JPH08179779A - 遮音材 - Google Patents
遮音材Info
- Publication number
- JPH08179779A JPH08179779A JP6320586A JP32058694A JPH08179779A JP H08179779 A JPH08179779 A JP H08179779A JP 6320586 A JP6320586 A JP 6320586A JP 32058694 A JP32058694 A JP 32058694A JP H08179779 A JPH08179779 A JP H08179779A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pad material
- low
- density
- sound
- density pad
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Building Environments (AREA)
- Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 低周波遮音性能に優れるとともに、高周波遮
音性能にも優れた遮音材の提供。 【構成】 遮音材１は、高密度パッド材３、膜４、低密
度パッド材５および質量が比較的大きい表皮６が順次積
層された構造を備え、高密度パッド材３が壁体２に接し
た状態で配置される。壁体２には、騒音や振動が伝えら
れる。壁体２に接する高密度パッド材３は、壁体２の振
動を抑制し、壁体２に伝わる振動（低周波騒音）を抑え
る。また、遮音材１に入射した低周波騒音は、低密度パ
ッド材５に支えられる表皮６を振動させることにより減
衰する。一方、遮音材１に入射した高周波騒音は、高密
度パッド材３で吸音されるとともに、高密度パッド材３
を通過した高周波騒音は膜４で反射し、再び高密度パッ
ド材３で吸音される。つまり、高周波騒音は、壁体２と
膜４との間で反射し、高密度パッド材３に高効率で吸音
される。
音性能にも優れた遮音材の提供。 【構成】 遮音材１は、高密度パッド材３、膜４、低密
度パッド材５および質量が比較的大きい表皮６が順次積
層された構造を備え、高密度パッド材３が壁体２に接し
た状態で配置される。壁体２には、騒音や振動が伝えら
れる。壁体２に接する高密度パッド材３は、壁体２の振
動を抑制し、壁体２に伝わる振動（低周波騒音）を抑え
る。また、遮音材１に入射した低周波騒音は、低密度パ
ッド材５に支えられる表皮６を振動させることにより減
衰する。一方、遮音材１に入射した高周波騒音は、高密
度パッド材３で吸音されるとともに、高密度パッド材３
を通過した高周波騒音は膜４で反射し、再び高密度パッ
ド材３で吸音される。つまり、高周波騒音は、壁体２と
膜４との間で反射し、高密度パッド材３に高効率で吸音
される。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、電気機器、建
築設備等に用いられる遮音材に関するものである。
築設備等に用いられる遮音材に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来の遮音材は、グラスウール、フェル
ト、発砲樹脂などのパッド材の表面に表皮を設けたもの
で、壁体にパッド材が向くように施される。つまり、壁
体と表皮との間にパッド材が挟まれた構造となる。この
構造を採用することにより、例えば壁体側から音が入射
すると、音の一部が壁体で反射し、壁体を通過する音は
減少する。そして、壁体を通過してパッド材に入射した
音、あるいは壁体を伝わってパッド材に入射した音は、
壁体と表皮との間で反射する間にパッド材で吸音され
る。このため、表皮を通過する音、つまり遮音材を通過
する音は著しく減少する。
ト、発砲樹脂などのパッド材の表面に表皮を設けたもの
で、壁体にパッド材が向くように施される。つまり、壁
体と表皮との間にパッド材が挟まれた構造となる。この
構造を採用することにより、例えば壁体側から音が入射
すると、音の一部が壁体で反射し、壁体を通過する音は
減少する。そして、壁体を通過してパッド材に入射した
