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JPH08224793A - 繊維強化樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂成形品の製造方法

Info

Publication number
JPH08224793A
JPH08224793A JP7056653A JP5665395A JPH08224793A JP H08224793 A JPH08224793 A JP H08224793A JP 7056653 A JP7056653 A JP 7056653A JP 5665395 A JP5665395 A JP 5665395A JP H08224793 A JPH08224793 A JP H08224793A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
material layer
thermoplastic resin
resin
fiber
state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7056653A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryosaku Kadowaki
良策 門脇
Shuji Yumitori
修二 弓取
Takao Yokumoto
貴生 浴本
Toshiaki Okumura
俊明 奥村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP7056653A priority Critical patent/JPH08224793A/ja
Publication of JPH08224793A publication Critical patent/JPH08224793A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 良好な吸音特性と高剛性を兼ね備え、エンジ
ンルームや車体下部のノイズシールドやアンダーシール
ドとして有効に利用することのでき、しかもリサイクル
性にも優れた繊維強化樹脂成形品を簡単な手順で生産性
良く製造することのできる方法を提供する。 【構成】 熱可塑性樹脂(a)と強化繊維を含む第1材
料層(A)と、該熱可塑性樹脂よりも融点の高い熱可塑
性樹脂(b)または該樹脂(b)と強化繊維を含む第2
材料層(B)が積層された状態で、前記第2材料層
(B)を構成する熱可塑性樹脂(b)の融点よりも高い
温度で加圧成形した後、前記第1材料層(A)側の表層
部が冷却・固化した状態或は溶融・半溶融の状態で、前
記熱可塑性樹脂(b)の融点よりも低く且つ熱可塑性樹
脂(a)の融点よりも高い温度に加熱することによっ
て、前記第1材料層(A)側の表面が、強化繊維の弾性
的復帰力によって、該強化繊維間に空隙が形成された状
態とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強化繊維と熱可塑性樹
脂マトリックスとからなる繊維強化樹脂成形品を製造す
る為の有用な方法に関するものであり、殊に良好な吸
音特性と高剛性を兼ね備えた繊維強化樹脂成形品を製
造する為の方法に関するものである。尚本発明によって
得られる方法の成形品は、上記、の性能によって、
主として自動車分野においてこれらの特性が必要とされ
る部品、例えばエンジンルームや車体下部のノイズシー
ルドやアンダーシールドとして有効に利用できるもので
ある。
【0002】
【従来の技術】強化繊維と熱可塑性樹脂マトリックスと
からなる繊維強化樹脂成形品は、安価でしかも優れた機
械性質を有しており、またリサイクル性に優れていると
いった特徴を有していることから、近年その使用量が様
々な分野で急速に増大してきている。特に、自動車や家
電業界では、環境保護という観点から、できるだけ環境
に優しい樹脂材料を使用する傾向をその基本姿勢として
打ち出している。こうした状況の下で、ガラス繊維で強
化されたポリプロピレン成形品(ガラス繊維強化樹脂複
合材料)は、非常に注目されている代表的な繊維強化樹
脂成形品である。ところで自動車等の車体下部に取りつ
けられるアンダーシールドは、特に良好な吸音特性が要
求される。この様なアンダーシールドとしては、従来で
は鉄板の様な金属部材を基板とし、その一方側表面に、
ガラス繊維マットをアルミ箔等で包み込んだ吸音性部材
を接着剤等で固定したものが用いられていた。しかなが
ら現在では、環境保護という観点から、上記の様な繊維
強化樹脂成形品をアンダーシールド用の素材として適用
しようとする傾向にある。
【0003】繊維強化樹脂成形品は、安価で錆びにく
く、しかもリサイクル性に優れているという利点を有し
