JPH08269107A - フリーラジカル重合方法 - Google Patents
フリーラジカル重合方法Info
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- JPH08269107A JPH08269107A JP8066798A JP6679896A JPH08269107A JP H08269107 A JPH08269107 A JP H08269107A JP 8066798 A JP8066798 A JP 8066798A JP 6679896 A JP6679896 A JP 6679896A JP H08269107 A JPH08269107 A JP H08269107A
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- polymer
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- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F4/00—Polymerisation catalysts
- C08F4/28—Oxygen or compounds releasing free oxygen
- C08F4/32—Organic compounds
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F2/00—Processes of polymerisation
- C08F2/04—Polymerisation in solution
- C08F2/06—Organic solvent
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/54—Improvements relating to the production of bulk chemicals using solvents, e.g. supercritical solvents or ionic liquids
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 狭い分子量分布を有する熱可塑性樹脂が容易
に、高生産性で製造できる優れたラジカル重合方法を提
供する。 【解決手段】 過酸化ベンゾイルのようなフリーラジカ
ル開始剤と、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピロ
リジニロキシのような安定フリーラジカル剤と、少なく
とも一つの重合可能なスチレンのようなモノマーとの混
合物を加熱し、圧力下で二酸化炭素のような超臨界流体
を添加して、この重合可能のモノマーを重合し、モノマ
ーからポリマーへの高い転化率で熱可塑性樹脂を形成し
て、この混合物を冷却する。
に、高生産性で製造できる優れたラジカル重合方法を提
供する。 【解決手段】 過酸化ベンゾイルのようなフリーラジカ
ル開始剤と、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピロ
リジニロキシのような安定フリーラジカル剤と、少なく
とも一つの重合可能なスチレンのようなモノマーとの混
合物を加熱し、圧力下で二酸化炭素のような超臨界流体
を添加して、この重合可能のモノマーを重合し、モノマ
ーからポリマーへの高い転化率で熱可塑性樹脂を形成し
て、この混合物を冷却する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフリーラジカル重合
方法に関し、特に、狭い分子量分布の熱可塑性樹脂を製
造するための安定フリーラジカル重合方法に関する。
方法に関し、特に、狭い分子量分布の熱可塑性樹脂を製
造するための安定フリーラジカル重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】周知
の重合方法のなかでも、分子量分布の狭い(すなわち多
分散性の狭い)重合体や共重合体を製造する良好な方法
として、アニオン重合がある。しかし、アニオン重合プ
ロセスは大気中の酸素や湿気の存在しない状態で行う必
要がある上に、取り扱いに注意を要する危険な開始剤試
薬を必要し、従って、こういう重合プロセスは一般に小
さなバッチ反応器内での生成に制限されてきた。このた
め、工業用として多分散性の狭い樹脂の一般使用や入手
性も限られていた。また、アニオン重合で使用するモノ
マーや溶剤は無水で高純度でなけらばならず、これらの
要件を必要としないその他の方法に比べて、より高価に
なっている。このようにアニオン重合方法は面倒で、高
コストである。したがって、このようなアニオン重合プ
ロセスの欠点を克服して、分子量分布の狭い樹脂を生成
できるフリーラジカル重合方法の提供が望まれる。
の重合方法のなかでも、分子量分布の狭い(すなわち多
分散性の狭い)重合体や共重合体を製造する良好な方法
として、アニオン重合がある。しかし、アニオン重合プ
ロセスは大気中の酸素や湿気の存在しない状態で行う必
要がある上に、取り扱いに注意を要する危険な開始剤試
薬を必要し、従って、こういう重合プロセスは一般に小
さなバッチ反応器内での生成に制限されてきた。このた
め、工業用として多分散性の狭い樹脂の一般使用や入手
性も限られていた。また、アニオン重合で使用するモノ
マーや溶剤は無水で高純度でなけらばならず、これらの
要件を必要としないその他の方法に比べて、より高価に
なっている。このようにアニオン重合方法は面倒で、高
コストである。したがって、このようなアニオン重合プ
ロセスの欠点を克服して、分子量分布の狭い樹脂を生成
できるフリーラジカル重合方法の提供が望まれる。
【0003】一方、フリーラジカル重合方法は、通常使
用されるモノマーや溶剤中の不純物と化学反応しにく
く、水とは全く反応しない。そのため、懸濁、溶液、バ
ルク、エマルジョン及びこれに関連する重合方法によっ
て多分散性の狭い樹脂を製造するのに適切な経済的なフ
リーラジカル重合方法の提供も望まれてきた。
用されるモノマーや溶剤中の不純物と化学反応しにく
く、水とは全く反応しない。そのため、懸濁、溶液、バ
ルク、エマルジョン及びこれに関連する重合方法によっ
て多分散性の狭い樹脂を製造するのに適切な経済的なフ
リーラジカル重合方法の提供も望まれてきた。
【0004】本来、フリーラジカル重合方法で製造され
る共重合体は、分子量分布又は多分散性が一般的に約2
あるいは3より大きく、広い。その理由の1つは、フリ
ーラジカル開始剤の半減期が数分から数時間と比較的長
く、重合体鎖がすべて同時に開始されないためである。
このため、重合過程の任意の時間において異なる長さの
生長鎖が生成される。さらに、フリーラジカルプロセス
での生長鎖は、カップリング反応や不均化反応として知
られるプロセスで互いに反応し合う。カップリング反応
も不均化反応も連鎖を停止させる反応である。このた
め、反応プロセス中のランダムな時間にランダムな長さ
の連鎖が停止し、短いものから長いものまでさまざまな
長さの重合鎖からなる樹脂が得られる。フリーラジカル
重合方法で分子量分布の狭い樹脂を製造するためには、
すべての重合体鎖をほぼ同時に開始させ、カップリング
あるいは不均化反応による中途の反応停止を防止しなけ
ればならない。
る共重合体は、分子量分布又は多分散性が一般的に約2
あるいは3より大きく、広い。その理由の1つは、フリ
ーラジカル開始剤の半減期が数分から数時間と比較的長
く、重合体鎖がすべて同時に開始されないためである。
このため、重合過程の任意の時間において異なる長さの
生長鎖が生成される。さらに、フリーラジカルプロセス
での生長鎖は、カップリング反応や不均化反応として知
られるプロセスで互いに反応し合う。カップリング反応
も不均化反応も連鎖を停止させる反応である。このた
め、反応プロセス中のランダムな時間にランダムな長さ
の連鎖が停止し、短いものから長いものまでさまざまな
長さの重合鎖からなる樹脂が得られる。フリーラジカル
重合方法で分子量分布の狭い樹脂を製造するためには、
すべての重合体鎖をほぼ同時に開始させ、カップリング
あるいは不均化反応による中途の反応停止を防止しなけ
ればならない。
【0005】フリーラジカル重合の抑制剤として、安定
フリーラジカルの存在が従来より知られている(例え
ば、G.モウド(G. Moad)らのPolymer Bulletin 6,5
89 (1982)を参照)。同じくモウド(G. Moad)らの研究
で、例えば90℃未満の低温で、モノマーからポリマー
への低い転化率で行うフリーラジカル重合の抑制剤とし
て安定フリーラジカルを使用した例が、J.Macromol. Sc
i-Chem., A17(1), 51 (1982)に報告されている。一方、
高温で、モノマーからポリマーへの高い転化率での安定
フリーラジカル剤の反応に関しては、例えば米国特許第
5,322,912 号に開示された例を除いて、ほとんど知られ
ていない。
フリーラジカルの存在が従来より知られている(例え
ば、G.モウド(G. Moad)らのPolymer Bulletin 6,5
89 (1982)を参照)。同じくモウド(G. Moad)らの研究
で、例えば90℃未満の低温で、モノマーからポリマー
への低い転化率で行うフリーラジカル重合の抑制剤とし
て安定フリーラジカルを使用した例が、J.Macromol. Sc
i-Chem., A17(1), 51 (1982)に報告されている。一方、
高温で、モノマーからポリマーへの高い転化率での安定
フリーラジカル剤の反応に関しては、例えば米国特許第
5,322,912 号に開示された例を除いて、ほとんど知られ
ていない。
【0006】1986年4月8日発行のソロモン(Solo
mon )らの米国特許第 4,581,429号は、重合体鎖の生長
を制御して、短鎖(あるいはオリゴマー)のホモポリマ
ーと、ブロック共重合体やグラフト共重合体などの共重
合体を生成するフリーラジカル重合プロセスを開示して
いる。このプロセスは、=N−O−Xの構造式を含む開
始剤(Xは不飽和モノマーを重合できるフリーラジカル
種)を用いる。このプロセスで得られるポリマー生成物
の分子量は、モノマーからポリマーへの低い転化率で約
2500〜7000、多分散性は約1.4〜1.8であ
る。反応は典型的には、低転化率、約100℃未満とい
う比較的低い反応温度で、複数の反応段階で行ってい
る。
mon )らの米国特許第 4,581,429号は、重合体鎖の生長
を制御して、短鎖(あるいはオリゴマー)のホモポリマ
ーと、ブロック共重合体やグラフト共重合体などの共重
合体を生成するフリーラジカル重合プロセスを開示して
いる。このプロセスは、=N−O−Xの構造式を含む開
始剤(Xは不飽和モノマーを重合できるフリーラジカル
種)を用いる。このプロセスで得られるポリマー生成物
の分子量は、モノマーからポリマーへの低い転化率で約
2500〜7000、多分散性は約1.4〜1.8であ
る。反応は典型的には、低転化率、約100℃未満とい
う比較的低い反応温度で、複数の反応段階で行ってい
る。
【0007】1991年10月22日発行のドルリナー
(Druliner)らの米国特許第5,059,657号は、アクリル
モノマーとマレイミドモノマーの重合プロセスを開示し
ている。これは、モノマーに、ジアゾ酸塩またはシアン
酸塩または次亜硝酸塩と、N−クロロスクシンイミドま
たはN−ブロモスクシンイミドまたはジアゾニウム塩を
接触させることによって行われる。こうして生成したポ
リマーは、ブロック共重合体の形成に用いるなど、さら
なる重合プロセスを開始することができる。
(Druliner)らの米国特許第5,059,657号は、アクリル
モノマーとマレイミドモノマーの重合プロセスを開示し
ている。これは、モノマーに、ジアゾ酸塩またはシアン
酸塩または次亜硝酸塩と、N−クロロスクシンイミドま
たはN−ブロモスクシンイミドまたはジアゾニウム塩を
接触させることによって行われる。こうして生成したポ
リマーは、ブロック共重合体の形成に用いるなど、さら
なる重合プロセスを開始することができる。
【0008】上記のような従来のフリーラジカル重合プ
ロセスには、数々の重要な問題がある。例えば、生成さ
れるポリマーの多分散性やモード性(modality)を推
定、又は制御することが困難な点がある。このようなフ
リーラジカル重合プロセスでは、重量平均分子量(M
w)が高い一方、数平均分子量(Mn)が低いポリマー
が生成され、結果的に広い多分散性を有することにな
る。また、従来のバルクフリーラジカル重合プロセスで
は、過度の熱量を発生する傾向がある。これは、重合反
応が発熱反応であり、反応媒体の粘性が大きくなるにつ
れて熱の散逸が困難になることに起因する。この現象は
