JPH08142908A - 自動車のサブフレーム取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サブフレームの上下方向および前後方向の撓
み変形を防止してサスペンションリンクの連結剛性を確
保し、操安性を向上することができるサブフレーム取付
構造の提供を図る。 【構成】 ダッシュロアパネル４の下方でサブフレーム
５の両側の取付部７を左右一対のサイドメンバ１，１の
下面に跨って結合し、該サブフレーム５の正面門形状に
突出して形成したブリッジ部６の上面をダッシュロアパ
ネル４に重合して結合してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車のフロントサスペ
ンションを支持するサブフレームの取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４は従来の自動車のサブフレーム取付
構造を示すもので、１はエンジンルームＥ・Ｒの側壁を
構成するフードレッジパネル２の側面から車体フロア３
の下面に亘って車体前後方向に接合配置したサイドメン
バで、フードレッジパネル２とダッシュロアパネル４の
縦壁部４ａとに亘って接合したフロントサイドメンバ１
Ａと、このフロントサイドメンバ１Ａに連続して前記縦
壁部４ａから車体フロア３の下面に亘って接合したエク
ステンションメンバ１Ｂとから構成されている。

【０００３】５はエンジンルームＥ・Ｒと車室Ｒとを隔
成する前記ダッシュロアパネル４の下方で、左右一対の
サイドメンバ１，１の下面に跨って結合配置したフロン
トサスペンション支持用のサブフレームを示す。

【０００４】このサブフレーム５はブリッジ部６とその
両側にそれぞれ２股状に形成した取付部７とを備え、前
側取付部７ａをフロントサイドメンバ１Ａの下面に、後
側取付部７ｂをエクステンションメンバ１Ｂの下面にそ
れぞれ図外のボルト・ナットにより結合してある。

【０００５】フロントサイドメンバ１Ａのサブフレーム
結合部と、エクステンションメンバ１Ｂのサブフレーム
結合部との間には高低差があるため、フロントサイドメ
ンバ１Ａには下方に突出する取付座１ａを形成し、この
取付座１ａの下面に前述のサブフレーム５の前側取付部
７ａをボルト・ナット結合するようにしている。

【０００６】また、サブフレーム５のブリッジ部６はそ
の中央部を正面門形状に突出して形成して上下方向に作
用する大きな荷重にも十分に対抗し得るようにしてあ
る。

【０００７】この類似構造は、例えば実開平２−３８２
２１号公報に示されている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】サブフレーム５は前述
のように上下方向の荷重に十分に対抗し得るようにブリ
ッジ部６の中央部を正面門形状に形成してあり、また、
後側取付部７ｂはブリッジ部６の略延長上に形成してあ
る一方、前側取付部７ａは該ブリッジ部６から前方へ張
り出した状態に形成してあるため、図５，６の矢印ａで
示すように前側取付部７ａに設けたブラケット部８に連
結される図外のサスペンションリンク、例えばトランス
バースリンクからそれぞれ車体センター方向へ向けてサ
スペンション入力が作用すると、ブリッジ部６が図５，
６の鎖線で示すように上方へ撓み変形すると共にこれに
伴って前側取付部７ａ，７ｂが内側へ撓み変形する傾向
にあって、サブフレーム５が全体的に上下方向および前
後方向に撓み変形し、前記トランスバースリンクの連結
剛性が低下して操安性を損なってしまうおそれがある。

【０００９】そこで、本発明はブリッジ部の上方への撓
み変形を確実に抑えて、サブフレームの全体的な上下方
向および前後方向の撓み変形を防止することができて操
安性を一段と向上することができる自動車のサブフレー
ム取付構造を提供するものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１にあっては、中
央部を正面門形状に突出して形成したブリッジ部とその
両側に取付部を備えたフロントサスペンション支持用の
サブフレームを、ダッシュロアパネルの下方で前記取付
部を介して左右一対のサイドメンバの下面に跨って結合
した構造において、前記ブリッジ部の中央部上面をダッ
シュロアパネルに重合して結合したことを特徴としてい
る。

【００１１】請求項２にあっては、請求項１に記載のダ
ッシュロアパネルの縦壁部に、フロアトンネルに続いて
該縦壁部に形成された凹部を閉塞する断面略Ｌ字状のパ
ッチプレートを接合して閉断面部を形成し、サブフレー
ムのブリッジ部の中央部上面を該パッチプレートの下面
に重合して結合したことを特徴としている。

