JPH08222517A - 半導体製造装置のコリメータ - Google Patents
半導体製造装置のコリメータInfo
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- JPH08222517A JPH08222517A JP5339695A JP5339695A JPH08222517A JP H08222517 A JPH08222517 A JP H08222517A JP 5339695 A JP5339695 A JP 5339695A JP 5339695 A JP5339695 A JP 5339695A JP H08222517 A JPH08222517 A JP H08222517A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 半導体チップの接続孔底部における被覆性を
高め、同時に成膜速度の低下を抑え、かつ生産性を向上
させる。 【構成】 スパッタ粒子が通過する同一直径の多数の貫
通孔4を有する2枚のコリメータ板1、2と、これらの
コリメータ板1、2を所定の間隔で支持する3本のスペ
ーサ3とによって構成されている。コリメータ板1側か
ら、斜めに入射したスパッタ粒子はコリメータ板2のウ
エハーと反対側の面で阻止され、その部分に付着するの
で、目詰まりが起り難い。従って、接続孔底部の被覆性
を高めるため、コリメータのアスペクト比を大きくして
も、成膜速度が低下せず、また発塵も少ない。そしてコ
リメータ交換の周期を長くできるので稼働率が向上す
る。
高め、同時に成膜速度の低下を抑え、かつ生産性を向上
させる。 【構成】 スパッタ粒子が通過する同一直径の多数の貫
通孔4を有する2枚のコリメータ板1、2と、これらの
コリメータ板1、2を所定の間隔で支持する3本のスペ
ーサ3とによって構成されている。コリメータ板1側か
ら、斜めに入射したスパッタ粒子はコリメータ板2のウ
エハーと反対側の面で阻止され、その部分に付着するの
で、目詰まりが起り難い。従って、接続孔底部の被覆性
を高めるため、コリメータのアスペクト比を大きくして
も、成膜速度が低下せず、また発塵も少ない。そしてコ
リメータ交換の周期を長くできるので稼働率が向上す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体製造装置に関し、
特にスパッタ粒子の飛翔方向を整える半導体製造装置の
コリメータに関するものである。
特にスパッタ粒子の飛翔方向を整える半導体製造装置の
コリメータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体チップの異なる層に形成された配
線などは、各層を電気的に分離する層間絶縁膜に設けた
貫通孔、すなわち接続孔(コンタクトホールともいう)
を通じて接続される。図9にこのような接続孔の一例を
示す。121は半導体基板、122は層間絶縁膜、12
3は層間絶縁膜の上に形成された金属配線である。12
4が接続孔であり、接続孔124の底部には、スパッタ
リングによってチタン(Ti)の膜125が形成され、
その上にブランケット・タングステン126が充填され
て、配線123が基板121に接続されている。
線などは、各層を電気的に分離する層間絶縁膜に設けた
貫通孔、すなわち接続孔(コンタクトホールともいう)
を通じて接続される。図9にこのような接続孔の一例を
示す。121は半導体基板、122は層間絶縁膜、12
3は層間絶縁膜の上に形成された金属配線である。12
4が接続孔であり、接続孔124の底部には、スパッタ
リングによってチタン(Ti)の膜125が形成され、
その上にブランケット・タングステン126が充填され
て、配線123が基板121に接続されている。
【0003】ところで、LSIの高密度化に伴って半導
体チップに形成される接続孔のアスペクト比(深さDp
を直径Diで割った値)はますます大きくなってきてお
り、従来のスパッタ技術では接続孔底部に必要量のスパ
ッタ粒子が到達せず、接続孔底部に十分に被着させるこ
とが難しくなっている。スパッタ粒子の被着が不十分と
なると、例えば図9の例では、チタン膜125が適切に
成膜せず、接続孔底部のチタン膜125による被覆率が
低下して配線123の基板121への接続が不良とな
る。
体チップに形成される接続孔のアスペクト比(深さDp
を直径Diで割った値)はますます大きくなってきてお
り、従来のスパッタ技術では接続孔底部に必要量のスパ
ッタ粒子が到達せず、接続孔底部に十分に被着させるこ
とが難しくなっている。スパッタ粒子の被着が不十分と
なると、例えば図9の例では、チタン膜125が適切に
成膜せず、接続孔底部のチタン膜125による被覆率が
低下して配線123の基板121への接続が不良とな
る。
【0004】このような被覆率の低下は、スパッタ装置
にコリメータを組み込むことによって改善することがで
きる。コリメータを用いたスパッタ装置の一例を図10
に示す。フレーム101にスパッタ粒子源のターゲット
102が取り付けられ、このターゲット102と平行
に、一定の距離をおいてコリメータ103が取り付けら
れている。ターゲット102の背面側にはターゲット1
02に負の高電圧を印加するカソード105が設けられ
ている。そして、コリメータ103の、ターゲット10
2と反対の側にはウエハー104が、コリメータ103
と平行に、一定の距離をおいて配置されている。コリメ
ータ103は、図11の(a)の平面図および図11の
(b)の断面図(図11の(a)における直線bでの断
面図)に示すように、円形の板に多数の貫通孔を開けた
ものである。貫通孔の形状は円形に限らず、図12に示
すように6角形のものもある。なお、図10ではこれら
の貫通孔は省略されている。このようなコリメータを備
えたコリメート・スパッタ装置は真空チェンバ内に配置
され、スパッタリングが行われる。
にコリメータを組み込むことによって改善することがで
きる。コリメータを用いたスパッタ装置の一例を図10
に示す。フレーム101にスパッタ粒子源のターゲット
102が取り付けられ、このターゲット102と平行
に、一定の距離をおいてコリメータ103が取り付けら
れている。ターゲット102の背面側にはターゲット1
02に負の高電圧を印加するカソード105が設けられ
ている。そして、コリメータ103の、ターゲット10
2と反対の側にはウエハー104が、コリメータ103
