JPH0821712A - 非球面形状の干渉測定用ヌル原器 - Google Patents
非球面形状の干渉測定用ヌル原器Info
- Publication number
- JPH0821712A JPH0821712A JP15599894A JP15599894A JPH0821712A JP H0821712 A JPH0821712 A JP H0821712A JP 15599894 A JP15599894 A JP 15599894A JP 15599894 A JP15599894 A JP 15599894A JP H0821712 A JPH0821712 A JP H0821712A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- measurement
- prototype
- null
- light
- region
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
- Testing Of Optical Devices Or Fibers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 非球面形状の干渉測定装置を簡単かつ安価に
できると共に、測定も容易かつ迅速にできる非球面形状
の干渉測定用ヌル原器を提供する。 【構成】 ヌル原器4の被検面5aの測定に対応しない
領域4bに反射型の回折格子からなるアライメントパタ
ーン42を形成する。
できると共に、測定も容易かつ迅速にできる非球面形状
の干渉測定用ヌル原器を提供する。 【構成】 ヌル原器4の被検面5aの測定に対応しない
領域4bに反射型の回折格子からなるアライメントパタ
ーン42を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば光学素子の面
形状、特に非球面形状を干渉計を用いて測定する際に用
いるヌル原器に関するものである。
形状、特に非球面形状を干渉計を用いて測定する際に用
いるヌル原器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非球面の形状を干渉計を用いて測定する
にあたっては、、被検面の非球面量が小さい場合には、
球面測定用干渉計で評価することもできるが、非球面量
が大きくなると測定が困難になるため、何らかの対策が
必要になる。その対策として、例えば、干渉計の光路中
に、非球面波を発生させるヌル原器と呼ばれるものを配
置して、非球面の被検面に垂直に光を入射させるように
したものが従来提案されており、またこの場合のヌル原
器として、ホログラムを利用するホログラム原器と呼ば
れるものや、ゾーンプレートを利用するゾーンプレート
原器と呼ばれるもの等が提案されている。
にあたっては、、被検面の非球面量が小さい場合には、
球面測定用干渉計で評価することもできるが、非球面量
が大きくなると測定が困難になるため、何らかの対策が
必要になる。その対策として、例えば、干渉計の光路中
に、非球面波を発生させるヌル原器と呼ばれるものを配
置して、非球面の被検面に垂直に光を入射させるように
したものが従来提案されており、またこの場合のヌル原
器として、ホログラムを利用するホログラム原器と呼ば
れるものや、ゾーンプレートを利用するゾーンプレート
原器と呼ばれるもの等が提案されている。
【0003】しかし、従来のヌル原器を用いる測定法に
あっては、設計した位置にヌル原器と被検面とを配置
し、干渉縞を見ながら両者の位置を調整するようにして
いるため、調整に時間がかかるという問題がある。
あっては、設計した位置にヌル原器と被検面とを配置
し、干渉縞を見ながら両者の位置を調整するようにして
いるため、調整に時間がかかるという問題がある。
【0004】このような問題を解決するものとして、ヌ
ル原器のアライメントに被検面を要しない方法が提案さ
れている。例えば、特公平5−13441号公報には、
位置合わせマークを有する調整用ホログラム原器を所定
位置に配置して、アライメント光学系のレチクルの指標
を位置合わせマークに合致させ、その後、調整用ホログ
ラム原器と測定用ホログラム原器とを交換するようにし
たものが提案されている。
ル原器のアライメントに被検面を要しない方法が提案さ
れている。例えば、特公平5−13441号公報には、
位置合わせマークを有する調整用ホログラム原器を所定
位置に配置して、アライメント光学系のレチクルの指標
を位置合わせマークに合致させ、その後、調整用ホログ
ラム原器と測定用ホログラム原器とを交換するようにし
たものが提案されている。
【0005】また、特公平5−157532号公報に
は、1枚の基板上に、測定用の透過型計算機ホログラム
と位置合わせ用の反射型計算機ホログラムとを形成し、
反射型ホログラムを用いて干渉計に位置合わせした後、
基板を所定量移動させて透過型ホログラムを所定の位置
にセットするようにしたものが提案されている。
は、1枚の基板上に、測定用の透過型計算機ホログラム
と位置合わせ用の反射型計算機ホログラムとを形成し、
反射型ホログラムを用いて干渉計に位置合わせした後、
基板を所定量移動させて透過型ホログラムを所定の位置
にセットするようにしたものが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特公平5−13441号公報に記載された方法にあって
は、測定用ホログラム原器の他に、調整用ホログラム原
器を必要とするため、コスト高になるという問題があ
る。また、測定にあたっては、調整用ホログラム原器と
測定用ホログラム原器とを交換する必要があるため、手
間がかかるという問題がある。
特公平5−13441号公報に記載された方法にあって
は、測定用ホログラム原器の他に、調整用ホログラム原
器を必要とするため、コスト高になるという問題があ
る。また、測定にあたっては、調整用ホログラム原器と
測定用ホログラム原器とを交換する必要があるため、手
間がかかるという問題がある。
【0007】また、特公平5−157532号公報に記
載された方法にあっては、反射型ホログラムを用いて位
置合わせした後、基板を高精度に機械的に移動させる機
構が必要となるため、装置が複雑で高価になるという問
題があると共に、折角、光学的手法で高精度に位置合わ
せしても、最終的にはこの機械的移動機構によって全体
の精度が決定されてしまうという問題がある。
載された方法にあっては、反射型ホログラムを用いて位
置合わせした後、基板を高精度に機械的に移動させる機
構が必要となるため、装置が複雑で高価になるという問
題があると共に、折角、光学的手法で高精度に位置合わ
せしても、最終的にはこの機械的移動機構によって全体
の精度が決定されてしまうという問題がある。
