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JPH08141056A - ガス滅菌器とその運転方法 - Google Patents

ガス滅菌器とその運転方法

Info

Publication number
JPH08141056A
JPH08141056A JP6285223A JP28522394A JPH08141056A JP H08141056 A JPH08141056 A JP H08141056A JP 6285223 A JP6285223 A JP 6285223A JP 28522394 A JP28522394 A JP 28522394A JP H08141056 A JPH08141056 A JP H08141056A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sterilization container
sterilization
temperature
container
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6285223A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Yanagimachi
昭 柳町
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chiyoda Manufacturing Corp
Original Assignee
Chiyoda Manufacturing Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chiyoda Manufacturing Corp filed Critical Chiyoda Manufacturing Corp
Priority to JP6285223A priority Critical patent/JPH08141056A/ja
Publication of JPH08141056A publication Critical patent/JPH08141056A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 滅菌容器1内の加湿、空気排出、並びに被滅
菌物の加温を効率良く行う。 【構成】 蓋板2の内側面に貯水容器17を、外側面に
電気ヒータ16を、それぞれ添設する。又、真空ポンプ
13に通じる排気管11の上流端を、滅菌容器1の奥端
部に開口させる。加湿時には、上記貯水容器17に給水
し、上記電気ヒータ16に通電し、上記真空ポンプ13
を運転する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係るガス滅菌器とその
運転方法は、病院や各種研究所等に於いて、使用済みの
医療器具や実験器具等の滅菌処理を行なうのに使用す
る。特に、本発明は、加湿行程の効率化により、滅菌効
果の向上を図る。
【0002】
【従来の技術】病院や各種研究所には滅菌器を設置し
て、使用済の手術用具や実験器具等を再使用するのに先
立ち、滅菌処理を行なっている。特に、耐熱性が乏しい
等の被滅菌物の滅菌処理には、酸化エチレンガス(EO
G)により滅菌処理を行なうガス滅菌器を使用してい
る。
【0003】先ず、この様なガス滅菌器の構成に就い
て、図1に示す卓上型のガス滅菌器を例に説明する。比
較的小規模の病院や研究所で使用されるこの卓上型のガ
ス滅菌器は、上記使用済の手術用具や実験器具等の被滅
菌物(図示せず)を収納自在な滅菌容器1と、この滅菌
容器1の開口を気密に閉鎖自在な蓋板2とを有する。上
記被滅菌物は収納籠3内に収納した状態で上記滅菌容器
1内に収納する。蓋板2の内側には、上記滅菌ガスを充
