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JPH0820394B2 - 湿度センサ - Google Patents

湿度センサ

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Publication number
JPH0820394B2
JPH0820394B2 JP62261857A JP26185787A JPH0820394B2 JP H0820394 B2 JPH0820394 B2 JP H0820394B2 JP 62261857 A JP62261857 A JP 62261857A JP 26185787 A JP26185787 A JP 26185787A JP H0820394 B2 JPH0820394 B2 JP H0820394B2
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JP
Japan
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electrode
humidity sensor
phosphate
film
moisture sensitive
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Expired - Lifetime
Application number
JP62261857A
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English (en)
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JPH01105153A (ja
Inventor
謙太郎 長野
喜夫 盛屋
隆司 小嶋
和弘 石倉
康夫 今井
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Nihon Parkerizing Co Ltd
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nihon Parkerizing Co Ltd filed Critical Nihon Parkerizing Co Ltd
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Priority to EP19880116737 priority patent/EP0311939A3/en
Priority to US07/256,007 priority patent/US5028906A/en
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Publication of JPH0820394B2 publication Critical patent/JPH0820394B2/ja
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
  • Non-Adjustable Resistors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は湿度センサ,水分結露センサおよび雨滴セ
ンサ等として使用される湿度センサ(広義)に関する。
[従来の技術] 従来,湿度等を検出する湿度センサとしては,毛髪湿
度計,感湿球温度計あるいは塩化リチウムセンサなどが
あり,自動車,航空機等に使用される防曇ガラスの曇り
止め制御等を行うためのセンサとして広く使用されてい
る。
ところが,従来のものは保守に手間がかかる上に信頼
性にも問題があり,実用性の点で満足できるものではな
かった。
そこで,最近では,第15図(イ)に示すように焼結し
た半導体セラミックスの感湿体1に電極2,2′を配置し
たものや,(ロ)に示すように電気絶縁性の基板7に感
湿体1を被覆し,これに電極2,2′を設けた湿度センサ
