JPH08253830A - 高い単結晶化率を有する単結晶Ni基合金鋳物の製造方法 - Google Patents
高い単結晶化率を有する単結晶Ni基合金鋳物の製造方法Info
- Publication number
- JPH08253830A JPH08253830A JP8169895A JP8169895A JPH08253830A JP H08253830 A JPH08253830 A JP H08253830A JP 8169895 A JP8169895 A JP 8169895A JP 8169895 A JP8169895 A JP 8169895A JP H08253830 A JPH08253830 A JP H08253830A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- based alloy
- crystal
- seed crystal
- base alloy
- mold
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高い単結晶化率を有する単結晶Ni基合金鋳
物を製造する。 【構成】 製品キャビティ部の下端に、絞り部を介して
湯だまりキャビティ部を設け、前記湯だまりキャビティ
部を底部中心にNi基合金種結晶の上端部が露出した密
閉空間とし、かつ前記Ni基合金種結晶の下端面が鋳型
底面に露出した構造を有する精密鋳造鋳型を用いると共
に、前記Ni基合金種結晶を、重量%で、Cr:9〜1
1%、Mo:0.5〜0.8%、W:5.5〜6.8
%、Ta:5.2〜6%、Al:5〜6%、Ti:1.
8〜2.5%、Co:4.2〜4.8%、Re:0.0
5〜0.5%を含有し、さらに必要に応じてSi:0.
01〜0.3%を含有し、残りがNiと不可避不純物か
らなる組成を有するNi基合金で構成して、前記Ni基
合金種結晶と同じ組成をもった単結晶Ni基合金鋳物を
製造する。
物を製造する。 【構成】 製品キャビティ部の下端に、絞り部を介して
湯だまりキャビティ部を設け、前記湯だまりキャビティ
部を底部中心にNi基合金種結晶の上端部が露出した密
閉空間とし、かつ前記Ni基合金種結晶の下端面が鋳型
底面に露出した構造を有する精密鋳造鋳型を用いると共
に、前記Ni基合金種結晶を、重量%で、Cr:9〜1
1%、Mo:0.5〜0.8%、W:5.5〜6.8
%、Ta:5.2〜6%、Al:5〜6%、Ti:1.
8〜2.5%、Co:4.2〜4.8%、Re:0.0
5〜0.5%を含有し、さらに必要に応じてSi:0.
01〜0.3%を含有し、残りがNiと不可避不純物か
らなる組成を有するNi基合金で構成して、前記Ni基
合金種結晶と同じ組成をもった単結晶Ni基合金鋳物を
製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、単結晶Ni基合金鋳
物を高い単結晶化率で製造する方法に関するものであ
る。
物を高い単結晶化率で製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、結晶方位が例えば(10
0)の一方向凝固組織を有する単結晶Ni基合金鋳物
は、通常のNi基合金鋳物に比して高温強度にすぐれる
ことから、航空機や陸舶用ガスタービンのエンジンブレ
ードなどとして広く実用に供されている。また、上記単
結晶Ni基合金鋳物が、図3に概略縦断面図で示され、
かつ例えば特公平5−69079号公報の第7図に示さ
れるように、製品キャビティ部1aの下端に、絞り部1
bを介して底面開放の湯だまりキャビティ部1cを設け
た構造の精密鋳造鋳型1を用い、この精密鋳造鋳型1
を、上面中央にNi基合金種結晶2がセットされた冷却
板、例えば水冷銅板3上に載置し、前記湯だまりキャビ
ティ部1cを冷却板3の上面と直接隣接させ、ついで加
熱帯域内に置かれた前記精密鋳造鋳型にNi基合金溶湯
を鋳造し、引続いて、前記精密鋳造鋳型を下方から徐々
に加熱帯域外へ移行して冷却することにより製造される
ことも知られている。
0)の一方向凝固組織を有する単結晶Ni基合金鋳物
は、通常のNi基合金鋳物に比して高温強度にすぐれる
ことから、航空機や陸舶用ガスタービンのエンジンブレ
ードなどとして広く実用に供されている。また、上記単
結晶Ni基合金鋳物が、図3に概略縦断面図で示され、