と平行に、一定の距離をおいて配置されている。コリメ
ータ103は、図11の(a)の平面図および図11の
(b)の断面図(図11の(a)における直線bでの断
面図)に示すように、円形の板に多数の貫通孔を開けた
ものである。貫通孔の形状は円形に限らず、図12に示
すように6角形のものもある。なお、図10ではこれら
の貫通孔は省略されている。このようなコリメータを備
えたコリメート・スパッタ装置は真空チェンバ内に配置
され、スパッタリングが行われる。
【0005】ターゲット102を出たスパッタ粒子はさ
まざまな角度でコリメータ103の各貫通孔に入射す
る。それらの粒子の中、図13に示すように、斜めに入
射したスパッタ粒子110,111は貫通孔106の内
壁107に当たり、その部分に被着する。従って、これ
らの粒子はコリメータ103によって遮られ、ウエハー
104には到達しない。一方、コリメータ103に対し
て垂直に入射したスパッタ粒子112はコリメータ10
3の貫通孔106を通過し、ウエハー104に到達す
る。すなわち、ウエハー104に対して垂直に飛翔する
スパッタ粒子のみがウエハー104に入射することにな
る。従って、このようなコリメータを用いることによっ
て、接続孔のアスペクト比が大きい場合でも、接続孔底
部に十分な量のスパッタ粒子を被着させることができ、
接続孔底部において良好な被覆性を実現できる。なお、
図では説明のため、スパッタ粒子110〜112は実際
のサイズとは無関係に、大きく描かれている。
まざまな角度でコリメータ103の各貫通孔に入射す
る。それらの粒子の中、図13に示すように、斜めに入
射したスパッタ粒子110,111は貫通孔106の内
壁107に当たり、その部分に被着する。従って、これ
らの粒子はコリメータ103によって遮られ、ウエハー
104には到達しない。一方、コリメータ103に対し
て垂直に入射したスパッタ粒子112はコリメータ10
3の貫通孔106を通過し、ウエハー104に到達す
る。すなわち、ウエハー104に対して垂直に飛翔する
スパッタ粒子のみがウエハー104に入射することにな
る。従って、このようなコリメータを用いることによっ
て、接続孔のアスペクト比が大きい場合でも、接続孔底
部に十分な量のスパッタ粒子を被着させることができ、
接続孔底部において良好な被覆性を実現できる。なお、
図では説明のため、スパッタ粒子110〜112は実際
のサイズとは無関係に、大きく描かれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなコ
リメート・スパッタ装置でも、接続孔のアスペクト比が
さらに大きくなると必ずしも十分な性能が得られなくな
る。接続孔のアスペクト比が大きくなることにより、接
続孔底部の被覆率がどのように低下するかを図14のグ
ラフに示す。このグラフはメーカの異なる3種類のスパ
ッタ装置による実験結果であり、3本の曲線F、J、H
が、各スパッタ装置でチタンをスパッタリングした場合
の、接続孔のアスペクト比と接続孔底部の被覆率との関
係を示している。グラフの横軸はアスペクト比を表し、
縦軸は被覆率を表している。このグラフから分るよう
に、いずれの装置でも、アスペクト比が大きくなると、
被覆率は急速に低下する。
リメート・スパッタ装置でも、接続孔のアスペクト比が
さらに大きくなると必ずしも十分な性能が得られなくな
る。接続孔のアスペクト比が大きくなることにより、接
続孔底部の被覆率がどのように低下するかを図14のグ
ラフに示す。このグラフはメーカの異なる3種類のスパ
ッタ装置による実験結果であり、3本の曲線F、J、H
が、各スパッタ装置でチタンをスパッタリングした場合
の、接続孔のアスペクト比と接続孔底部の被覆率との関
係を示している。グラフの横軸はアスペクト比を表し、
縦軸は被覆率を表している。このグラフから分るよう
に、いずれの装置でも、アスペクト比が大きくなると、
被覆率は急速に低下する。
【0007】コリメータを用いた場合、接続孔底部の被
覆性をさらに高めるためには、図13を参照して分るよ
うに、コリメータの貫通孔をできるだけ小さくし、一
方、貫通孔の深さはできるだけ深く、従ってコリメータ
の厚さをできるだけ厚くすればよい。そうすることによ
って、少しでも斜めに飛翔するスパッタ粒子はコリメー
タ103によって遮られ、垂直に飛翔するスパッタ粒子
のみがウエハー104に入射するようになるので、接続
孔底部により多くのスパッタ粒子を被着させることがで
きる。
覆性をさらに高めるためには、図13を参照して分るよ
うに、コリメータの貫通孔をできるだけ小さくし、一
方、貫通孔の深さはできるだけ深く、従ってコリメータ
の厚さをできるだけ厚くすればよい。そうすることによ
って、少しでも斜めに飛翔するスパッタ粒子はコリメー
タ103によって遮られ、垂直に飛翔するスパッタ粒子
のみがウエハー104に入射するようになるので、接続
孔底部により多くのスパッタ粒子を被着させることがで
きる。
【0008】しかしコリメータの貫通孔を深くした場合
には、貫通孔106の内壁107に被着する粒子が多く
なり、その結果、目詰まりが起り易くなる。そしてコリ
メータの貫通孔を小さくすると、目詰まりはますます起
り易くなる。目詰まりが発生すると、ウエハーに到達す
るスパッタ粒子が減少して、ウエハーにおける成膜速度
(デポジション・レートともいう)が低下する。
には、貫通孔106の内壁107に被着する粒子が多く
なり、その結果、目詰まりが起り易くなる。そしてコリ
メータの貫通孔を小さくすると、目詰まりはますます起
り易くなる。目詰まりが発生すると、ウエハーに到達す
るスパッタ粒子が減少して、ウエハーにおける成膜速度
(デポジション・レートともいう)が低下する。
【0009】図15のグラフは、コリメータ板の目詰ま
りによって、成膜速度が低下することを示す実験結果で
ある。スパッタリングによりウエハー上にチタン膜を形
成し、その際の成膜速度と、形成された膜厚の均一性を
測定した。横軸はカソードを通じてTiターゲットに供
給した電力量(KWh)を表し、左の縦軸は成膜速度
(nm/min)、右の縦軸は膜厚の均一性(%)をそ
れぞれ表している。そして○印の折れ線が成膜速度の測
定結果、●印の折れ線が膜厚均一性の測定結果である。
また、実験は3回に分けて行い、t1、t2、t3の各
範囲の折れ線がそれぞれの実験結果を示している。
りによって、成膜速度が低下することを示す実験結果で
