JPH0832528B2 - 水中翼船の重心位置最適化装置 - Google Patents
水中翼船の重心位置最適化装置Info
- Publication number
- JPH0832528B2 JPH0832528B2 JP18953589A JP18953589A JPH0832528B2 JP H0832528 B2 JPH0832528 B2 JP H0832528B2 JP 18953589 A JP18953589 A JP 18953589A JP 18953589 A JP18953589 A JP 18953589A JP H0832528 B2 JPH0832528 B2 JP H0832528B2
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- gravity
- flap
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- Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水中翼船の重心位置最適化装置に関し、特に
推進抵抗が最小となるように重心前後方向位置を最適化
するものに関する。
推進抵抗が最小となるように重心前後方向位置を最適化
するものに関する。
最近、特公昭53−37636号公報に記載されているよう
な高速水中翼船が実用化されているが、この水中翼船で
は船首部と船尾部とに夫々回動式ストラットを介して前
部翼と後部翼が設けられ、前部翼には前部フラップ装置
がまた後部翼には後部フラップ装置が夫々設けられ、船
尾部にはウォータジェット方式の推進装置が設けられ、
種々の検出機器からの検出信号に基いて制御装置によっ
て前部フラップ装置と後部フラップ装置とラダー(前部
ストラット)を制御するようになっている。
な高速水中翼船が実用化されているが、この水中翼船で
は船首部と船尾部とに夫々回動式ストラットを介して前
部翼と後部翼が設けられ、前部翼には前部フラップ装置
がまた後部翼には後部フラップ装置が夫々設けられ、船
尾部にはウォータジェット方式の推進装置が設けられ、
種々の検出機器からの検出信号に基いて制御装置によっ
て前部フラップ装置と後部フラップ装置とラダー(前部
ストラット)を制御するようになっている。
上記水中翼船の重心位置前後方向位置(以下重心位置
という)は、乗客の人数や載荷の重量及び積付状態によ
り各航海毎に大きく変動するうえ、45ノットもの高速で
航行する関係上燃料消費量が多いことから各航海におい
ても重心位置はかなり変動する。
という)は、乗客の人数や載荷の重量及び積付状態によ
り各航海毎に大きく変動するうえ、45ノットもの高速で
航行する関係上燃料消費量が多いことから各航海におい
ても重心位置はかなり変動する。
ところで、上記制御装置は、重心位置に応じてピッチ
角が変動するのを抑制し、ピッチ角を常に略設定値(例
えば、1〜2゜)に保持するように後部フラップのフラ
ップ角を制御するようになっている。前部フラップ角及
び後部フラップ角により推進抵抗は大きく変動すること
から、水中翼船の推進抵抗は重心位置に大きく依存して
いる。
角が変動するのを抑制し、ピッチ角を常に略設定値(例
えば、1〜2゜)に保持するように後部フラップのフラ
ップ角を制御するようになっている。前部フラップ角及
び後部フラップ角により推進抵抗は大きく変動すること
から、水中翼船の推進抵抗は重心位置に大きく依存して
いる。
従って、推進抵抗が最小となる最適重心位置は、船速
や載荷重量・積付状態や海象条件によって決ってくる。
や載荷重量・積付状態や海象条件によって決ってくる。
従来の水中翼船では、重心位置を推進抵抗が最小とな
るような最適重心位置に調整する手段は全く備えておら
ず、上述のように専らピッチ角が略設定値となるように
後部フラップ角を制御しまた翼深度が一定となるように
前部フラップ角を制御するように構成されていたので、
前部フラップと後部フラップとでかなりの抵抗増加が発
生し、船速の低下及び推進用エンジンの燃費の悪化が避
けられなかった。
るような最適重心位置に調整する手段は全く備えておら
ず、上述のように専らピッチ角が略設定値となるように
後部フラップ角を制御しまた翼深度が一定となるように
前部フラップ角を制御するように構成されていたので、
前部フラップと後部フラップとでかなりの抵抗増加が発
生し、船速の低下及び推進用エンジンの燃費の悪化が避
けられなかった。
ここで、前記水中翼船には、前部フラップの前部フラ
ップ角を検出する前部フラップ角検出器及び後部フラッ
プの後部フラップ角を検出する後部フラップ角検出器と
が設けられているので、検出された前部フラップ角と後
部フラップ角とを参考にして操縦者が重心位置を推定
し、バラストウォータポンプを介してバラストウォータ
を移動させることにより、水中翼船の重心位置を調整す
ることも不可能ではないが、燃料の消費に応じて重心位
置が刻々変動するのでこのように手動操作で重心位置を
調整することは大変困難でかつ煩しく殆んど実施不可能
である。
ップ角を検出する前部フラップ角検出器及び後部フラッ
プの後部フラップ角を検出する後部フラップ角検出器と
が設けられているので、検出された前部フラップ角と後
部フラップ角とを参考にして操縦者が重心位置を推定
し、バラストウォータポンプを介してバラストウォータ
を移動させることにより、水中翼船の重心位置を調整す
ることも不可能ではないが、燃料の消費に応じて重心位
置が刻々変動するのでこのように手動操作で重心位置を
調整することは大変困難でかつ煩しく殆んど実施不可能
である。
本発明の目的は、推進抵抗が最小となるように重心位
置を最適化し得るような水中翼船の重心位置最適化装置
を提供することである。
置を最適化し得るような水中翼船の重心位置最適化装置
を提供することである。
本発明に係る水中翼船の重心位置最適化装置は、船首
部及び船尾部に夫々設けた前部翼及び後部翼と、前部翼
に設けられた前記フラップ及び後部翼に設けられた後部
フラップと、前部フラップを駆動する前部フラップ駆動
手段及び後部フラップを駆動する後部フラップ駆動手段
と、ピッチ角を検出するピッチ角検出手段と、ピッチ角