トロムスドルフ効果(Trommsdorff effect)と呼ばれ、
Principles of Polymerization,G. Odian, 2nd Ed. Wil
ey-Interscience, NY, 1981, pp. 272に示されている。
さらに、このフリーラジカル重合プロセスの発熱性の性
質は、規模拡大を行う際に反応剤の濃度や反応器のサイ
ズを限定する要因となることが多い。
ロセスには、数々の重要な問題がある。例えば、生成さ
れるポリマーの多分散性やモード性(modality)を推
定、又は制御することが困難な点がある。このようなフ
リーラジカル重合プロセスでは、重量平均分子量(M
w)が高い一方、数平均分子量(Mn)が低いポリマー
が生成され、結果的に広い多分散性を有することにな
る。また、従来のバルクフリーラジカル重合プロセスで
は、過度の熱量を発生する傾向がある。これは、重合反
応が発熱反応であり、反応媒体の粘性が大きくなるにつ
れて熱の散逸が困難になることに起因する。この現象は
トロムスドルフ効果(Trommsdorff effect)と呼ばれ、
Principles of Polymerization,G. Odian, 2nd Ed. Wil
ey-Interscience, NY, 1981, pp. 272に示されている。
さらに、このフリーラジカル重合プロセスの発熱性の性
質は、規模拡大を行う際に反応剤の濃度や反応器のサイ
ズを限定する要因となることが多い。
【0009】例えば米国特許第4,601,968 号および第
4,609,607 号は、ビード懸濁重合による樹脂の形成を開
示している。米国特許第5,274,057 号には、フリーラジ
カル懸濁重合反応によって、攪拌機やバッフル、加熱コ
イル、反応器の壁面に好ましくない重合体の沈着が生じ
ることがあると記載されている。状況によっては、反応
中に懸濁液が癒着して多量の望ましくない重合体ゲル物
質を沈着させることもあり、それを反応器から除去する
のは困難で危険で費用のかかる作業となる。
4,609,607 号は、ビード懸濁重合による樹脂の形成を開
示している。米国特許第5,274,057 号には、フリーラジ
カル懸濁重合反応によって、攪拌機やバッフル、加熱コ
イル、反応器の壁面に好ましくない重合体の沈着が生じ
ることがあると記載されている。状況によっては、反応
中に懸濁液が癒着して多量の望ましくない重合体ゲル物
質を沈着させることもあり、それを反応器から除去する
のは困難で危険で費用のかかる作業となる。
【0010】さらに、従来のフリーラジカル重合プロセ
スで生じるゲル物質の形成によって、分子量分布が広く
なり、及び/又は生成した樹脂の濾過、乾燥、処理にお
いても困難を生じる。
スで生じるゲル物質の形成によって、分子量分布が広く
なり、及び/又は生成した樹脂の濾過、乾燥、処理にお
いても困難を生じる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みてなされたものであり、狭い多分散性の単独重合体
又は共重合体の熱可塑性ポリマー樹脂生成物が得られる
フリーラジカル重合反応システムを提供する。
鑑みてなされたものであり、狭い多分散性の単独重合体
又は共重合体の熱可塑性ポリマー樹脂生成物が得られる
フリーラジカル重合反応システムを提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のフリーラジカル
重合方法は、フリーラジカル開始剤と、安定フリーラジ
カル剤と、少なくとも一つの重合可能なモノマーとの混
合体を加熱するステップと、圧力下で重合不能な超臨界
流体を添加するステップと、モノマーからポリマーへの
高い転化率で該重合可能なモノマーを重合して熱可塑性
樹脂を形成するステップと、該混合物を冷却するステッ
プとを含み、必要に応じて、該熱可塑性樹脂を単離する
ステップと、必要に応じて該熱可塑性樹脂を洗浄および
乾燥するステップとを含む。
重合方法は、フリーラジカル開始剤と、安定フリーラジ
カル剤と、少なくとも一つの重合可能なモノマーとの混
合体を加熱するステップと、圧力下で重合不能な超臨界
流体を添加するステップと、モノマーからポリマーへの
高い転化率で該重合可能なモノマーを重合して熱可塑性
樹脂を形成するステップと、該混合物を冷却するステッ
プとを含み、必要に応じて、該熱可塑性樹脂を単離する
ステップと、必要に応じて該熱可塑性樹脂を洗浄および
乾燥するステップとを含む。
【0013】本発明のフリーラジカル重合反応システム
では、二酸化炭素などの超臨界流体を溶剤の代わりに用
いる。
では、二酸化炭素などの超臨界流体を溶剤の代わりに用
いる。
【0014】このフリーラジカル重合反応システムは、
従来の反応媒体を用いてもよいし、用いなくてもよい。
超臨界媒体によって膨張したポリマーは低粘度の液体に
似た特性を有する。例えば、攪拌が容易で、反応容器の
底部にたまりやすく、圧力解除後は得られた溶融したポ
リマーが攪拌機の上方に移動する。さらに、二酸化炭素
などの超臨界流体を溶剤/分散剤として用いて生成した
ポリマーの純度は高く、汚染を防止又は最小限にして、
例えば最高約99パーセントまでの高い処理量および生
産収率を実現できる。さらに本発明の方法は、単一容器
内でのブロック共重合体の合成を可能にする。
従来の反応媒体を用いてもよいし、用いなくてもよい。
超臨界媒体によって膨張したポリマーは低粘度の液体に
似た特性を有する。例えば、攪拌が容易で、反応容器の
底部にたまりやすく、圧力解除後は得られた溶融したポ
リマーが攪拌機の上方に移動する。さらに、二酸化炭素
などの超臨界流体を溶剤/分散剤として用いて生成した
ポリマーの純度は高く、汚染を防止又は最小限にして、
例えば最高約99パーセントまでの高い処理量および生
産収率を実現できる。さらに本発明の方法は、単一容器
内でのブロック共重合体の合成を可能にする。
【0015】また、カップリング反応や不均化反応によ
る反応停止については、フリーラジカル重合プロセスを
調節させる安定フリーラジカル剤を用いて、逆にフリー
ラジカル連鎖の生長を停止させることによって、上記の
反応停止を防止することができる。
る反応停止については、フリーラジカル重合プロセスを
調節させる安定フリーラジカル剤を用いて、逆にフリー
ラジカル連鎖の生長を停止させることによって、上記の
反応停止を防止することができる。
【0016】また、例えば第三アミン等の促進剤化合物
を添加することによって、ペルオキシドフリーラジカル
開始剤の解離を加速し、すべての重合体鎖をほぼ同時に
開始させる。
を添加することによって、ペルオキシドフリーラジカル
開始剤の解離を加速し、すべての重合体鎖をほぼ同時に
開始させる。
【0017】さらに、例えばスルホン酸、リン酸、カル
ボン酸等の有機酸を小量だけ反応媒体に添加することに
よって、ポリマー樹脂の多分散性を広げることなく、反
応速度を増加することができる。
ボン酸等の有機酸を小量だけ反応媒体に添加することに
よって、ポリマー樹脂の多分散性を広げることなく、反
応速度を増加することができる。
【0018】具体例では、モノマーと、適切なアゾまた
はペルオキシドフリーラジカル開始剤と、安定フリーラ
ジカル剤とを用いた単一容器プロセスによって熱可塑性
樹脂を製造することできる。
はペルオキシドフリーラジカル開始剤と、安定フリーラ
ジカル剤とを用いた単一容器プロセスによって熱可塑性
樹脂を製造することできる。
【0019】また本発明の熱可塑性樹脂製造方法を用い
ると、生長共重合体鎖の分子量が全重合反応時間にわた
って増加し、時間または数平均分子量に対してモノマー
からポリマーへの転化率又は重合の度合はほぼリニアの
関係にある。すなわち、トロモスドルフ効果を伴わなず
に重合プロセスを実現できる。
ると、生長共重合体鎖の分子量が全重合反応時間にわた
って増加し、時間または数平均分子量に対してモノマー
からポリマーへの転化率又は重合の度合はほぼリニアの
関係にある。すなわち、トロモスドルフ効果を伴わなず
に重合プロセスを実現できる。
【0020】本発明による重合方法およびこれを用いて
生成した熱可塑性樹脂は、多くの用途に有用である。例
えば、多様な特定用途として電子写真画像形成法で使用
するトナー樹脂に適用できる。また、熱可塑性のフィル
ムやコーティングの分野などで、単一モード性の狭い分
子量分布の樹脂またはその樹脂の混合物や、各ブロック
成分が狭い分子量分布のブロック共重合体を適用でき
る。
生成した熱可塑性樹脂は、多くの用途に有用である。例
えば、多様な特定用途として電子写真画像形成法で使用
するトナー樹脂に適用できる。また、熱可塑性のフィル
ムやコーティングの分野などで、単一モード性の狭い分
子量分布の樹脂またはその樹脂の混合物や、各ブロック
成分が狭い分子量分布のブロック共重合体を適用でき
る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明では、二酸化炭素などの超
臨界流体を用いることによって、分子量分布の狭い熱可
塑性樹脂の生成を達成するが、本発明に用いられる用語
「超臨界」とは、従来通りの意味で使われている。すな
わち、臨界温度を越えた温度に保持される高密度のガス
であり、この温度を越えると圧力をいくら加えても液化
しない状態をさす。例えば、二酸化炭素の臨界温度は約
31℃であり、これ以上の温度に保たれた二酸化炭素
は、圧力を加えても液化しない。これを超臨界流体と呼
ぶ。本発明はポリマーの製造方法に関し、さらに詳しく
は重合方法及びそれによって形成されるポリマーに関す
る。
臨界流体を用いることによって、分子量分布の狭い熱可
塑性樹脂の生成を達成するが、本発明に用いられる用語
「超臨界」とは、従来通りの意味で使われている。すな
わち、臨界温度を越えた温度に保持される高密度のガス
であり、この温度を越えると圧力をいくら加えても液化
しない状態をさす。例えば、二酸化炭素の臨界温度は約
31℃であり、これ以上の温度に保たれた二酸化炭素
は、圧力を加えても液化しない。これを超臨界流体と呼
ぶ。本発明はポリマーの製造方法に関し、さらに詳しく
は重合方法及びそれによって形成されるポリマーに関す
る。
【0022】本発明の具体例ではまた、少なくとも一つ
のモノマー化合物から狭い分子量分布と制御容易なモー
ド性を有する熱可塑性ポリマー樹脂を生成するために、
安定フリーラジカル重合プロセスを使用する。この樹脂
は狭い多分散性、すなわち狭い分子量分布を有する。こ
の分子量分布は、数平均分子量Mnに対する重量平均分
子量Mwの比、すなわちMw:Mnで定義される。
のモノマー化合物から狭い分子量分布と制御容易なモー
ド性を有する熱可塑性ポリマー樹脂を生成するために、
安定フリーラジカル重合プロセスを使用する。この樹脂
は狭い多分散性、すなわち狭い分子量分布を有する。こ
の分子量分布は、数平均分子量Mnに対する重量平均分
子量Mwの比、すなわちMw:Mnで定義される。
【0023】本発明の具体例では、数キログラム単位あ
るいはそれ以上の規模で、単一のポット反応器内でバル
クフリーラジカル重合プロセスを行うことができる。具
体例によっては、重合体鎖の生長を擬似リビング(pseu
do living )メカニズムによって進行させ、分子量分布
又は多分散性を狭く維持したまま、多様な分子量(非常
に低いものから非常に高い分子量、例えば1万〜30万
までの分子量)の樹脂を生成することができる。さらに
別の具体例では、フリーラジカル重合を前述の安定フリ
ーラジカルによって調節させて、ブロック共重合体を合
成することができる。こうして合成した各ブロックの長
さは、反応モノマーによって限定され、同時に各ブロッ
クの分子量分布も狭い。
るいはそれ以上の規模で、単一のポット反応器内でバル
クフリーラジカル重合プロセスを行うことができる。具
体例によっては、重合体鎖の生長を擬似リビング(pseu
do living )メカニズムによって進行させ、分子量分布
又は多分散性を狭く維持したまま、多様な分子量(非常
に低いものから非常に高い分子量、例えば1万〜30万
までの分子量)の樹脂を生成することができる。さらに
別の具体例では、フリーラジカル重合を前述の安定フリ
ーラジカルによって調節させて、ブロック共重合体を合
成することができる。こうして合成した各ブロックの長
さは、反応モノマーによって限定され、同時に各ブロッ
クの分子量分布も狭い。
【0024】前述のプロセスの具体例で得られたポリマ
ー樹脂あるいは共重合樹脂組成物中の樹脂の重量平均分
子量Mwは、約10,000〜約200,000、数平
均分子量Mnは、約9,000〜約100,000、多
分散性は約1.1〜約2.0である。
ー樹脂あるいは共重合樹脂組成物中の樹脂の重量平均分
子量Mwは、約10,000〜約200,000、数平
均分子量Mnは、約9,000〜約100,000、多
