JPH08319238A - リン酸化酵素阻害剤 - Google Patents
リン酸化酵素阻害剤Info
- Publication number
- JPH08319238A JPH08319238A JP12512895A JP12512895A JPH08319238A JP H08319238 A JPH08319238 A JP H08319238A JP 12512895 A JP12512895 A JP 12512895A JP 12512895 A JP12512895 A JP 12512895A JP H08319238 A JPH08319238 A JP H08319238A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nfκb
- fraction
- kinase
- inhibitor
- compound
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- Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】複数の炎症性サイトカイン遺伝子の転写を抑制
し、ステロイドが惹起するホルモン性の副作用がない、
しかもヒト細胞の増殖に対する影響は少ないがウイルス
の増殖を抑制する医薬品を提供する。 【構成】(1)式で示される化合物またはその塩を有効
成分とするNFκBリン酸化酵素阻害剤。 (式中、X1,X2はH、または(X1,X2)が=O
または=Sであり;X3はHまたはZ;X4はOまたは
S;YはH,OHまたはOZ;R1はHまたはCH3;
R2はHまたはCO2Z;R3はHまたは低級アルキル
基;R4はHまたは低級アルコキシ基;ZはHまたはC
1〜C6の直鎖または分岐低級アルキル基である) 【効果】(1)式の化合物はさらに、臓器移植時の免疫
反応抑制剤、細胞接着を介した炎症に対する抗炎症剤と
して有用である。
し、ステロイドが惹起するホルモン性の副作用がない、
しかもヒト細胞の増殖に対する影響は少ないがウイルス
の増殖を抑制する医薬品を提供する。 【構成】(1)式で示される化合物またはその塩を有効
成分とするNFκBリン酸化酵素阻害剤。 (式中、X1,X2はH、または(X1,X2)が=O
または=Sであり;X3はHまたはZ;X4はOまたは
S;YはH,OHまたはOZ;R1はHまたはCH3;
R2はHまたはCO2Z;R3はHまたは低級アルキル
基;R4はHまたは低級アルコキシ基;ZはHまたはC
1〜C6の直鎖または分岐低級アルキル基である) 【効果】(1)式の化合物はさらに、臓器移植時の免疫
反応抑制剤、細胞接着を介した炎症に対する抗炎症剤と
して有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炎症、ウイルス感染等
の治療に関連した転写調節因子NFκBの活性化能を有
するNFκBリン酸化酵素の阻害剤に関する。
の治療に関連した転写調節因子NFκBの活性化能を有
するNFκBリン酸化酵素の阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】生体が順応できない刺激(起炎性刺激)
に遭遇した時、障害された組織から種々の反応媒介物質
が産生され、炎症が惹起される。中でも種々のサイトカ
インは、自己免疫疾患を始めとする免疫異常に起因する
種々の疾患において、関わっていることが明らかになっ
てきている。例えば、慢性関節リウマチ(RA)患者の
関節液中のIL−6濃度が局所の炎症所見と相関する
(Di Giovine,F.S. ら Rheumatol. Int., 9: 259,(199
0); Rooney, M. ら Rheumatol. Int., 10: 217,(199
0))、血清中の濃度が全身的な疾患活動性と相関する
(Eastgate, J.A.ら Lancet, 8613: 706,(1988) )、I
L−8が関節炎、乾癬、喘息、敗血症等の多くの炎症性
疾患で産生異常が認められている(岡本秀一, 臨床免
疫, 27(Suppl.16): 80-85, (1995) )等のことが明らか
になってきている。
に遭遇した時、障害された組織から種々の反応媒介物質
が産生され、炎症が惹起される。中でも種々のサイトカ
インは、自己免疫疾患を始めとする免疫異常に起因する
種々の疾患において、関わっていることが明らかになっ
てきている。例えば、慢性関節リウマチ(RA)患者の
関節液中のIL−6濃度が局所の炎症所見と相関する
(Di Giovine,F.S. ら Rheumatol. Int., 9: 259,(199
0); Rooney, M. ら Rheumatol. Int., 10: 217,(199
0))、血清中の濃度が全身的な疾患活動性と相関する
(Eastgate, J.A.ら Lancet, 8613: 706,(1988) )、I
L−8が関節炎、乾癬、喘息、敗血症等の多くの炎症性
疾患で産生異常が認められている(岡本秀一, 臨床免
疫, 27(Suppl.16): 80-85, (1995) )等のことが明らか
になってきている。
【0003】これまで多くの抗炎症剤が使用されている
が、種々のサイトカインの産生を抑制するものとして
は、いまだに有効なものは出現していない。NSAID
(非ステロイド抗炎症剤)類は、アラキドン酸代謝にお
いてシクロオキシゲナーゼを阻害することにより、プロ
スタグランジンの産生を抑制するのみで直接サイトカイ
ンの産生は阻害しない。ステロイド類は、複数のサイト
カインの産生を抑制はするが、ホルモン性の副作用が大
きい。また、サイトカイン抗体あるいはIL−1受容体
アンタゴニストの類は、特定のサイトカインの活性を抑
制するが複数のサイトカインの機能を直接抑制すること
はできない。
が、種々のサイトカインの産生を抑制するものとして
は、いまだに有効なものは出現していない。NSAID
(非ステロイド抗炎症剤)類は、アラキドン酸代謝にお
いてシクロオキシゲナーゼを阻害することにより、プロ
スタグランジンの産生を抑制するのみで直接サイトカイ
ンの産生は阻害しない。ステロイド類は、複数のサイト
カインの産生を抑制はするが、ホルモン性の副作用が大
きい。また、サイトカイン抗体あるいはIL−1受容体
アンタゴニストの類は、特定のサイトカインの活性を抑
制するが複数のサイトカインの機能を直接抑制すること
はできない。
【0004】最近、IL−6、IL−8等の炎症に関わ
るサイトカイン(以下、炎症性サイトカインと呼ぶ)の
遺伝子解析が進み、これらが共通の転写調節因子で制御
されていることが明らかになってきた(Shimizu, H. ら
Mol.Cell.Biol.,10: 561-568,(1990); Zhang, Y. ら M
ol.Cell.Biol.,10: 3818-3823,(1990); Liebermann,T.
ら Mol.Cell.Biol.,10: 2327-2334,(1990); Kunsch, C.
ら Mol.Cell.Biol.,13: 6137-6146,(1993))。この転写
調節因子が、ヌクレアファクターカッパービー(NFκ
B)と呼ばれている蛋白質である(Sen, R. ら Cell 4
6: 705-716 (1986); Baeuerle, P.A.ら Genes Dev. 3:
1689-1698 (1989); Lenardo, M.J.ら Cell 58: 227-229
(1989))。
るサイトカイン(以下、炎症性サイトカインと呼ぶ)の
遺伝子解析が進み、これらが共通の転写調節因子で制御
されていることが明らかになってきた(Shimizu, H. ら
Mol.Cell.Biol.,10: 561-568,(1990); Zhang, Y. ら M
ol.Cell.Biol.,10: 3818-3823,(1990); Liebermann,T.
ら Mol.Cell.Biol.,10: 2327-2334,(1990); Kunsch, C.