検出手段からの検出ピッチ角に基いてピッチ角が略設定
値となるように少なくとも後部フラップ駆動手段を制御
するピッチ角制御手段とを備えた水中翼船において、船
速と前部フラップ角と後部フラップ角とをパラメータと
して、水中翼船の重心前後方向位置と前後部の翼の合計
揚力と推進抵抗との特性データを予め入力格納した特性
データ記憶手段と、船速を検出する船速検出手段と、前
部フラップ角を検出する前部フラップ角検出手段及び後
部フラップ角を検出する後部フラップ角検出手段と、上
記3つの検出手段で夫々検出された検出船速と検出前部
フラップ角と検出後部フラップ角とに対応する特性デー
タを特性データ記憶手段から受けて重心前後方向位置及
び推進抵抗が最小となる最適重心前後方向位置を演算
し、上記重心前後方向位置から最適重心前後方向位置へ
の重心移動量と移動方向とを演算する重心位置演算手段
と、上記重心位置演算手段からの重心移動量と移動方向
とに基いて重心前後方向位置が最適重心前後方向位置と
なるように調整する重心位置調整手段とを備えたもので
ある。
部及び船尾部に夫々設けた前部翼及び後部翼と、前部翼
に設けられた前記フラップ及び後部翼に設けられた後部
フラップと、前部フラップを駆動する前部フラップ駆動
手段及び後部フラップを駆動する後部フラップ駆動手段
と、ピッチ角を検出するピッチ角検出手段と、ピッチ角
検出手段からの検出ピッチ角に基いてピッチ角が略設定
値となるように少なくとも後部フラップ駆動手段を制御
するピッチ角制御手段とを備えた水中翼船において、船
速と前部フラップ角と後部フラップ角とをパラメータと
して、水中翼船の重心前後方向位置と前後部の翼の合計
揚力と推進抵抗との特性データを予め入力格納した特性
データ記憶手段と、船速を検出する船速検出手段と、前
部フラップ角を検出する前部フラップ角検出手段及び後
部フラップ角を検出する後部フラップ角検出手段と、上
記3つの検出手段で夫々検出された検出船速と検出前部
フラップ角と検出後部フラップ角とに対応する特性デー
タを特性データ記憶手段から受けて重心前後方向位置及
び推進抵抗が最小となる最適重心前後方向位置を演算
し、上記重心前後方向位置から最適重心前後方向位置へ
の重心移動量と移動方向とを演算する重心位置演算手段
と、上記重心位置演算手段からの重心移動量と移動方向
とに基いて重心前後方向位置が最適重心前後方向位置と
なるように調整する重心位置調整手段とを備えたもので
ある。
本発明に係る水中翼船の重心位置最適化装置において
は、特性データ記憶手段には、船速と前部フラップ角と
後部フラップ角とをパラメータとして、水中翼船の重心
前後方向位置と前後部の翼の合計揚力と推進抵抗との特
性データが予め入力格納されている。重心位置演算手段
は、船速検出手段からの検出船速と前部フラップ角検出
手段からの検出前部フラップ角と後部フラップ角検出手
段からの検出後部フラップ角とに対応する特性データを
特性データ記憶手段から受けて重心前後方向位置及び推
進抵抗が最小となる最適重心前後方向位置を演算し、上
記重心前後方向位置から最適重心前後方向位置への重心
移動量と移動方向とを演算する。重心位置調整手段は、
例えばバラストウォータや燃料油を移動させる手段から
なり、重心位置演算手段で演算された重心移動量と移動
方向とに基いて重心前後方向位置が最適重心前後方向位
置となるように調整する。
は、特性データ記憶手段には、船速と前部フラップ角と
後部フラップ角とをパラメータとして、水中翼船の重心
前後方向位置と前後部の翼の合計揚力と推進抵抗との特
性データが予め入力格納されている。重心位置演算手段
は、船速検出手段からの検出船速と前部フラップ角検出
手段からの検出前部フラップ角と後部フラップ角検出手
段からの検出後部フラップ角とに対応する特性データを
特性データ記憶手段から受けて重心前後方向位置及び推
進抵抗が最小となる最適重心前後方向位置を演算し、上
記重心前後方向位置から最適重心前後方向位置への重心
移動量と移動方向とを演算する。重心位置調整手段は、
例えばバラストウォータや燃料油を移動させる手段から
なり、重心位置演算手段で演算された重心移動量と移動
方向とに基いて重心前後方向位置が最適重心前後方向位
置となるように調整する。
このように、重心前後方向位置が調整さると、ピッチ
角制御手段によってピッチ角が略設定値となるように前
部フラップ及び後部フラップが制御され、その結果推進
抵抗が最小になる。
角制御手段によってピッチ角が略設定値となるように前
部フラップ及び後部フラップが制御され、その結果推進
抵抗が最小になる。
本発明に係る水中翼船の重心位置最適化装置によれ
ば、以上説明したように、特性データ記憶手段と重心位
置演算手段と重心位置調整手段などを設けたことによ
り、重心前後方向位置を推進抵抗が最小となる最適重心
前後方向位置に調整し、ピッチ角制御手段による前部フ
ラップ及び後部フラップの制御を介して推進抵抗を最小
にすることが出来、これにより船速の改善及び燃費の改
善を実現出来る。
ば、以上説明したように、特性データ記憶手段と重心位
置演算手段と重心位置調整手段などを設けたことによ
り、重心前後方向位置を推進抵抗が最小となる最適重心
前後方向位置に調整し、ピッチ角制御手段による前部フ
ラップ及び後部フラップの制御を介して推進抵抗を最小
にすることが出来、これにより船速の改善及び燃費の改
善を実現出来る。
加えて、上記重心前後方向位置の調整をリアルタイム
又は所定時間毎に自動的に行なうことが出来るので、常
に推進抵抗が最小となる状態で運航することが出来る。
又は所定時間毎に自動的に行なうことが出来るので、常
に推進抵抗が最小となる状態で運航することが出来る。
以下、本発明の実施例について図面に基いて説明す
る。
る。
本実施例は、通称ジェットフォイルと称する水中翼船
に本発明を適用した場合の一例である。
に本発明を適用した場合の一例である。
第1図・第2図に示すように、水中翼船JFの船体10の
船首部の下部中央には翼形断面のラダーを兼ねる前部ス
トラット12がその上端部において鉛直軸回り及び左右方
向水平軸回りに回動可能に設けられ、前部ストラット12
の下端部には前部翼13が設けられ、前部翼13が設けら
れ、前部翼13の後縁部には前部フラップ14が設けられて