かつ例えば特公平5−69079号公報の第7図に示さ
れるように、製品キャビティ部1aの下端に、絞り部1
bを介して底面開放の湯だまりキャビティ部1cを設け
た構造の精密鋳造鋳型1を用い、この精密鋳造鋳型1
を、上面中央にNi基合金種結晶2がセットされた冷却
板、例えば水冷銅板3上に載置し、前記湯だまりキャビ
ティ部1cを冷却板3の上面と直接隣接させ、ついで加
熱帯域内に置かれた前記精密鋳造鋳型にNi基合金溶湯
を鋳造し、引続いて、前記精密鋳造鋳型を下方から徐々
に加熱帯域外へ移行して冷却することにより製造される
ことも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年、例えば各
種ガスタービンエンジンに対する高出力化の要求は強
く、これに伴ない前記エンジンも大型化の傾向にある
が、上記の従来単結晶Ni基合金鋳物の製造方法を用い
て、例えば大型のエンジンブレードを製造した場合、単
結晶化が低下する現象が現われ、この現象は大型になれ
ばなるほど著しくなり、高温強度の低下は避けられない
のが現状である。
種ガスタービンエンジンに対する高出力化の要求は強
く、これに伴ない前記エンジンも大型化の傾向にある
が、上記の従来単結晶Ni基合金鋳物の製造方法を用い
て、例えば大型のエンジンブレードを製造した場合、単
結晶化が低下する現象が現われ、この現象は大型になれ
ばなるほど著しくなり、高温強度の低下は避けられない
のが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、大型化しても高い単結晶化率を
示す単結晶Ni基合金鋳物を製造すべく、上記の従来方
法に着目して研究を行なった結果、(a) 図1に概略
縦断面図で、図2(a)〜(d)に要部概略縦断面図で
示される通り、湯だまりキャビティ部1cを、底部中心
にNi基合金種結晶2の上端部が露出した密閉空間、す
なわち球形、円板形、あるいは円柱形などの密閉空間と
すると共に、前記Ni基合金種結晶の下端面を鋳型底面
に露出させて、冷却板上に載置した場合に鋳型底面と前
記種結晶の下端面が前記冷却板に当接するようにした構
造の精密鋳造鋳型を用い、(b) かつ上記Ni基合金
種結晶と上記精密鋳造鋳型に鋳造されるNi基合金溶湯
(鋳物)を、重量%で(以下、%は重量%を示す)、C
r:9〜11%、 Mo:0.5〜0.8%、
W:5.5〜6.8%、 Ta:5.2〜6%、A
l:5〜6%、 Ti:1.8〜2.5%、
Co:4.2〜4.8%、 Re:0.05〜0.5
%、を含有し、さらに、Si:0.01〜0.3%、を
含有し、または含有せず、残りがNiと不可避不純物か
らなる組成を有するNi基合金に特定すると、この結果
製造された単結晶Ni基合金鋳物は大型のものでもきわ
めて高い単結晶化率を示すようになるという研究結果を
得たのである。
上述のような観点から、大型化しても高い単結晶化率を
示す単結晶Ni基合金鋳物を製造すべく、上記の従来方
法に着目して研究を行なった結果、(a) 図1に概略
縦断面図で、図2(a)〜(d)に要部概略縦断面図で
示される通り、湯だまりキャビティ部1cを、底部中心
にNi基合金種結晶2の上端部が露出した密閉空間、す
なわち球形、円板形、あるいは円柱形などの密閉空間と
すると共に、前記Ni基合金種結晶の下端面を鋳型底面
に露出させて、冷却板上に載置した場合に鋳型底面と前
記種結晶の下端面が前記冷却板に当接するようにした構
造の精密鋳造鋳型を用い、(b) かつ上記Ni基合金
種結晶と上記精密鋳造鋳型に鋳造されるNi基合金溶湯
(鋳物)を、重量%で(以下、%は重量%を示す)、C
r:9〜11%、 Mo:0.5〜0.8%、
W:5.5〜6.8%、 Ta:5.2〜6%、A
l:5〜6%、 Ti:1.8〜2.5%、
Co:4.2〜4.8%、 Re:0.05〜0.5
%、を含有し、さらに、Si:0.01〜0.3%、を
含有し、または含有せず、残りがNiと不可避不純物か
らなる組成を有するNi基合金に特定すると、この結果
製造された単結晶Ni基合金鋳物は大型のものでもきわ
めて高い単結晶化率を示すようになるという研究結果を
得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、製品キャビティ部の下端に、絞
り部を介して湯だまりキャビティ部を設けると共に、前