ている反面、前記アンダーシールドとして要求される基
本的な特性である吸音機能については全く備えていな
い。従って、この様な成形品をアンダーシールド用の素
材として利用する際には、該成形品はあくまでも基板と
しての機能を期待し得るに止まり、その表面に上記と同
様のガラス繊維マットをアルミ箔等で包み込んだ吸音性
部材を接着剤等で接合した状態でアンダーシールドとし
て使用することになる。
【0004】何れにしてもアンダーシールドは、基板の
表面にガラス繊維マットを主たる構成素材とする吸音性
部材を張り付けたものであるから、こうした構成から必
然的に生じてくる問題として、下記の如き様々な難点が
指摘される。 (1)基板に吸音性部材を接着剤等で張り付けなければ
ならないので、接合作業が煩雑で手数を要し、生産効率
の低下やコストアップの問題は避けられない。 (2)ガラス繊維マット等の張り付け作業時等にガラス
繊維の破断片が飛散し、作業者の皮膚を刺激したり環境
汚染を生じる。 (3)アンダーシールドを回収してリサイクルしようと
すると、夫々の構成素材であるアルミ箔、ガラス繊維マ
ット、基板を一旦分離しなければならず、その作業が非
常に煩雑で分別回収費用が嵩むため、工業規模でのリサ
イクルは殆ど行なわれていない。 上記欠点のうち殊に(3)のリサイクル性の問題は、産
業廃棄物の低減や有価資源の有効利用という観点から、
産業界で大きな問題となっている。
【0005】尚、上記の様な吸音性部材の上下面に樹脂
フィルム等を張り付けた材料を一回の成形で得られる技
術についても提案されているが(例えば、特公平6−2
976号,特開平1−285432号,特開平5−31
1555号等)、この様にして得られた成形品は、高剛
性という特性を十分に満足しているものではなく、アン
ダーシールド用の素材として利用できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした状
況のもとでなされたものであって、その目的は、良好な
吸音特性と高剛性を兼ね備え、エンジンルームや車体下
部のノイズシールドやアンダーシールドとして有効に利
用することのでき、しかもリサイクル性にも優れた繊維
強化樹脂成形品を簡単な手順で生産性良く製造すること
のできる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明方法とは、繊維強化樹脂積層成形品を製造するに当
たり、熱可塑性樹脂(a)と強化繊維を含む第1材料層
(A)と、該熱可塑性樹脂よりも融点の高い熱可塑性樹
脂(b)または該樹脂(b)と強化繊維を含む第2材料
層(B)が積層された状態で、前記第2材料層(B)を
構成する熱可塑性樹脂(A)の融点よりも高い温度で加
熱して可塑化した状態で加圧成形した後、前記第1材料
層(B)側の表層部が冷却・固化した状態或は溶融・半
溶融の状態で、前記熱可塑性樹脂(b)の融点よりも低
く且つ熱可塑性樹脂(a)の融点よりも高い温度に加熱
することによって、前記第1材料層(A)側の表面が、
強化繊維の弾性的復帰力によって、該繊維が起毛乃至膨
出した状態、および/または前記第1材料層(A)側の
表面より深部側が、強化繊維の弾性的復帰力によって、
該強化繊維間に空隙が形成された状態とする点に要旨を
有するものである。
【0008】また上記目的は、熱可塑性樹脂(a)と強
化繊維を含む材料層(C)と、該熱可塑性樹脂(a)よ
りも融点の高い熱可塑性樹脂(b)または該樹脂(b)
と強化繊維によって予め成形された基板層(D)が積層
された状態で、該基板層(D)を構成する熱可塑性樹脂
(b)の軟化温度よりも低く且つ前記材料層(C)を構
成する熱可塑性樹脂(a)よりも高い温度で加熱して前
記材料層(C)を可塑化した状態で加圧成形した後、前
記材料層(C)側の表層部が冷却・固化した状態或は溶
融・半溶融の状態で、前記熱可塑性樹脂(b)の融点よ
りも低く且つ熱可塑性樹脂(a)の融点よりも高い温度
に加熱することによって、前記材料層(C)側の表面
が、強化繊維の弾性的復帰力によって、該繊維が起毛乃
至膨出した状態、および/または前記材料層(C)側の
前記表面より深部側が、強化繊維の弾性的復帰力によっ
て、該強化繊維間に空隙が形成された状態とすることに
よっても達成される。
【0009】
【作用】本発明者らは、繊維強化樹脂成形品において、
吸音機能を付与する為の具体的な形態について検討し
た。そして、強化繊維として主に利用されているガラス
繊維が有している弾性的復帰力に着目し、この弾性的復
帰力にを巧みに利用すれば一方側表面が前記強化繊維を
起毛乃至膨出した状態にする、および/または該表面の
深部側が該強化繊維間に空隙が形成された状態とするこ
とができ、この様な形態の繊維強化樹脂成形品は、吸音
機能が付与できることを見出した。
【0010】まずこの原理について説明する。繊維強化
樹脂成形品を製造するには、まず強化繊維と熱可塑性樹
