JPH08322462A - 植物のくん蒸方法およびくん蒸システム - Google Patents
植物のくん蒸方法およびくん蒸システムInfo
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- JPH08322462A JPH08322462A JP13037595A JP13037595A JPH08322462A JP H08322462 A JPH08322462 A JP H08322462A JP 13037595 A JP13037595 A JP 13037595A JP 13037595 A JP13037595 A JP 13037595A JP H08322462 A JPH08322462 A JP H08322462A
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- ventilation
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 予め植物防疫所の指定を受けたくん蒸倉庫に
おいて、コンテナ詰めのままでフィルム包装の植物(青
果物)のくん蒸を可能とする。 【構成】 コンテナ2内において、前記カートンボック
ス3をパレット6上に積み上げ、その際に、中央長手方
向に沿って通風路4と、両内壁側および最奥の内壁とカ
ートンボックス3との間に間隙5を形成するようにす
る。前記カートンボックス3の最上段の天井部を、ビニ
ール等のシート7によって蔽い、コンテナ2開口面にお
いて、ホーン状部材8を介して送風機9により通風路4
内空気を吸引して、通風路4内とカートンボックス3内
の開孔率2%のビニールフィルム内との間で差圧を起こ
し、くん蒸用薬剤を前記包装ビニールフィルム内に強制
的に浸透させる構成とする。 【効果】 商品の品質保持上、大いに有効であり、海上
コンテナ輸送に対応した、物流のスピード化、作業の簡
素化に寄与することができる。
おいて、コンテナ詰めのままでフィルム包装の植物(青
果物)のくん蒸を可能とする。 【構成】 コンテナ2内において、前記カートンボック
ス3をパレット6上に積み上げ、その際に、中央長手方
向に沿って通風路4と、両内壁側および最奥の内壁とカ
ートンボックス3との間に間隙5を形成するようにす
る。前記カートンボックス3の最上段の天井部を、ビニ
ール等のシート7によって蔽い、コンテナ2開口面にお
いて、ホーン状部材8を介して送風機9により通風路4
内空気を吸引して、通風路4内とカートンボックス3内
の開孔率2%のビニールフィルム内との間で差圧を起こ
し、くん蒸用薬剤を前記包装ビニールフィルム内に強制
的に浸透させる構成とする。 【効果】 商品の品質保持上、大いに有効であり、海上
コンテナ輸送に対応した、物流のスピード化、作業の簡
素化に寄与することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、予め植物防疫所の指定
を受けたくん蒸倉庫において、コンテナ詰めのままでフ
ィルム包装の植物(青果物)のくん蒸を行うようにし
た、植物のくん蒸方法およびくん蒸システムに関するも
のである。
を受けたくん蒸倉庫において、コンテナ詰めのままでフ
ィルム包装の植物(青果物)のくん蒸を行うようにし
た、植物のくん蒸方法およびくん蒸システムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】かつてわが国は、鎖国故に農産物は自給
自足であった。また、わが国の四方を囲んでいる海が、
農作物に被害を及ぼす病害虫の侵入を阻んできた。しか
し、開国によって海外との交易が開始し、海外からの農
産物の導入が増大するにつれ、様々な病害虫が侵入し
て、農作物に重大な被害を与えるようになってきた。こ
のため、植物検疫を開始し、現在では、1950年に制
定された「植物防疫法」に基づき、輸入検疫の他に、諸
外国の要求に応じた輸出検疫、国内の一部に発生してい
る病害虫の蔓延防止、海外からの新しい病害虫の緊急防
除、農林水産大臣が指定する種苗等の検疫を行っている
(海上コンテナ詰め農産物の植物検疫:社団法人 全国
植物検疫協会)。ところで、海外からの農産物は、海上
コンテナ輸送により導入されている現状から、植物検疫