が開発され,実用化されているものもある。なお,3は端
末電極、4はリード線,5は電極端末処理部,6はハンダ付
け,8は電気溶接である。
[発明が解決しようとする問題点] ところで、半導体セラミックス感湿体1は,原料の酸
化物混合粉体を高圧下でプレス成形の上,高温で焼成し
て焼結体に造られる。このため,原料調合,プレス成
形,高温焼成の工程等の工程を必要とし,一方,基板に
被覆される感湿体のセンサでは,原料調合,溶射あるい
は印刷および焼き付けの工程を必要とする。これらの工
程は経験と高度の熟練を要する工程であると共にプレス
機械,焼成炉,あるいは溶射機,印刷機などの高価な製
造装置を使用しなければならない。尚,感湿体を被覆さ
せる電気絶縁性の基板にはアルミナ基板や耐熱ガラス基
板が使われている。
このように感湿体の原料に酸化物混合粉体を使用した
り,セラミックや耐熱ガラス基板を使用し,高価な製造
装置によって,複雑な工程を経て造られる感湿体は製造
コストが高いため,湿度センサの普及を遅らせる一因に
なっている。
このようにして造られたセンサの感湿体1は湿度に対
する電気抵抗が大きいので,外部の電子回路に接続して
抵抗値の計測を行えるようにするには,対向電極2を図
示のように櫛形構造として電極の対向部分を長くし電極
間の抵抗値を下げるように工夫されている。この櫛形電
極は端末電極3に接続され,外部電極回路に接続するた
めのリード4線と,電極端末処理部5においてハンダ付
け6または電気溶接8によって接着されている。櫛形構
造をした対向電極2は金ペーストまたはルテニウム酸化
物ペーストを感湿体1または基板7に印刷塗布し,焼成
して形成されるが、印刷技術ならびにペーストのにじみ
出しに制約されて電極間の間隔を所望の値にすることが
困難であり,0.3mm以下になると対向電極が短絡する恐れ
があった。このため,高価なペーストを使用し,熟練し
た印刷技術によっても電子回路の設計に要求される電極
間の抵抗値が得られない場合には,電極の数を増やした
り,電極を長くして抵抗値を小としなければならないた
め,センサの形状や小型化に制約を受けていた。
また,センサと外部の電子回路を接続するリードフレ
ームまたはリード線4を端末電極3に接着するには,前
もって銀または金ペーストを印刷焼成した電極端末処理
部5が設けられるが,この部分にハンダ付けを行うと
き,使用されるフラックスが感湿体に飛散侵入して感湿
体1の性能に悪影響を与えるので,事前に感湿体1を汚
染から守る方法を講じるか,ハンダ付け後に汚染を除去
する処置を施す必要があった。いずれの場合も面倒な工
程が入ることになり,生産性,製品の歩留まりを下げる
原因となっていた。一方,電気溶接8による接着を行う
場合は,フラックスによる悪影響は受けないが,完全に
接着されているか否かの判断が困難のため製品として出
荷後に導通不良などの問題を起こす恐れがあった。従っ
て,いずれの場合もセンサの端末電極3にリードフレー
ムまたはリード線4を接着する工程はセンサの性能を低
下させたり,生産性や製品の歩留まりに影響を与える重
要な工程といえる。
上記のように従来の湿度センサは感湿体の製造コスト
が高く,また,その電気抵抗値が大のため抵抗値を小と
するために櫛形構造の対向電極が使用され,この電極構
造も高価な材料と高度の技術を必要とするので,センサ
の製造コストを上げ,小型化を進める障害となってい
た。さらに,センサと外部電子回路を接続するのに必要
な電極端末処理がセンサの性能を低下させたり,生産性
や製品の歩留まりの低下を招き,製造コストの上昇の原
因になっていた。
この発明は上記のような従来の湿度センサが持つ問題
点を解決した湿度センサを提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] この発明は,金属電極,対向電極,感湿体の被覆の方
法に工夫を施して構成した湿度センサによって,前記課
題を解決できるようにしたものである。
[実施例] 参考例1: 第1図はこの発明の湿度センサの参考例を示す。同図
(イ)〜(ニ)はその製造の過程をしめすための図であ
