JPH08185909A - 水密性絶縁接続子 - Google Patents
水密性絶縁接続子Info
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- JPH08185909A JPH08185909A JP6325386A JP32538694A JPH08185909A JP H08185909 A JPH08185909 A JP H08185909A JP 6325386 A JP6325386 A JP 6325386A JP 32538694 A JP32538694 A JP 32538694A JP H08185909 A JPH08185909 A JP H08185909A
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- resin
- low temperature
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電線コードの接続部に用いられるカシメ接続
法による接続子の熱収縮性二重絶縁チューブの内層を低
温特性の良い材料として低温時の割れを防止する。 【構成】 外層1を高密度ポリエチレン、内層2をエチ
レン、アルキル(メタ)アクリレート・一酸化炭素共重
合体のような低温脆性特性がよい樹脂を含む接着層とす
る熱収縮性二重絶縁チューブを金属スリーブ3に被せ
る。接着層は−25℃以下の低温脆化温度であり、低温
時に割れが生じない材料を用いることにより高信頼性の
接続子が得られる。
法による接続子の熱収縮性二重絶縁チューブの内層を低
温特性の良い材料として低温時の割れを防止する。 【構成】 外層1を高密度ポリエチレン、内層2をエチ
レン、アルキル(メタ)アクリレート・一酸化炭素共重
合体のような低温脆性特性がよい樹脂を含む接着層とす
る熱収縮性二重絶縁チューブを金属スリーブ3に被せ
る。接着層は−25℃以下の低温脆化温度であり、低温
時に割れが生じない材料を用いることにより高信頼性の
接続子が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、防水性、防塵性を確
保しつつカシメにより電線を接続するのに用いられる水
密性絶縁接続子に関する。
保しつつカシメにより電線を接続するのに用いられる水
密性絶縁接続子に関する。
【0002】
【従来の技術】電線をカシメ(加締め)により接続する
接続方法は、接続作業が簡易、手軽であることから、電
線の中間接続や接続端子を電線コード端部に取付ける場
合等に広く用いられている。このカシメによる接続方法
を例えば電線の中間接続部に採用し、この接続部に防水
性等外部環境からの保護を必要とするような場合に、一
般には銅スリーブを電線コード端部に被せてカシメによ
る接続を行った後、その外側にテープ等を巻付けて防水
性を確保していた。
接続方法は、接続作業が簡易、手軽であることから、電
線の中間接続や接続端子を電線コード端部に取付ける場
合等に広く用いられている。このカシメによる接続方法
を例えば電線の中間接続部に採用し、この接続部に防水
性等外部環境からの保護を必要とするような場合に、一
般には銅スリーブを電線コード端部に被せてカシメによ
る接続を行った後、その外側にテープ等を巻付けて防水
性を確保していた。
【0003】一方、電線の接続端に金属スリーブを被せ
てカシメ接続し、その外側を熱収縮性合成樹脂チューブ
で被覆し、防水性、絶縁性を確保するようにした接続子
が実公平2−8379号公報により知られている。この
公報の接続子は、上記チューブの内側に熱溶融性樹脂層
を接着した熱収縮性二重チューブであり、これを金属ス
リーブの外側に設け、二重チューブの外側から工具によ
