JPH08189538A - ピンスライド型車両用ディスクブレーキのキャリパボディ支持構造 - Google Patents
ピンスライド型車両用ディスクブレーキのキャリパボディ支持構造Info
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- JPH08189538A JPH08189538A JP7002657A JP265795A JPH08189538A JP H08189538 A JPH08189538 A JP H08189538A JP 7002657 A JP7002657 A JP 7002657A JP 265795 A JP265795 A JP 265795A JP H08189538 A JPH08189538 A JP H08189538A
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- caliper
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Abstract
(57)【要約】
【目的】スライドピンの本数を少なく抑えながら、キャ
リパボディの変形や傾動を有効に抑制する。制動時のキ
ャリパボディをディスク軸方向へ円滑にスライドできる
ようにする。 【構成】キャリパブラケット3に、反ディスク方向へ突
出する第3スライドピン6を、キャリパボディ7の作用
部7aに、第3スライドピン6を収容する袋状の第3ガ
イド孔17を、ディスクロータ2の回転中心とキャリパ
ボディ7のパッド押圧中心Pとを結ぶディスク半径方向
線Rと、ディスク回出側の車体取付け孔3aとの間にオ
フセットして設ける。ディスク回出側のスライドピン5
とガイド孔10との間隙を、ディスク回入側のスライド
ピン4とガイド孔9との間隙や、第3スライドピン6と
第3ガイド孔17との間隙よりも大きく設定する。スラ
イドピン5の小径軸部5aに、ガイド孔10との間隙を
埋める環状の弾性ブッシュ18を嵌着する。
リパボディの変形や傾動を有効に抑制する。制動時のキ
ャリパボディをディスク軸方向へ円滑にスライドできる
ようにする。 【構成】キャリパブラケット3に、反ディスク方向へ突
出する第3スライドピン6を、キャリパボディ7の作用
部7aに、第3スライドピン6を収容する袋状の第3ガ
イド孔17を、ディスクロータ2の回転中心とキャリパ
ボディ7のパッド押圧中心Pとを結ぶディスク半径方向
線Rと、ディスク回出側の車体取付け孔3aとの間にオ
フセットして設ける。ディスク回出側のスライドピン5
とガイド孔10との間隙を、ディスク回入側のスライド
ピン4とガイド孔9との間隙や、第3スライドピン6と
第3ガイド孔17との間隙よりも大きく設定する。スラ
イドピン5の小径軸部5aに、ガイド孔10との間隙を
埋める環状の弾性ブッシュ18を嵌着する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の各種の走行
車両に用いられるディスクブレーキで、車体側のキャリ
パブラケットに、スライドピンを介してディスク軸方向
へスライド可能に支持されるキャリパボディの支持構造
に関する。
車両に用いられるディスクブレーキで、車体側のキャリ
パブラケットに、スライドピンを介してディスク軸方向
へスライド可能に支持されるキャリパボディの支持構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両に用いられる従来からの
一般的なピンスライド型のディスクブレーキとして、制
動時のキャリパボディをディスク軸方向へ案内するため
に、キャリパボディのディスク回入側と回出側とを、2
本のスライドピンを介してキャリパブラケットのキャリ
パ支持腕に支持する構造が知られているが、例えば特開
平6−294424号公報や、特開昭55−15592
8号公報では、スライドピンを3本乃至は3本以上とす
ることにより、キャリパボディの支持剛性を高めて、引
摺りトルクによるキャリパボディの傾動を抑制したり、
キャリパボディの重量を安定して支持することが提案さ
れている。
一般的なピンスライド型のディスクブレーキとして、制
動時のキャリパボディをディスク軸方向へ案内するため
に、キャリパボディのディスク回入側と回出側とを、2
本のスライドピンを介してキャリパブラケットのキャリ
パ支持腕に支持する構造が知られているが、例えば特開
平6−294424号公報や、特開昭55−15592
8号公報では、スライドピンを3本乃至は3本以上とす
ることにより、キャリパボディの支持剛性を高めて、引
摺りトルクによるキャリパボディの傾動を抑制したり、
キャリパボディの重量を安定して支持することが提案さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のスライドピン
は、キャリパボディとキャリパブラケットのいずれか一
方に突設され、他方にはスライドピンを収容するガイド
孔が穿設されるが、スライドピンの本数が増加するほ
ど、スライドピンとガイド孔との位置合わせがむずかし
くなり、加工や組付けに高い精度が要求される。
は、キャリパボディとキャリパブラケットのいずれか一
方に突設され、他方にはスライドピンを収容するガイド
孔が穿設されるが、スライドピンの本数が増加するほ
ど、スライドピンとガイド孔との位置合わせがむずかし
くなり、加工や組付けに高い精度が要求される。
【0004】また、制動時のキャリパボディやキャリパ
ブラケットが、摩擦パッドからの制動トルクや引摺りト
ルクによって、変形したり傾動することは避けられない
が、同時にこれらに設けられるスライドピンやガイド孔
にも曲げ変形等の影響があり、スライドピンの本数を増
加した場合に、キャリパボディの円滑なスライドが阻害
される虞がある。
ブラケットが、摩擦パッドからの制動トルクや引摺りト
ルクによって、変形したり傾動することは避けられない
が、同時にこれらに設けられるスライドピンやガイド孔
にも曲げ変形等の影響があり、スライドピンの本数を増
加した場合に、キャリパボディの円滑なスライドが阻害
される虞がある。
【0005】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、スライドピンの本
数を少なく抑えながら、キャリパボディの変形や傾動を
有効に抑制し、またキャリパボディをディスク軸方向へ
円滑にスライドさせることのできるピンスライド型車両
用ディスクブレーキのキャリパボディ支持構造を提供す
ることにある。
たもので、その目的とするところは、スライドピンの本
数を少なく抑えながら、キャリパボディの変形や傾動を