填した小型ボンベ4を収納自在な収納部5を設けてい
る。滅菌ガス供給手段を構成する上記小型ボンベ4は1
回の滅菌処理で使い切るだけの量の滅菌ガスを充填して
いる。滅菌容器1の上部には操作パネル6を設け、滅菌
作業を行なう際の温度や圧力、時間等、各種条件を設定
自在としている。
【0004】ガス滅菌器は、上記滅菌容器1を含む各構
成部材を、図2に示す様に接続する事で構成される。上
記滅菌容器1内に吸気管8の下流端を通じさせている。
この吸気管8の途中には除菌フィルタ9と第一の開閉弁
10とを、上流側(図2の左側)から順に、互いに直列
に設けている。吸気管8の上流端は大気に開放してい
る。従って、この吸気管8により滅菌容器1内に、上記
除菌フィルタ9を通過する事で浄化された清浄空気を吸
入自在である。又、上記滅菌容器1内に排気管11の上
流端を通じさせている。この排気管11の途中には、上
記滅菌容器1の側から順に、第二の開閉弁12と真空ポ
ンプ13とを、互いに直列に設けている。この排気管1
1の下流端は、屋外に開放している。上記真空ポンプ1
3としては、エジェクタ式、ダイヤフラム式等、従来知
られている種々の形式のものを使用できる。
【0005】上述の様に構成されるガス滅菌器を用いて
滅菌作業を行なう場合、図3に示す様に行なう。尚、こ
の図3の縦軸は滅菌容器1内の圧力を、横軸は経過時間
を、それぞれ示している。先ず、滅菌容器1内に被滅菌
物を収納し、蓋板2を閉鎖する(準備行程)。次いで、
上記第一の開閉弁10を閉じてから第二の開閉弁12を
開放する。そして、真空ポンプ13を運転し、滅菌容器
1内の空気を排気管11を通じて真空ポンプ13の吸い
込み口から吸引し、排気管11を介して外部に排出す
る。この結果、滅菌容器1内の圧力が低下する。この様
に、最初に滅菌容器1内の圧力を低下させる(真空状態
にする)のは、被滅菌物に含まれている空気を排出し、
この被滅菌物の内部にまで滅菌ガスを浸透し易くする為
である。
【0006】上述の様に滅菌容器1内の空気を排出した
ならば、第二の開閉弁12を閉じ、真空ポンプ13を停
止させて滅菌容器1内を真空に保持した状態で放置す
る。これと同時に、ガーゼ等に染み込ませる事でこの滅
菌容器1内に供給した水を蒸発させて、上記被滅菌物を
加湿する加湿行程を行なう。又、この加湿行程では、所
定温度に制御されている滅菌容器1及び蓋板2を介し
て、被滅菌物の加温も行なう。この様にして、被滅菌物
に含まれる空気を排出すると共に、上述の様な加湿行程
を行なったならば、次いで被滅菌物を滅菌する滅菌行程
を行なう。この滅菌行程は、滅菌容器1内に滅菌ガスを
充満させる事で行なう。即ち、上記第二の開閉弁12を
閉じた状態で、上記収納部5部分に設けた開封手段によ
り、この収納部5内の小型ボンベ4(図1)の封板を破
り(穿孔し)、滅菌容器1内に滅菌ガスを導入する。こ
れにより滅菌容器1内の被滅菌物は、滅菌ガスにより滅
菌処理される。所定時間の滅菌行程を終了したならば、
再び第二の開閉弁12を開放すると共に真空ポンプ13
を運転し、滅菌行程で使用した滅菌容器1内の滅菌ガス
を排気管11を通じて屋外に排出する。
【0007】この様に、滅菌容器1内の滅菌ガスを排出
した後でも、被滅菌物が例えば患者用衣類の様に繊維質
のものである場合は、滅菌ガスが被滅菌物の深部にまで
浸透して、この被滅菌物中に残留している可能性があ
る。この様に滅菌ガスが残留していた場合、当該衣類等
と患者等の皮膚とが接触すると、皮膚に炎症を起こす事
がある。そこで、滅菌容器1内に残留していたり、或は
被滅菌物に付着する事で残留している滅菌ガスを取り除
く為の洗浄行程及びエアレーション行程を行なう。この
洗浄行程及びエアレーション行程では、滅菌容器1内へ
の清浄空気の給気と、滅菌容器1内の気体の排出とを、