音、あるいは壁体を伝わってパッド材に入射した音は、
壁体と表皮との間で反射する間にパッド材で吸音され
る。このため、表皮を通過する音、つまり遮音材を通過
する音は著しく減少する。
【０００３】ここで、音波は低い周波数から高い周波数
まで帯域が広い。そして、パッド材は、密度が低いと低
い周波数の振動を絶縁するが吸音性能は優れない、逆に
密度が高いと高い周波数の音波を吸収する特性を備える
が振動絶縁性が悪い。つまり、従来の遮音材では、使用
されるパッド材によって、高周波域あるいは低周波域の
一方域の音波を遮音できるが、低周波域あるいは高周波
域の他方域の音波は充分に遮音できない不具合が生じ
る。
まで帯域が広い。そして、パッド材は、密度が低いと低
い周波数の振動を絶縁するが吸音性能は優れない、逆に
密度が高いと高い周波数の音波を吸収する特性を備える
が振動絶縁性が悪い。つまり、従来の遮音材では、使用
されるパッド材によって、高周波域あるいは低周波域の
一方域の音波を遮音できるが、低周波域あるいは高周波
域の他方域の音波は充分に遮音できない不具合が生じ
る。
【０００４】このことを具体的に説明する。壁体を通過
するような高い周波数をパッド材が吸音するように、パ
ッド材の密度を高く設定すると、壁体を伝わってパッド
材に入射するような低い周波数の振動はそのまま表皮に
伝えられ、表皮から音として放出される。逆に、壁体を
伝わってパッド材に入射するような低い周波数の振動を
絶縁するように、パッド材の密度を低く設定すると、壁
体を通過するような高い周波数の音はパッド材で充分吸
音できず、高い周波数の音が遮音材を通過してしまう。
するような高い周波数をパッド材が吸音するように、パ
ッド材の密度を高く設定すると、壁体を伝わってパッド
材に入射するような低い周波数の振動はそのまま表皮に
伝えられ、表皮から音として放出される。逆に、壁体を
伝わってパッド材に入射するような低い周波数の振動を
絶縁するように、パッド材の密度を低く設定すると、壁
体を通過するような高い周波数の音はパッド材で充分吸
音できず、高い周波数の音が遮音材を通過してしまう。
【０００５】この不具合を解決する手段として、表皮、
低密度パッド材、高密度パッド材からなる３層構造にし
た遮音材が知られている。この３層構造の遮音材は、壁
体側を高密度パッド材にし、表皮側を低密度パッド材に
したもので、高密度パッド材で高周波の音を吸音させ、
低密度パッド材で振動を絶縁させ、さらに高密度パッド
材で壁体の振動を抑制しようとするものである。
低密度パッド材、高密度パッド材からなる３層構造にし
た遮音材が知られている。この３層構造の遮音材は、壁
体側を高密度パッド材にし、表皮側を低密度パッド材に
したもので、高密度パッド材で高周波の音を吸音させ、
低密度パッド材で振動を絶縁させ、さらに高密度パッド
材で壁体の振動を抑制しようとするものである。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】３層構造の遮音材の厚
みを２層構造の遮音材（表皮＋パッド材）の厚みと同じ
にした場合、３層構造の遮音材における高密度パッド材
および低密度パッド材の厚みは、２層構造の遮音材のパ
ッド材に比較してそれぞれ半減してしまう。そして、３
層構造の遮音材における低周波遮音性能は、低密度パッ
ド材による低周波振動の絶縁と高密度パッド材による壁
体の振動の抑制とにより比較的向上するものの、高周波
の遮音性能は高密度パッド材の半減によりあまり向上し
ないものであった。
みを２層構造の遮音材（表皮＋パッド材）の厚みと同じ
にした場合、３層構造の遮音材における高密度パッド材
および低密度パッド材の厚みは、２層構造の遮音材のパ
ッド材に比較してそれぞれ半減してしまう。そして、３
層構造の遮音材における低周波遮音性能は、低密度パッ
ド材による低周波振動の絶縁と高密度パッド材による壁
体の振動の抑制とにより比較的向上するものの、高周波
の遮音性能は高密度パッド材の半減によりあまり向上し
ないものであった。
【０００７】
【発明の目的】本発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、大きなコスト上昇を招くことな