有効に抑制し、またキャリパボディをディスク軸方向へ
円滑にスライドさせることのできるピンスライド型車両
用ディスクブレーキのキャリパボディ支持構造を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、第1発明は、キャリパボディのブリッジ部をディス
クロータの外側に跨がせて、ブリッジ部の両側に連結さ
れたキャリパボディの作用部と反作用部とをディスクロ
ータの一側部と他側部とに配設し、該ディスクロータの
一側部で車体に固着されるキャリパブラケットから、前
記ブリッジ部のディスク回入側と回出側とを挟んで、デ
ィスクロータの外側を反作用部方向へ突出する一対のキ
ャリパ支持腕を延設し、両キャリパ支持腕と作用部のデ
ィスク回入及び回出側とに、ディスク軸方向のスライド
ピンと、該スライドピンを収容するガイド孔とを組合わ
せして設けて、前記キャリパボディをディスク軸方向へ
スライド可能に支持すると共に、前記作用部と反作用部
との間に前記ディスクロータを挟んで一対の摩擦パッド
を対向配置し、前記双方のキャリパ支持腕に、摩擦パッ
ドからの制動トルクを支承するトルク受け部を対向して
設けたピンスライド型車両用ディスクブレーキにおい
て、前記キャリパブラケットと前記作用部のいずれか一
方にディスク軸方向の第3スライドピンを、他方にこの
第3スライドピンを収容する第3ガイド孔を設けると共
に、これら第3スライドピンと第3ガイド孔との組合わ
せを、前記ディスクロータの回転中心と前記キャリパボ
ディのパッド押圧中心とを結ぶディスク半径方向線から
ディスク回出側へオフセットし、前記ディスク回出側の
ガイドピンとガイド孔との間隙を、前記第3ガイドピン
と第3ガイド孔との間隙と、前記ディスク回入側のガイ
ドピンとガイド孔との間隙よりも大きく設定する。
め、第1発明は、キャリパボディのブリッジ部をディス
クロータの外側に跨がせて、ブリッジ部の両側に連結さ
れたキャリパボディの作用部と反作用部とをディスクロ
ータの一側部と他側部とに配設し、該ディスクロータの
一側部で車体に固着されるキャリパブラケットから、前
記ブリッジ部のディスク回入側と回出側とを挟んで、デ
ィスクロータの外側を反作用部方向へ突出する一対のキ
ャリパ支持腕を延設し、両キャリパ支持腕と作用部のデ
ィスク回入及び回出側とに、ディスク軸方向のスライド
ピンと、該スライドピンを収容するガイド孔とを組合わ
せして設けて、前記キャリパボディをディスク軸方向へ
スライド可能に支持すると共に、前記作用部と反作用部
との間に前記ディスクロータを挟んで一対の摩擦パッド
を対向配置し、前記双方のキャリパ支持腕に、摩擦パッ
ドからの制動トルクを支承するトルク受け部を対向して
設けたピンスライド型車両用ディスクブレーキにおい
て、前記キャリパブラケットと前記作用部のいずれか一
方にディスク軸方向の第3スライドピンを、他方にこの
第3スライドピンを収容する第3ガイド孔を設けると共
に、これら第3スライドピンと第3ガイド孔との組合わ
せを、前記ディスクロータの回転中心と前記キャリパボ
ディのパッド押圧中心とを結ぶディスク半径方向線から
ディスク回出側へオフセットし、前記ディスク回出側の
ガイドピンとガイド孔との間隙を、前記第3ガイドピン
と第3ガイド孔との間隙と、前記ディスク回入側のガイ
ドピンとガイド孔との間隙よりも大きく設定する。
【0007】また第2発明では、キャリパボディのブリ
ッジ部をディスクロータの外側に跨がせて、ブリッジ部
の両側に連結されたキャリパボディの作用部と反作用部
とをディスクロータの一側部と他側部とに配設し、該デ
ィスクロータの一側部で車体に固着されるキャリパブラ
ケットから、前記ブリッジ部のディスク回入側と回出側
とを挟んで、ディスクロータの外側を反作用部方向へ突
出する一対のキャリパ支持腕を延設すると共に、両キャ
リパ支持腕の先端部をタイバーにて連結し、両キャリパ
支持腕と作用部のディスク回入及び回出側とに、ディス
ク軸方向のスライドピンと、該スライドピンを収容する
ガイド孔とを組合わせして設けて、前記キャリパボディ
をディスク軸方向へスライド可能に支持すると共に、前
記作用部と反作用部との間に前記ディスクロータを挟ん
で一対の摩擦パッドを対向配置し、前記キャリパ支持腕
に、摩擦パッドからの制動トルクを支承するトルク受け
部を対向して設けたピンスライド型車両用ディスクブレ
ーキにおいて、前記キャリパブラケットと前記作用部の
いずれか一方にディスク軸方向の第3スライドピンを、
他方にこの第3スライドピンを収容する第3ガイド孔を
設けると共に、該第3スライドピンと第3ガイド孔との
組合わせを、前記ディスクロータの回転中心と前記キャ
リパボディのパッド押圧中心とを結ぶディスク半径方向
線からディスク回出側へオフセットし、前記ディスク回
入側のガイドピンとガイド孔との間隙を、前記第3ガイ
ドピンと第3ガイド孔との間隙と、前記ディスク回出側
のガイドピンとガイド孔との間隙よりも大きく設定す
る。
ッジ部をディスクロータの外側に跨がせて、ブリッジ部
の両側に連結されたキャリパボディの作用部と反作用部
とをディスクロータの一側部と他側部とに配設し、該デ
ィスクロータの一側部で車体に固着されるキャリパブラ
ケットから、前記ブリッジ部のディスク回入側と回出側
とを挟んで、ディスクロータの外側を反作用部方向へ突
出する一対のキャリパ支持腕を延設すると共に、両キャ
リパ支持腕の先端部をタイバーにて連結し、両キャリパ
支持腕と作用部のディスク回入及び回出側とに、ディス
ク軸方向のスライドピンと、該スライドピンを収容する
ガイド孔とを組合わせして設けて、前記キャリパボディ
をディスク軸方向へスライド可能に支持すると共に、前
記作用部と反作用部との間に前記ディスクロータを挟ん
で一対の摩擦パッドを対向配置し、前記キャリパ支持腕
に、摩擦パッドからの制動トルクを支承するトルク受け
部を対向して設けたピンスライド型車両用ディスクブレ
ーキにおいて、前記キャリパブラケットと前記作用部の
いずれか一方にディスク軸方向の第3スライドピンを、
他方にこの第3スライドピンを収容する第3ガイド孔を
設けると共に、該第3スライドピンと第3ガイド孔との
組合わせを、前記ディスクロータの回転中心と前記キャ
リパボディのパッド押圧中心とを結ぶディスク半径方向
線からディスク回出側へオフセットし、前記ディスク回
入側のガイドピンとガイド孔との間隙を、前記第3ガイ
ドピンと第3ガイド孔との間隙と、前記ディスク回出側
のガイドピンとガイド孔との間隙よりも大きく設定す
る。
【0008】第1発明のディスク回出側のスライドピン
や、第2発明のディスク回入側のスライドピンには、そ
