JPH08259042A - 紙葉類搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 異常発生により搬送が行われなくなっても、
正常に搬送されていた紙幣は、常に各搬送ユニットの一
定の位置に停まるようにして、紙幣の有無の確認を容易
にすること。 【構成】 複数台が連結された各搬送ユニット16a,16b
は、それぞれが搬送モータにより個別に駆動されて、紙
幣13を一方向に搬送する。各搬送ユニット16a,16b で
は、紙幣センサー9a,9b により紙幣13の通過の有無が検
知され、それにより紙幣詰まりの発生を検知する。そし
て、例えば、搬送ユニット16a では、前段の紙幣センサ
ー9uが紙幣13の通過を検知した時、または、紙幣投入機
11a,12a に紙幣13が投入された時、タイマーをスタート
させて、紙幣13が搬送ユニット16a 中の所定位置に到達
するまで搬送モータを駆動した後、一旦停止させる。そ
の後、各搬送ユニットに異常がないことを条件として、
再び搬送モータ8aを駆動して、次段の搬送ユニット16b
まで送る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、パチンコ店のような遊
技施設等において紙幣の搬送に好適な紙葉類搬送装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】パチンコ店では、横方向に並べた複数の
パチンコ台を背中合わせに配置して「島」を形成し、隣
同士のパチンコ台間に設けられた玉貸し機等に投入され
た紙幣を回収するための搬送装置を、「島」の中央空間
部に設ける場合がある。図６は、パチンコ遊技設備の島
の一部平面図である。図６において、１４はパチンコ
台、１１ａ〜１１ｃ，１２ａ〜１２ｃは玉貸し機等の貨
幣投入機、１６ａ〜１６ｃ，１６ｕは紙幣を搬送するた
めの搬送ユニット、８ａ〜８ｄは各搬送ユニットにおい
て紙幣搬送用のベルト（図示せず）を駆動するための搬
送モータ、９ａ〜９ｃ，９ｕは搬送ユニット中での紙幣
の通過を検知するための紙幣センサー、１３は搬送中の
紙幣、１５は紙幣収納部（図示せず）を内蔵した島端両
替装置である。

【０００３】ここで、例えば、貨幣投入機１２ａへ、短
辺を前にして立てた状態で紙幣１３が投入されると、紙
幣１３は立てられた状態のまま貨幣投入機１２ａ内の紙
幣送り手段により搬送ユニット１６ａに送られる。搬送
ユニット１６ａは、搬送モータ８によって駆動される２
つのベルトによって、貨幣投入機１２ａから送られてき
た紙幣１３を立てた状態のまま挟持しながら図の矢印Ａ
の方向に搬送していく。紙幣１３が搬送ユニット１６ａ
中を移動して紙幣センサー９ａの前を通過すると、紙幣
センサー９ａがそれを検知する。すると、次の搬送ユニ
ット１６ｂが作動を開始して、送られてきた紙幣１３を
引き続き搬送する。そして、紙幣１３が島端まで送られ
ると、島端両替装置１５中に設けられた紙幣収納部に収
納される。

【０００４】なお、各搬送ユニット１６ａ〜１６ｃの搬
送モータ８ａ〜８ｃは、それぞれ、対向する１組の貨幣
投入機１１ａ，１２ａ，１１ｂ，１２ｂ，・・・により
制御される。

【０００５】ところで、このような搬送ユニット１６ａ
〜１６ｃにおいては、しばしば紙幣の詰まりが発生す
る。そのような場合、紙幣が詰まったまま搬送ユニット
１６ａ〜１６ｃの運転を続けると、紙幣が破れるとか、
搬送ユニット１６ａ〜１６ｃが故障する等の支障が生じ
る。そこで、従来は、紙幣センサー９ａ〜９ｃが紙幣の
詰まりを検知すると、直ちに搬送装置を停止させて、従
業員が詰まった紙幣を取り除くようにしていた。

【０００６】そこで、紙幣の詰まりを検知して搬送装置
を停止させるようにした従来の装置の動作を、搬送ユニ
ット１６ａを中心にして説明すると、まず、紙幣詰まり
を検知する動作であるが、上流側の紙幣センサー９ｕが
紙幣の通過を検知した時、所定時間にセットしたタイマ
ーをスタートさせ、そのタイマーがタイムアウトする迄
に紙幣センサー９ａが紙幣通過を検知しなかったとき、
紙幣センサー９ｕ，９ａ間で詰まりが発生したと判断す
る。また、自己の紙幣センサー９ａが所定時間以上続け
て紙幣を検知していたら、その位置で紙幣詰まりがある
と判断する。そのようにして紙幣詰まりを検知したら、
まず、搬送モータ８ａを止めて搬送ユニット１６ａを停
止させる。それと同時に、異常の発生を島端両替装置１
５中の紙幣収納部に設けられたライン制御装置（図示せ
ず）に通知し、ライン制御装置は、搬送ユニット１６ａ
に紙幣が送られてこないように、搬送ユニット１６ａの
上流側にある全ての搬送ユニット１６ｕ，・・・に停止
指令を出してそれらを停止させる。