く、低周波遮音性能および高周波遮音性能がともに高い
遮音材の提供にある。
もので、その目的は、大きなコスト上昇を招くことな
く、低周波遮音性能および高周波遮音性能がともに高い
遮音材の提供にある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明の遮音材は、次の
技術的手段を採用した。 （請求項１）本発明の遮音材は、壁体に沿って配置され
るものであって、高周波防音用の高密度パッド材と、こ
の高密度パッド材の前記壁体とは異なった側の面に配置
される低周波防音用の低密度パッド材と、前記高密度パ
ッド材と前記低密度パッド材との間に配された膜と前記
低密度パッド材の前記膜とは異なった側の面に配された
質量の大きい表皮とを備える。
技術的手段を採用した。 （請求項１）本発明の遮音材は、壁体に沿って配置され
るものであって、高周波防音用の高密度パッド材と、こ
の高密度パッド材の前記壁体とは異なった側の面に配置
される低周波防音用の低密度パッド材と、前記高密度パ
ッド材と前記低密度パッド材との間に配された膜と前記
低密度パッド材の前記膜とは異なった側の面に配された
質量の大きい表皮とを備える。
【０００９】なお、本発明で使用する高周波および低周
波は相対的なもので、所定の周波数より低い周波数を低
周波、それより高い周波数を高周波としたものである。
同様に、本発明で使用する高密度および低密度も相対的
なもので、所定の密度より低い密度を低密度、それより
高い密度を高密度としたものである。
波は相対的なもので、所定の周波数より低い周波数を低
周波、それより高い周波数を高周波としたものである。
同様に、本発明で使用する高密度および低密度も相対的
なもので、所定の密度より低い密度を低密度、それより
高い密度を高密度としたものである。
【００１０】（請求項２）請求項１の遮音材において、
前記高密度パッド材は、前記壁体を通過した音波を主に
吸収する密度を有し、前記低密度パッド材は、前記壁体
から伝わる振動を主に絶縁する密度を有することを特徴
とする。
前記高密度パッド材は、前記壁体を通過した音波を主に
吸収する密度を有し、前記低密度パッド材は、前記壁体
から伝わる振動を主に絶縁する密度を有することを特徴
とする。
【００１１】
【発明の作用】本発明の遮音材の作用を、壁体側から音
が入射する場合を例に説明する。なお、説明を容易にす
るために、低周波の音の遮音と、高周波の音の遮音の作
用を別々に説明する。壁体側から低周波の音が入射する
と、その音の一部が壁体で反射し、壁体を通過する低周
波の音が減少する。また、壁体は、高密度パッド材によ
って振動が抑制されるため、壁体を伝わる低周波の音
が、高密度パッド材および低密度パッド材に入射するの
が抑えられる。壁体から高密度パッド材に入射した低周
波の音は、僅かに高密度パッド材で吸音されたのち、膜
を通過して低密度パッド材に入射する。膜から低密度パ
ッド材に入射した低周波の音は、質量の大きい表皮に覆
われた低密度パッド材で減衰される。この結果、表皮を
通過する低周波の音、つまり遮音材を通過する低周波の
音は著しく減少する。
が入射する場合を例に説明する。なお、説明を容易にす
るために、低周波の音の遮音と、高周波の音の遮音の作
用を別々に説明する。壁体側から低周波の音が入射する
と、その音の一部が壁体で反射し、壁体を通過する低周
波の音が減少する。また、壁体は、高密度パッド材によ
って振動が抑制されるため、壁体を伝わる低周波の音
が、高密度パッド材および低密度パッド材に入射するの
が抑えられる。壁体から高密度パッド材に入射した低周
波の音は、僅かに高密度パッド材で吸音されたのち、膜
を通過して低密度パッド材に入射する。膜から低密度パ
ッド材に入射した低周波の音は、質量の大きい表皮に覆
われた低密度パッド材で減衰される。この結果、表皮を
通過する低周波の音、つまり遮音材を通過する低周波の
音は著しく減少する。
【００１２】壁体側から高周波の音が入射すると、その
音の一部が壁体で反射し、壁体を通過する高周波の音が
減少する。壁体から高密度パッド材に入射した高周波の
音は、高密度パッド材を通過した後、膜で再び高密度パ