れぞれ弾性ブッシュを装着して、ガイド孔との間隙を埋
めるとよい。
や、第2発明のディスク回入側のスライドピンには、そ
れぞれ弾性ブッシュを装着して、ガイド孔との間隙を埋
めるとよい。
【0009】
【作用】キャリパ支持腕にトルク受け部を設けたピンス
ライド型ディスクブレーキ構造では、摩擦パッドに発生
した制動トルクが、ディスク回出側のキャリパ支持腕に
伝達される。このため、ディスク回出側のキャリパ支持
腕は、キャリパブラケットの支持剛性が高いディスクロ
ータ一側部の基部側に対し、キャリパブラケットの支持
剛性が低いディスクロータ他側部の先端側が、制動トル
クによってディスク回出方向へ大きく傾き、更にディス
ク回出側のスライドピンとガイド孔を介してキャリパボ
ディを傾動させようとするが、キャリパ支持腕の先端部
をタイバーで連結しない第1発明の構造では、ディスク
回出側のスライドピンとガイド孔との間隙を、他の2組
の間隙よりも大きく設定したことにより、ディスク回出
側のキャリパ支持腕が制動トルクで上述のように変形し
た場合に、この変形をディスク回出側のスライドピンと
ガイド孔との間隙が吸収するようになるので、キャリパ
支持腕の変形がキャリパボディへ伝わりにくくなり、キ
ャリパボディの挙動が極力抑制されるようになる。
ライド型ディスクブレーキ構造では、摩擦パッドに発生
した制動トルクが、ディスク回出側のキャリパ支持腕に
伝達される。このため、ディスク回出側のキャリパ支持
腕は、キャリパブラケットの支持剛性が高いディスクロ
ータ一側部の基部側に対し、キャリパブラケットの支持
剛性が低いディスクロータ他側部の先端側が、制動トル
クによってディスク回出方向へ大きく傾き、更にディス
ク回出側のスライドピンとガイド孔を介してキャリパボ
ディを傾動させようとするが、キャリパ支持腕の先端部
をタイバーで連結しない第1発明の構造では、ディスク
回出側のスライドピンとガイド孔との間隙を、他の2組
の間隙よりも大きく設定したことにより、ディスク回出
側のキャリパ支持腕が制動トルクで上述のように変形し
た場合に、この変形をディスク回出側のスライドピンと
ガイド孔との間隙が吸収するようになるので、キャリパ
支持腕の変形がキャリパボディへ伝わりにくくなり、キ
ャリパボディの挙動が極力抑制されるようになる。
【0010】更に、高速からのフルブレーキングや過大
な制動力によって、ディスク回出側のキャリパ支持腕が
通常よりも大きく変形し、ディスク回出側のスライドピ
ンに制動トルクが伝達された場合には、ディスク半径方
向線からディスク回出側へオフセットした第3スライド
ピンが、ディスク回出側のスライドピンの近傍で高い剛
性力でキャリパボディを支持するので、キャリパ支持腕
からの制動トルクを有効に支承して、キャリパボディの
傾動を極力抑制する。
な制動力によって、ディスク回出側のキャリパ支持腕が
通常よりも大きく変形し、ディスク回出側のスライドピ
ンに制動トルクが伝達された場合には、ディスク半径方
向線からディスク回出側へオフセットした第3スライド
ピンが、ディスク回出側のスライドピンの近傍で高い剛
性力でキャリパボディを支持するので、キャリパ支持腕
からの制動トルクを有効に支承して、キャリパボディの
傾動を極力抑制する。
【0011】また、キャリパ支持腕の先端部をタイバー
で連結した第2発明の構造では、制動トルクによるディ
スク回出側のキャリパ支持腕の変形が、ディスク回出側
のスライドピンとガイド孔を通してキャリパボディに伝
達されると共に、タイバーを通してディスク回入側のキ
ャリパ支持腕にも伝達され、キャリパボディを、作用部
側のディスク回入側と反作用部側のディスク回出側とが
ディスクロータへ近づくように傾動させようと作用す
る。キャリパ支持腕の変形は、制動トルクを直接受ける
ディスク回出側で大きく、タイバーを通して牽引される
ディスク回入側では小さく減衰するため、キャリパボデ
ィのディスク回入側と回出側とでは異なった挙動とな
り、キャリパボディに不均一な応力を与えようとする
が、ディスク回入側のスライドピンとガイド孔との間隙
を、他の2組の間隙よりも大きく設定したことにより、
ディスク回入側のキャリパ支持腕の変形をスライドピン
とガイド孔との間隙が吸収するので、キャリパボディは
全体的に傾動はするものの、不均一な応力が作用しにく
くなる。
で連結した第2発明の構造では、制動トルクによるディ
スク回出側のキャリパ支持腕の変形が、ディスク回出側
のスライドピンとガイド孔を通してキャリパボディに伝
達されると共に、タイバーを通してディスク回入側のキ
ャリパ支持腕にも伝達され、キャリパボディを、作用部
側のディスク回入側と反作用部側のディスク回出側とが
ディスクロータへ近づくように傾動させようと作用す
る。キャリパ支持腕の変形は、制動トルクを直接受ける
ディスク回出側で大きく、タイバーを通して牽引される
ディスク回入側では小さく減衰するため、キャリパボデ
ィのディスク回入側と回出側とでは異なった挙動とな
り、キャリパボディに不均一な応力を与えようとする
が、ディスク回入側のスライドピンとガイド孔との間隙
を、他の2組の間隙よりも大きく設定したことにより、
ディスク回入側のキャリパ支持腕の変形をスライドピン
とガイド孔との間隙が吸収するので、キャリパボディは
全体的に傾動はするものの、不均一な応力が作用しにく
くなる。
【0012】第1発明と第2発明におけるキャリパボデ
ィは、ディスク回入側または回出側で間隙を大きく設定
したスライドピンとガイド孔とが、キャリパボディのデ
ィスク回入側または回出側の重量を線接触で支え、キャ
リパボディのディスク軸方向のスライドは、残りの2組
のスライドピンとガイド孔とが案内するようになるの
で、キャリパボディを良好にスライドさせることがで
き、またスライドピンとガイド孔の加工や組付けにさほ
どの高い精度が必要なくなる。
ィは、ディスク回入側または回出側で間隙を大きく設定
したスライドピンとガイド孔とが、キャリパボディのデ
ィスク回入側または回出側の重量を線接触で支え、キャ
リパボディのディスク軸方向のスライドは、残りの2組
のスライドピンとガイド孔とが案内するようになるの
で、キャリパボディを良好にスライドさせることがで
き、またスライドピンとガイド孔の加工や組付けにさほ
どの高い精度が必要なくなる。
【0013】また、第1及び第2発明では、摩擦パッド
からの制動反力によって、作用部と反作用部とが反ディ
スク方向へ押戻され、キャリパボディがブリッジ部を支
点にハの字状に開き変形をしようとした場合に、ディス
ク回出側のキャリパ支持腕からの制動トルクが作用する
ディスク回出側へオフセットした第3スライドピンが、
