JPH0829264B2 - セラミツクス用原料微粉末の製造方法 - Google Patents
セラミツクス用原料微粉末の製造方法Info
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- JPH0829264B2 JPH0829264B2 JP61286716A JP28671686A JPH0829264B2 JP H0829264 B2 JPH0829264 B2 JP H0829264B2 JP 61286716 A JP61286716 A JP 61286716A JP 28671686 A JP28671686 A JP 28671686A JP H0829264 B2 JPH0829264 B2 JP H0829264B2
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Description
【発明の詳細な説明】 イ.産業上の利用分野 本発明は、PH調整した溶媒を用いて仮焼物を湿式粉砕
してつくるセラミックス用原料微粉末の製造方法に関す
る。
してつくるセラミックス用原料微粉末の製造方法に関す
る。
ロ.従来の技術 従来、セラミックス用原料は大量生産できること及び
コストの点から固相法あるいは液相法で製造されてお
り、使用する出発原料により多数のプロセスが開発され
ている。
コストの点から固相法あるいは液相法で製造されてお
り、使用する出発原料により多数のプロセスが開発され
ている。
そのプロセスは共通する点が多く、要約して言えば、
出発原料を化学的処理によって不純物を除去して水酸化
物等の前駆体をつくり、その前駆体を仮焼し、次いで得
られた仮焼物を湿式粉砕してセラミックス用原料として
いた。
出発原料を化学的処理によって不純物を除去して水酸化
物等の前駆体をつくり、その前駆体を仮焼し、次いで得
られた仮焼物を湿式粉砕してセラミックス用原料として
いた。
前記プロセスにおいて、水酸化物等の前駆体は通常バ
ルク体で仮焼している。この仮焼により、前駆体内の原
子が拡散し隣接する粒子どうしがネッキングし大きな凝
集二次粒子を形成する。
ルク体で仮焼している。この仮焼により、前駆体内の原
子が拡散し隣接する粒子どうしがネッキングし大きな凝
集二次粒子を形成する。
その結果、二次粒子を含む仮焼物ができる。
このような仮焼物をセラミックス用原料として成形す
ると、空孔の多い成形体ができるために焼結性が悪く又
得られた焼結体は強度や密度も小さい。
ると、空孔の多い成形体ができるために焼結性が悪く又
得られた焼結体は強度や密度も小さい。
これを解決するために、従来から仮焼物の粉砕が行わ
れていた。その場合、粉砕効率を良くするため仮焼物を
水、アルコール、アセトン等の中性溶媒中で湿式粉砕し
て細かくする方法が採られていた。
れていた。その場合、粉砕効率を良くするため仮焼物を
水、アルコール、アセトン等の中性溶媒中で湿式粉砕し
て細かくする方法が採られていた。
具体例を挙げて説明する。
部分安定化ジルコニアは、ZrO2と少量のY2O3、CaOな
どとの混合物を焼成してつくられるが、そのセラミック
ス用原料であるZrO2粉末はジルコンサンド(ZrSiO4)に
NaOH溶液を加え不純物であるSiO2をNa2SiO3として除去
した後、得られた溶液をアンモニア水で中和しZr(OH)
4を沈殿させ、次いでそのZr(OH)4を約800℃で仮焼
し、得られた仮焼物を水を溶媒として湿式粉砕し乾燥し
てつくられていた。
どとの混合物を焼成してつくられるが、そのセラミック
ス用原料であるZrO2粉末はジルコンサンド(ZrSiO4)に
NaOH溶液を加え不純物であるSiO2をNa2SiO3として除去
した後、得られた溶液をアンモニア水で中和しZr(OH)
4を沈殿させ、次いでそのZr(OH)4を約800℃で仮焼
し、得られた仮焼物を水を溶媒として湿式粉砕し乾燥し
てつくられていた。
ハ.発明が解決しようとする問題点 しかしながら、従来の水その他の中性溶媒を用いた湿
式粉砕で得られるセラミックス用原料粉末は長時間粉砕
してつくったものであっても二次粒子が多量に残存した
ため、該粉末の平均粒径はサブミクロンにならず依然と
して焼結性などが悪いという欠点が残った。
式粉砕で得られるセラミックス用原料粉末は長時間粉砕
してつくったものであっても二次粒子が多量に残存した
ため、該粉末の平均粒径はサブミクロンにならず依然と
して焼結性などが悪いという欠点が残った。
ニ.問題点を解決するための手段 そこで本発明者等は、二次粒子の粉砕を一層促進させ
るために湿式粉砕の際に用いる溶媒について種々研究し
た結果、酸性あるいはアルカリ性溶媒を用いると二次粒
子のネッキング部の侵食が大きくなって粉砕されやすく
なり、得られる粉砕物の平均粒径がサブミクロンになる
との知見を得て、以下に述べる発明を完成した。
るために湿式粉砕の際に用いる溶媒について種々研究し
た結果、酸性あるいはアルカリ性溶媒を用いると二次粒
子のネッキング部の侵食が大きくなって粉砕されやすく
なり、得られる粉砕物の平均粒径がサブミクロンになる
との知見を得て、以下に述べる発明を完成した。
即ち、本発明は出発原料を化学処理し仮焼して得た仮
焼物を湿式粉砕してつくるセラミックス用原料微粉末の