ッド材側に反射される。つまり、高周波の音は、膜と壁
体との間で反射する間に、高密度パッド材によって吸音
される。このため、膜を通過する高周波の音は著しく減
少する。膜から低密度パッド材に入射した高周波の音
は、低密度パッド材で僅かに吸音されて表皮に到達す
る。表皮に到達した高周波の一部は再び低密度パッド材
側に反射し、残りの一部の高周波の音が表皮を通過す
る。このように、壁体を通過した高周波の音は、まず高
密度パッド材で吸音され、その後膜で反射し、再び高密
度パッド材で吸音されるため、遮音材を通過する高周波
の音は著しく減少する。
音の一部が壁体で反射し、壁体を通過する高周波の音が
減少する。壁体から高密度パッド材に入射した高周波の
音は、高密度パッド材を通過した後、膜で再び高密度パ
ッド材側に反射される。つまり、高周波の音は、膜と壁
体との間で反射する間に、高密度パッド材によって吸音
される。このため、膜を通過する高周波の音は著しく減
少する。膜から低密度パッド材に入射した高周波の音
は、低密度パッド材で僅かに吸音されて表皮に到達す
る。表皮に到達した高周波の一部は再び低密度パッド材
側に反射し、残りの一部の高周波の音が表皮を通過す
る。このように、壁体を通過した高周波の音は、まず高
密度パッド材で吸音され、その後膜で反射し、再び高密
度パッド材で吸音されるため、遮音材を通過する高周波
の音は著しく減少する。
【００１３】
【発明の効果】本発明の遮音材は、上記の作用で示した
ように、低密度パッド材と表皮による低周波絶縁作用
と、高密度パッド材による壁体の抑制作用によって、低
周波の遮音性能に優れるとともに、高密度パッド材によ
る高周波吸音作用と、膜の高周波反射作用によって、高
周波の遮音性能にも優れる。また、従来の３層構造の遮
音材に、膜を追加したのみで本発明を実施できるため、
コストの上昇を低く抑えて高い遮音性能の遮音材を提供
することができる。
ように、低密度パッド材と表皮による低周波絶縁作用
と、高密度パッド材による壁体の抑制作用によって、低
周波の遮音性能に優れるとともに、高密度パッド材によ
る高周波吸音作用と、膜の高周波反射作用によって、高
周波の遮音性能にも優れる。また、従来の３層構造の遮
音材に、膜を追加したのみで本発明を実施できるため、
コストの上昇を低く抑えて高い遮音性能の遮音材を提供
することができる。
【００１４】
【実施例】次に、本発明の遮音材を、図に示す一実施例
に基づき説明する。 〔実施例の構成〕図１は壁体に装着された遮音材の要部
断面図である。遮音材１は、エンジンルームと室内との
隔壁、室内と室外との隔壁など、車両壁体２に配置さ
れ、壁体２を介して室内に進入する騒音を遮断するもの
である。この遮音材１は、高密度パッド材３、膜４、低
密度パッド材５、表皮６を順次積層した構造を備え、高
密度パッド材３の膜４とは異なった側の面が、壁体２の
表面に接した状態で配設される。遮音材１の厚みは、遮
音特性、車室内の居住性、他の機器との干渉を避ける等
の制約から設定されるもので、本実施例のように車両に
装着される場合の厚みは、一般的に約１０．０〜４０．
０ｍｍの範囲に設けられる。
に基づき説明する。 〔実施例の構成〕図１は壁体に装着された遮音材の要部
断面図である。遮音材１は、エンジンルームと室内との
隔壁、室内と室外との隔壁など、車両壁体２に配置さ
れ、壁体２を介して室内に進入する騒音を遮断するもの
である。この遮音材１は、高密度パッド材３、膜４、低
密度パッド材５、表皮６を順次積層した構造を備え、高
密度パッド材３の膜４とは異なった側の面が、壁体２の
表面に接した状態で配設される。遮音材１の厚みは、遮
音特性、車室内の居住性、他の機器との干渉を避ける等
の制約から設定されるもので、本実施例のように車両に
装着される場合の厚みは、一般的に約１０．０〜４０．
０ｍｍの範囲に設けられる。
【００１５】高密度パッド材３は、壁体２である鉄板を
通過した比較的高い周波数（２００Ｈｚ以上）の音を主
に吸音するべく、比較的高い密度（約０．０２〜０．０
８ｇ／ｃｍ3 の範囲）のパッド材で、例えばフェルト
（綿フェルト等）、発砲樹脂（ウレタンフォーム等）を
用いたものである。
通過した比較的高い周波数（２００Ｈｚ以上）の音を主