もこれに対応して迅速、安全、的確に遂行することが求
められている。例えば、輸入されたコンテナ詰めの植物
は、所定の単位毎(例えばパッケージ毎等)に検査が行
われるが、その結果、病害虫が発見された場合、くん蒸
等の消毒、場合によっては廃棄処分がなされることにな
っている。前記くん蒸は、予め植物防疫所の指定を受け
た倉庫・サイロ等のくん蒸施設に不合格品を搬入し、く
ん蒸用薬剤(くん蒸用ガス)を投入して行うものであ
る。この場合、前記コンテナが、くん蒸装置を備えて植
物防疫所指定のものであれば、コンテナ詰めのままくん
蒸が可能であり、一部の植物に対しては認められている
ものの、ビニールフィルム(開孔率2%程度)等で包装
された植物(バナナ等)は対象外となっており、一般的
には、検査で不合格となった場合(病害虫が付着してい
た場合)、コンテナから前記ビニールフィルム包装の植
物を搬出し、前記植物防疫所の指定を受けた倉庫でのく
ん蒸を行っている。
自足であった。また、わが国の四方を囲んでいる海が、
農作物に被害を及ぼす病害虫の侵入を阻んできた。しか
し、開国によって海外との交易が開始し、海外からの農
産物の導入が増大するにつれ、様々な病害虫が侵入し
て、農作物に重大な被害を与えるようになってきた。こ
のため、植物検疫を開始し、現在では、1950年に制
定された「植物防疫法」に基づき、輸入検疫の他に、諸
外国の要求に応じた輸出検疫、国内の一部に発生してい
る病害虫の蔓延防止、海外からの新しい病害虫の緊急防
除、農林水産大臣が指定する種苗等の検疫を行っている
(海上コンテナ詰め農産物の植物検疫:社団法人 全国
植物検疫協会)。ところで、海外からの農産物は、海上
コンテナ輸送により導入されている現状から、植物検疫
もこれに対応して迅速、安全、的確に遂行することが求
められている。例えば、輸入されたコンテナ詰めの植物
は、所定の単位毎(例えばパッケージ毎等)に検査が行
われるが、その結果、病害虫が発見された場合、くん蒸
等の消毒、場合によっては廃棄処分がなされることにな
っている。前記くん蒸は、予め植物防疫所の指定を受け
た倉庫・サイロ等のくん蒸施設に不合格品を搬入し、く
ん蒸用薬剤(くん蒸用ガス)を投入して行うものであ
る。この場合、前記コンテナが、くん蒸装置を備えて植
物防疫所指定のものであれば、コンテナ詰めのままくん
蒸が可能であり、一部の植物に対しては認められている
ものの、ビニールフィルム(開孔率2%程度)等で包装
された植物(バナナ等)は対象外となっており、一般的
には、検査で不合格となった場合(病害虫が付着してい
た場合)、コンテナから前記ビニールフィルム包装の植
物を搬出し、前記植物防疫所の指定を受けた倉庫でのく
ん蒸を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、将来の
輸送形態、荷役のコスト削減、商品の品質保持効果等を
考慮すると、前記対象外のビニールフィルム包装の植物
についても、コンテナくん蒸が望ましい。それには、前
記ビニールフィルム内の空気を短時間内に置換する(く
ん蒸用のガスと)ことが必要であり、種々試行した結
果、コンテナ内を差圧式により、ガスを循環させること
が有効であるという結論に至った。本発明は、このよう
な背景を基になされたものであって、コンテナ詰めのま
までフィルム包装の植物(青果物)のくん蒸を行うよう
にした、植物のくん蒸方法およびくん蒸システムを提供
することを目的とする。
輸送形態、荷役のコスト削減、商品の品質保持効果等を
考慮すると、前記対象外のビニールフィルム包装の植物
についても、コンテナくん蒸が望ましい。それには、前
記ビニールフィルム内の空気を短時間内に置換する(く
ん蒸用のガスと)ことが必要であり、種々試行した結
果、コンテナ内を差圧式により、ガスを循環させること
が有効であるという結論に至った。本発明は、このよう
な背景を基になされたものであって、コンテナ詰めのま
までフィルム包装の植物(青果物)のくん蒸を行うよう
にした、植物のくん蒸方法およびくん蒸システムを提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ために、本発明は、通気穴を有し、所定の開孔率のフィ
ルムによって包装した植物を収容する箱を、通気穴を設