順に或は同時に行なう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の様に
構成され使用される従来のガス滅菌器の場合、加湿行程
の存在に基づき、次に述べる様な問題を生じる。即ち、
従来は加湿用の水をガーゼに染み込ませた状態で滅菌容
器1内に置き、このガーゼ中の水が蒸発する事で発生し
た水蒸気で滅菌容器1内を加湿している。蒸発時に上記
ガーゼの温度は、蒸発潜熱を奪われる事で、周囲の温度
よりも低くなる。この為、滅菌容器1の一部でガーゼを
置いた部分の温度が他の部分の温度よりも低くなる。
【0009】この結果、ガーゼからの水の蒸発量自体が
少なくなり、加湿効率が低下するだけでなく、滅菌容器
1内の温度が部分的に不均一になる(むらを生じる)原
因となっていた。滅菌容器1内の温度むらは、低温部分
に存在する被滅菌物の滅菌不良等の原因となる為、好ま
しくない。
【0010】又、前述した様にこの加湿行程により、被
滅菌物を加温する様にしている。加湿行程に於ける被滅
菌物の加温は、滅菌容器1及び蓋板2の内壁面からの輻
射及び滅菌容器1内に残留している空気の対流、伝導等
によって行なわれる。この為効率が悪く、被滅菌物が所
定温度に到達するまでには、相当の時間を必要としてい
た。
【0011】尚、滅菌容器1を加温する為の熱源として
1.2kgf/cm2 (約105℃)程度の飽和水蒸気を使用
している比較的大型のガス滅菌器(図示せず)に於いて
は、水蒸気の一部を滅菌容器1内に直接噴射する事で被
滅菌物の加湿及び加温を短時間で行なえる様にしている
ものもある。しかしながら、この方式では、被滅菌物の
温度を必要以上に上昇させてしまう場合があり、やはり
好ましくない。本発明のガス滅菌器とその運転方法は、
上述の様な不都合を何れも解消すべく発明したものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のガス滅菌器とそ
の運転方法のうち、請求項1に記載したガス滅菌器の発
明は、一端に開口を有する有底筒状の滅菌容器と、この
滅菌容器の開口を気密に閉鎖自在な蓋板と、上記滅菌容
器の内側に設けられた水蒸気発生器と、この水蒸気発生
器を加温する電気ヒータと、上記滅菌容器の奥端部内面
にその上流端を開口させた排気管と、この排気管の途中
に設けた真空ポンプと、上記滅菌容器内に滅菌ガスを供
給する為のガス供給装置とを備えている。
【0013】又、上述の様なガス滅菌器を運転する方法
である、請求項3に記載したガス滅菌器の運転方法の発
明は、上記滅菌容器内に被滅菌物を収納し上記蓋板によ
り上記開口を閉鎖した後、上記電気ヒータに通電しつつ
上記真空ポンプを運転する事で、上記滅菌容器内の空気
を排出すると共にこの滅菌容器内に水蒸気を充満させ、
発生した水蒸気によって被滅菌物を加温し、次いで上記
ガス供給装置によりこの滅菌容器内に滅菌ガスを供給す
る。
【0014】
【作用】上述の様に構成される本発明のガス滅菌器とそ
の運転方法によれば、滅菌容器内に温度むらを起こす事
なく、この滅菌容器内の加湿並びに被滅菌物の加温を効
率良く行なえる。即ち、水蒸気発生器内の水は、電気ヒ
ータにより滅菌容器及び蓋板と同程度の温度に加温され
つつ蒸発する。従って上記水蒸気発生器の温度は、蒸発
潜熱を奪われるにしても、周囲よりも特に低くなる事は
ない。従って、水蒸気発生器内の水の温度を滅菌容器及
び蓋板と同程度にして蒸発量を確保し、滅菌容器内の加
湿を効率良く行なえる。又、水蒸気発生器で発生した水
蒸気は、滅菌容器の奥端部内面にその上流端を開口させ
た排気管に向けてこの滅菌容器内を、開口部から奥端部
に向けて流れる。この結果、滅菌容器内に残留していた
空気と水蒸気とが効率良く置換され、比較的短時間で、
この滅菌容器内を水蒸気により充満させられる。更に、
発生した水蒸気は低温の被滅菌物の表面で凝縮し、その
