JPH08229731A - 付着切粉除去機構を有するカッタ - Google Patents
付着切粉除去機構を有するカッタInfo
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- JPH08229731A JPH08229731A JP3676995A JP3676995A JPH08229731A JP H08229731 A JPH08229731 A JP H08229731A JP 3676995 A JP3676995 A JP 3676995A JP 3676995 A JP3676995 A JP 3676995A JP H08229731 A JPH08229731 A JP H08229731A
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23D—PLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23D59/00—Accessories specially designed for sawing machines or sawing devices
- B23D59/006—Accessories specially designed for sawing machines or sawing devices for removing or collecting chips
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Sawing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明の目的はステンレス鋼材等の難切削材を
切断する時にチップ先端に付着する切粉を効率良く除去
し、安定した切れ味を得ると共にチップソーの長寿命化
を図る付着切り粉除去機構を有するカッタを提供するこ
とである。 【構成】チップソー2の回転面上のカッタ6の一部にチ
ップソー2の回転方向に長くかつチップソー2の厚さよ
り厚く、更にチップソー2の外径形状に合うように略同
一円弧形状をした熱伝導性に優れている付着切粉除去用
ブラシ7を設け、スプリング10により前記ブラシ7を
チップソー2の中心方向に加圧してブラシ7のチップソ
ー2側に設けられているワイヤ8が常にチップ3を押し
付け接触しているようにした。
切断する時にチップ先端に付着する切粉を効率良く除去
し、安定した切れ味を得ると共にチップソーの長寿命化
を図る付着切り粉除去機構を有するカッタを提供するこ
とである。 【構成】チップソー2の回転面上のカッタ6の一部にチ
ップソー2の回転方向に長くかつチップソー2の厚さよ
り厚く、更にチップソー2の外径形状に合うように略同
一円弧形状をした熱伝導性に優れている付着切粉除去用
ブラシ7を設け、スプリング10により前記ブラシ7を
チップソー2の中心方向に加圧してブラシ7のチップソ
ー2側に設けられているワイヤ8が常にチップ3を押し
付け接触しているようにした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はステンレス鋼材等の難切
削材をカッタで切断する場合にチップソーのチップに付
着した切粉を効率良く除去する付着切粉除去機構を有す
るカッタに関するものである。
削材をカッタで切断する場合にチップソーのチップに付
着した切粉を効率良く除去する付着切粉除去機構を有す
るカッタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から木材切断の分野では、切断工具
であるチップソーのチップ全体及びチップポケットの切
粉づまりを防止するために、チップソーの両側または一
方から固定ブラシを押し当てて切粉の排出を良くし、切
削効率を上げることが知られている。また、軟鋼を切断
する帯のこ盤のように切り込みが大きく低速で回転する
帯のこによる切断の場合には、帯のこの刃及びチップポ
ケットにからみついた比較的大きい切粉を排出するため
に帯のこの両側または一方から固定ブラシまたは回転ブ
ラシを押し当てて切粉の排出を良くすることが知られて