【０００７】なお、このような紙葉類搬送装置に関連す
る従来の文献としては、例えば、特公平 6-71496号公報
(A63F 7/02) がある。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来の技術では、搬送ライン中のいずれかの搬送ユニ
ットに、紙幣詰まり等の異常が発生すると、ライン制御
装置は、異常が発生した搬送ユニットの上流側にある全
ての搬送ユニットを直ちに停止させるようにしているた
め、そのとき搬送中の紙幣は、その場所が何処であるか
に関わりなく搬送の途中で停止することになる。その場
合、詰まった紙幣のみを取り除いただけで、搬送を再開
しても、搬送ライン中に残っている紙幣により、再びす
ぐ、トラブルが発生する可能性がある。したがって、そ
のような場合には、詰まった紙幣のみでなく、搬送ライ
ン中に残っているその他の紙幣も回収する必要が生じ
る。

【０００９】そのような場合、停止中の搬送ラインから
紙幣を回収する際に、従来の搬送装置では、前述したよ
うに、搬送中の紙幣の停止位置が一定しないため、どの
場所に紙幣が残っているのか確認しにくく、停止させた
搬送ユニットの数が少ない場合ならともかくとして、多
い場合は、設置場所が非常に狭いということもあって、
残った紙幣を探すのが困難であるいという問題点があっ
た。特に、搬送ユニット中の、貨幣投入機からの紙幣送
り口の付近は構造が複雑なため、外側から紙幣の有無を
確認するのが困難となっていた。

【００１０】本発明は、そのような問題点を解決するこ
とを課題とするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の紙葉類搬送装置では、直列に連結されて一
方向に紙幣を搬送する複数の搬送ユニットと、それぞれ
が前記各搬送ユニットを駆動する複数の搬送モータと、
それぞれが前記各搬送ユニットの定位置において紙葉類
の通過を検知する紙葉類センサーと、特定の搬送ユニッ
トの前段の搬送ユニットの紙葉類センサーが紙葉類の通
過を検知した時スタートし、該紙葉類を前記特定の搬送
ユニット中の所定位置まで搬送するのに必要な一定の第
１駆動時間を計時する第１計時手段と、前記第１計時手
段が前記第１駆動時間の計時を終了した時スタートし、
一定の停止時間を計時する第２計時手段と、前記第２計
時手段が前記停止時間の計時終了した時、前記特定の搬
送ユニット及びその下流側の搬送ユニットに異常がない
ことを条件としてスタートし、前記紙葉類を前記所定位
置から次段の搬送ユニットまで搬送するのに必要な一定
の第２駆動時間を計時する第３計時手段と、前記特定の
搬送ユニットの搬送モータを、前記第１計時手段または
第３計時手段が計時している間駆動し、前記第２計時手
段が計時している間停止させる搬送モータ制御手段とを
具えることとした。

【００１２】また、直列に連結されて一方向に紙幣を搬
送する複数の搬送ユニットと、それぞれが前記各搬送ユ
ニットを駆動する複数の搬送モータと、それぞれが前記
各搬送ユニットの定位置において紙葉類の通過を検知す
る紙葉類センサーと、各搬送ユニットに紙葉類を送りだ
す紙葉類投入機と、特定の搬送ユニットの紙葉類投入機
に紙葉類が投入された時スタートし、該紙葉類を前記特
定の搬送ユニット中の所定位置まで搬送するのに必要な
一定の第３駆動時間を計時する第４の計時手段と、前記
第４計時手段が前記第３駆動時間の計時を終了した時ス
タートし、一定の停止時間を計時する第２計時手段と、
前記第２計時手段が前記停止時間の計時を終了した時、
前記特定の搬送ユニット及びその下流側の搬送ユニット
に異常がないことを条件としてスタートし、前記紙葉類
を前記所定位置から次段の搬送ユニットまで送るのに必
要な一定の第２駆動時間を計時する第３計時手段と、前
記特定の搬送ユニットの搬送モータを、前記第１計時手
段または第３計時手段が計時している間駆動し、前記第
２計時手段が計時している間停止させる搬送モータ制御
手段とを具えることとした。