ある。スパッタリングによりウエハー上にチタン膜を形
成し、その際の成膜速度と、形成された膜厚の均一性を
測定した。横軸はカソードを通じてTiターゲットに供
給した電力量(KWh)を表し、左の縦軸は成膜速度
(nm/min)、右の縦軸は膜厚の均一性(%)をそ
れぞれ表している。そして○印の折れ線が成膜速度の測
定結果、●印の折れ線が膜厚均一性の測定結果である。
また、実験は3回に分けて行い、t1、t2、t3の各
範囲の折れ線がそれぞれの実験結果を示している。
【0010】膜厚の均一性については、●印の折れ線か
ら分るように、比較的良好な結果が得られているが、成
膜速度については、○印の折れ線から分るように、供給
した電力量が大きくなると、従っておおむねスパッタリ
ングを行う時間が長くなると、成膜速度はしだいに低下
している。このことはコリメータ板で目詰まりが発生
し、ウエハーに到達するスパッタ粒子の量が低下してい
ることを示している。成膜速度の低下は、コリメータ板
の貫通孔のアスペクト比が大きくなるほど、強く現れる
ことになる。
ら分るように、比較的良好な結果が得られているが、成
膜速度については、○印の折れ線から分るように、供給
した電力量が大きくなると、従っておおむねスパッタリ
ングを行う時間が長くなると、成膜速度はしだいに低下
している。このことはコリメータ板で目詰まりが発生
し、ウエハーに到達するスパッタ粒子の量が低下してい
ることを示している。成膜速度の低下は、コリメータ板
の貫通孔のアスペクト比が大きくなるほど、強く現れる
ことになる。
【0011】従って、貫通孔のアスペクト比を大きくす
ると、コリメータを短い周期で交換しなければならなく
なり、生産性の低下を招く。コリメータを交換するため
には、真空チェンバを大気に開放する必要があり、交換
後はチェンバ内を真空にするため、立ち上げには通常1
0〜15時間もの長時間を必要とする。そのため、コリ
メータ交換の頻度が高いと稼働率は大幅に低下する。ま
た、貫通孔のアスペクト比を大きくすると、発生するダ
ストの量(発塵量ともいう)も多くなるので、この点で
も、コリメータを短い周期で交換しなければならなくな
る。
ると、コリメータを短い周期で交換しなければならなく
なり、生産性の低下を招く。コリメータを交換するため
には、真空チェンバを大気に開放する必要があり、交換
後はチェンバ内を真空にするため、立ち上げには通常1
0〜15時間もの長時間を必要とする。そのため、コリ
メータ交換の頻度が高いと稼働率は大幅に低下する。ま
た、貫通孔のアスペクト比を大きくすると、発生するダ
ストの量(発塵量ともいう)も多くなるので、この点で
も、コリメータを短い周期で交換しなければならなくな
る。
【0012】本発明の目的は、このような問題を解決
し、接続孔底部の被覆性を高め同時に成膜速度の低下を
抑え、かつ生産性の向上を可能とする半導体製造装置の
コリメータを提供することにある。
し、接続孔底部の被覆性を高め同時に成膜速度の低下を
抑え、かつ生産性の向上を可能とする半導体製造装置の
コリメータを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、スパッタ粒子の飛翔方向を整える半導体製造
装置のコリメータにおいて、多数の貫通孔を有する複数
のコリメータ板と、前記複数のコリメータ板の間隔を決
めるコリメータ板の支持部材とを備えたことを特徴とす
る。
するため、スパッタ粒子の飛翔方向を整える半導体製造
装置のコリメータにおいて、多数の貫通孔を有する複数
のコリメータ板と、前記複数のコリメータ板の間隔を決
めるコリメータ板の支持部材とを備えたことを特徴とす
る。
【0014】また、本発明は、スパッタ粒子の飛翔方向
を整える半導体製造装置のコリメータにおいて、多数の
貫通孔を有する複数のコリメータ板と、前記複数のコリ
メータ板の間隔を決め、かつ少なくとも1つの前記コリ
メータ板を回転可能に支持する支持部材とを備え、この
支持部材が回転可能に支持する前記コリメータ板は、そ
の周辺部の少なくとも一部に歯を有し、この歯に係合す
る歯車と、この歯車の軸とを備えたことを特徴とする。
を整える半導体製造装置のコリメータにおいて、多数の
貫通孔を有する複数のコリメータ板と、前記複数のコリ
メータ板の間隔を決め、かつ少なくとも1つの前記コリ
メータ板を回転可能に支持する支持部材とを備え、この
支持部材が回転可能に支持する前記コリメータ板は、そ
の周辺部の少なくとも一部に歯を有し、この歯に係合す
る歯車と、この歯車の軸とを備えたことを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明では、多数の貫通孔を有する複数のコリ
メータ板が所定の間隔で支持部材により支持されてい
る。従って、各コリメータ板を薄くしても、それらの間
隔を十分にとることにより、必要なアスペクト比を確保
でき、コリメータに対して垂直に入射したスパッタ粒子
のみを通過させるコリメータを形成して、コンタクト底
部においても十分な被覆性を達成できる。そして、コリ
メータに対して斜めに入射したスパッタ粒子は、従来の
ようにコリメータ板の貫通孔の側壁に付着するのではな
く、進行方向側のコリメータ板の背面(ウエハーと反対
側の面)に主に付着する。
メータ板が所定の間隔で支持部材により支持されてい
る。従って、各コリメータ板を薄くしても、それらの間
隔を十分にとることにより、必要なアスペクト比を確保
でき、コリメータに対して垂直に入射したスパッタ粒子
のみを通過させるコリメータを形成して、コンタクト底
部においても十分な被覆性を達成できる。そして、コリ
メータに対して斜めに入射したスパッタ粒子は、従来の
ようにコリメータ板の貫通孔の側壁に付着するのではな
く、進行方向側のコリメータ板の背面(ウエハーと反対
側の面)に主に付着する。
【0016】さらに、複数のコリメータ板をそれらの貫
通孔の位置をずらして配置した場合には、必要に応じて
そのずれの程度を変えることにより、貫通孔内壁へのス
パッタ粒子の付着によってコリメータの開口率が変化し
た場合でも、それを容易に補正することができる。
通孔の位置をずらして配置した場合には、必要に応じて
そのずれの程度を変えることにより、貫通孔内壁へのス
パッタ粒子の付着によってコリメータの開口率が変化し
た場合でも、それを容易に補正することができる。
【0017】コリメータ板は薄板とできるので、コリメ