りカシメ接続後、そのチューブを加熱収縮させると共
に、内側に塗布された熱溶融性接着剤を流動化させて細
孔から隙間を埋めるようにし、確実に防水性を確保でき
るものとされている。
てカシメ接続し、その外側を熱収縮性合成樹脂チューブ
で被覆し、防水性、絶縁性を確保するようにした接続子
が実公平2−8379号公報により知られている。この
公報の接続子は、上記チューブの内側に熱溶融性樹脂層
を接着した熱収縮性二重チューブであり、これを金属ス
リーブの外側に設け、二重チューブの外側から工具によ
りカシメ接続後、そのチューブを加熱収縮させると共
に、内側に塗布された熱溶融性接着剤を流動化させて細
孔から隙間を埋めるようにし、確実に防水性を確保でき
るものとされている。
【0004】この他にも上記公報による接続子と基本的
な発想が共通するが、形状、接続方法の異なる接続子と
して、実公平3−34059号公報や実開平6−502
53号公報など種々のものも公知である。いずれの場合
も上記熱収縮性二重チューブが使用されている。
な発想が共通するが、形状、接続方法の異なる接続子と
して、実公平3−34059号公報や実開平6−502
53号公報など種々のものも公知である。いずれの場合
も上記熱収縮性二重チューブが使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したカ
シメによる接続部にテープを巻付ける方法では、作業者
の熟練度により防水性の信頼性が変化し、応急的に用い
る場合は兎角、信頼性を要する完成品にこの方法を採用
することはできない。
シメによる接続部にテープを巻付ける方法では、作業者
の熟練度により防水性の信頼性が変化し、応急的に用い
る場合は兎角、信頼性を要する完成品にこの方法を採用
することはできない。
【0006】しかし、上記種々の公報による接続子に使
用されている熱収縮性二重チューブを絶縁チューブとし
て用いた場合、作業者の熟練度による防水信頼性のばら
つきは解消できるが、他方では別の問題が生じる。即
ち、絶縁チューブの内側層に用いられている熱溶融樹脂
は、接続部に挿入される電線の被覆が主としてPVC
(ポリ塩化ビニル)であるため、これに対して高い接着
性が要求され、PVCに対して強固な接着性が得られる
アミド素樹脂が使用されている。
用されている熱収縮性二重チューブを絶縁チューブとし
て用いた場合、作業者の熟練度による防水信頼性のばら
つきは解消できるが、他方では別の問題が生じる。即
ち、絶縁チューブの内側層に用いられている熱溶融樹脂
は、接続部に挿入される電線の被覆が主としてPVC
(ポリ塩化ビニル)であるため、これに対して高い接着
性が要求され、PVCに対して強固な接着性が得られる
アミド素樹脂が使用されている。
【0007】しかし、かかる樹脂を用いた場合、自動車
用電線ハーネスに要求される低温屈曲性が不十分なこと
がある。特に、低温下(−40℃)にて屈曲された場
合、アミド系樹脂は低温屈曲性が不足するため割れが発
生することがあり、この割れが外層部の割れの原因とな
る。最悪の場合、絶縁チューブの完全破断に発展する可
能性もある。
用電線ハーネスに要求される低温屈曲性が不十分なこと
がある。特に、低温下(−40℃)にて屈曲された場
合、アミド系樹脂は低温屈曲性が不足するため割れが発
生することがあり、この割れが外層部の割れの原因とな
る。最悪の場合、絶縁チューブの完全破断に発展する可
能性もある。
【0008】この発明は、上述した従来のカシメ接続に
よる接続子の問題点に留意して、寒冷地等で低温とエン
ジンによる高温にさらされ温度差の激しい環境であって
も熱収縮性二重絶縁チューブの内層を低温特性の良い接
着剤を選択することによって低温時の割れを防止して信
頼性の高い防水性を得ることのできる水密性絶縁接続子