いる。
であるチップソーのチップ全体及びチップポケットの切
粉づまりを防止するために、チップソーの両側または一
方から固定ブラシを押し当てて切粉の排出を良くし、切
削効率を上げることが知られている。また、軟鋼を切断
する帯のこ盤のように切り込みが大きく低速で回転する
帯のこによる切断の場合には、帯のこの刃及びチップポ
ケットにからみついた比較的大きい切粉を排出するため
に帯のこの両側または一方から固定ブラシまたは回転ブ
ラシを押し当てて切粉の排出を良くすることが知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記のような方
法では、熱伝導率が悪く加工硬化しやすい粘りのある材
料のステンレス鋼材(熱伝導率24W/m・k)、チタン材
(熱伝導率26W/m・k)等の難切削材を切断すると、図
6に示すようにチップソー2のチップ3先端のすくい面
13と逃げ面14の刃部に切粉15が強固に付着してし
まい健全な切刃となる刃形が形成されなくなり、切粉1
5がチップ3先端に付着したままチップソー2が回転
し、次の切断を繰り返すことになる。これにより切断抵
抗は増大しチップソー2の切断速度は極端に低下し始
め、摩擦熱が発生し被削材の切断面に焼けが生じると共
にバリが大きくなってしまう。ステンレス鋼材等の難切
削材を切断する場合のチップソーの寿命はアルミ材、軟
鋼材を切断する場合と比べると著しく短いものであっ
た。本発明の目的はステンレス鋼材等の難切削材を切断
する場合にチップ先端に付着する切粉を効果的に除去
し、安定した切れ味を得ると共にチップソーの長寿命化
を図る付着切粉除去機構を有するカッタを提供すること
である。
法では、熱伝導率が悪く加工硬化しやすい粘りのある材
料のステンレス鋼材(熱伝導率24W/m・k)、チタン材
(熱伝導率26W/m・k)等の難切削材を切断すると、図
6に示すようにチップソー2のチップ3先端のすくい面
13と逃げ面14の刃部に切粉15が強固に付着してし
まい健全な切刃となる刃形が形成されなくなり、切粉1
5がチップ3先端に付着したままチップソー2が回転
し、次の切断を繰り返すことになる。これにより切断抵
抗は増大しチップソー2の切断速度は極端に低下し始
め、摩擦熱が発生し被削材の切断面に焼けが生じると共
にバリが大きくなってしまう。ステンレス鋼材等の難切
削材を切断する場合のチップソーの寿命はアルミ材、軟
鋼材を切断する場合と比べると著しく短いものであっ
た。本発明の目的はステンレス鋼材等の難切削材を切断
する場合にチップ先端に付着する切粉を効果的に除去
し、安定した切れ味を得ると共にチップソーの長寿命化
を図る付着切粉除去機構を有するカッタを提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は、チップソー
の回転方向に長くかつチップソーの厚さより厚く、更に
チップソーの外径形状に合うように略同一円弧形状をし
た付着切粉除去用ブラシをチップソーの回転面上方に設
け、ブラシのチップソー側に設けられている熱伝導性の
良い銅または銅合金製のワイヤ先端が常にチップソーの
チップ先端付近を押し付けるように、ブラシをスプリン
グによりチップソーの中心方向に加圧することによって
達成される。
の回転方向に長くかつチップソーの厚さより厚く、更に
チップソーの外径形状に合うように略同一円弧形状をし
た付着切粉除去用ブラシをチップソーの回転面上方に設
け、ブラシのチップソー側に設けられている熱伝導性の
良い銅または銅合金製のワイヤ先端が常にチップソーの
チップ先端付近を押し付けるように、ブラシをスプリン
グによりチップソーの中心方向に加圧することによって
達成される。
【0005】
【作用】スプリングによって付着切粉除去用ブラシの銅
または銅合金製のワイヤ先端は常にチップ先端に押し付
けられているので切削時にチップに付着した切粉を除去
する他に、カッタの起動時から無負荷時までの空回しの
間の比較的常温に近い温度領域でもブラシ自体の振動を
伴いながら強制的に付着切粉を除去できる。また、チッ
プは摩擦熱を発生させながら切削するので、この摩擦熱
は常にチップと接している熱伝導性の良い銅または銅合