ータ板にさまざまな大きさの貫通孔を簡単に形成でき、
ターゲットのエロージョン・プロファイルに合わせて、
貫通孔の大きさをコリメータ板上の部位によって変える
ことは容易である。
ータ板にさまざまな大きさの貫通孔を簡単に形成でき、
ターゲットのエロージョン・プロファイルに合わせて、
貫通孔の大きさをコリメータ板上の部位によって変える
ことは容易である。
【0018】また、本発明では、多数の貫通孔を有する
複数のコリメータ板が所定の間隔で支持部材によって支
持され、そして少なくとも1つのコリメータ板は回転可
能となっている。さらに、回転可能に支持されたコリメ
ータ板は、その周辺部に歯を有し、歯車がその歯に係合
しているので、歯車の軸を回転させることにより、上記
コリメータ板を回転させ、そのコリメータ板の貫通孔の
位置を他のコリメータ板の貫通孔の位置に対して変える
ことができる。従って、コリメータの開口率を容易に制
御することができる。
複数のコリメータ板が所定の間隔で支持部材によって支
持され、そして少なくとも1つのコリメータ板は回転可
能となっている。さらに、回転可能に支持されたコリメ
ータ板は、その周辺部に歯を有し、歯車がその歯に係合
しているので、歯車の軸を回転させることにより、上記
コリメータ板を回転させ、そのコリメータ板の貫通孔の
位置を他のコリメータ板の貫通孔の位置に対して変える
ことができる。従って、コリメータの開口率を容易に制
御することができる。
【0019】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。図1
は本発明のコリメータの一例を示す斜視図である。この
コリメータは、スパッタ粒子が通過する同一直径の多数
の貫通孔4を有する2枚のコリメータ板1、2と、これ
らのコリメータ板1、2を所定の間隔で支持する3本の
スペーサ3とによって構成されている。なお、図では簡
単のため、貫通孔4はその一部のみを示したが、実際に
はコリメータ板全体に規則的に形成されている。
は本発明のコリメータの一例を示す斜視図である。この
コリメータは、スパッタ粒子が通過する同一直径の多数
の貫通孔4を有する2枚のコリメータ板1、2と、これ
らのコリメータ板1、2を所定の間隔で支持する3本の
スペーサ3とによって構成されている。なお、図では簡
単のため、貫通孔4はその一部のみを示したが、実際に
はコリメータ板全体に規則的に形成されている。
【0020】スペーサ3の両端部にはメネジが形成され
ており、コリメータ板1、2の対応する位置には穴が開
けられている。その穴を通じてボルト5を挿入し、ネジ
止めすることにより、コリメータ板1、2がスペーサ3
に締め付け固定されている。コリメータ板1、2には上
述のように多数の貫通孔4が設けられているが、それら
の貫通孔の形状は円形であり、また、コリメータ板1と
コリメータ板2の各貫通孔は、それらの中心が一致する
ように配置されている。なお、貫通孔4の形状は、それ
ぞれのプロセスに合った形状とすればよく、例えば図1
2に示したように6角形とすることももちろん可能であ
る。
ており、コリメータ板1、2の対応する位置には穴が開
けられている。その穴を通じてボルト5を挿入し、ネジ
止めすることにより、コリメータ板1、2がスペーサ3
に締め付け固定されている。コリメータ板1、2には上
述のように多数の貫通孔4が設けられているが、それら
の貫通孔の形状は円形であり、また、コリメータ板1と
コリメータ板2の各貫通孔は、それらの中心が一致する
ように配置されている。なお、貫通孔4の形状は、それ
ぞれのプロセスに合った形状とすればよく、例えば図1
2に示したように6角形とすることももちろん可能であ
る。
【0021】このように構成されたコリメータは、図1
1のコリメート・スパッタ装置において、コリメータ1
3と置き換えて使用する。
1のコリメート・スパッタ装置において、コリメータ1
3と置き換えて使用する。
【0022】図2により明瞭に示すように、コリメータ
板1の各貫通孔4と、コリメータ板2の各貫通孔4とは
その位置が一致している。従って、スパッタ粒子112
など、コリメータにほぼ垂直に入射した粒子は、コリメ
ータ板1、2の位置が一致している対応する貫通孔を通
じて、コリメータを通り抜けることができ、それらの粒
子は、ウエハーにほぼ垂直に入射する。
板1の各貫通孔4と、コリメータ板2の各貫通孔4とは
その位置が一致している。従って、スパッタ粒子112
など、コリメータにほぼ垂直に入射した粒子は、コリメ
ータ板1、2の位置が一致している対応する貫通孔を通
じて、コリメータを通り抜けることができ、それらの粒
子は、ウエハーにほぼ垂直に入射する。
【0023】一方、スパッタ粒子110、111など、
コリメータに対して斜めに入射した粒子は、図のよう
に、コリメータ板2の背面部(ターゲット側の面)で阻
止され、コリメータを通り抜けることができず、従って
ウエハーには到達しない。すなわち、本実施例のコリメ
ータを用いることにより、従来と同じように、ウエハー
に対してほぼ垂直に飛翔するスパッタ粒子のみをウエハ
ーに入射させることができる。
コリメータに対して斜めに入射した粒子は、図のよう
に、コリメータ板2の背面部(ターゲット側の面)で阻
止され、コリメータを通り抜けることができず、従って
ウエハーには到達しない。すなわち、本実施例のコリメ
ータを用いることにより、従来と同じように、ウエハー
に対してほぼ垂直に飛翔するスパッタ粒子のみをウエハ
ーに入射させることができる。
【0024】そして、本実施例のコリメータでは、斜め
に入射したスパッタ粒子は、従来のように貫通孔の側壁
に付着するのではなく、コリメータ板の主に背面部に付
着するので、目詰まりは起り難くい。従って、接続孔底
部における十分な被覆性を得るために、コリメータ板
1、2の間隔を大きくしたり、あるいは貫通孔4の直径
を小さくしてコリメータ貫通孔の実質的なアスペクト比
を大きくしても、長時間に渡って成膜速度が低下せず、
また発塵も少なくなり、そしてメンテナンス・サイクル
を延ばして生産性を高めることができる。また、アスペ
クト比の変更は、スペーサ3の長さを変えるのみで行え
るので極めて容易である。従って、従来のようにアスペ
クト比の異なるコリメータを何枚も試作するといったこ
とは不要であり、コスト削減に有効である。
に入射したスパッタ粒子は、従来のように貫通孔の側壁
に付着するのではなく、コリメータ板の主に背面部に付