ら Mol.Cell.Biol.,13: 6137-6146,(1993))。この転写
調節因子が、ヌクレアファクターカッパービー(NFκ
B)と呼ばれている蛋白質である(Sen, R. ら Cell 4
6: 705-716 (1986); Baeuerle, P.A.ら Genes Dev. 3:
1689-1698 (1989); Lenardo, M.J.ら Cell 58: 227-229
(1989))。
【0005】一般的に、転写調節因子は遺伝子の上流側
に存在するプロモーターあるいはエンハンサー部分に結
合する蛋白質で、複数の因子によって下流の遺伝子の転
写を調節している。NFκBは、1986年にSenらによ
り同定された蛋白質で(Sen, R. ら Cell46: 705-716
(1986))、p50とp65の2つのサブユニットからな
り、IL−2受容体α鎖,T細胞受容体β等の受容体、
IFNβ,IL−2,IL−6,IL−8,GM−CS
F,G−CSF,TNFα,リンホトキシン等のサイト
カインの発現誘導を担っていることが明らかになってき
ている(細胞増殖の制御 南江堂:p161-175 (1993))。
さらにNFκBは、ICAM−1(Voraberger, G.らIm
munol. 147: 2777-2786 (1991) )、ELAM−1(Whe
lan, J.ら Nucleic Acids Res. 19: 2645-2653 (199
1))等、炎症反応に深く関与している細胞接着分子の発
現にも関与している。これらの細胞接着分子に関して
は、中和抗体で機能を抑制することにより炎症症状が改
善すること、さらには臓器移植時の拒絶反応の制御にも
使えることが明らかになってきている(特開平6−20
9778;細胞工学 別冊 接着分子ハンドブック 秀
潤社:p139-144,p229-234, (1994); Isobe, M. ら Scien
ce ,255: 1125-1127 (1992) )。
に存在するプロモーターあるいはエンハンサー部分に結
合する蛋白質で、複数の因子によって下流の遺伝子の転
写を調節している。NFκBは、1986年にSenらによ
り同定された蛋白質で(Sen, R. ら Cell46: 705-716
(1986))、p50とp65の2つのサブユニットからな
り、IL−2受容体α鎖,T細胞受容体β等の受容体、
IFNβ,IL−2,IL−6,IL−8,GM−CS
F,G−CSF,TNFα,リンホトキシン等のサイト
カインの発現誘導を担っていることが明らかになってき
ている(細胞増殖の制御 南江堂:p161-175 (1993))。
さらにNFκBは、ICAM−1(Voraberger, G.らIm
munol. 147: 2777-2786 (1991) )、ELAM−1(Whe
lan, J.ら Nucleic Acids Res. 19: 2645-2653 (199
1))等、炎症反応に深く関与している細胞接着分子の発
現にも関与している。これらの細胞接着分子に関して
は、中和抗体で機能を抑制することにより炎症症状が改
善すること、さらには臓器移植時の拒絶反応の制御にも
使えることが明らかになってきている(特開平6−20
9778;細胞工学 別冊 接着分子ハンドブック 秀
潤社:p139-144,p229-234, (1994); Isobe, M. ら Scien
ce ,255: 1125-1127 (1992) )。
【0006】ところで、NFκBはエイズウイルス(H
IV)、成人T細胞白血病細胞の原因ウイルス(HTL
V−1)、サイトメガロウイルス(CMV)等の宿主内
増殖にも関与していることが明らかになってきた(Lena
rdo, M.J. ら Cell 58: 227-229 (1989); 藤沢順一ら,
実験医学,11: 1073-1079,(1993); Sambucetti, LC.らEM
BO J.,8: 4251-4258 (1989); Kowalik, TF.ら Proc Nat
l Acad Sci USA, 90:1107-1111,(1993); Boldogh, I.ら
Biochem Biophys Res Commun 197: 1505-1510 (1993)
)。すなわち、HIV、HTLV−1は感染後、ヒト
細胞内においてヒトのNFκBを使用して、自らの遺伝
子増殖を行っているのである。
IV)、成人T細胞白血病細胞の原因ウイルス(HTL
V−1)、サイトメガロウイルス(CMV)等の宿主内
増殖にも関与していることが明らかになってきた(Lena
rdo, M.J. ら Cell 58: 227-229 (1989); 藤沢順一ら,
実験医学,11: 1073-1079,(1993); Sambucetti, LC.らEM
BO J.,8: 4251-4258 (1989); Kowalik, TF.ら Proc Nat
l Acad Sci USA, 90:1107-1111,(1993); Boldogh, I.ら
Biochem Biophys Res Commun 197: 1505-1510 (1993)
)。すなわち、HIV、HTLV−1は感染後、ヒト
細胞内においてヒトのNFκBを使用して、自らの遺伝
子増殖を行っているのである。
【0007】現在エイズの発症メカニズムとしては、H
IVの盛んな増殖がエイズ発症の最大の要因であること
が示唆されており(Pantaleo, G.ら, Nature 362: 355-
358(1993) ; Embretson, J.ら, Nature 362: 359-362
(1993))、HIVの増殖を抑制する治療薬の開発が進め
られている。AZT等の逆転写酵素阻害剤、プロテアー
ゼ阻害剤等が試みられているが、強い毒性の出現や耐性
株の出現等(Larder,B.A., Science 243, 1731, (198
9); Concorder Coordinating Committee, Lancet 343,
871, (1993))でまだ有効な治療薬は見出されていない
のが現状である。
IVの盛んな増殖がエイズ発症の最大の要因であること
が示唆されており(Pantaleo, G.ら, Nature 362: 355-
358(1993) ; Embretson, J.ら, Nature 362: 359-362
(1993))、HIVの増殖を抑制する治療薬の開発が進め
られている。AZT等の逆転写酵素阻害剤、プロテアー
ゼ阻害剤等が試みられているが、強い毒性の出現や耐性
株の出現等(Larder,B.A., Science 243, 1731, (198
9); Concorder Coordinating Committee, Lancet 343,
871, (1993))でまだ有効な治療薬は見出されていない
のが現状である。
【0008】したがって、この転写調節因子NFκBの
機能を阻害する化合物は、上記のウイルスの遺伝子発現
を抑制することができ、優れた抗ウイルス剤となり得る
と期待される。NFκBは、休止期の細胞では細胞質に
局在し、NFκBの阻害物質であるIκB(inhibitor
ofNFκB)との複合体を形成して不活性の状態で存在
している(Baeuerle, P.A., ら Science 242: 540-546
(1988); Zabel, U. ら Cell 61: 255-265 (1990))。細
胞に刺激が加わりNFκBが活性化する場合、NFκB
・IκB複合体に対してプロテインキナーゼC(以下、
PKCと呼ぶ)が作用し、IκBをリン酸化することに
より複合体よりIκBを分離し、NFκBを核内へ移行
させる機構が働くことが、in vitroの実験結果から提唱
されている(Ghosh, S. ら Nature 344: 678-682 (199
0) )。しかし、NFκBの活性化はPKCを阻害する
条件でも起こることが示されている(Meichle, A. ら,
J. Biol. Chem. 265:8339-8343 (1990); Schutze, S
ら, Cell 71: 765-776 (1992) )ことから、NFκBの
活性化についてはいまだに解明されていない。
機能を阻害する化合物は、上記のウイルスの遺伝子発現
を抑制することができ、優れた抗ウイルス剤となり得る
と期待される。NFκBは、休止期の細胞では細胞質に
局在し、NFκBの阻害物質であるIκB(inhibitor
ofNFκB)との複合体を形成して不活性の状態で存在
している(Baeuerle, P.A., ら Science 242: 540-546
(1988); Zabel, U. ら Cell 61: 255-265 (1990))。細
胞に刺激が加わりNFκBが活性化する場合、NFκB
・IκB複合体に対してプロテインキナーゼC(以下、
PKCと呼ぶ)が作用し、IκBをリン酸化することに
より複合体よりIκBを分離し、NFκBを核内へ移行
させる機構が働くことが、in vitroの実験結果から提唱
されている(Ghosh, S. ら Nature 344: 678-682 (199
0) )。しかし、NFκBの活性化はPKCを阻害する
条件でも起こることが示されている(Meichle, A. ら,
J. Biol. Chem. 265:8339-8343 (1990); Schutze, S
ら, Cell 71: 765-776 (1992) )ことから、NFκBの
活性化についてはいまだに解明されていない。
【0009】最近、NFκBを活性化するとNFκB自
身がリン酸化されることが明らかになってきた(Mellit
s, K.H.,ら Nucleic Acids Res. 21: 5059-5066 (199
3); Hayashi, T.,ら J. Biol. Chem. 268: 26790-26795
(1993); Naumann, M., ら EMBO J. 13: 4597-4607 (19
94); Diehl, J.A., ら J. Biol. Chem. 270: 2703-2707
(1995) )。このNFκBをリン酸化する酵素(以下、
NFκBリン酸化酵素と呼ぶ)によりNFκBがリン酸
化を受けると、DNAに結合するようになることも確認
されている(Hayashi, T.,ら J. Biol. Chem. 268: 267
90-26795 (1993);Naumann, M., ら EMBO J. 13: 4597-4
607 (1994) )。
身がリン酸化されることが明らかになってきた(Mellit
s, K.H.,ら Nucleic Acids Res. 21: 5059-5066 (199
3); Hayashi, T.,ら J. Biol. Chem. 268: 26790-26795
(1993); Naumann, M., ら EMBO J. 13: 4597-4607 (19
94); Diehl, J.A., ら J. Biol. Chem. 270: 2703-2707
(1995) )。このNFκBをリン酸化する酵素(以下、
NFκBリン酸化酵素と呼ぶ)によりNFκBがリン酸
化を受けると、DNAに結合するようになることも確認
されている(Hayashi, T.,ら J. Biol. Chem. 268: 267
90-26795 (1993);Naumann, M., ら EMBO J. 13: 4597-4
607 (1994) )。
【0010】NFκBリン酸化酵素としてNFκBキナ
ーゼが知られている(Hayashi, T.,ら J. Biol. Chem.