作用部の変形を有効に阻止するようになる。
からの制動反力によって、作用部と反作用部とが反ディ
スク方向へ押戻され、キャリパボディがブリッジ部を支
点にハの字状に開き変形をしようとした場合に、ディス
ク回出側のキャリパ支持腕からの制動トルクが作用する
ディスク回出側へオフセットした第3スライドピンが、
作用部の変形を有効に阻止するようになる。
【0014】第1発明のディスク回出側のスライドピン
と、第2発明のディスク回入側のスライドピンには、そ
れぞれのガイド孔との間隙を埋める弾性ブッシュを装着
することにより、走行時や制動初期にスライドピンがガ
タ付いたり当接音を発生することがなくなる。
と、第2発明のディスク回入側のスライドピンには、そ
れぞれのガイド孔との間隙を埋める弾性ブッシュを装着
することにより、走行時や制動初期にスライドピンがガ
タ付いたり当接音を発生することがなくなる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1乃至図3に
基づいて説明する。
基づいて説明する。
【0016】ディスクブレーキ1は、車両の走行時に矢
印A方向へ回転するディスクロータ2と、該ディスクロ
ータ2の一側部で車体に固着されるキャリパブラケット
3と、該キャリパブラケット3に、3本のスライドピン
4,5,6を介してディスク軸方向へスライド可能に支
持されるキャリパボディ7と、キャリパボディ7の作用
部7aと反作用部7bとの間に、ディスクロータ2を挟
んで対向配置される一対の摩擦パッド8,8とを持って
いる。
印A方向へ回転するディスクロータ2と、該ディスクロ
ータ2の一側部で車体に固着されるキャリパブラケット
3と、該キャリパブラケット3に、3本のスライドピン
4,5,6を介してディスク軸方向へスライド可能に支
持されるキャリパボディ7と、キャリパボディ7の作用
部7aと反作用部7bとの間に、ディスクロータ2を挟
んで対向配置される一対の摩擦パッド8,8とを持って
いる。
【0017】キャリパブラケット3は、ディスクロータ
2の一側部で車体取付け孔3a,3aに挿通される固定
ボルトを、車体(いずれも図示せず)にねじ止めして固
着されており、キャリパブラケット3の両端には、ディ
スクロータ2の外側を跨いでキャリパボディ7のブリッ
ジ部7cのディスク回入側と回出側を挟みながら、作用
部7b方向へ突出する一対のキャリパ支持腕3b,3c
が延設されている。キャリパ支持腕3b,3cの対向面
には、段状のトルク受け部3d,3dがディスクロータ
2の両側に分断して設けられ、キャリパ支持腕3b,3
cの内部に袋状のガイド孔9,10が作用部側に開口し
て形成されると共に、キャリパブラケット3には、ディ
スクロータ2の回転中心とキャリパボディ7のパッド押
圧中心Pとを結ぶディスク半径方向線Rと、ディスク回
出側の車体取付け孔3aとの間に、第3スライドピン6
が反ディスク方向へ向けて突設されている。
2の一側部で車体取付け孔3a,3aに挿通される固定
ボルトを、車体(いずれも図示せず)にねじ止めして固
着されており、キャリパブラケット3の両端には、ディ
スクロータ2の外側を跨いでキャリパボディ7のブリッ
ジ部7cのディスク回入側と回出側を挟みながら、作用
部7b方向へ突出する一対のキャリパ支持腕3b,3c
が延設されている。キャリパ支持腕3b,3cの対向面
には、段状のトルク受け部3d,3dがディスクロータ
2の両側に分断して設けられ、キャリパ支持腕3b,3
cの内部に袋状のガイド孔9,10が作用部側に開口し
て形成されると共に、キャリパブラケット3には、ディ
スクロータ2の回転中心とキャリパボディ7のパッド押
圧中心Pとを結ぶディスク半径方向線Rと、ディスク回
出側の車体取付け孔3aとの間に、第3スライドピン6
が反ディスク方向へ向けて突設されている。
【0018】キャリパボディ7は、ディスクロータ2の
一側部に配設される作用部7aと、ディスクロータ2の
他側部に配設される反作用部7bと、これらをディスク
ロータ2の外側を跨いで連結するブリッジ部7cとから
なっている。作用部7aには、ディスクロータ側へ開口
するシリンダ孔11と、該シリンダ孔11の底壁7dに
開口するユニオン孔12及びブリーダ孔13と、ディス
クロータ2の側面と平行に突出する3つの取付け腕7
e,7f,7gとが設けられ、反作用部7bには、一対
の反力爪7h,7hが一体形成されている。
一側部に配設される作用部7aと、ディスクロータ2の
他側部に配設される反作用部7bと、これらをディスク
ロータ2の外側を跨いで連結するブリッジ部7cとから
なっている。作用部7aには、ディスクロータ側へ開口
するシリンダ孔11と、該シリンダ孔11の底壁7dに
開口するユニオン孔12及びブリーダ孔13と、ディス
クロータ2の側面と平行に突出する3つの取付け腕7
e,7f,7gとが設けられ、反作用部7bには、一対
の反力爪7h,7hが一体形成されている。
【0019】シリンダ孔8にはコップ状のピストン14
が内挿され、該ピストン14とシリンダ孔11の底壁7
dとの間に、液圧室15が画成される。また、ディスク
回入側と回出側の取付け腕7e,7fには、上述のスラ
イドピン4,5が、取付けボルト16を用いて反作用部
方向へ突設され、更にキャリパブラケット3の第3スラ
イドピン6と同位置へ突出する中間の取付け腕7gに
は、袋状の第3ガイド孔17がディスクロータ側に開口
して設けられており、キャリパボディ7は、ディスク回
入及び回出側のスライドピン4,5を、キャリパ支持腕
3b,3cのガイド孔9,10に挿通し、中間の第3ガ
イド孔17にキャリパブラケット3の第3スライドピン
6を収容して、前述の如くディスク軸方向へスライド可
能に支持される。
が内挿され、該ピストン14とシリンダ孔11の底壁7
dとの間に、液圧室15が画成される。また、ディスク
回入側と回出側の取付け腕7e,7fには、上述のスラ
イドピン4,5が、取付けボルト16を用いて反作用部
方向へ突設され、更にキャリパブラケット3の第3スラ
イドピン6と同位置へ突出する中間の取付け腕7gに
は、袋状の第3ガイド孔17がディスクロータ側に開口
して設けられており、キャリパボディ7は、ディスク回
入及び回出側のスライドピン4,5を、キャリパ支持腕
3b,3cのガイド孔9,10に挿通し、中間の第3ガ
イド孔17にキャリパブラケット3の第3スライドピン
6を収容して、前述の如くディスク軸方向へスライド可
能に支持される。
【0020】ディスク回出側のスライドピン5とガイド
孔10との間隙は、ディスク回入側のスライドピン4と
ガイド孔9との間隙や、第3スライドピン6と第3ガイ