金製のワイヤに伝わり、更にそれぞれが熱伝導性の良い
ブラシ台、補強リブ、カバーへと順次熱伝達され切断時
及び切断後のチップソー全体を冷却することができる。
または銅合金製のワイヤ先端は常にチップ先端に押し付
けられているので切削時にチップに付着した切粉を除去
する他に、カッタの起動時から無負荷時までの空回しの
間の比較的常温に近い温度領域でもブラシ自体の振動を
伴いながら強制的に付着切粉を除去できる。また、チッ
プは摩擦熱を発生させながら切削するので、この摩擦熱
は常にチップと接している熱伝導性の良い銅または銅合
金製のワイヤに伝わり、更にそれぞれが熱伝導性の良い
ブラシ台、補強リブ、カバーへと順次熱伝達され切断時
及び切断後のチップソー全体を冷却することができる。
【0006】
【実施例】以下本発明を図1〜図5を用いて説明する。
図1は本発明の付着切粉除去機構を有するカッタ6を一
部断面した側面図、図2は図1の要部拡大図、図3は図
2のA−A線断面図である。図に示すように付着切粉除
去用ブラシ7は、カッタ6のハンドル5と一体になった
アルミ合金製である裏カバー1内の補強リブ11を利用
してチップソー2の回転面上に取り付けられており、表
カバー17と裏カバー1の間に挟まれている。チップソ
ー2は図中の矢印で示す方向に回転しベース4の下にあ
る被削材を切断する。補強リブ11の一端には、前記ブ
ラシ7のチップソー2側に設けられたワイヤ8が摩耗し
てもブラシ7が飛び出さないようにブラシ停止爪12が
設けられている。ブラシ7はチップソー2の回転方向に
長くかつブラシ7の幅(t2)はチップソー2のチップ
3の厚さ(t1)より厚く、更にチップソー2の外径形
状に合うように略同一円弧形状である。これによりブラ
シ7のワイヤ8先端がチップ3先端に接しておりブラシ
7の位置精度が安定し、しかもブラシ7の幅(t2)は
チップ3の厚さ(t1)より厚いので切断時にチップソ
ー2が偏心してもワイヤ8が確実にチップ3先端に接触
することができ、チップ3先端及びその周辺に付着した
切粉15を容易に除去できる。また、付着した切粉15
を効率良く除去するためにはワイヤ8がチップ3先端に
常に押し付けられている必要があり、このために裏カバ
ー1内の一部にスプリング10を取付けブラシ台9が常
にチップソー2の中心方向に加圧されているようにして
いる。これによりワイヤ8が漸次摩耗し長さが短くなっ
ても、スプリング10によりブラシ7がチップソーの中
心方向にワイヤ8が摩耗した分だけ移動するためワイヤ
8は常にチップ3先端を押し付けていることになる。ワ
イヤ8が摩耗し寿命に達したら表カバー17を外し、ブ
ラシ台9をスプリング10の加圧方向と反対に押し上げ
るとブラシ7を取り外すことができるので、新しいブラ
シ7との交換が容易にできる。
図1は本発明の付着切粉除去機構を有するカッタ6を一
部断面した側面図、図2は図1の要部拡大図、図3は図
2のA−A線断面図である。図に示すように付着切粉除
去用ブラシ7は、カッタ6のハンドル5と一体になった
アルミ合金製である裏カバー1内の補強リブ11を利用
してチップソー2の回転面上に取り付けられており、表
カバー17と裏カバー1の間に挟まれている。チップソ
ー2は図中の矢印で示す方向に回転しベース4の下にあ
る被削材を切断する。補強リブ11の一端には、前記ブ
ラシ7のチップソー2側に設けられたワイヤ8が摩耗し
てもブラシ7が飛び出さないようにブラシ停止爪12が
設けられている。ブラシ7はチップソー2の回転方向に
長くかつブラシ7の幅(t2)はチップソー2のチップ
3の厚さ(t1)より厚く、更にチップソー2の外径形
状に合うように略同一円弧形状である。これによりブラ
シ7のワイヤ8先端がチップ3先端に接しておりブラシ
7の位置精度が安定し、しかもブラシ7の幅(t2)は
チップ3の厚さ(t1)より厚いので切断時にチップソ
ー2が偏心してもワイヤ8が確実にチップ3先端に接触
することができ、チップ3先端及びその周辺に付着した
切粉15を容易に除去できる。また、付着した切粉15
を効率良く除去するためにはワイヤ8がチップ3先端に
常に押し付けられている必要があり、このために裏カバ
ー1内の一部にスプリング10を取付けブラシ台9が常
