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JPH08177492A - 内燃機関のピストン冷却装置 - Google Patents

内燃機関のピストン冷却装置

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Publication number
JPH08177492A
JPH08177492A JP32845694A JP32845694A JPH08177492A JP H08177492 A JPH08177492 A JP H08177492A JP 32845694 A JP32845694 A JP 32845694A JP 32845694 A JP32845694 A JP 32845694A JP H08177492 A JPH08177492 A JP H08177492A
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JP
Japan
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cylinder
piston
oil
lubricating oil
jet nozzle
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Application number
JP32845694A
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Inventor
Yoshiki Sekiya
芳樹 関谷
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内燃機関のピストン冷却装置において、可変
動弁機構等の作動性を確保しつつ、ピストンの冷却性を
高める。 【構成】 ウォータジャケットの上流側に位置する上流
側気筒のピストンの熱負荷が低い低熱負荷時を判定する
低熱負荷時判定手段cと、低熱負荷時に上流側気筒のオ
イルジェットノズルaから噴射される潤滑油量を弁手段
bを介して低減する噴射量低減手段dとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピストンに潤滑油を噴
射する内燃機関のピストン冷却装置の改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えば過給機関のように熱負荷の高い内
燃機関において、ピストンの耐久性を向上させるため
に、ピストンの背面側から冷却用の潤滑油を吹きかける
ようにしたピストンの冷却装置が従来から知られている
(実開昭62−56707号公報、実開平3−1020
23号公報、参照)。
【0003】このピストン冷却装置では、シリンダ壁の
下端部から突出させたオイルジェットノズルにオイルポ
ンプから送られる潤滑油を導くとともに、その油通路の
途中に所定油圧に応動して開弁する油圧バルブが設けら
れている。オイルポンプから導かれる潤滑油圧が設定値
を越えると、油圧バルブが開弁し、潤滑油がオイルジェ
ットノズルから噴射される。オイルジェットノズルから
噴射される潤滑油は、ピストンの背面に当たり、ピスト
ンおよびシリンダ壁の熱を持ち去るようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、直列に
並ぶ各気筒のまわりを冷却水が気筒列方向に沿って流れ
るウォータジャケットを備える水冷式の内燃機関にあっ
ては、ウォータジャケットの最も上流側に位置する第一
気筒のピストンが冷却水に放熱する熱量が他の気筒より
大きいため、各オイルジェットノズルからの潤滑油噴射
量が全気筒について画一的に制御されると、第一気筒の
ピストンが過剰に冷却される可能性がある。
【0005】また、オイルポンプの吐出圧に応動して弁
のリフト特性を切換える可変動弁機構を備える内燃機関
にあっては、各オイルジェットノズルからの潤滑油噴射
量が全気筒で同時に制御されると、オイルジェットノズ