【0008】この発明は、このような従来の問題点に着
目してなされたもので、非球面形状の干渉測定装置を簡
単かつ安価にできると共に、測定も容易かつ迅速にでき
るよう適切に構成した非球面形状の干渉測定用ヌル原器
を提供することを目的とするものである。
目してなされたもので、非球面形状の干渉測定装置を簡
単かつ安価にできると共に、測定も容易かつ迅速にでき
るよう適切に構成した非球面形状の干渉測定用ヌル原器
を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の非球面形状の干渉測定用ヌル原器は、被
検面の測定に対応しない領域に反射型の回折格子からな
るアライメントパターンを形成したことを特徴とするも
のである。
め、この発明の非球面形状の干渉測定用ヌル原器は、被
検面の測定に対応しない領域に反射型の回折格子からな
るアライメントパターンを形成したことを特徴とするも
のである。
【0010】前記被検面の測定に対応する領域は、所定
のピッチ分布を持つ同心リングパターンよりなる透過型
の回折格子をもって構成し、その同心リングパターンの
中心と同心的に前記アライメントパターンを形成するの
が、フィゾー型干渉計やトワイマン・グリーン型干渉計
に適用する点で好ましい。
のピッチ分布を持つ同心リングパターンよりなる透過型
の回折格子をもって構成し、その同心リングパターンの
中心と同心的に前記アライメントパターンを形成するの
が、フィゾー型干渉計やトワイマン・グリーン型干渉計
に適用する点で好ましい。
【0011】前記干渉測定用ヌル原器の少なくとも1つ
の面は、屈折パワーを有するのが、回折格子に入射する
光線の角度を変更して、回折格子のピッチを製作し易い
範囲に調整する点で好ましい。
の面は、屈折パワーを有するのが、回折格子に入射する
光線の角度を変更して、回折格子のピッチを製作し易い
範囲に調整する点で好ましい。
【0012】
【作用】干渉測定用ヌル原器の被検面の測定に対応しな
い領域に、反射型の回折格子からなるアライメントパタ
ーンを形成すれば、干渉計本体から出射する光束の一部
は、アライメントパターンに入射し、反射回折を受けて
再び干渉計に戻り、干渉縞を作ることになる。ここで、
ヌル原器の測定用領域とアライメントパターンとは、ヌ
ル原器の基板上に一体的に所定の位置関係をもって形成
されているので、この干渉縞がヌルになるようにヌル原
器の位置を調整すれば、自動的に測定用領域がアライメ
ントされることになる。
い領域に、反射型の回折格子からなるアライメントパタ
ーンを形成すれば、干渉計本体から出射する光束の一部
は、アライメントパターンに入射し、反射回折を受けて
再び干渉計に戻り、干渉縞を作ることになる。ここで、
ヌル原器の測定用領域とアライメントパターンとは、ヌ
ル原器の基板上に一体的に所定の位置関係をもって形成
されているので、この干渉縞がヌルになるようにヌル原
器の位置を調整すれば、自動的に測定用領域がアライメ
ントされることになる。
【0013】
【実施例】以下、この発明の実施例について、図面を参
照して説明する。図1は、この発明の第1実施例を示す
もので、フィゾー型干渉計に適用したものである。この
フィゾー型干渉計は、光源1、レンズ群2a,2bより
なるビームエキスパンダ2、参照レンズ3、ヌル原器
4、ハーフミラー6、瞳結像レンズ7およびスクリーン
8を有し、被検レンズ5の被検面5aの非球面形状、こ
の実施例では凸面の非球面形状を測定するものである。
光源1は、例えばHe−Neレーザを用いる。また、参
照レンズ3の参照球面3aを除く面には、無反射膜をコ
ーティングする。
照して説明する。図1は、この発明の第1実施例を示す
もので、フィゾー型干渉計に適用したものである。この
フィゾー型干渉計は、光源1、レンズ群2a,2bより
なるビームエキスパンダ2、参照レンズ3、ヌル原器
4、ハーフミラー6、瞳結像レンズ7およびスクリーン
8を有し、被検レンズ5の被検面5aの非球面形状、こ
の実施例では凸面の非球面形状を測定するものである。
光源1は、例えばHe−Neレーザを用いる。また、参
照レンズ3の参照球面3aを除く面には、無反射膜をコ
ーティングする。
【0014】ヌル原器4は、例えば石英等の硝材からな
り、外形的には平行平板状の円形に形成する。このヌル
原器4には、図2(a)に平面図をも示すように、その
被検レンズ5側の面で、被検面5aの測定に対応する測
定用領域4aに、所定のピッチ分布を持つ同心のリング
パターンよりなる透過型の測定用回折格子41をヌルレ
ンズとして形成する。この測定用回折格子41は、好適
には、図2(b)に断面図を示すように、所定の次数の
回折光、例えば1次回折光に対してブレーズ化する。ま
た、測定用領域4aと同じ面側で、被検面5aの測定に
対応しない領域4bには、測定用回折格子41の同心リ
ングパターンの中心と同心的に反射型の回折格子からな
るアライメントパターン42を形成する。このアライメ
ントパターン42は、好適には、図2(c)に断面図を
示すように、所定の次数の回折光に対してブレーズ化す
ると共に、その表面には、反射率を増加させるために、
例えば、クロム膜や誘電体反射膜等の反射膜43を蒸着
して設ける。さらに、ヌル原器4の参照レンズ3側の面
44には、光源光に対する反射防止膜をコーティングす
る。
り、外形的には平行平板状の円形に形成する。このヌル
原器4には、図2(a)に平面図をも示すように、その
被検レンズ5側の面で、被検面5aの測定に対応する測
定用領域4aに、所定のピッチ分布を持つ同心のリング
パターンよりなる透過型の測定用回折格子41をヌルレ
ンズとして形成する。この測定用回折格子41は、好適
には、図2(b)に断面図を示すように、所定の次数の
回折光、例えば1次回折光に対してブレーズ化する。ま
た、測定用領域4aと同じ面側で、被検面5aの測定に
対応しない領域4bには、測定用回折格子41の同心リ
ングパターンの中心と同心的に反射型の回折格子からな
るアライメントパターン42を形成する。このアライメ
ントパターン42は、好適には、図2(c)に断面図を
示すように、所定の次数の回折光に対してブレーズ化す
ると共に、その表面には、反射率を増加させるために、
例えば、クロム膜や誘電体反射膜等の反射膜43を蒸着
して設ける。さらに、ヌル原器4の参照レンズ3側の面
44には、光源光に対する反射防止膜をコーティングす
る。
【0015】ここで、測定用回折格子41およびアライ
メントパターン42をブレーズ形状として製作するにあ
たっては、例えば、基板上にレジスト層を形成し、露光
および現像によりレジスト層に所定の形状を与え、それ
をドライエッチングにより基板に転写する公知の方法を
用いることができる。なお、これら測定用回折格子41