ド孔17との間隙よりも大きく設定されている。また、
ディスク回出側のスライドピン5には、先端側の小径軸
部5aに、ガイド孔10との間隙を埋める環状の弾性ブ
ッシュ18が嵌着されており、走行時や制動初期にスラ
イドピン5がガイド孔10をガタ付いたり当接音を発生
することがないようにしている。
孔10との間隙は、ディスク回入側のスライドピン4と
ガイド孔9との間隙や、第3スライドピン6と第3ガイ
ド孔17との間隙よりも大きく設定されている。また、
ディスク回出側のスライドピン5には、先端側の小径軸
部5aに、ガイド孔10との間隙を埋める環状の弾性ブ
ッシュ18が嵌着されており、走行時や制動初期にスラ
イドピン5がガイド孔10をガタ付いたり当接音を発生
することがないようにしている。
【0021】摩擦パッド8は、ディスクロータ2の側面
と摺接するライニング19と、キャリパ支持腕3b,3
cに係止される金属製の裏板20とからなっている。裏
板20の両側部には、耳片20a,20aが突設されて
おり、各摩擦パッド8は、耳片20a,20aをキャリ
パ支持腕3b,3cのトルク受け部3d,3dに係止し
て、該トルク受け部3d,3d上をディスク軸方向へス
ライド可能に吊持される。
と摺接するライニング19と、キャリパ支持腕3b,3
cに係止される金属製の裏板20とからなっている。裏
板20の両側部には、耳片20a,20aが突設されて
おり、各摩擦パッド8は、耳片20a,20aをキャリ
パ支持腕3b,3cのトルク受け部3d,3dに係止し
て、該トルク受け部3d,3d上をディスク軸方向へス
ライド可能に吊持される。
【0022】このような構成から制動操作が行なわれる
と、ユニオン孔12から液圧室15へ昇圧した作動液が
供給され、ピストン14がディスクロータ2方向へ前進
して、作用部7a側の摩擦パッド8を押動し、該パッド
8のライニング19を、ディスクロータ2の一側面へ押
圧する。次に、この反作用でキャリパボディ7が作用部
7a方向へ移動して、反力爪7h,7hが反作用部7b
側の摩擦パッド8を押動し、該パッド8のライニング1
9を、ディスクロータ2の他側面へ押圧して、制動作用
が行なわれる。
と、ユニオン孔12から液圧室15へ昇圧した作動液が
供給され、ピストン14がディスクロータ2方向へ前進
して、作用部7a側の摩擦パッド8を押動し、該パッド
8のライニング19を、ディスクロータ2の一側面へ押
圧する。次に、この反作用でキャリパボディ7が作用部
7a方向へ移動して、反力爪7h,7hが反作用部7b
側の摩擦パッド8を押動し、該パッド8のライニング1
9を、ディスクロータ2の他側面へ押圧して、制動作用
が行なわれる。
【0023】制動時の摩擦パッド8,8は、ディスクロ
ータ2とライニング19,19との摺接によってディス
ク回出方向へ引摺られ、各裏板20のディスク回出側の
側端面がトルク受け部3d,3dと当接して、摩擦パッ
ド8,8に発生した制動トルクがディスク回出側のキャ
リパ支持腕3cへ伝達されていく。
ータ2とライニング19,19との摺接によってディス
ク回出方向へ引摺られ、各裏板20のディスク回出側の
側端面がトルク受け部3d,3dと当接して、摩擦パッ
ド8,8に発生した制動トルクがディスク回出側のキャ
リパ支持腕3cへ伝達されていく。
【0024】このため、ディスク回出側のキャリパ支持
腕3cは、キャリパブラケット3による支持剛性が低い
先端側が、制動トルクによってディスク回出方向へ大き
く傾き、更にディスク回出側のスライドピン5とガイド
孔10を介してキャリパボディ7を傾動させようとする
が、本実施例では、ディスク回出側のスライドピン5と
ガイド孔10との間隙を他の2組よりも大きく設定した
ことにより、ディスク回出側のキャリパ支持腕3cが制
動トルクで傾いても、通常の制動では弾性ブッシュ18
が変形するのみで、キャリパボディ7を殆ど傾動させな
いで済むようになる。
腕3cは、キャリパブラケット3による支持剛性が低い
先端側が、制動トルクによってディスク回出方向へ大き
く傾き、更にディスク回出側のスライドピン5とガイド
孔10を介してキャリパボディ7を傾動させようとする
が、本実施例では、ディスク回出側のスライドピン5と
ガイド孔10との間隙を他の2組よりも大きく設定した
ことにより、ディスク回出側のキャリパ支持腕3cが制
動トルクで傾いても、通常の制動では弾性ブッシュ18
が変形するのみで、キャリパボディ7を殆ど傾動させな
いで済むようになる。
【0025】また、高速時のフルブレーキングや過大な
制動力によって、ディスク回出側のキャリパ支持腕3c
が、ディスク回出側のスライドピン5とガイド孔10と
の間隙よりも大きく傾き、ディスク回出側のスライドピ
ン5に制動トルクが作用した場合には、ディスク半径方
向線Rからディスク回出側へオフセットして加えた第3
スライドピン6が、車体取付け孔3aの近傍でディスク
回出側のスライドピン5を高い剛性力で支持するので、
キャリパ支持腕3cからの制動トルクを有効に支承し
て、キャリパボディ7の傾動を極力抑制する。
制動力によって、ディスク回出側のキャリパ支持腕3c
が、ディスク回出側のスライドピン5とガイド孔10と
の間隙よりも大きく傾き、ディスク回出側のスライドピ
ン5に制動トルクが作用した場合には、ディスク半径方
向線Rからディスク回出側へオフセットして加えた第3
スライドピン6が、車体取付け孔3aの近傍でディスク
回出側のスライドピン5を高い剛性力で支持するので、
キャリパ支持腕3cからの制動トルクを有効に支承し
て、キャリパボディ7の傾動を極力抑制する。
【0026】また、上述の制動時に、摩擦パッド8,8
からの制動反力が、作用部7aと反作用部7bとを反デ
ィスクロータ方向へ押戻すように作用し、キャリパボデ
ィ7はブリッジ部7cを支点にハの字状に開き変形しよ
うとするが、キャリパボディ7のディスク回出側へオフ
セットした上述の第3スライドピン6が、作用部7aの
変形を有効に阻止する。
からの制動反力が、作用部7aと反作用部7bとを反デ
ィスクロータ方向へ押戻すように作用し、キャリパボデ
ィ7はブリッジ部7cを支点にハの字状に開き変形しよ
うとするが、キャリパボディ7のディスク回出側へオフ
セットした上述の第3スライドピン6が、作用部7aの
変形を有効に阻止する。
【0027】図4は、本発明の他の実施例を示すもの
で、反作用部側へ突出するキャリパ支持腕3b,3cの
先端部をタイバー3eで連結し、またディスク回入側の
スライドピン4とガイド孔9との間隙を、ディスク回出
側のスライドピン5とガイド孔10との間隙や、ディス
ク回出寄りの第3スライドピン6と第3ガイド孔17と
の間隙よりも大きく設定すると共に、ディスク回入側の