記湯だまりキャビティ部を、底部中心にNi基合金種結
晶の上端部が露出した密閉空間とし、かつ前記Ni基合
金種結晶の下端面が鋳型底面に露出した構造を有する精
密鋳造鋳型を用い、上記精密鋳造鋳型を冷却板上に載置
して、上記鋳型底面および種結晶下端面を上記冷却板に
当接させ、加熱帯域内に置かれた上記精密鋳造鋳型にN
i基合金溶湯を鋳造し、上記Ni基合金種結晶と上記N
i基合金溶湯を、Cr:9〜11%、 Mo:
0.5〜0.8%、W:5.5〜6.8%、 T
a:5.2〜6%、Al:5〜6%、 T
i:1.8〜2.5%、Co:4.2〜4.8%、
Re:0.05〜0.5%、を含有し、さらに、Si:
0.01〜0.3%、を含有し、または含有せず、残り
がNiと不可避不純物からなる組成を有するNi基合金
で構成し、引続いて、上記精密鋳造鋳型を下方から徐々
に加熱帯域外へ移行して冷却すること、により高い単結
晶化率を有する単結晶Ni基合金鋳物を製造する方法に
特徴を有するものである。
なされたものであって、製品キャビティ部の下端に、絞
り部を介して湯だまりキャビティ部を設けると共に、前
記湯だまりキャビティ部を、底部中心にNi基合金種結
晶の上端部が露出した密閉空間とし、かつ前記Ni基合
金種結晶の下端面が鋳型底面に露出した構造を有する精
密鋳造鋳型を用い、上記精密鋳造鋳型を冷却板上に載置
して、上記鋳型底面および種結晶下端面を上記冷却板に
当接させ、加熱帯域内に置かれた上記精密鋳造鋳型にN
i基合金溶湯を鋳造し、上記Ni基合金種結晶と上記N
i基合金溶湯を、Cr:9〜11%、 Mo:
0.5〜0.8%、W:5.5〜6.8%、 T
a:5.2〜6%、Al:5〜6%、 T
i:1.8〜2.5%、Co:4.2〜4.8%、
Re:0.05〜0.5%、を含有し、さらに、Si:
0.01〜0.3%、を含有し、または含有せず、残り
がNiと不可避不純物からなる組成を有するNi基合金
で構成し、引続いて、上記精密鋳造鋳型を下方から徐々
に加熱帯域外へ移行して冷却すること、により高い単結
晶化率を有する単結晶Ni基合金鋳物を製造する方法に
特徴を有するものである。
【0006】なお、この発明の方法におけるNi基合金
種結晶および精密鋳造鋳型に鋳造されるNi基合金溶湯
の組成は、特開平3−10039号公報に「高温強度お
よび高温耐食性にすぐれたNi基単結晶合金」として開
示されているものと同じであるが、この組成の単結晶N
i基合金鋳物を、図3に示される構造の精密鋳造鋳型を
用いて製造した場合には、大型になると単結晶化率の低
下は避けられず、図1、図2(a)〜(d)に示される
構造の精密鋳造鋳型を用いて製造した場合に大型の単結
晶Ni基合金鋳物でも高い単結晶化率を示すようになる
のである。
種結晶および精密鋳造鋳型に鋳造されるNi基合金溶湯
の組成は、特開平3−10039号公報に「高温強度お
よび高温耐食性にすぐれたNi基単結晶合金」として開
示されているものと同じであるが、この組成の単結晶N
i基合金鋳物を、図3に示される構造の精密鋳造鋳型を
用いて製造した場合には、大型になると単結晶化率の低
下は避けられず、図1、図2(a)〜(d)に示される
構造の精密鋳造鋳型を用いて製造した場合に大型の単結
晶Ni基合金鋳物でも高い単結晶化率を示すようになる
のである。
【0007】
【実施例】つぎに、この発明の方法を実施例により具体
的に説明する。まず、高周波誘導真空溶解炉で、Cr:
10.3%、Mo:0.64%、W:6.2%、Ta:
5.6%、Al:5.2%、Ti:2.3%、Co:
4.6%、Re:0.23%、Niおよび不可避不純物
からなる組成をもった種結晶(a)製造用Ni基合金
と、Cr:10.8%、Mo:0.58%、W:6.1
%、Ta:5.6%、Al:5.7%、Ti:2.3
%、Co:4.5%、Re:0.12%、Si:0.1
6%、Niおよび不可避不純物:残りからなる組成をも
った種結晶(b)製造用Ni基合金をそれぞれ溶製し、
ロストワックス法にて製造した特開平2−92888号
公報に記載されると同じ形状をもったらせん状セレクタ
ー(アルミナ製シェル鋳型)に鋳造して、結晶方位が
(100)にして直径:10mm×長さ:100mmの寸法
をもったNi基合金種結晶(a)および(b)をそれぞ
れ製造した。
的に説明する。まず、高周波誘導真空溶解炉で、Cr:
10.3%、Mo:0.64%、W:6.2%、Ta:
5.6%、Al:5.2%、Ti:2.3%、Co:
4.6%、Re:0.23%、Niおよび不可避不純物
からなる組成をもった種結晶(a)製造用Ni基合金
と、Cr:10.8%、Mo:0.58%、W:6.1
%、Ta:5.6%、Al:5.7%、Ti:2.3
%、Co:4.5%、Re:0.12%、Si:0.1
6%、Niおよび不可避不純物:残りからなる組成をも
った種結晶(b)製造用Ni基合金をそれぞれ溶製し、
ロストワックス法にて製造した特開平2−92888号
公報に記載されると同じ形状をもったらせん状セレクタ
ー(アルミナ製シェル鋳型)に鋳造して、結晶方位が
(100)にして直径:10mm×長さ:100mmの寸法
をもったNi基合金種結晶(a)および(b)をそれぞ
れ製造した。
【0008】また、精密鋳造鋳型本体として、同じくロ
ストワックス法を用い、いずれも、 湯口キャビティ部:上端直径150mm×高さ100mm、 押湯キャビティ部:直径60mm×高さ40mm、 製品キャビティ部:幅70mm×厚さ10mm×長さ150
mm、 絞り部:内径3.5mm×長さ6.5mm の寸法を有するが、湯だまりキャビティ部を、それぞ
れ、(1) 最大直径25mm×最小直径17mm×高さ1
2mmの寸法をもった図1に示される円錐台形状、(2)
直径24mmの図2(a)に示される球形状、(3)
直径26mm×高さ14mmの寸法をもった図2(b)に示
される円板形状、(4) 直径20mm×高さ20mmの寸
法をもった図2(c)に示される円柱形状、(5) 直
径25mm×高さ15mmの寸法をもった図2(d)に示さ
れる円板形状、とした5種類の精密鋳造鋳型本体(厚
さ:6mmのアルミナ系シェル鋳型)を製造し、これの底
部に、それぞれ表1に示される組合せで上記Ni基合金
の種結晶(a)または(b)を、切削加工により直径:
6mm×長さ:23mmに寸法調整して組込んで、前記種結
晶の上端部が湯だまりキャビティ部内に露出し、その下
端面が鋳型底面に露出した構造の精密鋳造鋳型をそれぞ
れ形成した。
ストワックス法を用い、いずれも、 湯口キャビティ部:上端直径150mm×高さ100mm、 押湯キャビティ部:直径60mm×高さ40mm、 製品キャビティ部:幅70mm×厚さ10mm×長さ150
mm、 絞り部:内径3.5mm×長さ6.5mm の寸法を有するが、湯だまりキャビティ部を、それぞ
れ、(1) 最大直径25mm×最小直径17mm×高さ1
2mmの寸法をもった図1に示される円錐台形状、(2)
直径24mmの図2(a)に示される球形状、(3)
直径26mm×高さ14mmの寸法をもった図2(b)に示
される円板形状、(4) 直径20mm×高さ20mmの寸
法をもった図2(c)に示される円柱形状、(5) 直
径25mm×高さ15mmの寸法をもった図2(d)に示さ
れる円板形状、とした5種類の精密鋳造鋳型本体(厚
さ:6mmのアルミナ系シェル鋳型)を製造し、これの底
部に、それぞれ表1に示される組合せで上記Ni基合金
の種結晶(a)または(b)を、切削加工により直径:
6mm×長さ:23mmに寸法調整して組込んで、前記種結
晶の上端部が湯だまりキャビティ部内に露出し、その下
端面が鋳型底面に露出した構造の精密鋳造鋳型をそれぞ
れ形成した。
【0009】ついで、上記精密鋳造鋳型を水冷銅板(冷
却板)の上面に載置して鋳型底面と種結晶の下端面を前
記冷却板と当接させ、この状態で前記精密鋳造鋳型を、
これの周囲に形成した加熱帯域にて1550℃に加熱
し、これにそれぞれ表1に示される組合せで、同じく高
周波誘導真空溶解炉で溶製した、Cr:9.6%、M
o:0.72%、W:6.6%、Ta:5.3%、A
l:5.6%、Ti:1.9%、Co:4.6%、R
e:0.41%、Niおよび不可避不純物:残りからな
る組成をもったNi基合金溶湯(1)、またはCr:1
0.6%、Mo:0.56%、W:6.7%、Ta:
5.8%、Al:5.9%、Ti:2.3%、Co:
4.4%、Re:0.21%、Si:0.13%、Ni
および不可避不純物:残りからなる組成をもったNi基
合金溶湯(2)を鋳造し、鋳造後、前記加熱帯域を15
50℃に保持しながら、前記精密鋳造鋳型を220mm/
hrの速度で垂直に引き下げることにより本発明法1〜5
を実施し、結晶方位が(100)の単結晶Ni基合金鋳
物をそれぞれ製造した。