およびアライメントパターン42は、図2(d)に示す
ように、断面形状を階段状にしてブレーズ近似すること
もできる。
メントパターン42をブレーズ形状として製作するにあ
たっては、例えば、基板上にレジスト層を形成し、露光
および現像によりレジスト層に所定の形状を与え、それ
をドライエッチングにより基板に転写する公知の方法を
用いることができる。なお、これら測定用回折格子41
およびアライメントパターン42は、図2(d)に示す
ように、断面形状を階段状にしてブレーズ近似すること
もできる。
【0016】図1に示す構成において、光源1から射出
されたレーザ光は、ビームエキスパンダ2により光束径
が広げられると共に、ほぼ平行な光束に変換されて参照
レンズ3に入射する。参照レンズ3に入射した光束は、
参照球面3aに垂直に入射して球面波に波面変換され、
測定光としてヌル原器4に入射する。また、参照球面3
aには、無反射膜がコーティングされていないので、こ
の面で入射光の一部が反射され、この反射光が参照光と
して、レンズ群2b、ハーフミラー6および瞳結像レン
ズ7を経てスクリーン8に投影される。
されたレーザ光は、ビームエキスパンダ2により光束径
が広げられると共に、ほぼ平行な光束に変換されて参照
レンズ3に入射する。参照レンズ3に入射した光束は、
参照球面3aに垂直に入射して球面波に波面変換され、
測定光としてヌル原器4に入射する。また、参照球面3
aには、無反射膜がコーティングされていないので、こ
の面で入射光の一部が反射され、この反射光が参照光と
して、レンズ群2b、ハーフミラー6および瞳結像レン
ズ7を経てスクリーン8に投影される。
【0017】参照レンズ3を経てヌル原器4に入射した
光束のうち、測定用領域4a(図2(a)参照)に入射
した光束は、測定用回折格子41による回折作用によ
り、リングパターンの各リングの半径分布に基づいて所
定の波面に変換される。この際、測定用回折格子41の
各リングの断面形状が、ブレーズ化されていれば、その
回折効率はほぼ100%となり、ノイズとなる不要光に
よる干渉縞が発生しないので、好ましい。
光束のうち、測定用領域4a(図2(a)参照)に入射
した光束は、測定用回折格子41による回折作用によ
り、リングパターンの各リングの半径分布に基づいて所
定の波面に変換される。この際、測定用回折格子41の
各リングの断面形状が、ブレーズ化されていれば、その
回折効率はほぼ100%となり、ノイズとなる不要光に
よる干渉縞が発生しないので、好ましい。
【0018】測定用回折格子41で波面変換された光束
は、被検レンズ5の非球面被検面5aにほぼ垂直に入射
し、ここで反射された光は、往路と同一光路を辿って、
参照レンズ3、レンズ群2b、ハーフミラー6および瞳
結像レンズ7を経てスクリーン8に投影され、このスク
リーン8上に参照球面3aで反射された参照光との干渉
縞を形成する。ここで、被検面5aに形状誤差がある
と、その形状誤差が干渉縞の曲がりとして観測される。
したがって、この実施例において、参照球面3aは、光
源1からの光を参照光と測定光とに分割すると共に、参
照光と被検面5aで反射された測定光とを合成して干渉
縞を生じさせるための分割合成素子としても機能する。
は、被検レンズ5の非球面被検面5aにほぼ垂直に入射
し、ここで反射された光は、往路と同一光路を辿って、
参照レンズ3、レンズ群2b、ハーフミラー6および瞳
結像レンズ7を経てスクリーン8に投影され、このスク
リーン8上に参照球面3aで反射された参照光との干渉
縞を形成する。ここで、被検面5aに形状誤差がある
と、その形状誤差が干渉縞の曲がりとして観測される。
したがって、この実施例において、参照球面3aは、光
源1からの光を参照光と測定光とに分割すると共に、参
照光と被検面5aで反射された測定光とを合成して干渉
縞を生じさせるための分割合成素子としても機能する。
【0019】なお、図示しないが、スクリーン8上に投
影される干渉縞をTVカメラで映し出すようにすること
もできる。また、ビームエキスパンダ2のレンズ群2a
と参照レンズ3との間に、参照レンズ3を光軸方向に微
小量振る位相シフタを挿入して縞走査を行い、これによ
り干渉縞の位相分布を求めて被検面5aの形状誤差を求
めることもできる。
影される干渉縞をTVカメラで映し出すようにすること
もできる。また、ビームエキスパンダ2のレンズ群2a
と参照レンズ3との間に、参照レンズ3を光軸方向に微
小量振る位相シフタを挿入して縞走査を行い、これによ
り干渉縞の位相分布を求めて被検面5aの形状誤差を求
めることもできる。
【0020】この実施例においては、上記の被検面5a
の形状測定に先立って、まず、ヌル原器4を正しく位置
合わせして配置するために、図1にハッチングを施して
示す測定領域外のアライメント用光束によるヌル原器4
のアライメントパターン42からの反射光と、参照球面
3aからの参照光とによる干渉縞を観察し、これがヌル
フリンジとなるように、ヌル原器4を位置調整して配置
する。これにより、自動的に、測定用領域4aがアライ
メントされる。
の形状測定に先立って、まず、ヌル原器4を正しく位置
合わせして配置するために、図1にハッチングを施して
示す測定領域外のアライメント用光束によるヌル原器4
のアライメントパターン42からの反射光と、参照球面
3aからの参照光とによる干渉縞を観察し、これがヌル
フリンジとなるように、ヌル原器4を位置調整して配置
する。これにより、自動的に、測定用領域4aがアライ
メントされる。
【0021】次に、被検レンズ5を取り付け、被検面5
aからの反射光と、参照球面3aからの参照光との干渉
縞を観測しながら、干渉縞が適当な読み易い干渉縞とな
るように図示しない機械的機構により被検レンズ5の位
置を調整する。この被検レンズ5の位置調整は、縞走査
を行う場合には、ヌルフリンジに近くするのが好まし
く、また眼で読む場合には、数本の縦縞にするのが好ま
しい。
aからの反射光と、参照球面3aからの参照光との干渉
縞を観測しながら、干渉縞が適当な読み易い干渉縞とな
るように図示しない機械的機構により被検レンズ5の位
置を調整する。この被検レンズ5の位置調整は、縞走査
を行う場合には、ヌルフリンジに近くするのが好まし
く、また眼で読む場合には、数本の縦縞にするのが好ま
しい。
【0022】ここで、参照光に収束光を用いる場合の作
用について、図3を参照して説明する。なお、説明を簡
単にするため、ヌル原器4の基板による屈折の効果は無
視するが、これは以下の説明に本質的な影響を与えるも
のではない。図3において、ヌル原器4の測定用回折格
子41の格子面に入射する光線と光軸とのなす角度を
θ、格子面から出射する光線と光軸とのなす角度を
θ’、格子間隔をd、光源の波長をλ、回折次数をmと
すると、
用について、図3を参照して説明する。なお、説明を簡