分散性は約1.1〜約2.0である。
【0025】理論によって制限する事は望まないが、用
いる開始剤によって正確な温度は多少異なるが、100
℃を越える温度で本発明の重合反応を実行すると、すべ
ての重合体鎖がほぼ同時に開始されると思われる。これ
が、多分散性の狭いポリマー鎖生成物の形成を可能とす
る主な理由と思われる。
いる開始剤によって正確な温度は多少異なるが、100
℃を越える温度で本発明の重合反応を実行すると、すべ
ての重合体鎖がほぼ同時に開始されると思われる。これ
が、多分散性の狭いポリマー鎖生成物の形成を可能とす
る主な理由と思われる。
【0026】具体例では、本発明は熱可塑性ポリマー樹
脂を生成するための安定フリーラジカルプロセスに関す
る。このプロセスでは、フリーラジカル開始剤と、安定
フリーラジカル剤と、少なくとも一つの重合可能なモノ
マー化合物の混合物を、すべての重合体鎖形成がほぼ同
時に開始されるような条件下で有効時間加熱する。この
混合物を冷却して効果的に重合を停止させる。この熱可
塑性樹脂生成物を単離する。さらに必要に応じて、この
ポリマー樹脂を洗浄・乾燥する。前述のプロセスは二酸
化炭素等の超臨界流体の存在下で行う。本具体例では、
本明細書で示した安定フリーラジカル条件下で、バルク
重合が選択される。ここで、バルク相は超臨界状態にあ
り、この超臨界流体によって、生成されたポリマー相が
膨張する。本具体例で生成するポリマー樹脂は本質的に
単一モード性であり、具体例では加熱ステップによって
重合の開始と重合が行われ、これを繰り返すことによっ
て単一モード性のポリマー樹脂の混合物が可能になる。
この単一モード性ポリマー樹脂から成る混合物は、狭い
多分散性及び周知の又は選択できるモード性の両者の特
性を有する、組成的に同一なものである。
脂を生成するための安定フリーラジカルプロセスに関す
る。このプロセスでは、フリーラジカル開始剤と、安定
フリーラジカル剤と、少なくとも一つの重合可能なモノ
マー化合物の混合物を、すべての重合体鎖形成がほぼ同
時に開始されるような条件下で有効時間加熱する。この
混合物を冷却して効果的に重合を停止させる。この熱可
塑性樹脂生成物を単離する。さらに必要に応じて、この
ポリマー樹脂を洗浄・乾燥する。前述のプロセスは二酸
化炭素等の超臨界流体の存在下で行う。本具体例では、
本明細書で示した安定フリーラジカル条件下で、バルク
重合が選択される。ここで、バルク相は超臨界状態にあ
り、この超臨界流体によって、生成されたポリマー相が
膨張する。本具体例で生成するポリマー樹脂は本質的に
単一モード性であり、具体例では加熱ステップによって
重合の開始と重合が行われ、これを繰り返すことによっ
て単一モード性のポリマー樹脂の混合物が可能になる。
この単一モード性ポリマー樹脂から成る混合物は、狭い
多分散性及び周知の又は選択できるモード性の両者の特
性を有する、組成的に同一なものである。
【0027】本発明での生長鎖を「擬似リビング(pseu
do-living )」生長鎖と呼ぶ。安定フリーラジカル剤が
生長鎖に加わり、鎖が一時的だが逆に停止するからであ
る。以下の反応スキームに示すように、生長ポリマー鎖
は、一時的な停止状態とリビング状態の間を彷徨する
か、あるいは平衡状態にある。生長重合体鎖と安定フリ
ーラジカル剤(・SFR)をつなぐ結合に反応系から熱
エネルギーが加わると、すなわち、下記の反応スキーム
ではアダクト(この場合、例えば安定フリーラジカル剤
(・SFR)は例えば置換スチレンのような生長鎖に共
有結合している)はホモリシスに一時的に切断されて、
スキーム中の[]で示すようなリビング連鎖端のラジカ
ル種を生成し、他のモノマー単位のこの鎖への挿入、又
は付加が可能になり、再びすぐに、たとえ短くても生き
た状態となり(この時間は拡散制御によって決定され
る)、約80℃を越え、100℃で熱的に不安定なアダ
クトとして安定フリーラジカル剤によって、あるいは潜
在的フリーラジカル連鎖によって、停止又は保護され
る。例えば過酸化ベンゾイルなどのフリーラジカル開始
剤は、下記のスキーム中では・INITと示される。
do-living )」生長鎖と呼ぶ。安定フリーラジカル剤が
生長鎖に加わり、鎖が一時的だが逆に停止するからであ
る。以下の反応スキームに示すように、生長ポリマー鎖
は、一時的な停止状態とリビング状態の間を彷徨する
か、あるいは平衡状態にある。生長重合体鎖と安定フリ
ーラジカル剤(・SFR)をつなぐ結合に反応系から熱
エネルギーが加わると、すなわち、下記の反応スキーム
ではアダクト(この場合、例えば安定フリーラジカル剤
(・SFR)は例えば置換スチレンのような生長鎖に共
有結合している)はホモリシスに一時的に切断されて、
スキーム中の[]で示すようなリビング連鎖端のラジカ
ル種を生成し、他のモノマー単位のこの鎖への挿入、又
は付加が可能になり、再びすぐに、たとえ短くても生き
た状態となり(この時間は拡散制御によって決定され
る)、約80℃を越え、100℃で熱的に不安定なアダ
クトとして安定フリーラジカル剤によって、あるいは潜
在的フリーラジカル連鎖によって、停止又は保護され
る。例えば過酸化ベンゾイルなどのフリーラジカル開始
剤は、下記のスキーム中では・INITと示される。
【0028】
【化1】
【0029】さらに詳しくは、本発明の重合プロセスで
は、超臨界流体の存在下で本明細書に述べられる安定フ
リーラジカル重合プロセスを実行する。用いたモノマー
がバルク重合反応している間、バルク相は一般に超臨界
相にあり、生成されるポリマー相はこの超臨界流体によ
って膨張する。具体例において、超臨界流体によってポ
リマー相が膨張することによって、高粘度のポリマーで
はなく、低粘性の液体に似た特性をもつポリマー相が生
成できることが超臨界流体の利点である。従って、撹拌
や搬送といった重合媒体の処理が非常に改良され、効果
的で経済的なプロセスが実現できる。
は、超臨界流体の存在下で本明細書に述べられる安定フ
リーラジカル重合プロセスを実行する。用いたモノマー
がバルク重合反応している間、バルク相は一般に超臨界
相にあり、生成されるポリマー相はこの超臨界流体によ
って膨張する。具体例において、超臨界流体によってポ
リマー相が膨張することによって、高粘度のポリマーで
はなく、低粘性の液体に似た特性をもつポリマー相が生
成できることが超臨界流体の利点である。従って、撹拌
や搬送といった重合媒体の処理が非常に改良され、効果
的で経済的なプロセスが実現できる。
【0030】本発明では上述の反応条件を満たすなら
ば、任意の様々な超臨界流体をプロセス媒体として使用
することができる。適切な超臨界流体の例として、二酸
化炭素、亜酸化窒素、またはメタン、エタン、プロパ
ン、ブタン等の低分子量アルカンやその混合物等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。本発明の
プロセスでは、超臨界流体として二酸化炭素が好まし
い。
ば、任意の様々な超臨界流体をプロセス媒体として使用
することができる。適切な超臨界流体の例として、二酸
化炭素、亜酸化窒素、またはメタン、エタン、プロパ
ン、ブタン等の低分子量アルカンやその混合物等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。本発明の
プロセスでは、超臨界流体として二酸化炭素が好まし
い。
【0031】重合プロセスでは、反応容器の温度と圧力
を、超臨界流体をその超臨界状態に保つレベルに維持す
ることが好ましい。従って、具体例では、反応容器の圧
力を好ましくは約1,000〜約6,000psi、よ
り好ましくは約1,500〜約5,000psiに保
ち、さらに好ましくは、反応器を約2,000〜約4,
000psiに保つ。このような圧力は、使用する特定
の超臨界流体や反応器設備、重合反応の温度などに依存
して異なることは言うまでもない。
を、超臨界流体をその超臨界状態に保つレベルに維持す
ることが好ましい。従って、具体例では、反応容器の圧
力を好ましくは約1,000〜約6,000psi、よ
り好ましくは約1,500〜約5,000psiに保
ち、さらに好ましくは、反応器を約2,000〜約4,
000psiに保つ。このような圧力は、使用する特定
の超臨界流体や反応器設備、重合反応の温度などに依存
して異なることは言うまでもない。
【0032】一般に、本発明の具体例では、圧力の印加
と重合試薬(モノマー、開始剤、安定フリーラジカル剤
等)の添加に先立ち、反応容器を所望の反応温度に加熱
する。このようにあらかじめ反応容器を加熱しておくこ
とによって、例えば加圧後に反応器を反応温度に加熱す
る場合に起こる危険な過圧状態を回避することが好まし
い。例えば約1,000〜約6,000psiの反応圧
力にするために超臨界流体を添加する前に、反応容器を
約60〜約160℃の反応温度に加熱してもよい。反応
容器を所望の反応条件に加熱、加圧したならば、重合試
薬を反応容器に添加し、重合を開始する。
と重合試薬(モノマー、開始剤、安定フリーラジカル剤
等)の添加に先立ち、反応容器を所望の反応温度に加熱
する。このようにあらかじめ反応容器を加熱しておくこ
とによって、例えば加圧後に反応器を反応温度に加熱す
る場合に起こる危険な過圧状態を回避することが好まし
い。例えば約1,000〜約6,000psiの反応圧
力にするために超臨界流体を添加する前に、反応容器を
約60〜約160℃の反応温度に加熱してもよい。反応
容器を所望の反応条件に加熱、加圧したならば、重合試
薬を反応容器に添加し、重合を開始する。
【0033】もっとも、本開示内容に基づけば分かるよ
うに、このような反応容器の加熱、超臨界流体による反
応容器内の加圧、重合試薬の反応容器への添加の順序は
特に重要な要素というわけではなく、具体例では、すべ
ての反応成分を同時に反応器に添加し、反応器を密封
し、反応条件まで加熱することが望ましい。
うに、このような反応容器の加熱、超臨界流体による反
応容器内の加圧、重合試薬の反応容器への添加の順序は
特に重要な要素というわけではなく、具体例では、すべ
ての反応成分を同時に反応器に添加し、反応器を密封
し、反応条件まで加熱することが望ましい。
【0034】また、具体例では反応容器内で連続的、あ
るいは間欠的に反応成分を攪拌することも可能である
し、望ましい。反応成分での攪拌は、任意の周知の方法
で行えばよい。
るいは間欠的に反応成分を攪拌することも可能である
し、望ましい。反応成分での攪拌は、任意の周知の方法
で行えばよい。
【0035】ポリマー生成のためのモノマー又は混合モ
ノマーの反応時間は約1時間から約60時間にわたって
変えられるが、好ましくは約2〜約10時間、最適には
約4〜約7時間である。最適反応時間は、反応温度、反
応量と規模、重合開始剤および安定フリーラジカル剤の
量と種類に依存して異なる。 重合の反応温度は、調節
可能な外部熱源を用い、加熱ステップを通して比較的一
定に保つ。この温度は約60〜約160℃、好ましくは
約100〜約150℃、具体例では最適には約120〜
約140℃である。約160℃を越える温度で反応させ
ると、多分散性が広くなりやすい。反応容量は、単純な
添加、混合、反応、樹脂生成物の単離が経済的又は容易
にできるならば、任意の規模に設定できる。
ノマーの反応時間は約1時間から約60時間にわたって
変えられるが、好ましくは約2〜約10時間、最適には
約4〜約7時間である。最適反応時間は、反応温度、反
応量と規模、重合開始剤および安定フリーラジカル剤の
量と種類に依存して異なる。 重合の反応温度は、調節
可能な外部熱源を用い、加熱ステップを通して比較的一
定に保つ。この温度は約60〜約160℃、好ましくは
約100〜約150℃、具体例では最適には約120〜
約140℃である。約160℃を越える温度で反応させ
ると、多分散性が広くなりやすい。反応容量は、単純な
添加、混合、反応、樹脂生成物の単離が経済的又は容易
にできるならば、任意の規模に設定できる。
【0036】フリーラジカル開始剤は、フリーラジカル
重合を開始できるものであれば、任意のフリーラジカル
重合開始剤を用いることができる。例えば、過酸化物ベ
ンゾイル等の過酸化物開始剤や、アゾビスイソブチロニ
トリル等のアゾ開始剤が挙げられる。開始剤の濃度は、
通常は重合されるモノマーの全重量の約0.2〜約2.
5重量%であり、生成する樹脂の所望分子量によって決
定される。開始剤の濃度が、用いるモノマーのモル当量
の重量に対して減少すると、生成される熱可塑性樹脂の
分子量が増加する。
重合を開始できるものであれば、任意のフリーラジカル
重合開始剤を用いることができる。例えば、過酸化物ベ
ンゾイル等の過酸化物開始剤や、アゾビスイソブチロニ
トリル等のアゾ開始剤が挙げられる。開始剤の濃度は、
通常は重合されるモノマーの全重量の約0.2〜約2.