にチップソー2の中心方向に加圧されているようにして
いる。これによりワイヤ8が漸次摩耗し長さが短くなっ
ても、スプリング10によりブラシ7がチップソーの中
心方向にワイヤ8が摩耗した分だけ移動するためワイヤ
8は常にチップ3先端を押し付けていることになる。ワ
イヤ8が摩耗し寿命に達したら表カバー17を外し、ブ
ラシ台9をスプリング10の加圧方向と反対に押し上げ
るとブラシ7を取り外すことができるので、新しいブラ
シ7との交換が容易にできる。
【0007】図4はチップソー2がブラシ7を通過する
前を示す要部拡大側面図であり、図5はチップソー2が
ブラシ7を通過した後を示す要部拡大側面図である。切
断時には切粉15はチップポケット16やチップ3全体
に付着するが、チップソー2は高速回転しているので、
比較的付着力の弱い切粉や大きい切粉は遠心力で飛散す
る。これに対しチップ3先端のすくい面13と逃げ面1
4の刃部に強固に付着した切粉15は遠心力で飛散する
ことなくそのまま残り、図5に示すようにチップ3がブ
ラシ7を通過するとブラシ3に付着していた切粉15は
ワイヤ8によって除去され(除去された切粉15’)健
全な刃形を形成することができる。これが1刃ごとに繰
り返される。難切削材であるステンレス鋼材等の切断で
はチップ3が高温の赤熱状態となり切粉15がサーメッ
トあるいは超硬製のチップ3に付着しやすくなる。この
付着した切粉15を除去するには切削中にチップ3を損
傷することがないようにワイヤ8には比較的弾性力があ
り、かつ熱伝導性及び耐熱性の良い銅または銅合金を用
いる。この銅または銅合金の熱伝導率は銅(403W/
m・k)、真ちゅう(108W/m・k)、青銅(18
0W/m・k)、ベリリウム銅(200W/m・k)等
であり高い熱伝導性を示す。一方ステンレス(24W/
m・k)、炭素鋼(50W/m・k)や合金鋼(35W
/m・k)製のワイヤ8を使用すると熱伝導性が著しく
低いためワイヤ8自身の摩擦熱により損傷し切粉除去の
効果が少なくなる。チップ3の摩擦熱はチップ3先端か
らワイヤ8へそしてブラシ台9へと伝わり、更に補強リ
ブ11へと伝わり補強リブ11からアルミ合金製の表カ
バー17と裏カバー1へと熱伝導し放熱される。ブラシ
台9も同様に熱伝導性に優れている銅合金、アルミ合金
(210W/m・k)等が適している。またワイヤ8は
任意の形状で良くストレート形、波形等が適している。
前を示す要部拡大側面図であり、図5はチップソー2が
ブラシ7を通過した後を示す要部拡大側面図である。切
断時には切粉15はチップポケット16やチップ3全体
に付着するが、チップソー2は高速回転しているので、
比較的付着力の弱い切粉や大きい切粉は遠心力で飛散す
る。これに対しチップ3先端のすくい面13と逃げ面1
4の刃部に強固に付着した切粉15は遠心力で飛散する
ことなくそのまま残り、図5に示すようにチップ3がブ
ラシ7を通過するとブラシ3に付着していた切粉15は
ワイヤ8によって除去され(除去された切粉15’)健
全な刃形を形成することができる。これが1刃ごとに繰
り返される。難切削材であるステンレス鋼材等の切断で
はチップ3が高温の赤熱状態となり切粉15がサーメッ
トあるいは超硬製のチップ3に付着しやすくなる。この
付着した切粉15を除去するには切削中にチップ3を損
傷することがないようにワイヤ8には比較的弾性力があ
り、かつ熱伝導性及び耐熱性の良い銅または銅合金を用
いる。この銅または銅合金の熱伝導率は銅(403W/
m・k)、真ちゅう(108W/m・k)、青銅(18
0W/m・k)、ベリリウム銅(200W/m・k)等
であり高い熱伝導性を示す。一方ステンレス(24W/
m・k)、炭素鋼(50W/m・k)や合金鋼(35W
/m・k)製のワイヤ8を使用すると熱伝導性が著しく
低いためワイヤ8自身の摩擦熱により損傷し切粉除去の
効果が少なくなる。チップ3の摩擦熱はチップ3先端か
らワイヤ8へそしてブラシ台9へと伝わり、更に補強リ
ブ11へと伝わり補強リブ11からアルミ合金製の表カ
バー17と裏カバー1へと熱伝導し放熱される。ブラシ
台9も同様に熱伝導性に優れている銅合金、アルミ合金
(210W/m・k)等が適している。またワイヤ8は
