〜
6、RはFまたはCF3、R1はFまたはCF3、R2はF
またはCF3、X1はFまたはCl、X2はFまたはCl
である。] 含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、主鎖に環構造
を有する重合体が好適であるが、環構造を有する重合単
位を20モル%以上、好ましくは40モル%以上含有す
るものが透明性、機械的特性等の面から好ましい。
【0022】物質(b)は、含フッ素重合体(a)との
比較において屈折率の差が0.001以上である少なく
とも1種類の物質であり、含フッ素重合体(a)よりも
高屈折率であっても低屈折率であってもよい。光ファイ
バー等においては通常は含フッ素重合体(a)よりも高
屈折率の物質を用いる。
比較において屈折率の差が0.001以上である少なく
とも1種類の物質であり、含フッ素重合体(a)よりも
高屈折率であっても低屈折率であってもよい。光ファイ
バー等においては通常は含フッ素重合体(a)よりも高
屈折率の物質を用いる。
【0023】この物質(b)としては、ベンゼン環等の
芳香族環、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、エー
テル結合等の結合基を含む、低分子化合物、オリゴマ
ー、ポリマーが好ましい。又、物質(b)は、含フッ素
重合体(a)と同様な理由から実質的にC−H結合を有
しない物質であることが好ましい。含フッ素重合体
(a)との屈折率の差は0.005以上であることが好
ましい。
芳香族環、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、エー
テル結合等の結合基を含む、低分子化合物、オリゴマ
ー、ポリマーが好ましい。又、物質(b)は、含フッ素
重合体(a)と同様な理由から実質的にC−H結合を有
しない物質であることが好ましい。含フッ素重合体
(a)との屈折率の差は0.005以上であることが好
ましい。
【0024】オリゴマーやポリマーである物質(b)と
しては、前記したような含フッ素重合体(a)を形成す
るモノマーの重合体からなり、含フッ素重合体(a)と
の比較において屈折率の差が0.001以上であるオリ
ゴマーやポリマーであってもよい。モノマーとしては、
含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が
0.001以上である重合体を形成するものから選ばれ
る。たとえば、屈折率の異なる2種の含フッ素重合体
(a)を用い、一方の重合体(a)を物質(b)として
他の重合体(a)中に分布させることができる。
しては、前記したような含フッ素重合体(a)を形成す
るモノマーの重合体からなり、含フッ素重合体(a)と
の比較において屈折率の差が0.001以上であるオリ
ゴマーやポリマーであってもよい。モノマーとしては、
含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が
0.001以上である重合体を形成するものから選ばれ
る。たとえば、屈折率の異なる2種の含フッ素重合体
(a)を用い、一方の重合体(a)を物質(b)として
他の重合体(a)中に分布させることができる。
【0025】これらの物質(b)は、上記マトリックス
との比較において、溶解性パラメータの差が7(cal
/cm3)1/2以内であることが好ましい。ここで溶解性
パラメータとは物質間の混合性の尺度となる特性値であ
り、溶解性パラメータをδ、物質の分子凝集エネルギー
をE、分子容をVとして、式δ=(E/V)1/2で表さ
れる。
との比較において、溶解性パラメータの差が7(cal
/cm3)1/2以内であることが好ましい。ここで溶解性
パラメータとは物質間の混合性の尺度となる特性値であ