スライドピン4の小径軸部4aに環状の弾性ブッシュ1
8を嵌着して、ガイド孔10との間隙を埋めており、第
3スライドピン6や第3ガイド孔17等のその他の構造
は、上述の実施例と同様となっている。
で、反作用部側へ突出するキャリパ支持腕3b,3cの
先端部をタイバー3eで連結し、またディスク回入側の
スライドピン4とガイド孔9との間隙を、ディスク回出
側のスライドピン5とガイド孔10との間隙や、ディス
ク回出寄りの第3スライドピン6と第3ガイド孔17と
の間隙よりも大きく設定すると共に、ディスク回入側の
スライドピン4の小径軸部4aに環状の弾性ブッシュ1
8を嵌着して、ガイド孔10との間隙を埋めており、第
3スライドピン6や第3ガイド孔17等のその他の構造
は、上述の実施例と同様となっている。
【0028】本実施例による制動では、制動トルクによ
るディスク回出側のキャリパ支持腕3cの変形が、ディ
スク回出側のスライドピン5とガイド孔10とを通して
キャリパボディ7に伝達されるほか、タイバー3eを通
してディスク回入側のキャリパ支持腕3bにも伝達さ
れ、キャリパボディ7を、作用部7a側のディスク回入
側と反作用部7b側のディスク回出側とがディスクロー
タ2へ近づくように傾動させようと作用する。キャリパ
支持腕3b,3cの変形は、制動トルクを直接受けるデ
ィスク回出側で大きく、タイバー3eを通して牽引され
るディスク回入側では小さく減衰するため、キャリパボ
ディ7のディスク回入側と回出側とでは異なった挙動と
なり、キャリパボディ7に不均一な応力を与えようとす
るが、本実施例では、ディスク回入側のスライドピン4
とガイド孔9との間隙を、他の2組の間隙よりも大きく
設定したことにより、ディスク回入側のキャリパ支持腕
3bの変形をスライドピン4とガイド孔9との間隙が吸
収するので、キャリパボディ7は全体的に傾動はするも
のの、不均一な応力が作用しにくくなる。
るディスク回出側のキャリパ支持腕3cの変形が、ディ
スク回出側のスライドピン5とガイド孔10とを通して
キャリパボディ7に伝達されるほか、タイバー3eを通
してディスク回入側のキャリパ支持腕3bにも伝達さ
れ、キャリパボディ7を、作用部7a側のディスク回入
側と反作用部7b側のディスク回出側とがディスクロー
タ2へ近づくように傾動させようと作用する。キャリパ
支持腕3b,3cの変形は、制動トルクを直接受けるデ
ィスク回出側で大きく、タイバー3eを通して牽引され
るディスク回入側では小さく減衰するため、キャリパボ
ディ7のディスク回入側と回出側とでは異なった挙動と
なり、キャリパボディ7に不均一な応力を与えようとす
るが、本実施例では、ディスク回入側のスライドピン4
とガイド孔9との間隙を、他の2組の間隙よりも大きく
設定したことにより、ディスク回入側のキャリパ支持腕
3bの変形をスライドピン4とガイド孔9との間隙が吸
収するので、キャリパボディ7は全体的に傾動はするも
のの、不均一な応力が作用しにくくなる。
【0029】従って本実施例では、キャリパボディ7の
スライド性を良好に確保することができ、またキャリパ
ボディ7の耐久性を向上することができる。更に、ディ
スク半径方向線Rからディスク回出側へオフセットした
第3スライドピン6が車体取付け孔3a(図2参照)に
位置して、ディスク回出側のスライドピン5と共にキャ
リパ支持腕3cからの制動トルクを有効に支承する。
スライド性を良好に確保することができ、またキャリパ
ボディ7の耐久性を向上することができる。更に、ディ
スク半径方向線Rからディスク回出側へオフセットした
第3スライドピン6が車体取付け孔3a(図2参照)に
位置して、ディスク回出側のスライドピン5と共にキャ
リパ支持腕3cからの制動トルクを有効に支承する。
【0030】また、高速時のフルブレーキングや過大な
制動力によって、ディスク回入側のキャリパ支持腕3b
がスライドピン4とガイド孔9との間隙よりも大きく傾
くことがあっても、ディスク回出側のスライドピン5
と、ディスク半径方向線Rからディスク回出側へオフセ
ットして加えた第3スライドピン6とが、ディスク回出
側のキャリパ支持腕3cからの制動トルクを高い剛性力
で有効に支持するので、キャリパボディ7の傾動を極力
抑制することができる。
制動力によって、ディスク回入側のキャリパ支持腕3b
がスライドピン4とガイド孔9との間隙よりも大きく傾
くことがあっても、ディスク回出側のスライドピン5
と、ディスク半径方向線Rからディスク回出側へオフセ
ットして加えた第3スライドピン6とが、ディスク回出
側のキャリパ支持腕3cからの制動トルクを高い剛性力
で有効に支持するので、キャリパボディ7の傾動を極力
抑制することができる。
【0031】尚、上述の両実施例では、第3スライドピ
ンをキャリパブラケット側に、第3ガイド孔をキャリパ
ボディ側に設けたが、本発明はこれらを逆に設定するこ
ともできる。
ンをキャリパブラケット側に、第3ガイド孔をキャリパ
ボディ側に設けたが、本発明はこれらを逆に設定するこ
ともできる。
【0032】
【発明の効果】第1発明では、キャリパブラケットとキ
ャリパボディの作用部のいずれか一方にディスク軸方向
の第3スライドピンを、他方にこの第3スライドピンを
収容する第3ガイド孔を設けると共に、これら第3スラ
イドピンと第3ガイド孔との組合わせを、ディスクロー
タの回転中心とキャリパボディのパッド押圧中心とを結
ぶディスク半径方向線からディスク回出側へオフセット
し、ディスク回出側のガイドピンとガイド孔との間隙
を、第3ガイドピンと第3ガイド孔との間隙と、ディス
ク回入側のガイドピンとガイド孔との間隙よりも大きく
設定したことにより、ディスク回出側のキャリパ支持腕
が制動トルクで傾いても、通常の制動ではキャリパボデ
ィを殆ど傾動させないで済むようになり、キャリパボデ
ィのスライド性を良好に確保することができる。
ャリパボディの作用部のいずれか一方にディスク軸方向
の第3スライドピンを、他方にこの第3スライドピンを
収容する第3ガイド孔を設けると共に、これら第3スラ
イドピンと第3ガイド孔との組合わせを、ディスクロー
タの回転中心とキャリパボディのパッド押圧中心とを結
ぶディスク半径方向線からディスク回出側へオフセット
し、ディスク回出側のガイドピンとガイド孔との間隙
を、第3ガイドピンと第3ガイド孔との間隙と、ディス
ク回入側のガイドピンとガイド孔との間隙よりも大きく
設定したことにより、ディスク回出側のキャリパ支持腕
が制動トルクで傾いても、通常の制動ではキャリパボデ
ィを殆ど傾動させないで済むようになり、キャリパボデ
ィのスライド性を良好に確保することができる。