268: 26790-26795 (1993) )。本酵素は、大量培養した
ヒト末梢血リンパ球の細胞質画分から精製される、AT
Pとの結合反応から推定される分子量が43kDaの蛋
白リン酸化酵素であり、NFκBのサブユニットp50
とp65、両方のセリン残基をリン酸化しNFκBを活
性化するものである。NFκBキナーゼをATPと共に
30℃でインキュベートすると、NFκBがDNAと結
合できるようになることがEMSA(Electrophoresis
Mobility ShiftAssay)の実験結果から示されている。
ーゼが知られている(Hayashi, T.,ら J. Biol. Chem.
268: 26790-26795 (1993) )。本酵素は、大量培養した
ヒト末梢血リンパ球の細胞質画分から精製される、AT
Pとの結合反応から推定される分子量が43kDaの蛋
白リン酸化酵素であり、NFκBのサブユニットp50
とp65、両方のセリン残基をリン酸化しNFκBを活
性化するものである。NFκBキナーゼをATPと共に
30℃でインキュベートすると、NFκBがDNAと結
合できるようになることがEMSA(Electrophoresis
Mobility ShiftAssay)の実験結果から示されている。
【0011】本酵素を抑制する阻害剤が得られれば、N
FκBを介した疾患に対する治療が可能になると考えら
れる。すなわち、複数の炎症性サイトカイン遺伝子の転
写を抑制し、ステロイドが惹起するホルモン性の副作用
がない、しかもヒト細胞の増殖に対する影響は少ないが
ウイルスの増殖を抑制する医薬品、さらには、臓器移植
の際に用いる免疫抑制剤、細胞接着を介した炎症等に対
する抗炎症剤としての臨床応用が考えられる。
FκBを介した疾患に対する治療が可能になると考えら
れる。すなわち、複数の炎症性サイトカイン遺伝子の転
写を抑制し、ステロイドが惹起するホルモン性の副作用
がない、しかもヒト細胞の増殖に対する影響は少ないが
ウイルスの増殖を抑制する医薬品、さらには、臓器移植
の際に用いる免疫抑制剤、細胞接着を介した炎症等に対
する抗炎症剤としての臨床応用が考えられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本考案は、上記観点か
らなされたものであり、複数の炎症性サイトカイン遺伝
子の転写を抑制し、ホルモン性の副作用のない、しかも
ヒト細胞の増殖に対する影響は少ないがウイルスの増殖
を抑制する医薬品の開発を最終的な目的とし、そのため
のNFκBリン酸化酵素阻害剤を提供することを課題と
する。
らなされたものであり、複数の炎症性サイトカイン遺伝
子の転写を抑制し、ホルモン性の副作用のない、しかも
ヒト細胞の増殖に対する影響は少ないがウイルスの増殖
を抑制する医薬品の開発を最終的な目的とし、そのため
のNFκBリン酸化酵素阻害剤を提供することを課題と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記NF
κBリン酸化酵素阻害物質に関し、鋭意検索を行ったと
ころ、(1)式で示される化合物にNFκBリン酸化酵
素を強力に阻害する活性が存在することを見出し、本発
明を完成した。すなわち、本発明の目的は、(1)式で
示される化合物またはその塩を有効成分とするNFκB
リン酸化酵素阻害剤を提供することである。
κBリン酸化酵素阻害物質に関し、鋭意検索を行ったと
ころ、(1)式で示される化合物にNFκBリン酸化酵
素を強力に阻害する活性が存在することを見出し、本発
明を完成した。すなわち、本発明の目的は、(1)式で
示される化合物またはその塩を有効成分とするNFκB
リン酸化酵素阻害剤を提供することである。
【0014】本発明者は、NFκBリン酸化酵素、とり
わけNFκBキナーゼ(推定分子量43kDa)の阻害
剤でNFκBの活性化を抑制し、複数の炎症性サイトカ
イン遺伝子の転写を抑制し、ステロイドが惹起するホル
モン性の副作用のない、しかもヒト細胞の増殖に対する
影響は少ないがウイルスの増殖を抑制する物質を検索し
た。
わけNFκBキナーゼ(推定分子量43kDa)の阻害
剤でNFκBの活性化を抑制し、複数の炎症性サイトカ
イン遺伝子の転写を抑制し、ステロイドが惹起するホル
モン性の副作用のない、しかもヒト細胞の増殖に対する
影響は少ないがウイルスの増殖を抑制する物質を検索し
た。
【0015】NFκBリン酸化酵素は、例えば上記文献
に従って、種々の細胞から抽出することができる。特
に、NFκBキナーゼは、林らの方法(Hayashi T.ら
J. Biol.Chem., 268: 26790 (1993) )に従ってヒトの
T細胞からNFκBとの複合体として得ることができ
る。すなわち、ヘパリン添加ヒト末梢血よりPBMC画
分を回収し、培地(RPMI−1640)で洗浄の後、
必要に応じて培養を行い、その後細胞を回収する。細胞
をダンスホモジナイザー等にて破砕し、10,000
g,10分,4℃の遠心により上清を回収する。この上
清を100,000g,30分の遠心により上清を回収
し、S100画分とする。S100画分を適当な緩衝液
に対して透析し、陰イオン交換、陽イオン交換、各種ア
フィニティー、ゲルろ過、密度勾配遠心等を用いて分離
を行う。NFκBキナーゼはNFκBと複合体を形成し
ていることから、EMSA(Electrophoresis Mobility
Shift Assay)により含まれている画分を決定すること
ができる。
に従って、種々の細胞から抽出することができる。特
に、NFκBキナーゼは、林らの方法(Hayashi T.ら
J. Biol.Chem., 268: 26790 (1993) )に従ってヒトの
T細胞からNFκBとの複合体として得ることができ
る。すなわち、ヘパリン添加ヒト末梢血よりPBMC画
分を回収し、培地(RPMI−1640)で洗浄の後、
必要に応じて培養を行い、その後細胞を回収する。細胞
をダンスホモジナイザー等にて破砕し、10,000
g,10分,4℃の遠心により上清を回収する。この上
清を100,000g,30分の遠心により上清を回収
し、S100画分とする。S100画分を適当な緩衝液
に対して透析し、陰イオン交換、陽イオン交換、各種ア
フィニティー、ゲルろ過、密度勾配遠心等を用いて分離
を行う。NFκBキナーゼはNFκBと複合体を形成し
ていることから、EMSA(Electrophoresis Mobility
Shift Assay)により含まれている画分を決定すること
ができる。
【0016】EMSAはSenらの方法(Sen, R. ら C
ell 46: 705-716 (1986))を参考にして、以下のように
して行うことができる。ただし、これは一例でありこの
方法にこだわらない。すなわち、10mM塩化マグネシ
ウム(MgCl2 )、5mMジチオスレイトール(DTT )、
50mMトリス塩酸緩衝液(Tris-HCl)(pH8.0)
に、7.05pmolNFκBコンセンサスオリゴヌク
レオチド(以下、NFκBオリゴと呼ぶ)(Promega 社
製)、10unitT4ポリヌクレオチドキナーゼ(NE
W ENGLAND 社製)、222TBq/mmol濃度の[γ
−32P]ATPを1.85MBq添加し最終的に25μ
lとする。37℃で30分間インキュベートした後に、
1mMEDTA、10mMTris−HCl(pH8.