任意の形状で良くストレート形、波形等が適している。
【0008】以下本発明の付着切粉除去機構を有するカ
ッタ6を用いて難切削材であるステンレス鋼材を切断
し、付着切粉除去機構を有さないカッタ6による寿命切
断長さと、付着切粉除去機構のワイヤ8をステンレス線
材、高鋼線材で形成したカッタ6による寿命切断長さと
の比較を行う。本実験はステンレス鋼板(SUS30
4、板厚3mm)を乾式状態で切断し、1回当りの切断
長さを500mmとしこれを繰り返し切断して切断速度
が0.3m/分になるまでの総切断長さを寿命切断長さ
とした。カッタ6に用いたチップソー2はチップ3がサ
ーメット製、外径180mm、チップ3の厚さ2mm、
刃数48刃、チップソー2の回転数は3100rpmで
ある。本発明の付着切粉除去機構を有するカッタ6のワ
イヤ8は電気銅線材(99.98重量%Cu)と真ちゅ
う線材(70重量%Cu−30重量%Zn)の2種類を
用意し、その仕様は同じで線径0.2mm、密度200
0〜2500本/cm2、長さ25mmであり、ブラシ
7は幅5mm、長さ60mmでブラシ台9はアルミ製の
ものを用いた。また比較のためのステンレス線材(SU
S304)と高鋼線材(SWRH)製のブラシ8の仕様
は上記した銅合金製のワイヤ8と同じとした。その切断
試験の結果、付着切粉除去機構を有さないカッタ6で切
断した場合の寿命切断長さは6〜7mであり、ワイヤ8
が電気銅線材及び真ちゅう線材製である本発明の付着切
粉除去機構を有するカッタ6で切断した場合の寿命切断
長さは19〜23mで、付着切粉除去機構を有さないカ
ッタ6で切断した場合の寿命切断長さに対して3倍以上
と長寿命となり付着切粉除去機構による付着切粉除去の
効果が見られた。また切断途中でチップ3先端を観察し
た結果、付着切粉除去機構を有さないカッタ6で切断し
た場合はチップ3の全部に大小の切粉15が強固に付着
していたのに対し、ワイヤ8が電気銅線材と真ちゅう線
材製である本発明の付着切粉除去機構を有したカッタ6
で切断した場合はチップ3のほとんどに切粉15の付着
は見られなかった。一方ワイヤ8がステンレス線材製で
ある付着切粉除去機構を有するカッタ6で切断した場合
は、被削材であるステンレス鋼材とワイヤ8が同じ材質
なので切断初期よりワイヤ8がチップ3に付着してしま
いワイヤ8の損傷が激しく寿命切断長さは1〜3mであ
った。またワイヤ8が高鋼線材製である付着切粉除去機
構を有するカッタ6で切断した場合には、ワイヤ8が硬
く熱伝導性が悪いことから付着切粉除去機構を有さない
カッタ6で切断した場合よりも寿命切断長さは短く4〜
5mであった。上記した実験によって理解できるよう
に、難切削材であるステンレス鋼材等をカッタ6によっ
て切断する場合には、ワイヤ8が熱伝導性の良い銅また
は銅合金製である付着切粉除去機構をカッタ6に設ける
ことによって長寿命切断が可能となる。
ッタ6を用いて難切削材であるステンレス鋼材を切断
し、付着切粉除去機構を有さないカッタ6による寿命切
断長さと、付着切粉除去機構のワイヤ8をステンレス線
材、高鋼線材で形成したカッタ6による寿命切断長さと
の比較を行う。本実験はステンレス鋼板(SUS30
4、板厚3mm)を乾式状態で切断し、1回当りの切断
長さを500mmとしこれを繰り返し切断して切断速度
が0.3m/分になるまでの総切断長さを寿命切断長さ
とした。カッタ6に用いたチップソー2はチップ3がサ
ーメット製、外径180mm、チップ3の厚さ2mm、
刃数48刃、チップソー2の回転数は3100rpmで
ある。本発明の付着切粉除去機構を有するカッタ6のワ
イヤ8は電気銅線材(99.98重量%Cu)と真ちゅ
う線材(70重量%Cu−30重量%Zn)の2種類を
用意し、その仕様は同じで線径0.2mm、密度200
0〜2500本/cm2、長さ25mmであり、ブラシ
7は幅5mm、長さ60mmでブラシ台9はアルミ製の
ものを用いた。また比較のためのステンレス線材(SU
S304)と高鋼線材(SWRH)製のブラシ8の仕様
は上記した銅合金製のワイヤ8と同じとした。その切断
試験の結果、付着切粉除去機構を有さないカッタ6で切
断した場合の寿命切断長さは6〜7mであり、ワイヤ8
