JPH08179669A - 電子写真装置用クリーニングブレード - Google Patents
電子写真装置用クリーニングブレードInfo
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- JPH08179669A JPH08179669A JP6338050A JP33805094A JPH08179669A JP H08179669 A JPH08179669 A JP H08179669A JP 6338050 A JP6338050 A JP 6338050A JP 33805094 A JP33805094 A JP 33805094A JP H08179669 A JPH08179669 A JP H08179669A
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- JP
- Japan
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- hydroxyl groups
- cleaning blade
- butanediol
- hexanediol
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 低温特性と永久歪み及び高温でのビビリ音防
止とを両立させた電子写真装置用クリーニングブレード
を提供する。 【構成】 ポリウレタンエラストマーからなるブレード
部材と、支持部材と、接着剤層とからなる電子写真装置
用クリーニングブレードにおいて、前記ポリウレタンエ
ラストマーが、高分子量ポリオール、イソシアネート化
合物及び鎖延長・架橋剤からなり、前記高分子量ポリオ
ールが、ポリエチレンアジペートからなり、前記鎖延長
・架橋剤が、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール及びトリメチロールプロパンからなり、前記
鎖延長・架橋剤における1,4−ブタンジオールの水酸
基数及び1,6−ヘキサンジオールの水酸基数の総和と
トリメチロールプロパンの水酸基数との比が85:15
〜60:40であり、かつ、1,6−ヘキサンジオール
の水酸基数と1,4−ブタンジオールの水酸基数との比
が97:3〜50:50である電子写真装置用クリーニ
ングブレード。
止とを両立させた電子写真装置用クリーニングブレード
を提供する。 【構成】 ポリウレタンエラストマーからなるブレード
部材と、支持部材と、接着剤層とからなる電子写真装置
用クリーニングブレードにおいて、前記ポリウレタンエ
ラストマーが、高分子量ポリオール、イソシアネート化
合物及び鎖延長・架橋剤からなり、前記高分子量ポリオ
ールが、ポリエチレンアジペートからなり、前記鎖延長
・架橋剤が、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール及びトリメチロールプロパンからなり、前記
鎖延長・架橋剤における1,4−ブタンジオールの水酸
基数及び1,6−ヘキサンジオールの水酸基数の総和と
トリメチロールプロパンの水酸基数との比が85:15
〜60:40であり、かつ、1,6−ヘキサンジオール
の水酸基数と1,4−ブタンジオールの水酸基数との比
が97:3〜50:50である電子写真装置用クリーニ
ングブレード。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広範囲の温度域で長期
にわたり安定したクリーニング性を保持する電子写真装
置用クリーニングブレードに関する。
にわたり安定したクリーニング性を保持する電子写真装
置用クリーニングブレードに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置は、表面に光導電体層を設
けた感光体を有しており、作動の際、上記感光体の外周
面が一様に帯電され、ついで被模写体の被模写像を介し
てその外周面を露光することにより、静電潜像を形成
し、この静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成
し、これを紙等に転写し、定着させるものである。
けた感光体を有しており、作動の際、上記感光体の外周
面が一様に帯電され、ついで被模写体の被模写像を介し
てその外周面を露光することにより、静電潜像を形成
し、この静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成
し、これを紙等に転写し、定着させるものである。
【0003】この過程において、転写後の感光体の外周
上にはトナーが一部残留するので、この残留トナーを除
去する必要がある。このようなトナーの除去は、クリー
ニングブレードにより行われている。クリーニングブレ
ードは、通常、金属板よりなる支持体に、弾性体よりな
るブレード部材を接合した構成をなしたものが使用され
る。