単にするため、ヌル原器4の基板による屈折の効果は無
視するが、これは以下の説明に本質的な影響を与えるも
のではない。図3において、ヌル原器4の測定用回折格
子41の格子面に入射する光線と光軸とのなす角度を
θ、格子面から出射する光線と光軸とのなす角度を
θ’、格子間隔をd、光源の波長をλ、回折次数をmと
すると、
【数1】d=mλ/| sinθ− sinθ’| となる。
【0023】光線Aのように、θ=0、すなわち参照光
として平行光を用いた場合、被検面の反射面としてのN
Aを0.5、すなわちθ’=30°、測定用回折格子4
1の回折次数を1次(m=1)、光源の波長をλ=63
2.8nmとすると、最外周での格子間隔dは、d≒
1.27μmとなる。しかし、このdの値は、実現容易
な値ではない。そこで、格子間隔dを大きくするには、
ヌル原器4に入射する参照光の角度θを変えるという方
法が考えられる。例えば、光線Bのような収束光(最外
周でのθ=25°)を用いた場合、最外周での格子間隔
dは、上式よりほぼ8.18μmとなり、実現容易な値
となる。
として平行光を用いた場合、被検面の反射面としてのN
Aを0.5、すなわちθ’=30°、測定用回折格子4
1の回折次数を1次(m=1)、光源の波長をλ=63
2.8nmとすると、最外周での格子間隔dは、d≒
1.27μmとなる。しかし、このdの値は、実現容易
な値ではない。そこで、格子間隔dを大きくするには、
ヌル原器4に入射する参照光の角度θを変えるという方
法が考えられる。例えば、光線Bのような収束光(最外
周でのθ=25°)を用いた場合、最外周での格子間隔
dは、上式よりほぼ8.18μmとなり、実現容易な値
となる。
【0024】その他の方法として、高次回折光を用いる
ことにより、格子間隔dを大きくする方法も考えられる
が、この場合には、回折光が高次になるに従って、隣り
合う次数光の間でのθ’の差が小さくなるため、測定用
領域4aの各リングの断面形状がブレーズ化されていな
い限り、不要な干渉縞がノイズとして発生する恐れがあ
る。しかし、この場合、回折効率が殆ど100%近い状
態となるように、正確にブレーズ化するのは容易ではな
い。
ことにより、格子間隔dを大きくする方法も考えられる
が、この場合には、回折光が高次になるに従って、隣り
合う次数光の間でのθ’の差が小さくなるため、測定用
領域4aの各リングの断面形状がブレーズ化されていな
い限り、不要な干渉縞がノイズとして発生する恐れがあ
る。しかし、この場合、回折効率が殆ど100%近い状
態となるように、正確にブレーズ化するのは容易ではな
い。
【0025】次に、アライメントパターン42の格子間
隔について考察する。ここでも、簡単のため、ヌル原器
4の基板による屈折の効果は無視することにする。アラ
イメントパターン42の格子間隔は、参照光のNAによ
りほぼ決定される。例えば、アライメント用光束のNA
を0.39とすると、アライメントパターン42の最外
周での格子間隔dは、m=1、λ=632.8nmのと
き、d=mλ/2NAから、ほぼ0.81μmとなる。
しかし、このdの値は、実現容易な値ではない。そこ
で、例えば、10次回折光を用いるようにすれば、最外
周での格子間隔dは、同じ条件で、ほぼ8.1μmとな
り、実現容易な値になる。この場合には、アライメント
用の各リングがブレーズ化されていなくても、隣接次数
光のノイズは、測定には全く影響しないので、多少の干
渉縞ノイズの発生は問題にならない。
隔について考察する。ここでも、簡単のため、ヌル原器
4の基板による屈折の効果は無視することにする。アラ
イメントパターン42の格子間隔は、参照光のNAによ
りほぼ決定される。例えば、アライメント用光束のNA
を0.39とすると、アライメントパターン42の最外
周での格子間隔dは、m=1、λ=632.8nmのと
き、d=mλ/2NAから、ほぼ0.81μmとなる。
しかし、このdの値は、実現容易な値ではない。そこ
で、例えば、10次回折光を用いるようにすれば、最外
周での格子間隔dは、同じ条件で、ほぼ8.1μmとな
り、実現容易な値になる。この場合には、アライメント
用の各リングがブレーズ化されていなくても、隣接次数
光のノイズは、測定には全く影響しないので、多少の干
渉縞ノイズの発生は問題にならない。
【0026】なお、上記の説明では、被検面5aを凸面
としたが、凹面の場合も同様にして測定することができ
る。この場合には、図4に示すように、ヌル原器4およ
び被検レンズ5を、参照レンズ3による集光点9に対し
て、干渉計本体とは反対側に配置すればよい。
としたが、凹面の場合も同様にして測定することができ
る。この場合には、図4に示すように、ヌル原器4およ
び被検レンズ5を、参照レンズ3による集光点9に対し
て、干渉計本体とは反対側に配置すればよい。
【0027】以上のように、この実施例によれば、調整
用のホログラム原器や高精度の機械的移動機構を要する
ことなく、ヌル原器4のアライメントパターン42から
の反射光と、参照球面3aからの参照光とによる干渉縞
を観察し、これがヌルフリンジとなるように、ヌル原器
4を位置調整することにより、自動的に測定用の測定用
領域4aをアライメントすることができるので、干渉測
定装置を簡単かつ安価にできると共に、測定も容易かつ
迅速に行うことができる。また、ヌル原器4の基板とし
て、円形の平行平板を用いているので、基板自体の精度
を高めることができると共に、この基板に回折格子を形
成する際の工程も容易にできる。したがって、ヌル原器
4を簡単かつ安価にできる。
用のホログラム原器や高精度の機械的移動機構を要する
ことなく、ヌル原器4のアライメントパターン42から
の反射光と、参照球面3aからの参照光とによる干渉縞
を観察し、これがヌルフリンジとなるように、ヌル原器
4を位置調整することにより、自動的に測定用の測定用
領域4aをアライメントすることができるので、干渉測
定装置を簡単かつ安価にできると共に、測定も容易かつ
迅速に行うことができる。また、ヌル原器4の基板とし
て、円形の平行平板を用いているので、基板自体の精度
を高めることができると共に、この基板に回折格子を形
成する際の工程も容易にできる。したがって、ヌル原器
4を簡単かつ安価にできる。
【0028】図5は、この発明の第2実施例を示すもの
である。この実施例は、ヌル原器14を、一方の面が凹
面、他方の面が平面の、例えば石英よりなる平凹形状の
基板を用いて構成し、このヌル原器14をその凹面が干
渉計本体側に位置するように、参照レンズ3による参照
光の集光点9よりも被検レンズ5側に配置して、凹面の
非球面よりなる被検面5aの形状を測定するようにした
もので、その他の構成は第1実施例と同様である。
である。この実施例は、ヌル原器14を、一方の面が凹