いる。翼走時に前部ストラット12は図示のように鉛直に
下方へ伸張されまた艇走時には矢印11方向へ回動して前
方へ水平に起される。
船首部の下部中央には翼形断面のラダーを兼ねる前部ス
トラット12がその上端部において鉛直軸回り及び左右方
向水平軸回りに回動可能に設けられ、前部ストラット12
の下端部には前部翼13が設けられ、前部翼13が設けら
れ、前部翼13の後縁部には前部フラップ14が設けられて
いる。翼走時に前部ストラット12は図示のように鉛直に
下方へ伸張されまた艇走時には矢印11方向へ回動して前
方へ水平に起される。
船体10の船尾部の下部には、左右1対の翼形断面の後
部ストラット20・22がその上端部において左右方向の水
平枢支ピン21を介して回動可能に設けられ、左右の後部
ストラット20・22の中間位置には中間ストラット23がそ
の上端において左右方向の水平枢支ピンを介して回動可
能に設けられ、左舷後部ストラット20と右舷後部ストラ
ット22の下端部同士に亙って後部翼24が設けられ、後部
翼24は中間ストラット23の下端部にも固着されている。
上記後部翼24の後縁部には左舷側2枚及び右舷側2枚計
4枚の後部フラップ26〜29が設けられている。但し、通
常の場合各舷の内側後部フラップ26・28と外側後部フラ
ップ27・29とは同期作動される。上記中間ストラット23
及びその上端近傍の船体底部とに亙ってウォータジェッ
ト方式の推進装置(図示略)が設けられている。但し、
これに代えてプロペラ方式の推進装置を設けることも可
能である。翼走時に後部ストラット20・22及び中間スト
ラット23は図示のように鉛直に下方へ伸張されまた艇走
時に矢印25方向へ回動して後方へ水平に起される。
部ストラット20・22がその上端部において左右方向の水
平枢支ピン21を介して回動可能に設けられ、左右の後部
ストラット20・22の中間位置には中間ストラット23がそ
の上端において左右方向の水平枢支ピンを介して回動可
能に設けられ、左舷後部ストラット20と右舷後部ストラ
ット22の下端部同士に亙って後部翼24が設けられ、後部
翼24は中間ストラット23の下端部にも固着されている。
上記後部翼24の後縁部には左舷側2枚及び右舷側2枚計
4枚の後部フラップ26〜29が設けられている。但し、通
常の場合各舷の内側後部フラップ26・28と外側後部フラ
ップ27・29とは同期作動される。上記中間ストラット23
及びその上端近傍の船体底部とに亙ってウォータジェッ
ト方式の推進装置(図示略)が設けられている。但し、
これに代えてプロペラ方式の推進装置を設けることも可
能である。翼走時に後部ストラット20・22及び中間スト
ラット23は図示のように鉛直に下方へ伸張されまた艇走
時に矢印25方向へ回動して後方へ水平に起される。
第2図・第4図に示すように、前部フラップ14と左舷
内側後部フラップ26と左舷外側後部フラップ27と右舷内
側後部フラップ28と右舷外側後部フラップ29とを夫々回
動駆動する油圧式アクチュエータ30・32〜34が設けら
れ、また前部ストラット12を鉛直軸回りに回動駆動する
油圧式アクチュエータ31が設けられ、更に前部ストラッ
ト12を水平軸回りに前方へ回動駆動する油圧式アクチュ
エータ及び後部ストラット20・22・23を枢支軸21回りに
回動駆動する油圧式アクチュエータも設けられている。
但し、上記油圧式アクチュエータ30〜35などの代りに電
気式アクチュエータを設けることも可能である。
内側後部フラップ26と左舷外側後部フラップ27と右舷内
側後部フラップ28と右舷外側後部フラップ29とを夫々回
動駆動する油圧式アクチュエータ30・32〜34が設けら
れ、また前部ストラット12を鉛直軸回りに回動駆動する
油圧式アクチュエータ31が設けられ、更に前部ストラッ
ト12を水平軸回りに前方へ回動駆動する油圧式アクチュ
エータ及び後部ストラット20・22・23を枢支軸21回りに
回動駆動する油圧式アクチュエータも設けられている。
但し、上記油圧式アクチュエータ30〜35などの代りに電
気式アクチュエータを設けることも可能である。
次に、前部翼13と後部翼24の揚力で船体10を水面上に
浮上させて航行する翼走時における船体運動について第
3図に基いて説明する。翼走時に船体10は水面から浮上
状態になるが、前部と後部の翼13・24及び前部と後部の
ストラット12・20・22・23が波浪の影響を受けるので、
船体10は鉛直方向にヒービングし、またロール軸40の回
りにローリングし、またピッチ軸41の回りにピッチング
し、またヨー軸42の回りにヨーイングする。翼走時にお
いて、前部ストラット12と後部ストラット20・22・23は
ローリングを抑制するように作用するとともに、翼走の
方向安定性を増大させる。一方、前部翼13と前部フラッ
プ14と後部翼24と後部フラップ26〜29はピッチングを抑
制するように作用する。
浮上させて航行する翼走時における船体運動について第
3図に基いて説明する。翼走時に船体10は水面から浮上
状態になるが、前部と後部の翼13・24及び前部と後部の
ストラット12・20・22・23が波浪の影響を受けるので、
船体10は鉛直方向にヒービングし、またロール軸40の回
りにローリングし、またピッチ軸41の回りにピッチング
し、またヨー軸42の回りにヨーイングする。翼走時にお
いて、前部ストラット12と後部ストラット20・22・23は
ローリングを抑制するように作用するとともに、翼走の
方向安定性を増大させる。一方、前部翼13と前部フラッ
プ14と後部翼24と後部フラップ26〜29はピッチングを抑
制するように作用する。
ここで、前部フラップ14を下方へ傾けると前部翼13と
前部フラップ14の揚力が増加して船首側が上方へ移動し
またその反対に上方へ傾けると船首側が下方へ移動す
る。このことは後部フラップ26〜29についても同様であ
り、前部フラップ14と後部フラップ26〜29とを同方向へ
傾けることにより水面に対する船体10の高度(つまり、
翼深度)を変えることが出来る。但し、実際には、前部
フラップ14のみを介して船体10の水面に対する高度を調
節するようになっている。また、前部フラップ14と後部
フラップ26〜29を介してピッチ角(つまり、トリム)を