着するので、目詰まりは起り難くい。従って、接続孔底
部における十分な被覆性を得るために、コリメータ板
1、2の間隔を大きくしたり、あるいは貫通孔4の直径
を小さくしてコリメータ貫通孔の実質的なアスペクト比
を大きくしても、長時間に渡って成膜速度が低下せず、
また発塵も少なくなり、そしてメンテナンス・サイクル
を延ばして生産性を高めることができる。また、アスペ
クト比の変更は、スペーサ3の長さを変えるのみで行え
るので極めて容易である。従って、従来のようにアスペ
クト比の異なるコリメータを何枚も試作するといったこ
とは不要であり、コスト削減に有効である。
【0025】なお、本実施例では、2枚のコリメータ板
を用いたが、図3に示すように、さらに1枚のコリメー
ト板10を追加して、例えば3枚のコリメータ板を所定
の間隔で配置し、コリメータを構成することも可能であ
る。その場合には、斜めに入射したスパッタ粒子11
0、111をより確実に阻止することができる。また、
コリメータ板の数をさらに増すことももちろん可能であ
る。
を用いたが、図3に示すように、さらに1枚のコリメー
ト板10を追加して、例えば3枚のコリメータ板を所定
の間隔で配置し、コリメータを構成することも可能であ
る。その場合には、斜めに入射したスパッタ粒子11
0、111をより確実に阻止することができる。また、
コリメータ板の数をさらに増すことももちろん可能であ
る。
【0026】上記実施例では、コリメータ板1、2の貫
通孔4の位置は一致させるとしたが、貫通孔の位置をず
らしておくことにより、開口率(コリメータ板の全面積
に対する貫通孔部分の総面積の割合)の変化を補正し、
さらにメンテナンス・サイクルを延長することができ
る。すなわち、図4に示すように、コリメータ板1の貫
通孔4(実線)と、コリメータ板2の貫通孔4(点線)
とがずれた状態で各コリメータ板1、2をスペーサ3に
取り付ける。具体的には、例えばコリメータ板2をコリ
メータ板1に対して若干回転させ、またそれに応じてス
ペーサ取り付け穴の位置を変更すればよい。このように
した場合、実際の開口は、各コリメータ板1、2の貫通
孔が重なった領域、例えば領域Rとなる。コリメータ板
1、2をこのように配置して使用を開始し、その後、ス
パッタ粒子の付着によって各貫通孔4が小さくなり、従
って領域Rなどの重なった領域も狭くなってきた場合に
は、コリメータ板2を、貫通孔4のずれが少なくなる方
向に回転させる。それによってコリメータ板1、2の貫
通孔の重なった部分の面積は広くなり、従って、開口率
の低下を補正することができる。
通孔4の位置は一致させるとしたが、貫通孔の位置をず
らしておくことにより、開口率(コリメータ板の全面積
に対する貫通孔部分の総面積の割合)の変化を補正し、
さらにメンテナンス・サイクルを延長することができ
る。すなわち、図4に示すように、コリメータ板1の貫
通孔4(実線)と、コリメータ板2の貫通孔4(点線)
とがずれた状態で各コリメータ板1、2をスペーサ3に
取り付ける。具体的には、例えばコリメータ板2をコリ
メータ板1に対して若干回転させ、またそれに応じてス
ペーサ取り付け穴の位置を変更すればよい。このように
した場合、実際の開口は、各コリメータ板1、2の貫通
孔が重なった領域、例えば領域Rとなる。コリメータ板
1、2をこのように配置して使用を開始し、その後、ス
パッタ粒子の付着によって各貫通孔4が小さくなり、従
って領域Rなどの重なった領域も狭くなってきた場合に
は、コリメータ板2を、貫通孔4のずれが少なくなる方
向に回転させる。それによってコリメータ板1、2の貫
通孔の重なった部分の面積は広くなり、従って、開口率
の低下を補正することができる。
【0027】このようなコリメータ板の回転は図5の部
分断面図に示すような機構によって容易に行うことがで
きる。11、22はコリメータ板1、2に対応する円形
のコリメータ板であり、それぞれには、対応する位置に
多数の貫通孔4が形成されている。図では各コリメータ
板は、その中心を通る面での断面が示されている。各コ
リメータ板11、12は概ね盆のような形状となってお
り、一方(コリメータ板11)を裏返しにして2つの盆
を重ねた形でコリメータが形成されている。コリメータ
板11の盆の縁に相当する縁17は、その先端部が内側
に曲げられ、その部分と本体部との間に空間が形成され
ている。一方、コリメータ板12の盆の縁に相当する縁
14は、その先端部が外側に曲げられ、その部分が、コ
リメータ板11の上記空間内に収められ、縁14、17
どうしが係合している。
分断面図に示すような機構によって容易に行うことがで
きる。11、22はコリメータ板1、2に対応する円形
のコリメータ板であり、それぞれには、対応する位置に
多数の貫通孔4が形成されている。図では各コリメータ
板は、その中心を通る面での断面が示されている。各コ
リメータ板11、12は概ね盆のような形状となってお
り、一方(コリメータ板11)を裏返しにして2つの盆
を重ねた形でコリメータが形成されている。コリメータ
板11の盆の縁に相当する縁17は、その先端部が内側
に曲げられ、その部分と本体部との間に空間が形成され
ている。一方、コリメータ板12の盆の縁に相当する縁
14は、その先端部が外側に曲げられ、その部分が、コ
リメータ板11の上記空間内に収められ、縁14、17
どうしが係合している。
【0028】コリメータ板12は反対側、すなわち図面
上で下側にも縁14と同一形状の縁15を有し、縁17
と同様の形状のリング状のレール13に係合している。
そして、縁14、15は縁17およびレール13に対し
てそれぞれ摺動可能となっており、従って、コリメータ
板12はコリメータ板11に対して回転できる。2つの
コリメータ板11、12の間隔は、支持部材として機能
するコリメータ板12の縁14によって決まるので、こ
のコリメータのアスペクト比は、縁14の高さ、コリメ
ータ板11、12の厚さ、ならびに貫通孔4の直径によ
って決まる。
上で下側にも縁14と同一形状の縁15を有し、縁17
と同様の形状のリング状のレール13に係合している。
そして、縁14、15は縁17およびレール13に対し
てそれぞれ摺動可能となっており、従って、コリメータ
板12はコリメータ板11に対して回転できる。2つの
コリメータ板11、12の間隔は、支持部材として機能
するコリメータ板12の縁14によって決まるので、こ
のコリメータのアスペクト比は、縁14の高さ、コリメ
ータ板11、12の厚さ、ならびに貫通孔4の直径によ