ルから潤滑油が噴射され始めるのに伴ってオイルポンプ
の吐出圧が大きく低下するため、例えば潤滑油温度が上
昇してオイルポンプの吐出圧が低下した運転状態で、可
変動弁機構の作動に必要な油圧が得られず、所期の運転
条件で弁のリフト特性を切換えられない可能性がある。
【0006】本発明は上記の問題点を解消し、内燃機関
のピストン冷却装置において、可変動弁機構等の作動性
を確保しつつ、ピストンの冷却性を高めることを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の内燃機
関のピストン冷却装置は、図5に示すように、直列に並
ぶ複数の気筒と、各気筒のまわりを冷却水が気筒列方向
に沿って流れるウォータジャケットと、各気筒のピスト
ンに向けて潤滑油を噴射するオイルジェットノズルa
と、オイルジェットノズルaへの潤滑油の供給を制御す
る弁手段bと、ウォータジャケットの上流側に位置する
上流側気筒のピストンの熱負荷が低い低熱負荷時を判定
する低熱負荷時判定手段cと、低熱負荷時に上流側気筒
のオイルジェットノズルaから噴射される潤滑油量を弁
手段bを介して低減する噴射量低減手段dと、を備え
る。
【0008】請求項2に記載の内燃機関のピストン冷却
装置は、請求項1に記載の発明において、図6に示すよ
うに、オイルポンプの吐出圧に応動して作動する油圧ア
クチュエータと、機関の冷却水温度を検出する水温検出
手段fと、オイルポンプの吐出圧を検出する油圧検出手
段gと、ポンプ吐出圧が油圧アクチュエータの作動に必
要な第一の基準値未満である低油圧時を判定する低油圧
時判定手段hと、低油圧時と判定された場合に、冷却水
温度が基準値未満、ポンプ吐出圧が第二の基準値以上で
ある運転条件を低熱負荷時と判定する低熱負荷時判定手
段cと、を備える。
【0009】請求項3に記載の内燃機関のピストン冷却
装置は、請求項1または2に記載の発明において、上流
側気筒をウォータジャケットに冷却水が流入する冷却水
入口に最も近い第一気筒とする。
【0010】請求項4に記載の内燃機関のピストン冷却
装置は、請求項2または3に記載の発明において、油圧
アクチュエータをオイルポンプの吐出圧に応動して弁の
リフト特性を切換える可変動弁機構とする。
【0011】
【作用】請求項1に記載の内燃機関のピストン冷却装置
において、シリンダ壁およびピストンがウォータジャケ
ットを流れる冷却水によって持ち去られる熱量は、冷却
水入口に近い上流側気筒の方が下流側の気筒より大きい
ため、上流側気筒のピストンの熱負荷が低い低熱負荷時
で、上流側気筒のオイルジェットノズルaから噴射され
る潤滑油量を減らす構成により、上流側気筒のシリンダ
壁およびピストンが過剰に冷却されることを防止し、フ
リクションの増加を抑えられる。
【0012】請求項2に記載の内燃機関のピストン冷却
装置において、ポンプ吐出圧が油圧アクチュエータの作
動に必要な第一の基準値未満である低油圧時と判定され
た場合に、冷却水温度が基準値未満、ポンプ吐出圧が第
二の基準値以上である運転条件を低熱負荷時と判定し、
上流側気筒のオイルジェットノズルaから噴射される潤
滑油量を減らす構成により、ポンプ吐出圧が上昇して、
油圧アクチュエータの作動が可能となる。
【0013】冷却水温度が基準値以上、あるいはポンプ
吐出圧が第二の基準値未満である運転条件では、ピスト
ンの熱負荷が高い可能性があるので、上流側気筒のオイ
ルジェットノズルaから潤滑油を噴射し、油圧アクチュ
エータの作動よりピストンの耐熱性を優先して確保す
る。
【0014】請求項3に記載の内燃機関のピストン冷却
装置において、第一気筒は冷却水入口から低温冷却水が
導かれ、シリンダ壁およびピストンから冷却水によって
持ち去られる熱量が、他の気筒に比べて最も大きいた
め、第一気筒のピストンの熱負荷が低い運転状態で、第
一気筒のオイルジェットノズルから噴射される潤滑油量
を減らす構成により、第一気筒のシリンダ壁およびピス
トンが過剰に冷却されることを防止し、フリクションの
増加を抑えられる。
【0015】請求項4に記載の内燃機関のピストン冷却