に吸音するべく、比較的高い密度（約０．０２〜０．０
８ｇ／ｃｍ3 の範囲）のパッド材で、例えばフェルト
（綿フェルト等）、発砲樹脂（ウレタンフォーム等）を
用いたものである。
【００１６】低密度パッド材５は、壁体２である鉄板を
伝わる比較的低い周波数（２００Ｈｚ以下）の振動を主
に絶縁するべく、比較的低い密度（約０．００５〜０．
０４ｇ／ｃｍ3 の範囲）のパッド材で、例えば低密度グ
ラスウールや低密度フェルト（化学繊維フェルト等）を
用いたものである。
伝わる比較的低い周波数（２００Ｈｚ以下）の振動を主
に絶縁するべく、比較的低い密度（約０．００５〜０．
０４ｇ／ｃｍ3 の範囲）のパッド材で、例えば低密度グ
ラスウールや低密度フェルト（化学繊維フェルト等）を
用いたものである。
【００１７】膜４は、比較的高い周波数（２００Ｈｚ以
上）の音を反射可能な密度の比較的高いフィルムで、例
えば樹脂フィルム、高密度紙、高密度布、金属薄膜を用
いたものである。
上）の音を反射可能な密度の比較的高いフィルムで、例
えば樹脂フィルム、高密度紙、高密度布、金属薄膜を用
いたものである。
【００１８】表皮６は、塩化ビニル樹脂等の樹脂材料や
ゴムシートなど、質量が比較的大きいもので（約１．０
〜１０．０ｋｇ／ｍ2 の範囲、好ましくは約３．０〜
５．０ｋｇ／ｍ2 の範囲）、膜４を挟んだ高密度パッド
材３および低密度パッド材５を覆う形状を備えるととも
に、組付作業や車両振動に耐える強度を有するものであ
る。
ゴムシートなど、質量が比較的大きいもので（約１．０
〜１０．０ｋｇ／ｍ2 の範囲、好ましくは約３．０〜
５．０ｋｇ／ｍ2 の範囲）、膜４を挟んだ高密度パッド
材３および低密度パッド材５を覆う形状を備えるととも
に、組付作業や車両振動に耐える強度を有するものであ
る。
【００１９】（実施例の作用）この遮音材１の遮音性能
を実験データを基に説明する。なお、図２は実験結果を
示すグラフである。このグラフは、３種類の従来品の実
験データ（破線、一点鎖線、二点鎖線）と、本発明を適
用した実施例品の実験データ（実線）とを示すものであ
る。
を実験データを基に説明する。なお、図２は実験結果を
示すグラフである。このグラフは、３種類の従来品の実
験データ（破線、一点鎖線、二点鎖線）と、本発明を適
用した実施例品の実験データ（実線）とを示すものであ
る。
【００２０】ここで、破線は、高密度パッド材３と表皮
６とからなる２層構造の遮音材のデータで、詳細は厚み
３０ｍｍの高密度パッド材３＋質量３．７ｋｇ／ｍ2 の
表皮６からなる。一点鎖線は、低密度パッド材５と表皮
６とからなる２層構造の遮音材のデータで、詳細は厚み
３０ｍｍの低密度パッド材５＋質量３．７ｋｇ／ｍ2 の
表皮６からなる。二点鎖線は、高密度パッド材３と低密
度パッド材５と表皮６とからなる従来の３層構造の遮音
材のデータで、詳細は壁体２側に厚み１５ｍｍの高密度
パッド材３＋厚み１５ｍｍの低密度パッド材５＋質量
３．７ｋｇ／ｍ2 の表皮６からなる。
６とからなる２層構造の遮音材のデータで、詳細は厚み
３０ｍｍの高密度パッド材３＋質量３．７ｋｇ／ｍ2 の
表皮６からなる。一点鎖線は、低密度パッド材５と表皮
６とからなる２層構造の遮音材のデータで、詳細は厚み
３０ｍｍの低密度パッド材５＋質量３．７ｋｇ／ｍ2 の
表皮６からなる。二点鎖線は、高密度パッド材３と低密
度パッド材５と表皮６とからなる従来の３層構造の遮音
材のデータで、詳細は壁体２側に厚み１５ｍｍの高密度
パッド材３＋厚み１５ｍｍの低密度パッド材５＋質量
３．７ｋｇ／ｍ2 の表皮６からなる。
【００２１】実線は、本発明を採用した４層構造（高密
度パッド材３＋膜４＋低密度パッド材５＋表皮６）の遮
音材１のデータで、詳細は壁体２側に厚み１５ｍｍの高
密度パッド材３＋樹脂フィルム製の膜４＋厚み１５ｍｍ
の低密度パッド材５＋質量３．７ｋｇ／ｍ2 の表皮６か
らなる。なお、実験では、壁体２に厚さ１．６ｍｍの鉄
板を用い、鉄板側から放射された音の遮音特性を求めた
ものである。また、グラフに示される複数のピーク値
は、実験に使用した鉄板の共振によるものである。
度パッド材３＋膜４＋低密度パッド材５＋表皮６）の遮
音材１のデータで、詳細は壁体２側に厚み１５ｍｍの高