って決まる。
【0029】コリメータ板12はさらに、図6に一層明
瞭に示すように、その周辺部の少なくとも1部に歯16
を有しており、この歯16は、回転軸19に取り付けら
れた歯車18と係合している。従って、軸19を回し、
歯車18を回転させることによって、コリメータ板12
を回転させ、コリメータ板12の貫通孔4の位置を、コ
リメータ板11の貫通孔4に対してずらすことができ
る。そのずれの量は回転量を調整することにより任意に
設定できる。すなわち、軸19を回転させて、2つのコ
リメータ板11、12の貫通孔の位置のずれを任意に設
定し、コリメータの開口率を調整することができる。な
お、軸19は軸受20によって支持されており、軸受2
0はコリメート・スパッタ装置の所定部位に固定されて
いる。
瞭に示すように、その周辺部の少なくとも1部に歯16
を有しており、この歯16は、回転軸19に取り付けら
れた歯車18と係合している。従って、軸19を回し、
歯車18を回転させることによって、コリメータ板12
を回転させ、コリメータ板12の貫通孔4の位置を、コ
リメータ板11の貫通孔4に対してずらすことができ
る。そのずれの量は回転量を調整することにより任意に
設定できる。すなわち、軸19を回転させて、2つのコ
リメータ板11、12の貫通孔の位置のずれを任意に設
定し、コリメータの開口率を調整することができる。な
お、軸19は軸受20によって支持されており、軸受2
0はコリメート・スパッタ装置の所定部位に固定されて
いる。
【0030】このような調整機構は、真空チェンバ内に
収めることができ、回転軸19の一端のみをチェンバの
外に出すか、あるいは、適切な伝動手段によってチェン
バの外から回転軸19に回転力を伝達するようにすれ
ば、真空チェンバを開放することなく、コリメータの開
口率を調整することができ、高い生産性を実現できる。
収めることができ、回転軸19の一端のみをチェンバの
外に出すか、あるいは、適切な伝動手段によってチェン
バの外から回転軸19に回転力を伝達するようにすれ
ば、真空チェンバを開放することなく、コリメータの開
口率を調整することができ、高い生産性を実現できる。
【0031】また、上記実施例では、コリメータ板1、
2に設ける貫通孔4の大きさはすべて同じとしたが、貫
通孔の大きさをコリメータ板上の場所によって変えるこ
とも可能である。本発明では、コリメータ板は薄板によ
って形成できるので、種々の大きさの貫通孔を開けるこ
とは極めて容易であり、例えば図7に示すように、最も
小さい貫通孔6から最も大きい貫通孔9まで、種々の大
きさの貫通孔をコリメータ板24の各部位ごとに設ける
ことができる(簡単のため図には一部の貫通孔のみを示
す)。このようにした場合、大きい貫通孔の部分では、
より多くのスパッタ粒子が通過し、小さい貫通孔の部分
では、より少ないスパッタ粒子が通過する。
2に設ける貫通孔4の大きさはすべて同じとしたが、貫
通孔の大きさをコリメータ板上の場所によって変えるこ
とも可能である。本発明では、コリメータ板は薄板によ
って形成できるので、種々の大きさの貫通孔を開けるこ
とは極めて容易であり、例えば図7に示すように、最も
小さい貫通孔6から最も大きい貫通孔9まで、種々の大
きさの貫通孔をコリメータ板24の各部位ごとに設ける
ことができる(簡単のため図には一部の貫通孔のみを示
す)。このようにした場合、大きい貫通孔の部分では、
より多くのスパッタ粒子が通過し、小さい貫通孔の部分
では、より少ないスパッタ粒子が通過する。
【0032】従って、図8に模式的に示すように、ター
ゲット102のエロージョン・プロファイル(a)に合
わせて、貫通孔の大きさを変えれば、本来同図(b)に
示すようにウエハー104上の成膜分布が不均一の場合
でも、均一な成膜分布(c)を得ることができる。
ゲット102のエロージョン・プロファイル(a)に合
わせて、貫通孔の大きさを変えれば、本来同図(b)に
示すようにウエハー104上の成膜分布が不均一の場合
でも、均一な成膜分布(c)を得ることができる。
【0033】なお、ターゲットのエロージョン・プロフ
ァイルとは次のようなものをいう。スパッタリングを行
うとターゲットの表面からスパッタ粒子が放出されるの
で、時間の経過とともにターゲットの表面はしだいに侵
食されたようになる。そして、その侵食の程度は、カソ
ードの特性によって場所により異なったものとなるた
め、表面には凹凸が生じる。この様子を断面で見たもの
がエロージョン・プロファイルである。侵食の激しい部
分はそれだけスパッタ粒子を多く放出した部分であり、
ウエハー上の対応する部分の膜厚は厚くなる。逆に、侵
食の少ない部分はスパッタ粒子の放出が少ない部分であ
り、ウエハー上の対応する部分の膜厚は薄くなる。従っ
て、侵食の多い部分ではコリメータの貫通孔を小さく
し、侵食の少ない部分ではコリメータの貫通孔を大きく
することでウエハー上の成膜分布を均一化できる。従来
は、成膜分布はカソードの特性によって支配的に決って
いたが、本発明ではそれを補正できる。
ァイルとは次のようなものをいう。スパッタリングを行
うとターゲットの表面からスパッタ粒子が放出されるの
で、時間の経過とともにターゲットの表面はしだいに侵
食されたようになる。そして、その侵食の程度は、カソ
ードの特性によって場所により異なったものとなるた
め、表面には凹凸が生じる。この様子を断面で見たもの
がエロージョン・プロファイルである。侵食の激しい部
分はそれだけスパッタ粒子を多く放出した部分であり、
ウエハー上の対応する部分の膜厚は厚くなる。逆に、侵
食の少ない部分はスパッタ粒子の放出が少ない部分であ
り、ウエハー上の対応する部分の膜厚は薄くなる。従っ
て、侵食の多い部分ではコリメータの貫通孔を小さく
し、侵食の少ない部分ではコリメータの貫通孔を大きく
することでウエハー上の成膜分布を均一化できる。従来
は、成膜分布はカソードの特性によって支配的に決って
いたが、本発明ではそれを補正できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、多数の
貫通孔を有する複数のコリメータ板が所定の間隔で支持
部材により支持されている。従って、各コリメータ板を
薄くしても、それらの間隔を十分にとることにより、必
要なアスペクト比を確保でき、コリメータに対して垂直
に入射したスパッタ粒子のみを通過させるコリメータを
形成して、接続孔底部においても十分な被覆性を達成で