けた側面を少なくとも一外面に向けると共に、中間側に
前記一外面以外の外面に開放された通風路を形成するよ
うに多段に積載し、前記通気穴を向けた一外面と、通風
路に連通した外面以外の外面を気密遮蔽し、通風路に通
ずる開口端面から、通風路内空気を吸引して箱の包装フ
ィルム内との間で差圧を生じさせる一方、くん蒸用薬剤
を投薬することで、前記フィルム内に強制的にくん蒸用
薬剤を浸透させてくん蒸を行うことを特徴とする。ま
た、本発明は、コンテナ内に複数のパレットを載置し、
これらパレット上に、被くん蒸用植物を収容した箱を積
載し、前記パレットは、コンテナ内中央に長手方向に沿
って通風路を形成するように配置すると共に、コンテナ
内両側壁と積載した箱間に間隙を形成するようにし、前
記箱は複数の通気穴を有して、これら通気穴を有する箱
の側面をコンテナ内両側壁に対向するように配置し、前
記積載した箱の少なくとも複数の通気穴を形成した以外
の面同士をカバー手段により蔽うようにする一方、パレ
ット上の箱がなすコンテナ内中央の通風路開口端面を、
ホーン状部材により蔽うと共に、このホーン状部材を介
して前記通風路内空気を吸引するための送風機を設置
し、前記送風機による通風路内空気吸引によって通風路
内と箱内との間で差圧を生じさせて投薬すべきくん蒸用
薬剤を箱内に強制的に浸透させる構成としたことを特徴
とする。
ために、本発明は、通気穴を有し、所定の開孔率のフィ
ルムによって包装した植物を収容する箱を、通気穴を設
けた側面を少なくとも一外面に向けると共に、中間側に
前記一外面以外の外面に開放された通風路を形成するよ
うに多段に積載し、前記通気穴を向けた一外面と、通風
路に連通した外面以外の外面を気密遮蔽し、通風路に通
ずる開口端面から、通風路内空気を吸引して箱の包装フ
ィルム内との間で差圧を生じさせる一方、くん蒸用薬剤
を投薬することで、前記フィルム内に強制的にくん蒸用
薬剤を浸透させてくん蒸を行うことを特徴とする。ま
た、本発明は、コンテナ内に複数のパレットを載置し、
これらパレット上に、被くん蒸用植物を収容した箱を積
載し、前記パレットは、コンテナ内中央に長手方向に沿
って通風路を形成するように配置すると共に、コンテナ
内両側壁と積載した箱間に間隙を形成するようにし、前
記箱は複数の通気穴を有して、これら通気穴を有する箱
の側面をコンテナ内両側壁に対向するように配置し、前
記積載した箱の少なくとも複数の通気穴を形成した以外
の面同士をカバー手段により蔽うようにする一方、パレ
ット上の箱がなすコンテナ内中央の通風路開口端面を、
ホーン状部材により蔽うと共に、このホーン状部材を介
して前記通風路内空気を吸引するための送風機を設置
し、前記送風機による通風路内空気吸引によって通風路
内と箱内との間で差圧を生じさせて投薬すべきくん蒸用
薬剤を箱内に強制的に浸透させる構成としたことを特徴
とする。
【0005】
【作用】本発明によれば、送風機による通風路内空気吸
引によって通風路内と植物を包装するフィルム内との間
に差圧が生じるので、フィルム内にくん蒸用薬剤を速や
かに略均一に浸透させてくん蒸が達成され、コンテナ輸
送に対応した、物流のスピード化、作業の簡素化に寄与
することができる。
引によって通風路内と植物を包装するフィルム内との間
に差圧が生じるので、フィルム内にくん蒸用薬剤を速や
かに略均一に浸透させてくん蒸が達成され、コンテナ輸
送に対応した、物流のスピード化、作業の簡素化に寄与
することができる。
【0006】
【実施例】次に、本発明にかかる植物のくん蒸方法およ
びくん蒸システムについて、一実施例を挙げ、以下詳細
に説明する。図1に示すくん蒸システム1は、コンテナ
2内に被くん蒸用植物(ここではバナナ)を収容したカ
ートンボックス3を積載した状態で、バナナのくん蒸を
行うものである。すなわち、このくん蒸システム1で
は、コンテナ2内に前記カートンボックス3をパレット
(後述)上に積み上げ、コンテナ2内において、中央長
手方向に沿って通風路4と、両内壁側と積み上げたカー
トンボックス3と、そして、最奥の内壁とカートンボッ
クス3との間に間隙5を形成するようにしている。 ま
た、図2に示すように、パレット6は、木枠等によって
構成し、フォークリフト(図示省略)等の操作腕を着脱
可能に構成している。前記積載したカートンボックス3