際に発生する潜熱によって被滅菌物を加温する。従っ
て、被滅菌物の所定温度までの加温を、比較的短時間で
行なえる。
【0015】
【実施例】図4は本発明の実施例を示している。尚、本
発明の特徴は、加湿行程時に滅菌容器1内を加湿する為
の構造とその方法にある。その他の部分の構造及び作用
は、前述の図1〜3に示した従来技術と同様である為、
図示並びに説明を省略し、以下、本発明の特徴部分を中
心に説明する。
【0016】水平方向一端に開口を有する有底筒状の滅
菌容器1の開口は、蓋板2により気密に閉鎖自在として
いる。この蓋板2は、銅、アルミニウム等の伝熱性の良
好な金属により造られている。この蓋板2の外側面には
電気ヒータ16を添設して、この蓋板2を加温自在とし
ている。又、上記蓋板2の内側面には水蒸気発生器であ
る貯水容器17を添設している。この貯水容器17の材
質は、十分な耐熱性を有するものであれば特に問わない
が、好ましくは、やはり銅、アルミニウム、ステンレス
等の伝熱性の良好な金属により造る。これは、上記電気
ヒータ16により加温された蓋板2の熱が貯水容器17
に伝わり易くして、内部に貯溜した水の蒸発を促進する
為である。上記貯水容器17は、上方のみ開口した形状
で、この上方開口から水蒸気を放散自在としている。更
に、上記蓋板2の一部で貯水容器17設置部分には、こ
の設置部分の温度を測定する温度センサ(図示省略)を
設けている。尚、本実施例に於いては、貯水容器17を
蓋板の内側面に添設する事で、蓋板2の外側面に設けた
電気ヒータ16により、蓋板及び貯水容器17を加温す
る様にしている。この様な構成を採用する事により、貯
水容器17と蓋板2とのそれぞれを加温する電気ヒータ
16、及びそれぞれの温度を測定する上記温度センサ
を、1組の電気ヒータ16と温度センサとでまかなう事
ができる。
【0017】一方、上記滅菌容器1の奥端部内面には排
気管11の上流端を開口させ、この排気管11の下流端
を屋外に開口させている。この排気管11の途中には真
空ポンプ13を設け、この真空ポンプ13の運転に基づ
いて上記滅菌容器1内の気体を排出自在としている。
尚、図示は省略したが、上記排気管11の途中で滅菌容
器1と真空ポンプ13との間部分には、前述した従来構
造と同様に第二の開閉弁12(図2)を設ける。又、蓋
板2の内側面に小型ボンベ4(図1)を収納する収納部
5(図1)を設け、上記滅菌容器1内に滅菌ガスを供給
する為のガス供給装置を構成している。但し、ガス供給
装置としてはこの他にも、外部に設けた大型のガスボン
ベから供給する構造も採用できる。
【0018】更に、上記滅菌容器1の外周面には別の電
気ヒータ18を設け、この滅菌容器1内を加温自在とし
ている。この電気ヒータ18には、加湿行程時並びに滅
菌行程時に通電し、滅菌容器1内を所定温度に保持し
て、十分な滅菌効果が発揮される様にする。この様な別
の電気ヒータ18への通電は、滅菌容器1内の温度に対
応して制御する。滅菌容器1内の温度は、例えばこの滅
菌容器1内に設けた別の温度センサ(図示せず)が検出
する。
【0019】上述の様なガス滅菌器により滅菌作業を行
なう場合の基本的作用は、前述した従来の場合と同様で
あり、図3に示す様な各行程を順次行なう事で、滅菌容
器1内に収納した被滅菌物を滅菌処理する。特に、本発
明の場合には、上記滅菌容器1内に被滅菌物を収納し、
上記蓋板2により上記開口を閉鎖した後、この蓋板2の
外側面に添設した電気ヒータ16に通電する。これによ
り蓋板2及び貯水容器17の温度を、所望温度との差が
それほど大きくならない様に保持しつつ、上記真空ポン
プ13を運転する。この際、上記滅菌容器1の外周面に
設けた電気ヒータ18にも通電して、この滅菌容器1の
内周面の温度を保持する。
【0020】この様に、真空ポンプ13を運転しつつ上
記各電気ヒータ16、18に通電する結果、上記滅菌容