5重量%であり、生成する樹脂の所望分子量によって決
定される。開始剤の濃度が、用いるモノマーのモル当量
の重量に対して減少すると、生成される熱可塑性樹脂の
分子量が増加する。
【0037】安定フリーラジカル剤としては、任意の安
定フリーラジカル剤を用いることができるが、例えば、
PROXYL(2,2,5,5−テトラメチル−1−ピ
ロリジニロキシ)とその誘導体、TEMPO(2,2,
6,6−テトラメチル−1−ピペリジニロキシ)とその
誘導体、DOXYL(4,4−ジメチル−オキサゾリジ
ニロキシ)とその誘導体、およびこれらの混合物などの
ニトロキシドフリーラジカルがある。これらの安定フリ
ーラジカル剤物質は、例えばG.モウド(G. Moad)ら
の文献Tetrahedron Letters, 22, 1165 (1981)に開示さ
れるように、フリーラジカル重合抑制剤として公知であ
る。しかし本発明の重合条件では、安定フリーラジカル
剤は調節剤として機能して、普通反応性が高く何とでも
結合する中間フリーラジカル種の性質を緩和する。
定フリーラジカル剤を用いることができるが、例えば、
PROXYL(2,2,5,5−テトラメチル−1−ピ
ロリジニロキシ)とその誘導体、TEMPO(2,2,
6,6−テトラメチル−1−ピペリジニロキシ)とその
誘導体、DOXYL(4,4−ジメチル−オキサゾリジ
ニロキシ)とその誘導体、およびこれらの混合物などの
ニトロキシドフリーラジカルがある。これらの安定フリ
ーラジカル剤物質は、例えばG.モウド(G. Moad)ら
の文献Tetrahedron Letters, 22, 1165 (1981)に開示さ
れるように、フリーラジカル重合抑制剤として公知であ
る。しかし本発明の重合条件では、安定フリーラジカル
剤は調節剤として機能して、普通反応性が高く何とでも
結合する中間フリーラジカル種の性質を緩和する。
【0038】フリーラジカル開始剤(INIT)に対す
る安定フリーラジカル(SFR)のモル比は、一般に約
0.4から約2.5であるが、約0.9から1.6の範
囲が望ましい。理論によって限定することを望まない
が、具体例では、安定フリーラジカル剤(例えばTEM
PO)とフリーラジカル開始剤(例えば過酸化ベンゾー
ル)のモル比[SFR:INIT]は、約1.1〜約
1.3が特に好ましいと思われる。モル比[SFR:I
NIT]が高すぎると反応速度が著しく抑制され、低す
ぎると反応生成物の多分散性が増大して好ましくない。
本発明のプロセスで安定フリーラジカル剤を使用せずに
スチレンをポリスチレンに重合したところ、単離したポ
リマー生成物の多分散性が2.0以上になった。
る安定フリーラジカル(SFR)のモル比は、一般に約
0.4から約2.5であるが、約0.9から1.6の範
囲が望ましい。理論によって限定することを望まない
が、具体例では、安定フリーラジカル剤(例えばTEM
PO)とフリーラジカル開始剤(例えば過酸化ベンゾー
ル)のモル比[SFR:INIT]は、約1.1〜約
1.3が特に好ましいと思われる。モル比[SFR:I
NIT]が高すぎると反応速度が著しく抑制され、低す
ぎると反応生成物の多分散性が増大して好ましくない。
本発明のプロセスで安定フリーラジカル剤を使用せずに
スチレンをポリスチレンに重合したところ、単離したポ
リマー生成物の多分散性が2.0以上になった。
【0039】具体例ではモノマー含有量と、安定フリー
ラジカル剤と、フリーラジカル開始剤のモル比は一般
に、約100:0.2:1から約10,000:2.
5:1の範囲であり、好ましくは約300:1.3:1
から約7,000:1.3:1の範囲である。
ラジカル剤と、フリーラジカル開始剤のモル比は一般
に、約100:0.2:1から約10,000:2.
5:1の範囲であり、好ましくは約300:1.3:1
から約7,000:1.3:1の範囲である。
【0040】本発明の重合プロセスでは、具体例で例え
ば約90重量%以上という、モノマーからポリマーへの
高い転化率(すなわち重合の度合)を達成できる。
ば約90重量%以上という、モノマーからポリマーへの
高い転化率(すなわち重合の度合)を達成できる。
【0041】さらに、比較的高い重量平均分子量、例え
ば約10,000〜約200,000という重量平均分
子量が得られる。
ば約10,000〜約200,000という重量平均分
子量が得られる。
【0042】本発明のプロセスで使用するモノマーとし
ては、フリーラジカル重合を行えるものなら任意のモン
マーを使用でき、例えば、スチレン、メチルスチレンの
ような置換スチレン、およびその誘導体、アクリレー
ト、メタクリレート、ブタジエン、特定の安定フリーラ
ジカルによる調節重合反応条件下で十分に反応し、安定
フリーラジカル反応アダクト及び高分子量ポリマーを生
成できる、任意の共役ジエンモノマー、例えばイソプレ
ンやミルセンが挙げられるがこれらに制限されない。
ては、フリーラジカル重合を行えるものなら任意のモン
マーを使用でき、例えば、スチレン、メチルスチレンの
ような置換スチレン、およびその誘導体、アクリレー
ト、メタクリレート、ブタジエン、特定の安定フリーラ
ジカルによる調節重合反応条件下で十分に反応し、安定
フリーラジカル反応アダクト及び高分子量ポリマーを生
成できる、任意の共役ジエンモノマー、例えばイソプレ
ンやミルセンが挙げられるがこれらに制限されない。
【0043】具体例ではまた、カチオン重合を開始しな
いプロトン酸を、触媒量だけ添加し、モノマーの重合反
応速度を加速して、反応時間を従来の16時間以上から
約4〜約7時間に短縮することができる。プロトン酸
は、有機スルホン酸、リン酸、カルボン酸からなる群か
ら選択され、好ましくはカンファースルホン酸を用い
る。これらのプロトン酸を添加する際の、安定性フリー
ラジカル剤と酸のモル比は約1:1から11:1であ
り、好ましくは約1.5:1から約5:1である。この
割合を越えて有機酸を添加すると、樹脂の多分散性が広
くなり過ぎる。
いプロトン酸を、触媒量だけ添加し、モノマーの重合反
応速度を加速して、反応時間を従来の16時間以上から
約4〜約7時間に短縮することができる。プロトン酸
は、有機スルホン酸、リン酸、カルボン酸からなる群か
ら選択され、好ましくはカンファースルホン酸を用い
る。これらのプロトン酸を添加する際の、安定性フリー
ラジカル剤と酸のモル比は約1:1から11:1であ
り、好ましくは約1.5:1から約5:1である。この
割合を越えて有機酸を添加すると、樹脂の多分散性が広
くなり過ぎる。
【0044】必要に応じて、周知の他の添加剤を重合反
応に用いてもよい。このような添加物は本発明の目的が
損なわれることはなく、得られた生成物の性能を強化す
ることができるものである。例えば、着色剤、潤滑剤、
離型剤、あるいは移動剤、界面活性剤、安定剤、消泡剤
などを本発明のプロセスに添加してもよい。
応に用いてもよい。このような添加物は本発明の目的が
損なわれることはなく、得られた生成物の性能を強化す
ることができるものである。例えば、着色剤、潤滑剤、
離型剤、あるいは移動剤、界面活性剤、安定剤、消泡剤
などを本発明のプロセスに添加してもよい。
【0045】安定フリーラジカル重合法のさらなる詳細
については、ジョージズ(Georges)らの米国特許第5,3
22,912 号に開示されている。
については、ジョージズ(Georges)らの米国特許第5,3
22,912 号に開示されている。
【0046】本発明のプロセスによって、多様な種類の
ポリマーを形成することができる。例えば、このプロセ
スはスチレンモノマーを重合してポリスチレンを生成、
あるいはブタジエンを重合してポリブタジエンを生成す
るのに用いることができる。
ポリマーを形成することができる。例えば、このプロセ
スはスチレンモノマーを重合してポリスチレンを生成、
あるいはブタジエンを重合してポリブタジエンを生成す
るのに用いることができる。
【0047】本発明のプロセスを実行するための適切な
反応媒体は、バルク、懸濁液、エマルジョン、および溶
液システムからなる群から選択できる。
反応媒体は、バルク、懸濁液、エマルジョン、および溶
液システムからなる群から選択できる。
【0048】具体例では、分子量約1,000〜約2
0,000の低分子量のワックス状の成分をモノマーに
組み込んでもよい。ワックス状の成分としては、例えば
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスまたは
その混合物などのアルキレンがある。このような成分を
使用することによって、ある種のトナーへの適用に適し
たものとなる。適切な低分子量のワックスに関しては、
米国特許第4,659,641号に開示される。
0,000の低分子量のワックス状の成分をモノマーに
組み込んでもよい。ワックス状の成分としては、例えば
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスまたは
その混合物などのアルキレンがある。このような成分を
使用することによって、ある種のトナーへの適用に適し
たものとなる。適切な低分子量のワックスに関しては、
米国特許第4,659,641号に開示される。
【0049】トナー組成物は様々な周知の方法によって
製造することができる。例えば、トナー押出装置(ワー
ナーフレイデラー社のZSK53など)中で本発明のプ
ロセスを用いて生成するスチレン−ブタジエン共重合体
のような樹脂の粒子と、マグネタイト、カーボンブラッ
ク、それらの混合物のような顔料粒子と、シアン、イエ
ロー、マゼンタ、グリーン、ブラウン、レッド、それら
の混合物のような着色剤と、好ましくは、約0.5〜約
5%の電荷促進添加剤とを混合し、加熱し、形成したト
ナー組成物を装置から取り出す方法があり、さらに冷却
した後、このトナー組成物を例えばスターテヴァント社
のマイクロナイザ(微粉機)で、トナー粒子の体積中央
径を約25ミクロン未満、好ましくは約6〜約12ミク
ロンのトナー粒子に粉砕する。直径の測定はクールター
カウンタで行う。次に、このトナー組成物を、体積中央
径が約4ミクロン未満の微粉トナーを取り除くために、
例えばドナルドソン社のモデルB分級機を用いて分級す
ることができる。
製造することができる。例えば、トナー押出装置(ワー
ナーフレイデラー社のZSK53など)中で本発明のプ
ロセスを用いて生成するスチレン−ブタジエン共重合体
のような樹脂の粒子と、マグネタイト、カーボンブラッ
ク、それらの混合物のような顔料粒子と、シアン、イエ
ロー、マゼンタ、グリーン、ブラウン、レッド、それら
の混合物のような着色剤と、好ましくは、約0.5〜約
5%の電荷促進添加剤とを混合し、加熱し、形成したト
ナー組成物を装置から取り出す方法があり、さらに冷却
した後、このトナー組成物を例えばスターテヴァント社
のマイクロナイザ(微粉機)で、トナー粒子の体積中央
径を約25ミクロン未満、好ましくは約6〜約12ミク
ロンのトナー粒子に粉砕する。直径の測定はクールター
カウンタで行う。次に、このトナー組成物を、体積中央
径が約4ミクロン未満の微粉トナーを取り除くために、
例えばドナルドソン社のモデルB分級機を用いて分級す
ることができる。
【0050】本発明の、トナー組成物や現像剤組成物用
に選択される適切なトナー樹脂の例としては、ポリアミ
ド、スチレンアクリレート、スチレンメタクリレート、
スチレンブタジエン、ビニル樹脂(ビニルモノマーのホ
モポリマーおよび2つ以上のビニルモノマーの共重合体
を含む)が挙げられるがこのビニルモノマーとしては、
ビニルモノマー(例えばスチレン、p−クロロスチレ
ン、ブタジエン、イソプレン、ミルセンなど)、モノカ
ルボン酸エステルなどのビニルエステル(メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、イソブチルアクリレート、ドデシルアクリレート、
n−オクチルアクリレート、フェニルアクリレート、メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメ
タクリレートなどを含む)、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、アクリルアミドとそれらの混合物などが
ある。好ましいトナー樹脂としては、スチレンブタジエ
ン共重合体やその混合物を含む。他の好ましいトナー樹
脂としては、スチレン/メタクリレート共重合体、プリ
オライツ(PLIOLITES:登録商標)、米国特許
第4,558,108 号に開示されるような懸濁重合スチレンブ
タジエンを含む。
に選択される適切なトナー樹脂の例としては、ポリアミ
ド、スチレンアクリレート、スチレンメタクリレート、
スチレンブタジエン、ビニル樹脂(ビニルモノマーのホ
モポリマーおよび2つ以上のビニルモノマーの共重合体
を含む)が挙げられるがこのビニルモノマーとしては、
ビニルモノマー(例えばスチレン、p−クロロスチレ
ン、ブタジエン、イソプレン、ミルセンなど)、モノカ
ルボン酸エステルなどのビニルエステル(メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、イソブチルアクリレート、ドデシルアクリレート、
n−オクチルアクリレート、フェニルアクリレート、メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメ
タクリレートなどを含む)、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、アクリルアミドとそれらの混合物などが