【００１３】また、直列に連結されて一方向に紙幣を搬
送する複数の搬送ユニットと、それぞれが前記各搬送ユ
ニットを駆動する複数の搬送モータと、それぞれが前記
各搬送ユニットの定位置において紙葉類の通過を検知す
る紙葉類センサーと、特定の搬送ユニットの前段の搬送
ユニットの紙葉類センサーが紙葉類の通過を検知した時
スタートし、該紙葉類を前記特定の搬送ユニットの次段
の搬送ユニットまで搬送するのに必要な一定の第４駆動
時間を計時する第５計時手段と、前記特定の搬送ユニッ
ト及びその下流側の搬送ユニットに異常が発生した時、
前記特定の搬送ユニットの紙葉類センサーが紙葉類の通
過を検知した時スタートし、該紙葉類を前記特定の搬送
ユニット中の所定位置まで搬送するのに必要な一定の第
５駆動時間を計時する第６計時手段と、前記特定の搬送
ユニットの搬送モータを、前記第５計時手段が計時して
いる間駆動するが、前記第６計時手段がスタートして計
時を終了した時は停止させる搬送モータ制御手段とを具
えることとした。

【００１４】また、直列に連結されて一方向に紙幣を搬
送する複数の搬送ユニットと、それぞれが前記各搬送ユ
ニットを駆動する複数の搬送モータと、それぞれが前記
各搬送ユニットの定位置において紙葉類の通過を検知す
る紙葉類センサーと、特定の搬送ユニットの紙葉類投入
機に紙葉類が投入された時スタートし、該紙葉類を前記
特定の搬送ユニットの次段の搬送ユニットまで搬送する
のに必要な一定の第６駆動時間を計時する第７計時手段
と、前記特定の搬送ユニット及びその下流側の搬送ユニ
ットに異常が発生した時、前記特定の搬送ユニットの紙
葉類センサーが紙葉類の通過を検知した時スタートし、
該紙葉類を前記特定の搬送ユニット中の所定位置まで搬
送するのに必要な一定の第５駆動時間を計時する第６計
時手段と、前記特定の搬送ユニットの搬送モータを、前
記第７計時手段が計時している間駆動するが、前記第６
計時手段がスタートして計時を終了した時は停止させる
搬送モータ制御手段とを具えることとした。

【００１５】また、各搬送ユニットに紙葉類を送りだす
紙葉類投入機と、特定の搬送ユニットの紙葉類投入機に
紙葉類が投入された時スタートし、該紙葉類を前記特定
の搬送ユニット中の所定位置まで搬送するのに必要な一
定の第３駆動時間を計時する第４計時手段とを有し、前
記特定の搬送ユニットの紙葉類投入機に紙葉類が投入さ
れた後、前記第４計時手段が計時中に、前記特定の搬送
ユニットの前段の搬送ユニットの紙葉類センサーが紙葉
類の通過を検知した時、前記第４計時手段が計時を終了
するまで、前段の搬送ユニットの搬送モータを駆動させ
ないようにすることとした。

【００１６】また、特定の搬送ユニットの前段の搬送ユ
ニットの紙葉類センサーが紙葉類の通過を検知した時ス
タートし、該紙葉類を前記特定の搬送ユニット中の所定
位置まで搬送するのに必要な一定の第１駆動時間を計時
する第１計時手段を有し、前記特定の搬送ユニットの前
段の搬送ユニットの紙葉類センサーが紙葉類の通過を検
知した後、前記第１計時手段が計時中に、前記特定の搬
送ユニットの紙葉類投入機に紙葉類が投入された時、前
記第１計時手段が計時を終了するまで、前記紙葉類投入
機から前記特定の搬送ユニットに前記紙葉類を送り出さ
ないようにすることとした。

【００１７】

【作 用】複数台が連結された搬送ユニットは、それ
ぞれが搬送モータにより個別に駆動されて、紙幣を一方
向に搬送する。各搬送ユニットでは、紙幣センサーによ
り紙幣の通過の有無が検知され、それにより紙幣の詰ま
りの発生が検知される。そして、各搬送ユニットは、制
御手段により、上流側に隣接した搬送ユニットの紙幣セ
ンサーが紙幣の通過を検知した時、または、前記紙葉類
投入機に紙葉類が投入された時、自己の搬送ユニット中
の所定位置まで搬送するのに必要な一定時間、自己の搬
送モータを駆動させた後、一旦停止させる。その後、自
己の搬送ユニット及び下流側の搬送ユニットに異常がな
いことを条件として、さらに、次段の搬送ユニットまで
送るのに必要な一定時間駆動させる。

【００１８】その結果、正常に搬送されている紙幣は、
異常発生により搬送が行われなくなっても、常に各搬送
ユニット中の所定の位置に停まることになって、紙幣の
有無の確認が容易になる。また、搬送用のベルトがすり
減ってすべりが発生する等のトラブルが発生していると
きには、搬送が停止されたとき、所定の位置より手前で
紙幣が停まることから、そのようなトラブルを早期に発
見することができる。