0)を25μl加え、クイックスピンカラムG−25
(ベーリンガー・マンハイム山之内(株)製)を用い、
1,100gで2分間遠心し放射線標識の入ったNFκ
Bオリゴを分離する。100mM塩化ナトリウム(Na
Cl)、2mMEDTA、20mMDTT、10%グリ
セロール、0.24%ノニデットP−40(NP−4
0)、0.16%デオキシコレート(DOC)を含む2
mMTris−HCl(pH7.5) 10μlに、1
μg/μl濃度のpoly(dI−dC)poly(d
I−dC)(ファルマシア バイオテク(株)製)を2
μl加え、試料2μlを加える。さらに上記で調製した
NFκBオリゴを1万cpmになるように添加し最終的
に20μlにする。室温で1時間インキューベートした
後に、4%アクリルアミドゲルよりなるネイティブゲル
電気泳動法により分離し、オートラジオグラフィーにて
NFκBオリゴと結合する画分を決定する。この画分が
NFκB・NFκBキナーゼ複合体が含まれている画分
である。
ell 46: 705-716 (1986))を参考にして、以下のように
して行うことができる。ただし、これは一例でありこの
方法にこだわらない。すなわち、10mM塩化マグネシ
ウム(MgCl2 )、5mMジチオスレイトール(DTT )、
50mMトリス塩酸緩衝液(Tris-HCl)(pH8.0)
に、7.05pmolNFκBコンセンサスオリゴヌク
レオチド(以下、NFκBオリゴと呼ぶ)(Promega 社
製)、10unitT4ポリヌクレオチドキナーゼ(NE
W ENGLAND 社製)、222TBq/mmol濃度の[γ
−32P]ATPを1.85MBq添加し最終的に25μ
lとする。37℃で30分間インキュベートした後に、
1mMEDTA、10mMTris−HCl(pH8.
0)を25μl加え、クイックスピンカラムG−25
(ベーリンガー・マンハイム山之内(株)製)を用い、
1,100gで2分間遠心し放射線標識の入ったNFκ
Bオリゴを分離する。100mM塩化ナトリウム(Na
Cl)、2mMEDTA、20mMDTT、10%グリ
セロール、0.24%ノニデットP−40(NP−4
0)、0.16%デオキシコレート(DOC)を含む2
mMTris−HCl(pH7.5) 10μlに、1
μg/μl濃度のpoly(dI−dC)poly(d
I−dC)(ファルマシア バイオテク(株)製)を2
μl加え、試料2μlを加える。さらに上記で調製した
NFκBオリゴを1万cpmになるように添加し最終的
に20μlにする。室温で1時間インキューベートした
後に、4%アクリルアミドゲルよりなるネイティブゲル
電気泳動法により分離し、オートラジオグラフィーにて
NFκBオリゴと結合する画分を決定する。この画分が
NFκB・NFκBキナーゼ複合体が含まれている画分
である。
【0017】この画分を回収して酵素阻害剤の評価に供
する。この画分に、NFκBキナーゼが存在しているこ
とは、リン酸化反応により約65kDaの位置にリン酸
化されたバンドが検出されることより明らかである。今
回検索した化合物の中には、他のセリン・トレオニンキ
ナーゼ、例えばPKC、プロテインキナーゼA(以下、
PKAと呼ぶ)、プロテインキナーゼG(以下、PKG
と呼ぶ)、ミオシン軽鎖キナーゼ(以下、MLCKと呼
ぶ)、Ca2+/カルモデュリン依存性キナーゼ(以下、
CaMKIIと呼ぶ)に対する阻害活性が調べられてい
るものも存在しており、それぞれの活性は表1に示した
通りである(Kase H.,ら Biochem. Biophys. Res. Comm
un.,142: 436 (1987); Nakanishi S.,ら J. Biol. Che
m.,263: 6215 (1988); Hashimoto Y., ら Biochem. Bio
phys. Res. Commun.,181: 423 (1991);中西聡生体の科
学,40: 364 (1989); Nakanishi S.,ら Mol. Pharmaco
l.,37: 482 (1990) )。
する。この画分に、NFκBキナーゼが存在しているこ
とは、リン酸化反応により約65kDaの位置にリン酸
化されたバンドが検出されることより明らかである。今
回検索した化合物の中には、他のセリン・トレオニンキ
ナーゼ、例えばPKC、プロテインキナーゼA(以下、
PKAと呼ぶ)、プロテインキナーゼG(以下、PKG
と呼ぶ)、ミオシン軽鎖キナーゼ(以下、MLCKと呼
ぶ)、Ca2+/カルモデュリン依存性キナーゼ(以下、
CaMKIIと呼ぶ)に対する阻害活性が調べられてい
るものも存在しており、それぞれの活性は表1に示した
通りである(Kase H.,ら Biochem. Biophys. Res. Comm
un.,142: 436 (1987); Nakanishi S.,ら J. Biol. Che
m.,263: 6215 (1988); Hashimoto Y., ら Biochem. Bio
phys. Res. Commun.,181: 423 (1991);中西聡生体の科
学,40: 364 (1989); Nakanishi S.,ら Mol. Pharmaco
l.,37: 482 (1990) )。
【0018】
【表1】
【0019】これらの化合物は、表1のように各種リン
酸化酵素に対して阻害活性を示すが、それぞれ特異性を
有しており、すべてのリン酸化酵素に対して、阻害活性
を示すわけではない。本発明で使用する(1)式で示さ
れる化合物を得るには、例えば、9,10,11,12
−テトラヒドロ−9,12−エポキシ−1H−ジインド
ロ[1,2,3−fg:3’,2’,1’−kl]−ピ
ロロ−[3,4−i][1,6]−ベンゾジアゾシン−
1,3(2H)−ジオン(化合物1と呼ぶ)は特開平3
−58990の方法を用いれば合成できる。さらに、特
開昭62−155284、特開昭63−295588、
特開昭63−295589、特開平3−58990、特
表平6−503837に記載の方法に従い、また、So
mei,M.らの方法(Somei, M. ら Heterocycles 3
4: 1285-1288 (1992))、Augustin,M.らの
方法(Augustin, M.ら Tetrohedron 40: 3499 (1984))
に準じて合成すればよい。特に以下の化合物について
は、試薬として市販品が入手可能である。K−252a
(X1 =X2 =H;X3 =H;X4 =O;Y=OH;R
1 =CH3 ;R2 =CO2 CH3 ;R3 =H;R4 =
H)(2,3,9,10,11,12-Hexahydro-10-hydroxy-9-methyl
-1-oxo-,methyl ester,(9.alpha.,10.beta.,12.alpha.)