が電気銅線材及び真ちゅう線材製である本発明の付着切
粉除去機構を有するカッタ6で切断した場合の寿命切断
長さは19〜23mで、付着切粉除去機構を有さないカ
ッタ6で切断した場合の寿命切断長さに対して3倍以上
と長寿命となり付着切粉除去機構による付着切粉除去の
効果が見られた。また切断途中でチップ3先端を観察し
た結果、付着切粉除去機構を有さないカッタ6で切断し
た場合はチップ3の全部に大小の切粉15が強固に付着
していたのに対し、ワイヤ8が電気銅線材と真ちゅう線
材製である本発明の付着切粉除去機構を有したカッタ6
で切断した場合はチップ3のほとんどに切粉15の付着
は見られなかった。一方ワイヤ8がステンレス線材製で
ある付着切粉除去機構を有するカッタ6で切断した場合
は、被削材であるステンレス鋼材とワイヤ8が同じ材質
なので切断初期よりワイヤ8がチップ3に付着してしま
いワイヤ8の損傷が激しく寿命切断長さは1〜3mであ
った。またワイヤ8が高鋼線材製である付着切粉除去機
構を有するカッタ6で切断した場合には、ワイヤ8が硬
く熱伝導性が悪いことから付着切粉除去機構を有さない
カッタ6で切断した場合よりも寿命切断長さは短く4〜
5mであった。上記した実験によって理解できるよう
に、難切削材であるステンレス鋼材等をカッタ6によっ
て切断する場合には、ワイヤ8が熱伝導性の良い銅また
は銅合金製である付着切粉除去機構をカッタ6に設ける
ことによって長寿命切断が可能となる。
【0009】
【発明の効果】以上のごとく本発明によればカッタの一
部にチップソーの回転方向に長くかつチップソ−の厚さ
より厚く、更にチップソーの外径形状に合うような略同
一円弧形状の切粉付着除去用ブラシが設けられ、ブラシ
はスプリングによってチップソーの中心方向に加圧され
ているのでブラシのチップソー側に設けられているワイ
ヤ先端が常に複数個のチップに接しており、これによっ
てチップに強固に付着した切粉の除去が容易に行われ、
切粉の付着による切削抵抗の増加を抑えることができる
と共にブラシはそれぞれが熱伝導性の良いものであるか
らチップが切断によって発生させた熱を伝達するのでチ
ップソー全体を冷却することができ、安定した切味が得
られチップソー2の長寿命化が可能となる。また、ワイ
ヤが摩耗してなくなるまで使用できるので経済的であ
り、ブラシは容易に着脱できる構造となっているので交
換が容易に行える。更に切断時のチップソーの偏心に対
してもブラシの幅がチップの厚さより厚いのでワイヤが
確実にチップ先端に接触することができブラッシングが
できない部分はなく、しかも常にワイヤがチップに接し
ているので無負荷時(空回し)でも残存した切粉を除去す
るので健全な刃部が形成され作業効率が良くなる。
部にチップソーの回転方向に長くかつチップソ−の厚さ
より厚く、更にチップソーの外径形状に合うような略同
一円弧形状の切粉付着除去用ブラシが設けられ、ブラシ
はスプリングによってチップソーの中心方向に加圧され
ているのでブラシのチップソー側に設けられているワイ
ヤ先端が常に複数個のチップに接しており、これによっ
てチップに強固に付着した切粉の除去が容易に行われ、
切粉の付着による切削抵抗の増加を抑えることができる
と共にブラシはそれぞれが熱伝導性の良いものであるか
らチップが切断によって発生させた熱を伝達するのでチ
ップソー全体を冷却することができ、安定した切味が得
られチップソー2の長寿命化が可能となる。また、ワイ
ヤが摩耗してなくなるまで使用できるので経済的であ
り、ブラシは容易に着脱できる構造となっているので交
換が容易に行える。更に切断時のチップソーの偏心に対
してもブラシの幅がチップの厚さより厚いのでワイヤが
確実にチップ先端に接触することができブラッシングが
できない部分はなく、しかも常にワイヤがチップに接し
ているので無負荷時(空回し)でも残存した切粉を除去す
るので健全な刃部が形成され作業効率が良くなる。
【図1】本発明の付着切粉除去機構を有するカッタを示
す一部断面側面図。
す一部断面側面図。
【図2】図1の要部拡大図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【図4】チップソーがブラシを通過する前を示す要部拡