製造方法において、該仮焼物をPH5以下又は9以上に調
整した溶媒(以下調整溶媒という)を用いて湿式粉砕し
てつくるセラミックス用原料微粉末の製造方法にある。
焼物を湿式粉砕してつくるセラミックス用原料微粉末の
製造方法において、該仮焼物をPH5以下又は9以上に調
整した溶媒(以下調整溶媒という)を用いて湿式粉砕し
てつくるセラミックス用原料微粉末の製造方法にある。
本発明で調整溶媒をつくるのに用いられる化合物は、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、フッ化水素、塩
酸、硝酸、リン酸等が挙げられるが、溶媒のPHを粉砕中
において5以下あるいは9以上に保てるものなら何でも
よく特に限定されない。
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、フッ化水素、塩
酸、硝酸、リン酸等が挙げられるが、溶媒のPHを粉砕中
において5以下あるいは9以上に保てるものなら何でも
よく特に限定されない。
調整溶媒は上記化合物を用い慣用の方法に従ってつく
る。その場合、調整溶媒のPHが5を超え9未満の調整溶
媒では侵食作用が弱いため粉砕後にも二次粒子が多く残
存するので好ましくない。
る。その場合、調整溶媒のPHが5を超え9未満の調整溶
媒では侵食作用が弱いため粉砕後にも二次粒子が多く残
存するので好ましくない。
PHを5以下あるいは9以上いずれを選ぶかは仮焼物を
構成する化合物、鉱物によって相違する。例えば仮焼物
がジルコニア、アルミナなどの場合はPH5以下の調整溶
媒で粉砕し、シリカ、ムライトなどの場合にはPH5以下
9以上のどちらの調整溶媒でも粉砕することができる。
構成する化合物、鉱物によって相違する。例えば仮焼物
がジルコニア、アルミナなどの場合はPH5以下の調整溶
媒で粉砕し、シリカ、ムライトなどの場合にはPH5以下
9以上のどちらの調整溶媒でも粉砕することができる。
PH5以下ありは9以上の範囲内においてPHの高い調整
溶媒を用いるか低い調整溶媒を用いるかは、仮焼条件そ
の他によりネッキング部の耐酸性や結合強度などが異る
ので、それらを考慮して適当なPHを選べばよい。
溶媒を用いるか低い調整溶媒を用いるかは、仮焼条件そ
の他によりネッキング部の耐酸性や結合強度などが異る
ので、それらを考慮して適当なPHを選べばよい。
次に本発明によるセラミックス用原料微粉末のつくり
かたについて説明する。
かたについて説明する。
種々の方法でつくられた仮焼物と、その仮焼物に適し
たPHの調整溶媒とを慣用の粉砕機で粉砕する。その場
合、二次粒子が比較的少ない場合には、仮焼物と調整溶
媒とを粉砕機に投入後、直ちに粉砕してよいが、二次粒
子量が多いかまたはネッキング部の結合強度が大きい場
合には、仮焼物と調整溶媒とを混合した泥漿を数時間放
置して、ネッキング部をある程度侵食させたのち、粉砕
すれば粉砕時間も短くできかつ細かくできる。
たPHの調整溶媒とを慣用の粉砕機で粉砕する。その場
合、二次粒子が比較的少ない場合には、仮焼物と調整溶
媒とを粉砕機に投入後、直ちに粉砕してよいが、二次粒
子量が多いかまたはネッキング部の結合強度が大きい場
合には、仮焼物と調整溶媒とを混合した泥漿を数時間放
置して、ネッキング部をある程度侵食させたのち、粉砕
すれば粉砕時間も短くできかつ細かくできる。
調整溶媒の添加量は湿式粉砕できる程度に混合すれば
よい。
よい。
得られた粉砕物は水洗し、乾燥すれば所望のセラミッ
クス用原料微粉末が得られる。
クス用原料微粉末が得られる。
ホ.実施例 実施例1 二次粒子を含む平均粒径2.8μmの市販の仮焼アルミ
ナ(純度99.5%)100gをアルミナ製ボットミル(容量:2
L、媒体:10mmφのアルミナボール約2kg)に投入し、次
いで塩酸でPH1.0に調整した溶媒500mlを入れ、回転数90
r.p.m.で24時間湿式粉砕を行なった。
ナ(純度99.5%)100gをアルミナ製ボットミル(容量:2
L、媒体:10mmφのアルミナボール約2kg)に投入し、次
いで塩酸でPH1.0に調整した溶媒500mlを入れ、回転数90
r.p.m.で24時間湿式粉砕を行なった。
粉砕後、粉砕物を孔径0.1μmのメンブランフィルタ
ーで濾過したのちのケークを2回洗浄して付着している
塩酸を除去し、105℃で一日間乾燥させた。
ーで濾過したのちのケークを2回洗浄して付着している
塩酸を除去し、105℃で一日間乾燥させた。
得られたアルミナ微粉末を、ストークスの式に従った
重力沈降法(解こう剤:ヘキサメタリン酸ナトリウム)
で粒度測定した結果、平均粒径が0.3μmにまで細かく
粉砕されていた。
重力沈降法(解こう剤:ヘキサメタリン酸ナトリウム)
で粒度測定した結果、平均粒径が0.3μmにまで細かく
粉砕されていた。
比較例1 塩酸による調整溶媒に替えて、イオン交換法でつくっ
た純水(PH7)500mlを用いた以外は実施例1と同じ操作
に従ってアルミナ微粉末をつくり、粒度測定した結果、
平均粒径は1.7μmであった。
た純水(PH7)500mlを用いた以外は実施例1と同じ操作
に従ってアルミナ微粉末をつくり、粒度測定した結果、
平均粒径は1.7μmであった。
実施例2 二次粒子を含む平均粒径1.5μmの市販のムライト粉
末100gをアルミナ製ポットミル(容量2L、媒体はアルミ