装置において、オイルポンプの吐出圧に応動して弁のリ
フト特性を切換える可変動弁機構は、潤滑油温度が上昇
してオイルポンプの吐出圧がある程度低下した運転状態
でも、上流側気筒におけるオイルジェットノズルから噴
射される潤滑油量を減らす構成により、可変動弁機構の
作動に必要な油圧が得られ、予め設定された運転条件で
弁のリフト特性を適確に切換えられ、発生トルクの急激
な変動を抑えられる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0017】図1は、直列4気筒エンジン5における前
端に位置する第一気筒の断面を示している。
【0018】シリンダブロック51は、シリンダ壁52
のまわりにエンジン冷却水を循環させるウォータジャケ
ット21が設けられる。
【0019】ウォータジャケット21の前端には、図示
しないウォータポンプから吐出する冷却水を流入させる
冷却水入口が形成される。ウォータジャケット21の後
端には、冷却水を流出させる図示しない冷却水出口が形
成される。
【0020】冷却水入口から流入した冷却水は、ウォー
タジャケット21において第一気筒、第二気筒、第三気
筒、第四気筒の順に気筒列方向に流れ、各気筒のシリン
ダ壁52の熱を持ち去るようになっている。冷却水出口
から流出する冷却水は図示しないラジエータまたはバイ
パス通路を通ってウォータポンプに吸入される。
【0021】図2に示すように、エンジンにより定容量
型オイルポンプ1は、オイルパン2から吸い上げた潤滑
油をオイルフィルタ3を経てエンジン各部に供給する。
【0022】オイルポンプ1の吐出側にはメインギャラ
リ8が接続される。オイルポンプ1から吐出される潤滑
油の一部はメインギャラリ8からクランクシャフト11
を支承する各主軸受12に供給される。
【0023】各主軸受12に供給された潤滑油の一部
は、クランクシャフト11の内部に形成されたクランク
内部通路15を通って、コンロッド13に対するコンロ
ッド軸受14に供給される。
【0024】オイルポンプ1の吐出側にはヘッドギャラ
リ6が接続される。オイルポンプ1から吐出される潤滑
油の一部はヘッドギャラリ6を通ってカムシャフト16
を支承するカムシャフト軸受17に供給されるととも
に、可変動弁機構18の摺接部に供給される。
【0025】オイルポンプ1から吐出される潤滑油の一
部は、メインギャラリ8を通って各気筒毎に設けられた
各オイルジェットノズル10に導かれる。オイルジェッ
トノズル10から噴射される潤滑油は、ピストン20の
背面に当たり、ピストン20およびシリンダ壁52の熱
を持ち去るようになっている。
【0026】第一気筒に備えられるオイルジェットノズ
ル10は、メインギャラリ8に対して電磁バルブ7を介
して接続される。
【0027】電磁バルブ7はその弁体41を閉弁方向に
付勢するリターンスプリング42を備えるとともに、弁
体41をリターンスプリング42に抗して電磁力により
開弁させるソレノイド43を備える。
【0028】第二気筒、第三気筒、第四気筒に備えられ
るオイルジェットノズル10は、メインギャラリ8に対
して油圧バルブ9を介してそれぞれ接続される。
【0029】油圧バルブ9はオイルポンプ1の吐出圧が
所定値以下の低中回転域では図示しないスプリングの付
勢力によりメインギャラリ8とオイルジェットノズル1
0の連通を遮断し、オイルポンプ1の吐出圧が所定値を
越えて上昇する高回転域でスプリングに抗して開弁し、
メインギャラリ8とオイルジェットノズル10を連通
し、オイルジェットノズル10から潤滑油を噴射するよ
うになっている。
【0030】また、オイルポンプ1の吐出側にはバルブ
リフトおよびバルブタイミングを調整する可変動弁機構
18に送られる油圧を調節する油圧切換弁30が連通し
ている。
【0031】可変動弁機構18は、エンジンの低回転時
において要求される弁リフト特性を満足するプロフィー
ルを有する低速カムと、高回転時において要求される弁
リフト特性を満足するプロフィールを有する低速カムと
高速カムを備え、油圧切換弁30を介してオイルポンプ
1の吐出圧が導かれると、吸・排気弁の開閉に携わるカ