【００１９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図１は、本発明の紙葉類搬送装置の制御シ
ステム構成図である。図１において、１はＣＰＵ（中央
演算処理装置）、２はＣＰＵ１用のプログラムを格納し
ているＲＯＭ(Read Only Memory)、３はＣＰＵ１のワー
クエリアを提供するＲＡＭ(Random Access Memory)、４
は紙幣識別装置制御部、５は搬送モータ制御部、６はセ
ンサー・インターフェース、７は貨幣投入機の紙幣識別
装置、８は搬送ユニットのベルト駆動用の搬送モータ、
９ｕ，９ａは紙幣センサー、１０は貨幣投入機中に設け
られた制御ボードである。

【００２０】（前段の紙幣センサーが紙幣を検知したと
き）次に、搬送ユニット１６ａを例にして、前段の、す
なわち、１つ上流側の紙幣センサーが紙幣を検知したと
きの動作を説明する。図２は、前段の紙幣センサーが紙
幣を検知したときの動作説明図である。符号は、図６の
ものに対応している。また、図３は、紙幣センサーが紙
幣を検知したときの制御手順を示すフローチャートであ
る。この処理は、貨幣投入機１２ａ中のＣＰＵ１（図
１）によって実行される。

【００２１】ステップ１…前段の紙幣センサー９ｕが紙
幣の通過を検出したか否かを判別する。 ステップ２…図２（イ）に示すように、紙幣１３が上流
側から送られて来て、紙幣センサー９ｕがそれを検出し
たら、島端両替装置１５（図６）中のライン制御装置
に、現在搬送ラインに異常がなくて、紙幣収納部が紙幣
を受取可能な状態にあるか否かを確認する。

【００２２】ステップ３…受取可能であれば、搬送モー
タ制御部５（図１）に、搬送モータ８ａの駆動を指令す
る。それと同時に、タイマーＴ₁ をスタートさせる。タ
イマーＴ₁ は、搬送ユニット１６ａ中の定位置（例え
ば、図２（ロ）の紙幣１３の位置）まで搬送するのに必
要な一定時間（例えば、３．５秒）がセットされる。な
お、タイマーＴ₁ は、この処理を実行するプログラム中
に設けられる（後述する他のタイマーも同様）。

【００２３】ステップ４…タイマーＴ₁ がタイムアウト
したか否かを判別する。 ステップ５…タイムアウトしたら、搬送モータ制御部５
（図１）に、搬送モータ８ａの停止を指令する。それと
同時に、タイマーＴ₂ をスタートさせる。タイマーＴ₂
は、搬送モータ８ａの極短い停止時間（例えば、０．５
秒）をセットする。この時、紙幣１３は、図２（ロ）に
示す位置にある。

【００２４】ステップ６…タイマーＴ₂ がタイムアウト
したか否かを判別する。 ステップ７…タイムアウトしたら、島端両替装置１５
（図６）中のライン制御装置に、現在搬送ラインに異常
がなく、紙幣収納部が紙幣を受取可能な状態にあるか否
かを確認する。 ステップ８…受取可能であれば、搬送モータ制御部５
（図１）に、搬送モータ８ａの駆動を指令する。それと
同時に、タイマーＴ₃ をスタートさせる。タイマーＴ₃
は、紙幣１３を、次段、すなわち、１つ下流側の搬送ユ
ニット１６ｂまで送るのに十分な一定時間（例えば、
３．５秒）をセットする。

【００２５】ステップ９…タイマーＴ₃ がタイムアウト
したか否かを判別する。 ステップ１０…タイムアウトしたら、搬送モータ制御部
５（図１）に、搬送モータ８ａの停止を指令する。

【００２６】この時、搬送ユニット１６ａの次段の搬送
ユニット１６ｂでは、上記ステップ５の前の、紙幣１３
が紙幣センサー９ａの前を通過した段階で、紙幣センサ
ー９ａからの紙幣検知信号を受けて、上記ステップ１以
下の処理を開始している。したがって、上記タイマーＴ
₃ がタイムアウトした時、紙幣１３は、例えば、図２
（ハ）の位置にある。