制御することが出来、また前部フラップ14と後部フラッ
プ26〜29とをピッチングに同期して相互に逆方向へ傾け
ることによりピッチングを抑制することが出来、また左
舷の後部フラップ26・27と右舷の後部フラップ28・29と
を相互に逆方向へ傾けることによりロール角を付与した
状態で前部ストラット12(ラダー)を鉛直軸回りに回動
させることによりロール方向へ円滑に旋回航行すること
が出来、また左舷の後部フラップ26・27と右舷の後部フ
ラップ28・29とをローリングに同期して相互に逆方向へ
傾けることによりローリングを抑制することが出来る。
前部フラップ14の揚力が増加して船首側が上方へ移動し
またその反対に上方へ傾けると船首側が下方へ移動す
る。このことは後部フラップ26〜29についても同様であ
り、前部フラップ14と後部フラップ26〜29とを同方向へ
傾けることにより水面に対する船体10の高度(つまり、
翼深度)を変えることが出来る。但し、実際には、前部
フラップ14のみを介して船体10の水面に対する高度を調
節するようになっている。また、前部フラップ14と後部
フラップ26〜29を介してピッチ角(つまり、トリム)を
制御することが出来、また前部フラップ14と後部フラッ
プ26〜29とをピッチングに同期して相互に逆方向へ傾け
ることによりピッチングを抑制することが出来、また左
舷の後部フラップ26・27と右舷の後部フラップ28・29と
を相互に逆方向へ傾けることによりロール角を付与した
状態で前部ストラット12(ラダー)を鉛直軸回りに回動
させることによりロール方向へ円滑に旋回航行すること
が出来、また左舷の後部フラップ26・27と右舷の後部フ
ラップ28・29とをローリングに同期して相互に逆方向へ
傾けることによりローリングを抑制することが出来る。
次に、船体10の姿勢制御(高度、翼深度、ピッチ角、
トリムなど)とピッチング及びローリングの抑制制御等
に必要な種々の検出信号を得る為の検出器等について説
明する。
トリムなど)とピッチング及びローリングの抑制制御等
に必要な種々の検出信号を得る為の検出器等について説
明する。
第2図に示すように、船首部には、水面までの距離を
検出する超音波式の1対の船首高度検出器50と、船首の
水平左右方向加速度を検出する船首横加速度計51と、船
首の上下方向加速度を検出する船首上下加速度計52が設
けられれいる。
検出する超音波式の1対の船首高度検出器50と、船首の
水平左右方向加速度を検出する船首横加速度計51と、船
首の上下方向加速度を検出する船首上下加速度計52が設
けられれいる。
船尾部の左舷と右舷には上下方向の加速度を検出する
左舷下加速度計53及び右舷上下加速度計54が夫々設けら
れている。操舵室には、ピッチ角を検出するピッチジャ
イロ55と、ロール角を検出するロールジャイロ56と、ヨ
ー運動の速度を検出するヨーレートジャイロ57とが設け
られている。前部ストラット12の下端近傍部には船速を
検出する船速計58が設けられている。
左舷下加速度計53及び右舷上下加速度計54が夫々設けら
れている。操舵室には、ピッチ角を検出するピッチジャ
イロ55と、ロール角を検出するロールジャイロ56と、ヨ
ー運動の速度を検出するヨーレートジャイロ57とが設け
られている。前部ストラット12の下端近傍部には船速を
検出する船速計58が設けられている。
操舵室には、上記種々の検出機器からの検出信号を受
けるコントロールユニットCUと、旋回を指令する舵輪60
と、前部フラップ14を介して翼13・24の深度(船体の水
面に対する高度)を設定する深度設定レバー61と、推進
装置を駆動するガスタービンエンジンのスロットル弁を
操作するスロットルレバー(図示略)と、その他種々の
スイッチ類・計器類が設けられている。
けるコントロールユニットCUと、旋回を指令する舵輪60
と、前部フラップ14を介して翼13・24の深度(船体の水
面に対する高度)を設定する深度設定レバー61と、推進
装置を駆動するガスタービンエンジンのスロットル弁を
操作するスロットルレバー(図示略)と、その他種々の
スイッチ類・計器類が設けられている。
次に、上記水中翼船JFの制御系の概要について説明す
る。
る。
第4図の制御系のブロック線図に示すように、船首高
度検出器50からの信号HDと深度設定レバー61からの信号
HCとが深度誤差増幅器64へ出力されて両信号の差(HC−
HD)を増幅した制御信号ΔHAが前部フラップサーボアン
プ80へ出力され、このサーボアンプ80から前部フラップ
アクチュエータ30へ駆動信号が出力される。
度検出器50からの信号HDと深度設定レバー61からの信号
HCとが深度誤差増幅器64へ出力されて両信号の差(HC−
HD)を増幅した制御信号ΔHAが前部フラップサーボアン
プ80へ出力され、このサーボアンプ80から前部フラップ
アクチュエータ30へ駆動信号が出力される。
舵輪60からの操舵信号WC(又は針路保持回路(図示
略)からの操舵信号)とロールジャイロ56からの信号RD
がロール微分増幅器66へ供給され、両信号の差(WC−R
D)の変化速度を増幅した制御信号ΔRAが左舷フラップ
サーボアンプ82・83へ出力され、制御信号ΔRAを反転器
69で反転した信号が右舷フラップサーボアンプ84・85へ
出力される。そして、左舷フラップサーボアンプ82・83
からはフラップアクチュエータ32・33へ夫々駆動信号が
供給される。従って、旋回航行への移行時及び旋回航行
中には操舵信号WCで指令されるロール角となるように且
つ旋回内側へ船体10がロールするように左舷後部フラッ
プ26・27と右舷後部フラップ28・29とが相互に逆方向に
駆動される。これと同時に、ロールジャイロ56からの信
号RDが増幅器74により制御信号RDAに増幅されて方向舵
サーボアンプ81へ供給され、このサーボアンプ81から前
部ストラット旋回用アクチュエータ31へ駆動信号が出力
される。従って、舵輪60からの操舵信号に従って船体10
が旋回方向へロールし、そのロール角に従って前部スト
ラット12が旋回方向へ旋回駆動されることになる。それ
故、船体10が円滑に旋回するうえ、乗客と乗組員には小
さい慣性力しか作用しない。
略)からの操舵信号)とロールジャイロ56からの信号RD