を提供することを課題とする。
よる接続子の問題点に留意して、寒冷地等で低温とエン
ジンによる高温にさらされ温度差の激しい環境であって
も熱収縮性二重絶縁チューブの内層を低温特性の良い接
着剤を選択することによって低温時の割れを防止して信
頼性の高い防水性を得ることのできる水密性絶縁接続子
を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決する手段として、金属スリーブとその外側に熱収
縮性の二重絶縁チューブを設け、上記絶縁チューブの外
層が熱収縮性樹脂、内層が低温脆化温度−25℃以下、
測定温度150℃でのメルトフローインデックス5〜3
00g/10分、塩化ビニル樹脂組成物に対する接着力
0.1kg/20mm巾以上の熱溶融性樹脂であって、
エチレン・アルキル(メタ)アクリレート・一酸化炭素
共重合体、無水マレイン酸を側鎖にもつエチレン・酢酸
ビニル共重合体、又は共重合フッ素樹脂のいずれかを含
む接着層から成る水密性絶縁接続子としたのである。
を解決する手段として、金属スリーブとその外側に熱収
縮性の二重絶縁チューブを設け、上記絶縁チューブの外
層が熱収縮性樹脂、内層が低温脆化温度−25℃以下、
測定温度150℃でのメルトフローインデックス5〜3
00g/10分、塩化ビニル樹脂組成物に対する接着力
0.1kg/20mm巾以上の熱溶融性樹脂であって、
エチレン・アルキル(メタ)アクリレート・一酸化炭素
共重合体、無水マレイン酸を側鎖にもつエチレン・酢酸
ビニル共重合体、又は共重合フッ素樹脂のいずれかを含
む接着層から成る水密性絶縁接続子としたのである。
【0010】
【作用】上記の構成としたこの発明の水密性絶縁接続子
に使用されている熱収縮性二重チューブの内側に塗布さ
れる熱溶融性樹脂に求められる特性は、外側熱収縮層
の融点より低い温度で十分に溶融して隙間を重点できる
こと、メルトフローインデックスが5g/10分〜3
00g/10分の間にあることで、加熱時に十分な流動
性を示すこと、ポリ塩化ビニル(PVC)に対する接
着力が0.1kg/20mm巾以上、好ましくは0.3
kg/20mm巾以上あること、低温脆化温度が−2
5℃以下であることが求められる。
に使用されている熱収縮性二重チューブの内側に塗布さ
れる熱溶融性樹脂に求められる特性は、外側熱収縮層
の融点より低い温度で十分に溶融して隙間を重点できる
こと、メルトフローインデックスが5g/10分〜3
00g/10分の間にあることで、加熱時に十分な流動
性を示すこと、ポリ塩化ビニル(PVC)に対する接
着力が0.1kg/20mm巾以上、好ましくは0.3
kg/20mm巾以上あること、低温脆化温度が−2
5℃以下であることが求められる。
【0011】の条件は熱収縮性二重チューブの接着剤
として基本的に必要な条件であり、については、もし
この範囲よりはずれていれば防水性の信頼性は低下す
る。つまり、小さすぎると隙間を十分に充填できない
し、大きすぎる場合は流れ出しにより内部にとどまる量
が減ってしまう。については、これより小さいと小さ
な力で電線表面からはなれてしまうので、水が毛細管現
象で内部に入ってしまう。については、JISK72
16で測定された脆化温度としてこの温度以下であるこ
とが必須で、これより高いと−40℃での低温屈曲にて
折れてしまう。
として基本的に必要な条件であり、については、もし
この範囲よりはずれていれば防水性の信頼性は低下す
る。つまり、小さすぎると隙間を十分に充填できない
し、大きすぎる場合は流れ出しにより内部にとどまる量
が減ってしまう。については、これより小さいと小さ
な力で電線表面からはなれてしまうので、水が毛細管現
象で内部に入ってしまう。については、JISK72
16で測定された脆化温度としてこの温度以下であるこ