上にはトナーが一部残留するので、この残留トナーを除
去する必要がある。このようなトナーの除去は、クリー
ニングブレードにより行われている。クリーニングブレ
ードは、通常、金属板よりなる支持体に、弾性体よりな
るブレード部材を接合した構成をなしたものが使用され
る。
【0004】上記ブレード部材は、感光体等の相手材と
の摺擦による磨耗、永久歪みが少なく、接着時の加圧、
接着剤の溶剤による変形が小さい等の特性を必要とする
ので、ポリウレタンエラストマーが通常使用される。ブ
レード部材の硬さとしては、感光体へダメージを与え
ず、かつ、クリーニング時に適度な圧接力を要すること
より、硬さ65〜80度(JIS−A)が好ましい。
の摺擦による磨耗、永久歪みが少なく、接着時の加圧、
接着剤の溶剤による変形が小さい等の特性を必要とする
ので、ポリウレタンエラストマーが通常使用される。ブ
レード部材の硬さとしては、感光体へダメージを与え
ず、かつ、クリーニング時に適度な圧接力を要すること
より、硬さ65〜80度(JIS−A)が好ましい。
【0005】これらの特性を満足させるために、通常、
ポリウレタンエラストマーの製造に使用される鎖延長剤
又は架橋剤としては、2官能成分の1,4−ブタンジオ
ール、3官能成分のトリメチロールプロパン等が併用さ
れている。
ポリウレタンエラストマーの製造に使用される鎖延長剤
又は架橋剤としては、2官能成分の1,4−ブタンジオ
ール、3官能成分のトリメチロールプロパン等が併用さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】通常、電子写真装置は
5〜40℃の環境下で使用される。このときの装置内の
温度は、5〜60℃になる。クリーニングブレードは、
この温度範囲内での良好なクリーニング性が要求され
る。
5〜40℃の環境下で使用される。このときの装置内の
温度は、5〜60℃になる。クリーニングブレードは、
この温度範囲内での良好なクリーニング性が要求され
る。
【0007】クリーニングブレードの低温でのクリーニ
ング特性を満足させるためには、1,4−ブタンジオー
ルを多量に配合する必要があるが、そうすると永久歪み
が大きくなり長期使用すると変形を生じクリーニング不
良を生じ、また、高温での反発弾性が大きくなり高温使
用時にブレード部材のビビリ音(鳴き)を生じる結果と
なる。逆にクリーニングブレードの永久歪み及び高温の
反発弾性を小さくするにはトリメチロールプロパンを多
量に配合すれば良いが、そうするとガラス転移温度を上
昇させ低温でのクリーニング特性に劣る結果となり、低
温でのクリーニング特性と永久歪み及び高温でのビビリ
音防止とを両立させることができない問題があった。
ング特性を満足させるためには、1,4−ブタンジオー
ルを多量に配合する必要があるが、そうすると永久歪み
が大きくなり長期使用すると変形を生じクリーニング不
良を生じ、また、高温での反発弾性が大きくなり高温使
用時にブレード部材のビビリ音(鳴き)を生じる結果と
なる。逆にクリーニングブレードの永久歪み及び高温の
反発弾性を小さくするにはトリメチロールプロパンを多
量に配合すれば良いが、そうするとガラス転移温度を上
昇させ低温でのクリーニング特性に劣る結果となり、低
温でのクリーニング特性と永久歪み及び高温でのビビリ
音防止とを両立させることができない問題があった。
【0008】このような問題を解決するために、従来、
ソフトセグメントを構成するポリオール組成、ハードセ
グメントを形成するイソシアネート化合物の含量等につ
いての検討が主になされてきたが、低分子量の鎖延長・
架橋剤についての検討はほとんどなされていないか、又
は、鎖延長・架橋剤それぞれ個別の検討程度しかなされ
ておらず、これらの組み合わせについての検討はなされ
ていなかった。
ソフトセグメントを構成するポリオール組成、ハードセ
グメントを形成するイソシアネート化合物の含量等につ
いての検討が主になされてきたが、低分子量の鎖延長・
架橋剤についての検討はほとんどなされていないか、又
は、鎖延長・架橋剤それぞれ個別の検討程度しかなされ
ておらず、これらの組み合わせについての検討はなされ
ていなかった。
【0009】本発明は、上記に鑑み、低温特性と永久歪
み及び高温でのビビリ音防止とを両立させた電子写真装
置用クリーニングブレードを提供することを目的とする
ものである。
み及び高温でのビビリ音防止とを両立させた電子写真装
置用クリーニングブレードを提供することを目的とする
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、ポリウ
レタンエラストマーからなるブレード部材と、支持部材
と、接着剤層とからなる電子写真装置用クリーニングブ
レードにおいて、上記ポリウレタンエラストマーが、高
分子量ポリオール、イソシアネート化合物及び鎖延長・
架橋剤からなり、上記高分子量ポリオールが、ポリエチ