面、他方の面が平面の、例えば石英よりなる平凹形状の
基板を用いて構成し、このヌル原器14をその凹面が干
渉計本体側に位置するように、参照レンズ3による参照
光の集光点9よりも被検レンズ5側に配置して、凹面の
非球面よりなる被検面5aの形状を測定するようにした
もので、その他の構成は第1実施例と同様である。
【0029】ヌル原器14は、外形的に、一方の面を凹
面、他方の面を平面とする点を除いて、第1実施例のヌ
ル原器4と同様に構成する。すなわち、図6に被検レン
ズ5側から見た平面図を示すように、被検面5aの測定
に対応する測定用領域14aに、1次回折光に対してブ
レーズ化して、所定のピッチ分布を持つ同心のリングパ
ターンよりなる透過型の測定用回折格子41を形成する
と共に、その外側の測定に対応しない輪帯状の領域14
bに、測定用回折格子41の同心リングパターンの中心
と同心的に、1次回折光に対してブレーズ化して反射型
の回折格子からなるアライメントパターン42を形成す
る。また、凹面側には、不要反射光の発生を防止するた
めに、反射防止膜をコーティングする。
面、他方の面を平面とする点を除いて、第1実施例のヌ
ル原器4と同様に構成する。すなわち、図6に被検レン
ズ5側から見た平面図を示すように、被検面5aの測定
に対応する測定用領域14aに、1次回折光に対してブ
レーズ化して、所定のピッチ分布を持つ同心のリングパ
ターンよりなる透過型の測定用回折格子41を形成する
と共に、その外側の測定に対応しない輪帯状の領域14
bに、測定用回折格子41の同心リングパターンの中心
と同心的に、1次回折光に対してブレーズ化して反射型
の回折格子からなるアライメントパターン42を形成す
る。また、凹面側には、不要反射光の発生を防止するた
めに、反射防止膜をコーティングする。
【0030】この実施例において、参照レンズ3の参照
球面3aで生成された球面波は、集光点9に集光したの
ち、ヌル原器14の凹面に入射して屈折される。このヌ
ル原器14の凹面で屈折作用を受けた光束のうち、測定
用領域14aに入射した光束は、第1実施例におけると
同様に、測定用回折格子41により波面変換されて、被
検面5aにほぼ垂直に入射し、ここで反射される光は、
往路と同一光路を辿って干渉計本体に戻り、参照球面3
aで反射された参照光と干渉して、干渉縞を形成する。
ここで、被検面5aに形状誤差があると、その誤差が干
渉縞の曲がりとして観測される。
球面3aで生成された球面波は、集光点9に集光したの
ち、ヌル原器14の凹面に入射して屈折される。このヌ
ル原器14の凹面で屈折作用を受けた光束のうち、測定
用領域14aに入射した光束は、第1実施例におけると
同様に、測定用回折格子41により波面変換されて、被
検面5aにほぼ垂直に入射し、ここで反射される光は、
往路と同一光路を辿って干渉計本体に戻り、参照球面3
aで反射された参照光と干渉して、干渉縞を形成する。
ここで、被検面5aに形状誤差があると、その誤差が干
渉縞の曲がりとして観測される。
【0031】一方、ヌル原器14の凹面で屈折作用を受
けた光束のうち、領域14bに入射した光束は、図5に
ハッチングを施して示すように、アライメントパターン
42で反射回折され、参照球面3aで反射された光束と
干渉縞を形成する。したがって、この実施例において
も、第1実施例におけると同様に、被検面5aの形状測
定に先立って、ヌル原器14のアライメントパターン4
2からの反射光と、参照球面3aからの参照光とによる
干渉縞を観察し、これがヌルフリンジとなるように、ヌ
ル原器14を位置調整して配置することにより、自動的
に、測定用領域14aをアライメントすることができ
る。
けた光束のうち、領域14bに入射した光束は、図5に
ハッチングを施して示すように、アライメントパターン
42で反射回折され、参照球面3aで反射された光束と
干渉縞を形成する。したがって、この実施例において
も、第1実施例におけると同様に、被検面5aの形状測
定に先立って、ヌル原器14のアライメントパターン4
2からの反射光と、参照球面3aからの参照光とによる
干渉縞を観察し、これがヌルフリンジとなるように、ヌ
ル原器14を位置調整して配置することにより、自動的
に、測定用領域14aをアライメントすることができ
る。
【0032】次に、ヌル原器14を外形的に平凹形状と
した場合の作用について説明する。図7(a)は、図1
に示した平行平板状のヌル原器4を用いた場合の入出射
関係を示し、図7(b)は、この実施例の平凹形状のヌ
ル原器14を用いた場合の入出射関係を示す。図7
(a)および(b)において、ヌル原器4の光源側の面
への光束の入射角をθ、出射角をθ’、ヌル原器の被検
面側の出射角をθ”、ヌル原器の屈折率をn、空気の屈
折率を1とすると、図7(a)の場合には、スネルの法
則、
した場合の作用について説明する。図7(a)は、図1
に示した平行平板状のヌル原器4を用いた場合の入出射
関係を示し、図7(b)は、この実施例の平凹形状のヌ
ル原器14を用いた場合の入出射関係を示す。図7
(a)および(b)において、ヌル原器4の光源側の面
への光束の入射角をθ、出射角をθ’、ヌル原器の被検
面側の出射角をθ”、ヌル原器の屈折率をn、空気の屈
折率を1とすると、図7(a)の場合には、スネルの法
則、
【数2】sinθ’= sinθ/n から、θ’<θとなる。ここで、曲率の大きな被検面5
aに対応させるためには、θ”を大きくしなければなら
ないため、
aに対応させるためには、θ”を大きくしなければなら
ないため、
【数3】d( sinθ’− sinθ”)=mλ (m
は、回折次数) によって決まる測定用回折格子の格子間隔dが、かなり
小さくなる。
は、回折次数) によって決まる測定用回折格子の格子間隔dが、かなり
小さくなる。
【0033】これに対して、図7(b)の場合には、凹
面の曲率を適切に選ぶことにより、θ’>θとすること
ができるので、曲率の大きい被検面5aに対応するため
のパワーを、凹面と回折格子とで受けもつことが可能と
なり、これにより回折格子の格子間隔dを、図7(a)
の平行平板状のヌル原器4を用いた場合に比べて、大き
くすることができる。したがって、この実施例によれ
ば、第1実施例に比べて、測定用回折格子の製作が容易
になるという利点がある。
面の曲率を適切に選ぶことにより、θ’>θとすること
ができるので、曲率の大きい被検面5aに対応するため
のパワーを、凹面と回折格子とで受けもつことが可能と
なり、これにより回折格子の格子間隔dを、図7(a)
の平行平板状のヌル原器4を用いた場合に比べて、大き
くすることができる。したがって、この実施例によれ
ば、第1実施例に比べて、測定用回折格子の製作が容易
になるという利点がある。
【0034】図8は、この発明の第3実施例を示すもの
で、トワイマン・グリーン型干渉計に適用したものであ