【００２７】以下、同様にして、各搬送ユニット１６
ｂ，１６ｃ，・・・の所定の位置で一旦停止させなが
ら、紙幣１３を搬送していく。その際、搬送中は、搬送
ライン中の他の搬送ユニットに紙幣詰まりが発生して
も、タイマーＴ₁ がタイムアウトするまではそのまま搬
送を継続させる。そして、所定位置で停止させた後、搬
送ラインの状況をライン制御装置に確認して、異常がな
ければ再び搬送モータ８ａを駆動して、紙幣１３を次の
搬送ユニット１６ｂに送るが、異常があったらそれ以降
は、搬送モータ８ａの駆動を行わない。したがって、搬
送ライン中に異常が発生した時は、紙幣１３は、各搬送
ユニットの所定の位置に停まっていることになる。

【００２８】（紙幣投入機に紙幣が投入されたとき）次
に、前と同様、搬送ユニット１６ａを例にして、紙幣投
入機１２ａに紙幣が投入されたときの動作を説明する。
図４は、紙幣投入機に紙幣が投入されたときの動作説明
図である。符号は、図２のものに対応している。

【００２９】紙幣１３が、貨幣投入機１２ａに投入され
たら、上記ステップ２，３と同様に、島端両替装置１５
（図６）中のライン制御装置に、現在ラインに異常がな
く、紙幣収納部が紙幣を受取可能な状態にあるか否かを
確認し、受取可能であれば、搬送モータ制御部５（図
１）に、搬送モータ８ａの駆動を指令する。それと同時
に、タイマーＴ₄ をスタートさせる。タイマーＴ₄ は、
貨幣投入機１２ａから搬送ユニット１６ａ中の所定位置
（例えば、図２（ロ）の紙幣１３の位置）まで搬送する
のに必要な一定時間（例えば、２秒）がセットされる。

【００３０】以下、図３のステップ４〜１０と同様な処
理が行われる。

【００３１】ここで、紙幣１３が、貨幣投入機１２ａに
投入されてから、紙幣が貨幣投入機１２ａに取り込まれ
るまでの動作を、図５のタイミングチャートを使って詳
細に説明する。貨幣投入機１２ａ中の紙幣識別装置（図
示せず）が紙幣を検知すると、その紙幣の真贋の識別動
作を開始する。そして、識別中であることを示す信号が
出力された時、タイマーＴ₅ をスタートさせる。タイマ
ーＴ₅ は、貨幣投入機１２ａに投入された紙幣が贋物と
識別されて、投入者に返却されるのにかかる時間をわず
かに超える一定時間（例えば、０．６秒）をセットす
る。その後、タイマーＴ₅がタイムアウトしたら、搬送
モータ８ａの駆動信号を出力する。

【００３２】そのように、紙幣識別装置が紙幣を検知し
てから、タイマーＴ₅ により、一定時間の間隔をあけて
搬送モータ８ａを駆動させることにより、投入された紙
幣が贋物と識別されて、投入者に返却されたとき無駄に
搬送モータ８ａを駆動することを防止することができ
る。

【００３３】投入された紙幣が真券であると判定される
と、紙幣識別装置は、紙幣適正信号を出力するが、貨幣
投入機１２ａは、それを受けてから貨幣投入機１２ａ中
の紙幣取り込み用のモータを駆動するための取込信号を
出力する。その取込信号により、タイマーＴ₆ がスター
トし、所定時間紙幣取り込み用のモータを駆動させる。

【００３４】以上は、上流から紙幣が送られてきていな
い状態で、貨幣投入機１２ａに紙幣が投入された場合の
動作であるが、次に、上流から紙幣が送られてきている
ときに、貨幣投入機１２ａに紙幣が投入された場合の動
作を説明する。そのような場合、上流から送られてきた
紙幣と貨幣投入機１２ａから投入された紙幣とが、搬送
ユニット中で衝突したり、衝突はしなくても、１つの搬
送ユニット中に２枚の紙幣が入ってしまうのを避ける必
要がある。そこで、上流から紙幣が送られてくるのと、
貨幣投入機１２ａに紙幣が投入されるのとが同時の場合
は、優先順位を付けて、それが低い方を止める。

【００３５】また、上流側の紙幣が先に来て、紙幣セン
サー９ｕが先に紙幣を検知したら、貨幣投入機１２ａに
紙幣が投入されても、貨幣投入機１２ａは、タイマーを
使って、上流から送られてきた紙幣が搬送ユニット１６
ａの所定の位置に達するまでの十分な一定の時間（例え
ば、３．５秒）、紙幣をそのまま保持する。そして、そ
の一定時間が経過した後、搬送ユニット１６ａに送り出
す。一方、先に、貨幣投入機１２ａに紙幣が投入された
ら、前段の搬送ユニット１６ｕに紙幣が来ても、貨幣投
入機１２ａに投入された紙幣が搬送ユニット１６ａ中の
所定位置に到達するまでは、前段の搬送ユニット１６ｕ
に紙幣を保持させる。