る。同図(イ)に示すような大きさが,たとえば10mm×
10mm×0.6mmの亜鉛メッキ鋼板9を打ち抜き,成形し
て,この表面上に感湿体10として被覆した第1の金属電
11を形成する。なお,この感湿体10はカルシウム,亜
鉛系のZn2Ca(PO4)2・2H2O(Scholzite)であり,金属電
極への被覆は脱脂剤パルクリンN364S(日本パーカライ
ジング製:以下当社製という)の60℃温浴中に10分間浸
漬し,流水洗浄後10%の塩酸水溶液に浸して亜鉛メッキ
の表層を溶出清浄化し,再び,水洗浄化後,化成処理剤
フェリコート(当社製)の95〜98℃化成浴中に10分間浸
漬し,化成処理で行われた。処理後,十分に水洗し,乾
燥炉中で100℃,5分間の水切り乾燥を行い,厚さ15μの
感湿皮膜を被覆した金属電極11を製造した。対向電極13
は同図(ロ)に示すように,厚さ0.3mmのバネ用のリン
青銅から11mm×7mmmの大きさに打ち抜き,成形され,そ
の両面にはたとえば直径が0.4mmφで,84個という複数個
の通気孔12を形成している。この対向電極13の内方に金
属電極11を挟むように装着して同図(ハ)に示す固定金
具14により同図(ニ)に示すように固着して参考例の湿
度センサは構成される。
なお,4は電極端末リード線でたとえば,0.3mm×0.5mm
×10mmの大きさのものが使われる。対向電極13として,
上記のように弾性材料が選ばれ,同図(ロ)に示すよう
に外側に反らせた形状に形成することにより固定金具14
で電極11を電極13内に挟着し固定したとき感湿体10と対
向電極13が適当な圧力で接触するようにしている。
なお,対向電極13に設けられた通気孔12は,湿分が感
湿体10に容易に到達できるようにするためのもので,こ
のようにする代わりに,または,これに加えて,対向電
極の縁をジグザグとなるように形成して接触辺の長さが
長くなるようにしても良い。
また,対向電極13は同図(ロ)に示すように1枚の電
極を2つ折りした構成とし,この内方に金属電極を装着
した場合について述べたが,これに代えて対向電極13
1枚で構成し,単に金属電極11に重ねて両者を固着する
ようにしても良い。
湿分を吸着した感湿体10は湿分の量に応じて電気抵抗
が変化するので,リード線4を外部の抵抗計測回路(省
略)に接続して両電極1113間の感湿体10の厚さ方向の
電気抵抗を読み取ることにより,湿度の変化を計測する
ことができる。このリン酸塩皮膜により成る感湿体10は
10μオーダーの非常に薄い皮膜であるため,その抵抗値
は従来の櫛形電極を使用したものを計測して得られる面
抵抗値に比べて遥かに小さい値となる。
第1図において,電極11に亜鉛メッキの鉄成形体が使
用されている理由は,感湿体に用いたリン酸塩皮膜を化
成処理で被覆するのに適しているからである。この他,
鉄,銅,ニッケルおよびステンレスもリン酸塩皮膜の形
成ができるため,金属電極として使用できる。
一方,対向電極13としてリン青銅が使用されている理
由は,感湿体と対向電極の接触抵抗を低く,かつ,変動
を少なく担持することができる点にあり,この目的に沿
う材料であればこれに限定されない。腐食が懸念される
環境では,ニッケルメッキあるいは金メッキその他の貴
金属メッキも効果がある。なお,対向電極にリン酸塩皮
膜を被覆すれば,金属電極の感湿体が薄い場合や皮膜の
一部が脱落したときに稀に見られる電極間の短絡事故を
未然に,完全に,防止できるばかりでなく,防錆対策と
しては最適な手段といえる。また,リン酸塩皮膜は鉄,
銅,ニッケルおよび亜鉛メッキ鉄材の表面に水溶液から
容易に析出した皮膜できるので,対向電極を被覆する感
湿体材料として安価な材料といえる。
この参考例のものについて湿度特性を1KHz,5Vの電源
を用いて測定した結果を,片対数曲線で第6図に示す。
同図に示すように感湿体10は相対湿度75%以下の低温度
域では高い抵抗値を示し,湿度変化に対して大きな変化
を示さないが,高湿度域では急激に抵抗値を変化してい
る。また,加湿時と除湿時で同じ湿度において抵抗値に
殆ど差は認められない。したがって,この湿度センサは