る。この干渉計は、光源1、レンズ9,10、参照反射
球面13a、ヌル原器4、ハーフミラー6、瞳結像レン
ズ7およびスクリーン8を有し、被検レンズ5の凸面の
被検面5aの非球面形状を測定するものである。光源1
は、例えばHe−Neレーザを用いる。また、ヌル原器
4は、第1実施例におけると同様に、平行平板状の基板
の被検面5a側に、被検面5aに対応する有効径および
リング半径分布を有する測定用の透過型回折格子41
と、その外側にアライメントパターン42とを形成した
ものを用いる。
で、トワイマン・グリーン型干渉計に適用したものであ
る。この干渉計は、光源1、レンズ9,10、参照反射
球面13a、ヌル原器4、ハーフミラー6、瞳結像レン
ズ7およびスクリーン8を有し、被検レンズ5の凸面の
被検面5aの非球面形状を測定するものである。光源1
は、例えばHe−Neレーザを用いる。また、ヌル原器
4は、第1実施例におけると同様に、平行平板状の基板
の被検面5a側に、被検面5aに対応する有効径および
リング半径分布を有する測定用の透過型回折格子41
と、その外側にアライメントパターン42とを形成した
ものを用いる。
【0035】この実施例において、光源1から射出した
光束は、レンズ9,10により所定の径および収束角を
有する球面波に変換されてハーフミラー6に入射し、こ
こで反射光と透過光とに分離される。ハーフミラー6で
の反射光は、参照反射球面13aにほぼ垂直に入射し、
この参照反射球面13aでの反射光は参照波としてハー
フミラー6を透過し、瞳結像レンズ7によりスクリーン
8に投影される。なお、この参照波の光量を増加させる
場合には、参照反射球面13aに金属膜をコートすれば
よい。
光束は、レンズ9,10により所定の径および収束角を
有する球面波に変換されてハーフミラー6に入射し、こ
こで反射光と透過光とに分離される。ハーフミラー6で
の反射光は、参照反射球面13aにほぼ垂直に入射し、
この参照反射球面13aでの反射光は参照波としてハー
フミラー6を透過し、瞳結像レンズ7によりスクリーン
8に投影される。なお、この参照波の光量を増加させる
場合には、参照反射球面13aに金属膜をコートすれば
よい。
【0036】一方、ハーフミラー6での透過光は、ヌル
原器4に入射し、そのうち測定用の透過型回折格子41
に入射した光束は、そのリングパターンの半径分布に基
づいて波面変換されて、被検レンズ5の被検面5aにほ
ぼ垂直に入射する。この被検面5aで反射される光は、
ハーフミラー6で反射されて、瞳結像レンズ7によりス
クリーン8に投影され、参照反射球面13aで反射され
た参照光と干渉して、干渉縞を形成する。ここで、被検
面5aに形状誤差があると、それが干渉縞の曲がりとし
て観測される。
原器4に入射し、そのうち測定用の透過型回折格子41
に入射した光束は、そのリングパターンの半径分布に基
づいて波面変換されて、被検レンズ5の被検面5aにほ
ぼ垂直に入射する。この被検面5aで反射される光は、
ハーフミラー6で反射されて、瞳結像レンズ7によりス
クリーン8に投影され、参照反射球面13aで反射され
た参照光と干渉して、干渉縞を形成する。ここで、被検
面5aに形状誤差があると、それが干渉縞の曲がりとし
て観測される。
【0037】また、ヌル原器4のアライメントパターン
42に入射した光束は、ここで反射回折され、同様に、
ハーフミラー6で反射されて、瞳結像レンズ7によりス
クリーン8に投影され、参照反射球面13aで反射され
た参照光と干渉して、干渉縞を形成する。したがって、
この実施例においても、上述した実施例におけると同様
に、被検面5aの形状測定に先立って、ヌル原器4のア
ライメントパターン42からの反射光と、参照反射球面
13aからの参照光とによる干渉縞を観察し、これがヌ
ルフリンジとなるように、ヌル原器4を位置調整して配
置すれば、透過型回折格子41を有する測定用領域につ
いても自動的にアライメントすることができる。
42に入射した光束は、ここで反射回折され、同様に、
ハーフミラー6で反射されて、瞳結像レンズ7によりス
クリーン8に投影され、参照反射球面13aで反射され
た参照光と干渉して、干渉縞を形成する。したがって、
この実施例においても、上述した実施例におけると同様
に、被検面5aの形状測定に先立って、ヌル原器4のア
ライメントパターン42からの反射光と、参照反射球面
13aからの参照光とによる干渉縞を観察し、これがヌ
ルフリンジとなるように、ヌル原器4を位置調整して配
置すれば、透過型回折格子41を有する測定用領域につ
いても自動的にアライメントすることができる。
【0038】なお、この実施例では、被検面5aの非球
面形状を凸面としたが、凹面の場合も同様にして測定す
ることができる。この場合には、ヌル原器4および被検
レンズ5を、レンズ9,10により生成される球面波の
集光点に対して、干渉計本体とは反対側に配置すればよ
い。
面形状を凸面としたが、凹面の場合も同様にして測定す
ることができる。この場合には、ヌル原器4および被検
レンズ5を、レンズ9,10により生成される球面波の
集光点に対して、干渉計本体とは反対側に配置すればよ
い。
【0039】この実施例によれば、トワイマン・グリー
ン型の干渉計を用いているので、光源1から被検面5a
までの光路長と、光源1から参照反射球面13aまでの
光路長とをほぼ等しくすることができる。したがって、
光源1のコヒーレンス長に対する制限が少なくなるとい
う利点がある。
ン型の干渉計を用いているので、光源1から被検面5a
までの光路長と、光源1から参照反射球面13aまでの
光路長とをほぼ等しくすることができる。したがって、
光源1のコヒーレンス長に対する制限が少なくなるとい
う利点がある。
【0040】なお、この発明は、上述した実施例にのみ
限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能
である。例えば、ヌル原器の基板材料は、石英に限ら
ず、他の光学材料、例えばBSL7を用いることもでき
る。また、光源1は、He−Neレーザに限らず、他の
レーザ、例えばHe−CdレーザやArレーザを用いる
こともでき、その波長に応じてヌル原器や参照レンズ等
を設計することができる。なお、光源の波長は、短い
程、干渉計としての感度を上げる点で好ましいが、ヌル
原器の格子間隔は、短波長になる程、狭くなって製作に
高精度が要求されることになるので、干渉計としての必
要感度とヌル原器の製作性との両方の観点から、使用す
るレーザを選択すればよい。
限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能
である。例えば、ヌル原器の基板材料は、石英に限ら
ず、他の光学材料、例えばBSL7を用いることもでき