がロール微分増幅器66へ供給され、両信号の差(WC−R
D)の変化速度を増幅した制御信号ΔRAが左舷フラップ
サーボアンプ82・83へ出力され、制御信号ΔRAを反転器
69で反転した信号が右舷フラップサーボアンプ84・85へ
出力される。そして、左舷フラップサーボアンプ82・83
からはフラップアクチュエータ32・33へ夫々駆動信号が
供給される。従って、旋回航行への移行時及び旋回航行
中には操舵信号WCで指令されるロール角となるように且
つ旋回内側へ船体10がロールするように左舷後部フラッ
プ26・27と右舷後部フラップ28・29とが相互に逆方向に
駆動される。これと同時に、ロールジャイロ56からの信
号RDが増幅器74により制御信号RDAに増幅されて方向舵
サーボアンプ81へ供給され、このサーボアンプ81から前
部ストラット旋回用アクチュエータ31へ駆動信号が出力
される。従って、舵輪60からの操舵信号に従って船体10
が旋回方向へロールし、そのロール角に従って前部スト
ラット12が旋回方向へ旋回駆動されることになる。それ
故、船体10が円滑に旋回するうえ、乗客と乗組員には小
さい慣性力しか作用しない。
上記旋回時、ヨーレートジャイロ57からヨー軸42回り
の旋回速度に比例する信号YDが増幅器75により制御信号
YDAに増幅されて方向舵サーボアンプ81へ出力され、こ
の制御信号YDAにより前部ストラット12の旋回速度が制
御される。これと同様に、船首横加速度計51からの信号
LDが増幅器70により制御信号LDAに増幅されて方向舵サ
ーボアンプ81へ供給され、旋回時の船首部の横方向加速
度を制限する為に用いられる。
の旋回速度に比例する信号YDが増幅器75により制御信号
YDAに増幅されて方向舵サーボアンプ81へ出力され、こ
の制御信号YDAにより前部ストラット12の旋回速度が制
御される。これと同様に、船首横加速度計51からの信号
LDが増幅器70により制御信号LDAに増幅されて方向舵サ
ーボアンプ81へ供給され、旋回時の船首部の横方向加速
度を制限する為に用いられる。
次に、ピッチングやローリングを制御する作用につい
て説明する。
て説明する。
船首上下加速計52からの信号VDが積分増幅器68へ供給
されるとともに、ロールジャイロ56で検出されるロール
角を2乗した信号RRDがロール2乗回路67から積分増幅
器68へ供給され、両信号VD・RRDを結合して積分増幅し
た制御信号VRAが前部フラップサーボアンプ80へ供給さ
れる。即ち、船体10のピッチングに応じて船首部の上下
加速度が増大するが、ピッチングを打ち消すような制御
信号VRAがサーボアンプ80へ供給されて前部フラップ14
が制御される。更に、上記信号RRDを積分増幅器68へ供
給することにより、旋回時やローリング時のロール角に
より発生する上下加速度分だけ信号VDに対して補正する
ようになっている。
されるとともに、ロールジャイロ56で検出されるロール
角を2乗した信号RRDがロール2乗回路67から積分増幅
器68へ供給され、両信号VD・RRDを結合して積分増幅し
た制御信号VRAが前部フラップサーボアンプ80へ供給さ
れる。即ち、船体10のピッチングに応じて船首部の上下
加速度が増大するが、ピッチングを打ち消すような制御
信号VRAがサーボアンプ80へ供給されて前部フラップ14
が制御される。更に、上記信号RRDを積分増幅器68へ供
給することにより、旋回時やローリング時のロール角に
より発生する上下加速度分だけ信号VDに対して補正する
ようになっている。
ピッチジャイロ55からの信号PDはピッチ微分増幅器65
へ供給され、ピッチ角の変化速度を増幅した制御信号Δ
PAは左舷及び右舷フラップサーボアンプ82〜85へ供給さ
れ、また制御信号ΔPAは反転器62で反転されて前部フラ
ップサーボアンプ80へ供給される。これにより、ピッチ
ングにより船首側が上方へ移動したときには前部フラッ
プ14を上方へ傾けて船首部を下げ且つ後部フラップ26〜
29を下方へ傾けて船尾部を上げるような制御がなされ、
ピッチングが抑制される。
へ供給され、ピッチ角の変化速度を増幅した制御信号Δ
PAは左舷及び右舷フラップサーボアンプ82〜85へ供給さ
れ、また制御信号ΔPAは反転器62で反転されて前部フラ
ップサーボアンプ80へ供給される。これにより、ピッチ
ングにより船首側が上方へ移動したときには前部フラッ
プ14を上方へ傾けて船首部を下げ且つ後部フラップ26〜
29を下方へ傾けて船尾部を上げるような制御がなされ、
ピッチングが抑制される。
更に、ピッチ微分増幅器65内には、翼走モードのとき
に、ピッチジャイロ55からの信号PDで与えられる検出ピ
ッチ角に基いて船体10のピッチ角が略設定値(1゜〜2
゜)となるように、後部フラップ26〜29を制御するピッ
チバイアス角制御回路が含まれている。このピッチバイ
アス角制御回路は、図示外の系統にて指令される翼走モ
ードのとき、その制御回路内に固定的に設定された設定
ピッチ角(例えば、1゜)と検出ピッチ角との偏差及び
高度信号HDの変動分を積分制御することによりピッチ角
を設定ピッチ角に近づけるようなピッチバイアス角信号
を図示外の系統にてフラップサーボアンプ82〜85へ出力
するようになっている。
に、ピッチジャイロ55からの信号PDで与えられる検出ピ
ッチ角に基いて船体10のピッチ角が略設定値(1゜〜2
゜)となるように、後部フラップ26〜29を制御するピッ
チバイアス角制御回路が含まれている。このピッチバイ
アス角制御回路は、図示外の系統にて指令される翼走モ
ードのとき、その制御回路内に固定的に設定された設定
ピッチ角(例えば、1゜)と検出ピッチ角との偏差及び
高度信号HDの変動分を積分制御することによりピッチ角
を設定ピッチ角に近づけるようなピッチバイアス角信号
を図示外の系統にてフラップサーボアンプ82〜85へ出力
するようになっている。
船体10がローリングするときには、ロール角の変化速
度に相当する制御信号ΔRAを介して左舷後部フラップ26
・27と右舷後部フラップ28・29とが相互に逆方向へ且つ
ローリングを抑制する方向へ駆動されてローリングが抑
制される。
度に相当する制御信号ΔRAを介して左舷後部フラップ26
・27と右舷後部フラップ28・29とが相互に逆方向へ且つ