結露センサとして優れた性能をもっているといえる。第
7図はこの湿度センサの乾湿試験をRH70%RH100%の
条件で1,000回繰り返した後の抵抗値曲線を示し,同図
と第6図とを比較すれば判るように抵抗値は初期と終期
の実験で殆ど変化は見られず,安定性に優れている点が
判る。
この参考例においては,感湿体10が被覆された金属電
11と対向電極13は共に平板状であって,対向電極13
感湿体10の略全域に密着して皮膜を押圧している構造で
あるが,金属電極が円または楕円のように外側に突出す
るように弯曲した断面をもつ場合には,線状の対向電極
を金属電極に巻き付けて感湿体皮膜に接触させることが
できる。この場合には巻き付けた対向電極末端がそのま
ま電極端末リード線としてそのまま利用できるので,セ
ンサの構成は一層簡単になる。以下このようにした本発
明の各実施例について説明する。
実施例1: 第2図は,円柱状の金属電極11の表面(特に側面)に
亜鉛系リン酸塩Zn3(PO4)2・4H2O(Hopeite)皮膜を感湿
体10として被覆し,この金属電極を11に線状の対向電極
13を巻き付けて湿度センサを構成したものを示す。この
場合たとえば対向電極を構成する線としては,0.6mmφの
銅線を,また,金属電極11としては直径6mm,高さ12mmの
円柱状鉄材を用い,巻き付ける線の間隔を0.8mmとして
いる。同図において,15a,15bはたとえば2mmmφのプラス
チックス製の杭で,対向電極となる線の緩み止め用であ
る。
この場合,金属電極11には感湿体を被覆せず,その代
わりに感湿体となりリン酸塩皮膜を被覆した線状の対向
電極を用いるようにしても良い。
第8図および第9図はそれぞれこの実施例1の場合に
おける感湿特性および加湿,除湿を1,000回繰り返して
実験した場合の実測値で,参考例1と同等の作用が見ら
れる。
実施例2: 第3図は金属電極11と対向電極13の両者を線状電極と
して,その一方に感湿体10となるリン酸塩皮膜を被覆し
た上で,これらの電極を撚り合わせて湿度センサを構成
したものである。
具体例のものとしては,金属電極11としては0.4mmmφ
の鉄線を,また,対向電極13用としては,この鉄線にニ
ッケルメッキ1μ,金メッキ0.5μの厚さ被覆したもの
を,また,感湿体としてはマンガン系リン酸塩(Mn,Fe)5
H2(PO4)4・4H2O(Hureaulite)の皮膜を形成するよう参
考例1に準じて化成処理すれば良い。
第10図および第11図はそれぞれこの実施例2のものに
ついての感湿特性図および1,000回の加湿,除湿の繰り
返し後の実測値である。
実施例3: 第4図は,両電極1113のいずれか一方を複数本の撚
り線とした例で,線状対向電極としては鉄線,銅線,ニ
ッケル線,ニッケルクロム線,ステンレス線のいずれ
か,または,これらのいずれかの線に金メッキまたは白
金メッキを施した線とすることが,感湿体10との接触抵
抗を小さくし,撚り線にしたときに弾性的に感湿体を押
圧するので,接触抵抗の変動が少なくて,この構成に適
している。この場合の感湿特性は第12図のようになっ
た。
なお,この場合において,リン酸塩皮膜を被覆した金
属線を対向電極として使用できるのは勿論である。
実施例4: 第5図は(イ)→(ロ)→(ハ)→(ニ)に製造工程
を示すように,感湿体となるリン酸塩皮膜を被覆した1
本の金属線を2つ折り,撚り合わせて接触させ,この折
り曲げ部分を切断して,一方の線を金属電極11とし,他
方の電極を対向電極13とし,線の端末を電極末端リード
線4とした。この実施例は実施例中で一番簡単な湿度セ
ンサといえる。
この構成においても,感湿体10を被覆した線は1本で
ある必要はなく,2本以上の感湿体被覆線を折り曲げて撚
り合わせ,末端の複数の線を1本または複数の線とし,
残りの複数の線のグループに分けて,一方のグループを
金属電極として,他方のグループを対向電極とし折り曲
げ部分を切断するようにすれば湿度センサが構成でき
る。
第13図はこの場合における感湿特性を示す。この場合
は,同図に見られるように,加湿時と除湿時とで抵抗値
の変化が全く見られないためヒステリシスが生じない結