ムを、低速カムから高速カムに切換えるようになってい
る。
【0032】油圧切換弁30の作動を制御する図示しな
いコントロールユニットは、基本的にエンジン回転数と
負荷の検出信号等を入力して、図4に示すマップに基づ
いて、予め設定された高速カムの使用領域Aにおいて、
エンジントルクの急激な変動を抑えつつ、低速カムから
高速カムへ切換えを円滑に行うようになっている。
【0033】図1において、31は電磁バルブ7の開閉
を電子制御するコントロールユニットである。コントロ
ールユニット31は、エンジン回転数NEを検出するエ
ンジン回転センサ32からの信号、冷却水温TWを検出
する冷却水温センサ33からの信号、オイルポンプ1の
吐出圧Pを検出する油圧センサ34からの信号、吸気量
を調節するスロットルバルブ35の開度THを検出する
開度センサ36からの信号等をそれぞれ入力する。
【0034】コントロールユニット31は、これらの検
出値に基づいて、可変動弁機構18の作動性を確保しつ
つ、ピストン20の冷却性を高めるように、電磁バルブ
7の開閉を制御する。
【0035】すなわち、ポンプ吐出圧Pが0.2MPa
以上である場合に、潤滑油の温度はそれほど高くなく、
第一気筒のピストン20の熱負荷が低い低熱負荷時であ
ると判定し、第二、第三、第四気筒のオイルジェットノ
ズル10から潤滑油が噴射される運転条件でも、電磁バ
ルブ7を閉弁して、第一気筒のオイルジェットノズル1
0から潤滑油の噴射を停止する。
【0036】第一気筒において、冷却水入口に近いシリ
ンダ壁52およびピストン20が冷却水によって持ち去
られる熱量は、他の気筒より大きいため、第一気筒のピ
ストン20の熱負荷が低い運転状態で、第一気筒のオイ
ルジェットノズル10から潤滑油を噴射しないことによ
り、第一気筒のシリンダ壁52およびピストン20が過
剰に冷却されることを防止し、フリクションの増加を抑
えられる。
【0037】また、冷却水温TWが90°Cより低く、
ポンプ吐出圧Pが0.3MPa未満、0.2MPa以上
である運転条件では、第一気筒のピストン20の熱負荷
が低く、可変動弁機構18の作動に必要な油圧が得られ
ない運転状態であると判定し、電磁バルブ7を閉弁し
て、第一気筒のオイルジェットノズル10から潤滑油の
噴射を停止する。
【0038】これにより、第一気筒のピストン20の熱
負荷が低い低熱負荷時に、第一気筒のオイルジェットノ
ズル10から潤滑油を噴射しないことにより、第一気筒
のシリンダ壁52およびピストン20が過熱されること
を防止しつつ、可変動弁機構18が低速カムから高速カ
ムに切換作動を行うのに必要なポンプ吐出圧Pが確保さ
れる。すなわち、潤滑油温度が上昇してオイルポンプ1
の吐出圧がある程度低下した運転状態でも、可変動弁機
構18の作動に必要な油圧が得られ、予め設定された運
転条件で低速カムから高速カムへ適確に切換えられ、エ
ンジントルクの急激な変動を抑えることができる。
【0039】図3のフローチャートはコントロールユニ
ット31において実行される電磁バルブ7の開閉を制御
するプログラムを示しており、これは一定周期毎に実行
される。
【0040】まず、ステップS1で、エンジン回転数N
E、冷却水温TW、ポンプ吐出圧Pスロットルバルブ開
度THの信号をそれぞれ読込む。
【0041】続いてステップS2に進んで、運転領域を
検索した後、ステップS3に進んで、図4に示すマップ
に基づいて現在の運転領域が予め設定された高速カム使
用領域Aにあるかどうかを判定する。
【0042】高速カム使用領域Aにない場合、ステップ
S4に進んでポンプ吐出圧Pが0.2MPa以上かどう
かを判定する。
【0043】ポンプ吐出圧Pが0.2MPa以上である
と判定された場合、ステップS8に進んで電磁バルブ7
を開弁させ、第一気筒のオイルジェットノズル10から
も他の気筒と同様に潤滑油を噴射する。
【0044】これにより、低速カムが使用される運転時
でも、全気筒のオイルジェットノズル10から潤滑油が
噴射され、ピストン20およびシリンダ壁52の熱を持
ち去り、これらが過熱されることを防止する。
【0045】ポンプ吐出圧Pが0.2MPa未満である
