JPH08311626A - 超合金材の製造方法 - Google Patents
超合金材の製造方法Info
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- JPH08311626A JPH08311626A JP7141399A JP14139995A JPH08311626A JP H08311626 A JPH08311626 A JP H08311626A JP 7141399 A JP7141399 A JP 7141399A JP 14139995 A JP14139995 A JP 14139995A JP H08311626 A JPH08311626 A JP H08311626A
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Abstract
706合金等でも結晶粒を容易に微細化して特性を向上
させることを可能にする。 【構成】 超合金鋳塊を高温加熱して一次鍛造した
後、急冷し、次いで、析出時効処理を行い、さらに低温
の二次鍛造を行う。 【効果】 析出相を形成する元素を多く含有しない超
合金でも、結晶粒の微細な状態を維持したままで、再結
晶溶体化、時効処理を行うことができ、強度、疲労特性
が大幅に向上する。
Description
て材料特性を向上させた超合金材の製造方法に関するも
のである。
ているインコネル(商標、以下同じ)やワスパロイ(商
標、以下同じ)といったNi基超合金材では、従来か
ら、結晶粒を微細化して、引張強度や疲労特性などの材
料特性を改善する手段が講じられている。ところが、こ
れら合金ではα/γ同素変態がないため、一般の材料の
ように鍛造後の熱処理工程だけで結晶粒の微細化を行う
ことは困難であり、鍛造工程を含めた加工熱処理によっ
て結晶粒の微細化が行われている。この結晶粒の微細化
方法としては、インコネル718やインコネル901等
を対象とする、いわゆるミニグレイン法や特開平3−6
4435号に示された鍛造方法が知られている。
造を行った後、再結晶温度以下で安定な析出相を時効析
出させ、次いで析出相が母相に固溶しないで残留する温
度域で二次鍛造を行って析出物を微細に分散させるもの
であり、その後に行う固溶化処理、時効処理で上記した
析出物の作用によって結晶粒の成長を抑制することによ
って微細な結晶組織を得ている。一方、前記鍛造方法で
は、ミニグレイン法における一次鍛造後の時効処理を省
略して、低温の二次鍛造工程における析出現象を利用し
ており、ミニグレイン法と同様にこの析出物によって結
晶粒の微細化を達成しており、簡略化された工程によっ
て同様の効果を得ることを目的とする方法である。
たいずれの細粒化方法も、インコネル718やインコネ
ル909などのように析出相を形成する元素を十分に含
んだ合金を対象としており、インコネル706のよう
に、Nb,Ti等の析出相を形成する元素が少ない合金
では、上記方法を採用しても十分な細粒効果を得ること
はできない。このため、インコネル706等では、上記
した方法は採らず、低温鍛造を繰返しに行うことによっ
て細粒化を図っているが、必要なプレス力が過大にな
り、鍛造装置への負担が増大する問題があり、また、プ
レス能力によっては十分な細粒化効果が得られないとい
う問題もある。
ものであり、従来のミニグレイン法では、一次鍛造後、
エネルギー効率の観点から、なるべく材料を冷却しない
で時効処理に移行していたものを、あえて一次鍛造後に
急冷するものであり、析出相を形成する元素が少ない超
合金でも容易に結晶粒を細粒化することができ、その結
果として、特性の優れた超合金材を得ることができる超
合金材の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の超合金材の製造方法のうち第1の発明は、超合
金鋳塊を高温加熱して一次鍛造した後、急冷し、次い
で、析出時効処理を行い、さらに低温で二次鍛造を行う
ことを特徴とする。第2の発明は、超合金鋳塊を析出物
固溶化温度以上に加熱して一次鍛造した後、水冷以上の
冷却速度で再結晶温度以下に急冷し、次いで、時効処理
を行い、さらに析出物固溶化温度以下で二次鍛造を行う
ことを特徴とする。
インコネル706等のNi基超合金で顕著な効果(細粒
化)が得られるが、ミニグレイン法などが適用されてい
るインコネル718,909や、さらにNi基以外の超
合金を対象とすることも可能であり、これら超合金にお