露素子として極めて良い性能のセンサとしての実利があ
る。
上記の各実施例の感湿体10はリン酸塩皮膜により構成
しており,化成処理法によって軟鋼板電極11の全面に被
覆している。この方法によれば,水溶液リン酸塩混浴に
軟鋼板を浸漬する簡単な工程で均一な厚さの皮膜を被覆
できる。化成処理法によるリン酸塩皮膜は鋼板に強固に
密着しており,しかも,皮膜には極微細孔が無数に分布
しているので,吸湿性,親水性に富み,この発明の感湿
体としてのリン酸塩皮膜の被覆に最も適した方法といえ
る。
化成処理法によって被覆が可能なリン酸塩皮膜を製造
可能なものとして次のものがある。
即ち,Zn3(PO4)2・4H2O(Hopeite),Zn2Fe(PO4)2・4
H2O(Phosphophyllite),Zn2Ca(PO4)2・2H2O(Scholzi
te),Zn3(PO4)2・2H2O,AlPO4・2H2O,AlPO4,Fe3(PO4)2
・8H2O(Vivianite),(Mn,Fe)5H2(PO4)4・4H2O(Hurea
ulite),FePO4・2H2O(Strengite),Fe5H2(PO4)4・4H
2O(Fe-Hureaulite),Mn5H2(PO4)4・4H2O(Mn-Hureaul
ite),CaHPO4・2H2O(Brushite),CaHPO4(Monetit
e)の内1種又は2種以上を主成分とするリン酸塩皮膜
を感湿体として金属電極11あるいは対向電極13の被覆に
適しているが,この発明のリン酸塩皮膜の被覆は化成処
理法に限定されるものではない。
たとえば,リン酸塩粉末あるいはリン酸塩ガラス粉末
を溶射被覆するか,また,これらをペーストインクに調
整して印刷・塗布するようにしても良い。また,従来,
感湿体として使用されている酸化物半導体皮膜を被覆す
るようにしても良い。
なお,リン酸塩皮膜の厚さは0.5〜120μとなることが
望ましく,金属電極あるいは対向電極が線状で,これを
撚り合わせたり,巻き付けたりする構造のときは0.5〜3
0μの厚さとなることが望ましい。何故なら,0.5μ以下
の膜厚の場合には,皮膜が途中で途切れて電極が露出す
る部分を生じて電極を接触したとき電極間の短絡が起こ
り易くなり,一方、120μ以上の膜厚の場合には皮膜の
表面の凹凸が増して感湿体と対向電極との接触が悪くな
る結果,電極間の電気抵抗が増大する。また,膜厚30μ
以上のものを撚り合わせる場合には皮膜が線から剥離・
脱落し易くなる。
なお,化成処理によって得られるリン酸塩皮膜の感湿
体は第6図,第7図に示すように高湿度の結露環境にお
いて片対数グラフ上において抵抗値が大きく変化するけ
れども,低湿度域ではイオンに解離し難い性質があるた
め,湿度変化に対応する電気抵抗の変化が小さいので,
以下に述べる方法により湿度センサに適した感湿体に改
良することに成功した。
即ち,化成処理皮膜には前記のように無数の極微細孔
が包含されていることに着目し,水に可溶なリン酸塩で
あるメタリン酸カリウムまたはメタリン酸ソーダまたは
ピロリン酸ソーダまたはピロリン酸カリウムまたはこれ
らの混合物やアルカリ塩またはアルカリ土類オルト二水
塩に属する塩の一つまたは複数の塩を水溶液またはアル
コール溶液にしてリン酸塩皮膜を被覆した金属電極また
は対向電極をこの液に浸漬し,皮膜の極微細孔に含浸さ
せた後,水分またはアルコールを蒸発させて水溶性リン
酸塩を得た。極微細孔に担持された可溶性のリン酸塩は
低い温度においても,イオンに解離して電極間の抵抗を
下げると共に,湿度の変化に対応する抵抗値の変化を大
きくして,湿度センサ用感湿体としての機能を十分に充
足する。水に可溶性のリン酸塩が担持される孔は微細で
あるため,水溶液化したリン酸塩液が流出することもな
く,耐久性には問題はない。
この可溶性のリン酸塩が微細孔に担持されているを示
したのが第14図である。同図(ロ)の金属電極1′に対
して被覆されたリン酸塩皮膜より成る感湿体10には,そ
の拡大図を同図(イ)に示すように無数の,無秩序な方
向を向いた微細孔16が形成されており,この各微細孔16
中に同図(ハ)の拡大断面図に示すように可溶性のリン