ある。好ましいトナー樹脂としては、スチレンブタジエ
ン共重合体やその混合物を含む。他の好ましいトナー樹
脂としては、スチレン/メタクリレート共重合体、プリ
オライツ(PLIOLITES:登録商標)、米国特許
第4,558,108 号に開示されるような懸濁重合スチレンブ
タジエンを含む。
【0051】トナー組成物において、樹脂粒子の量は十
分だが効果的な量であり、例えば約70〜約90重量%
である。従って、この中に電荷促進添加剤が1重量%存
在し、カーボンブラック等の顔料又は着色剤が10重量
%含まれる場合、約89重量%の樹脂が選択される。電
荷促進添加剤を顔料粒子にコーティングしてもよい。電
荷促進添加剤をコーティングして用いる場合は、その量
は約0.1〜約5重量%、好ましくは約0.3〜約1重
量%とする。
分だが効果的な量であり、例えば約70〜約90重量%
である。従って、この中に電荷促進添加剤が1重量%存
在し、カーボンブラック等の顔料又は着色剤が10重量
%含まれる場合、約89重量%の樹脂が選択される。電
荷促進添加剤を顔料粒子にコーティングしてもよい。電
荷促進添加剤をコーティングして用いる場合は、その量
は約0.1〜約5重量%、好ましくは約0.3〜約1重
量%とする。
【0052】多くの周知の適切な顔料又は染料がトナー
粒子用の着色剤として選択でき、それには例えば、リー
ガル(REGAL)330のようなカーボンブラック、
ニグロシン染料、アニリンブルー、マグネタイト、これ
らの混合物を含む。トナー組成物に十分な着色をするに
は、好ましくはカーボンブラックである顔料を十分に添
加する必要がある。顔料粒子は一般に、トナー組成物全
重量の約1〜約20重量%、好ましくは約2〜約10重
量%の量で存在するが、必要に応じてそれ未満あるいは
それを越える量を用いてもよい。
粒子用の着色剤として選択でき、それには例えば、リー
ガル(REGAL)330のようなカーボンブラック、
ニグロシン染料、アニリンブルー、マグネタイト、これ
らの混合物を含む。トナー組成物に十分な着色をするに
は、好ましくはカーボンブラックである顔料を十分に添
加する必要がある。顔料粒子は一般に、トナー組成物全
重量の約1〜約20重量%、好ましくは約2〜約10重
量%の量で存在するが、必要に応じてそれ未満あるいは
それを越える量を用いてもよい。
【0053】顔料粒子をマグネタイトで構成して、ある
場合には単一成分のトナーとする場合(マグネタイト
は、例えばメイピコブラック(Mapico Black)として販
売されているものを含む酸化鉄(FeO・Fe2 O3 )
の混合物である)、顔料粒子はトナー組成物中に約10
〜約70重量%、好ましくは約10〜約50重量%含有
される。カーボンブラックとマグネタイトの混合物を用
いる場合は、カーボンブラックを約1〜約15重量%、
好ましくは約2〜約6重量%と、メイピコブラックなど
のマグネタイトを例えば約5〜約60重量%、好ましく
は約10〜約50重量%の量を選択できる。
場合には単一成分のトナーとする場合(マグネタイト
は、例えばメイピコブラック(Mapico Black)として販
売されているものを含む酸化鉄(FeO・Fe2 O3 )
の混合物である)、顔料粒子はトナー組成物中に約10
〜約70重量%、好ましくは約10〜約50重量%含有
される。カーボンブラックとマグネタイトの混合物を用
いる場合は、カーボンブラックを約1〜約15重量%、
好ましくは約2〜約6重量%と、メイピコブラックなど
のマグネタイトを例えば約5〜約60重量%、好ましく
は約10〜約50重量%の量を選択できる。
【0054】本発明のトナー組成物と、流動促進添加剤
を含む外部添加粒子とをブレンドすることもできる。こ
のような添加剤粒子は通常トナー組成物の表面に付着す
る。添加剤の例としては、エアロシル(AEROSI
L)などのコロイド状シリカ、金属塩、脂肪酸金属塩を
含む。金属塩や脂肪酸金属塩には、亜鉛ステアレート、
酸化アルミニウム、酸化セリウム、およびそれらの混合
物を含む。添加剤がある場合、添加剤の量は、一般に約
0.1〜約5重量%、好ましくは約0.1〜約1重量%
である。米国特許第3,590,000号および第 3,800,588号
は、上述の添加剤のいくつかを開示している。
を含む外部添加粒子とをブレンドすることもできる。こ
のような添加剤粒子は通常トナー組成物の表面に付着す
る。添加剤の例としては、エアロシル(AEROSI
L)などのコロイド状シリカ、金属塩、脂肪酸金属塩を
含む。金属塩や脂肪酸金属塩には、亜鉛ステアレート、
酸化アルミニウム、酸化セリウム、およびそれらの混合
物を含む。添加剤がある場合、添加剤の量は、一般に約
0.1〜約5重量%、好ましくは約0.1〜約1重量%
である。米国特許第3,590,000号および第 3,800,588号
は、上述の添加剤のいくつかを開示している。
【0055】さらに、本発明ではエアロシルなどのコロ
イド状シリカを、約1〜約30重量%、好ましくは約1
0重量%の電荷添加剤で表面処理し、次に表面処理後の
シリカを約0.1〜約10重量%、好ましくは約0.1
〜約1重量%の量でトナーに添加してもよい。
イド状シリカを、約1〜約30重量%、好ましくは約1
0重量%の電荷添加剤で表面処理し、次に表面処理後の
シリカを約0.1〜約10重量%、好ましくは約0.1
〜約1重量%の量でトナーに添加してもよい。
【0056】トナー組成物中に低分子量のワックスを含
むことができる。低分子量ワックスとしては、アライド
ケミカル&ペトロライト社(Allied Chemical and Petr
olite Corpo-ration)から市販のポリプロピレンやポリ
エチレン、イーストマンケミカルプロダクツ社(Eastma
n Chemical Products, Inc.)から市販のエポリン(EP
OLENE)N−15、サンヨウカセイ社(Sanyo Kase
i K.K.)から入手できる低重量平均分子量のポリプロピ
レン、ビスコール(VISCOL)550−P及び同様
物などがある。上記市販のポリエチレンの分子量は約
1,000から約1,500であり、トナー組成物に用
いる市販のポリプロピレンは、分子量が約4,000か
ら約5,000であると思われる。本発明で有用なポリ
エチレン組成物やポリプロピレン組成物の多くは、英国
特許第1,442,835号に開示されている。
むことができる。低分子量ワックスとしては、アライド
ケミカル&ペトロライト社(Allied Chemical and Petr
olite Corpo-ration)から市販のポリプロピレンやポリ
エチレン、イーストマンケミカルプロダクツ社(Eastma
n Chemical Products, Inc.)から市販のエポリン(EP
OLENE)N−15、サンヨウカセイ社(Sanyo Kase
i K.K.)から入手できる低重量平均分子量のポリプロピ
レン、ビスコール(VISCOL)550−P及び同様
物などがある。上記市販のポリエチレンの分子量は約
1,000から約1,500であり、トナー組成物に用
いる市販のポリプロピレンは、分子量が約4,000か
ら約5,000であると思われる。本発明で有用なポリ
エチレン組成物やポリプロピレン組成物の多くは、英国
特許第1,442,835号に開示されている。
【0057】上記のように低分子量ワックス物は本発明
のトナー組成物又はポリマー樹脂ビード中に種々の量を
含むことができる。しかし、これらワックスは一般にト
ナー組成物中に約1〜約15重量%、好ましくは約2〜
約10重量%の量で存在し、具体例では溶融ロールの離
型剤として機能する。
のトナー組成物又はポリマー樹脂ビード中に種々の量を
含むことができる。しかし、これらワックスは一般にト
ナー組成物中に約1〜約15重量%、好ましくは約2〜
約10重量%の量で存在し、具体例では溶融ロールの離
型剤として機能する。
【0058】トナー樹脂粒子、キャリア粒子、本明細書
に例示される電荷促進添加剤、顔料あるいは着色剤(レ
ッド、ブルー、グリーン、ブラウン、マゼンタ、シア
ン、及び/又はイエロー粒子、それらの混合物など)を
含む着色トナーや現像剤組成物も本発明の範囲内に含ま
れる。されに詳しくは、電荷促進添加剤を有する現像剤
組成物を使用するカラー画像形成において、顔料として
選択できるマゼンタ物の例としては例えば、2,9−ジ
メチル置換キナクリドンおよびアントラキノン染料(色
指数CI60710)、CI分散レッド15、ジアゾ染
料(色指数CI26050)、CIソルベントレッド1
9などが挙げられる。顔料として用いられるシアン物の
例としては、銅テトラ−4−(オクタデシルスルホンア
ミド)フタロシアニンや、X−銅フタロシアニン(色指
数CI74160)、CIピグメントブルー、アントラ
トレン(色指数CI69810)、スペシャルブルーX
−2137などが含まれる。
に例示される電荷促進添加剤、顔料あるいは着色剤(レ
ッド、ブルー、グリーン、ブラウン、マゼンタ、シア
ン、及び/又はイエロー粒子、それらの混合物など)を
含む着色トナーや現像剤組成物も本発明の範囲内に含ま
れる。されに詳しくは、電荷促進添加剤を有する現像剤
組成物を使用するカラー画像形成において、顔料として
選択できるマゼンタ物の例としては例えば、2,9−ジ
メチル置換キナクリドンおよびアントラキノン染料(色
指数CI60710)、CI分散レッド15、ジアゾ染
料(色指数CI26050)、CIソルベントレッド1
9などが挙げられる。顔料として用いられるシアン物の
例としては、銅テトラ−4−(オクタデシルスルホンア
ミド)フタロシアニンや、X−銅フタロシアニン(色指
数CI74160)、CIピグメントブルー、アントラ
トレン(色指数CI69810)、スペシャルブルーX
−2137などが含まれる。
【0059】選択されるイエロー顔料の例としては、ジ
アリ−リドイエロー3,3−ジクロロベンジデンアセト
アセタニリド、モノアゾ顔料(色指数CI1270
0)、Clソルベントイエロー16、ニトロフェニルア
ミンスルホンアミド(色指数フロンイエローSE/GL
N)、CI分散イエロー33、2,5−ジメトキシ−4
−スルホンアニリドフェニルアゾ−4’−クロロ−2,
5−ジメトキシアセトアセタニリド、ピグメントイエロ
ーFGLなどがある。前述の顔料は、本発明の目的が達
成される限り、適切な有効量でトナー組成物に混合する
ことができる。具体例では、トナー組成物中でこれらの
着色顔料粒子の量は、トナー樹脂粒子の量を基準とし
て、約2〜約15重量%である。
アリ−リドイエロー3,3−ジクロロベンジデンアセト
アセタニリド、モノアゾ顔料(色指数CI1270
0)、Clソルベントイエロー16、ニトロフェニルア
ミンスルホンアミド(色指数フロンイエローSE/GL
N)、CI分散イエロー33、2,5−ジメトキシ−4
−スルホンアニリドフェニルアゾ−4’−クロロ−2,
5−ジメトキシアセトアセタニリド、ピグメントイエロ
ーFGLなどがある。前述の顔料は、本発明の目的が達
成される限り、適切な有効量でトナー組成物に混合する
ことができる。具体例では、トナー組成物中でこれらの
着色顔料粒子の量は、トナー樹脂粒子の量を基準とし
て、約2〜約15重量%である。
【0060】現像剤組成物の配合としては、トナー粒子
にキャリア成分、特に摩擦電気的にトナー組成物と反対
の極性を持つキャリア成分を混合する。従って、負の極
性を持つキャリア粒子を用いることで、正に帯電したト
ナー粒子がキャリア粒子を取り囲み、これに付着する。
キャリア粒子の例としては、鉄紛、スチール、ニッケ
ル、鉄、フェライト(銅亜鉛フェライトを含む)などが
あげられる。また、米国特許第3,847,604 号が開示する
ニッケルベリーキャリアをキャリア粒子として選択する
ことができる。選択されたキャリア粒子にコーティング
(被覆剤)を施しても、施さなくてもよい。コーティン
グ剤は一般に、例えば米国特許第3,526,533 号、第4,93
7,166 号、第4,935,326 号に開示されるように、スチレ
ンと、メチルメタクリレートと、シラン(トリエトキシ
シランなど)との三元重合体を含む。コーティング剤と
しては、例えば、キナー(KYNAR)とポリメチルメ
タクリレートの混合物(40:60)を含む。コーティ
ング剤の量は本明細書に示したように変えることができ
るが、通常は約0.3〜約2重量%、好ましくは約0.
5〜約1.5重量%を選択できる。
にキャリア成分、特に摩擦電気的にトナー組成物と反対
の極性を持つキャリア成分を混合する。従って、負の極
性を持つキャリア粒子を用いることで、正に帯電したト
ナー粒子がキャリア粒子を取り囲み、これに付着する。
キャリア粒子の例としては、鉄紛、スチール、ニッケ
ル、鉄、フェライト(銅亜鉛フェライトを含む)などが
あげられる。また、米国特許第3,847,604 号が開示する
ニッケルベリーキャリアをキャリア粒子として選択する
ことができる。選択されたキャリア粒子にコーティング
(被覆剤)を施しても、施さなくてもよい。コーティン
グ剤は一般に、例えば米国特許第3,526,533 号、第4,93
7,166 号、第4,935,326 号に開示されるように、スチレ
ンと、メチルメタクリレートと、シラン(トリエトキシ
シランなど)との三元重合体を含む。コーティング剤と
しては、例えば、キナー(KYNAR)とポリメチルメ
タクリレートの混合物(40:60)を含む。コーティ
ング剤の量は本明細書に示したように変えることができ
るが、通常は約0.3〜約2重量%、好ましくは約0.