ローリングを抑制する方向へ駆動されてローリングが抑
制される。
一方、左舷上下加速度計53からの信号LVDは増幅器71
により制御信号LVAに増幅されて左舷フラップサーボア
ンプ82・83へ供給され、また右舷上下加速度計54からの
信号RVDは増幅器73により制御信号RVAに増幅されて右舷
フラップサーボアンプ84・85へ供給される。こうして、
例えば左舷側へローリングしたときには左舷後部フラッ
プ26・27を下方へ傾け且つ右舷後部フラップ28・29を上
方へ傾けてローリングが抑制される。尚、第4図のコン
トロールユニットCUは実際にはA/D変換器類とコンピュ
ータと増幅器類などで構成されている。
により制御信号LVAに増幅されて左舷フラップサーボア
ンプ82・83へ供給され、また右舷上下加速度計54からの
信号RVDは増幅器73により制御信号RVAに増幅されて右舷
フラップサーボアンプ84・85へ供給される。こうして、
例えば左舷側へローリングしたときには左舷後部フラッ
プ26・27を下方へ傾け且つ右舷後部フラップ28・29を上
方へ傾けてローリングが抑制される。尚、第4図のコン
トロールユニットCUは実際にはA/D変換器類とコンピュ
ータと増幅器類などで構成されている。
次に、上記制御系に組込まれる重心位置最適化装置GP
Dの構成及び作用について第5図・第6図に基いて説明
する。尚、以下の説明において重心位置とは重心前後方
向位置を意味し、最適重心位置とは最適な重心前後方向
位置を意味するものである。
Dの構成及び作用について第5図・第6図に基いて説明
する。尚、以下の説明において重心位置とは重心前後方
向位置を意味し、最適重心位置とは最適な重心前後方向
位置を意味するものである。
上記重心位置最適化装置GPDは、前記船速計58と、前
記ピッチジャイロ55と、前部フラップ角検出器90と、後
部フラップ角検出器91と、特性データ記憶装置92と、重
心位置最適化演算装置93と、ポンプ制御信号発生器94
と、バラストウォータ移送用のポンプユニット96を制御
するポンプ制御装置95と、弁類を含むポンプユニット96
と前部バラストウォータタンク97と後部バラストウォー
タタンク98と配管系99とを含むバラストウォータ系統10
0と、表示装置101とを備えている。
記ピッチジャイロ55と、前部フラップ角検出器90と、後
部フラップ角検出器91と、特性データ記憶装置92と、重
心位置最適化演算装置93と、ポンプ制御信号発生器94
と、バラストウォータ移送用のポンプユニット96を制御
するポンプ制御装置95と、弁類を含むポンプユニット96
と前部バラストウォータタンク97と後部バラストウォー
タタンク98と配管系99とを含むバラストウォータ系統10
0と、表示装置101とを備えている。
上記船速計58は、電磁ログからなり水中翼船JFの対水
船速を検出して船速信号SDを出力するものであり、上記
ピッチジャイロ55は既述の如く船体10のピッチ角を検出
してピッチ角信号PDを出力するものである。
船速を検出して船速信号SDを出力するものであり、上記
ピッチジャイロ55は既述の如く船体10のピッチ角を検出
してピッチ角信号PDを出力するものである。
上記前部フラップ角検出器90は、前部フラップ14を駆
動する油圧アクチュエータ30の出力ロッドの作動ストロ
ーク(これは、前部フラップ14の傾動角に比例する)を
検出するリニアポテンショメータからなり、前部フラッ
プ14の傾動角を表わす前部フラップ角信号FDを出力す
る。
動する油圧アクチュエータ30の出力ロッドの作動ストロ
ーク(これは、前部フラップ14の傾動角に比例する)を
検出するリニアポテンショメータからなり、前部フラッ
プ14の傾動角を表わす前部フラップ角信号FDを出力す
る。
上記後部フラップ角検出器91は、左舷後部フラップ26
・27及び右舷後部フラップ28・29を夫々駆動する4組の
油圧アクチュエータ32〜35の各出力ロッドの作動ストロ
ーク(これは、後部フラップ26〜29の傾動角に比例す
る)を検出する4組のリニアポテンショメータなどから
なり、4枚の後部フラップ14の平均傾動角を表わす後部
フラップ角信号ADを出力する。
・27及び右舷後部フラップ28・29を夫々駆動する4組の
油圧アクチュエータ32〜35の各出力ロッドの作動ストロ
ーク(これは、後部フラップ26〜29の傾動角に比例す
る)を検出する4組のリニアポテンショメータなどから
なり、4枚の後部フラップ14の平均傾動角を表わす後部
フラップ角信号ADを出力する。
上記特性データ記憶装置92は、マイクロコンピュータ
からなり、そのROMには、第6図に示すような船速Sと
ピッチ角θPと前部フラップ角αFと後部フラップαA
とをパラメータとする前部翼13・前部フラップ14・後部
翼24・後部フラップ26〜29の合計揚力と翼走時の推進抵
抗と重心位置と最小推進抵抗線の特性データがマップや
テーブルにて予め入力格納されている。
からなり、そのROMには、第6図に示すような船速Sと
ピッチ角θPと前部フラップ角αFと後部フラップαA
とをパラメータとする前部翼13・前部フラップ14・後部
翼24・後部フラップ26〜29の合計揚力と翼走時の推進抵
抗と重心位置と最小推進抵抗線の特性データがマップや
テーブルにて予め入力格納されている。
ここで、第6図の特性データは例えば船速S=40ノッ
ト、ピッチ角θP=1゜の場合のものであり、ピッチ角
θP=1゜のとき船速Sについては例えば5ノット間隔
(20、25、30、35、40、45ノット)で第6図のような特
性データが格納され、ピッチ角θPについては例えば0.
5゜間隔で上記の船速Sの分割間隔で第6図のような特
性データが格納されている。揚力一定線Li(i=1、
2、3・・・・)についてはiの増大に応じて揚力は増
大し、推進抵抗一定線Ri(i=1、2、3・・・・)に
ついてはiの増大に応じて抵抗が増大する。尚、最小推
進抵抗線Mは各揚力一定線L1〜L6上で推進抵抗が最小と
なる点を結んで得られたものである。
ト、ピッチ角θP=1゜の場合のものであり、ピッチ角
θP=1゜のとき船速Sについては例えば5ノット間隔
(20、25、30、35、40、45ノット)で第6図のような特
性データが格納され、ピッチ角θPについては例えば0.