【0033】また、キャリパ支持腕の先端部をタイバー
で連結した構造の第2発明では、キャリパブラケットと
キャリパボディの作用部のいずれか一方にディスク軸方
向の第3スライドピンを、他方にこの第3スライドピン
を収容する第3ガイド孔を設けると共に、該第3スライ
ドピンと第3ガイド孔との組合わせを、ディスクロータ
の回転中心とキャリパボディのパッド押圧中心とを結ぶ
ディスク半径方向線からディスク回出側へオフセット
し、ディスク回入側のガイドピンとガイド孔との間隙
を、第3ガイドピンと第3ガイド孔との間隙と、ディス
ク回出側のガイドピンとガイド孔との間隙よりも大きく
設定したことにより、キャリパボディのデイスク回入側
と回出側とが、制動トルクによって不均一な応力で変形
しようとした場合に、ディスク回入側のキャリパ支持腕
の変形をスライドピンとガイド孔との間隙が吸収して、
キャリパボディのスライド性を良好に確保することがで
き、またキャリパボディの耐久性の向上を図ることがで
きる。更に、ディスク半径方向線からディスク回出側へ
オフセットした第3スライドピンが、ディスク回出側の
スライドピンと共にキャリパ支持腕からの制動トルクを
有効に支承する。
で連結した構造の第2発明では、キャリパブラケットと
キャリパボディの作用部のいずれか一方にディスク軸方
向の第3スライドピンを、他方にこの第3スライドピン
を収容する第3ガイド孔を設けると共に、該第3スライ
ドピンと第3ガイド孔との組合わせを、ディスクロータ
の回転中心とキャリパボディのパッド押圧中心とを結ぶ
ディスク半径方向線からディスク回出側へオフセット
し、ディスク回入側のガイドピンとガイド孔との間隙
を、第3ガイドピンと第3ガイド孔との間隙と、ディス
ク回出側のガイドピンとガイド孔との間隙よりも大きく
設定したことにより、キャリパボディのデイスク回入側
と回出側とが、制動トルクによって不均一な応力で変形
しようとした場合に、ディスク回入側のキャリパ支持腕
の変形をスライドピンとガイド孔との間隙が吸収して、
キャリパボディのスライド性を良好に確保することがで
き、またキャリパボディの耐久性の向上を図ることがで
きる。更に、ディスク半径方向線からディスク回出側へ
オフセットした第3スライドピンが、ディスク回出側の
スライドピンと共にキャリパ支持腕からの制動トルクを
有効に支承する。
【0034】また両発明において、高速時のフルブレー
キングや過大な制動力が作用した場合には、制動トルク
が大きくかかるディスク回出側へオフセットした第3ス
ライドピンが高い剛性力でキャリパボディを支持するの
で、キャリパボディの傾動を極力抑制する。更に、この
ような効果を、ディスク回入側と回出側の従来からの2
本のスライドピンに、必要最小限の1本を第3スライド
ピンとして加えるだけで達成することができるので、3
本以上の多数のスライドピンを用いた従来品に較べて、
加工性,組付け性及び経済性に優れ、しかもディスクブ
レーキが軽量となるので、車体のばね下加重を軽減する
ことができる。
キングや過大な制動力が作用した場合には、制動トルク
が大きくかかるディスク回出側へオフセットした第3ス
ライドピンが高い剛性力でキャリパボディを支持するの
で、キャリパボディの傾動を極力抑制する。更に、この
ような効果を、ディスク回入側と回出側の従来からの2
本のスライドピンに、必要最小限の1本を第3スライド
ピンとして加えるだけで達成することができるので、3
本以上の多数のスライドピンを用いた従来品に較べて、
加工性,組付け性及び経済性に優れ、しかもディスクブ
レーキが軽量となるので、車体のばね下加重を軽減する
ことができる。
【0035】更に、第1発明のディスク回出側のスライ
ドピンと、第2発明のディスク回入側のスライドピン
に、それぞれのガイド孔との間隙を埋める弾性ブッシュ
を装着することにより、走行時や制動初期にスライドピ
ンがガタ付いたり当接音を発生することがなくなる。
ドピンと、第2発明のディスク回入側のスライドピン
に、それぞれのガイド孔との間隙を埋める弾性ブッシュ
を装着することにより、走行時や制動初期にスライドピ
ンがガタ付いたり当接音を発生することがなくなる。
【図1】本発明の一実施例を示すディスクブレーキの断
面平面図
面平面図
【図2】本発明の一実施例を示すディスクブレーキの正
面図
面図
【図3】図2のIII −III 断面図
【図4】本発明の他の実施例を示すディスクブレーキの
断面平面図
断面平面図
1…ディスクブレーキ 2…ディスクロータ 3…キャリパブラケット 3a…車体取付け孔 3b…ディスク回入側のキャリパ支持腕 3c…ディスク回出側のキャリパ支持腕 3d…トルク受け部 3e…タイバー 4…ディスク回入側のスライドピン 5…ディスク回出側のスライドピン 6…第3スライドピン 7…キャリパボディ 7a…作用部 7b…反作用部 7c…ブリッジ部 7e,7f,7g…取付け腕 7h…反力爪 8…摩擦パッド 9…ディスク回入側のガイド孔 10…ディスク回出側のガイド孔 11…シリンダ孔 14…ピストン 17…第3ガイド孔 18…弾性ブッシュ A…ディスクロータ2の回転方向 P…キャリパボディ7のパッド押圧中心 R…ディスクロータ2の回転中心とキャリパボディ7の
パッド押圧中心Pとを結ぶディスク半径方向線
パッド押圧中心Pとを結ぶディスク半径方向線
Claims (3)
- 【請求項1】 キャリパボディのブリッジ部をディスク
ロータの外側に跨がせて、ブリッジ部の両側に連結され
たキャリパボディの作用部と反作用部とをディスクロー
タの一側部と他側部とに配設し、該ディスクロータの一
側部で車体に固着されるキャリパブラケットから、前記
ブリッジ部のディスク回入側と回出側とを挟んで、ディ
スクロータの外側を反作用部方向へ突出する一対のキャ
リパ支持腕を延設し、両キャリパ支持腕と作用部のディ
スク回入及び回出側とに、ディスク軸方向のスライドピ
ンと、該スライドピンを収容するガイド孔とを組合わせ
して設けて、前記キャリパボディをディスク軸方向へス
ライド可能に支持すると共に、前記作用部と反作用部と
の間に前記ディスクロータを挟んで一対の摩擦パッドを
対向配置し、前記双方のキャリパ支持腕に、摩擦パッド
からの制動トルクを支承するトルク受け部を対向して設
けたピンスライド型車両用ディスクブレーキにおいて、
前記キャリパブラケットと前記作用部のいずれか一方に
ディスク軸方向の第3スライドピンを、他方にこの第3
スライドピンを収容する第3ガイド孔を設けると共に、
これら第3スライドピンと第3ガイド孔との組合わせ
を、前記ディスクロータの回転中心と前記キャリパボデ
ィのパッド押圧中心とを結ぶディスク半径方向線からデ