り、溶解性パラメータをδ、物質の分子凝集エネルギー
をE、分子容をVとして、式δ=(E/V)1/2で表さ
れる。
【0026】低分子化合物としては、例えば炭素原子に
結合した水素原子を含まないハロゲン化芳香族炭化水素
がある。特に、ハロゲン原子としてフッ素原子のみを含
むハロゲン化芳香族炭化水素やフッ素原子と他のハロゲ
ン原子を含むハロゲン化芳香族炭化水素が、含フッ素重
合体(a)との相溶性の面で好ましい。また、これらの
ハロゲン化芳香族炭化水素は、カルボニル基、シアノ基
などの官能基を有していないことがより好ましい。
結合した水素原子を含まないハロゲン化芳香族炭化水素
がある。特に、ハロゲン原子としてフッ素原子のみを含
むハロゲン化芳香族炭化水素やフッ素原子と他のハロゲ
ン原子を含むハロゲン化芳香族炭化水素が、含フッ素重
合体(a)との相溶性の面で好ましい。また、これらの
ハロゲン化芳香族炭化水素は、カルボニル基、シアノ基
などの官能基を有していないことがより好ましい。
【0027】このようなハロゲン化芳香族炭化水素とし
ては、例えば式Φr−Zb[Φrは水素原子のすべてが
フッ素原子に置換されたb価のフッ素化芳香環残基、Z
はフッ素以外のハロゲン原子、−Rf、−CO−Rf、
−O−Rf、あるいは−CN。ただし、Rfはパーフル
オロアルキル基、ポリフルオロパーハロアルキル基、ま
たは1価のΦr。bは0または1以上の整数。]で表さ
れる化合物がある。芳香環としてはベンゼン環やナフタ
レン環がある。Rfであるパーフルオロアルキル基やポ
リフルオロパーハロアルキル基の炭素数は5以下が好ま
しい。フッ素以外のハロゲン原子としては、塩素原子や
臭素原子が好ましい。
ては、例えば式Φr−Zb[Φrは水素原子のすべてが
フッ素原子に置換されたb価のフッ素化芳香環残基、Z
はフッ素以外のハロゲン原子、−Rf、−CO−Rf、
−O−Rf、あるいは−CN。ただし、Rfはパーフル
オロアルキル基、ポリフルオロパーハロアルキル基、ま
たは1価のΦr。bは0または1以上の整数。]で表さ
れる化合物がある。芳香環としてはベンゼン環やナフタ
レン環がある。Rfであるパーフルオロアルキル基やポ
リフルオロパーハロアルキル基の炭素数は5以下が好ま
しい。フッ素以外のハロゲン原子としては、塩素原子や
臭素原子が好ましい。
【0028】具体的な化合物としては例えば、1,3−
ジブロモテトラフルオロベンゼン、1,4−ジブロモテ
トラフルオロベンゼン、2−ブロモテトラフルオロベン
ゾトリフルオライド、クロロペンタフルオロベンゼン、
ブロモペンタフルオロベンゼン、ヨードペンタフルオロ
ベンゼン、デカフルオロベンゾフェノン、パーフルオロ
アセトフェノン、パーフルオロビフェニル、クロロヘプ
タフルオロナフタレン、ブロモヘプタフルオロナフタレ
ンなどがある。
ジブロモテトラフルオロベンゼン、1,4−ジブロモテ
トラフルオロベンゼン、2−ブロモテトラフルオロベン
ゾトリフルオライド、クロロペンタフルオロベンゼン、
ブロモペンタフルオロベンゼン、ヨードペンタフルオロ
ベンゼン、デカフルオロベンゾフェノン、パーフルオロ
アセトフェノン、パーフルオロビフェニル、クロロヘプ
タフルオロナフタレン、ブロモヘプタフルオロナフタレ
ンなどがある。
【0029】ポリマーやオリゴマーである物質(b)と
しては、前記(I)〜(IV)の繰り返し単位を有する
ものの内、組み合される含フッ素重合体(a)とは異な
る屈折率を有する含フッ素重合体(例えば、ハロゲン原
子としてフッ素原子のみを含む含フッ素重合体とフッ素
原子と塩素原子を含む含フッ素重合体との組み合せ、異
なる種類や異なる割合の2以上のモノマーを重合して得
られた2種の含フッ素重合体の組み合せなど)が好まし
い。
しては、前記(I)〜(IV)の繰り返し単位を有する
ものの内、組み合される含フッ素重合体(a)とは異な