5゜間隔で上記の船速Sの分割間隔で第6図のような特
性データが格納されている。揚力一定線Li(i=1、
2、3・・・・)についてはiの増大に応じて揚力は増
大し、推進抵抗一定線Ri(i=1、2、3・・・・)に
ついてはiの増大に応じて抵抗が増大する。尚、最小推
進抵抗線Mは各揚力一定線L1〜L6上で推進抵抗が最小と
なる点を結んで得られたものである。
前部フラップ各αF0で後部フラップ角αA0の状態は、
抵抗極小の位置であり、前部フラップ14も後部フラップ
26〜29も下方へ1゜以下の初期設定角αF0・αA0だけ傾
いた位置である。
抵抗極小の位置であり、前部フラップ14も後部フラップ
26〜29も下方へ1゜以下の初期設定角αF0・αA0だけ傾
いた位置である。
尚、特性データ記憶装置92のROMには、上記の特性デ
ータに加えて演算装置93から船速Sとピッチ角θPと前
部フラップ角αFと後部フラップ角αAとのデータが入
力されたときに、これらに対応する特性データを読出し
て演算手段93へ出力する制御プログラムも格納されてい
る。
ータに加えて演算装置93から船速Sとピッチ角θPと前
部フラップ角αFと後部フラップ角αAとのデータが入
力されたときに、これらに対応する特性データを読出し
て演算手段93へ出力する制御プログラムも格納されてい
る。
上記重心位置最適化演算装置93は、検出器類55・58・
90・91からの信号PD・SD・FD・ADをA/D変換するA/D変換
器とマイクロコンピュータとD/A変換器などで構成さ
れ、そのマイクロコンピュータのROMには、特性データ
記憶装置92から供給された第6図に示すような特性デー
タを用いて検出前部フラップ角αFDと検出後部フラップ
角αADとで決定される点Aを通る揚力一定線Lを補間に
て求めるサブルーチンと、点Aを通る重心位置一定線GA
を補間にて求めるサブルーチンと、揚力一定線Lと最小
推進抵抗線Mとの交点Bを求めるサブルーチンと、点B
を通る重心位置一定線GBを補間にて求めるサブルーチン
と、重心位置一定線GA上の現在の重心位置から重心位置
一定線GB上の最適重心位置へ水中翼船の重心を移動させ
る重心移動量GLと移動方向とを求めるサブルーチンと、
その重心移動量GLと移動方向とに基いて前部バラストタ
ンク97から後部バラストタンク98へ或いはその反対に移
動させるバラストウォータの体積と移動方向とを演算す
るサブルーチンとからなる制御プログラムが格納されて
いる。
90・91からの信号PD・SD・FD・ADをA/D変換するA/D変換
器とマイクロコンピュータとD/A変換器などで構成さ
れ、そのマイクロコンピュータのROMには、特性データ
記憶装置92から供給された第6図に示すような特性デー
タを用いて検出前部フラップ角αFDと検出後部フラップ
角αADとで決定される点Aを通る揚力一定線Lを補間に
て求めるサブルーチンと、点Aを通る重心位置一定線GA
を補間にて求めるサブルーチンと、揚力一定線Lと最小
推進抵抗線Mとの交点Bを求めるサブルーチンと、点B
を通る重心位置一定線GBを補間にて求めるサブルーチン
と、重心位置一定線GA上の現在の重心位置から重心位置
一定線GB上の最適重心位置へ水中翼船の重心を移動させ
る重心移動量GLと移動方向とを求めるサブルーチンと、
その重心移動量GLと移動方向とに基いて前部バラストタ
ンク97から後部バラストタンク98へ或いはその反対に移
動させるバラストウォータの体積と移動方向とを演算す
るサブルーチンとからなる制御プログラムが格納されて
いる。
即ち、演算装置93においては、信号SD・PD・FD・ADか
ら得られる検出された船速SSDとピッチ角θPDと前部フ
ラップ角αFDと後部フラップ角αADのデータを特性デー
タ記憶装置92へ出力し、これらのデータに対応する第6
図のような特性データを受けて、前部及び後部フラップ
角αFD・αADで決まる点Aを求め、次に補間により揚力
一定線Lを求め、次に揚力一定線Lと最小推進抵抗線M
との交点Bを求め、次に点Aを通る重心位置一定線GAと
点Bを通る重心位置一定線GBを求め、点Aから点Bへの
重心移動量GLと移動方向を求め、次に重心位置一定線GB
の重心位置とするためにバラストウォータのモーメント
計算により移動すべきバラストウォータの体積と移動方
向とを演算し、これらバラストウォータの体積と移動方
向のデータをD/A変換した信号をポンプ制御信号発生器9
4へ出力する。
ら得られる検出された船速SSDとピッチ角θPDと前部フ
ラップ角αFDと後部フラップ角αADのデータを特性デー
タ記憶装置92へ出力し、これらのデータに対応する第6
図のような特性データを受けて、前部及び後部フラップ
角αFD・αADで決まる点Aを求め、次に補間により揚力
一定線Lを求め、次に揚力一定線Lと最小推進抵抗線M
との交点Bを求め、次に点Aを通る重心位置一定線GAと
点Bを通る重心位置一定線GBを求め、点Aから点Bへの
重心移動量GLと移動方向を求め、次に重心位置一定線GB
の重心位置とするためにバラストウォータのモーメント
計算により移動すべきバラストウォータの体積と移動方
向とを演算し、これらバラストウォータの体積と移動方
向のデータをD/A変換した信号をポンプ制御信号発生器9
4へ出力する。
尚、演算装置93から、現在の重心位置、最適重心位
置、移動すべきバラストウォータの体積及び移動方向な
どのデジタルデータが表示装置101のコントローラへ出
力され、これらのデータは表示装置101のCRTに数字で又
は数字と図で表示される。
置、移動すべきバラストウォータの体積及び移動方向な
どのデジタルデータが表示装置101のコントローラへ出
力され、これらのデータは表示装置101のCRTに数字で又
は数字と図で表示される。
上記ポンプ制御信号発生器94は、タイマを含むアナロ
グ回路からなり、演算装置93からの指令信号を受けて上
記体積のバラストウォータを移動させるのにポンプユニ
ット96を作動させる時間を計時しつつその時間の間上記
指令された移動方向へポンプユニット96を作動させるポ
ンプ制御信号をポンプ制御装置95へ出力する。ポンプ制
御装置95はポンプ制御信号に従ってポンプユニット96を
作動させる。
グ回路からなり、演算装置93からの指令信号を受けて上
記体積のバラストウォータを移動させるのにポンプユニ
ット96を作動させる時間を計時しつつその時間の間上記
指令された移動方向へポンプユニット96を作動させるポ
ンプ制御信号をポンプ制御装置95へ出力する。ポンプ制
御装置95はポンプ制御信号に従ってポンプユニット96を
作動させる。
これにより、前部バラストタンク97から後部バラスト
タンク98へ或いはその反対に、指令された体積だけのバ
ラストウォータが指令された方向へ移送されて、水中翼
船JFの重心位置が重心位置一定線GBの重心位置となる。
