JPH08241698A - 外部電極式蛍光放電管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 安定した可視光および／または紫外線が得ら
れる構造を持つ外部電極式蛍光放電管を提供する。 【構成】 管型バルブ１の外面のバルブ軸方向に線状ま
たは帯状の第一の電極６を設け、この電極の両側のバル
ブ外面のバルブ軸方向に沿って一対の線状または帯状の
第二の電極７，８を第一の電極から等間隔の位置に設け
て構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ファクシミリ、複写
機、イメージリーダ等の情報機器に利用される原稿照明
用や、液晶ディスプレイパネルのバックライト装置など
に利用される外部電極式蛍光放電管（以下蛍光ランプも
しくは単にランプという）に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ＯＡ機器の光源、表示装置のバックライ
ト等に使用されている蛍光ランプに於いては、バルブの
外壁に形成した一対の外部電極により放電を維持するよ
うにしたものがある。図を用いて説明すると、図１はラ
ンプと電源の説明図、図２にランプのＡ−Ａ断面の説明
図であって、両端１００，１０１が密封されたバルブ１
の外面に、互いに周方向に離間して一対の外部電極２、
３を設け、これら外部電極２、３は高周波電源４に接続
されている。これら外部電極２、３はそれぞれアルミニ
ウムテープ、銅テープといった金属テープや、銀ペース
ト等のような導電性塗料によりバルブの軸方向に沿って
帯状に形成されている。バルブ１の内面には蛍光体物質
５が塗布されており、このバルブ内にはキセノン等の希
ガスのみを封入したものもあれば、または所定量の水銀
と希ガスが封入されているものもある。

【０００３】このようなランプにおいては、高周波電源
４から外部電極２、３間に高周波電流を流すとバルブ１
内で放電１０がなされ、希ガスまたは水銀が電離及び励
起されて紫外線を発し、この紫外線は蛍光体物質５で可
視光に変換され外部に放出される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
外部電極２、３による高周波電流はバルブを構成するガ
ラスと外部電極の接触のばらつき、ガラス管肉厚のばら
つき、また高周波電流の微少な電流変化等により、有効
発光面９に沿って放電１０が縞模様のようになり不安定
な状態になる場合があり、特に高周波電流が少なくなる
ほど顕著に現れてくる。この不安定な放電１０は、蛍光
体物質５から発せられる可視光にも影響し、有効発光面
９から発する可視光も同じように縞のようになり不安定
となる。

【０００５】このような現象は、ファクシミリ、複写
機、イメージリーダ等の情報器機に使用される原稿照明
用では、情報を正確に伝える事ができない不具合が生
じ、また液晶ディスプレイパネルのバックライト装置な
どに利用される場合は、画面の揺れやちらつき等の不具
合を生じることになる。

【０００６】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、その目的は、外部電極方式で安定した可視光お
よび／または紫外光が得られる構造を持つ外部電極式蛍
光放電管を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の目的は、外部電
極式蛍光放電管を、管型バルブの外面のバルブ軸方向に
線状または帯状の第一の電極を設け、この電極の両側の
バルブ外面のバルブ軸方向に沿って一対の線状または帯
状の第二の電極を前記第一の電極から等間隔の位置に設
けて構成することによって達成される。

【０００８】

【作用】本発明によると、高周波電流が安定して流れる
ので、蛍光ランプから発する可視光も安定して発する事
ができる。また、高電圧側と接地電圧側の間のコンデン
サ容量等電気的特性を調整する事によって更に安定した
可視光を得る事ができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明についての一実施例を図に基づ
き説明する。図３は本発明のランプと電源の説明図、図
４は本発明のランプのＡ−Ａ断面の説明図であって図に
おいて、１は両端１００，１０１が閉塞されたバルブ、
バルブ１の内面には蛍光体物質が塗布されており一対の
第二の電極７、８の、互いに向かい合うエッジ１０２、
１０３の間に位置するバルブの内面の蛍光体物質は除去
され、アパ─チャ１３が設けられている。第一の電極６
はバルブ１のバルブ軸方向に沿って設けられた帯状の電
極であり、一対の第二の電極７、８は第一の電極６の両
側のバルブの外面のバルブ軸方向に沿って一対で設けた
帯状電極であり、電極６から等間隔の位置に設けられて
いる。また、電極６、７、８はアルミニウムテープ、銅
テープといった金属テープや、銀ペースト等のような導
電性塗料により形成されている。ここで、電極７のエッ
ジ１０２と電極８のエッジ１０３は蛍光体物質の除去で
決まるアパ─チャ１３の開口角の縁１０４に沿わせて配
置する事が望ましい。尚、電極６の前方方向を有効発光
面９としている。