-9,12-epoxy-1H-diindolo[1,2,3-fg:3',2',1'-kl]pyrro
lo[3,4-i][1,6]benzodiazocine-10-carboxylic acid )
(Calbiochem-Novabiochem社製),K−252b(X1
=X2 =H;X3 =H;X4 =O;Y=OH;R1 =C
H3 ;R2 =CO2 H;R3=H;R4 =H)(2,3,9,1
0,11,12-Hexahydro-10-hydroxy-9-methyl-1-oxo-,(9.al
pha.,10.beta.,12.alpha.)-9,12-epoxy-1H-diindolo[1,
2,3-fg:3',2',1'-kl]pyrrolo[3,4-i][1,6]benzodiazoci
ne-10-carboxylic acid)(Biomol ResearchLaboratori
es社製),KT5720(X1 =X2 =H;X3 =H;
X4 =O;Y=OH;R1 =CH3 ;R2 =CO2 (C
H2 )5 CH3 ;R3 =H;R4 =H)(2,3,9,10,11,
12-Hexahydro-10-hydroxy-9-methyl-1-oxo-,hexyl este
r,(9.alpha.,10.beta.,12.alpha.)-9,12-epoxy-1H-diin
dolo[1,2,3-fg:3',2',1'-kl]pyrrolo[3,4-i][1,6]benzo
diazocine-10-carboxylic acid)(Biomol Research La
boratories社製),KT5823(X1 =X2 =H;X
3 =CH3 ;X4 =O;Y=OCH3 ;R1 =CH3 ;
R2 =CO2 CH3 ;R3 =H;R4 =H)(2,3,9,1
0,11,12-Hexahydro-10-methoxy-2,9-dimethyl-1-oxo-,m
ethyl ester,[9R-(9.alpha.,10.beta.,12.alpha.)]-9,1
2-epoxy-1H-diindolo[1,2,3-fg:3',2',1'-kl]pyrrolo
[3,4-i][1,6]benzodiazocine-10-carboxylic acid)(B
iomol Research Laboratories社製),KT5926
(X1 =X2 =H;X3 =H;X4 =O;Y=OH;R
1 =CH3 ;R2 =CO2 CH3 ;R3 =H;R4 =O
(CH2 )2 CH3 )(2,3,9,10,11,12-Hexahydro-10-
hydroxy-9-methyl-1-oxo-16-propoxy-,methyl ester,
(9.alpha.,10.beta.,12.alpha.)-(-)-9,12-epoxy-1H-di
indolo[1,2,3-fg:3',2',1'-kl]pyrrolo[3,4-i][1,6]ben
zodiazocine-10-carboxylic acid)(Biomol Research
Laboratories社製)。
酸化酵素に対して阻害活性を示すが、それぞれ特異性を
有しており、すべてのリン酸化酵素に対して、阻害活性
を示すわけではない。本発明で使用する(1)式で示さ
れる化合物を得るには、例えば、9,10,11,12
−テトラヒドロ−9,12−エポキシ−1H−ジインド
ロ[1,2,3−fg:3’,2’,1’−kl]−ピ
ロロ−[3,4−i][1,6]−ベンゾジアゾシン−
1,3(2H)−ジオン(化合物1と呼ぶ)は特開平3
−58990の方法を用いれば合成できる。さらに、特
開昭62−155284、特開昭63−295588、
特開昭63−295589、特開平3−58990、特
表平6−503837に記載の方法に従い、また、So
mei,M.らの方法(Somei, M. ら Heterocycles 3
4: 1285-1288 (1992))、Augustin,M.らの
方法(Augustin, M.ら Tetrohedron 40: 3499 (1984))
に準じて合成すればよい。特に以下の化合物について
は、試薬として市販品が入手可能である。K−252a
(X1 =X2 =H;X3 =H;X4 =O;Y=OH;R
1 =CH3 ;R2 =CO2 CH3 ;R3 =H;R4 =
H)(2,3,9,10,11,12-Hexahydro-10-hydroxy-9-methyl
-1-oxo-,methyl ester,(9.alpha.,10.beta.,12.alpha.)
-9,12-epoxy-1H-diindolo[1,2,3-fg:3',2',1'-kl]pyrro
lo[3,4-i][1,6]benzodiazocine-10-carboxylic acid )
(Calbiochem-Novabiochem社製),K−252b(X1
=X2 =H;X3 =H;X4 =O;Y=OH;R1 =C
H3 ;R2 =CO2 H;R3=H;R4 =H)(2,3,9,1
0,11,12-Hexahydro-10-hydroxy-9-methyl-1-oxo-,(9.al
pha.,10.beta.,12.alpha.)-9,12-epoxy-1H-diindolo[1,
2,3-fg:3',2',1'-kl]pyrrolo[3,4-i][1,6]benzodiazoci
ne-10-carboxylic acid)(Biomol ResearchLaboratori
es社製),KT5720(X1 =X2 =H;X3 =H;
X4 =O;Y=OH;R1 =CH3 ;R2 =CO2 (C
H2 )5 CH3 ;R3 =H;R4 =H)(2,3,9,10,11,
12-Hexahydro-10-hydroxy-9-methyl-1-oxo-,hexyl este
r,(9.alpha.,10.beta.,12.alpha.)-9,12-epoxy-1H-diin
dolo[1,2,3-fg:3',2',1'-kl]pyrrolo[3,4-i][1,6]benzo
diazocine-10-carboxylic acid)(Biomol Research La
boratories社製),KT5823(X1 =X2 =H;X
3 =CH3 ;X4 =O;Y=OCH3 ;R1 =CH3 ;
R2 =CO2 CH3 ;R3 =H;R4 =H)(2,3,9,1
0,11,12-Hexahydro-10-methoxy-2,9-dimethyl-1-oxo-,m
ethyl ester,[9R-(9.alpha.,10.beta.,12.alpha.)]-9,1
2-epoxy-1H-diindolo[1,2,3-fg:3',2',1'-kl]pyrrolo
[3,4-i][1,6]benzodiazocine-10-carboxylic acid)(B
iomol Research Laboratories社製),KT5926
(X1 =X2 =H;X3 =H;X4 =O;Y=OH;R
1 =CH3 ;R2 =CO2 CH3 ;R3 =H;R4 =O
(CH2 )2 CH3 )(2,3,9,10,11,12-Hexahydro-10-
hydroxy-9-methyl-1-oxo-16-propoxy-,methyl ester,
(9.alpha.,10.beta.,12.alpha.)-(-)-9,12-epoxy-1H-di
indolo[1,2,3-fg:3',2',1'-kl]pyrrolo[3,4-i][1,6]ben
zodiazocine-10-carboxylic acid)(Biomol Research
Laboratories社製)。
【0020】このようにして得られた化合物を有効成分
として、NFκBキナーゼ阻害剤を製造することも可能
ではあるが、更に、シリカゲルカラムや逆相系カラムな
どの公知の精製手段を用いて精製し、得られた化合物を
有効成分としてNFκBキナーゼ阻害剤とすることが好
ましい。かくして得られる(1)式で示される化合物
が、NFκBキナーゼを阻害することは、NFκBキナ
ーゼによるp50またはp65のリン酸化度を測定して
検出することができる。以下に、一つの方法の例を示
す。
として、NFκBキナーゼ阻害剤を製造することも可能
ではあるが、更に、シリカゲルカラムや逆相系カラムな
どの公知の精製手段を用いて精製し、得られた化合物を
有効成分としてNFκBキナーゼ阻害剤とすることが好
ましい。かくして得られる(1)式で示される化合物
が、NFκBキナーゼを阻害することは、NFκBキナ
ーゼによるp50またはp65のリン酸化度を測定して
検出することができる。以下に、一つの方法の例を示
す。
【0021】被験化合物をジメチルスルホキサイド(以
下、DMSOと呼ぶ)に10mMになるように溶解し、
これを原液溶液として、蒸留水で希釈して100μM,
10μM,1μM,100nMの溶液を調製する。比較
のためDMSOを蒸留水で同濃度になるように希釈した