の最上段の天井部は、ビニール等のシート7によって蔽
われ前記通風路4をコンテナ2の上部空間と遮断してい
る。そして、コンテナ2開口面において、パレット6上
のカートンボックス3によって形成された通風路4を塞
ぐようにホーン状部材8を装着してこのホーン状部材8
を介して前記通風路4内空気を吸引するための送風機9
を設置している(図3参照)。また、前記カートンボッ
クス3両側とコンテナ2内両側壁との間隙5には可撓性
管(図示せず)を介してくん蒸用薬剤(青酸ガス等)を
送り込む送出手段(図示省略)を接続している。
びくん蒸システムについて、一実施例を挙げ、以下詳細
に説明する。図1に示すくん蒸システム1は、コンテナ
2内に被くん蒸用植物(ここではバナナ)を収容したカ
ートンボックス3を積載した状態で、バナナのくん蒸を
行うものである。すなわち、このくん蒸システム1で
は、コンテナ2内に前記カートンボックス3をパレット
(後述)上に積み上げ、コンテナ2内において、中央長
手方向に沿って通風路4と、両内壁側と積み上げたカー
トンボックス3と、そして、最奥の内壁とカートンボッ
クス3との間に間隙5を形成するようにしている。 ま
た、図2に示すように、パレット6は、木枠等によって
構成し、フォークリフト(図示省略)等の操作腕を着脱
可能に構成している。前記積載したカートンボックス3
の最上段の天井部は、ビニール等のシート7によって蔽
われ前記通風路4をコンテナ2の上部空間と遮断してい
る。そして、コンテナ2開口面において、パレット6上
のカートンボックス3によって形成された通風路4を塞
ぐようにホーン状部材8を装着してこのホーン状部材8
を介して前記通風路4内空気を吸引するための送風機9
を設置している(図3参照)。また、前記カートンボッ
クス3両側とコンテナ2内両側壁との間隙5には可撓性
管(図示せず)を介してくん蒸用薬剤(青酸ガス等)を
送り込む送出手段(図示省略)を接続している。
【0007】前記カートンボックス3には、くん蒸すべ
きバナナ(図示せず)がビニール等のフィルムで包装さ
れた状態で箱詰めされている。この場合、包装用のビニ
ールフィルムには、開孔率2%程度のものが使用されて
いる。また、カートンボックス3には、互いに対向する
面に、大小の通気穴10s、10bが形成されている
(図5参照)。かかる通気穴10s、10bを有する面
を前記コンテナ2内両側壁に相対するように、カートン
ボックス3を積み上げるようにしている。また、カート
ンボックス3を積み上げたパレット6同士は、所定の間
隔をあけて載置しているが、これらパレット6上のカー
トンボックス3間には、隙間があかないようにスポンジ
等の遮蔽部材11を介在させている(図4参照)。
きバナナ(図示せず)がビニール等のフィルムで包装さ
れた状態で箱詰めされている。この場合、包装用のビニ
ールフィルムには、開孔率2%程度のものが使用されて
いる。また、カートンボックス3には、互いに対向する
面に、大小の通気穴10s、10bが形成されている
(図5参照)。かかる通気穴10s、10bを有する面
を前記コンテナ2内両側壁に相対するように、カートン
ボックス3を積み上げるようにしている。また、カート
ンボックス3を積み上げたパレット6同士は、所定の間
隔をあけて載置しているが、これらパレット6上のカー
トンボックス3間には、隙間があかないようにスポンジ
等の遮蔽部材11を介在させている(図4参照)。
【0008】そして、前記送風機9によって、通風路4
内空気を吸引することにより、通風路4内と通風路4以
外のコンテナ2内空間、特にカートンボックス3内のバ
ナナを包装するビニールフィルム内との間で差圧を起こ
して送出手段からのくん蒸用薬剤を前記バナナ包装ビニ
ールフィルム内に強制的に浸透させる構成としている。
内空気を吸引することにより、通風路4内と通風路4以
外のコンテナ2内空間、特にカートンボックス3内のバ
ナナを包装するビニールフィルム内との間で差圧を起こ
して送出手段からのくん蒸用薬剤を前記バナナ包装ビニ
ールフィルム内に強制的に浸透させる構成としている。
【0009】次に、以上のように構成される植物のくん
蒸システム1を基に、実際にくん蒸用薬剤(青酸ガス
等)を使用してくん蒸試験を行った。試験内容は以下の