レンアジペートからなり、上記鎖延長・架橋剤が、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及びト
リメチロールプロパンからなり、上記鎖延長・架橋剤に
おける1,4−ブタンジオールの水酸基数及び1,6−
ヘキサンジオールの水酸基数の総和とトリメチロールプ
ロパンの水酸基数との比が85:15〜60:40であ
り、かつ、1,6−ヘキサンジオールの水酸基数と1,
4−ブタンジオールの水酸基数との比が97:3〜5
0:50とするところにある。
レタンエラストマーからなるブレード部材と、支持部材
と、接着剤層とからなる電子写真装置用クリーニングブ
レードにおいて、上記ポリウレタンエラストマーが、高
分子量ポリオール、イソシアネート化合物及び鎖延長・
架橋剤からなり、上記高分子量ポリオールが、ポリエチ
レンアジペートからなり、上記鎖延長・架橋剤が、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及びト
リメチロールプロパンからなり、上記鎖延長・架橋剤に
おける1,4−ブタンジオールの水酸基数及び1,6−
ヘキサンジオールの水酸基数の総和とトリメチロールプ
ロパンの水酸基数との比が85:15〜60:40であ
り、かつ、1,6−ヘキサンジオールの水酸基数と1,
4−ブタンジオールの水酸基数との比が97:3〜5
0:50とするところにある。
【0011】本発明の電子写真装置用クリーニングブレ
ードにおけるブレード部材は、ポリウレタンエラストマ
ーからなるものである。上記ポリウレタンエラストマー
は、高分子量ポリオールとイソシアネート化合物とをま
ず反応させ両末端にイソシアネート基を有するプレポリ
マーをつくり、鎖延長・架橋剤で硬化するプレポリマー
法により製造される。
ードにおけるブレード部材は、ポリウレタンエラストマ
ーからなるものである。上記ポリウレタンエラストマー
は、高分子量ポリオールとイソシアネート化合物とをま
ず反応させ両末端にイソシアネート基を有するプレポリ
マーをつくり、鎖延長・架橋剤で硬化するプレポリマー
法により製造される。
【0012】本発明で使用される高分子量ポリオール
は、ポリエチレンアジペートからなるものである。上記
ポリエチレンアジペートの分子量は、1000〜500
0の範囲が好ましい。1000未満であると、低温特性
が著しく損なわれ、5000を超えると、機械的特性に
劣るからである。
は、ポリエチレンアジペートからなるものである。上記
ポリエチレンアジペートの分子量は、1000〜500
0の範囲が好ましい。1000未満であると、低温特性
が著しく損なわれ、5000を超えると、機械的特性に
劣るからである。
【0013】本発明で使用されるイソシアネート化合物
としては特に限定されず、例えば、ジフェニルメタンジ
イソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート
(TDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、
トリジンジイソシアネート(TODI)、これらの異性
体、変性体等を挙げることができる。
としては特に限定されず、例えば、ジフェニルメタンジ
イソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート
(TDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、
トリジンジイソシアネート(TODI)、これらの異性
体、変性体等を挙げることができる。
【0014】本明細書における鎖延長・架橋剤とは、分
子鎖の延長反応と同時に架橋反応を行い、硬化させるも
のであり、単に架橋剤又は硬化剤と称されることもあ
る。本発明で使用される鎖延長・架橋剤は、1,4−ブ
タンジオール(以下「14BG」という)、1,6−ヘ
キサンジオール(以下「16HG」という)及びトリメ
チロールプロパン(以下「TMP」という)からなるも
のである。上記鎖延長・架橋剤における配合割合は、1
4BGの水酸基数及び16HGの水酸基数の総和とTM
Pの水酸基数との比が85:15〜60:40であり、
かつ、16HGの水酸基数と14BGの水酸基数との比
が97:3〜50:50である。
子鎖の延長反応と同時に架橋反応を行い、硬化させるも
のであり、単に架橋剤又は硬化剤と称されることもあ
る。本発明で使用される鎖延長・架橋剤は、1,4−ブ
タンジオール(以下「14BG」という)、1,6−ヘ
キサンジオール(以下「16HG」という)及びトリメ
チロールプロパン(以下「TMP」という)からなるも
のである。上記鎖延長・架橋剤における配合割合は、1
4BGの水酸基数及び16HGの水酸基数の総和とTM
Pの水酸基数との比が85:15〜60:40であり、
かつ、16HGの水酸基数と14BGの水酸基数との比
が97:3〜50:50である。
【0015】16HGの水酸基数及び14BGの水酸基