ものを用意する。10mMMgCl2 、3mM塩化マン
ガン(MnCl2 )、5mMDTT、0.5mMATP
及び精製したNFκB・NFκBキナーゼ複合体を一定
量含む20mMのN−2−ハイドロキシエチルピペラジ
ノ−N−2−エタンスルホン酸緩衝液(以下、HEPE
Sと呼ぶ)(pH7.8)に、3,000Ci/mmo
l濃度の[γ-32 P]ATPを10μCi添加し最終的
に10μlとする。30℃で30分間インキュベートし
た後、SDSサンプルバッファー10μlを加えて反応
を停止させる。この液を100℃で5分間沸騰させた
後、7. 5%アクリルアミドよりなるSDSゲル電気泳
動法により分画する。次にオートラジオグラフィーで、
65kDaのNFκBp65サブユニットの位置を確認
し、その部分をBAS−2000バイオ・イメージング
アナライザー(富士写真フイルム(株)製)を用いて放
射能を測定する。阻害化合物を添加しないDMSO溶液
の反応による放射能の量を対照に、その低下率により阻
害活性を求めることができる。
下、DMSOと呼ぶ)に10mMになるように溶解し、
これを原液溶液として、蒸留水で希釈して100μM,
10μM,1μM,100nMの溶液を調製する。比較
のためDMSOを蒸留水で同濃度になるように希釈した
ものを用意する。10mMMgCl2 、3mM塩化マン
ガン(MnCl2 )、5mMDTT、0.5mMATP
及び精製したNFκB・NFκBキナーゼ複合体を一定
量含む20mMのN−2−ハイドロキシエチルピペラジ
ノ−N−2−エタンスルホン酸緩衝液(以下、HEPE
Sと呼ぶ)(pH7.8)に、3,000Ci/mmo
l濃度の[γ-32 P]ATPを10μCi添加し最終的
に10μlとする。30℃で30分間インキュベートし
た後、SDSサンプルバッファー10μlを加えて反応
を停止させる。この液を100℃で5分間沸騰させた
後、7. 5%アクリルアミドよりなるSDSゲル電気泳
動法により分画する。次にオートラジオグラフィーで、
65kDaのNFκBp65サブユニットの位置を確認
し、その部分をBAS−2000バイオ・イメージング
アナライザー(富士写真フイルム(株)製)を用いて放
射能を測定する。阻害化合物を添加しないDMSO溶液
の反応による放射能の量を対照に、その低下率により阻
害活性を求めることができる。
【0022】(1)式で示される化合物は、常法により
製剤化することができる。すなわち、(1)式で示され
る化合物と医薬用に用いられる種々の担体、および必要
により本発明阻害剤に悪影響を与えない安定剤、防腐
剤、乳化剤等を組合せることにより製剤化することがで
きる。また、本発明のNFκBリン酸化酵素阻害剤は、
注射、経口など従来公知の方法により投与することが可
能であるが、循環器系の疾病やエイズ・癌の予防・治療
という観点からは、経口投与によることが好ましく、こ
れに適した製剤形態としては、粉末剤、顆粒剤、錠剤等
が挙げられる。
製剤化することができる。すなわち、(1)式で示され
る化合物と医薬用に用いられる種々の担体、および必要
により本発明阻害剤に悪影響を与えない安定剤、防腐
剤、乳化剤等を組合せることにより製剤化することがで
きる。また、本発明のNFκBリン酸化酵素阻害剤は、
注射、経口など従来公知の方法により投与することが可
能であるが、循環器系の疾病やエイズ・癌の予防・治療
という観点からは、経口投与によることが好ましく、こ
れに適した製剤形態としては、粉末剤、顆粒剤、錠剤等
が挙げられる。
【0023】なお、製剤中における(1)式で示される
化合物の含量は、製剤全体に対して0.1〜95%、好
ましくは1〜60%程度であり、また、投与量として
は、投与の目的、疾患の程度によっても異なるが、一般
には大人1日当り0.01〜1000mg程度とするこ
とが好ましい。
化合物の含量は、製剤全体に対して0.1〜95%、好
ましくは1〜60%程度であり、また、投与量として
は、投与の目的、疾患の程度によっても異なるが、一般
には大人1日当り0.01〜1000mg程度とするこ
とが好ましい。
【0024】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に述べ
るが、これに限定されるものではない。
るが、これに限定されるものではない。
【0025】
【実施例1】まずNFκB・NFκBキナーゼ複合体を
調製する方法の具体例を述べる。 (1)NFκB・NFκBキナーゼ複合体の調製 NFκB・NFκBキナーゼ複合体の調製は、林らの方
法(Hayashi T.ら J.Biol.Chem., 268: 26790 (1993)
)に準じて行った。すなわち、ヘパリン添加ヒト末梢
血よりPBMC画分を回収し、RPMI−1640で洗
浄の後、無血清培地AIM−V(GIBCO BRL
製)に浮遊させた。OKT3固層化フラスコ(ヤンセン
協和(株)製)中で3日間培養し、その後、AIM−V
/0.2 units/ml インスリン/1%ヒト血
清/700Jurkat units/ml IL−2
に浮遊させ、ガス透過性カルチャーバッグ(デュポン社
製)中にて1週間培養を行った。培養終了時に遠心によ
り細胞(約5×109 cells)を回収し、NFκB
・NFκBキナーゼ複合体調製のための材料とした。
調製する方法の具体例を述べる。 (1)NFκB・NFκBキナーゼ複合体の調製 NFκB・NFκBキナーゼ複合体の調製は、林らの方
法(Hayashi T.ら J.Biol.Chem., 268: 26790 (1993)
)に準じて行った。すなわち、ヘパリン添加ヒト末梢
血よりPBMC画分を回収し、RPMI−1640で洗
浄の後、無血清培地AIM−V(GIBCO BRL
製)に浮遊させた。OKT3固層化フラスコ(ヤンセン
協和(株)製)中で3日間培養し、その後、AIM−V
/0.2 units/ml インスリン/1%ヒト血
清/700Jurkat units/ml IL−2
に浮遊させ、ガス透過性カルチャーバッグ(デュポン社
製)中にて1週間培養を行った。培養終了時に遠心によ
り細胞(約5×109 cells)を回収し、NFκB
・NFκBキナーゼ複合体調製のための材料とした。
【0026】細胞を3倍量の低張緩衝液(1.5mM
MgCl2 ,5mM KCl,10mM HEPES
(pH7.5),4℃)に浮遊させた後、10分間静置
した。ダンスホモジナイザーに移して、10回のストロ
ークで細胞を破砕し、10,000g,10分,4℃の
遠心により上清を回収した。この上清を100,000
g,30分の遠心により上清を回収し、S100画分と
した。
MgCl2 ,5mM KCl,10mM HEPES
(pH7.5),4℃)に浮遊させた後、10分間静置
した。ダンスホモジナイザーに移して、10回のストロ
ークで細胞を破砕し、10,000g,10分,4℃の
遠心により上清を回収した。この上清を100,000
g,30分の遠心により上清を回収し、S100画分と
した。
【0027】以下、NFκB・NFκBキナーゼ複合体
の調製操作は4℃で実施した。S100画分を緩衝液D
(20mM HEPES(pH7.9),20% gl
ycerol,0.2mM EDTA,0.5mM P
MSF,0.5mM DTT)+0.28MKClに対
して透析した。DEAE−Sepharose(ファル
マシア バイオテク(株)製)をつめたカラム(1.6 ×
10cm)を用意し、緩衝液D+0.28MKClで平衡化
した。このカラムに透析したS100画分をアプライし
て、その非吸着画分を回収した。
の調製操作は4℃で実施した。S100画分を緩衝液D
(20mM HEPES(pH7.9),20% gl
ycerol,0.2mM EDTA,0.5mM P
MSF,0.5mM DTT)+0.28MKClに対
して透析した。DEAE−Sepharose(ファル
マシア バイオテク(株)製)をつめたカラム(1.6 ×
10cm)を用意し、緩衝液D+0.28MKClで平衡化
した。このカラムに透析したS100画分をアプライし
て、その非吸着画分を回収した。
【0028】その非吸着画分を緩衝液D+0.1MKC
lに対して透析し、次のカラムにアプライした。次のカ
ラムとしては、緩衝液D+0.1MKClであらかじめ
平衡化しておいたDEAE−Sepharoseカラム
(1.6 ×10cm)を用いた。上記の非吸着画分をこのカラ
ムにアプライして5カラム体積の緩衝液D+0.1MK
Clで洗浄後、10カラム体積で0.1〜0.5MKC
lのグラジエント溶出を行った。NFκB・NFκBキ
ナーゼ複合体が含まれている画分はEMSA(Electrop
horesis Mobility Shift Assay)により決定した。
lに対して透析し、次のカラムにアプライした。次のカ
ラムとしては、緩衝液D+0.1MKClであらかじめ
平衡化しておいたDEAE−Sepharoseカラム
(1.6 ×10cm)を用いた。上記の非吸着画分をこのカラ
ムにアプライして5カラム体積の緩衝液D+0.1MK