とが必須で、これより高いと−40℃での低温屈曲にて
折れてしまう。
【0012】以上の特性を実現するものとして、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・エチル
アクリレート共重合体(EEA)あるいはエチレン・ア
ルキル(メタ)アクリレート共重合体の一部を変性して
得られる樹脂や、高VA含量、高EA含量であるEV
A、EEA樹脂、あるいはフッ素共重合体樹脂のいずれ
かが含まれた接着剤が使用できる。
ン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・エチル
アクリレート共重合体(EEA)あるいはエチレン・ア
ルキル(メタ)アクリレート共重合体の一部を変性して
得られる樹脂や、高VA含量、高EA含量であるEV
A、EEA樹脂、あるいはフッ素共重合体樹脂のいずれ
かが含まれた接着剤が使用できる。
【0013】また、ホットメルト接着剤として用いられ
る各種添加剤、例えば粘着付与剤老化防止剤等を適量添
加しても良い。
る各種添加剤、例えば粘着付与剤老化防止剤等を適量添
加しても良い。
【0014】さらには、PVC用のホットメルト接着剤
として公知であるアミド樹脂に対しても、上記の樹脂を
30部〜90部の範囲で添加しても良い。アミド樹脂含
有量がこれより多いと、低温性が悪化し脆化温度は−4
0℃より上昇する。
として公知であるアミド樹脂に対しても、上記の樹脂を
30部〜90部の範囲で添加しても良い。アミド樹脂含
有量がこれより多いと、低温性が悪化し脆化温度は−4
0℃より上昇する。
【0015】外層の樹脂は、銅スリーブをかしめるため
圧着用治具などで力を加えられた時にやぶれたり、大き
く変形しない硬度が求められる。そこで種々の樹脂を評
価した結果、ショアーD硬度で45〜71にあるもの
で、特には56〜71の範囲が好適である。樹脂の種類
としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレン、EVA、EEA、アイオノマー樹
脂、フッ化ビニリデン、エチレン・四弗化エチレン共重
合体樹脂等、あるいはこれらの混和物から選択される。
圧着用治具などで力を加えられた時にやぶれたり、大き
く変形しない硬度が求められる。そこで種々の樹脂を評
価した結果、ショアーD硬度で45〜71にあるもの
で、特には56〜71の範囲が好適である。樹脂の種類
としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレン、EVA、EEA、アイオノマー樹
脂、フッ化ビニリデン、エチレン・四弗化エチレン共重
合体樹脂等、あるいはこれらの混和物から選択される。
【0016】この中で、高密度ポリエチレン単体あるい
はEVAや低密度ポリエチレンとの混和物、あるいはア
イオノマー樹脂及び混和物が好ましい。架橋方法は広く
公知となっている電離放射線照射、過酸化物やシラン化
合物を用いる化学架橋方法が利用できる。また、耐熱性
を向上させるためにヒンダートフェノール系等の老化防
止剤を添加してもよい。以上の樹脂から成る二重絶縁チ
ューブの製造法は、広く行われている同時押し出し、架
橋、膨張の工程からなるものが利用できる。
はEVAや低密度ポリエチレンとの混和物、あるいはア
イオノマー樹脂及び混和物が好ましい。架橋方法は広く
公知となっている電離放射線照射、過酸化物やシラン化
合物を用いる化学架橋方法が利用できる。また、耐熱性
を向上させるためにヒンダートフェノール系等の老化防
止剤を添加してもよい。以上の樹脂から成る二重絶縁チ
ューブの製造法は、広く行われている同時押し出し、架
橋、膨張の工程からなるものが利用できる。
【0017】