きる。そして、コリメータに対して斜めに入射したスパ
ッタ粒子は、従来のようにコリメータ板の貫通孔の側壁
に付着するのではなく、進行方向側のコリメータ板の背
面(ウエハーと反対側の面)に主に付着するので、目詰
まりが起りにくい。その結果、成膜速度が低下せず、ま
た発塵も少なくなり、メンテナンス・サイクルを延ばし
て生産性を高めることができる。
貫通孔を有する複数のコリメータ板が所定の間隔で支持
部材により支持されている。従って、各コリメータ板を
薄くしても、それらの間隔を十分にとることにより、必
要なアスペクト比を確保でき、コリメータに対して垂直
に入射したスパッタ粒子のみを通過させるコリメータを
形成して、接続孔底部においても十分な被覆性を達成で
きる。そして、コリメータに対して斜めに入射したスパ
ッタ粒子は、従来のようにコリメータ板の貫通孔の側壁
に付着するのではなく、進行方向側のコリメータ板の背
面(ウエハーと反対側の面)に主に付着するので、目詰
まりが起りにくい。その結果、成膜速度が低下せず、ま
た発塵も少なくなり、メンテナンス・サイクルを延ばし
て生産性を高めることができる。
【0035】また、コリメータのアスペクト比の変更
は、支持部材を変えるのみでよいので極めて容易に行え
る。従って、従来のようにアスペクト比の異なるコリメ
ータを何枚も試作するといったことは不要であり、コス
ト削減が可能となる。
は、支持部材を変えるのみでよいので極めて容易に行え
る。従って、従来のようにアスペクト比の異なるコリメ
ータを何枚も試作するといったことは不要であり、コス
ト削減が可能となる。
【0036】さらに、複数のコリメータ板をそれらの貫
通孔の位置をずらして配置しておき必要に応じてそのず
れの程度を変えることにより、貫通孔内側壁へのスパッ
タ粒子の付着によってコリメータの開口率が変化した場
合でも、それを容易に補正することができる。従って、
開口率を常に一定に保ち、必要な成膜速度を確保するこ
とができる。
通孔の位置をずらして配置しておき必要に応じてそのず
れの程度を変えることにより、貫通孔内側壁へのスパッ
タ粒子の付着によってコリメータの開口率が変化した場
合でも、それを容易に補正することができる。従って、
開口率を常に一定に保ち、必要な成膜速度を確保するこ
とができる。
【0037】上述のようにコリメータ板は薄板とできる
ので、コリメータ板に、さまざまな大きさの貫通孔を容
易に形成できる。従って、ターゲットのエロージョン・
プロファイルに合わせて、貫通孔の大きさをコリメータ
板上の部位によって変え、ウエハー上に形成される膜の
厚さの均一性を高めることができる。
ので、コリメータ板に、さまざまな大きさの貫通孔を容
易に形成できる。従って、ターゲットのエロージョン・
プロファイルに合わせて、貫通孔の大きさをコリメータ
板上の部位によって変え、ウエハー上に形成される膜の
厚さの均一性を高めることができる。
【0038】また、本発明では、多数の貫通孔を有する
複数のコリメータ板が所定の間隔で、支持部材によって
支持されている。従って上記請求項1の発明と同じ効果
が得られる。さらに、回転可能に支持されたコリメータ
板は、その周辺部に歯を有し、歯車がその歯に係合して
いるので、歯車の軸を回転させることにより、上記コリ
メータ板を回転させ、そのコリメータ板の貫通孔の位置
を他のコリメータ板の貫通孔の位置に対して変えること
ができる。従って、コリメータの開口率を容易に制御す
ることができ、スパッタ粒子の付着によって開口率が変
化しても、それを補正して必要な成膜速度を確保でき
る。
複数のコリメータ板が所定の間隔で、支持部材によって
支持されている。従って上記請求項1の発明と同じ効果
が得られる。さらに、回転可能に支持されたコリメータ
板は、その周辺部に歯を有し、歯車がその歯に係合して
いるので、歯車の軸を回転させることにより、上記コリ
メータ板を回転させ、そのコリメータ板の貫通孔の位置
を他のコリメータ板の貫通孔の位置に対して変えること
ができる。従って、コリメータの開口率を容易に制御す
ることができ、スパッタ粒子の付着によって開口率が変
化しても、それを補正して必要な成膜速度を確保でき
る。
【図1】本発明のコリメータの一例を示す斜視図であ
る。
る。
【図2】図1のコリメータを示す部分拡大断面図であ
る。
る。
【図3】本発明のコリメータの他の例を示す部分拡大断
面図である。
面図である。
【図4】本発明のコリメータの他の例を示す模式平面図
である。
である。
【図5】本発明のコリメータを示す部分断面図である。
【図6】図5のコリメータを示す部分斜視図である。
【図7】本発明のコリメータの他の例を示す部分平面図
である。
である。
【図8】図7のコリメータを用いた場合の効果を示す説
明図である。
明図である。
【図9】導電材料を充填した接続孔を示す部分断面図で
ある。
ある。
【図10】従来のコリメータを用いたコリメート・スパ
ッタ装置を示す断面図である。
ッタ装置を示す断面図である。
【図11】従来のコリメータを示す平面図および断面図
である。
である。
【図12】コリメータの一部を拡大して示す部分平面図
である。
である。
【図13】コリメータの一部を拡大して示す部分断面図
である。
である。
【図14】従来のコリメート・スパッタ装置の性能を示
すグラフである。
すグラフである。
【図15】従来のコリメート・スパッタ装置の性能を示
すもう1つのグラフである。
すもう1つのグラフである。
1、2、10、11、12 コリメータ板 3 スペーサ 4、6〜9 貫通孔 5 ボルト 13 レール 14、15、17 縁 16 歯 18 歯車 19 回転軸 20 軸受 101 フレーム 102 ターゲット 103 コリメータ 104 ウエハー 105 カソード 121 半導体基板 122 層間絶縁膜 123 金属配線 124 接続孔 125 チタン膜 126 ブランケット・タングステン
Claims (8)
- 【請求項1】 スパッタ粒子の飛翔方向を整える半導体
製造装置のコリメータにおいて、 多数の貫通孔を有する複数のコリメータ板と、 前記複数のコリメータ板の間隔を決めるコリメータ板の
支持部材と、 を備えたことを特徴とする半導体製造装置のコリメー
タ。 - 【請求項2】 前記支持部材は、前記コリメータ板の間
に配置された柱状のスペーサである請求項1記載の半導
体製造装置のコリメータ。 - 【請求項3】 前記貫通孔の大きさが、前記コリメータ