大側面図。
大側面図。
【図5】チップソーがブラシを通過した後を示す要部拡
大側面図。
大側面図。
【図6】難切削材を付着切粉除去機構を有さないカッタ
で切断した時のチップを示す斜視図。
で切断した時のチップを示す斜視図。
1は裏カバー、2はチップソー、3はチップ、7はブラ
シ、8はワイヤ、9はブラシ台、10はスプリング、1
5は切粉である。
シ、8はワイヤ、9はブラシ台、10はスプリング、1
5は切粉である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小谷 純久 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 (72)発明者 秋葉 誠二 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】被削材を切断するチップソーを具備したカ
ッタにおいて、チップソーの回転面上のカッタの一部に
チップソーの回転方向に長くかつチップソーの厚さより
厚く、更にチップソーの外径形状に合うように略同一円
弧形状をした付着切粉除去用ブラシを設け、スプリング
により前記ブラシをチップソーの中心方向に加圧して前
記ブラシのチップソー側に設けられているワイヤが常に
チップ先端を押し付け接触しているようにしたことを特
徴とする付着切粉除去機構を有するカッタ。 - 【請求項2】前記ワイヤを熱伝導性の良い銅または銅合
金により形成したことを特徴とする請求項1記載の付着
切粉除去機構を有するカッタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3676995A JPH08229731A (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | 付着切粉除去機構を有するカッタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3676995A JPH08229731A (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | 付着切粉除去機構を有するカッタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08229731A true JPH08229731A (ja) | 1996-09-10 |
Family
ID=12478977
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3676995A Withdrawn JPH08229731A (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | 付着切粉除去機構を有するカッタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08229731A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010016237A1 (ja) * | 2008-08-08 | 2010-02-11 | 株式会社ナカヤ | 回転切断機用集塵アダプター |
-
1995
- 1995-02-24 JP JP3676995A patent/JPH08229731A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010016237A1 (ja) * | 2008-08-08 | 2010-02-11 | 株式会社ナカヤ | 回転切断機用集塵アダプター |
JP4677531B2 (ja) * | 2008-08-08 | 2011-04-27 | 株式会社ナカヤ | 回転切断機用集塵アダプター |
JPWO2010016237A1 (ja) * | 2008-08-08 | 2012-01-19 | 株式会社ナカヤ | 回転切断機用集塵アダプター |
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