る屈折率を有する含フッ素重合体(例えば、ハロゲン原
子としてフッ素原子のみを含む含フッ素重合体とフッ素
原子と塩素原子を含む含フッ素重合体との組み合せ、異
なる種類や異なる割合の2以上のモノマーを重合して得
られた2種の含フッ素重合体の組み合せなど)が好まし
い。
【0030】また、上記のごとき主鎖に環構造を有する
含フッ素重合体以外に、テトラフルオロエチレン、クロ
ロトリフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレ
ン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキル
ビニルエーテルなどの水素原子を含まないモノマーから
なるオリゴマー、それらモノマー2種以上の共重合オリ
ゴマーなども物質(b)として使用できる。また、−C
F2CF(CF3)O−や−(CF2)nO−(nは1〜3
の整数)の構造単位を有するパーフルオロポリエーテル
なども使用できる。これらオリゴマーの分子量は、非結
晶性となる分子量範囲から選ばれ、数平均分子量300
〜10,000が好ましい。拡散のしやすさを考慮する
と、数平均分子量300〜5000がさらに好ましい。
含フッ素重合体以外に、テトラフルオロエチレン、クロ
ロトリフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレ
ン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキル
ビニルエーテルなどの水素原子を含まないモノマーから
なるオリゴマー、それらモノマー2種以上の共重合オリ
ゴマーなども物質(b)として使用できる。また、−C
F2CF(CF3)O−や−(CF2)nO−(nは1〜3
の整数)の構造単位を有するパーフルオロポリエーテル
なども使用できる。これらオリゴマーの分子量は、非結
晶性となる分子量範囲から選ばれ、数平均分子量300
〜10,000が好ましい。拡散のしやすさを考慮する
と、数平均分子量300〜5000がさらに好ましい。
【0031】特に好ましい物質(b)は、含フッ素重合
体(a)特に主鎖に環構造を有する含フッ素重合体との
相溶性が良好であること等から、クロロトリフルオロエ
チレンオリゴマーである。相溶性が良好であることによ
り、含フッ素重合体(a)、特に主鎖に環構造を有する
含フッ素重合体、とクロロトリフルオロエチレンオリゴ
マーとを200〜300℃で加熱溶融により容易に混合
させることができる。又、含フッ素溶媒に溶解させて混
合した後、溶媒を除去することにより両者を均一に混合
させることができる。クロロトリフルオロエチレンオリ
ゴマーの好ましい分子量は、数平均分子量500〜15
00である。
体(a)特に主鎖に環構造を有する含フッ素重合体との
相溶性が良好であること等から、クロロトリフルオロエ
チレンオリゴマーである。相溶性が良好であることによ
り、含フッ素重合体(a)、特に主鎖に環構造を有する
含フッ素重合体、とクロロトリフルオロエチレンオリゴ
マーとを200〜300℃で加熱溶融により容易に混合
させることができる。又、含フッ素溶媒に溶解させて混
合した後、溶媒を除去することにより両者を均一に混合
させることができる。クロロトリフルオロエチレンオリ
ゴマーの好ましい分子量は、数平均分子量500〜15
00である。
【0032】本発明の光学樹脂材料は含フッ素重合体
(a)1g中および物質(b)1g中に含まれる径0.
5μm以上の大きさの異物の数が、5000個以下で、
かつ径2μm以上の大きさの異物の数が500個以下で
あることが必要である。この条件を満足する光学樹脂材
料を得るためには、含フッ素重合体(a)および物質
(b)より異物の除去が必要となる。
(a)1g中および物質(b)1g中に含まれる径0.