密度パッド材３＋樹脂フィルム製の膜４＋厚み１５ｍｍ
の低密度パッド材５＋質量３．７ｋｇ／ｍ2 の表皮６か
らなる。なお、実験では、壁体２に厚さ１．６ｍｍの鉄
板を用い、鉄板側から放射された音の遮音特性を求めた
ものである。また、グラフに示される複数のピーク値
は、実験に使用した鉄板の共振によるものである。
【００２２】高密度パッド材３のみを用いた遮音材は、
破線に示されるように、２００Ｈｚ以下の低周波の遮音
性能が低い。低密度パッド材５のみを用いた遮音材は、
一点鎖線に示されるように、２００Ｈｚ以下の低周波の
遮音性能が高いが、２００Ｈｚ以上の高周波の遮音性能
が破線（高密度パッド材３のみを用いた遮音材）に比較
してやや劣化する。従来の２層構造の遮音材は、二点鎖
線に示されるように、２００Ｈｚ以下の低周波の遮音性
能が高いが、２００Ｈｚ以上の高周波の遮音性能はあま
り改善されない。
破線に示されるように、２００Ｈｚ以下の低周波の遮音
性能が低い。低密度パッド材５のみを用いた遮音材は、
一点鎖線に示されるように、２００Ｈｚ以下の低周波の
遮音性能が高いが、２００Ｈｚ以上の高周波の遮音性能
が破線（高密度パッド材３のみを用いた遮音材）に比較
してやや劣化する。従来の２層構造の遮音材は、二点鎖
線に示されるように、２００Ｈｚ以下の低周波の遮音性
能が高いが、２００Ｈｚ以上の高周波の遮音性能はあま
り改善されない。
【００２３】本発明を採用した４層構造の遮音材１は、
実線に示されるように、２００Ｈｚ以下の低周波の遮音
性能が高い。また２００Ｈｚ以上の高周波の遮音性能
が、飛躍的に向上している。この高周波の遮音性能は、
破線（高密度パッド材３のみを用いた遮音材）よりも遙
かに優れるものである。なお、低周波の遮音性能の向上
は、低密度パッド材５と表皮６による低周波振動絶縁作
用と、高密度パッド材３による壁体２の抑制作用とによ
って成されている。また、高周波の遮音性能の向上は、
高密度パッド材３による高周波吸音作用と、高密度パッ
ド材３から膜４に到達した高周波の音が、膜４によって
再び高密度パッド材３へ反射される膜４の反射作用（図
１の矢印参照）とによって成されている。
実線に示されるように、２００Ｈｚ以下の低周波の遮音
性能が高い。また２００Ｈｚ以上の高周波の遮音性能
が、飛躍的に向上している。この高周波の遮音性能は、
破線（高密度パッド材３のみを用いた遮音材）よりも遙
かに優れるものである。なお、低周波の遮音性能の向上
は、低密度パッド材５と表皮６による低周波振動絶縁作
用と、高密度パッド材３による壁体２の抑制作用とによ
って成されている。また、高周波の遮音性能の向上は、
高密度パッド材３による高周波吸音作用と、高密度パッ
ド材３から膜４に到達した高周波の音が、膜４によって
再び高密度パッド材３へ反射される膜４の反射作用（図
１の矢印参照）とによって成されている。
【００２４】（実施例の効果）本発明を採用した遮音材
１は、上記の実験データからも分かるように、低周波の
遮音性能に優れるとともに、高周波の遮音性能にも優れ
る。つまり、壁体２を伝わる振動による低周波の騒音
も、壁体２を通過した高周波の騒音も、本発明の遮音材
１によって、高い効率で遮音できる。
１は、上記の実験データからも分かるように、低周波の
遮音性能に優れるとともに、高周波の遮音性能にも優れ
る。つまり、壁体２を伝わる振動による低周波の騒音
も、壁体２を通過した高周波の騒音も、本発明の遮音材
１によって、高い効率で遮音できる。
【００２５】また、グラフから読み取れるように、壁体
２の共振によるピーク値が、特に２次以降顕著に抑えら
れるとともに、ピーク前後の傾斜が緩やかに抑えられて
いる。つまり、騒音の周波数特性がフラット化されてい
る。このように、車両固有の共振音が低く抑えられ、騒
音の周波数が均一化しているため、騒音が乗員の耳に付
きにくい効果を奏する。さらに、従来の３層構造の遮音
材１に、膜４を追加したのみで本発明を実施できるた
め、コストの上昇を低く抑えて、高い遮音性能の遮音材
１を製造できる。
２の共振によるピーク値が、特に２次以降顕著に抑えら
れるとともに、ピーク前後の傾斜が緩やかに抑えられて
いる。つまり、騒音の周波数特性がフラット化されてい