ィスク回出側へオフセットし、前記ディスク回出側のガ
イドピンとガイド孔との間隙を、前記第3ガイドピンと
第3ガイド孔との間隙と、前記ディスク回入側のガイド
ピンとガイド孔との間隙よりも大きく設定したことを特
徴とするピンスライド型車両用ディスクブレーキのキャ
リパボディ支持構造。 - 【請求項2】 キャリパボディのブリッジ部をディスク
ロータの外側に跨がせて、ブリッジ部の両側に連結され
たキャリパボディの作用部と反作用部とをディスクロー
タの一側部と他側部とに配設し、該ディスクロータの一
側部で車体に固着されるキャリパブラケットから、前記
ブリッジ部のディスク回入側と回出側とを挟んで、ディ
スクロータの外側を反作用部方向へ突出する一対のキャ
リパ支持腕を延設すると共に、両キャリパ支持腕の先端
部をタイバーにて連結し、両キャリパ支持腕と作用部の
ディスク回入及び回出側とに、ディスク軸方向のスライ
ドピンと、該スライドピンを収容するガイド孔とを組合
わせして設けて、前記キャリパボディをディスク軸方向
へスライド可能に支持すると共に、前記作用部と反作用
部との間に前記ディスクロータを挟んで一対の摩擦パッ
ドを対向配置し、前記キャリパ支持腕に、摩擦パッドか
らの制動トルクを支承するトルク受け部を対向して設け
たピンスライド型車両用ディスクブレーキにおいて、前
記キャリパブラケットと前記作用部のいずれか一方にデ
ィスク軸方向の第3スライドピンを、他方にこの第3ス
ライドピンを収容する第3ガイド孔を設けると共に、該
第3スライドピンと第3ガイド孔との組合わせを、前記
ディスクロータの回転中心と前記キャリパボディのパッ
ド押圧中心とを結ぶディスク半径方向線からディスク回
出側へオフセットし、前記ディスク回入側のガイドピン
とガイド孔との間隙を、前記第3ガイドピンと第3ガイ
ド孔との間隙と、前記ディスク回出側のガイドピンとガ
イド孔との間隙よりも大きく設定したことを特徴とする
ピンスライド型車両用ディスクブレーキのキャリパボデ
ィ支持構造。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載のピンスライド
型車両用ディスクブレーキのキャリパボディ支持構造お
いて、ガイド孔との間隙を大きく設定したガイドピン
に、ガイド孔との間隙を埋める弾性ブッシュを装着した
ことを特徴とするピンスライド型車両用ディスクブレー
キのキャリパボディ支持構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7002657A JPH08189538A (ja) | 1995-01-11 | 1995-01-11 | ピンスライド型車両用ディスクブレーキのキャリパボディ支持構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7002657A JPH08189538A (ja) | 1995-01-11 | 1995-01-11 | ピンスライド型車両用ディスクブレーキのキャリパボディ支持構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08189538A true JPH08189538A (ja) | 1996-07-23 |
Family
ID=11535421
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7002657A Pending JPH08189538A (ja) | 1995-01-11 | 1995-01-11 | ピンスライド型車両用ディスクブレーキのキャリパボディ支持構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08189538A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2772097A1 (fr) * | 1997-12-09 | 1999-06-11 | Bosch Syst Freinage | Colonnette de verrouillage de frein a disque a etrier flottant |
WO2006042726A1 (de) * | 2004-10-18 | 2006-04-27 | Knorr-Bremse Systeme für Nutzfahrzeuge GmbH | Scheibenbremse mit optimierter sattellagerung und bremsbelag |
JP2006207722A (ja) * | 2005-01-28 | 2006-08-10 | Hitachi Ltd | ディスクブレーキ |
JP2007092900A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Hitachi Ltd | ディスクブレーキ |
JP2009264477A (ja) * | 2008-04-24 | 2009-11-12 | Hitachi Ltd | ディスクブレーキ |
CN105020301A (zh) * | 2015-08-05 | 2015-11-04 | 万向钱潮(上海)汽车系统有限公司 | 浮动式钳盘制动器 |
-
1995
- 1995-01-11 JP JP7002657A patent/JPH08189538A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2772097A1 (fr) * | 1997-12-09 | 1999-06-11 | Bosch Syst Freinage | Colonnette de verrouillage de frein a disque a etrier flottant |
WO2006042726A1 (de) * | 2004-10-18 | 2006-04-27 | Knorr-Bremse Systeme für Nutzfahrzeuge GmbH | Scheibenbremse mit optimierter sattellagerung und bremsbelag |
US7849977B2 (en) | 2004-10-18 | 2010-12-14 | Knorr-Bremse Systeme Fuer Nutzfahrzeuge Gmbh | Disc brake with optimized caliper mounting and brake lining |
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