【００３６】また、貨幣投入機１２ａと、それと対向す
る貨幣投入機１１ａとに同時に紙幣が投入された場合
は、優先順位をつけて、例えば、貨幣投入機１１ａの方
が優先順位が高かったら、貨幣投入機１２ａは、貨幣投
入機１１ａに投入された紙幣が、搬送ユニット１６ａの
所定の位置に達するまでの十分な一定の時間、紙幣をそ
のまま保持する。

【００３７】（島端受取禁止解除信号を受信したとき）
次に、前と同様、搬送ユニット１６ａを例にして、島端
両替装置１５中のライン制御装置から島端受取禁止解除
信号を受信したときの動作を説明する。ここで説明する
のは、搬送ライン中のいずれかの搬送ユニットに紙幣詰
まりが発生したり、島端両替装置１５の紙幣収納部に異
常があったりして、ライン制御装置から島端受取禁止信
号が出力されて、一旦、搬送ラインが停止された後、ラ
イン制御装置から島端受取禁止解除信号が出力された場
合のものである。

【００３８】図７は、島端受取禁止解除信号を受信した
ときの動作説明図である。符号は、図２のものに対応し
ている。図７（イ）に示すような状態で搬送ラインが停
止しているところに、ライン制御装置から島端受取禁止
解除信号が出力された場合は、上流の紙幣センサー９ｕ
が、紙幣１３を検知していなくても、図３のものにおけ
るステップ３〜１０と同様な処理が実行される。すなわ
ち、タイマーＴ₁ がタイムアウトした時、図７（ロ）に
示す位置で紙幣１３が停止され、その後、次段の搬送ユ
ニット１６ｃに送られる。そして、この場合は、紙幣セ
ンサー９ａ，９ｂの検知結果の如何に関わらず、紙幣詰
まりの検知信号は出力しないようにする。

【００３９】また、電源を投入したとき、及び、リセッ
トしたときも、上記、島端受取禁止解除信号を受信した
ときと同様な処理を実行する。

【００４０】上記実施例では、搬送ユニット中を搬送し
た紙幣を所定位置で一旦停止させ、その後再び搬送を開
始して、次段の搬送ユニットに紙幣を搬送するようにし
たが、所定位置で一旦停止させる分搬送時間が長くな
る。そこで、例えば、搬送ユニット１６ａの前段の搬送
ユニット１６ｕの紙幣センサー９ｕが紙幣の通過を検知
した時タイマーをスタートさせ、該紙幣が次段の搬送ユ
ニット１６ｂに到達するまでの時間そのタイマーにより
搬送モータ８ａを駆動させる。そのようにして、一旦停
止を入れることなく搬送する。

【００４１】そして、搬送ユニット１６ａまたはその下
流側の搬送ユニットに異常が発生した時は、搬送ユニッ
ト１６ａの紙幣センサー９ａが紙幣の通過を検知してか
ら別のタイマーをスタートさせ、該紙幣が搬送ユニット
１６ａ中の所定位置までの時間そのタイマーにより搬送
モータ８ａを駆動させ、タイマーがタイムアウトして搬
送モータ８ａが停止したとき、紙幣が常に搬送ユニット
１６ａ中の所定位置に停止するようにする。

【００４２】そのようにすれば、異常発生時には紙幣を
所定位置で停止させることができ、しかも、異常がない
場合は、一旦停止させないで紙幣の搬送を行うことがで
きる。その結果、搬送時間が短縮される。

【００４３】なお、上記各実施例で説明したように、本
発明によれば、異常発生時に、それまで正常に搬送され
ていた紙幣を所定位置で停止させることができ、紙幣を
回収する際には、各搬送ユニットの所定位置だけを調べ
れば済むが、全ての搬送ユニットを調べる必要はある。
そのように、所定位置だけではあっても全ての搬送ユニ
ットを調べるには手間がかかる。その解決策の１つとし
て、紙幣が停止している搬送ユニットをランプ等を使っ
て表示することがあげられる。そのようにすれば、どの
搬送ユニットに紙幣があるかその表示を見るだけで分か
り、紙幣の回収作業が効率的になる。

【００４４】ただ、正常な紙幣が単に停止しているだけ
の搬送ユニットも紙幣詰まりが発生した搬送ユニットも
一律に表示すると、両者の判別ができず、詰まった紙幣
だけを取り除くだけで済む場合には不便である。そこ
で、紙幣詰まりが発生した搬送ユニットのランプ表示は
必ず行い、紙幣が停止している搬送ユニットのランプ表
示については、それを行うか否かは、切換スイッチによ
り選択できるようにしたり、いずれか一方の表示を点滅
表示させたりするようにしてもよい。