【実施例】以下この発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は実施例の水密性絶縁接続コードAの
外観斜視図及び主要断面図を示す。1は外層チューブ、
2は接着層、3は金属スリーブである。外層チューブ1
は、後の実施例に示す例えば高密度ポリエチレンのよう
な熱収縮性の樹脂が用いられる。接着層2は、後の実施
例に示す種々のタイプのホットメルト(熱溶融)接着剤
である。金属スリーブ3は銅製圧着用スリーブが用いら
れている。Cは電線コード、dは裸線である。
て説明する。図1は実施例の水密性絶縁接続コードAの
外観斜視図及び主要断面図を示す。1は外層チューブ、
2は接着層、3は金属スリーブである。外層チューブ1
は、後の実施例に示す例えば高密度ポリエチレンのよう
な熱収縮性の樹脂が用いられる。接着層2は、後の実施
例に示す種々のタイプのホットメルト(熱溶融)接着剤
である。金属スリーブ3は銅製圧着用スリーブが用いら
れている。Cは電線コード、dは裸線である。
【0018】なお、図1の(b)はカシメ接続前の電線
挿入状態、(c)はカシメ接続後右片側半分の二重熱収
縮チューブを熱収縮した状態を示す。又、図2は(a)
カシメ接続作業、(b)熱収縮作業を示す。
挿入状態、(c)はカシメ接続後右片側半分の二重熱収
縮チューブを熱収縮した状態を示す。又、図2は(a)
カシメ接続作業、(b)熱収縮作業を示す。
【0019】上記実施例の接続子Aの外層チューブ1、
接着層2に種々の高分子材料を適用した例を後で具体的
に示すが、それらの接続子について説明する前に、その
特性評価方法について予め説明する。
接着層2に種々の高分子材料を適用した例を後で具体的
に示すが、それらの接続子について説明する前に、その
特性評価方法について予め説明する。
【0020】防水性接続子としての特性評価項目には種
々のものがあるが、以下には本発明で特に改善出来た低
温性の評価試験方法を中心に重要と思われる項目と、そ
の合否判定基準も示す。
々のものがあるが、以下には本発明で特に改善出来た低
温性の評価試験方法を中心に重要と思われる項目と、そ
の合否判定基準も示す。
【0021】a)防水性 水槽内で電線と水中に設置した電極間にAC50Vを印
加して洩れ電流が0.25マイクロアンベア以下である
こと。 b)耐ヒートサイクル 130℃×0.5時間 → 室温×10分 → −25
℃×30分 から成るサイクルを5回加えた後、a)に
示した防水性を保持していること。 c)耐低温性 −20℃の雰囲気下、防水接続子と治具をこの温度にし
た後、圧着を行い、絶縁チューブに割れ、裂け等の異常
が見られないこと。ついで、加熱しチューブを収縮させ
た後、−40℃に冷却し、銅スリーブ部分を保持したま
ま、片側の電線を90°曲げ、亀裂等の異常が見あたら
ないこと。
加して洩れ電流が0.25マイクロアンベア以下である
こと。 b)耐ヒートサイクル 130℃×0.5時間 → 室温×10分 → −25
℃×30分 から成るサイクルを5回加えた後、a)に
示した防水性を保持していること。 c)耐低温性 −20℃の雰囲気下、防水接続子と治具をこの温度にし
た後、圧着を行い、絶縁チューブに割れ、裂け等の異常
が見られないこと。ついで、加熱しチューブを収縮させ
た後、−40℃に冷却し、銅スリーブ部分を保持したま
ま、片側の電線を90°曲げ、亀裂等の異常が見あたら
ないこと。
【0022】上記評価方法を実施するに際して使用した
防水性を評価するための漏れ電流測定装置を図3に示
す。10は水槽、11は電極、12は保持手段、13は
電流計、14は直流電源装置、Aはカシメ接続後熱収縮
処理を施した接続子、Cは挿入されている電線コード、
Wは5%食塩水である。
防水性を評価するための漏れ電流測定装置を図3に示