通りである。 1.使用倉庫および使用コンテナ ・倉庫………………1−A庫(4,061m3) ・コンテナ…………40フィート、リーファコンテナ
(青果物くん蒸用コンテナ)、内容積58.7m3 2.被くん蒸物、荷姿、積載形態および数量 ・被くん蒸物………バナナ ・荷姿………………カートンボックス(フィルム包装バ
ナナ13kg詰め) ・積載形態…………一列10パレットを2列(1パレッ
トあたり6箱8段48箱) ・数量………………960箱 3.くん蒸用薬剤 ・液体青酸投薬量…7.5kg(1.8g/m 3 ) 4.送風機 ・2段軸流送風機…3相、200V、2KW ・能力………………静圧30mmAq、風量150m3
/min ※ 防爆型が望ましい 5.ガス濃度測定 ・測定装置…………青酸ガス自動測定装置(UR−65
1S) 測定パイプ→テフロン管 戻し循環方式 ・測定部位…………コンテナ中央部中央カートンボッ
クスフィルム内→右側17列目下から5段目、 コンテナ中央部中央カートンボックス外側→1上付近 コンテナ入口部下部カートンボックスフィルム内→左
側2列目下から2段目 コンテナ入口部下部カートンボックス外側→3上付近 倉庫内 中央空間
蒸システム1を基に、実際にくん蒸用薬剤(青酸ガス
等)を使用してくん蒸試験を行った。試験内容は以下の
通りである。 1.使用倉庫および使用コンテナ ・倉庫………………1−A庫(4,061m3) ・コンテナ…………40フィート、リーファコンテナ
(青果物くん蒸用コンテナ)、内容積58.7m3 2.被くん蒸物、荷姿、積載形態および数量 ・被くん蒸物………バナナ ・荷姿………………カートンボックス(フィルム包装バ
ナナ13kg詰め) ・積載形態…………一列10パレットを2列(1パレッ
トあたり6箱8段48箱) ・数量………………960箱 3.くん蒸用薬剤 ・液体青酸投薬量…7.5kg(1.8g/m 3 ) 4.送風機 ・2段軸流送風機…3相、200V、2KW ・能力………………静圧30mmAq、風量150m3
/min ※ 防爆型が望ましい 5.ガス濃度測定 ・測定装置…………青酸ガス自動測定装置(UR−65
1S) 測定パイプ→テフロン管 戻し循環方式 ・測定部位…………コンテナ中央部中央カートンボッ
クスフィルム内→右側17列目下から5段目、 コンテナ中央部中央カートンボックス外側→1上付近 コンテナ入口部下部カートンボックスフィルム内→左
側2列目下から2段目 コンテナ入口部下部カートンボックス外側→3上付近 倉庫内 中央空間
【0010】6.試験手順 1)1−A庫(4,061m3)にカートンボックス3
(960個)を収容したコンテナ7を搬入し、通常の倉
庫くん蒸の方法で投薬、くん蒸を行う。くん蒸時におけ
る倉庫内温度は、14℃である。 2)送風機9を起動して通風路4内の空気の吸引を行
い、通風路4内とカートンボックス3における包装ビニ
ールフィルム内との間に差圧を発生させる。なお、送風
機9は防爆型でないので、安全を期すため、送風機9の
起動は、投薬5分後に行う。くん蒸は、送風機9の起動
後30分間とする。前記送風機9が防爆型であれば、投
薬と同時に起動するようにする。 3)くん蒸時、前記測定部位(〜)において、青酸
ガス自動測定装置によりガス濃度の測定を行う。測定間
隔は、投薬してから、5分後、10分後、15分後、2
0分後、25分後、30分後である。 4)送風機9により排気を行う。排気中においても、ガ
ス濃度の測定を行う。測定間隔は、排気開始後、10
分、20分、30分、40分、60分、90分である。
なお、排気開始してから、90分経過後は、必要に応じ
て測定を延長する。 5)以上のような試験を2回反復する。 6)供試品の残留分析を行う。これは、1試験につき、
3点程度行う。
(960個)を収容したコンテナ7を搬入し、通常の倉
庫くん蒸の方法で投薬、くん蒸を行う。くん蒸時におけ
る倉庫内温度は、14℃である。 2)送風機9を起動して通風路4内の空気の吸引を行
い、通風路4内とカートンボックス3における包装ビニ
ールフィルム内との間に差圧を発生させる。なお、送風
機9は防爆型でないので、安全を期すため、送風機9の
起動は、投薬5分後に行う。くん蒸は、送風機9の起動
後30分間とする。前記送風機9が防爆型であれば、投
薬と同時に起動するようにする。 3)くん蒸時、前記測定部位(〜)において、青酸
ガス自動測定装置によりガス濃度の測定を行う。測定間