酸塩17が担持されているものである。このリン酸塩17が
存在する微細孔16には弁柄(Fe2O3)あるいはコロイド
状の磁性酸化鉄(Fe3O4)または半導体酸化物微粉を充
填させることもできる。即ち,弁柄をメタリン酸ソーダ
を溶かしたアルコール液に懸濁させ,その液を羽毛また
は筆でリン酸塩皮膜面に塗布すれば,弁柄粉末はアルコ
ールに運ばれて微細孔に入り,アルコールを蒸発させる
と弁柄粉末はメタリン酸ソーダによって微細孔に担持さ
れる。半導体酸化物,磁性酸化鉄の場合も同様である。
このようにして微細孔に担持された酸化物も湿度センサ
や結露センサの抵抗値を低くしたり,感度を調節するの
に効果がある。
(作用) この発明の湿度センサでは金属電極に感湿体を被覆
し,これに対して対向電極が接触する構成としているた
め,感湿体の略全面が対向電極と接触し,適確な湿度検
出が可能である。
また,この発明を針金状の金属電極と対向電極に適用
し,両電極を撚り合わせることにより湿度センサを構成
した場合にも,この撚り合わせた部分で感湿体と電極が
接触し,適確なの湿度検出を行うものである。
上記の構成における感湿体は,公知のどの感湿体を用
いても良いが,特に,化成処理によって得られるリン酸
塩皮膜を感湿体として採用すれば,リン酸塩皮膜中に包
含された多数の微細孔の優れた吸湿性,親水性の特性に
より極めて感度の良い,高精度の湿度センサの製作が可
能である。
さらに,微細孔に水溶性のリン酸塩あるいは酸化鉄を
含浸・担持するようにすれば,センサの抵抗値ヲ調整す
ることが可能なため,結露センサを湿度センサに変えて
使用することも可能となった。
なお,微細孔は微細な孔のため,この微細孔に担持さ
れる物質が流出することなく,長期の寿命が保証され
る。
(発明の効果) この発明の湿度センサは従来のもに比べ次のような優
れた効果を有する。
従来のもののような櫛形構造の電極は不要となり,
その結果,対向電極と感湿体の電気的な接触も電極全面
で行える点で優れている。
電極端末リード線を電極と一体的に形成できるた
め,リードフレームあるいはリード線を電極末端に接着
する端末処理が不要となった。(この端末処理はハンダ
付けまたは溶接で行うのが通常のため,ハンダ付け用の
フラックスによる感湿体の汚染や,溶接の良否の判定の
困難さといった厄介な工程となっており,この工程が省
略できる効果は生産性・品質の向上の観点から特筆すべ
き効果といえる) 化成処理法によって金属電極に被覆されたリン酸塩
皮膜を感湿体として採用する場合に,このリン酸塩は液
状の水にはごく僅かに溶けてイオンに解離し導電性を示
すが,水分の消失と共に可逆的にリン酸塩に復帰して導
電性を失うので,高湿度の環境で結露の有無を検知する
感湿体として優れた材料といえる。また,防錆処理剤と
して金属表面に長年リン酸塩皮膜を被覆している実績に
見られるごとく,この皮膜は環境に対する抵抗が強いの
で,この皮膜を感湿体とすれば,応答性の高い,耐久性
のある結露センサを造ることができる。
実施例1〜4の各場合のように、金属電極と対向電
極とを線状として撚り合わせて構成するものでは,撚り
合わせ部分が感湿部となり,電極の端末がそのまま端末
リード線を兼ねることができ,製作は極めて容易であ
り,安価にできる。
このような構造のものでは,線の太さを小さくすれ
ば,全体形状を著しく小型化でき,各種用途に適用でき
る。
このように小型,安価な湿度センサの製作が可能と
なつたため,幼児や寝たきり老人用のおむつ等使い捨て
商品に使う湿度センサとしても使用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は参考例を示す図面、第2図〜第5図は夫々この
発明の実施例1〜4の各場合を示す図面で、この内第1
図,第2図はそれぞれ斜視図、第3図〜第5図はそれぞ
れ平面図である。また,第6図〜第13図はそれぞれ上記
各実施例のものについての実験結果を示す特性図,第14
図は微細孔に担持された可溶性のリン酸塩の状況を示す
図で,(イ)は(ロ)の一部拡大図,(ロ)は正面図、