脂を含む混合物を、加熱して可塑化した状態で低圧で加
圧成形して中間成形体とした後、冷却・固化されるが、
この冷却・固化の過程において、加圧成形に供された前
記可塑化混合物は、表面近傍から順次冷却・固化してい
くことになる。そもそも、前記可塑化混合物は、ガラス
繊維等の高剛性繊維が樹脂中にランダムに散らばったも
のを、暫定的にシート状またはブロック状にして可塑化
し、加圧成形に供するものである。従って、この中間成
形体の状態においては、高剛性繊維は既に加圧されて該
成形体の中に閉じ込められている状態になっており、可
塑化すれば強化繊維の弾性的復帰力で自ら体積膨張しよ
うとする。ところが、成形によって所定の形状を得るた
めには、当然のことながら、圧力をかけつつ冷却して形
状を保持する必要がある。従来の成形方法においては、
可塑化混合物を単に加圧して冷却し、形状を保持しよう
とするものであるから、中間成形体内に閉じ込められた
高剛性繊維は、その弾性的復帰力を発揮することなく、
中間成形体内に閉じ込められたままである。
【0011】成形前の可塑化状態をできるだけ損なわな
い様に、形状を整えるの必要な最低限の成形を行ない、
その後一方側表面の表層部が冷却・固化した状態 或は
溶融・半溶融の状態、即ち内部が未だ高温状態にあるう
ちに、(1)加圧力を解除または軽減して一方側表面に
高温ガスの吹きつけ等を行なって、溶融状態にすれば前
記強化繊維の弾性的復帰力が存分に発揮され、一方表面
で強化繊維が起毛乃至膨出した状態、および/または内
部が体積膨張しようとする現象(以下、この現象を「ス
プリングバック」と呼ぶ)が生じることによって、強化
繊維間に空隙が形成された状態(以下、この状態の層を
「スプリングバック層」と呼ぶ)とすることができる。
そして、これらの状態によって、吸音性が良好なものと
なる。
【0012】尚この様な状態を達成する為の加熱の具体
的手段については、特に限定されるものではなく、例え
ば赤外線加熱、高温金型や高温金属板等による直接加
熱、高温ガスの吹き付けによる加熱、更にはバーナによ
る加熱等が挙げられる。このうち、上記の様な状態が効
率良く達成されること、および加熱効率や加熱温度の調
整等を考慮すると、高温ガスの吹き付けによる加熱が最
も好ましい。またこのとき用いる高温ガスの種類につい
ても、特に限定されるものでなく、窒素ガスやArガス
等の不活性ガスや空気等が挙げられる。
【0013】本発明者らは、上記の様な状態を有効に利
用し、良好な吸音特性と高剛性を兼ね備えた繊維強化樹
脂成形品を簡単な手順で製造すべく、様々な角度から検
討した。その結果、前述した方法に従って製造すれば、
希望する繊維強化樹脂成形品が1回の成形で得られるこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0014】本発明方法の基本的な手順およびその作用
について説明する。本発明方法においては、まず熱可塑
性性樹脂(a)と強化繊維を含む第1材料層(A)と、
該熱可塑性樹脂よりも融点の高い熱可塑性樹脂(b)と
強化繊維を含む第2材料層(B)が積層された状態で、
前記第2材料層(B)を構成する熱可塑性樹脂(b)の
融点よりも高い温度で加熱して可塑化した状態で加圧成
形する。このとき、前記熱可塑性樹脂(a),(b)は
いずれも可塑化しているので、容易に成形できることに
なる。
【0015】その後、前記第1材料層(A)側の表層部
が冷却・固化した状態或は溶融・半溶融の状態で、前記
熱可塑性樹脂(b)の融点より低く且つ熱可塑性樹脂
(a)よりも高い温度に加熱する。これによって、
(イ)前記第1材料層(A)側の表面が、強化繊維の弾
性的復帰力によって、該繊維が起毛乃至膨出した状態、
および/または(ロ)前記第1材料層(A)側の表面よ
り深部側が、強化繊維の弾性的復帰力によって、該強化
繊維に空隙が形成された状態、とすることができる。こ
れらの状態によって、最終的に製造された成形品は吸音
特性を有するものとなる。
【0016】一方、第2材料層(B)は、可塑化した状
態で加圧成形した後は、熱可塑性樹脂(b)は溶融され
ることなく、起毛乃至膨出やスプリングバックが発生す
ることなく、冷却・固化が進行するだけであり、この部
分については、高剛性を発揮することになる。尚第2材
料層(B)については、強化繊維を含まなくても希望す
る剛性が達成されるならば、熱可塑性樹脂(b)だけで
構成されても良い。
【0017】尚前記第2材料層(B)は、熱可塑性樹脂
(b)、または該樹脂(b)と強化繊維によって予め成
形された基板からなる層[前記基板層(D)]としても
良く、このときは、可塑化温度は前記熱可塑性樹脂
(b)の軟化温度よりも低く且つ前記熱可塑性樹脂
(a)よりも高い温度とすれば良い。これによって予め
成形された基板層(D)を溶融させることなく、前記材