隔は、投薬してから、5分後、10分後、15分後、2
0分後、25分後、30分後である。 4)送風機9により排気を行う。排気中においても、ガ
ス濃度の測定を行う。測定間隔は、排気開始後、10
分、20分、30分、40分、60分、90分である。
なお、排気開始してから、90分経過後は、必要に応じ
て測定を延長する。 5)以上のような試験を2回反復する。 6)供試品の残留分析を行う。これは、1試験につき、
3点程度行う。
【0011】次に、前記手順で試験を行った結果を以下
に示す。数値は各測定部位での青酸ガスの濃度(pp
m)を示している。また、測定部位は、 →コンテナ中央部中央カートンボックスフィルム内、 →コンテナ中央部中央カートンボックス外側、 →コンテナ入口部下部カートンボックスフィルム内、 →コンテナ入口部下部カートンボックス外側、 →倉庫内中央空間 となっている。さらに、経過時間は、くん蒸用薬剤の投
薬から経過した時間を示している。 1.1回目 手 順 経過時間 測定部位 投薬 ppm ppm ppm ppm ppm 0分 1 890 2 1,910 1,780 ファン 5分 152 1,430 1,730 1,680 1,530 運転開始 10分 1,190 1,420 1,700 1,570 1,460 15分 1,330 1,480 1,690 1,560 1,440 20分 1,400 1,490 1,650 1,520 1,410 25分 1,480 1,490 1,620 1,450 1,410 くん蒸終了 30分 1,490 - 1,630 - - 排気開始 10分 1,460 330 260 39 26 20分 230 33 21 15 12 30分 40 22 10 13 9 40分 22 17 8 9 7 50分 18 15 6 7 5 ファン 60分 14 12 5 6 4 運転停止 70分 17 9 13 5 4 80分 13 9 8 5 4 90分 12 9 7 4 4 2.2回目 手 順 経過時間 測定部位 投薬 ppm ppm ppm ppm ppm 0分 31 61 140 1,800 1,790 ファン 5分 780 990 1,760 1,630 1,630 運転開始 10分 1,170 1,310 1,760 1,550 1,450 15分 1,320 1,410 1,570 1,520 1,410 20分 1,340 1,410 1,670 1,500 1,410 25分 1,410 1,430 1,590 1,470 1,410 くん蒸終了 30分 1,430 - 1,630 - - 排気開始 10分 670 330 200 21 15 20分 370 19 8 10 8 30分 130 13 5 8 6 40分 130 10 4 6 4 50分 22 4 3 4 3 ファン 60分 13 7 - 4 3 運転停止 70分 7 - - - -結果 以上、試験データから、1回目、2回目の試験とも、投
薬を開始して10分〜15分経過時に、カートンボック
ス3の包装フィルム内へ青酸ガスが浸透し、ガス置換が
確実に達成されたことがわかる。このことは、青酸ガス
くん蒸の庫内濃度の均一必要時間が15分という条件を
満たすものであり、試験におけるような、フィルム包装
の植物(青果物)についても、コンテナ詰めのままでく
ん蒸が可能であることがわかった。
に示す。数値は各測定部位での青酸ガスの濃度(pp
m)を示している。また、測定部位は、 →コンテナ中央部中央カートンボックスフィルム内、 →コンテナ中央部中央カートンボックス外側、 →コンテナ入口部下部カートンボックスフィルム内、 →コンテナ入口部下部カートンボックス外側、 →倉庫内中央空間 となっている。さらに、経過時間は、くん蒸用薬剤の投