る。また、光源1は、He−Neレーザに限らず、他の
レーザ、例えばHe−CdレーザやArレーザを用いる
こともでき、その波長に応じてヌル原器や参照レンズ等
を設計することができる。なお、光源の波長は、短い
程、干渉計としての感度を上げる点で好ましいが、ヌル
原器の格子間隔は、短波長になる程、狭くなって製作に
高精度が要求されることになるので、干渉計としての必
要感度とヌル原器の製作性との両方の観点から、使用す
るレーザを選択すればよい。
【0041】さらに、上述した実施例では、ヌル原器の
アライメント用パターン領域を、測定用領域の外側に輪
帯状に形成したが、例えば、被検面が反射型望遠鏡の主
鏡のように、中心部に開口もしくは光の当たらない領域
があるような場合には、アライメント用パターン領域
を、測定用領域の内側に形成することもできる。
アライメント用パターン領域を、測定用領域の外側に輪
帯状に形成したが、例えば、被検面が反射型望遠鏡の主
鏡のように、中心部に開口もしくは光の当たらない領域
があるような場合には、アライメント用パターン領域
を、測定用領域の内側に形成することもできる。
【0042】付記 1.光源と、この光源からの光を参照光と測定光とに分
割すると共に、被検面で反射した測定光と前記参照光と
を合成して干渉縞を生じさせるための分割合成素子と、
この分割合成素子と前記被検面との間に配置された干渉
測定用ヌル原器とを有する非球面測定用干渉計におい
て、前記ヌル原器は、波面変換を行う領域以外の部分
に、反射型回折格子からなるアライメントパターンを有
することを特徴とする非球面測定用干渉計。 2.前記1記載の非球面測定用干渉計において、前記光
源から前記被検面に向かう光路中に参照球面を配置し、
この参照球面での反射光を参照光とし、透過光を前記被
検面に向かう測定光として、該参照球面を前記分割合成
素子としても機能させるよう構成したことを特徴とする
非球面測定用干渉計。 3.前記1記載の非球面測定用干渉計において、前記分
割合成素子を、前記光源からの光を参照球面に向かう参
照光と、前記被検面に向かう測定光とに分割すると共
に、前記参照球面で反射した参照光と、前記被検面で反
射した測定光とを合成するよう構成したことを特徴とす
る非球面測定用干渉計。 4.光源と、この光源からの光を参照光と測定光とに分
割すると共に、被検面で反射した測定光と前記参照光と
を合成して干渉縞を生じさせるための分割合成素子とを
有する干渉計を用いて前記被検面の形状を測定するため
に、前記分割合成素子と前記被検面との間に、波面変換
を行う領域と反射型回折格子からなるアライメントパタ
ーン領域とを有するヌル原器を配置するにあたり、前記
アライメントパターン領域からの反射光と前記参照光と
から得られる干渉縞に基づいて前記ヌル原器の位置を調
整することを特徴とするヌル原器の位置合わせ方法。
割すると共に、被検面で反射した測定光と前記参照光と
を合成して干渉縞を生じさせるための分割合成素子と、
この分割合成素子と前記被検面との間に配置された干渉
測定用ヌル原器とを有する非球面測定用干渉計におい
て、前記ヌル原器は、波面変換を行う領域以外の部分
に、反射型回折格子からなるアライメントパターンを有
することを特徴とする非球面測定用干渉計。 2.前記1記載の非球面測定用干渉計において、前記光
源から前記被検面に向かう光路中に参照球面を配置し、
この参照球面での反射光を参照光とし、透過光を前記被
検面に向かう測定光として、該参照球面を前記分割合成
素子としても機能させるよう構成したことを特徴とする
非球面測定用干渉計。 3.前記1記載の非球面測定用干渉計において、前記分
割合成素子を、前記光源からの光を参照球面に向かう参
照光と、前記被検面に向かう測定光とに分割すると共
に、前記参照球面で反射した参照光と、前記被検面で反
射した測定光とを合成するよう構成したことを特徴とす
る非球面測定用干渉計。 4.光源と、この光源からの光を参照光と測定光とに分
割すると共に、被検面で反射した測定光と前記参照光と
を合成して干渉縞を生じさせるための分割合成素子とを
有する干渉計を用いて前記被検面の形状を測定するため
に、前記分割合成素子と前記被検面との間に、波面変換
を行う領域と反射型回折格子からなるアライメントパタ
ーン領域とを有するヌル原器を配置するにあたり、前記
アライメントパターン領域からの反射光と前記参照光と
から得られる干渉縞に基づいて前記ヌル原器の位置を調
整することを特徴とするヌル原器の位置合わせ方法。
【0043】
【発明の効果】この発明によれば、ヌル原器の被検面の
測定に対応しない領域に、反射型の回折格子からなるア
ライメントパターンを形成したので、調整用のホログラ
ム原器や高精度の機械的移動機構を要することなく、ヌ
ル原器のアライメントパターンからの反射光と参照波と
の干渉縞を観測して、ヌル原器を位置決めすることによ
り、自動的にヌル原器の測定用領域をアライメントする
ことが可能となる。したがって、干渉測定装置を簡単か
つ安価にできると共に、測定も容易かつ迅速に行うこと
が可能となる。
測定に対応しない領域に、反射型の回折格子からなるア
ライメントパターンを形成したので、調整用のホログラ
ム原器や高精度の機械的移動機構を要することなく、ヌ
ル原器のアライメントパターンからの反射光と参照波と
の干渉縞を観測して、ヌル原器を位置決めすることによ
り、自動的にヌル原器の測定用領域をアライメントする
ことが可能となる。したがって、干渉測定装置を簡単か
つ安価にできると共に、測定も容易かつ迅速に行うこと
が可能となる。
【図1】この発明の第1実施例を示す図である。
【図2】図1に示すヌル原器の構成を説明するための図
である。
である。
【図3】図1の作用を説明するための図である。
【図4】第1実施例の変形例を説明するための図であ
る。
る。
【図5】この発明の第2実施例を示す図である。
【図6】図6に示すヌル原器の構成を説明するための図
である。
である。
【図7】図5の作用を説明するための図である。
【図8】この発明の第3実施例を説明するための図であ
る。
る。
1 光源 2 ビームエキスパンダ 3 参照レンズ 3a 参照球面 4 ヌル原器 4a 測定用領域 4b アライメント用パターン領域 5 被検レンズ 5a 被検面 6 ハーフミラー 7 瞳結像レンズ 8 スクリーン 41 測定用回折格子 42 アライメントパターン 43 反射膜
Claims (3)
- 【請求項1】 被検面の測定に対応しない領域に反射型
の回折格子からなるアライメントパターンを形成したこ
とを特徴とする非球面形状の干渉測定用ヌル原器。 - 【請求項2】 請求項1記載の干渉測定用ヌル原器にお
いて、前記被検面の測定に対応する領域は、所定のピッ
チ分布を持つ同心リングパターンよりなる透過型の回折