いても細粒化の効果が得られる。なお、本発明の対象と
して好適なNi基合金(インコネル706相当)を成分
比(重量%)で示すと以下のとおりである。 C<0.1,Si<0.5,Mn<0.5,Cr:15
〜17,Nb+Ta:2.5〜3.5,Al<0.5,
Ti:1.5〜2.0,Fe:35〜40,残部:Ni
及び不可避不純物
析出物固溶化温度である1120℃以上に加熱して一次
鍛造を行った後、急冷する。冷却は、水冷以上の冷却速
度(好ましくは冷却速度80℃/min以上)で、再結
晶温度以下、望ましくは室温に達するまで行う。次い
で、再結晶温度以下の所定の温度にまで加熱して析出時
効処理を行う。時効処理後は、析出物固溶化温度以下で
二次鍛造を行う。二次鍛造後は、細粒化効果を確実にす
るために一次鍛造と同様に急冷するのが望ましく、冷却
速度は80℃/min以上が望ましい。
た上記Ni基合金を対象合金とする場合について順次、
例示すると、以下のとおりである。 一次鍛造温度:1100〜1150℃ 急冷冷却速度:80〜800℃/min 時効処理 :850〜950℃×30〜100時間 二次鍛造温度:880〜960℃ 急冷冷却速度:80〜800℃/min
することにより、一次鍛造によって生じた鍛造ひずみエ
ネルギーを材料内部に残留させたままで時効処理するこ
とができ、この内部エネルギーによってδ相などの析出
物が高密度に析出する。時効処理後は、低温で二次鍛造
を行うことにより、析出物の固溶がない状態で鍛造ひず
みを材料内部に与えることができ、微細な析出物が一様
に分散する。その後、さらに、再結晶溶体化処理、時効
処理を行うと、結晶粒は上記した微細な析出物で成長が
抑制されており、微細な組織が維持されたままで析出強
化がなされ、材料の特性が大幅に向上する。なお、二次
鍛造後の再結晶溶体化、時効処理は、常法により行うこ
とができる。なお、一次鍛造後の急冷は、鍛造ひずみエ
ネルギーが内部に十分に残留するように、水冷以上の冷
却速度で行うのが望ましく、同様の理由で、室温にまで
冷却するのが望ましい。
定理由は以下のとおりである。 (1)一次鍛造温度 一次鍛造では、析出物を完全に固溶させた状態で鍛造す
るように、1100℃以上に加熱して行う。ただし、1
150℃を越えると、延性低下のため前記範囲内とす
る。 (2)急冷冷却速度 一次鍛造後には、鍛造ひずみエネルギーを内部に残留さ
せるように急冷するが、80℃/min未満の冷却速度
では、ひずみエネルギーの残留が十分でなく、また、8
00℃/minを越えると、大型品の場合焼き割れが生
じるため前記範囲内とする。
ために850℃以上で加熱して行う。ただし、950℃
を越えると、再結晶が起こり、結晶が粗大化するため、
上記温度範囲内で行う。なお、同様の理由で900〜9
20℃が一層望ましい。また、処理時間としては、十分
な時効を行うために30時間以上必要であり、また、1
00時間を越えても効果は飽和するので、前記範囲内と
する (4)二次鍛造温度 二次鍛造は、析出相が母相に固溶しないように960℃
以下の低温で行う。ただし、880℃未満では鍛造が困
難になり、十分な加工ひずみを与えることができないの
で、前記温度範囲内で行う。なお、同様の理由で下限を
920℃とするのが一層望ましい。なお、二次鍛造後
も、一次鍛造後と同様の理由で、80〜800℃/mi
nの冷却速度で急冷する。
解して、円柱試験片(鋳塊)を溶製した。発明法では、
図1に示すように、試験片を1140℃に加熱して、ひ
ずみ速度1×10-1sec-1、圧下率40%で、一次鍛
造に相当する圧縮鍛造を行い、その後、Heガスを吹き
付けて室温にまで急冷した(冷却速度約700℃/mi
n)。次いで、この試験片を900℃に加熱して30時
間保持する析出時効処理を行った後、炉冷し、さらに、
960℃に加熱して、ひずみ速度1×10-1sec-1、
圧下率40%で、二次鍛造に相当する圧縮鍛造を行い、
その後、Heガスを吹き付けて室温にまで急冷した(冷
却速度200℃/min)。また比較法では、図2に示
すように、一次鍛造後、放冷し、その他は発明法と同条
件で時効処理、二次鍛造を行った。
について電子線マイクロアナライザによる面分析を行
い、その顕微鏡写真を図3,4に示した。この写真から
明らかなように、発明法によって得られた鍛造品では、
組織中に微細な針状のη相(Ni3Ti)が高い密度で
析出、分散していた。これに対し、比較法では、析出物
の分散密度は低く、またその形状も板状で粗大なもので
あった。