器1内の空気を排出すると共に、この滅菌容器1内に水
蒸気を充満させる事ができる。即ち、上記真空ポンプ1
3の運転に基づき滅菌容器1内の圧力が低下して水の沸
点が低下する結果、貯水容器17内の水が比較的低温で
も多量の水蒸気を発生する。特に、滅菌容器1内の圧力
が、貯水容器17内の水の温度に於ける飽和水蒸気圧よ
り真空側になる場合には、この水が沸騰し、短時間に多
量の水蒸気を発生する。この様にして発生した水蒸気
は、図5(A)〜(C)に示す様な経過をたどって、滅
菌容器1内に充満する。
【0021】即ち、貯水容器17内の水から多量の水蒸
気が発生する状態では、上記滅菌容器1内の圧力は低下
している(空気の量が少なくなっている)為、上記真空
ポンプ13の運転に伴って排気管11内に滅菌容器1内
の気体を吸引しても、この滅菌容器1内に明確な気体の
流れは発生しない。この結果、上記貯水容器17部分で
発生した水蒸気(図中、斜格子部分)は、図5(A)に
示す様に、蓋板2の内面で塊となり、同図(B)(C)
に示す様に次第にこの水蒸気の塊が膨張し滅菌容器1の
奥にまで進入し、空気を押し出す。
【0022】この結果、滅菌容器1内の空気が排出さ
れ、代わりにこの滅菌容器1内が水蒸気で満たされる。
本実施例の場合には、貯水容器17を蓋板2の内側面に
設け、電気ヒータ16によりこの蓋板2を加温しつつ、
貯水容器17内の水を蒸発させる為、蒸発潜熱を奪われ
るにも拘らず、これら貯水容器17及び蓋板2の温度が
低下しない。従って、滅菌容器1内に温度むらが発生せ
ず、又、水の蒸発も効果的に(迅速に)行なわれて、空
気排出及び水蒸気充填並びに被滅菌物の加温に要する時
間の短縮を図れる。
【0023】上述の様にして滅菌容器1内の空気を排出
し、代わりにこの滅菌容器1内に水蒸気を充満させたな
らば、前記第二の開閉弁12を閉じると共に上記真空ポ
ンプ13の運転を停止してから、前記ガス供給装置によ
りこの滅菌容器1内に滅菌ガスを供給し、所定時間の滅
菌行程を行なう。
【0024】次に、本発明の効果を確認する為、本発明
者が行なった実験に就いて説明する。実験は、図4に略
示する様なガス滅菌器を使用する本発明の方法と、図6
に略示する様なガス滅菌器を使用する従来方法とを、そ
れぞれ図7〜8に示す様な条件で行なった。このうち、
図7は本発明方法を行なう場合の滅菌容器1内の圧力変
化を、図8は従来方法を行なう場合の滅菌容器1内の圧
力変化を、それぞれ示している。又、従来方法で使用す
るガス滅菌器では、水を含んだガーゼ19を、滅菌容器
1の底部入口寄り部分に置いた。尚、この従来方法は、
滅菌容器1内の空気を真空ポンプ13の最高到達真空度
まで排出した後、真空ポンプ13を停止させて滅菌容器
1内を真空に保持した状態で放置し、ガーゼ19に含ま
れた水が蒸発するのを待つ方式である。従って、排気時
間そのものは短い。図7〜8で排気時間後に圧力が上昇
するのは、発生した水蒸気によるものである。
【0025】この様にして行なった実験の結果のうち、
滅菌容器1内の湿度に就いての結果を図9〜10に示
す。このうちの図9は、滅菌容器1内の温度を40℃に
保持した(貯水容器17内の水が沸騰しない)状態で行
なった実験の結果を、図10は同じく55℃に保持した
(貯水容器17内の水が沸騰する)状態で行なった実験
の結果を、それぞれ表わしている。尚、各図の曲線Aは
本発明方法により加湿した結果を、同じく曲線Bは従来
方法により加湿した結果を、それぞれ表わしている。
【0026】先ず図9に示した実験結果に就いて説明す
る。滅菌容器1内の温度を40℃に保ち、貯水容器17
内に10mlの水を貯溜し、排気時間を45分とした本発
明の加湿方法の場合に滅菌容器1内の湿度は、最終的に
ほぼ100%に達した。これに対して、滅菌容器1内の
温度を40℃に保ち、ガーゼ19に10mlの水を染み込
ませ、排気時間をおよそ10分(最高到達真空度への所