タンク98へ或いはその反対に、指令された体積だけのバ
ラストウォータが指令された方向へ移送されて、水中翼
船JFの重心位置が重心位置一定線GBの重心位置となる。
この重心位置の変動に応じてピッチ角θPが変動する
と、第4図の制御系のピッチ微分増幅器65内のピッチバ
イアス角制御回路によってピッチ角θPを設定ピッチ角
に近づけるように、後部フラップ26〜29が制御されるの
で後部フラップ角αAは点Bの位置の後部フラップ角と
なり、深度誤差増幅器64によって前部フラップ14が制御
されて前部フラップ角αFは概ね点Bの位置の前部フラ
ップ角となる。尚、航行中は燃料が消費されるので重心
位置は刻々変動することから、上記重心位置最適化制御
は所定時間(例えば、20分)間隔で自動的に実行され、
重心位置が所定時間毎に最適重心位置へ自動的に調整さ
れることになる。
と、第4図の制御系のピッチ微分増幅器65内のピッチバ
イアス角制御回路によってピッチ角θPを設定ピッチ角
に近づけるように、後部フラップ26〜29が制御されるの
で後部フラップ角αAは点Bの位置の後部フラップ角と
なり、深度誤差増幅器64によって前部フラップ14が制御
されて前部フラップ角αFは概ね点Bの位置の前部フラ
ップ角となる。尚、航行中は燃料が消費されるので重心
位置は刻々変動することから、上記重心位置最適化制御
は所定時間(例えば、20分)間隔で自動的に実行され、
重心位置が所定時間毎に最適重心位置へ自動的に調整さ
れることになる。
以上説明したように、検出された船速SSDとピッチ角
θPDと前部フラップ角αFDと後部フラップ角αADとに対
応する特性データを用いて、現在の重心位置と推進抵抗
が最小となる最適重心位置とを求め、バラストウォータ
系統100を制御して水中翼船JFの重心位置を最適重心位
置へ移動させるので、不適切な重心位置でもって前部フ
ラップ14及び後部フラップ26〜29により抵抗増加を招く
ことがなくなる。
θPDと前部フラップ角αFDと後部フラップ角αADとに対
応する特性データを用いて、現在の重心位置と推進抵抗
が最小となる最適重心位置とを求め、バラストウォータ
系統100を制御して水中翼船JFの重心位置を最適重心位
置へ移動させるので、不適切な重心位置でもって前部フ
ラップ14及び後部フラップ26〜29により抵抗増加を招く
ことがなくなる。
これにより、船速Sの高速化或いは推進用エンジンの
燃料消費率を改善することが出来る。上記重心位置最適
化制御により特に高速域における著しい抵抗減少を図る
ことが出来る。
燃料消費率を改善することが出来る。上記重心位置最適
化制御により特に高速域における著しい抵抗減少を図る
ことが出来る。
尚、上記実施例ではバラストウォータ系統100を介し
て重心位置を調整するように構成したが、燃料系統を制
御して燃料油を前部タンクから後部タンクへ或いはその
反対に移動させることによっても重心位置を調整するこ
とが出来る。
て重心位置を調整するように構成したが、燃料系統を制
御して燃料油を前部タンクから後部タンクへ或いはその
反対に移動させることによっても重心位置を調整するこ
とが出来る。
図面は本発明の実施例を示すもので、第1図は水中翼船
の右側面図、第2図は水中翼船の検出機器等の配置を示
す概略斜視図、第3図は水中翼船の運動の軸を説明する
概略斜視図、第4図は制御系の要部ブロック図、第5図
は重心位置最適化装置のブロック図、第6図は特性デー
タの説明図である。 13……前部翼、14……前部フラップ、24……後部翼、26
〜29……後部フラップ、30・32〜35……アクチュエー
タ、55……ピッチジャイロ、58……船速計、65……ピッ
チ微分増幅器、80・82〜85……フラップサーボアンプ、
90……前部フラップ角検出器、91……後部フラップ角検
出器、92……特性データ記憶装置、93……重心位置最適
化演算装置、94……ポンプ制御信号発生器、95……ポン
プ制御装置、96……ポンプユニット、97……前部バラス
トタンク、98……後部バラストタンク、99……配管系、
100……バラストウォータ系統、GPD……重心位置最適化
装置。
の右側面図、第2図は水中翼船の検出機器等の配置を示
す概略斜視図、第3図は水中翼船の運動の軸を説明する
概略斜視図、第4図は制御系の要部ブロック図、第5図
は重心位置最適化装置のブロック図、第6図は特性デー
タの説明図である。 13……前部翼、14……前部フラップ、24……後部翼、26
〜29……後部フラップ、30・32〜35……アクチュエー
タ、55……ピッチジャイロ、58……船速計、65……ピッ
チ微分増幅器、80・82〜85……フラップサーボアンプ、
90……前部フラップ角検出器、91……後部フラップ角検
出器、92……特性データ記憶装置、93……重心位置最適
化演算装置、94……ポンプ制御信号発生器、95……ポン
プ制御装置、96……ポンプユニット、97……前部バラス
トタンク、98……後部バラストタンク、99……配管系、
100……バラストウォータ系統、GPD……重心位置最適化
装置。
Claims (1)
- 【請求項1】船首部及び船尾部に夫々設けた前部翼及び
後部翼と、前部翼に設けられた前記フラップ及び後部翼
に設けられた後部フラップと、前部フラップを駆動する
前部フラップ駆動手段及び後部フラップを駆動する後部
フラップ駆動手段と、ピッチ角を検出するピッチ角検出
手段と、ピッチ角検出手段からの検出ピッチ角に基いて
ピッチ角が略設定値となるように少なくとも後部フラッ
プ駆動手段を制御するピッチ角制御手段とを備えた水中
翼船において、 船速と前部フラップ角と後部フラップ角とをパラメータ
として、水中翼船の重心前後方向位置と前後部の翼の合
計揚力と推進抵抗との特性データを予め入力格納した特
性データ記憶手段と、 船速を検出する船速検出手段と、 前部フラップ角を検出する前部フラップ角検出手段及び
後部フラップ角を検出する後部フラップ角検出手段と、 上記3つの検出手段で夫々検出された検出船速と検出前
部フラップ角と検出後部フラップ角とに対応する特性デ
ータを特性データ記憶手段から受けて重心前後方向位置
及び推進抵抗が最小となる最適重心前後方向位置を演算
し、上記重心前後方向位置から最適重心前後方向位置へ
の重心移動量と移動方向とを演算する重心位置演算手段
と、 上記重心位置演算手段からの重心移動量と移動方向とに
基いて重心前後方向位置が最適重心前後方向位置となる
ように調整する重心位置調整手段とを備えたことを特徴
とする水中翼船の重心位置最適化装置。
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ID=16242932
Family Applications (1)
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