【００１２】

【作用】請求項１によれば、サブフレームの両側の取付
部にサスペンション入力がそれぞれ車体センター方向へ
向けて作用しても、ブリッジ部の中央部上面がダッシュ
ロアパネルに重合して結合されているため、該ブリッジ
部の上方への撓み変形が規制され、サブフレームの全体
的な上下方向および前後方向の撓み変形が回避される。

【００１３】この結果、前記取付部に連結されるサスペ
ンションリンクの連結剛性を確保できて操安性を向上す
ることができる。

【００１４】請求項２によれば、ダッシュロアパネルの
縦壁部にフロアトンネルに続いて形成された凹部を閉塞
して閉断面部を形成するパッチプレートの下面に前記ブ
リッジ部の上面を重合して結合して、該ブリッジ部の中
央部を剛性の高い閉断面部に直接結合してあり、しか
も、該閉断面部はフロア剛性部のフロアトンネルに直結
しているから、ブリッジ部の上下方向並に前後方向の支
持剛性が高く、従って、該サブフレームの上下方向およ
び前後方向の撓み変形防止をより一層確実に行えると共
に、音振性能を向上することができる。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面と共に前記従
来の構成と同一部分に同一符号を付して詳述する。

【００１６】図１〜３において、フードレッジパネル２
の側面から車体フロア３の下面に亘って車体前後方向に
接合配置した左右一対のサイドメンバ１は、フードレッ
ジパネル２とダッシュロアパネル４の縦壁部４ａとに接
合したフロントサイドメンバ１Ａと、フロントサイドメ
ンバ１Ａに連続して前記縦壁部４ａから車体フロア３の
下面に亘って接合したエクステンションメンバ１Ｂとで
構成している。

【００１７】エンジンルームＥ・Ｒと車室Ｒとを隔成す
る前記ダッシュロアパネル４の下方で、前記左右一対の
サイドメンバ１，１の下面に跨って結合配置したフロン
トサスペンション支持用のサブフレーム５は、ブリッジ
部６とその両側にそれぞれ２股状に形成した取付部７と
を備えている。

【００１８】前記取付部７の後側取付部７ｂはブリッジ
部６の略延長上に形成してある一方、前側取付部７ａは
該ブリッジ部６から前方へ張り出した状態に形成してあ
って、この前側取付部７ａに図外のトランスバースリン
クを連結するブラケット部８を設けてある。

【００１９】ブリッジ部６はその中央部を正面門形状に
突出して形成して、上下方向に作用する荷重に十分に対
抗し得るようにしている。

【００２０】このサブフレーム５は、その前側取付部７
ａをフロントサイドメンバ１Ａに下方へ突出して設けた
取付座１ａの下面に重合すると共に、後側取付部７ｂを
エクステンションメンバ１Ｂの下面に重合してそれぞれ
図外のボルト・ナットにより結合してある。

【００２１】また、ブリッジ部６はその中央部をダッシ
ュロアパネル４に重合して、該ダッシュロアパネル４に
結合してある。

【００２２】本実施例にあっては、ダッシュロアパネル
４の縦壁部４ａに、車体フロア３からダッシュロアパネ
ル４の下側部に亘って前後方向に形成したフロアトンネ
ル３ａに続いて該縦壁部４ａに形成された凹部４ｂを閉
塞する断面略Ｌ字状のパッチプレート９を接合して閉断
面部１０を形成し、前記サブフレーム５のブリッジ部６
の中央部上面をこのパッチプレート９の下面、即ち、前
記閉断面部１０の底部に重合してボルト１１およびナッ
ト１２により締結固定してある。

【００２３】このパッチプレート９はその前壁９ａの上
側部中央をダッシュロアパネル４の縦壁部４ａにボルト
・ナット１４固定して位置決めして、該前壁９ａおよび
底壁９ｂの周縁部を前記凹部４ｂの周縁部にスポット溶
接によって接合してある。

【００２４】また、パッチプレート９の底壁９ｂから前
壁９ａの下側部に亘る内面にはステイフナー１３を接合
してパネル剛性を高めてあり、この底壁９ｂの中央部分
を貫通して前記ボルト１１を固設してある。

【００２５】一方、ブリッジ部６の中央部の閉断面内に
は上下壁に亘ってカラー１５を貫通して固設してあり、
このカラー１５内に前記ポルト１１を挿通させてブリッ
ジ部６の中央部の下面側で該ボルト１１端にナット１２
を螺合して締結してある。