Clで洗浄後、10カラム体積で0.1〜0.5MKC
lのグラジエント溶出を行った。NFκB・NFκBキ
ナーゼ複合体が含まれている画分はEMSA(Electrop
horesis Mobility Shift Assay)により決定した。
【0029】EMSAはSenらの方法(Sen, R. ら C
ell 46: 705-716 (1986))を参考にして、以下のように
して行った。すなわち、10mMMgCl2 、5mMD
TT、50mMTris−HCl(pH8.0)に、
7.05pmolNFκBオリゴ(Promega 社製)、1
0unitT4ポリヌクレオチドキナーゼ(NEW ENGLAN
D 社製)、222TBq/mmol濃度の[γ−32P ]
ATPを1.85MBq添加し最終的に25μlとし
た。37℃で30分間インキュベートした後に、1mM
EDTA、10mMTris−HCl(pH8.0)を
25μl加え、クイックスピンカラムG−25(ベーリ
ンガー・マンハイム山之内(株)製)を用い、1,10
0gで2分間遠心し放射線標識の入ったNFκBオリゴ
を分離した。
ell 46: 705-716 (1986))を参考にして、以下のように
して行った。すなわち、10mMMgCl2 、5mMD
TT、50mMTris−HCl(pH8.0)に、
7.05pmolNFκBオリゴ(Promega 社製)、1
0unitT4ポリヌクレオチドキナーゼ(NEW ENGLAN
D 社製)、222TBq/mmol濃度の[γ−32P ]
ATPを1.85MBq添加し最終的に25μlとし
た。37℃で30分間インキュベートした後に、1mM
EDTA、10mMTris−HCl(pH8.0)を
25μl加え、クイックスピンカラムG−25(ベーリ
ンガー・マンハイム山之内(株)製)を用い、1,10
0gで2分間遠心し放射線標識の入ったNFκBオリゴ
を分離した。
【0030】100mMNaCl、2mMEDTA、2
0mMDTT、10%グリセロール、0.24%NP−
40、0.16%DOCを含む2mMTris−HCl
(pH7.5)10μlに、1μg/μl濃度のpol
y(dI−dC)poly(dI−dC)(ファルマシ
ア バイオテク(株)製)を2μl加え、DEAE−S
epharoseカラム分離画分2μlを加えた。さら
に上記で調製したNFκBオリゴを1万cpmになるよ
うに添加し最終的に20μlにした。室温で1時間イン
キューベートした後に、4%アクリルアミドゲルよりな
るネイティブゲル電気泳動法により分離し、オートラジ
オグラフィーにて、NFκBオリゴと結合する画分を決
定した。この画分がNFκ・NFκBキナーゼ複合体が
含まれている画分である。
0mMDTT、10%グリセロール、0.24%NP−
40、0.16%DOCを含む2mMTris−HCl
(pH7.5)10μlに、1μg/μl濃度のpol
y(dI−dC)poly(dI−dC)(ファルマシ
ア バイオテク(株)製)を2μl加え、DEAE−S
epharoseカラム分離画分2μlを加えた。さら
に上記で調製したNFκBオリゴを1万cpmになるよ
うに添加し最終的に20μlにした。室温で1時間イン
キューベートした後に、4%アクリルアミドゲルよりな
るネイティブゲル電気泳動法により分離し、オートラジ
オグラフィーにて、NFκBオリゴと結合する画分を決
定した。この画分がNFκ・NFκBキナーゼ複合体が
含まれている画分である。
【0031】NFκB・NFκBキナーゼ複合体画分を
回収し、緩衝液D+0.1MKClに対して透析した。
次にPhosphocellulose P11(ワッ
トマン ペーパー(株)製)(約6ml)をつめたカラ
ムを用意し、緩衝液D+0.1MKClで平衡化してお
いた。上記の透析したNFκB・NFκBキナーゼ複合
体画分をカラムにアプライし、非吸着画分を回収した。
この画分を、あらかじめ緩衝液D+0.1MKClで平
衡化しておいたHiTrap Heparin 1ml
(ファルマシア バイオテク(株)製)にアプライし、
非吸着画分を回収した。
回収し、緩衝液D+0.1MKClに対して透析した。
次にPhosphocellulose P11(ワッ
トマン ペーパー(株)製)(約6ml)をつめたカラ
ムを用意し、緩衝液D+0.1MKClで平衡化してお
いた。上記の透析したNFκB・NFκBキナーゼ複合
体画分をカラムにアプライし、非吸着画分を回収した。
この画分を、あらかじめ緩衝液D+0.1MKClで平
衡化しておいたHiTrap Heparin 1ml
(ファルマシア バイオテク(株)製)にアプライし、
非吸着画分を回収した。
【0032】HiTrap Heparin 非吸着画
分をCentriprep−10(グーレースジャパン
(株)製)で濃縮し、あらかじめ緩衝液D+0.1M
KClで平衡化しておいたSuperdex 200H
R 10/30(ファルマシア バイオテク(株)製)
にアプライし、NFκB・NFκBキナーゼ複合体画分
をEMSAにより決定した。その画分を回収して酵素阻
害剤の評価に供した。
分をCentriprep−10(グーレースジャパン
(株)製)で濃縮し、あらかじめ緩衝液D+0.1M
KClで平衡化しておいたSuperdex 200H
R 10/30(ファルマシア バイオテク(株)製)
にアプライし、NFκB・NFκBキナーゼ複合体画分
をEMSAにより決定した。その画分を回収して酵素阻
害剤の評価に供した。
【0033】この画分に、NFκBキナーゼが存在して
いることは、リン酸化反応により約65kDaの位置に
リン酸化されたバンドが検出できたことより明らかであ
る。 (2)阻害剤の調製 (1)式の中で、以下の化合物は市販品を用いた。K−
252a(Calbiochem-Novabiochem社製),K−252
b(Biomol Research Laboratories社製),KT572
0(Biomol Research Laboratories社製),KT582
3(Biomol Research Laboratories社製),KT592
6(Biomol Research Laboratories社製)。また、化合
物1(9,10,11,12-Tetrahydro-9,12-epoxy-1H-diindolo
[1,2,3-fg:3',2',1'-kl]-pyrrolo-[3,4-i][1,6]-benzod
iazocine-1,3(2H)-dione)は特開平3−58990の方
法を参考に合成した。
いることは、リン酸化反応により約65kDaの位置に
リン酸化されたバンドが検出できたことより明らかであ
る。 (2)阻害剤の調製 (1)式の中で、以下の化合物は市販品を用いた。K−
252a(Calbiochem-Novabiochem社製),K−252
b(Biomol Research Laboratories社製),KT572
0(Biomol Research Laboratories社製),KT582
3(Biomol Research Laboratories社製),KT592
6(Biomol Research Laboratories社製)。また、化合
物1(9,10,11,12-Tetrahydro-9,12-epoxy-1H-diindolo
[1,2,3-fg:3',2',1'-kl]-pyrrolo-[3,4-i][1,6]-benzod
iazocine-1,3(2H)-dione)は特開平3−58990の方
法を参考に合成した。
【0034】これらの化合物をDMSO(GIBCO
BRL製)に10mMになるように溶解した。これを原
液溶液として、蒸留水で希釈して100μM,10μ
M,1μM,100nMの溶液を調製した。比較のため
DMSOを蒸留水で同濃度になるように希釈した。 (3)阻害活性の測定方法 10mMMgCl2 、3mMMnCl2 、5mMDT
T、0.5mMATP及び上記のNFκB・NFκBキ
ナーゼ複合体を含む画分をタンパク質として0.35μ
g含む20mMのHEPES(pH7.8)に、被検化
合物溶液2.5μl、3000Ci/mmol濃度の
[γ−32P]ATPを10μCi添加し最終的に10μ
lとした。30℃で30分間インキュベートした後、S
DSサンプルバッファー10μlを加えて反応を停止さ
せた。
BRL製)に10mMになるように溶解した。これを原
液溶液として、蒸留水で希釈して100μM,10μ
M,1μM,100nMの溶液を調製した。比較のため
DMSOを蒸留水で同濃度になるように希釈した。 (3)阻害活性の測定方法 10mMMgCl2 、3mMMnCl2 、5mMDT
T、0.5mMATP及び上記のNFκB・NFκBキ
ナーゼ複合体を含む画分をタンパク質として0.35μ
g含む20mMのHEPES(pH7.8)に、被検化
合物溶液2.5μl、3000Ci/mmol濃度の
[γ−32P]ATPを10μCi添加し最終的に10μ
lとした。30℃で30分間インキュベートした後、S