要時間)とした従来の加湿方法の場合に滅菌容器1内の
湿度は、およそ70%にまでしか達しなかった。
【0027】次に、図10に示した実験結果に就いて説
明する。滅菌容器1内の温度を55℃に保ち、貯水容器
17内に20mlの水を貯溜し、排気時間を35分とした
本発明の加湿方法の場合に滅菌容器1内の湿度は、最終
的にほぼ70%に達した。これに対して、滅菌容器1内
の温度を55℃に保ち、ガーゼ19に20mlの水を染み
込ませ、排気時間をおよそ10分(最高到達真空度への
所要時間)とした従来の加湿方法の場合に滅菌容器1内
の湿度は、およそ55%にまでしか達しなかった。これ
ら図9〜10から明らかな通り、本発明によれば、従来
方法に比べて滅菌容器1内の湿度を高くできる。
【0028】次に、滅菌容器1内の残存空気分圧に就い
ての実験結果を図11〜12に示す。図11は前記図9
の実験と同様、滅菌容器1及び蓋板2の温度を、40℃
とした場合の、図12は前記図10の実験と同様、同じ
く55℃とした場合の、それぞれの実験結果を示してい
る。各図の(A)は本発明方法による残存空気圧を表わ
し、同じく(B)は従来方法による残存空気圧を表わし
ている。更に(C)は、真空ポンプで単に空気だけを排
出した場合の残存空気圧を表わしている。40℃及び5
5℃の何れの場合も、滅菌容器1内の残存空気圧は本発
明方法ではおよそ10Torrであり、従来方法ではおよそ
50Torrであった。本発明方法による残存空気圧(残存
空気量)は従来方法の場合の1/5程度となる。又、真
空ポンプ13によって単に空気だけを排出した場合の最
高到達真空度(=残存空気圧)は65〜70Torr程度で
あるので真空ポンプ13の能力以上に空気排出能力が向
上する事も確認された。
【0029】次に、滅菌容器1内に収納した被滅菌物の
温度上昇に就いての実験の結果を図13〜14に示す。
尚、この実験では被滅菌物としてガーゼ及び塩化ビニル
製のチューブを使用した。図13は前記図9、11の各
実験と同様、滅菌容器1内の温度を40℃とした場合
の、図14は前記図10、12の各実験と同様、同じく
55℃とした場合の、それぞれ実験結果を示している。
又、各図の曲線Aは本発明方法による場合の被滅菌物の
温度変化を、同じく曲線Bは従来方法による場合に被滅
菌物の温度変化を、それぞれ示している。
【0030】これら図13〜14の曲線A、Bを比較す
れば明らかな通り、本発明によれば、被滅菌物の温度上
昇も早くなる。滅菌容器1内の温度を40℃とした場合
の被滅菌物の温度上昇時間(25℃付近から38℃まで
の所要時間)を比較すると本発明方法では従来方法のお
よそ2/5に短縮される。同様に55℃の場合での被滅
菌物の温度上昇時間(25℃付近から52℃までの所要
時間)はおよそ1/4に短縮される。被滅菌物の温度上
昇が早くなる事は、被滅菌物の滅菌効率の向上、延ては
滅菌時間の短縮に寄与できる。
【0031】又、本発明方法では滅菌容器1の温度とほ
ぼ等しい温度の水蒸気によって被滅菌物を加温する為、
前述した大型のガス滅菌器等で高温の水蒸気を直接滅菌
容器内に噴射して被滅菌物を加温する場合の様に、被滅
菌物の温度を必要以上に上昇させてしまう事もない。
【0032】又、本発明の応用例として、次の様な技術
が考えられる。先ず第一に、蓋板2の一部で前記貯水容
器17設置部分の温度を測定する温度センサの検出値に
より、滅菌容器1内の圧力を求める事ができる。即ち、
前述の様に加湿行程時には、滅菌容器1内の圧力を図1
5の実線aで示す様に低下させる(貯水容器17内の水
の温度に於ける飽和水蒸気圧よりも真空側にする)と、
この圧力低下に伴って貯水容器17内の水が沸騰する。
この貯水容器17内の水の沸点は、滅菌容器1内の圧力
に対応して定まり、貯水容器17内に水が存在する限
り、上記温度センサの検出値は、当該圧力に於ける水の