却板)の上面に載置して鋳型底面と種結晶の下端面を前
記冷却板と当接させ、この状態で前記精密鋳造鋳型を、
これの周囲に形成した加熱帯域にて1550℃に加熱
し、これにそれぞれ表1に示される組合せで、同じく高
周波誘導真空溶解炉で溶製した、Cr:9.6%、M
o:0.72%、W:6.6%、Ta:5.3%、A
l:5.6%、Ti:1.9%、Co:4.6%、R
e:0.41%、Niおよび不可避不純物:残りからな
る組成をもったNi基合金溶湯(1)、またはCr:1
0.6%、Mo:0.56%、W:6.7%、Ta:
5.8%、Al:5.9%、Ti:2.3%、Co:
4.4%、Re:0.21%、Si:0.13%、Ni
および不可避不純物:残りからなる組成をもったNi基
合金溶湯(2)を鋳造し、鋳造後、前記加熱帯域を15
50℃に保持しながら、前記精密鋳造鋳型を220mm/
hrの速度で垂直に引き下げることにより本発明法1〜5
を実施し、結晶方位が(100)の単結晶Ni基合金鋳
物をそれぞれ製造した。
【0010】また、比較の目的で、精密鋳造鋳型の湯だ
まりキャビティ部を、図3に示される通り底面開放と
し、かつ底面直径:45mm×高さ:20mmの寸法とする
と共に、冷却板の中央にセットされる上記種結晶(a)
および(b)の寸法を直径:10mm×厚さ:8mmとする
以外は同一の条件で従来法1,2を行ない、同じく単結
晶Ni基合金鋳物をそれぞれ製造した。この結果得られ
た単結晶Ni基合金鋳物の上端部、中央部、および下端
部の水平断面における結晶方位が(100)の面積割合
を、マクロエッチング処理面の画像解析にて測定した。
この測定結果を表1に示した。
まりキャビティ部を、図3に示される通り底面開放と
し、かつ底面直径:45mm×高さ:20mmの寸法とする
と共に、冷却板の中央にセットされる上記種結晶(a)
および(b)の寸法を直径:10mm×厚さ:8mmとする
以外は同一の条件で従来法1,2を行ない、同じく単結
晶Ni基合金鋳物をそれぞれ製造した。この結果得られ
た単結晶Ni基合金鋳物の上端部、中央部、および下端
部の水平断面における結晶方位が(100)の面積割合
を、マクロエッチング処理面の画像解析にて測定した。
この測定結果を表1に示した。
【0011】
【表1】
【0012】
【発明の効果】表1に示される結果から、本発明法1〜
5によれば、単結晶Ni基合金鋳物が大型になっても従
来法1,2に比して著しく高い単結晶化率で単結晶Ni
基合金鋳物を製造することができることが明らかであ
る。上述のように、この発明の方法は、高い単結晶化率
での単結晶Ni基合金鋳物の製造を可能とするものであ
るから、例えば各種ガスタービンエンジンの大型化の推
進に大いに寄与するものである。
5によれば、単結晶Ni基合金鋳物が大型になっても従
来法1,2に比して著しく高い単結晶化率で単結晶Ni
基合金鋳物を製造することができることが明らかであ
る。上述のように、この発明の方法は、高い単結晶化率
での単結晶Ni基合金鋳物の製造を可能とするものであ
るから、例えば各種ガスタービンエンジンの大型化の推
進に大いに寄与するものである。
【図1】この発明の方法で用いられる精密鋳造鋳型の1
例を示す概略縦断面図である。
例を示す概略縦断面図である。
【図2】この発明の方法で用いられる精密鋳造鋳型の変
形例を示す要部概略縦断面図である。
形例を示す要部概略縦断面図である。
【図3】従来法で用いられる精密鋳造鋳型を例示する概
略縦断面図である。
略縦断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 製品キャビティ部の下端に、絞り部を介
して湯だまりキャビティ部を設けると共に、前記湯だま
りキャビティ部を、底部中心にNi基合金種結晶の上端
部が露出した密閉空間とし、かつ前記Ni基合金種結晶
の下端面が鋳型底面に露出した構造を有する精密鋳造鋳
型を用い、 上記精密鋳造鋳型を冷却板上に載置して、上記鋳型底面
および種結晶下端面を上記冷却板に当接させ、 加熱帯域内に置かれた上記精密鋳造鋳型にNi基合金溶
湯を鋳造し、 上記Ni基合金種結晶と上記Ni基合金溶湯を、重量%
で、 Cr:9〜11%、 Mo:0.5〜0.8
%、 W:5.5〜6.8%、 Ta:5.2〜6%、 Al:5〜6%、 Ti:1.8〜2.5
%、 Co:4.2〜4.8%、 Re:0.05〜0.5