数の総和の割合が、TMPの水酸基数に対し85:15
より多いと、化学架橋密度があまりに低下し歪み特性が
大きくなり、60:40より少ないと、化学架橋密度が
多すぎるので、分子鎖の束縛が大きくなりガラス転移温
度の著しい上昇を招くとともにハードセグメント濃度が
低くなるので硬度が低下してしまうので、上記範囲に限
定される。
数の総和の割合が、TMPの水酸基数に対し85:15
より多いと、化学架橋密度があまりに低下し歪み特性が
大きくなり、60:40より少ないと、化学架橋密度が
多すぎるので、分子鎖の束縛が大きくなりガラス転移温
度の著しい上昇を招くとともにハードセグメント濃度が
低くなるので硬度が低下してしまうので、上記範囲に限
定される。
【0016】16HGの水酸基数の割合が、14BGの
水酸基数に対し97:3より多いと、16HG及び14
BGとイソシアネートとでつくるハードセグメントの凝
集が低下しソフトセグメントとハードセグメントとが必
要以上に混合するためにガラス転移温度が著しく上昇
し、ハードセグメントの凝集力の低下により硬度が低く
なり、50:50より少ないと、14BGの特性が強ま
りハードセグメントとソフトセグメントとの相分離が進
む傾向にあり歪み特性が大きくなるので、上記範囲に限
定される。
水酸基数に対し97:3より多いと、16HG及び14
BGとイソシアネートとでつくるハードセグメントの凝
集が低下しソフトセグメントとハードセグメントとが必
要以上に混合するためにガラス転移温度が著しく上昇
し、ハードセグメントの凝集力の低下により硬度が低く
なり、50:50より少ないと、14BGの特性が強ま
りハードセグメントとソフトセグメントとの相分離が進
む傾向にあり歪み特性が大きくなるので、上記範囲に限
定される。
【0017】本発明に係るブレード部材は、例えば、遠
心成形法、金型成形法等を用いてポリウレタンエラスト
マーを成形した後所定サイズに裁断し、必要に応じて洗
浄を行うこと等により得ることができる。
心成形法、金型成形法等を用いてポリウレタンエラスト
マーを成形した後所定サイズに裁断し、必要に応じて洗
浄を行うこと等により得ることができる。
【0018】本発明に係る支持部材としては特に限定さ
れず、例えば、剛体の金属又は弾性を有する金属、プラ
スチック、セラミック等から製造されたもの等を挙げる
ことができ、通常は、無処理の鋼板、リン酸亜鉛処理又
はクロメート処理等の表面処理が施された鋼板、その他
メッキ処理が施された鋼板等から製造されたもの等を用
いることができる。本発明の電子写真装置用クリーニン
グブレードの製造においては、上記支持部材は、溶剤等
により脱脂処理を行って使用するのが好ましい。
れず、例えば、剛体の金属又は弾性を有する金属、プラ
スチック、セラミック等から製造されたもの等を挙げる
ことができ、通常は、無処理の鋼板、リン酸亜鉛処理又
はクロメート処理等の表面処理が施された鋼板、その他
メッキ処理が施された鋼板等から製造されたもの等を用
いることができる。本発明の電子写真装置用クリーニン
グブレードの製造においては、上記支持部材は、溶剤等
により脱脂処理を行って使用するのが好ましい。
【0019】本発明の電子写真装置用クリーニングブレ
ードにおける接着方法としては、通常用いられる方法で
行われ、例えば、上記支持体に、通常用いられる接着剤
を塗布し、その上にブレード部材を貼り合わせること等
により行う。貼り合わせた後、加熱加圧等をしてもよ
い。また、接着剤を塗布した支持体をブレード部材形状
を彫り込んだ金型に配置し、ポリウレタンエラストマー
形成と同時に接着させてもよい。
ードにおける接着方法としては、通常用いられる方法で
行われ、例えば、上記支持体に、通常用いられる接着剤
を塗布し、その上にブレード部材を貼り合わせること等
により行う。貼り合わせた後、加熱加圧等をしてもよ
い。また、接着剤を塗布した支持体をブレード部材形状
を彫り込んだ金型に配置し、ポリウレタンエラストマー
形成と同時に接着させてもよい。
【0020】本発明に係るブレード部材は、電子写真装
置の現像部において現像ロールの外周上にトナーを薄層
で担持させるためにトナー層厚を規制する現像ブレー
ド、転写部における転写ベルトのクリーニングブレード
等にも適用することができる。
置の現像部において現像ロールの外周上にトナーを薄層
で担持させるためにトナー層厚を規制する現像ブレー
ド、転写部における転写ベルトのクリーニングブレード
等にも適用することができる。
【0021】
【作用】ブレード部材の高温での反発弾性は、分子鎖の
ミクロ及びマクロなブラウン運動により生じるので、反
発弾性を抑えるにはブラウン運動を制御する必要があ
る。この分子鎖の運動は、ウレタンエラストマーのソフ
トセグメント部分の影響が大きい。分子鎖の運動を制御
するためには、ポリオール組成として極性基密度を高く
するか、又は、立体障害を設ける方法があるが、分子鎖
に立体障害を設ける方法では、分子間物理結合が低下す