5μm以上の大きさの異物の数が、5000個以下で、
かつ径2μm以上の大きさの異物の数が500個以下で
あることが必要である。この条件を満足する光学樹脂材
料を得るためには、含フッ素重合体(a)および物質
(b)より異物の除去が必要となる。
【0033】好ましくは、含フッ素重合体(a)1g中
および物質(b)1g中に含まれる径0.5μm以上の
大きさの異物の数が、3000個以下で、かつ径2μm
以上の大きさの異物の数が300個以下である。異物の
大きさと数は、液体用光散乱式自動粒子計数器(JIS
B9925)を用いて測定した。
および物質(b)1g中に含まれる径0.5μm以上の
大きさの異物の数が、3000個以下で、かつ径2μm
以上の大きさの異物の数が300個以下である。異物の
大きさと数は、液体用光散乱式自動粒子計数器(JIS
B9925)を用いて測定した。
【0034】異物の除去方法としては、含フッ素重合体
(a)または重合体である物質(b)を溶融状態で濾過
する方法、またはパーフルオロの溶媒に含フッ素重合体
(a)または物質(b)を溶解した溶液を濾過後、脱溶
媒することによる方法などが挙げられる。これらの方法
はクリーンルーム内で行なうことが好ましい。
(a)または重合体である物質(b)を溶融状態で濾過
する方法、またはパーフルオロの溶媒に含フッ素重合体
(a)または物質(b)を溶解した溶液を濾過後、脱溶
媒することによる方法などが挙げられる。これらの方法
はクリーンルーム内で行なうことが好ましい。
【0035】パーフルオロの溶媒としては、パーフルオ
ロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、パーフルオロト
リブチルアミン、パーフルオロヘキサンなどが挙げられ
る。濾過時の粘度を考慮すると、パーフルオロヘキサン
などの低粘度溶媒が好ましい。
ロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、パーフルオロト
リブチルアミン、パーフルオロヘキサンなどが挙げられ
る。濾過時の粘度を考慮すると、パーフルオロヘキサン
などの低粘度溶媒が好ましい。
【0036】濾過に用いるフィルターの材質としては、
ポリテトラフルオロエチレン、ニトロセルロース、セル
ロースアセテート、ステンレスなどが挙げられる。含フ
ッ素重合体(a)または重合体である物質(b)を溶融
濾過する際には、耐熱性からステンレスが好ましい。パ
ーフルオロの溶媒に含フッ素重合体(a)または物質
(b)を溶解した溶液を濾過する際には、パーフルオロ
の溶媒に対する安定性からニトロセルロースが好まし
い。
ポリテトラフルオロエチレン、ニトロセルロース、セル
ロースアセテート、ステンレスなどが挙げられる。含フ
ッ素重合体(a)または重合体である物質(b)を溶融
濾過する際には、耐熱性からステンレスが好ましい。パ
ーフルオロの溶媒に含フッ素重合体(a)または物質
(b)を溶解した溶液を濾過する際には、パーフルオロ
の溶媒に対する安定性からニトロセルロースが好まし
い。
【0037】濾過は主フィルターのみを1回以上通過さ
せれば充分な効果が得られるが、多段濾過、または循環
濾過を行なうことが好ましい。フィルターの細孔径は1
μm以下であれば充分な効果が得られる。濾過速度と異
物除去率について高い効果が得られることから、0.2
μm程度の細孔径を有するフィルターを用いること好ま
しい。
せれば充分な効果が得られるが、多段濾過、または循環
濾過を行なうことが好ましい。フィルターの細孔径は1
μm以下であれば充分な効果が得られる。濾過速度と異
物除去率について高い効果が得られることから、0.2
μm程度の細孔径を有するフィルターを用いること好ま
しい。
【0038】本発明の光学樹脂材料は屈折率分布型光フ
ァイバーであることが最も好ましい。この光ファイバー
において、物質(b)は含フッ素重合体(a)中に中心
から周辺方向に沿って濃度勾配を有して分布している。
好ましくは、物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも
高屈折率の物質であり、この物質(b)が光ファイバー
の中心から周辺方向に沿って濃度が低下する濃度勾配を
有して分布している光ファイバーである。ある場合には
物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも低屈折率の物
質であり、この物質が光ファイバーの周辺から中心方向
に沿って濃度が低下する濃度勾配を有して分布している
光ファイバーも有用である。前者の光ファイバーなどの
光伝送体は通常物質(b)を中心に配置し周辺方向に向
かって拡散させることにより製造できる。後者の光ファ
イバーなどの光伝送体は物質(b)を周辺から中心方向
に拡散させることによって製造できる。
ァイバーであることが最も好ましい。この光ファイバー
において、物質(b)は含フッ素重合体(a)中に中心
から周辺方向に沿って濃度勾配を有して分布している。
好ましくは、物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも
高屈折率の物質であり、この物質(b)が光ファイバー