と判定された場合、ステップS7に進んで電磁バルブ7
を閉弁させ、他の気筒と異なり第一気筒のオイルジェッ
トノズル10から潤滑油を噴射しない。
【0046】一方、高速カム使用領域Aにある場合、ス
テップS5に進んで冷却水温TWが90°C以上かどう
かを判定する。
【0047】冷却水温TWが90°C以上であると判定
されたエンジン5の高温状態では、ステップS8に進ん
で電磁バルブ7を開弁させ、第一気筒のオイルジェット
ノズル10からも他の気筒と同様に潤滑油を噴射する。
【0048】これにより、エンジン5の高温状態では、
全気筒のオイルジェットノズル10から潤滑油が噴射さ
れ、ピストン20およびシリンダ壁52の熱を持ち去
り、これらが過熱されることを防止する。
【0049】冷却水温TWが90°Cより低いと判定さ
れたエンジン5の高温状態でない場合は、ステップS6
に進んで、ポンプ吐出圧Pが第一の基準値である0.3
MPa以上かどうかを判定する。
【0050】ポンプ吐出圧Pが0.3MPa以上である
と判定された場合、可変動弁機構18の作動に必要な油
圧が確保されている運転状態であると判断し、ステップ
S8に進んで電磁バルブ7を開弁させ、第一気筒のオイ
ルジェットノズル10からも他の気筒と同様に潤滑油を
噴射する。
【0051】ポンプ吐出圧Pが0.3MPa未満である
と判定された場合、ステップS9に進んでポンプ吐出圧
Pが第二の基準値である0.2MPa以上かどうかを判
定する。
【0052】ポンプ吐出圧Pが0.2MPa以上である
と判定された場合、ステップS7に進んで電磁バルブ7
を閉弁させ、他の気筒と異なり第一気筒のオイルジェッ
トノズル10から潤滑油を噴射しないこのように、ポン
プ吐出圧Pが0.3MPa未満、0.2MPa以上であ
る場合、潤滑油の温度はそれほど高くないと判断し、電
磁バルブ7を閉弁させることにより、可変動弁機構18
が低速カムから高速カムに切換作動を行うのに必要なポ
ンプ吐出圧Pを確保する。
【0053】ポンプ吐出圧Pが0.2MPa未満と判定
された場合、高温化した潤滑油の粘度低下に伴ってポン
プ吐出圧Pが低下したエンジン5の高温状態であると判
断し、ステップS8に進んで電磁バルブ7を開弁させ、
第一気筒のオイルジェットノズル10からも他の気筒と
同様に潤滑油を噴射する。
【0054】このように、ポンプ吐出圧Pが0.2MP
a未満である場合、全気筒のオイルジェットノズル10
から潤滑油が噴射されることにより、ピストン20およ
びシリンダ壁52の熱を持ち去り、これらが過熱される
ことを防止する。このとき、ポンプ吐出圧Pの低下によ
り可変動弁機構18が低速カムから高速カムに切換作動
を行うことができないが、エンジン5の耐熱性を確保す
ることを優先する。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の内
燃機関のピストン冷却装置は、冷却水入口に近い上流側
気筒のピストンの熱負荷が低い低熱負荷時に、上流側気
筒のオイルジェットノズルから噴射される潤滑油量を減
らす構成により、シリンダ壁およびピストンから冷却水
によって持ち去られる熱量が大きい上流側気筒のシリン
ダ壁およびピストンが過剰に冷却されることを防止し、
フリクションの増加を抑えられ、燃費および出力を改善
できる。
【0056】請求項2に記載の内燃機関のピストン冷却
装置は、ポンプ吐出圧が油圧アクチュエータの作動に必
要な第一の基準値未満である低油圧時と判定された場合
に、冷却水温度が基準値未満、ポンプ吐出圧が第二の基
準値以上である運転条件を低熱負荷時と判定し、上流側
気筒のオイルジェットノズルから潤滑油を噴射しない構
成により、ポンプ吐出圧が高められて、油圧アクチュエ
ータの作動が可能となる。また、冷却水温度が基準値以
上、あるいはポンプ吐出圧が第二の基準値未満である運
転条件では、上流側気筒のオイルジェットノズルから潤
滑油を噴射し、油圧アクチュエータの作動よりピストン
の耐熱性を優先して確保する。
【0057】請求項3に記載の内燃機関のピストン冷却
装置は、第一気筒のピストンの熱負荷が低い運転状態