(ハ)は(イ)の縦断拡大図である。また,第15図は従
来例を示す斜視図である。 10……感湿体、11……金属電極 12……通気孔、13……対向電極 14……固定金具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石倉 和弘 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日本 パーカライジング株式会社内 (72)発明者 今井 康夫 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日本 パーカライジング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−58897(JP,A) 特開 昭57−17101(JP,A) 特開 昭59−47703(JP,A) 実開 昭57−41157(JP,U) 実開 昭55−118155(JP,U) 実公 昭54−37355(JP,Y2)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1電極となる金属電極と、第2電極とな
    る対向電極とを有し、前記金属電極と対向電極のいずれ
    か一方または両方の周面に感湿体の皮膜を被覆し、第2
    電極となる線状の対向電極を金属電極に巻き付けて感湿
    体の皮膜に電気的に接触するように構成され、かつ該第
    1電極および第2電極は各々1本または複数本の線より
    成り、これらの各電極を撚り合わせるようにしたことを
    特徴とする湿度センサ。
  2. 【請求項2】前記第2電極が金属である特許請求の範囲
    第1項記載の湿度センサ。
  3. 【請求項3】前記第1電極は前記金属電極とその電極端
    末リードが一体に構成され、前記第2電極は前記対向電
    極とその電極端末リードが一体に構成された特許請求の
    範囲第1項記載の湿度センサ。
  4. 【請求項4】前記第1電極及び第2電極は、各々1本ま
    たは複数本の線を折り曲げ、これらを撚り合わせた撚線
    を曲げ部分で切断し、撚線の端末部分で一方の1本また
    は複数本の線部と残りの1本または複数本の線部の二つ
    のグループに分け、一方のグループを前記第1電極とな
    る金属電極とし、他方のグループを第2電極となる対向
    電極とし、また線の端末とするようにした特許請求の範
    囲第1項記載の湿度センサ。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項ないし第4項のいず
    れかに記載の湿度センサにおいて、前記感湿体の皮膜が
    リン酸塩皮膜である湿度センサ。
  6. 【請求項6】前記リン酸塩皮膜がZn3(PO4)2・4H2O、Zn2
    Fe(PO4)2・4H2O、Zn2Ca(PO4)2・2H2O、Zn3(PO4)2・2H
    2O、AlPO4・2H2O、AlPO4、Fe3(PO4)2・8H2O、(Mn、F
    e)5H2(PO4)4・4H2O、FePO4・2H2O、Fe5H2(PO4)4・4H
    2O、Mn5H2(PO4)4・4H2O、CaHPO4・2H2O、CaHPO4の内1
    種または2種以上を主成分とする化成処理皮膜である特
    許請求の範囲第5項記載の湿度センサ。
  7. 【請求項7】前記リン酸塩皮膜中の微細孔が水溶性のア
    ルカリリン酸塩またはアルカリ土類オルト二水素リン酸
    塩の中から選ばれた一種類の塩または複数の塩の混合物
    またはメタリン酸カリウム、塩化リチウム等の感湿剤の
    一種または複数の混合物を担持するようにした特許請求
    の範囲第5項記載の湿度センサ。
  8. 【請求項8】前記リン酸塩皮膜中の微細孔が弁柄(Fe2O
    3)または磁性酸化鉄または半導体酸化物を担持するよ
    うにした特許請求の範囲第5項記載の湿度センサ。
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