るので、破壊強度、歪み特性には逆効果になる。本発明
に係るブレード部材は、高分子量ポリオールとしてポリ
エチレンアジペートを用いることによりソフトセグメン
ト中に極性基を導入し、分子鎖のブラウン運動を低下さ
せるので高温での反発弾性を抑えることができる。
ミクロ及びマクロなブラウン運動により生じるので、反
発弾性を抑えるにはブラウン運動を制御する必要があ
る。この分子鎖の運動は、ウレタンエラストマーのソフ
トセグメント部分の影響が大きい。分子鎖の運動を制御
するためには、ポリオール組成として極性基密度を高く
するか、又は、立体障害を設ける方法があるが、分子鎖
に立体障害を設ける方法では、分子間物理結合が低下す
るので、破壊強度、歪み特性には逆効果になる。本発明
に係るブレード部材は、高分子量ポリオールとしてポリ
エチレンアジペートを用いることによりソフトセグメン
ト中に極性基を導入し、分子鎖のブラウン運動を低下さ
せるので高温での反発弾性を抑えることができる。
【0022】ハードセグメント成分は、ソフトセグメン
トのブラウン運動を制御し、歪み特性を小さくするため
に、ソフトセグメントとの物理結合が必要になる。一
方、ハードセグメントとソフトセグメントとの物理結合
があまり進行するとソフトセグメントの運動を制御しす
ぎる結果、ガラス転移温度を著しく上昇させる。鎖延長
・架橋剤として14BGを用いると、14BGとイソシ
アネートとで構成するハードセグメントの凝集性が高く
なりハードセグメントとソフトセグメントとが相分離傾
向となり、上述の物理結合性に乏しいものとなる。
トのブラウン運動を制御し、歪み特性を小さくするため
に、ソフトセグメントとの物理結合が必要になる。一
方、ハードセグメントとソフトセグメントとの物理結合
があまり進行するとソフトセグメントの運動を制御しす
ぎる結果、ガラス転移温度を著しく上昇させる。鎖延長
・架橋剤として14BGを用いると、14BGとイソシ
アネートとで構成するハードセグメントの凝集性が高く
なりハードセグメントとソフトセグメントとが相分離傾
向となり、上述の物理結合性に乏しいものとなる。
【0023】本発明に係るブレード部材は、14BGに
比べわずかに分子鎖の長い16HGと14BGとを併用
することにより、ハードセグメントの凝集を適度に低下
させソフトセグメントとの混合性を増し、効果的な物理
結合を形成することができるので、歪み特性を改良しつ
つ、ガラス転移温度の上昇を抑え、低温でのクリーニン
グ性を損なわない。また、14BG、16HG併用系に
3官能成分であるTMPを併用することにより、構造中
に化学架橋を導入し、歪み特性を改良することができ
る。
比べわずかに分子鎖の長い16HGと14BGとを併用
することにより、ハードセグメントの凝集を適度に低下
させソフトセグメントとの混合性を増し、効果的な物理
結合を形成することができるので、歪み特性を改良しつ
つ、ガラス転移温度の上昇を抑え、低温でのクリーニン
グ性を損なわない。また、14BG、16HG併用系に
3官能成分であるTMPを併用することにより、構造中
に化学架橋を導入し、歪み特性を改良することができ
る。
【0024】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0025】製造例1プレポリマーの合成 高分子量ポリオールとしてポリエチレンアジペート(日
本ポリウレタン工業社製、ニッポラン4060、水酸基
含量56.2KOHmg/g)を用いた。高分子量ポリ
オールは、80℃で12時間減圧乾燥させた。この高分
子量ポリオール100gに対し4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、ミ
リオネートMT)を39.5g加え、N2 下80℃で3
時間反応させプレポリマーを得た。得られたプレポリマ
ーのNCO含有量は6.5重量%であった。
本ポリウレタン工業社製、ニッポラン4060、水酸基
含量56.2KOHmg/g)を用いた。高分子量ポリ
オールは、80℃で12時間減圧乾燥させた。この高分
子量ポリオール100gに対し4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、ミ
リオネートMT)を39.5g加え、N2 下80℃で3
時間反応させプレポリマーを得た。得られたプレポリマ
ーのNCO含有量は6.5重量%であった。
【0026】製造例2プレポリマーの合成 高分子量ポリオールとしてポリブチレンアジペート(日
本ポリウレタン工業社製、ニッポラン4010、水酸基
含量56.2KOHmg/g)を用いた。以下製造例1
と同様に行いプレポリマーを得た。
本ポリウレタン工業社製、ニッポラン4010、水酸基
含量56.2KOHmg/g)を用いた。以下製造例1
と同様に行いプレポリマーを得た。
【0027】製造例3プレポリマーの合成 高分子量ポリオールとしてポリカプロラクトン(ダイセ
ル化学工業社製、プラクセル220、水酸基含量56.