5〜約1.5重量%を選択できる。
【0061】さらに、キャリア粒子、好ましくは球形の
キャリア粒子の粒径は、一般に約50〜約1,000ミ
クロン、本具体例では約175ミクロンとすることがで
き、それによって十分な密度と慣性を持たせて、現像処
理中の静電画像への付着を回避することができる。キャ
リア成分をトナー組成物に混合する際の混合比は様々で
あるが、、最良の結果をもたらすのは約1〜約5重量部
のトナー対約10〜約200重量部のキャリアが選択さ
れる場合である。
キャリア粒子の粒径は、一般に約50〜約1,000ミ
クロン、本具体例では約175ミクロンとすることがで
き、それによって十分な密度と慣性を持たせて、現像処
理中の静電画像への付着を回避することができる。キャ
リア成分をトナー組成物に混合する際の混合比は様々で
あるが、、最良の結果をもたらすのは約1〜約5重量部
のトナー対約10〜約200重量部のキャリアが選択さ
れる場合である。
【0062】本発明のトナー組成物は、本明細書に示さ
れるような種々の周知の方法で製造できる。例えば、ト
ナー樹脂粒子、顔料粒子または着色剤、電荷促進添加剤
を押出溶融ブレンドし、次に機械的に摩滅する方法を含
む。他の方法はスプレー乾燥方法、溶融分散方法、押出
処理方法のような当業技術でよく知られた方法を含む。
また、本明細書に示すように電荷促進剤を添加せずにバ
ルクトナー中でトナー組成物を製造してから、次に電荷
添加剤表面処理のコロイド状シリカを添加してもよい。
れるような種々の周知の方法で製造できる。例えば、ト
ナー樹脂粒子、顔料粒子または着色剤、電荷促進添加剤
を押出溶融ブレンドし、次に機械的に摩滅する方法を含
む。他の方法はスプレー乾燥方法、溶融分散方法、押出
処理方法のような当業技術でよく知られた方法を含む。
また、本明細書に示すように電荷促進剤を添加せずにバ
ルクトナー中でトナー組成物を製造してから、次に電荷
添加剤表面処理のコロイド状シリカを添加してもよい。
【0063】このようなトナーや現像剤組成物は、正や
負に帯電できる従来の受光体を備えた静電写真画像形成
装置にも使用できる。従って、これらのトナーや現像剤
組成物を、負に帯電できる層状の受光体(例えば米国特
許第4,265,990号に開示のもの)とともに用いることが
できる。画像形成あるいは印刷方法に選択できる無機受
光体の例として、例えばセレン、セレンヒ素やセレンテ
ルルなどのようなセレン合金、ハロゲンドープセレン物
質、ハロゲンドープセレン合金などを含む。
負に帯電できる従来の受光体を備えた静電写真画像形成
装置にも使用できる。従って、これらのトナーや現像剤
組成物を、負に帯電できる層状の受光体(例えば米国特
許第4,265,990号に開示のもの)とともに用いることが
できる。画像形成あるいは印刷方法に選択できる無機受
光体の例として、例えばセレン、セレンヒ素やセレンテ
ルルなどのようなセレン合金、ハロゲンドープセレン物
質、ハロゲンドープセレン合金などを含む。
【0064】トナー組成物は製造の後、通常噴射分級さ
れて、好ましくは平均粒径を約5〜約25ミクロン、よ
り好ましくは約8〜約12ミクロンにトナー粒子をそろ
える。また、トナー組成物は、1ミクロンあたり約0.
1〜約2フェムトクーロンの摩擦電荷を有することが好
ましい。このような摩擦電荷値は周知の電荷分光器で測
定できる。トナーの混合時間は、同じく周知の電荷分光
器で測定して、好ましくは約5秒から約1分、さらに好
ましくは約5〜約15秒である。このような速効混合特
性を持つトナー組成物だと、例えば電子写真画像形成装
置において画像の現像が可能であり、例えば1分あたり
20グラムを越える高いトナー分散速度を必要とする場
合にでも、画像は実質的に背景に沈積物がない。さら
に、このようなトナー組成物は、1分間にコピー70枚
を越える高速電子写真装置にも使用可能である。
れて、好ましくは平均粒径を約5〜約25ミクロン、よ
り好ましくは約8〜約12ミクロンにトナー粒子をそろ
える。また、トナー組成物は、1ミクロンあたり約0.
1〜約2フェムトクーロンの摩擦電荷を有することが好
ましい。このような摩擦電荷値は周知の電荷分光器で測
定できる。トナーの混合時間は、同じく周知の電荷分光
器で測定して、好ましくは約5秒から約1分、さらに好
ましくは約5〜約15秒である。このような速効混合特
性を持つトナー組成物だと、例えば電子写真画像形成装
置において画像の現像が可能であり、例えば1分あたり
20グラムを越える高いトナー分散速度を必要とする場
合にでも、画像は実質的に背景に沈積物がない。さら
に、このようなトナー組成物は、1分間にコピー70枚
を越える高速電子写真装置にも使用可能である。
【0065】本発明の樹脂から製造されるトナー組成物
は電荷分布が狭く、本具体例において約0.1〜約5重
量%の電荷促進添加剤を用いた場合、好ましくは1グラ
ムあたり約10〜約40マイクロクーロン、より好まし
くは約10〜約35マイクロクーロンという最適な帯電
摩擦電気値(摩擦電気値は周知のファラデーケージ法に
よって測定)となっており、また迅速混合帯電時間は、
電荷分光器で測定して15秒未満となっている。本発明
の具体例では、より好ましくはこのトナー組成物は約1
〜約14秒の迅速混合帯電時間を有する。
は電荷分布が狭く、本具体例において約0.1〜約5重
量%の電荷促進添加剤を用いた場合、好ましくは1グラ
ムあたり約10〜約40マイクロクーロン、より好まし
くは約10〜約35マイクロクーロンという最適な帯電
摩擦電気値(摩擦電気値は周知のファラデーケージ法に
よって測定)となっており、また迅速混合帯電時間は、
電荷分光器で測定して15秒未満となっている。本発明
の具体例では、より好ましくはこのトナー組成物は約1
〜約14秒の迅速混合帯電時間を有する。
【0066】本発明の具体例による熱可塑性樹脂の製造
のためのフリーラジカル重合プロセスでは、フリーラジ
カル開始剤と、安定フリーラジカル剤と、少なくとも一
つの重合可能なモノマー化合物とを含む第1混合物を加
熱して第1の中間樹脂生成物を形成する。必要に応じ
て、この第1混合物を冷却する。次いで、第1中間樹脂
生成物に、フリーラジカル開始剤と安定フリーラジカル
剤と少なくとも一つの重合可能モノマー化合物を含む第
2の混合物を加えて、組み合わされた混合物を形成す
る。ここにおいて、第2混合物の重合可能モノマーは、
第1混合物の重合可能モノマーと同一であり、第2混合
物のフリーラジカル開始剤と安定フリーラジカル剤は、
第1混合物のフリーラジカル開始剤と安定フリーラジカ
ル剤と同一であっても異なるものであってもよい。前記
の組み合わされた混合物を加熱して、第3の混合物を形
成する。この第3の混合物は、第1の中間樹脂生成物と
これに加えた第2のモノマーとから形成された第1樹脂
生成物と、第2モノマーから形成された第2樹脂生成物
との混合物である。この第3の混合物を冷却し、必要に
応じて第3の混合物から熱可塑性樹脂生成物の混合物を
単離し、必要に応じて、熱可塑性樹脂の混合物を洗浄、
乾燥する。第1樹脂生成物、第2樹脂生成物ともに、狭
い多分散性を有し、これらの混合物である熱可塑性樹脂
のモード性は2であった。上記反応は二酸化炭素などの
超臨界流体の存在下で行う。より高いモード性(たとえ
ば約3〜約20)を容易に達成するには、最終的な冷
却、単離ステップ前に、モノマー、フリーラジカル開始
剤、安定フリーラジカル剤の新たな混合物を引き続き追
加してやればよい。
のためのフリーラジカル重合プロセスでは、フリーラジ
カル開始剤と、安定フリーラジカル剤と、少なくとも一
つの重合可能なモノマー化合物とを含む第1混合物を加
熱して第1の中間樹脂生成物を形成する。必要に応じ
て、この第1混合物を冷却する。次いで、第1中間樹脂
生成物に、フリーラジカル開始剤と安定フリーラジカル
剤と少なくとも一つの重合可能モノマー化合物を含む第
2の混合物を加えて、組み合わされた混合物を形成す
る。ここにおいて、第2混合物の重合可能モノマーは、
第1混合物の重合可能モノマーと同一であり、第2混合
物のフリーラジカル開始剤と安定フリーラジカル剤は、
第1混合物のフリーラジカル開始剤と安定フリーラジカ
ル剤と同一であっても異なるものであってもよい。前記
の組み合わされた混合物を加熱して、第3の混合物を形
成する。この第3の混合物は、第1の中間樹脂生成物と
これに加えた第2のモノマーとから形成された第1樹脂
生成物と、第2モノマーから形成された第2樹脂生成物
との混合物である。この第3の混合物を冷却し、必要に
応じて第3の混合物から熱可塑性樹脂生成物の混合物を
単離し、必要に応じて、熱可塑性樹脂の混合物を洗浄、
乾燥する。第1樹脂生成物、第2樹脂生成物ともに、狭
い多分散性を有し、これらの混合物である熱可塑性樹脂
のモード性は2であった。上記反応は二酸化炭素などの
超臨界流体の存在下で行う。より高いモード性(たとえ
ば約3〜約20)を容易に達成するには、最終的な冷
却、単離ステップ前に、モノマー、フリーラジカル開始
剤、安定フリーラジカル剤の新たな混合物を引き続き追
加してやればよい。
【0067】本発明での安定フリーラジカルを用いた調
節重合プロセスでは、開始剤と安定フリーラジカル剤の
量を変え、モノマーを時間をずらしたり、段階的に追加
することによって、同一の反応容器内で何度も繰り返す
ことができ、各成分が異なった分子量及び狭い分子量分
布を有する単一モード性の樹脂の混合物を形成すること
ができる。こういうプロセスでは、それぞれの重合反応
ステップが上述のような反応条件下と超臨界流体の存在
下で行われることが好ましい。結果として、モノマー、
開始剤、安定フリーラジカル剤の追加回数をNとする
と、N+1のモード性をもつ混合物が形成されることに
なる。
節重合プロセスでは、開始剤と安定フリーラジカル剤の
量を変え、モノマーを時間をずらしたり、段階的に追加
することによって、同一の反応容器内で何度も繰り返す
ことができ、各成分が異なった分子量及び狭い分子量分
布を有する単一モード性の樹脂の混合物を形成すること
ができる。こういうプロセスでは、それぞれの重合反応
ステップが上述のような反応条件下と超臨界流体の存在
下で行われることが好ましい。結果として、モノマー、
開始剤、安定フリーラジカル剤の追加回数をNとする
と、N+1のモード性をもつ混合物が形成されることに
なる。
【0068】重合反応を60℃未満〜80℃に冷却する
ことによって、具体例では安定フリーラジカルによる調
節重合反応を効果的に制止または停止することができ
る。その後新たにモノマー、安定フリーラジカル剤、開
始剤を添加、あるいは継続して追加し、超臨界流体下で
加熱することによって、分子量分布の狭いポリマー種を
新たに生成することができる。この新しいポリマー種
は、すでにできている他のポリマー種とは個別に成長し
続ける。
ことによって、具体例では安定フリーラジカルによる調
節重合反応を効果的に制止または停止することができ
る。その後新たにモノマー、安定フリーラジカル剤、開
始剤を添加、あるいは継続して追加し、超臨界流体下で
加熱することによって、分子量分布の狭いポリマー種を
新たに生成することができる。この新しいポリマー種
は、すでにできている他のポリマー種とは個別に成長し
続ける。
【0069】上述のように、本具体例では個別の単一モ
ードの混合物、すなわち、多モード性と狭い分子量分布
を備えたポリマー樹脂は、特に例えば電子写真のトナー
組成物などに適するいくつかの利点を有する。こういう
利点には、流動性や弾性の向上を含む溶融レオロジー特
性や、摩擦帯電、混合速度、保存寿命などの性能特性の