薬から経過した時間を示している。 1.1回目 手 順 経過時間 測定部位 投薬 ppm ppm ppm ppm ppm 0分 1 890 2 1,910 1,780 ファン 5分 152 1,430 1,730 1,680 1,530 運転開始 10分 1,190 1,420 1,700 1,570 1,460 15分 1,330 1,480 1,690 1,560 1,440 20分 1,400 1,490 1,650 1,520 1,410 25分 1,480 1,490 1,620 1,450 1,410 くん蒸終了 30分 1,490 - 1,630 - - 排気開始 10分 1,460 330 260 39 26 20分 230 33 21 15 12 30分 40 22 10 13 9 40分 22 17 8 9 7 50分 18 15 6 7 5 ファン 60分 14 12 5 6 4 運転停止 70分 17 9 13 5 4 80分 13 9 8 5 4 90分 12 9 7 4 4 2.2回目 手 順 経過時間 測定部位 投薬 ppm ppm ppm ppm ppm 0分 31 61 140 1,800 1,790 ファン 5分 780 990 1,760 1,630 1,630 運転開始 10分 1,170 1,310 1,760 1,550 1,450 15分 1,320 1,410 1,570 1,520 1,410 20分 1,340 1,410 1,670 1,500 1,410 25分 1,410 1,430 1,590 1,470 1,410 くん蒸終了 30分 1,430 - 1,630 - - 排気開始 10分 670 330 200 21 15 20分 370 19 8 10 8 30分 130 13 5 8 6 40分 130 10 4 6 4 50分 22 4 3 4 3 ファン 60分 13 7 - 4 3 運転停止 70分 7 - - - -結果 以上、試験データから、1回目、2回目の試験とも、投
薬を開始して10分〜15分経過時に、カートンボック
ス3の包装フィルム内へ青酸ガスが浸透し、ガス置換が
確実に達成されたことがわかる。このことは、青酸ガス
くん蒸の庫内濃度の均一必要時間が15分という条件を
満たすものであり、試験におけるような、フィルム包装
の植物(青果物)についても、コンテナ詰めのままでく
ん蒸が可能であることがわかった。
【0012】
【発明の効果】以上、本発明によれば、植物を包装する
フィルム内との間に差圧が生じるので、フィルム内にく
ん蒸用ガスを速やかに浸透させることができ、フィルム
包装の植物(青果物)についても、コンテナに収容した
状態でもくん蒸が可能であることがわかる。従って、く
ん蒸の際にいちいち植物の搬出、搬入をする手間を省く
ことができると共に、商品の品質保持上、大いに有効で
あり、海上コンテナ輸送に対応した、物流のスピード
化、作業の簡素化に寄与することができる。
フィルム内との間に差圧が生じるので、フィルム内にく
ん蒸用ガスを速やかに浸透させることができ、フィルム
包装の植物(青果物)についても、コンテナに収容した
状態でもくん蒸が可能であることがわかる。従って、く
ん蒸の際にいちいち植物の搬出、搬入をする手間を省く
ことができると共に、商品の品質保持上、大いに有効で
あり、海上コンテナ輸送に対応した、物流のスピード
化、作業の簡素化に寄与することができる。
【0013】
【図1】本発明にかかる植物のくん蒸方法を実施するた
めのコンテナにおいて、箱詰め植物を積載したパレット
の配置状態の一例を示す模式的な平面説明図である。
めのコンテナにおいて、箱詰め植物を積載したパレット
の配置状態の一例を示す模式的な平面説明図である。
【図2】図1に示す箱詰め植物の積載状態を示す、横断
面説明図である。
面説明図である。
【図3】図1に示すコンテナにおいて、送風機を装着し
た状態を示すコンテナ開口面の正面説明図である。
た状態を示すコンテナ開口面の正面説明図である。
【図4】図1に示すコンテナにおいて、パレット上の箱
詰め植物の積載状態を示す、模式的な側面説明図であ
る。
詰め植物の積載状態を示す、模式的な側面説明図であ
る。
【図5】被くん蒸植物を収容する箱の外観を示す、斜視
説明図である。
説明図である。
1 くん蒸システム 2 コンテナ 3 カートンボックス 4 通風路 5 間隙 6 パレット 7 シート 8 ホーン状部材 9 送風機 10s、10b 通気穴 11 遮蔽部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 安生 千葉県佐倉市王子台4−27−2 (72)発明者 木下 成一 神奈川県横浜市港南区港南台 4−5−15 −503 (72)発明者 中村 昌夫 神奈川県横須賀市大矢部 4−29−3 (72)発明者 佐宗 悦夫 埼玉県浦和市大字塚本7−4 (72)発明者 小林 直行 神奈川県川崎市幸区東古市場101−401