1KOHmg/g)を用いた。以下製造例1と同様に行
いプレポリマーを得た。
ル化学工業社製、プラクセル220、水酸基含量56.
1KOHmg/g)を用いた。以下製造例1と同様に行
いプレポリマーを得た。
【0028】実施例1〜5及び比較例1〜10ブレード部材の成形 製造例1〜3により得たプレポリマーを、100℃減圧
下で1時間脱泡した。OH/NCO比を通常一般に設定
される0.9とし、16HG/14BG/TMP比を表
1に示した比率にてプレポリマーに加え、2〜3分混合
し140℃で1時間遠心成形機にて成形し厚さ2mmの
シートを得た。さらに110℃で24時間後架橋をした
後、所定寸法にカットしてブレード部材を得た。
下で1時間脱泡した。OH/NCO比を通常一般に設定
される0.9とし、16HG/14BG/TMP比を表
1に示した比率にてプレポリマーに加え、2〜3分混合
し140℃で1時間遠心成形機にて成形し厚さ2mmの
シートを得た。さらに110℃で24時間後架橋をした
後、所定寸法にカットしてブレード部材を得た。
【0029】物性評価 硬さ(Hs)はJIS−Aスプリング硬度計にて測定し
た。永久伸びは、JIS−1号ダンベルにより打ち抜
き、200%伸長10分保持後の値を示した。ガラス転
移温度(Tg)は、5%伸長10Hzの条件によりスペ
クトロメーターにて測定したtanδのピーク温度を示
した。反発弾性は、JIS K 6301に準じ、25
℃、50℃で測定した。
た。永久伸びは、JIS−1号ダンベルにより打ち抜
き、200%伸長10分保持後の値を示した。ガラス転
移温度(Tg)は、5%伸長10Hzの条件によりスペ
クトロメーターにて測定したtanδのピーク温度を示
した。反発弾性は、JIS K 6301に準じ、25
℃、50℃で測定した。
【0030】表1にこれらの配合内容及び物性値を示し
た。表1中、HGは、1,6−ヘキサンジオールを、B
Gは、1,4−ブタンジオールを、OH比は、水酸基数
の比率をそれぞれ表す。
た。表1中、HGは、1,6−ヘキサンジオールを、B
Gは、1,4−ブタンジオールを、OH比は、水酸基数
の比率をそれぞれ表す。
【0031】
【表1】
【0032】評価 (1)実施例及び比較例のブレード部材を通常の方法す
なわち両面テープを用いて支持部材と接着させクリーニ
ングブレードとし、プリンター(松下電器産業社製、商
品番号P−5400)にセットし、5℃、50℃の条件
下で連続印刷を行い、それぞれのビビリ音、クリーニン
グ性の評価を行った。 (2)クリーニングブレードを感光体にセットした状態
で45℃の雰囲気中に1ヶ月放置後取り出し、新たに複
写機にセットして常温でのクリーニング性を評価した。
これらの結果を表2に示した。
なわち両面テープを用いて支持部材と接着させクリーニ
ングブレードとし、プリンター(松下電器産業社製、商
品番号P−5400)にセットし、5℃、50℃の条件
下で連続印刷を行い、それぞれのビビリ音、クリーニン
グ性の評価を行った。 (2)クリーニングブレードを感光体にセットした状態
で45℃の雰囲気中に1ヶ月放置後取り出し、新たに複
写機にセットして常温でのクリーニング性を評価した。
これらの結果を表2に示した。
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明の電子写真装置用クリーニングブ
レードは、上述の構成からなるので、ガラス転移温度を
低温に保ち高温での反発弾性を制御しつつ永久歪みを抑
えることにより、広範囲の温度域にわたりかつ長期にわ
たり安定したクリーニング性を得ることができる。
レードは、上述の構成からなるので、ガラス転移温度を
低温に保ち高温での反発弾性を制御しつつ永久歪みを抑
えることにより、広範囲の温度域にわたりかつ長期にわ
たり安定したクリーニング性を得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリウレタンエラストマーからなるブレ
ード部材と、支持部材と、接着剤層とからなる電子写真
装置用クリーニングブレードにおいて、前記ポリウレタ
ンエラストマーが、高分子量ポリオール、イソシアネー
ト化合物及び鎖延長・架橋剤からなり、前記高分子量ポ
リオールが、ポリエチレンアジペートからなり、前記鎖
延長・架橋剤が、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール及びトリメチロールプロパンからなり、
前記鎖延長・架橋剤における1,4−ブタンジオールの
水酸基数及び1,6−ヘキサンジオールの水酸基数の総
和とトリメチロールプロパンの水酸基数との比が85:
15〜60:40であり、かつ、1,6−ヘキサンジオ
ールの水酸基数と1,4−ブタンジオールの水酸基数と
の比が97:3〜50:50であることを特徴とする電