【００４５】また、上記実施例では、パチンコ台の島に
適用した場合で説明したが、本発明の装置の適用対象
は、そのような遊技設備に限定されず、例えば、駅の自
動券売機等にも適用でき、また、貨幣投入機は、より一
般的な紙葉類投入機でもよい。

【００４６】

【発明の効果】以上述べた如く、本発明の紙葉類搬送装
置によれば、正常に搬送されている紙幣は、異常発生に
より搬送が停止されても、常に各搬送ユニットの一定の
位置に残ることになって、紙幣の有無の確認が容易にな
る。また、搬送が停止されたとき、所定位置に紙幣が停
まっているか否かを確認することにより、搬送用のベル
トがすり減ってすべりが発生している等のトラブルを早
期に発見することができる。

【００４７】また、請求項３，４の発明では、搬送ユニ
ットに異常が発生したとき、正常に搬送されている紙幣
は、常に各搬送ユニットの一定の位置に停まるようにし
ながら、異常がないときには停止期間を入れないので、
その分搬送時間を短くすることができる。

【００４８】また、請求項５，６の発明では、上流から
送られてきた紙幣と貨幣投入機から投入された紙幣と
が、搬送ユニット中で衝突したり、１つの搬送ユニット
中に２枚の紙幣が入ってしまうのを避けることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の紙葉類搬送装置の制御システム構成
図