の中心から周辺方向に沿って濃度が低下する濃度勾配を
有して分布している光ファイバーである。ある場合には
物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも低屈折率の物
質であり、この物質が光ファイバーの周辺から中心方向
に沿って濃度が低下する濃度勾配を有して分布している
光ファイバーも有用である。前者の光ファイバーなどの
光伝送体は通常物質(b)を中心に配置し周辺方向に向
かって拡散させることにより製造できる。後者の光ファ
イバーなどの光伝送体は物質(b)を周辺から中心方向
に拡散させることによって製造できる。
【0039】本発明の光学樹脂材料である光伝送体は、
波長700〜1,600nmで、100mの伝送損失が
100dB以下とすることができる。特に主鎖に脂肪族
環構造を有する含フッ素重合体では同様な波長で、10
0mの伝送損失が50dB以下とすることができる。波
長700〜1,600nmという比較的長波長におい
て、このような低レベルの伝送損失であることは極めて
有利である。すなわち、石英光ファイバーと同じ波長を
使えることにより、石英光ファイバーとの接続が容易で
あり、また波長700〜1,600nmよりも短波長を
使わざるをえない従来のプラスチック光ファイバーに比
べ、安価な光源で済むという利点がある。本発明の光学
樹脂材料製造において、樹脂の成形と屈折率分布の形成
は同時であっても別々であってもよい。たとえば、紡糸
や押し出し成形等により屈折率分布を形成すると同時に
屈折率分布を形成して本発明光学樹脂材料を製造でき
る。また、紡糸や押し出し成形で樹脂の成形を行った
後、屈折率分布を形成することができる。さらに、屈折
率分布を有するプリフォーム(母材)を製造し、このプ
リフォームを成形(たとえば紡糸)して光ファイバー等
の光学樹脂材料を製造できる。なお、前記のように本発
明光学樹脂材料は、上記屈折率分布を有するプリフォー
ムをも意味する。
波長700〜1,600nmで、100mの伝送損失が
100dB以下とすることができる。特に主鎖に脂肪族
環構造を有する含フッ素重合体では同様な波長で、10
0mの伝送損失が50dB以下とすることができる。波
長700〜1,600nmという比較的長波長におい
て、このような低レベルの伝送損失であることは極めて
有利である。すなわち、石英光ファイバーと同じ波長を
使えることにより、石英光ファイバーとの接続が容易で
あり、また波長700〜1,600nmよりも短波長を
使わざるをえない従来のプラスチック光ファイバーに比
べ、安価な光源で済むという利点がある。本発明の光学
樹脂材料製造において、樹脂の成形と屈折率分布の形成
は同時であっても別々であってもよい。たとえば、紡糸
や押し出し成形等により屈折率分布を形成すると同時に
屈折率分布を形成して本発明光学樹脂材料を製造でき
る。また、紡糸や押し出し成形で樹脂の成形を行った
後、屈折率分布を形成することができる。さらに、屈折
率分布を有するプリフォーム(母材)を製造し、このプ
リフォームを成形(たとえば紡糸)して光ファイバー等
の光学樹脂材料を製造できる。なお、前記のように本発
明光学樹脂材料は、上記屈折率分布を有するプリフォー
ムをも意味する。
【0040】
「合成例」パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)の
35g、イオン交換水の150g、及び重合開始剤とし
て((CH3)2CHOCOO)2の90mgを、内容積
200mlの耐圧ガラス製オートクレーブに入れた。系
内を3回窒素で置換した後、40℃で22時間懸濁重合
を行った。その結果、数平均分子量約1.5×105の
重合体(以下、重合体Aという)を28g得た。
35g、イオン交換水の150g、及び重合開始剤とし
て((CH3)2CHOCOO)2の90mgを、内容積
200mlの耐圧ガラス製オートクレーブに入れた。系
内を3回窒素で置換した後、40℃で22時間懸濁重合
を行った。その結果、数平均分子量約1.5×105の
重合体(以下、重合体Aという)を28g得た。
【0041】重合体Aの固有粘度[η]は、PBTHF
中30℃で0.50であった。重合体Aのガラス転移点
は108℃であり、室温ではタフで透明なガラス状の重
合体であった。また10%熱分解温度は465℃であ
り、溶解性パラメーターは5.3(cal/cm3)1/2
であり、屈折率は1.34であった。
中30℃で0.50であった。重合体Aのガラス転移点
は108℃であり、室温ではタフで透明なガラス状の重
合体であった。また10%熱分解温度は465℃であ
り、溶解性パラメーターは5.3(cal/cm3)1/2
であり、屈折率は1.34であった。
【0042】「実施例」重合体AをPBTHFに溶解し
固形分濃度10重量%の溶液を調製した。該溶液を細孔
径0.2μmのニトロセルロース製フィルターを通過さ
せ濾液を得た。該濾液中の異物の数は樹脂1gあたり径
0.5μm以上のものが384個、径2μm以上のもの
が20個であった。この溶液を脱溶媒し樹脂の伝送損失
を測定したところ、1350nmにおける光伝送損失は
236dB/km、850nmにおける光伝送損失は5
7dB/km、770nmにおける光伝送損失180d