子写真装置用クリーニングブレード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6338050A JPH08179669A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 電子写真装置用クリーニングブレード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6338050A JPH08179669A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 電子写真装置用クリーニングブレード |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08179669A true JPH08179669A (ja) | 1996-07-12 |
Family
ID=18314448
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6338050A Pending JPH08179669A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 電子写真装置用クリーニングブレード |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08179669A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100413996B1 (ko) * | 2001-03-29 | 2004-01-13 | 캐논 가세이 가부시끼가이샤 | 세척 블레이드 및 이를 이용한 전자사진 장치 |
JP2005345637A (ja) * | 2004-06-01 | 2005-12-15 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | クリーニングブレード及びその製造方法並びに画像形成装置のクリーニング方法 |
JP2010134111A (ja) * | 2008-12-03 | 2010-06-17 | Synztec Co Ltd | クリーニングブレード部材 |
JP2017049557A (ja) * | 2015-09-04 | 2017-03-09 | 富士ゼロックス株式会社 | クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 |
US9709946B2 (en) | 2015-09-04 | 2017-07-18 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Cleaning blade, process cartridge, and image forming apparatus |
WO2022097526A1 (ja) * | 2020-11-09 | 2022-05-12 | キヤノン株式会社 | 電子写真用クリーニングブレード、プロセスカートリッジ、及び電子写真画像形成装置 |
-
1994
- 1994-12-26 JP JP6338050A patent/JPH08179669A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100413996B1 (ko) * | 2001-03-29 | 2004-01-13 | 캐논 가세이 가부시끼가이샤 | 세척 블레이드 및 이를 이용한 전자사진 장치 |
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JP2017049557A (ja) * | 2015-09-04 | 2017-03-09 | 富士ゼロックス株式会社 | クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 |
US9709946B2 (en) | 2015-09-04 | 2017-07-18 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Cleaning blade, process cartridge, and image forming apparatus |
WO2022097526A1 (ja) * | 2020-11-09 | 2022-05-12 | キヤノン株式会社 | 電子写真用クリーニングブレード、プロセスカートリッジ、及び電子写真画像形成装置 |
US12092984B2 (en) | 2020-11-09 | 2024-09-17 | Canon Kabushiki Kaisha | Electrophotography cleaning blade, process cartridge, and electrophotographic image formation device |
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