【００２６】以上の実施例構造によれば、サブフレーム
５の両側の前側取付部７ａに設けたブラケット部８に連
結される図外のトランスバースリンクからそれぞれ車体
センター方向へ向けてサスペンション入力が作用する
と、ブリッジ部６の中央部を正面門形状に形成してある
ことと、前側取付部７ａをブリッジ部６の前方へ張り出
して形成してあることによって、ブリッジ部６が上方へ
撓み変形すると共にこれに伴って両側の前側取付部７
ａ，７ａが内側へ撓み変形する傾向にあるが、前述のよ
うにブリッジ部６はその中央部上面をダッシュロアパネ
ル４のパッチプレート９の下面に重合してボルト１１，
ナット１２により結合してあるため、このパッチプレー
ト９でブリッジ部６の上方への撓み変形が規制される。

【００２７】この結果、前側取付部７ａの内側への撓み
変形も抑制されてサブフレーム５の全体的な上下方向お
よび前後方向の撓み変形が回避され、以て、前記ブラケ
ット部８に連結されるトランスバースリンクの連結剛性
を確保できて操安性を向上することができる。

【００２８】特に、前記パッチプレート９はダッシュロ
アパネル４の縦壁部４ａに形成された凹部４ｂを閉塞し
て剛性の高い閉断面部１０を形成していて、前記ブリッ
ジ部６はこの閉断面部１０に直接結合され、しかも、該
閉断面部１０はフロア剛性部のフロアトンネル３ａに直
結しているから、サブフレーム５の上下方向並に前後方
向の支持剛性が高く、従って、該サブフレーム５の上下
方向および前後方向の撓み変形防止をより一層確実に行
うことができる。

【００２９】また、このようにサブフレーム５のブリッ
ジ部６の上下方向並に前後方向の支持剛性を高められる
ことから該ブリッジ部６の振動を抑え、音振性能を向上
することができる。

【００３０】

【発明の効果】以上、本発明によれば次に述べる効果を
奏せられる。

【００３１】請求項１によれば、サブフレームのブリッ
ジ部の中央部上面をダッシュロアパネルに重合して結合
してあるから、サブフレーム両側の取付部にサスペンシ
ョン入力がそれぞれ車体センター方向へ向けて作用して
も、該ブリッジ部の上方への撓み変形が規制されてサブ
フレームの全体的な上下方向および前後方向の撓み変形
を規制することができ、この結果、前記取付部に連結さ
れるサスペンションリンクの連結剛性を確保できて操安
性を向上することができる。

【００３２】請求項２によれば、ダッシュロアパネルの
縦壁部にフロアトンネルに続いて形成された凹部を閉塞
して閉断面部を形成するパッチプレートの下面に前記ブ
リッジ部の上面を重合して結合して、該ブリッジ部の中
央部を剛性の高い閉断面部に直接結合してあり、しか
も、該閉断面部はフロア剛性部のフロアトンネルに直結
しているから、ブリッジ部の上下方向並に前後方向の支
持剛性が高く、従って、該サブフレームの上下方向およ
び前後方向の撓み変形防止をより一層確実に行うことが
できる。

【００３３】また、このようにサブフレームのブリッジ
部の上下方向並に前後方向の支持剛性を高められること
から該ブリッジ部の振動を抑え、音振性能を向上するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す斜視図。

【図２】同実施例の分解斜視図。

【図３】同実施例の要部の断面図。

【図４】従来の構造を示す斜視図。

【図５】同従来構造に用いられているサブフレームの斜
視図。

【図６】同サブフレームの平面図。

【符号の説明】

１ サイドメンバ ４ ダッシュロアパネル ５ サブフレーム ６ ブリッジ部 ７ 取付部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中央部を正面門形状に突出して形成した
   ブリッジ部とその両側に取付部を備えたフロントサスペ
   ンション支持用のサブフレームを、ダッシュロアパネル
   の下方で前記取付部を介して左右一対のサイドメンバの
   下面に跨って結合した構造において、前記ブリッジ部の
   中央部上面をダッシュロアパネルに重合して結合したこ
   とを特徴とする自動車のサブフレーム取付構造。
2. 【請求項２】 ダッシュロアパネルの縦壁部に、フロア
   トンネルに続いて該縦壁部に形成された凹部を閉塞する
   断面略Ｌ字状のパッチプレートを接合して閉断面部を形
   成し、サブフレームのブリッジ部の中央部上面を該パッ
   チプレートの下面に重合して結合したことを特徴とする
   請求項１記載の自動車のサブフレーム取付構造。