沸点になる。
【0033】従って、上記蓋板2の温度は、この蓋板2
の外側面に添設した電気ヒータ16への通電に拘らず、
上記沸点のままに保持され、上記温度センサの検出値か
ら滅菌容器1内の圧力を知る事ができる。即ち、この場
合に上記温度センサにより検出される蓋板2の温度は、
図15に破線bで示す様に変化する。そこで、この破線
bが一定に保持される温度(図15では47℃)から、
滅菌容器1内の圧力(水の沸点が47℃になる圧力であ
る約80Torr)が求められる。従って、滅菌容器1内の
圧力を検出する為の圧力センサを省略し、ガス滅菌器の
コスト低減を図る事も可能になる。
【0034】第二に、蓋板2外側面の電気ヒータ16に
通電しつつ真空ポンプ13を運転する際に、上記温度セ
ンサにより、貯水容器17内の供給された水分が適量で
あったか否かを見張る事もできる。即ち、上記温度セン
サにより、蓋板2の一部で貯水容器17設置部分の温度
を測定し、この温度が一定値に向けて低下し始め、或る
時間一定値のままに保持された後、再び上昇するまでの
時間(図15のT0 )を求めれば、上記貯水容器17内
に貯溜されていた水量を求める事ができる。この時間が
短ければ、給水量が少な過ぎるとして警報を発する等に
より、作業者に注意を喚起する。
【0035】又、必要に応じて上記電気ヒータ16への
通電量を調節し、蓋板2の温度を調節する事で、貯水容
器17内の水の蒸発量を規制する事もできる。更に、滅
菌容器1内の圧力が所定値(例えば200Torr)にまで
低下した後、上記電気ヒータ16への通電量を減らす
(上述した様に、蓋板2の温度が沸点を越えて上昇しな
い様にする)事で、この蓋板2の温度変化をより明らか
に生じさせる事ができ、水蒸気蒸発に伴う蓋板2の温度
変化により、加湿行程が十分に行なわれたか否かを容易
に確認できる。
【0036】更に第三に、滅菌容器1内の圧力を所定温
度に於ける飽和水蒸気圧によりわずかに真空側になる様
に制御する事で、被滅菌物をより短時間で加温できる。
滅菌容器1内の圧力降下に伴い、貯水容器17内の水温
が滅菌容器1内の圧力に応じた沸点となり降下する事は
前述したが、これは又、発生する水蒸気の温度も低下す
る事を意味している。発生する水蒸気の温度が低下する
事は被滅菌物の加温と言う観点からは好ましくない。そ
こで滅菌容器1内の圧力を所定温度に於ける飽和水蒸気
圧よりわずかに真空側に保つ事で貯水容器17内の水の
沸騰状態を保持し、所定温度に近い温度の水蒸気を多量
に発生させる。この結果、被滅菌物の加温をより短時間
に行なう事ができる。
【0037】
【発明の効果】本発明のガス滅菌器とその運転方法は、
以上に述べた通り構成され作用するので、次の〜の
様な効果を得られる。 十分な量の水蒸気を発生させて、加湿効率を向上さ
せられる。 真空ポンプの能力以上に滅菌容器内の空気を排出で
きる。 発生した蒸気により被滅菌物の加温が短時間で効率
良く行なえる。この為、滅菌容器内の温度が部分的に不
均一になる温度むらを生じないか、仮に生じても極く軽
いもので済む。 上記〜の効果により、被滅菌物の滅菌不良等の
原因をなくす事ができ、滅菌行程の時間(被滅菌物と滅
菌ガスの接触時間)の短縮が図れ、延ては、滅菌作業全
体の時間短縮が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となるガス滅菌器の1例を、蓋板
を開いた状態で示す斜視図。
【図2】上記ガス滅菌器の回路図。
【図3】滅菌作業行程での滅菌容器内の圧力変化を示す
線図。
【図4】本発明のガス滅菌器を示す略縦断側面図。
【図5】水蒸気が滅菌容器内に行き亙る状態を順番に示
す略縦断側面図。
【図6】従来の加湿方法を示す略縦断側面図。
【図7】本発明の加湿方法を実施する際の滅菌容器内の
圧力変化を示す線図。
【図8】従来の加湿方法を実施する際の滅菌容器内の圧