す。10は水槽、11は電極、12は保持手段、13は
電流計、14は直流電源装置、Aはカシメ接続後熱収縮
処理を施した接続子、Cは挿入されている電線コード、
Wは5%食塩水である。
【0023】以下に示す実施例では、上記評価方法によ
り評価した結果をそれぞれの実施例の中に示す。
り評価した結果をそれぞれの実施例の中に示す。
【0024】実施例1 外層に高密度ポリエチレン(密度0.945)、内層に
エチレン・アルキル(メタ)アクリレート−CO共重合
樹脂100部、部分ケン化EVA2部、水素化テルペン
等の粘着付与剤5部、イルガノックス1010等の老化
防止剤3部、ハイドロキノンタイプの架橋禁止剤2部か
らなるホットメルト接着剤を設けた二重絶縁チューブを
通常の熱収縮性チューブの製造法に基づき作成した。適
切な長さに熱収縮性チューブを切断後、銅製スリーブを
挿入し銅スリーブの長さに相当する部分だけチューブを
熱収縮させ、水密性接続子を作った。
エチレン・アルキル(メタ)アクリレート−CO共重合
樹脂100部、部分ケン化EVA2部、水素化テルペン
等の粘着付与剤5部、イルガノックス1010等の老化
防止剤3部、ハイドロキノンタイプの架橋禁止剤2部か
らなるホットメルト接着剤を設けた二重絶縁チューブを
通常の熱収縮性チューブの製造法に基づき作成した。適
切な長さに熱収縮性チューブを切断後、銅製スリーブを
挿入し銅スリーブの長さに相当する部分だけチューブを
熱収縮させ、水密性接続子を作った。
【0025】ホットメルト接着剤シートで測定した物性
は、MFR20g/10分、PVCへの接着強度4.8
kg/20mm巾、低温脆化温度−45℃であった。外
層に用いた高密度ポリエチレンの融点は121℃で、シ
ョアーD硬度で69であった。これを0.5sq電線上
にカシメ、熱収縮してこの部分の割れ等の外観異常と防
水性を確認した。以下の他の実施例を含めて特性評価結
果を最後にまとめて表1に示す。
は、MFR20g/10分、PVCへの接着強度4.8
kg/20mm巾、低温脆化温度−45℃であった。外
層に用いた高密度ポリエチレンの融点は121℃で、シ
ョアーD硬度で69であった。これを0.5sq電線上
にカシメ、熱収縮してこの部分の割れ等の外観異常と防
水性を確認した。以下の他の実施例を含めて特性評価結
果を最後にまとめて表1に示す。
【0026】実施例2 外層に高密度ポリエチレン(密度0.945)、内層に
無水マレイン酸を側鎖にもつEVA樹脂100部、水素
化テルペン等の粘着付与剤20部、イルガノックス10
10等の老化防止剤3部、ハイドロキノンタイプの架橋
禁止剤1部からなるホットメルト接着剤を設けた二重絶
縁チューブを通常の熱収縮性チューブの製造法に基づき
作成した。適切な長さに熱収縮性チューブを切断後、銅
製スリーブを挿入し銅スリーブの長さに相当する部分だ
けチューブを熱収縮させ、水密性接続子を作った。
無水マレイン酸を側鎖にもつEVA樹脂100部、水素
化テルペン等の粘着付与剤20部、イルガノックス10
10等の老化防止剤3部、ハイドロキノンタイプの架橋
禁止剤1部からなるホットメルト接着剤を設けた二重絶
縁チューブを通常の熱収縮性チューブの製造法に基づき
作成した。適切な長さに熱収縮性チューブを切断後、銅
製スリーブを挿入し銅スリーブの長さに相当する部分だ
けチューブを熱収縮させ、水密性接続子を作った。
【0027】ホットメルト接着剤シートで測定した物性
は、MFR210g/10分、PVCへの接着強度8.
2kg/20mm巾、低温脆化温度−35℃であった。
外層に用いた高密度ポリエチレンの融点は、123℃で
ショアーD硬度で69であった。これを0.5sq電線
上にカシメ、熱収縮してこの部分の割れ等の外観異常と
防水性を確認した。
は、MFR210g/10分、PVCへの接着強度8.