Claims (2)
- 【請求項1】 通気穴を有し、所定の開孔率のフィル
ムによって包装した植物を収容する箱を、通気穴を設け
た側面を少なくとも一外面に向けると共に、中間側に前
記一外面以外の外面に開放された通風路を形成するよう
に多段に積載し、前記通気穴を向けた一外面と、通風路
に連通した外面以外の外面を気密遮蔽し、通風路に通ず
る開口端面から、通風路内空気を吸引して箱の包装フィ
ルム内との間で差圧を生じさせる一方、くん蒸用薬剤を
投薬することで、前記フィルム内に強制的にくん蒸用薬
剤を浸透させてくん蒸を行うことを特徴とする植物のく
ん蒸方法。 - 【請求項2】 コンテナ内に複数のパレットを載置
し、これらパレット上に、被くん蒸用植物を収容した箱
を積載し、前記パレットは、コンテナ内中央に長手方向
に沿って通風路を形成するように配置すると共に、コン
テナ内両側壁と積載した箱間に間隙を形成するように
し、前記箱は複数の通気穴を有して、これら通気穴を有
する箱の側面をコンテナ内両側壁に対向するように配置
し、前記積載した箱の少なくとも複数の通気穴を形成し
た以外の面同士をカバー手段により蔽うようにする一
方、パレット上の箱がなすコンテナ内中央の通風路開口
端面を、ホーン状部材により蔽うと共に、このホーン状
部材を介して前記通風路内空気を吸引するための送風機
を設置し、前記送風機による通風路内空気吸引によって
通風路内と箱内との間で差圧を生じさせて投薬すべきく
ん蒸用薬剤を箱内に強制的に浸透させる構成としたこと
を特徴とする植物のくん蒸システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13037595A JP2634391B2 (ja) | 1995-05-29 | 1995-05-29 | 植物のくん蒸方法およびくん蒸システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13037595A JP2634391B2 (ja) | 1995-05-29 | 1995-05-29 | 植物のくん蒸方法およびくん蒸システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08322462A true JPH08322462A (ja) | 1996-12-10 |
JP2634391B2 JP2634391B2 (ja) | 1997-07-23 |
Family
ID=15032855
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13037595A Expired - Lifetime JP2634391B2 (ja) | 1995-05-29 | 1995-05-29 | 植物のくん蒸方法およびくん蒸システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2634391B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2868254A1 (fr) * | 2004-04-01 | 2005-10-07 | Grp Des Producteurs De Legumes | Dispositif de conservation d'aliments |
-
1995
- 1995-05-29 JP JP13037595A patent/JP2634391B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2868254A1 (fr) * | 2004-04-01 | 2005-10-07 | Grp Des Producteurs De Legumes | Dispositif de conservation d'aliments |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2634391B2 (ja) | 1997-07-23 |
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