る。このように、車両固有の共振音が低く抑えられ、騒
音の周波数が均一化しているため、騒音が乗員の耳に付
きにくい効果を奏する。さらに、従来の３層構造の遮音
材１に、膜４を追加したのみで本発明を実施できるた
め、コストの上昇を低く抑えて、高い遮音性能の遮音材
１を製造できる。
【００２６】（変形例）上記の実施例では、遮音材を車
両に用いた例を示したが、音響機器、ＯＡ機器、家電機
器、建築設備などに用いる遮音材として適用しても良
い。また、高密度パッド材を２層以上に設け、各高密度
パッド材の層の間に膜を設けても良い。つまり、上記の
実施例では、高密度パッド材と低密度パッド材の２層の
例に示したが、高密度パッド材を複数層設けるととも
に、各層間に膜を配置した３層構造以上の遮音材として
も良い。なお、各層の高密度パッド材の密度は同じでも
良いし、異なっても良い。
両に用いた例を示したが、音響機器、ＯＡ機器、家電機
器、建築設備などに用いる遮音材として適用しても良
い。また、高密度パッド材を２層以上に設け、各高密度
パッド材の層の間に膜を設けても良い。つまり、上記の
実施例では、高密度パッド材と低密度パッド材の２層の
例に示したが、高密度パッド材を複数層設けるととも
に、各層間に膜を配置した３層構造以上の遮音材として
も良い。なお、各層の高密度パッド材の密度は同じでも
良いし、異なっても良い。
【図１】遮音材の要部断面図である。
【図２】実験結果を示すグラフである。
１ 遮音材 ２ 壁体 ３ 高密度パッド材 ４ 膜 ５ 低密度パッド材 ６ 表皮
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｅ０４Ｂ 1/86 Ｎ Ｇ１０Ｋ 11/16 // Ｂ２９Ｋ 105:04
Claims (2)
- 【請求項１】壁体に沿って配置される遮音材であって、 高周波防音用の高密度パッド材と、 この高密度パッド材の前記壁体とは異なった側の面に配
置される低周波防音用の低密度パッド材と、 前記高密度パッド材と前記低密度パッド材との間に配さ
れた膜と前記低密度パッド材の前記膜とは異なった側の
面に配された質量の大きい表皮とを備える遮音材。 - 【請求項２】請求項１の遮音材において、 前記高密度パッド材は、前記壁体を通過した音波を主に
吸収する密度を有し、 前記低密度パッド材は、前記壁体から伝わる振動を主に
絶縁する密度を有することを特徴とする遮音材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6320586A JPH08179779A (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 遮音材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6320586A JPH08179779A (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 遮音材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08179779A true JPH08179779A (ja) | 1996-07-12 |
Family
ID=18123078
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6320586A Pending JPH08179779A (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 遮音材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08179779A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003122370A (ja) * | 2001-10-11 | 2003-04-25 | Showa Electric Wire & Cable Co Ltd | 吸音材 |
| WO2017159646A1 (ja) * | 2016-03-15 | 2017-09-21 | ニチアス株式会社 | 防音カバー |