2kg/20mm巾、低温脆化温度−35℃であった。
外層に用いた高密度ポリエチレンの融点は、123℃で
ショアーD硬度で69であった。これを0.5sq電線
上にカシメ、熱収縮してこの部分の割れ等の外観異常と
防水性を確認した。
【0028】実施例3 外層に亜鉛イオンタイプのアイオノマーとして知られる
樹脂、内層には実施例1で用いたものと同じものを用
い、防水接続子を作成した。使用アイオノマーは、融点
91℃、ショアーD硬度で62であった。これも同様に
評価した。
樹脂、内層には実施例1で用いたものと同じものを用
い、防水接続子を作成した。使用アイオノマーは、融点
91℃、ショアーD硬度で62であった。これも同様に
評価した。
【0029】実施例4 外層にPVdF樹脂、内層にはVdf65〜72/ヘキ
サフッ化プロピレン18〜23/四フッ化エチレン7〜
15の組成から成る共重合フッ素樹脂を用いた絶縁チュ
ーブを作成した。外層のPVdF樹脂は、160℃に融
点を持つホモポリマーと140℃に融点を持つ共重合体
を5:5の比で混合したものを用いた。これのショアD
硬度は71であった。一方の内層は融点90℃、MFR
180であった。
サフッ化プロピレン18〜23/四フッ化エチレン7〜
15の組成から成る共重合フッ素樹脂を用いた絶縁チュ
ーブを作成した。外層のPVdF樹脂は、160℃に融
点を持つホモポリマーと140℃に融点を持つ共重合体
を5:5の比で混合したものを用いた。これのショアD
硬度は71であった。一方の内層は融点90℃、MFR
180であった。
【0030】比較例1 外層にEVA(VA含有量15%)、内層にエチレン・
アルキル(メタ)アクリレート−CO共重合樹脂100
部、水素化テルペン等の粘着付与剤40部、イルガノッ
クス1010等の老化防止剤4部、ハイドロキノンタイ
プの架橋禁止剤1部からなるホットメルト接着剤を設け
た二重絶縁チューブから水密性接続子を作った。
アルキル(メタ)アクリレート−CO共重合樹脂100
部、水素化テルペン等の粘着付与剤40部、イルガノッ
クス1010等の老化防止剤4部、ハイドロキノンタイ
プの架橋禁止剤1部からなるホットメルト接着剤を設け
た二重絶縁チューブから水密性接続子を作った。
【0031】ホットメルト接着剤シートで測定した物性
は、MFR500g/10分以上、PVCへの接着強度
1.8kg/20mm巾、低温脆化温度−20℃であっ
た。外層に用いたEVAの融点は、90℃でショアーD
硬度で41であった。これを0.5sq電線上にカシ
メ、熱収縮してこの部分の割れ等の外観異常と防水性を
確認した。
は、MFR500g/10分以上、PVCへの接着強度
1.8kg/20mm巾、低温脆化温度−20℃であっ
た。外層に用いたEVAの融点は、90℃でショアーD
硬度で41であった。これを0.5sq電線上にカシ
メ、熱収縮してこの部分の割れ等の外観異常と防水性を
確認した。
【0032】比較例2 外層に実施例1と同じものを用い、内層にVA含有量5
%、融点103℃のEVA樹脂を用いて二重絶縁チュー
ブを作成した。内層に用いた樹脂のPVCへの接着強度
はわずか0.05kg/20mm巾であった。
%、融点103℃のEVA樹脂を用いて二重絶縁チュー
ブを作成した。内層に用いた樹脂のPVCへの接着強度
はわずか0.05kg/20mm巾であった。
【0033】比較例3 外層に比較例1と同様のもの、内層に、ポリアミド樹脂
100部に部分ケン化EVA樹脂50部、架橋禁止剤4
部を加えたもの(低温脆化温度−15℃)を用い二重絶
縁チューブを作成した。
100部に部分ケン化EVA樹脂50部、架橋禁止剤4
部を加えたもの(低温脆化温度−15℃)を用い二重絶
縁チューブを作成した。
【0034】
【表1】
【0035】
【効果】以上詳細に説明したように、この発明は二重絶
縁チューブの外層に熱収縮性樹脂、内層に低温脆性特性
に優れた熱溶融樹脂接着剤を用いた水密性絶縁接続子と
したから、寒冷地等で低温とエンジンなどによる高温に
さらされ温度差が激しい環境下でも屈曲性を保持し割れ
が生じることがないため、信頼性の高い水密性絶縁接続
子が得られ、自動車ハーネス用圧着接続子に使用すると
効果的である。
縁チューブの外層に熱収縮性樹脂、内層に低温脆性特性
に優れた熱溶融樹脂接着剤を用いた水密性絶縁接続子と
したから、寒冷地等で低温とエンジンなどによる高温に
さらされ温度差が激しい環境下でも屈曲性を保持し割れ
が生じることがないため、信頼性の高い水密性絶縁接続
子が得られ、自動車ハーネス用圧着接続子に使用すると
効果的である。
【図1】実施例の水密性絶縁接続子の外観斜視図及び主
要断面図
要断面図
【図2】同上の接続子の加工作業を説明する図
【図3】防水性評価するための漏水電流測定装置の概略
図
図
1 外層チューブ 2 接着層 3 金属スリーブ A 水密性絶縁接続子 C 電線コード d 視線
Claims (1)
- 【請求項1】 金属スリーブとその外側に熱収縮性の二
重絶縁チューブを設け、上記絶縁チューブの外層が熱収
縮性樹脂、内層が低温脆化温度−25℃以下、測定温度
150℃でのメルトフローインデックス5〜300g/
10分、塩化ビニル樹脂組成物に対する接着力0.1k
g/20mm巾以上の熱溶融性樹脂であって、エチレン