で、第一気筒のオイルジェットノズルから噴射される潤
滑油量を減らす構成により、第一気筒のシリンダ壁およ
びピストンが過剰に冷却されることを防止し、フリクシ
ョンの増加を抑えられ、燃費および出力を改善できる。
【0058】請求項4に記載の内燃機関のピストン冷却
装置は、オイルポンプの吐出圧に応動して弁のリフト特
性を切換える可変動弁機構は、潤滑油温度が上昇してオ
イルポンプの吐出圧がある程度低下した運転状態におい
て、上流側気筒におけるオイルジェットノズルから噴射
される潤滑油量を減らす構成により、可変動弁機構の作
動に必要な油圧が得られ、予め設定された運転条件で弁
のリフト特性を適確に切換えられ、機関の発生トルクに
急激な変動が生じることを抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すシステム図。
【図2】同じく潤滑油経路図。
【図3】同じく制御内容を示すフローチャート。
【図4】同じく制御領域を示す特性図。
【図5】請求項1に記載の発明を示すクレーム対応図。
【図6】請求項2に記載の発明を示すクレーム対応図。
【符号の説明】
1 オイルポンプ 5 エンジン 7 電磁バルブ 8 メインギャラリ 9 油圧バルブ 10 オイルジェットノズル 18 可変動弁機構 20 ピストン 21 ウォータジャケット 30 油圧制御弁 31 コントロールユニット 32 回転センサ 33 水温センサ 34 油温センサ 36 スロットル開度センサ a オイルジェットノズル b 弁手段 c 低熱負荷時判定手段 d 噴射量低減手段 f 水温検出手段 g 油圧検出手段 h 低油圧時判定手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直列に並ぶ複数の気筒と、 各気筒のまわりを冷却水が気筒列方向に沿って流れるウ
    ォータジャケットと、 各気筒のピストンに向けて潤滑油を噴射するオイルジェ
    ットノズルと、 オイルジェットノズルへの潤滑油の供給を制御する弁手
    段と、 ウォータジャケットの上流側に位置する上流側気筒のピ
    ストンの熱負荷が低い低熱負荷時を判定する低熱負荷時
    判定手段と、 低熱負荷時に上流側気筒のオイルジェットノズルから噴
    射される潤滑油量を他の気筒より低減する噴射量低減手
    段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関のピストン冷却装
    置。
  2. 【請求項2】オイルポンプの吐出圧に応動して作動する
    油圧アクチュエータと、 機関の冷却水温度を検出する水温検出手段と、 オイルポンプの吐出圧を検出する油圧検出手段と、 ポンプ吐出圧が油圧アクチュエータの作動に必要な第一
    の基準値未満である低油圧時を判定する低油圧時判定手
    段と、 低油圧時と判定された場合に、冷却水温度が基準値未満
    であり、ポンプ吐出圧が第二の基準値以上である運転条
    件を低熱負荷時と判定する低熱負荷時判定手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の
    ピストン冷却装置。
  3. 【請求項3】上流側気筒をウォータジャケットに冷却水
    が流入する冷却水入口に最も近い第一気筒としたことを
    特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関のピスト
    ン冷却装置。
  4. 【請求項4】油圧アクチュエータをオイルポンプの吐出
    圧に応動して弁のリフト特性を切換える可変動弁機構と
    したことを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機
    関のピストン冷却装置。
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Cited By (2)

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