%、を含有し、さらに、 Si:0.01〜0.3%、を含有し、または含有せ
ず、残りがNiと不可避不純物からなる組成を有するN
i基合金で構成し、 引続いて、上記精密鋳造鋳型を下方から徐々に加熱帯域
外へ移行して冷却すること、を特徴とする高い単結晶化
率を有する単結晶Ni基合金鋳物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8169895A JPH08253830A (ja) | 1995-03-14 | 1995-03-14 | 高い単結晶化率を有する単結晶Ni基合金鋳物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8169895A JPH08253830A (ja) | 1995-03-14 | 1995-03-14 | 高い単結晶化率を有する単結晶Ni基合金鋳物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08253830A true JPH08253830A (ja) | 1996-10-01 |
Family
ID=13753604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8169895A Pending JPH08253830A (ja) | 1995-03-14 | 1995-03-14 | 高い単結晶化率を有する単結晶Ni基合金鋳物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08253830A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6251181B1 (en) * | 1999-06-18 | 2001-06-26 | Virginia Semiconductor | Method for forming a solid solution alloy crystal |
GB2364327A (en) * | 2000-05-20 | 2002-01-23 | Rolls Royce Plc | Single crystal seed alloy |
FR2825722A1 (fr) * | 2001-06-11 | 2002-12-13 | Howmet Res Corp | Grain pour le moulage d'un article monocristallin, moule et methode a y utiliser |
CN111235433A (zh) * | 2020-01-16 | 2020-06-05 | 成都航宇超合金技术有限公司 | 用于制备镍基单晶叶片的籽晶合金 |
-
1995
- 1995-03-14 JP JP8169895A patent/JPH08253830A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6251181B1 (en) * | 1999-06-18 | 2001-06-26 | Virginia Semiconductor | Method for forming a solid solution alloy crystal |
US6428618B2 (en) * | 1999-06-18 | 2002-08-06 | Virginia Semiconductor, Inc. | Method for forming a solid solution alloy crystal |
GB2364327A (en) * | 2000-05-20 | 2002-01-23 | Rolls Royce Plc | Single crystal seed alloy |
GB2364327B (en) * | 2000-05-20 | 2004-10-06 | Rolls Royce Plc | Single crystal seed alloy |
FR2825722A1 (fr) * | 2001-06-11 | 2002-12-13 | Howmet Res Corp | Grain pour le moulage d'un article monocristallin, moule et methode a y utiliser |