【図２】 前段の紙幣センサーが紙幣を検知したときの
動作説明図

【図３】 前段の紙幣センサーが紙幣を検知したときの
制御手順を示すフローチャート

【図４】 紙幣投入機に紙幣が投入されたときの動作説
明図

【図５】 紙幣投入機に紙幣が投入されたときの動作を
説明するタイミングチャート

【図６】 パチンコ遊技設備の島の一部平面図

【図７】 島端受取禁止解除信号を受信したときの動作
説明図

【符号の説明】

８ 搬送モータ ９ 紙幣センサー １０ 制御ボード １１，１２ 貨幣投入機 １３ 紙幣 １４ パチンコ台 １５ 島端両替装置 １６ 搬送ユニット

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 直列に連結されて一方向に紙幣を搬送す
   る複数の搬送ユニットと、それぞれが前記各搬送ユニッ
   トを駆動する複数の搬送モータと、それぞれが前記各搬
   送ユニットの定位置において紙葉類の通過を検知する紙
   葉類センサーと、特定の搬送ユニットの前段の搬送ユニ
   ットの紙葉類センサーが紙葉類の通過を検知した時スタ
   ートし、該紙葉類を前記特定の搬送ユニット中の所定位
   置まで搬送するのに必要な第１の駆動時間を計時する第
   １の計時手段と、前記第１の計時手段が計時を終了した
   時スタートし、所定の停止時間を計時する第２の計時手
   段と、前記第２の計時手段が計時を終了した時、前記特
   定の搬送ユニット及びその下流側の搬送ユニットに異常
   がないことを条件としてスタートし、前記紙葉類を前記
   所定位置から次段の搬送ユニットまで搬送するのに必要
   な第２の駆動時間を計時する第３の計時手段と、前記特
   定の搬送ユニットの搬送モータを、前記第１の計時手段
   または第３の計時手段が計時している間駆動し、前記第
   ２の計時手段が計時している間停止させる搬送モータ制
   御手段とを具えたことを特徴とする紙葉類搬送装置。
2. 【請求項２】 直列に連結されて一方向に紙幣を搬送す
   る複数の搬送ユニットと、それぞれが前記各搬送ユニッ
   トを駆動する複数の搬送モータと、それぞれが前記各搬
   送ユニットの定位置において紙葉類の通過を検知する紙
   葉類センサーと、各搬送ユニットに紙葉類を送りだす紙
   葉類投入機と、特定の搬送ユニットの紙葉類投入機に紙
   葉類が投入された時スタートし、該紙葉類を前記特定の
   搬送ユニット中の所定位置まで搬送するのに必要な第３
   の駆動時間を計時する第４の計時手段と、前記第４の計
   時手段が計時を終了した時スタートし、所定の停止時間
   を計時する第２の計時手段と、前記第２の計時手段が計
   時を終了した時、前記特定の搬送ユニット及びその下流
   側の搬送ユニットに異常がないことを条件としてスター
   トし、前記紙葉類を前記所定位置から次段の搬送ユニッ
   トまで送るのに必要な第２の駆動時間を計時する第３の
   計時手段と、前記特定の搬送ユニットの搬送モータを、
   前記第１の計時手段または第３の計時手段が計時してい
   る間駆動し、前記第２の計時手段が計時している間停止
   させる搬送モータ制御手段とを具えたことを特徴とする
   紙葉類搬送装置。
3. 【請求項３】 直列に連結されて一方向に紙幣を搬送す
   る複数の搬送ユニットと、それぞれが前記各搬送ユニッ
   トを駆動する複数の搬送モータと、それぞれが前記各搬
   送ユニットの定位置において紙葉類の通過を検知する紙
   葉類センサーと、特定の搬送ユニットの前段の搬送ユニ
   ットの紙葉類センサーが紙葉類の通過を検知した時スタ
   ートし、該紙葉類を前記特定の搬送ユニットの次段の搬
   送ユニットまで搬送するのに必要な第４の駆動時間を計
   時する第５の計時手段と、前記特定の搬送ユニットの下
   流側の搬送ユニットに異常が発生した時、前記特定の搬
   送ユニットの紙葉類センサーが紙葉類の通過を検知した
   時スタートし、該紙葉類を前記特定の搬送ユニット中の
   所定位置まで搬送するのに必要な第５の駆動時間を計時
   する第６の計時手段と、前記特定の搬送ユニットの搬送
   モータを、前記第５の計時手段が計時している間駆動す
   るが、前記第６の計時手段がスタートして計時を終了し
   た時は停止させる搬送モータ制御手段とを具えたことを
   特徴とする紙葉類搬送装置。
4. 【請求項４】 直列に連結されて一方向に紙幣を搬送す
   る複数の搬送ユニットと、それぞれが前記各搬送ユニッ
   トを駆動する複数の搬送モータと、それぞれが前記各搬
   送ユニットの定位置において紙葉類の通過を検知する紙
   葉類センサーと、特定の搬送ユニットの紙葉類投入機に
   紙葉類が投入された時スタートし、該紙葉類を前記特定
   の搬送ユニットの次段の搬送ユニットまで搬送するのに
   必要な第６の駆動時間を計時する第７の計時手段と、前
   記特定の搬送ユニットの下流側の搬送ユニットに異常が
   発生した時、前記特定の搬送ユニットの紙葉類センサー
   が紙葉類の通過を検知した時スタートし、該紙葉類を前
   記特定の搬送ユニット中の所定位置まで搬送するのに必
   要な第５の駆動時間を計時する第６の計時手段と、前記
   特定の搬送ユニットの搬送モータを、前記第７の計時手
   段が計時している間駆動するが、前記第６の計時手段が
   スタートして計時を終了した時は停止させる搬送モータ
   制御手段とを具えたことを特徴とする紙葉類搬送装置。
5. 【請求項５】 直列に連結されて一方向に紙幣を搬送す
   る複数の搬送ユニットと、それぞれが前記各搬送ユニッ
   トを駆動する複数の搬送モータと、それぞれが前記各搬
   送ユニットの定位置において紙葉類の通過を検知する紙
   葉類センサーと、各搬送ユニットに紙葉類を送りだす紙
   葉類投入機と、特定の搬送ユニットの紙葉類投入機に紙
   葉類が投入された時スタートし、該紙葉類を前記特定の
   搬送ユニット中の所定位置まで搬送するのに必要な第３
   の駆動時間を計時する第４の計時手段とを有し、前記特
   定の搬送ユニットの紙葉類投入機に紙葉類が投入された
   後、前記第４の計時手段が計時中に、前記特定の搬送ユ
   ニットの前段の搬送ユニットの紙葉類センサーが紙葉類
   の通過を検知した時、前記第４の計時手段が計時を終了
   するまで、前段の搬送ユニットの搬送モータを駆動させ
   ないようにしたことを特徴とする紙葉類搬送装置。
6. 【請求項６】 直列に連結されて一方向に紙幣を搬送す
   る複数の搬送ユニットと、それぞれが前記各搬送ユニッ
   トを駆動する複数の搬送モータと、それぞれが前記各搬
   送ユニットの定位置において紙葉類の通過を検知する紙
   葉類センサーと、各搬送ユニットに紙葉類を送りだす紙
   葉類投入機と、特定の搬送ユニットの前段の搬送ユニッ
   トの紙葉類センサーが紙葉類の通過を検知した時スター
   トし、該紙葉類を前記特定の搬送ユニット中の所定位置
   まで搬送するのに必要な第１の駆動時間を計時する第１
   の計時手段を有し、前記特定の搬送ユニットの前段の搬
   送ユニットの紙葉類センサーが紙葉類の通過を検知した
   後、前記第１の計時手段が計時中に、前記特定の搬送ユ
   ニットの紙葉類投入機に紙葉類が投入された時、前記第
   １の計時手段が計時を終了するまで、前記紙葉類投入機
   から前記特定の搬送ユニットに前記紙葉類を送り出さな
   いようにしたことを特徴とする紙葉類搬送装置。