向上を含む。
ードの混合物、すなわち、多モード性と狭い分子量分布
を備えたポリマー樹脂は、特に例えば電子写真のトナー
組成物などに適するいくつかの利点を有する。こういう
利点には、流動性や弾性の向上を含む溶融レオロジー特
性や、摩擦帯電、混合速度、保存寿命などの性能特性の
向上を含む。
【0070】本発明の他の具体例では、ブロック共重合
体熱可塑性樹脂を製造するフリーラジカル重合プロセス
を提供する。このプロセスでは、フリーラジカル開始剤
と安定フリーラジカル剤と少なくとも一つの重合可能モ
ノマー化合物を含む第1の混合物を加熱して、第1の中
間樹脂生成物を形成する。必要に応じて、第1の混合物
を冷却する。必要に応じて第1の中間樹脂生成物を単離
する。次いで、第1の中間樹脂生成物に、少なくとも一
つの重合可能モノマー化合物を含む第2混合物を加え
て、組み合わされた混合物を形成する。ここにおいて、
第2混合物の重合可能モノマーは、第1混合物の重合可
能なモノマーとは異なる。前記の組み合わされた混合物
を加熱して、ブロック共重合体熱可塑性樹脂を含む第3
混合物を形成する。ブロック共重合体は、第1の中間樹
脂生成物とこれに追加された第2のモノマーとから形成
される第1の樹脂生成物である。第3混合物を冷却し、
必要に応じて第3混合物からブロック共重合体熱可塑性
樹脂を単離し、必要に応じて、このブロック共重合体熱
可塑性樹脂を洗浄、乾燥する。こうして得たブロック共
重合体の多分散性は狭く、モード性は1である。上記反
応は、二酸化炭素等の超臨界流体の存在下で行う。最高
の純度とブロックの完全性や均質性を達成したい場合
は、中間樹脂生成物の単離を行うことが望ましい。すな
わち、第1混合物に残留する未反応のモノマーが、第2
モノマーを含む第2混合物から作られる生長重合体鎖と
引き続き反応して、その一部に組み込まれるような場合
には、特に中間生成物の単離が望ましい。このように、
本発明のプロセスによりブロック共重合体を製造するに
際し、ブロック又は多ブロック重合反応において高純度
が必要な場合や、重合の度合が約70%未満〜90%で
ある場合には、例えば沈殿によって重合反応の中間生成
物を単離することが望ましい。
体熱可塑性樹脂を製造するフリーラジカル重合プロセス
を提供する。このプロセスでは、フリーラジカル開始剤
と安定フリーラジカル剤と少なくとも一つの重合可能モ
ノマー化合物を含む第1の混合物を加熱して、第1の中
間樹脂生成物を形成する。必要に応じて、第1の混合物
を冷却する。必要に応じて第1の中間樹脂生成物を単離
する。次いで、第1の中間樹脂生成物に、少なくとも一
つの重合可能モノマー化合物を含む第2混合物を加え
て、組み合わされた混合物を形成する。ここにおいて、
第2混合物の重合可能モノマーは、第1混合物の重合可
能なモノマーとは異なる。前記の組み合わされた混合物
を加熱して、ブロック共重合体熱可塑性樹脂を含む第3
混合物を形成する。ブロック共重合体は、第1の中間樹
脂生成物とこれに追加された第2のモノマーとから形成
される第1の樹脂生成物である。第3混合物を冷却し、
必要に応じて第3混合物からブロック共重合体熱可塑性
樹脂を単離し、必要に応じて、このブロック共重合体熱
可塑性樹脂を洗浄、乾燥する。こうして得たブロック共
重合体の多分散性は狭く、モード性は1である。上記反
応は、二酸化炭素等の超臨界流体の存在下で行う。最高
の純度とブロックの完全性や均質性を達成したい場合
は、中間樹脂生成物の単離を行うことが望ましい。すな
わち、第1混合物に残留する未反応のモノマーが、第2
モノマーを含む第2混合物から作られる生長重合体鎖と
引き続き反応して、その一部に組み込まれるような場合
には、特に中間生成物の単離が望ましい。このように、
本発明のプロセスによりブロック共重合体を製造するに
際し、ブロック又は多ブロック重合反応において高純度
が必要な場合や、重合の度合が約70%未満〜90%で
ある場合には、例えば沈殿によって重合反応の中間生成
物を単離することが望ましい。
【0071】本発明の特別な利点として、単離や沈殿を
行わなくとも、超臨界抽出によって第一ブロックの残留
モノマーを除去できることである。すなわち、第1ブロ
ックの重合反応で残留したすべての未反応モノマーを、
例えば第2の重合可能なモノマーを導入する前に、反応
容器から除去できる。実際、超臨界抽出は反応温度で行
うことができ、第2ブロックの重合可能なモノマーを添
加する前に重合と抽出を同時に続けることによって、残
留モノマーのレベルを低減することができる。
行わなくとも、超臨界抽出によって第一ブロックの残留
モノマーを除去できることである。すなわち、第1ブロ
ックの重合反応で残留したすべての未反応モノマーを、
例えば第2の重合可能なモノマーを導入する前に、反応
容器から除去できる。実際、超臨界抽出は反応温度で行
うことができ、第2ブロックの重合可能なモノマーを添
加する前に重合と抽出を同時に続けることによって、残
留モノマーのレベルを低減することができる。
【0072】また、ブロック共重合体樹脂の別の製造方
法として、所望のブロックを形成した後で、開始剤や安
定フリーラジカル剤は追加せずにモノマーだけを新規に
追加して、新たなブロックを形成する方法がある。この
プロセスでも、各重合反応ステップを超臨界流体の存在
下で上記反応条件下で行うことが好ましい。それによっ
て、各ブロック成分の長さが規定され、狭い分子量分布
が実現される。また各ブロック成分の特性は、繰り返し
シークエンスと使用するモノマーによって決定される。
法として、所望のブロックを形成した後で、開始剤や安
定フリーラジカル剤は追加せずにモノマーだけを新規に
追加して、新たなブロックを形成する方法がある。この
プロセスでも、各重合反応ステップを超臨界流体の存在
下で上記反応条件下で行うことが好ましい。それによっ
て、各ブロック成分の長さが規定され、狭い分子量分布
が実現される。また各ブロック成分の特性は、繰り返し
シークエンスと使用するモノマーによって決定される。
【0073】また、本発明のプロセスでは2種類以上の
異なる重合可能なモノマーの混合物を重合して、共重合
体を形成することもできる。例えば、スチレンとブタジ
エンの重合によりポリ(スチレンーブタジエン)を形成
し、スチレンとイソプレンの重合によりポリ(スチレン
ーイソプレン)を、スチレンとアクリレートの重合によ
りポリ(スチレンーアクリレート)を、スチレンとメチ
ルメタクリレートの重合からポリ(スチレンーメチルメ
タクリレート)を形成するなどがあり、さらに、共重合
体や三元重合体を含む、これらの組み合わせも可能であ
る。
異なる重合可能なモノマーの混合物を重合して、共重合
体を形成することもできる。例えば、スチレンとブタジ
エンの重合によりポリ(スチレンーブタジエン)を形成
し、スチレンとイソプレンの重合によりポリ(スチレン
ーイソプレン)を、スチレンとアクリレートの重合によ
りポリ(スチレンーアクリレート)を、スチレンとメチ
ルメタクリレートの重合からポリ(スチレンーメチルメ
タクリレート)を形成するなどがあり、さらに、共重合
体や三元重合体を含む、これらの組み合わせも可能であ
る。
【0074】
【実施例】以下の実施例は、本発明の各種スピーシーズ
をさらに規定するために提示され、これらはあくまでも
例示のためのものであり、本発明の範囲を限定するもの
ではない。また特に指摘しないかぎり、部やパーセント
は重量を表す。また比較例も記載する。
をさらに規定するために提示され、これらはあくまでも
例示のためのものであり、本発明の範囲を限定するもの
ではない。また特に指摘しないかぎり、部やパーセント
は重量を表す。また比較例も記載する。
【0075】下記の実施例での重合反応は、サイトグラ
スのついた300ml攪拌オートクレーブで実行する。
この攪拌機は螺旋コイル状の設計で、電動モーターの減
速ギアによって78rpmで回転させた。加熱はグラス
コル社のマントルヒーターで行い、パー(Parr)温
度コントローラで調節を行った。二酸化炭素は、ヘリウ
ムヘッドスペースを有するクロマトグラフィー級の二酸
化炭素を使用し、サプレックス社のシリンジポンプで加
圧した。モノマーの添加は、イナーパック社の手動ポン
プで行った。 実施例1 オートクレーブを用意し、125℃に加熱し、二酸化炭
素で圧力テストを行った。オートクレーブに二酸化炭素
で3,870psiの圧力をかけた。手動ポンプに溶液
を加える直前に、0.27gの過酸化ベンゾイルを、3
0gのスチレン(Fluka社から入手)に0.23g
のTEMPOを混合した溶液に添加した。次に、過酸化
ベンゾイルとTEMPOを含んだスチレン溶液を手動ポ
ンプでオートクレーブに供給した。15gのメタノール
中の0.33gのペルフルロオロオクタンスルホン酸テ
トラエチルアンモニウム塩を、手動ポンプでオートクレ
ーブに添加し、さらに20mlのメタノールを手動ポン
プとオートクレーブとの間のラインをフラッシュするの
に用いた。手動ポンプとオートクレーブとを接続する弁
を閉じた。
スのついた300ml攪拌オートクレーブで実行する。
この攪拌機は螺旋コイル状の設計で、電動モーターの減
速ギアによって78rpmで回転させた。加熱はグラス
コル社のマントルヒーターで行い、パー(Parr)温
度コントローラで調節を行った。二酸化炭素は、ヘリウ
ムヘッドスペースを有するクロマトグラフィー級の二酸
化炭素を使用し、サプレックス社のシリンジポンプで加
圧した。モノマーの添加は、イナーパック社の手動ポン
プで行った。 実施例1 オートクレーブを用意し、125℃に加熱し、二酸化炭
素で圧力テストを行った。オートクレーブに二酸化炭素
で3,870psiの圧力をかけた。手動ポンプに溶液
を加える直前に、0.27gの過酸化ベンゾイルを、3
0gのスチレン(Fluka社から入手)に0.23g
のTEMPOを混合した溶液に添加した。次に、過酸化
ベンゾイルとTEMPOを含んだスチレン溶液を手動ポ
ンプでオートクレーブに供給した。15gのメタノール
中の0.33gのペルフルロオロオクタンスルホン酸テ
トラエチルアンモニウム塩を、手動ポンプでオートクレ
ーブに添加し、さらに20mlのメタノールを手動ポン
プとオートクレーブとの間のラインをフラッシュするの
に用いた。手動ポンプとオートクレーブとを接続する弁
を閉じた。
【0076】反応を約125℃度で一晩おき、その間、
圧力が落ちないように維持した。24時間後にオートク
レーブの加熱を停止し、ゆっくりと冷却しながら、二酸
化炭素を追加して4度オートクレーブの内容物を抽出し
た。これによって約11.9gの液体が抽出物として回
収された。約2時間後に容器の圧力は大気圧まで下げら
れ、温度は約50℃であった。オートクレーブを開け、
内容物をサンプリングした。このサンプリングの結果、
ポリマーは14.4重量%の残留スチレンを有し、GP
C分析により、ポリマーの数平均分子量Mnが1,67
5、重量平均分子量Mwが2,725、多分散性は1.
62であることがわかった。
圧力が落ちないように維持した。24時間後にオートク
レーブの加熱を停止し、ゆっくりと冷却しながら、二酸
化炭素を追加して4度オートクレーブの内容物を抽出し
た。これによって約11.9gの液体が抽出物として回
収された。約2時間後に容器の圧力は大気圧まで下げら
れ、温度は約50℃であった。オートクレーブを開け、
内容物をサンプリングした。このサンプリングの結果、
ポリマーは14.4重量%の残留スチレンを有し、GP
C分析により、ポリマーの数平均分子量Mnが1,67
5、重量平均分子量Mwが2,725、多分散性は1.