力変化を示す線図。
【図9】40℃での本発明方法と従来方法とによる、そ
れぞれ滅菌容器内の湿度変化を示す図。
【図10】55℃での本発明方法と従来方法とによる、
それぞれ滅菌容器内の湿度変化を示す図。
【図11】40℃での本発明方法と従来方法とによる、
それぞれ滅菌容器内の残存空気圧を示す図。
【図12】55℃での本発明方法と従来方法とによる、
それぞれ滅菌容器内の残存空気圧を示す図。
【図13】40℃での本発明方法と従来方法とによる、
それぞれ被滅菌物の温度変化を示す線図。
【図14】55℃での本発明方法と従来方法とによる、
それぞれ被滅菌物の温度変化を示す線図。
【図15】加湿行程時に於ける滅菌容器内の圧力変化と
蓋板の温度変化とを示す線図。
【符号の説明】
1 滅菌容器 2 蓋板 3 収納籠 4 小型ボンベ 5 収納部 6 操作パネル 8 吸気管 9 除菌フィルタ 10 第一の開閉弁 11 排気管 12 第二の開閉弁 13 真空ポンプ 16 電気ヒータ 17 貯水容器 18 電気ヒータ 19 ガーゼ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に開口を有する有底筒状の滅菌容器
    と、この滅菌容器の開口を気密に閉鎖自在な蓋板と、滅
    菌容器内に水蒸気を充満させる水蒸気発生器と、この水
    蒸気発生器を加温する電気ヒータと、上記滅菌容器の奥
    端部内面にその上流端を開口させた排気管と、この排気
    管の途中に設けた真空ポンプと、上記滅菌容器内に滅菌
    ガスを供給する為のガス供給装置とを備えたガス滅菌
    器。
  2. 【請求項2】 水蒸気発生器の温度を測定する温度セン
    サを設けた、請求項1に記載したガス滅菌器。
  3. 【請求項3】 一端に開口を有する有底筒状の滅菌容器
    と、この滅菌容器の開口を気密に閉鎖自在な蓋板と、滅
    菌容器内に水蒸気を充満させる水蒸気発生器と、この水
    蒸気発生器を加温する電気ヒータと、上記滅菌容器の奥
    端部内面にその上流端を開口させた排気管と、この排気
    管の途中に設けた真空ポンプと、上記滅菌容器内に滅菌
    ガスを供給する為のガス供給装置とを備えたガス滅菌器
    により滅菌処理を行なう為のガス滅菌器の運転方法であ
    って、上記滅菌容器内に被滅菌物を収納し上記蓋板によ
    り上記開口を閉鎖した後、上記電気ヒータに通電しつつ
    上記真空ポンプを運転する事で、上記滅菌容器内の空気
    を排出すると共にこの滅菌容器内に水蒸気を充満させ、
    この水蒸気によって被滅菌物を加温し、次いで上記ガス
    供給装置によりこの滅菌容器内に滅菌ガスを供給するガ
    ス滅菌器の運転方法。
  4. 【請求項4】 電気ヒータに通電しつつ上記真空ポンプ
    を運転する際に、水蒸気発生器の温度を測定し、この温
    度に基づいて滅菌容器内の圧力を求める、請求項3に記
    載したガス滅菌装置の運転方法。
  5. 【請求項5】 電気ヒータに通電しつつ上記真空ポンプ
    を運転する際に、水蒸気発生器の温度を測定し、この温
    度が下降後一定値のままに保持された後、再び上昇を開
    始するまでの時間を求め、この時間に基づいて上記水蒸
    気発生器内に貯溜されていた水量を求める、請求項3又
    は請求項4に記載したガス滅菌器の運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008173308A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Air Water Inc 滅菌器

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