格子をもって構成し、その同心リングパターンの中心と
同心的に前記アライメントパターンを形成したことを特
徴とする非球面形状の干渉測定用ヌル原器。 - 【請求項3】 請求項2記載の干渉測定用ヌル原器にお
いて、少なくとも1つの面が屈折パワーを有することを
特徴とする非球面形状の干渉測定用ヌル原器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15599894A JPH0821712A (ja) | 1994-07-07 | 1994-07-07 | 非球面形状の干渉測定用ヌル原器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15599894A JPH0821712A (ja) | 1994-07-07 | 1994-07-07 | 非球面形状の干渉測定用ヌル原器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0821712A true JPH0821712A (ja) | 1996-01-23 |
Family
ID=15618110
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15599894A Pending JPH0821712A (ja) | 1994-07-07 | 1994-07-07 | 非球面形状の干渉測定用ヌル原器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0821712A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009088106A1 (ja) * | 2008-01-10 | 2009-07-16 | Nano-Optonics Research Institute, Inc. | 光学素子を製造するための研削装置、光学素子の製造方法、及び光学素子を製造するための金型または光学素子の形状・寸法を精密に測定する精密測定装置 |
JP2011242221A (ja) * | 2010-05-17 | 2011-12-01 | Fujifilm Corp | 回転対称非球面形状測定装置 |
-
1994
- 1994-07-07 JP JP15599894A patent/JPH0821712A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009088106A1 (ja) * | 2008-01-10 | 2009-07-16 | Nano-Optonics Research Institute, Inc. | 光学素子を製造するための研削装置、光学素子の製造方法、及び光学素子を製造するための金型または光学素子の形状・寸法を精密に測定する精密測定装置 |
JP2011242221A (ja) * | 2010-05-17 | 2011-12-01 | Fujifilm Corp | 回転対称非球面形状測定装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6344898B1 (en) | Interferometric apparatus and methods for measuring surface topography of a test surface | |
US11199396B2 (en) | Compensation optical system for an interferometric measuring system | |
US7072042B2 (en) | Apparatus for and method of measurement of aspheric surfaces using hologram and concave surface | |
US5757493A (en) | Interferometer with catadioptric imaging system having expanded range of numerical aperture | |
JP4195292B2 (ja) | 反射光学系及び反射屈折系を利用した結像システム | |
KR20180010213A (ko) | 이미징 광학 시스템용 측정 방법 및 측정 배열체 | |
JPH10512674A (ja) | 回折性光素子を使用するグレージング入射方式の面の干渉計測 | |
US5155554A (en) | Large aperture reflective interferometer for measuring convex spherical surfaces | |
US6930783B2 (en) | Method of aligning optical system using a hologram and apparatus therefor | |
US5424828A (en) | Method for measuring and analyzing interference fringes using a halographic optical element having two patterns for diffracting a laser beam | |
JP3242930B2 (ja) | 環状面の限界入射角での干渉計測法 | |
JPH08179202A (ja) | 紫外線結像光学システム | |
JPH0821712A (ja) | 非球面形状の干渉測定用ヌル原器 | |
US5052766A (en) | Halographic grating and optical device incorporating the same | |
JP5473743B2 (ja) | 軸外透過波面測定装置 | |
JP2000097620A (ja) | 干渉計 | |
JP2000097622A (ja) | 干渉計 | |
US11561476B1 (en) | UV lithography system | |
JP3067041B2 (ja) | ホログラム干渉計 | |
JP2000097650A (ja) | 非球面形状測定装置 | |
JP3010085B2 (ja) | ホログラム干渉計 | |
JPH116784A (ja) | 非球面形状測定装置および測定方法 | |
JP3164127B2 (ja) | ホログラム干渉計 | |
JPS60100734A (ja) | 反射面の光学的形を試験する装置 | |
JP3010088B2 (ja) | ホログラム干渉計 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040511 |