US7575038B2 (en) | 2001-06-11 | 2009-08-18 | Howmet Research Corporation | Single crystal seed |
US7810547B2 (en) | 2001-06-11 | 2010-10-12 | Howmet Research Corporation | Single crystal seed |
CN111235433A (zh) * | 2020-01-16 | 2020-06-05 | 成都航宇超合金技术有限公司 | 用于制备镍基单晶叶片的籽晶合金 |
CN111235433B (zh) * | 2020-01-16 | 2021-10-08 | 成都航宇超合金技术有限公司 | 用于制备镍基单晶叶片的籽晶合金 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4832112A (en) | Method of forming a fine-grained equiaxed casting | |
RU2490350C2 (ru) | СПОСОБ ПОЛУЧЕНИЯ БАЗОВОГО β-γ-TiAl-СПЛАВА | |
CN111364096B (zh) | 基底触发单晶高温合金定向凝固工艺 | |
EP1204775B1 (en) | Semi-solid casting of metallic alloys | |
US3847203A (en) | Method of casting a directionally solidified article having a varied composition | |
US20050211408A1 (en) | Single crystal investment cast components and methods of making same | |
US20070051623A1 (en) | Method of making sputtering target and target | |
JPS6249342B2 (ja) | ||
US6343641B1 (en) | Controlling casting grain spacing | |
JPS5954695A (ja) | 単結晶物品鋳造用の螺旋を有する鋳型 | |
US3942581A (en) | Method and apparatus for casting directionally solidified articles | |
US6383448B1 (en) | Nickel-based superalloy | |
JPH05239584A (ja) | 高強度アルミニウム合金圧延板およびその製造方法 | |
JPH08253830A (ja) | 高い単結晶化率を有する単結晶Ni基合金鋳物の製造方法 | |
JPS627839A (ja) | NiTi系合金の製造方法 | |
JPH09137239A (ja) | 半溶融金属の成形方法 | |
US4709461A (en) | Method of forming dense ingots having a fine equiaxed grain structure | |
Toloraiya et al. | Advanced method for single crystal casting of turbine blades for gas turbine engines and plants | |
JPS5847255B2 (ja) | 鋼塊造塊法 | |
US4402743A (en) | Consumable molding process for super alloys | |
JP5610259B2 (ja) | 非晶質合金、光学部品および光学部品の製造方法 | |
TW201932165A (zh) | 高爾夫球桿頭合金及以該合金製造高爾夫球桿頭的方法 | |
CN118616667A (zh) | 一种非连续梯度的铝合金材料的制备装置及方法 | |
JPH06136469A (ja) | Ni−Fe基超耐熱合金鋳塊の製造方法 | |
JPS62292244A (ja) | 荒引線の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020108 |