B/kmであった。
固形分濃度10重量%の溶液を調製した。該溶液を細孔
径0.2μmのニトロセルロース製フィルターを通過さ
せ濾液を得た。該濾液中の異物の数は樹脂1gあたり径
0.5μm以上のものが384個、径2μm以上のもの
が20個であった。この溶液を脱溶媒し樹脂の伝送損失
を測定したところ、1350nmにおける光伝送損失は
236dB/km、850nmにおける光伝送損失は5
7dB/km、770nmにおける光伝送損失180d
B/kmであった。
【0043】「比較例」重合体AをPBTHFに溶解し
固形分濃度10重量%の溶液を調製した。該溶液を濾過
せずに液中の異物を測定した結果、樹脂1gあたり径
0.5μm以上のものが74000個、径2μm以上の
ものが32000個であった。この溶液を脱溶媒し樹脂
の伝送損失を測定したところ、1350nmにおける光
伝送損失は2000dB/km、850nmにおける光
伝送損失は3500dB/km、770nmにおける光
伝送損失4200dB/kmであった。
固形分濃度10重量%の溶液を調製した。該溶液を濾過
せずに液中の異物を測定した結果、樹脂1gあたり径
0.5μm以上のものが74000個、径2μm以上の
ものが32000個であった。この溶液を脱溶媒し樹脂
の伝送損失を測定したところ、1350nmにおける光
伝送損失は2000dB/km、850nmにおける光
伝送損失は3500dB/km、770nmにおける光
伝送損失4200dB/kmであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 6/00 391 G02B 6/00 391 6/18 6/18
Claims (5)
- 【請求項1】 実質的にC−H結合を有しない非結晶性
の含フッ素重合体(a)と、含フッ素重合体(a)との
比較において屈折率の差が0.001以上である少なく
とも1種類の物質(b)とからなり、含フッ素重合体
(a)中に物質(b)が特定の方向に沿って濃度勾配を
有して分布している屈折率分布型光学樹脂材料であっ
て、含フッ素重合体(a)1g中および物質(b)1g
中に含まれる径0.5μm以上の異物の数が5000個
以下で、かつ径2μm以上の数が500個以下であるこ
とを特徴とする屈折率分布型光学樹脂材料。 - 【請求項2】 含フッ素重合体(a)が主鎖に環構造を
有する含フッ素重合体である請求項1の光学樹脂材料。 - 【請求項3】 主鎖に環構造を有する含フッ素重合体が
主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体で
ある請求項1または2の光学樹脂材料。 - 【請求項4】 物質(b)が実質的にC−H結合を有し
ない物質である請求項1の光学樹脂材料。 - 【請求項5】 光学樹脂材料が屈折率分布型光ファイバ
ーである請求項1〜4いずれか1項の光学樹脂材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7143711A JPH08334602A (ja) | 1995-06-09 | 1995-06-09 | 屈折率分布型光学樹脂材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7143711A JPH08334602A (ja) | 1995-06-09 | 1995-06-09 | 屈折率分布型光学樹脂材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08334602A true JPH08334602A (ja) | 1996-12-17 |
Family
ID=15345205
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7143711A Pending JPH08334602A (ja) | 1995-06-09 | 1995-06-09 | 屈折率分布型光学樹脂材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08334602A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007058047A (ja) * | 2005-08-26 | 2007-03-08 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | プラスチック光ファイバー用コア材及びプラスチック光ファイバー |
-
1995
- 1995-06-09 JP JP7143711A patent/JPH08334602A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007058047A (ja) * | 2005-08-26 | 2007-03-08 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | プラスチック光ファイバー用コア材及びプラスチック光ファイバー |
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