| CN109616092A (zh) * | 2019-01-24 | 2019-04-12 | 中国人民解放军国防科技大学 | 具有低频减振降噪及隔声功能的超材料型轻质结构 |
| KR20200072305A (ko) * | 2018-12-12 | 2020-06-22 | 한국과학기술연구원 | 흡음구조체 및 그 제조 방법 |
| KR20210016858A (ko) * | 2019-08-05 | 2021-02-17 | 한국과학기술연구원 | 흡음 장치 및 그 제조 방법 |
-
1994
- 1994-12-22 JP JP6320586A patent/JPH08179779A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003122370A (ja) * | 2001-10-11 | 2003-04-25 | Showa Electric Wire & Cable Co Ltd | 吸音材 |
| WO2017159646A1 (ja) * | 2016-03-15 | 2017-09-21 | ニチアス株式会社 | 防音カバー |
| JP2017167251A (ja) * | 2016-03-15 | 2017-09-21 | ニチアス株式会社 | 防音カバー |
| KR20200072305A (ko) * | 2018-12-12 | 2020-06-22 | 한국과학기술연구원 | 흡음구조체 및 그 제조 방법 |
| CN109616092A (zh) * | 2019-01-24 | 2019-04-12 | 中国人民解放军国防科技大学 | 具有低频减振降噪及隔声功能的超材料型轻质结构 |
| CN109616092B (zh) * | 2019-01-24 | 2022-09-23 | 中国人民解放军国防科技大学 | 具有低频减振降噪及隔声功能的超材料型轻质结构 |
| KR20210016858A (ko) * | 2019-08-05 | 2021-02-17 | 한국과학기술연구원 | 흡음 장치 및 그 제조 방법 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3307648B2 (ja) | 音響波を吸収するための層状吸収材 | |
| JP2646202B2 (ja) | 防音装置 | |
| JPH11259076A (ja) | 吸音材構造 | |
| JP3718112B2 (ja) | 防音材 | |
| JP2956441B2 (ja) | 防音材 | |
| JP2003216158A (ja) | 車両用防音材 | |
| JP4215146B2 (ja) | 自動車用インシュレータ | |
| JPH08179779A (ja) | 遮音材 | |
| JPS5961889A (ja) | 防音外装 | |
| JP2000034938A (ja) | 吸音装置 | |
| WO2019004151A1 (ja) | 防音用被覆材およびエンジンユニット | |
| JP3701010B2 (ja) | 自動車用インシュレータダッシュ | |
| JPH0333565Y2 (ja) | ||
| JPS6234766Y2 (ja) | ||
| JP3521577B2 (ja) | 吸音材 | |
| JPS6118538A (ja) | 自動車用インシユレ−タダツシユ | |
| JPH0976391A (ja) | 遮音構造 | |
| JPH09134179A (ja) | 振動・騒音発生源の遮蔽カバー装置 | |
| JPS58101847A (ja) | エンジンルームの遮音構造 | |
| JPH0343242A (ja) | 防音材 | |
| JPH0143327Y2 (ja) | ||
| JP2000202933A (ja) | 遮音材 | |
| KR100765842B1 (ko) | 흡차음 기능을 갖는 대쉬패널 | |
| JPH0143328Y2 (ja) | ||
| JP2005088706A (ja) | 車両用防音材 |