板上の位置によって異なる請求項1記載の半導体製造装
置のコリメータ。 - 【請求項4】 前記複数のコリメータ板の中の少なくと
も1つに形成された貫通孔の中心の位置が、他のコリメ
ータ板に形成された貫通孔の中心の位置と一致していな
い請求項1記載の半導体製造装置のコリメータ。 - 【請求項5】 前記支持部材は、少なくとも1つの前記
コリメータ板を回転可能に支持する請求項1記載の半導
体製造装置のコリメータ。 - 【請求項6】 2枚のコリメータ板を備えた請求項1記
載の半導体製造装置のコリメータ。 - 【請求項7】 3枚のコリメータ板を備えた請求項1記
載の半導体製造装置のコリメータ。 - 【請求項8】 スパッタ粒子の飛翔方向を整える半導体
製造装置のコリメータにおいて、 多数の貫通孔を有する複数のコリメータ板と、 前記複数のコリメータ板の間隔を決め、かつ少なくとも
1つの前記コリメータ板を回転可能に支持する支持部材
とを備え、 この支持部材が回転可能に支持する前記コリメータ板
は、その周辺部の少なくとも一部に歯を有し、 この歯に係合する歯車と、 この歯車の軸と、 を備えたことを特徴とする半導体製造装置のコリメー
タ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5339695A JPH08222517A (ja) | 1995-02-17 | 1995-02-17 | 半導体製造装置のコリメータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5339695A JPH08222517A (ja) | 1995-02-17 | 1995-02-17 | 半導体製造装置のコリメータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08222517A true JPH08222517A (ja) | 1996-08-30 |
Family
ID=12941673
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5339695A Pending JPH08222517A (ja) | 1995-02-17 | 1995-02-17 | 半導体製造装置のコリメータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08222517A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001064770A (ja) * | 1999-06-24 | 2001-03-13 | Ulvac Japan Ltd | スパッタリング装置 |
EP1105547A1 (en) * | 1998-08-04 | 2001-06-13 | CVC, Inc. | Dual collimator physical-vapor deposition apparatus |
JP6088083B1 (ja) * | 2016-03-14 | 2017-03-01 | 株式会社東芝 | 処理装置及びコリメータ |
WO2017183809A1 (ko) * | 2016-04-18 | 2017-10-26 | 고려대학교 산학협력단 | 가변형 핀홀 콜리메이터 및 이를 이용한 방사선 영상 장치 |
KR20180106896A (ko) * | 2017-03-17 | 2018-10-01 | 가부시끼가이샤 도시바 | 콜리메이터 및 처리 장치 |
CN110643958A (zh) * | 2019-10-21 | 2020-01-03 | 吴浪生 | 一种利用溅镀实现晶圆的物理镀膜设备 |
WO2020088415A1 (zh) * | 2018-10-31 | 2020-05-07 | 北京北方华创微电子装备有限公司 | 反应腔室及半导体加工设备 |
-
1995
- 1995-02-17 JP JP5339695A patent/JPH08222517A/ja active Pending
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP1105547A4 (en) * | 1998-08-04 | 2002-10-30 | Cvc Inc | PHYSICAL VAPOR DEPOSITION APPARATUS WITH TWO COLLIMATORS |
JP2001064770A (ja) * | 1999-06-24 | 2001-03-13 | Ulvac Japan Ltd | スパッタリング装置 |
KR20170130347A (ko) * | 2016-03-14 | 2017-11-28 | 가부시끼가이샤 도시바 | 처리 장치 및 콜리메이터 |
WO2017158977A1 (ja) * | 2016-03-14 | 2017-09-21 | 株式会社東芝 | 処理装置及びコリメータ |
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CN107614740A (zh) * | 2016-03-14 | 2018-01-19 | 株式会社东芝 | 处理装置和准直器 |
US20180067330A1 (en) * | 2016-03-14 | 2018-03-08 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Processing device and collimator |
CN107614740B (zh) * | 2016-03-14 | 2020-12-29 | 株式会社东芝 | 处理装置和准直器 |
WO2017183809A1 (ko) * | 2016-04-18 | 2017-10-26 | 고려대학교 산학협력단 | 가변형 핀홀 콜리메이터 및 이를 이용한 방사선 영상 장치 |
US10631795B2 (en) | 2016-04-18 | 2020-04-28 | ARALE Laboratory Co., Ltd. | Variable pinhole collimator and radiographic imaging device using same |
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