示す。図5,6から明らかなように、本発明法により製
造された供試材は、比較法により製造されたものに比べ
て、十分に細粒化されており、引張強度、疲労特性とも
に優れていた。
製造方法によれば、超合金鋳塊を高温加熱して一次鍛造
した後、急冷し、次いで、析出時効処理を行い、さらに
低温の二次鍛造を行うので、鍛造ひずみエネルギーの活
用によって結晶粒を微細化することができ、析出物元素
の含有が少ない超合金でも強度、疲労特性を確実に向上
させることができる。
示す図である。
る。
示す金属組織写真である(倍率2000倍)。
である。
る(倍率100倍)。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 超合金鋳塊を高温加熱して一次鍛造した
後、急冷し、次いで、析出時効処理を行い、さらに低温
の二次鍛造を行うことを特徴とする超合金材の製造方法 - 【請求項2】 超合金鋳塊を析出物固溶化温度以上に加
熱して一次鍛造した後、水冷以上の冷却速度で再結晶温
度以下に急冷し、次いで、時効処理を行い、さらに析出
物固溶化温度以下で二次鍛造を行うことを特徴とする超
合金材の製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7141399A JPH08311626A (ja) | 1995-05-17 | 1995-05-17 | 超合金材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7141399A JPH08311626A (ja) | 1995-05-17 | 1995-05-17 | 超合金材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08311626A true JPH08311626A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=15291103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7141399A Pending JPH08311626A (ja) | 1995-05-17 | 1995-05-17 | 超合金材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08311626A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000192179A (ja) * | 1998-12-23 | 2000-07-11 | United Technol Corp <Utc> | ダイキャスト部材 |
KR100331153B1 (ko) * | 1999-10-18 | 2002-04-01 | 황해웅 | 니켈-알루미늄합금의 미세조직 열처리방법 |
JP2013513728A (ja) * | 2009-12-10 | 2013-04-22 | スネクマ | インコネル718型ニッケル超合金を製造する方法 |
JP2015193030A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-05 | 大同特殊鋼株式会社 | ディスク形状品の鍛造加工方法 |
-
1995
- 1995-05-17 JP JP7141399A patent/JPH08311626A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000192179A (ja) * | 1998-12-23 | 2000-07-11 | United Technol Corp <Utc> | ダイキャスト部材 |
KR100331153B1 (ko) * | 1999-10-18 | 2002-04-01 | 황해웅 | 니켈-알루미늄합금의 미세조직 열처리방법 |
JP2013513728A (ja) * | 2009-12-10 | 2013-04-22 | スネクマ | インコネル718型ニッケル超合金を製造する方法 |
JP2015193030A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-05 | 大同特殊鋼株式会社 | ディスク形状品の鍛造加工方法 |
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