ナボール10mmφ2kg)に投入し、次いで予め水酸化ナト
リウムを水に溶解させてつくったPH13の調整溶媒500ml
を入れたのち回転数90r.p.mで48時間湿式粉砕を行なっ
た。
末100gをアルミナ製ポットミル(容量2L、媒体はアルミ
ナボール10mmφ2kg)に投入し、次いで予め水酸化ナト
リウムを水に溶解させてつくったPH13の調整溶媒500ml
を入れたのち回転数90r.p.mで48時間湿式粉砕を行なっ
た。
粉砕後、粉砕物を孔径0.1μmのメンブランフィルタ
ーで濾過しケークを3回水洗して付着している水酸化ナ
トリウムを除去し、105℃で一日間乾燥させた。
ーで濾過しケークを3回水洗して付着している水酸化ナ
トリウムを除去し、105℃で一日間乾燥させた。
得られたムライト微粉末を実施例1に示した方法で粒
度測定したところ、平均粒径は0.4μmであった。
度測定したところ、平均粒径は0.4μmであった。
比較例2 水酸化ナトリウムによる調整溶媒に替えてイオン交換
法でつくった純水(PH7)500mlを用いた以外は実施例2
と同じ操作をした結果、ムライトの平均粒径は1.2μm
であった。
法でつくった純水(PH7)500mlを用いた以外は実施例2
と同じ操作をした結果、ムライトの平均粒径は1.2μm
であった。
ヘ.発明の効果 本発明は、仮焼物を湿式粉砕するにあたり、酸性ある
いはアルカリ性に調整された溶媒を採用して二次粒子の
ネッキング部分を侵食させ、粉砕効率を高めたセラミッ
クス用原料粉末の製造方法であり、従来の中性溶媒を用
いた方法では、粉砕するのが極めて困難であったサブミ
クロンオーダーにまで容易に微粉砕できる。
いはアルカリ性に調整された溶媒を採用して二次粒子の
ネッキング部分を侵食させ、粉砕効率を高めたセラミッ
クス用原料粉末の製造方法であり、従来の中性溶媒を用
いた方法では、粉砕するのが極めて困難であったサブミ
クロンオーダーにまで容易に微粉砕できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−10343(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】仮焼物を湿式粉砕してつくるセラミックス
用原料微粉末の製造方法において、該仮焼物をその粉砕
中におけるPHが5以下または9以上に保つ溶媒中で湿式
粉砕することを特徴とするセラミックス用原料微粉末の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61286716A JPH0829264B2 (ja) | 1986-12-03 | 1986-12-03 | セラミツクス用原料微粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61286716A JPH0829264B2 (ja) | 1986-12-03 | 1986-12-03 | セラミツクス用原料微粉末の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63141657A JPS63141657A (ja) | 1988-06-14 |
JPH0829264B2 true JPH0829264B2 (ja) | 1996-03-27 |
Family
ID=17708075
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61286716A Expired - Lifetime JPH0829264B2 (ja) | 1986-12-03 | 1986-12-03 | セラミツクス用原料微粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0829264B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03276571A (ja) * | 1990-03-26 | 1991-12-06 | Youyuu Tansanengata Nenryo Denchi Hatsuden Syst Gijutsu Kenkyu Kumiai | 溶融炭酸塩型燃料電池の電解質板 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5610343A (en) * | 1979-07-07 | 1981-02-02 | Matsushita Electric Works Ltd | Method of crushing frit |
JPS59500714A (ja) * | 1983-04-04 | 1984-04-26 | ウエスタ−ン エレクトリツク カムパニ−,インコ−ポレ−テツド | セラミツク材料の製造方法 |
-
1986
- 1986-12-03 JP JP61286716A patent/JPH0829264B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63141657A (ja) | 1988-06-14 |
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