料層[材料層(C)]中の熱可塑性樹脂(a)を可塑化
することによって、成形が可能となる。
【0018】本発明の上記工程において、加圧成形する
ときの具体的手段については、圧縮成形が代表的に挙げ
られるが、これに限らず、基板層を用いない場合は、例
えば射出成形や射出圧縮成形、更には他の成形方法を採
用することもでき、要するに加圧した状態で成形できる
方法であれば良い。また加圧成形するときの圧力は、材
料の流動性を確保するという観点から、例えば圧縮成形
の場合は、50〜200kgf/cm2 程度が好まし
い。
【0019】前記第1材料層(A)や材料層(C)で
は、特に、強化繊維と熱可塑性樹脂(a)ができるだけ
均一に混合された材料を用いるのが好ましいが、この材
料は、エアーミキシング(圧縮空気による混合)によっ
て作成されたものの方が、強化繊維が3次元にランダム
に配向しているので、スプリングバック等が発生し易く
なり、好ましい材料である。これに対し、抄紙法によっ
て作成されたものや、2次元配向の連続繊維マットを原
料組成物として用いた場合には、強化繊維は2次元のラ
ンダム配向であるので、本発明方法を適用しても吸音特
性を発揮できるほど十分な起毛乃至膨出層および/また
はスプリングバック層が形成されにくく、あまり推奨さ
れる材料ではない。
【0020】本発明で用いる強化繊維の代表的なものと
してガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミックス繊
維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊
維、ポリエステル繊維、アクリル繊維等の人工繊維が挙
げられ、これらを単独または複数組合せて用いることが
できるが、強化繊維の全てを人工繊維とする必要はな
く、例えば麻や綿の他、古紙を解繊したセルロース系繊
維等の天然繊維を一部に含んでいても良い。特に、古紙
を解繊したセルロース系繊維を利用することは、リサイ
クルおよび環境保護の両面からして有利であり、しかも
安価であり良好な吸音特性が発揮される。但し、第1材
料層(A)や材料層(C)で用いる強化繊維としては、
弾性的復帰力が比較的小さい人工繊維や天然繊維の含有
量は強化繊維の弾性的復帰力を余り低下させない程度に
抑える必要がある。また強化繊維の径については、同じ
重量の場合には、径が細い方が本数が多くなり、嵩高く
なって起毛乃至膨出および/またはスプリングバックが
発生し易いので、3〜20μm程度が最適である。更
に、強化繊維の長さについては、起毛乃至膨出および/
またはスプリングバック層による吸音特性を考慮する
と、5〜50mmであることが好ましい。
【0021】一方、本発明で用いられる熱可塑性樹脂
(a),(b)としては、前記したポリプロピレンが代
表的なものとして挙げられるが、その他ポリエチレン、
ABS、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリアクリレー
ト、ポリアミド等の汎用樹脂、更にはポリスルホン、ポ
リフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリイミド、ポリアミドイミド等の耐熱性に優れた
熱可塑性樹脂等も用いることができる。このうち特に好
ましいのは、ポリプロピレンである。またこのポリプロ
ピレンは、ホモポリマーは勿論のこと、ポリプロピレン
−エチレンブロック共重合体、ポリプロピレン−エチレ
ンランダム共重合体、更には無水マレイン酸で変性した
ポリプロピレン等のいずれも使用でき、これらを単独ま
たは複合して用いれば良い。またこれらの熱可塑性樹脂
の原料形態は、粉末状または繊維状のいずれでも良い
が、特に熱可塑性樹脂(a)として用いる場合は、繊維
状であることが好ましい。また本発明で規定する融点の
関係を有していれば、熱可塑性樹脂(a),(b)とし
て同種のものも用いることもできる。
【0022】本発明方法によって得られる繊維強化樹脂
成形品は、吸音性と剛性のいずれも良好なものとなり、
ノイズシールドやアンダーシールドとして有効に利用で
きるものとなる。また、本発明の成形品は、樹脂と強化
繊維のみを使用するものであるので、リサイクル性にお
いても良好である。
【0023】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に特徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0024】
【実施例】
実施例1 長さ13mmのチョップドガラス繊維(商品名「FT5
99」,繊維径13μm,旭ファイバーグラス株式会社
製)、ポリプロピレン樹脂パウダー(商品名「MA81
0B」,昭和電工株式会社製)、およびマレイン酸変性
ポリプロピレンパウダー(商品名「ER320P」,昭
和電工株式会社製)を40/54/6(重量比)の割合