【００１０】このように配置した場合、図４に示すよう
に高周波電源４から第一の電極６から第二の電極７、８
に高周波電流を流すと、たとえば電極６から流れる高周
波電流は、電極６からみてバルブ１の左右の等間隔の位
置に設けられている一対の第二の電極７、８に流れ、こ
のとき高周波電流の流れる経路は電極６から左右に分か
れ、放電路１１、１２を通って電極７、電極８に流れる
事になる。

【００１１】このようにして放電するランプは、有効発
光面９から見るとほとんど放電の不安定な縞模様の部分
は見えず、安定した可視光を発する事が出きる。また、
図３に示すように第一の電極６と第二の電極７、８の間
に電気回路素子、例えばコンデンサ１４と抵抗１５を任
意の値に設定し設ける事によって更に安定した放電を得
る事ができ、縞模様の放電はどの角度からみても全く見
えなくなるほど安定な放電を得る事ができた。つまり必
要に応じて高周波電源の出力側にコンデンサや抵抗等の
電気回路素子を設けると良い。

【００１２】図５は、図１に示す従来の放電方式で点灯
した場合の有効発光面９の輝度安定特性図であり、図６
に、図３に示す今回発明した放電方式で点灯した場合の
有効発光面９の輝度安定特性図を示す。この図５と図６
の特性図を比較すると従来の放電方式では輝度測定によ
る光リップルが±６％前後生じるのに対し、今回発明し
た放電方式では輝度測定による光リップルがほとんど０
％になっている。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように本発明によると、非
常に安定した可視光および／または紫外光を発する事が
でき、情報機器に利用される原稿照明用や、液晶ディス
プレイパネルのバックライト装置などに利用される場
合、安定した光を提供することができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の蛍光ランプと電源の説明図である。

【図２】従来の蛍光ランプのＡ−Ａ断面の説明図であ
る。

【図３】本発明の蛍光ランプと電源の実施例の説明図で
ある。

【図４】本発明の蛍光ランプのＡ−Ａ断面の説明図であ
る。

【図５】従来の蛍光ランプと電源における輝度安定特性
図である。

【図６】本発明の蛍光ランプと電源における輝度安定特
性図である。

【符号の説明】

１ 管型バルブ ２，３ 外部電極 ４ 高周波電源 ５ 蛍光体物質 ６ 第一の電極 ７，８ 第二の電極 ９ 有効発光面 １３ アパーチャ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊田 豊彦 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 管型バルブの内部にＨｅ，Ｎｅ，Ａｒ，
   Ｘｅ，Ｋｒ等のいずれか１種類以上の希ガスを所定量封
   入密閉し、バルブ内面は蛍光体物質を塗布した蛍光放電
   管において、バルブ外面のバルブ軸方向に線状または帯
   状の第一の電極を設け、この電極の両側のバルブ外面の
   バルブ軸方向に沿って一対の線状または帯状の第二の電
   極を前記第一の電極から等間隔の位置に設けた事を特徴
   とする外部電極式蛍光放電管。
2. 【請求項２】 第一の電極と第二の電極の間に印加する
   高周波電圧は例えばトランジスタまたは電解効果トラン
   ジスタ等により構成される高周波発振器と昇圧トランス
   より成る電源より供給されることを特徴とする請求項１
   に記載の外部電極式蛍光放電管。
3. 【請求項３】 高周波電源の出力側にコンデンサや抵抗
   等、電気回路素子を接続されている事を特徴とする請求
   項２に記載の外部電極式蛍光放電管。
4. 【請求項４】 バルブ内部に水銀蒸気を封入したことを
   特徴とする請求項１から請求項３に記載の外部電極式蛍
   光放電管。
5. 【請求項５】 一対の第二の電極の、互いに向かい合う
   側のエッジの間に位置するバルブの内面の蛍光体物質を
   除去して、アパーチャを設けたことを特徴とする請求項
   １から請求項４にに記載の外部電極式蛍光放電管。