62であることがわかった。
【0077】再びオートクレーブを密封し、反応器を二
酸化炭素で1,380psiまで加圧するように、加熱
を開始した。次に約40mlのイソプレンを手動ポンプ
でオートクレーブに添加した。さらにオートクレーブの
圧力を4,000psiまで上げ、温度を118℃まで
上昇させた。44時間の間、オートクレーブを125〜
131℃、圧力を4,200〜4,350psiに維持
した。その後、二酸化炭素を反応器から除去し、白い固
体を回収した。GPC分析の結果、ポリマーのMnは
2,189、Mwは4,208、多分散性が1.92で
あった。このポリマーを核磁気共鳴分析した結果、スチ
レンブロックからイソプレンブロックが成長しているこ
とがわかった。さらに核磁気共鳴を用いてTEMPO末
端基を分析したところ、これらの末端基はすべてスチレ
ン側にではなく、イソプレン成分側にあることが判明し
た。
酸化炭素で1,380psiまで加圧するように、加熱
を開始した。次に約40mlのイソプレンを手動ポンプ
でオートクレーブに添加した。さらにオートクレーブの
圧力を4,000psiまで上げ、温度を118℃まで
上昇させた。44時間の間、オートクレーブを125〜
131℃、圧力を4,200〜4,350psiに維持
した。その後、二酸化炭素を反応器から除去し、白い固
体を回収した。GPC分析の結果、ポリマーのMnは
2,189、Mwは4,208、多分散性が1.92で
あった。このポリマーを核磁気共鳴分析した結果、スチ
レンブロックからイソプレンブロックが成長しているこ
とがわかった。さらに核磁気共鳴を用いてTEMPO末
端基を分析したところ、これらの末端基はすべてスチレ
ン側にではなく、イソプレン成分側にあることが判明し
た。
【0078】実施例2 オートクレーブを密封し、加熱、攪拌しながら二酸化炭
素で1,500psiまで加圧した。127℃で二酸化
炭素を排気した。140gのスチレンに、1.27gの
過酸化ベンゾイルと、0.81gのドデシルベンゼンス
ルホン酸と、1.70gのTEMPOを加えて溶液を作
り、直後に溶液を手動ポンプに入れた。次にこのスチレ
ン溶液を手動ポンプでオートクレーブに入れ、手動ポン
プとオートクレーブをつなぐ弁を閉じた。反応器に再び
圧力を加え約3,900psiにした。
素で1,500psiまで加圧した。127℃で二酸化
炭素を排気した。140gのスチレンに、1.27gの
過酸化ベンゾイルと、0.81gのドデシルベンゼンス
ルホン酸と、1.70gのTEMPOを加えて溶液を作
り、直後に溶液を手動ポンプに入れた。次にこのスチレ
ン溶液を手動ポンプでオートクレーブに入れ、手動ポン
プとオートクレーブをつなぐ弁を閉じた。反応器に再び
圧力を加え約3,900psiにした。
【0079】オートクレーブを約6時間128〜141
℃に保ち、一晩冷却した。翌朝、依然として液体である
混合物をかき混ぜながら、約135℃まで加熱した。こ
の設定温度の変動は、前日に行った加熱ステップと同じ
温度変動に維持した。この温度で約2.4時間おいてか
ら、二酸化炭素を抜いて1,100psiまで減圧力
し、未反応スチレンを抽出した。その結果を以下の表に
示す。 上記の排気、抽出を110分にわたって行った。一般
に、圧力を下げるのに約7分、再び加圧するのに約4
分、スチレンモノマーが超臨界二酸化炭素に移動できる
ようなサイクルの間に10分から15分要した。最後の
排気ステップで圧力を大気圧にした。再び反応器の圧力
を上げ、さらに110分間重合を継続し、その後オート
クレーブを冷却した。
℃に保ち、一晩冷却した。翌朝、依然として液体である
混合物をかき混ぜながら、約135℃まで加熱した。こ
の設定温度の変動は、前日に行った加熱ステップと同じ
温度変動に維持した。この温度で約2.4時間おいてか
ら、二酸化炭素を抜いて1,100psiまで減圧力
し、未反応スチレンを抽出した。その結果を以下の表に
示す。 上記の排気、抽出を110分にわたって行った。一般
に、圧力を下げるのに約7分、再び加圧するのに約4
分、スチレンモノマーが超臨界二酸化炭素に移動できる
ようなサイクルの間に10分から15分要した。最後の
排気ステップで圧力を大気圧にした。再び反応器の圧力
を上げ、さらに110分間重合を継続し、その後オート
クレーブを冷却した。
【0080】100℃で圧力を解除すると、それまで二
酸化炭素によって膨張し低粘度の液体となっていたポリ
マーが、粘性を取り戻し攪拌機に沿ってまとわりつく。
一方攪拌機は磁気カップリング部でスリップし始めるの
で、これを抑制しなければならない。このことは、超臨
界二酸化炭素を用いない場合には、溶融したポリマーが
この反応器システムの処理能力を越えてしまうことを意
味するので重要である。
酸化炭素によって膨張し低粘度の液体となっていたポリ
マーが、粘性を取り戻し攪拌機に沿ってまとわりつく。
一方攪拌機は磁気カップリング部でスリップし始めるの
で、これを抑制しなければならない。このことは、超臨
界二酸化炭素を用いない場合には、溶融したポリマーが
この反応器システムの処理能力を越えてしまうことを意
味するので重要である。
【0081】GPCによるポリマーの分析の結果、Mn
が19,000、Mwが24,900、多分散性が1.
3であった。また、TGAによる分析の結果、12時間
の重合処理で約81%の粗転化率が示された。 実施例3 オートクレーブを密封する前にすべての反応剤をオート
クレーブに添加した。添加する反応剤は、1.27gの
過酸化ベンゾイル、1.07gのTEMPO、0.58
gのカンファー(ショウノウ)スルホン酸、140gの
スチレンを含む。従って、これら反応剤は、最初の加熱
段階から反応過程に存在することになる。その後オート
クレーブを密封し、超臨界二酸化炭素で加圧して、反応
温度を135℃に、圧力を実施例2と同様の圧力にし
て、約4時間維持した。4時間後、反応器の内容物であ
る濃厚な液体のサンプルを取り出し、GPCとTGAで
分析した。ポリマーをメタノール中に沈殿させて単離
し、分析した。ポリマーの数平均分子量Mnは11,9
00、重量平均分子量Mwは13,800、多分散性が
1.15であった。このTGA分析結果と超臨界相での
サンプリングから、モノマーからポリマーへの転化率は
約43%であった。
が19,000、Mwが24,900、多分散性が1.
3であった。また、TGAによる分析の結果、12時間
の重合処理で約81%の粗転化率が示された。 実施例3 オートクレーブを密封する前にすべての反応剤をオート
クレーブに添加した。添加する反応剤は、1.27gの
過酸化ベンゾイル、1.07gのTEMPO、0.58
gのカンファー(ショウノウ)スルホン酸、140gの
スチレンを含む。従って、これら反応剤は、最初の加熱
段階から反応過程に存在することになる。その後オート
クレーブを密封し、超臨界二酸化炭素で加圧して、反応
温度を135℃に、圧力を実施例2と同様の圧力にし
て、約4時間維持した。4時間後、反応器の内容物であ
る濃厚な液体のサンプルを取り出し、GPCとTGAで
分析した。ポリマーをメタノール中に沈殿させて単離
し、分析した。ポリマーの数平均分子量Mnは11,9
00、重量平均分子量Mwは13,800、多分散性が
1.15であった。このTGA分析結果と超臨界相での
サンプリングから、モノマーからポリマーへの転化率は
約43%であった。
【0082】その後さらに4.5時間、130℃を越え
る温度で重合を続け、泡状の物質を得た。この物質をオ
ートクレーブの底部から130℃で取り出した。TGA
およびサンプル回収から転化率を計算すると、8.5時
間にわたる反応後、転化率は86%であった。ポリマー
のGPC分析の結果、Mnが18,000、Mwが2
5,400、多分散性が1.34であった。
る温度で重合を続け、泡状の物質を得た。この物質をオ
ートクレーブの底部から130℃で取り出した。TGA
およびサンプル回収から転化率を計算すると、8.5時
間にわたる反応後、転化率は86%であった。ポリマー
のGPC分析の結果、Mnが18,000、Mwが2
5,400、多分散性が1.34であった。
【0083】画像は、ゼログラフィ(電子写真)画像形
成テスト装置で負に帯電の層状画像形成部材上に現像で
きる。この層状画像形成部材は米国特許第4,265,990 号
に開示されており、アルミニウムの支持基板、三方晶系
セレンの光発生層、および55重量%のポリカーボネー
トマクロロン(MAKROLON)中に分散させた45
重量%のアリールアミンN,N’−ジフェニル−N,
N’−ビス(3−メチルフェニル)1,1’−ビフェニ
ル−4,4’−ジアミンの電荷輸送層を備えるものであ
る。例えば実施例2の方法で生成したポリマーから製造
されたトナー組成物を用いた画像は、背景の沈積物がな
く、間違いなく約75,000画像形成サイクルを超え
る高い画像形成サイクル数での高解像度を有する高画質
の画像が期待される。
成テスト装置で負に帯電の層状画像形成部材上に現像で
きる。この層状画像形成部材は米国特許第4,265,990 号
に開示されており、アルミニウムの支持基板、三方晶系
セレンの光発生層、および55重量%のポリカーボネー
トマクロロン(MAKROLON)中に分散させた45
重量%のアリールアミンN,N’−ジフェニル−N,
N’−ビス(3−メチルフェニル)1,1’−ビフェニ
ル−4,4’−ジアミンの電荷輸送層を備えるものであ
る。例えば実施例2の方法で生成したポリマーから製造
されたトナー組成物を用いた画像は、背景の沈積物がな
く、間違いなく約75,000画像形成サイクルを超え
る高い画像形成サイクル数での高解像度を有する高画質
の画像が期待される。
【0084】本発明のポリマーあるいは共重合体樹脂か
ら、着色トナー、単成分トナー、多成分トナー、特別の
性能の添加剤を含むトナーなどを含む他のトナー組成物
も従来の方法で容易に製造することができる。
ら、着色トナー、単成分トナー、多成分トナー、特別の
性能の添加剤を含むトナーなどを含む他のトナー組成物
も従来の方法で容易に製造することができる。
【0085】上述したような安定フリーラジカル剤によ
る調節重合プロセスを広範囲の有機モノマーに適用し
て、所望の電子写真特性を持つ新規のトナー樹脂を提供
することができる。例えば、ブロック共重合体は、受光
体顔料用の分散剤に適用できる。多モード性樹脂は低溶
融樹脂に適用でき、ある種の単一モード性樹脂をカーボ
ンブラックや顔料粒子の表面に適用すると、ホスト重合
体や分散媒体に対する顔料粒子の混和性を改善すること
ができる。ポリ(スチレン−ブタジエン)のような分子
重量分布の狭い樹脂は汎用の改良されたトナー樹脂とし
て用いられる。
る調節重合プロセスを広範囲の有機モノマーに適用し
て、所望の電子写真特性を持つ新規のトナー樹脂を提供
することができる。例えば、ブロック共重合体は、受光
体顔料用の分散剤に適用できる。多モード性樹脂は低溶
融樹脂に適用でき、ある種の単一モード性樹脂をカーボ
ンブラックや顔料粒子の表面に適用すると、ホスト重合
体や分散媒体に対する顔料粒子の混和性を改善すること
ができる。ポリ(スチレン−ブタジエン)のような分子
重量分布の狭い樹脂は汎用の改良されたトナー樹脂とし
て用いられる。
【0086】
【発明の効果】本発明のラジカル重合方法は、上記のよ
うな構成としたので、狭い分子量分布、高純度及び各種
モード性を有する単独重合体及び/又は共重合体の熱可
塑性ポリマー樹脂が容易に、高生産性で得られるという
優れた効果を奏する。
うな構成としたので、狭い分子量分布、高純度及び各種
モード性を有する単独重合体及び/又は共重合体の熱可
塑性ポリマー樹脂が容易に、高生産性で得られるという
優れた効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マイケル ケイ.ジョージズ カナダ国 エヌ1ジー 3エヌ8 オンタ リオ州 ゲルフ アイロンウッド ロード 384 (72)発明者 ゴードン ケイ.ハマー カナダ国 エル5エル 2ピー4 オンタ リオ州 ミシサウガ ピール サウス ミ ルウェイ 1−2280
Claims (1)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂を製造するためのフリーラ
ジカル重合方法において、 フリーラジカル開始剤と、安定フリーラジカル剤と、少
なくとも一つの重合可能なモノマーとの混合物を加熱す
るステップと、 圧力条件下で重合不可能な超臨界流体を添加するステッ
プと、 モノマーからポリマーへの高い転化率で該重合可能なモ
ノマーを重合して熱可塑性樹脂を形成するステップと、 該混合物を冷却するステップと、 必要に応じて該熱可塑性樹脂を単離するステップと、 必要に応じて該熱可塑性樹脂を洗浄および乾燥するステ
ップと、 を含むフリーラジカル重合方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US41375295A | 1995-03-30 | 1995-03-30 | |
US413752 | 1995-03-30 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08269107A true JPH08269107A (ja) | 1996-10-15 |
Family
ID=23638472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8066798A Withdrawn JPH08269107A (ja) | 1995-03-30 | 1996-03-22 | フリーラジカル重合方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0735051A1 (ja) |
JP (1) | JPH08269107A (ja) |
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JP2009167409A (ja) * | 2007-12-19 | 2009-07-30 | National Univ Corp Shizuoka Univ | 着色重合粒子の製造方法および着色重合粒子、並びにこれを用いたトナー、現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 |
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US5897704A (en) * | 1997-05-19 | 1999-04-27 | Materials Technology, Limited | Hardened hydraulic cement, ceramic or coarse concrete aggregate treated with high pressure fluids |
WO2000002939A1 (en) | 1998-07-10 | 2000-01-20 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Microgels and process for their preparation |
JP2001312098A (ja) * | 2000-04-27 | 2001-11-09 | Sharp Corp | トナーおよびその製造方法 |
US6858369B1 (en) | 2000-04-27 | 2005-02-22 | Sharp Kabushiki Kaisha | Toner and manufacturing method thereof |
DE10054114A1 (de) | 2000-10-31 | 2002-05-16 | Dupont Performance Coatings | Verfahren zur Herstellung von Pulverlackzusammensetzungen |
KR100515752B1 (ko) * | 2003-05-16 | 2005-09-20 | 주식회사 엘지화학 | 초임계 유체를 이용한 스티렌과 말레이미드 공중합체의제조 방법 |
WO2009065774A1 (en) * | 2007-11-23 | 2009-05-28 | Basf Se | Grafting of ethylenically unsaturated monomers onto polymers in supercritical carbon dioxide |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5322912A (en) * | 1992-11-16 | 1994-06-21 | Xerox Corporation | Polymerization processes and toner compositions therefrom |
US5376744A (en) * | 1993-11-10 | 1994-12-27 | The University Of Akron | Carbocationic polymerizations in supercritical CO2 |
-
1996
- 1996-03-22 JP JP8066798A patent/JPH08269107A/ja not_active Withdrawn
- 1996-03-29 EP EP96302251A patent/EP0735051A1/en not_active Withdrawn
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