でガラス繊維束を開繊させながら圧縮空気を用いて混合
した綿状の材料を、200℃にてホットプレスして3m
m厚みのシートにした。
【0025】一方、長さ13mmのチョップドガラス繊
維(商品名「FT599」,繊維径13μm,旭ファイ
バーグラス株式会社製)とエチレン−酢酸ビニルコポリ
マー樹脂パウダー(商品名「FM22−1」,昭和電工
株式会社製)を1/1(重量比)の割合で、上記場合と
同様に混合し、これを前記ポリプロピレン/ガラス繊維
シートの上にのせて100℃にてホットプレスし、全体
で5mmの厚みの成形体にした。
【0026】得られた成形体を220℃にて溶融し、1
00℃に設定した金型に投入して面圧100kgf/c
2 で30秒間圧縮した後、110℃の窒素ガスをエチ
レン−酢酸ビニルコポリマー樹脂/ガラス繊維層に30
秒間吹きつけ、続けて室温の空気を吹きつけて冷却し
て、3mmのポリプロピレン/ガラス繊維の固化層と、
6mm厚のエチレン−酢酸コポリマー樹脂/ガラス繊維
の起毛乃至膨出および/またはスプリング層からなる成
形品を得た。
【0027】得られた成形品について、ポリプロピレン
/ガラス繊維の固化層の曲げ弾性率を測定したところ、
約5.4GPaであった。これは上記実施例で、3mm
厚みにしたポリプロピレン/ガラス繊維のシートのみを
220℃に溶融し、100℃に設定した金型に投入して
面圧100kgf/cm2 で60秒圧縮成形して得られ
た成形品の曲げ弾性率5.6GPaとほぼ等しかった。
また1500Hzでの吸音率を測定したところ、吸音率
は0.5であった。
【0028】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、良
好な吸音性と高剛性を兼ね備え、エンジンルームや車体
下部のノイズシールドやアンダーシールドとして有効に
利用することができ、しかもリサイクル性に優れた繊維
強化樹脂成形品を簡単な手順で生産性良く製造すること
ができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:08 (72)発明者 奥村 俊明 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化樹脂積層成形品を製造するに当
    たり、熱可塑性樹脂(a)と強化繊維を含む第1材料層
    (A)と、該熱可塑性樹脂よりも融点の高い熱可塑性樹
    脂(b)または該樹脂(b)と強化繊維を含む第2材料
    層(B)が積層された状態で、前記第2材料層(B)を
    構成する熱可塑性樹脂(b)の融点よりも高い温度で加
    熱して可塑化した状態で加圧成形した後、前記第1材料
    層(A)側の表層部が冷却・固化した状態或は溶融・半
    溶融の状態で、前記熱可塑性樹脂(b)の融点よりも低
    く且つ熱可塑性樹脂(a)の融点よりも高い温度に加熱
    することによって、前記第1材料層(A)側の表面が、
    強化繊維の弾性的復帰力によって、該繊維が起毛乃至膨
    出した状態および/または前記第1材料層(A)側の表
    面より深部側が、強化繊維の弾性的復帰力によって、該
    強化繊維間に空隙が形成された状態とすることを特徴と
    する繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 繊維強化樹脂成形品を製造するに当た
    り、熱可塑性樹脂(a)と強化繊維を含む材料層(C)
    と、該熱可塑性樹脂(a)よりも融点の高い熱可塑性樹
    脂(b)または該樹脂(b)と強化繊維によって予め成
    形された基板層(D)が積層された状態で、該基板層
    (D)を構成する熱可塑性樹脂(b)の軟化温度よりも
    低く且つ前記材料層(C)を構成する熱可塑性樹脂
    (a)よりも高い温度で加熱して前記材料層(C)を可
    塑化した状態で加圧成形した後、前記材料層(C)側の
    表層部が冷却・固化した状態或は溶融・半溶融の状態
    で、前記熱可塑性樹脂(b)の融点よりも低く且つ熱可
    塑性樹脂(a)の融点よりも高い温度に加熱することに
    よって、前記材料層(C)側の表面が、強化繊維の弾性
    的復帰力によって、該繊維が起毛乃至膨出した状態、お
    よび/または前記材料層(C)側の前記表面より深部側
    が、強化繊維の弾性的復帰力によって、該強化繊維間に
    空隙が形成された状態とすることを特徴とする繊維強化
    樹脂成形品の製造方法。
JP7056653A 1995-02-20 1995-02-20 繊維強化樹脂成形品の製造方法 Withdrawn JPH08224793A (ja)

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