・アルキル(メタ)アクリレート・一酸化炭素共重合
体、無水マレイン酸を側鎖にもつエチレン・酢酸ビニル
共重合体、又は共重合フッ素樹脂のいずれかを含む接着
層から成る水密性絶縁接続子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6325386A JPH08185909A (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 水密性絶縁接続子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6325386A JPH08185909A (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 水密性絶縁接続子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08185909A true JPH08185909A (ja) | 1996-07-16 |
Family
ID=18176258
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6325386A Pending JPH08185909A (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 水密性絶縁接続子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08185909A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013505749A (ja) * | 2009-09-24 | 2013-02-21 | エルベ エレクトロメディジン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 手術デバイス用の管コネクタ、手術デバイス用のハンドル、および管コネクタを用いて電気手術デバイス用の管を連結する方法 |
JP2017179110A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 住友電気工業株式会社 | 樹脂組成物及び熱回復物品 |
CN110620471A (zh) * | 2018-06-18 | 2019-12-27 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 用于操纵机动车离合器的具有未包封的线缆的致动器;以及离合器系统 |
DE102020213562A1 (de) | 2020-10-28 | 2022-04-28 | Rolls-Royce Deutschland Ltd & Co Kg | Adaptervorrichtung |
-
1994
- 1994-12-27 JP JP6325386A patent/JPH08185909A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013505749A (ja) * | 2009-09-24 | 2013-02-21 | エルベ エレクトロメディジン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 手術デバイス用の管コネクタ、手術デバイス用のハンドル、および管コネクタを用いて電気手術デバイス用の管を連結する方法 |
US8998896B2 (en) | 2009-09-24 | 2015-04-07 | Erbe Elektromedizin Gmbh | Tube connector for a radio-frequency surgical device, handle for an RF surgical device, and method for connecting tubes for an RF surgical device to such a tube connector |
JP2017179110A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 住友電気工業株式会社 | 樹脂組成物及び熱回復物品 |
CN110620471A (zh) * | 2018-06-18 | 2019-12-27 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 用于操纵机动车离合器的具有未包封的线缆的致动器;以及离合器系统 |
CN110620471B (zh) * | 2018-06-18 | 2024-02-27 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 用于操纵机动车离合器的具有未包封的线缆的致动器;以及离合器系统 |
DE102020213562A1 (de) | 2020-10-28 | 2022-04-28 | Rolls-Royce Deutschland Ltd & Co Kg | Adaptervorrichtung |
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