DSサンプルバッファー10μlを加えて反応を停止さ
せた。
【0035】次にこの液を100℃で5分間沸騰させた
後、7. 5%アクリルアミドよりなるSDSゲル電気泳
動法により分画した。次にオートラジオグラフィーで、
65kDaのNFκBの位置を確認し、その部分を、B
AS−2000バイオ・イメージングアナライザー(富
士写真フイルム(株)製)を用いて放射能を測定した。
阻害化合物を添加しないDMSO溶液の反応による放射
能の量を対照に、その低下率により阻害活性を求めた。
低下率を表2に示した。
後、7. 5%アクリルアミドよりなるSDSゲル電気泳
動法により分画した。次にオートラジオグラフィーで、
65kDaのNFκBの位置を確認し、その部分を、B
AS−2000バイオ・イメージングアナライザー(富
士写真フイルム(株)製)を用いて放射能を測定した。
阻害化合物を添加しないDMSO溶液の反応による放射
能の量を対照に、その低下率により阻害活性を求めた。
低下率を表2に示した。
【0036】
【表2】
【0037】
【実施例2】(1)式で示される化合物のいずれか20
mgをそれぞれが含んで成る錠剤を下記の組成により慣
用の方法で調製した。活性成分をコムギデンプンの一
部、ラクトース及びコロイド状シリカと混合して、その
混合物を篩にかけた。残りのコムギデンプンの一部を湯
浴上で5倍量の水でペースト状にし、その粉末混合物を
そのペーストとややプラスチック状の塊ができるまでこ
ねた。このプラクチック塊を約3mmのメッシュサイズ
を有する篩に通し、得られる乾燥顆粒を再び篩に通し
た。残りのコムギ粉、タルク及びステアリン酸マグネシ
ウムを混ぜ合わせて、その混合物をそれぞれ145mg
の重量及び破断ノッチを有する錠剤となるように圧搾し
た。
mgをそれぞれが含んで成る錠剤を下記の組成により慣
用の方法で調製した。活性成分をコムギデンプンの一
部、ラクトース及びコロイド状シリカと混合して、その
混合物を篩にかけた。残りのコムギデンプンの一部を湯
浴上で5倍量の水でペースト状にし、その粉末混合物を
そのペーストとややプラスチック状の塊ができるまでこ
ねた。このプラクチック塊を約3mmのメッシュサイズ
を有する篩に通し、得られる乾燥顆粒を再び篩に通し
た。残りのコムギ粉、タルク及びステアリン酸マグネシ
ウムを混ぜ合わせて、その混合物をそれぞれ145mg
の重量及び破断ノッチを有する錠剤となるように圧搾し
た。
【0038】
【発明の効果】本発明のリン酸化酵素阻害剤は、NFκ
Bリン酸化酵素を阻害し、NFκBを介した疾患に対す
る治療を行うのに有用である。すなわち、複数の炎症性
サイトカイン遺伝子の転写を抑制し、ステロイドが惹起
するホルモン性の副作用がない、しかもヒト細胞の増殖
に対する影響は少ないがウイルスの増殖を抑制する医薬
品、さらには、臓器移植の際に用いる免疫抑制剤、細胞
接着を介した炎症等に対する抗炎症剤として有用であ
る。
Bリン酸化酵素を阻害し、NFκBを介した疾患に対す
る治療を行うのに有用である。すなわち、複数の炎症性
サイトカイン遺伝子の転写を抑制し、ステロイドが惹起
するホルモン性の副作用がない、しかもヒト細胞の増殖
に対する影響は少ないがウイルスの増殖を抑制する医薬
品、さらには、臓器移植の際に用いる免疫抑制剤、細胞
接着を介した炎症等に対する抗炎症剤として有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 9/99 C12N 9/99 //(C07D 498/22 209:44 209:04 273:06 307:18)
Claims (1)
- 【請求項1】 下記(1)式で示される化合物またはそ
の塩を有効成分とするNFκBリン酸化酵素阻害剤。 【化1】 (式中、X1 ,X2 はH、または(X1 ,X2 )が=O
または=Sであり;X3はHまたはZ;X4 はOまたは
S;YはH,OHまたはOZ;R1 はHまたはCH3 ;
R2 はHまたはCO2 Z;R3 はHまたは低級アルキル
基;R4 はHまたは低級アルコキシ基;ZはHまたはC
1 〜C6 の直鎖または分岐低級アルキル基である)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12512895A JPH08319238A (ja) | 1995-05-24 | 1995-05-24 | リン酸化酵素阻害剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12512895A JPH08319238A (ja) | 1995-05-24 | 1995-05-24 | リン酸化酵素阻害剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08319238A true JPH08319238A (ja) | 1996-12-03 |
Family
ID=14902552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12512895A Withdrawn JPH08319238A (ja) | 1995-05-24 | 1995-05-24 | リン酸化酵素阻害剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08319238A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997035618A1 (fr) * | 1996-03-22 | 1997-10-02 | Kao Corporation | Preparation dermatologique |
EP1134221A1 (en) * | 2000-03-15 | 2001-09-19 | Aventis Pharma Deutschland GmbH | Substituted beta-carbolines as lkB kinase inhibitors |
EP1135135A1 (en) * | 1998-09-18 | 2001-09-26 | Smithkline Beecham Corporation | Chk1 kinase inhibitors |
US7932226B2 (en) | 2004-06-29 | 2011-04-26 | St. Marianna University School Of Medicine | NFκB transcriptional activity inhibitory agent and anti-inflammatory agent and a steroid action enhancing agent |
JP5583589B2 (ja) * | 2008-10-23 | 2014-09-03 | 株式会社ヤクルト本社 | フェナンスロインドリジジン誘導体及びこれを有効成分とするNFκB阻害剤 |
-
1995
- 1995-05-24 JP JP12512895A patent/JPH08319238A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997035618A1 (fr) * | 1996-03-22 | 1997-10-02 | Kao Corporation | Preparation dermatologique |
EP1135135A1 (en) * | 1998-09-18 | 2001-09-26 | Smithkline Beecham Corporation | Chk1 kinase inhibitors |
EP1135135A4 (en) * | 1998-09-18 | 2006-08-09 | Smithkline Beecham Corp | CHK1 KINASE INHIBITORS |
EP1134221A1 (en) * | 2000-03-15 | 2001-09-19 | Aventis Pharma Deutschland GmbH | Substituted beta-carbolines as lkB kinase inhibitors |
US7932226B2 (en) | 2004-06-29 | 2011-04-26 | St. Marianna University School Of Medicine | NFκB transcriptional activity inhibitory agent and anti-inflammatory agent and a steroid action enhancing agent |
JP5583589B2 (ja) * | 2008-10-23 | 2014-09-03 | 株式会社ヤクルト本社 | フェナンスロインドリジジン誘導体及びこれを有効成分とするNFκB阻害剤 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020806 |