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JPH08138866A - 薄膜el素子 - Google Patents

薄膜el素子

Info

Publication number
JPH08138866A
JPH08138866A JP6278142A JP27814294A JPH08138866A JP H08138866 A JPH08138866 A JP H08138866A JP 6278142 A JP6278142 A JP 6278142A JP 27814294 A JP27814294 A JP 27814294A JP H08138866 A JPH08138866 A JP H08138866A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
light emitting
zns
emitting layer
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6278142A
Other languages
English (en)
Inventor
Mikihiro Noma
幹弘 野間
Akiyoshi Mikami
明義 三上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP6278142A priority Critical patent/JPH08138866A/ja
Publication of JPH08138866A publication Critical patent/JPH08138866A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 メモリ幅を広くし、かつ累積駆動時間に対す
るメモリ幅の低下をなくす。 【構成】 透光性基板2上に透明電極3、第1絶縁層
4、ZnS層5、EL発光層6、ZnS層7、第2絶縁
層8および金属電極9が積層されて薄膜EL素子1が構
成される。ZnS層5,7の総膜厚は、200nm以上
1500nm以下の範囲、好ましくは500nm以上1
500nm以下の範囲に選ばれる。したがって、印加電
圧の昇圧時と降圧時とにおける印加電圧−発光輝度特性
の曲線間の電位差であるメモリ幅が広くなり、また累積
駆動時間が長くなっても、前記メモリ幅は累積駆動を行
う前の初期状態とほぼ同じ幅に維持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交流電圧の印加に伴っ
てエレクトロルミネセンス発光を生ずる薄膜EL素子に
関し、特に印加電圧−発光輝度特性にヒステリシスを有
する薄膜EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜EL(エレクトロルミネセント)素
子は、自発光型であり、平面・薄型の表示手段として利
用できることから、OA(オフィスオートメーション)
機器などの表示手段としての適用が検討されている。ま
た、少なくともいずれか一方が透光性を有する一対の電
極間に、母材と当該母材に添加される発光中心とを含む
EL発光層が配置されて構成される薄膜EL素子におい
て、前記母材としてZnSを用い、発光中心としてMn
を用いたものでは、印加電圧−発光輝度特性にヒステリ
シスを有することが知られている。
【0003】前記ヒステリシスとは、印加電圧を昇圧し
てゆく過程と高電圧側から降圧してゆく過程とで、同じ
印加電圧に対して発光輝度が異なることであり、このよ
うなヒステリシス特性を有する薄膜EL素子に印加電圧
を昇圧する過程において、光、電界および熱などが付与
されると、薄膜EL素子は付与した光、電界または熱の
強度に対応した発光輝度の状態に励起され、光、電界お
よび熱などを除去して元の状態に戻しても、発光輝度は
高くなった状態で維持される、いわゆるメモリ機能を具
設することができ、表示技術の新たな利用分野を開拓す
るものとして期待されている。
【0004】図5は、ヒステリシス特性を有する薄膜E
L素子の印加電圧と発光輝度との関係を示すグラフであ
る。交流電圧の印加に応答してEL発光層内に電界が誘
起される。この誘起された電界によって導電体に励起さ
れ、かつ加速されて充分なエネルギを得た電子が、自由
電子となってEL発光層界面へ誘引され、この界面で蓄
積されて内部分極を形成する。このときに高速で移動す
る自由電子がMnなどの発光中心を直接励起し、励起さ
れた発光中心が基底状態に戻る際にEL発光を生ずる。
発光を開始する立上り時のしきい値電圧Vth以上の高
電圧の書込電圧を印加すると、EL発光は図示される特
性曲線に従って高輝度発光状態となる。
【0005】次に印加電圧を降圧して維持電圧Vsを印
加すると、書込電圧によって形成された高電界の内部分
極が維持され、高輝度発光状態が持続される。さらに、
印加電圧を降圧して消去電圧Veとすると、EL発光層
内で維持されていた内部分極は急激に消滅し、EL発光
は消去状態となる。したがってこの状態で再び維持電圧
Vsを印加しても、EL発光は得られない。維持電圧V
s、書込電圧および消去電圧Veを適宜選択することに
よって、上述したようなヒステリシス特性を利用したE
L発光のメモリ効果を得ることができる。印加電圧の昇
圧時と降圧時における特性曲線間の電位差は、メモリ幅
Vmと称される。このようなヒステリシス特性に基づく
メモリ機能を具設することにより、たとえばXYマトリ
クス電極構造を利用した表示方式において、電極ライン
数を容易に増加させることができ、高解像度、高密度な
表示を行うことが可能となる。
【0006】前記ヒステリシス特性は、上述したZn
S:Mnを用いた薄膜EL素子の他に、アルカリ土類金
属の硫化物を母材として用いた薄膜EL素子であっても
生ずることが、特開昭62−98597号公報、特開昭
62−122096号公報および特開昭62−2255
83号公報などに開示されている。
【0007】また、「Appl.Phys.Lett.50(3),19 Januar
y 1987,PP119-120」には、SrS:Ce,Kを用いた薄
膜EL素子の例が開示されている。なお、この薄膜EL
素子には、EL発光層の保護層としてのZnS層が、E
L発光層を挟持するようにして設けられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記ヒステリシス特性
を利用したメモリ機能を有する薄膜EL素子を実用化す
るためには、上述したメモリ幅Vmが充分に大きく、ま
た累積駆動時間、すなわち薄膜EL素子を作成した直後
の初期状態からの駆動時間を累積した時間に対してヒス
テリシス特性が安定していることが要求される。具体的
には、薄膜EL素子のメモリ特性の面内分布をなくすこ
とが困難であるので、複数の画素のばらつきを考慮し
て、メモリ幅Vmは、20V以上であることが好まし
い。また、100Hz,10000時間での駆動におい
て(1kHzでは1000時間)、メモリ幅Vmに変化
がないことが好ましい。しかしながら、従来技術におけ
る薄膜EL素子では、メモリ幅が狭く、また累積駆動時
間が長くなるにつれてメモリ幅が狭くなるという問題が
あり、メモリ機能を有する薄膜EL素子の実用化には到
っていない。
【0009】なお、前述したメモリ特性の面内分布は、
比較的大きなサイズ(たとえば対角線長さが9インチ以
上)のパネルを作成しようとすると、EL発光層および
絶縁層の面内の膜厚差や膜質の差が大きくなり、これに
よって前記しきい値電圧Vthが5V〜10V程度の範
囲でばらつくことによって生じる。しきい値電圧Vth
のばらつきがほとんどなくなるようにするためには、膜
厚差や膜質差が数%以内となるようにしなければなら
ず、実際に生産する際には、所望とするサイズよりも大
きいサイズのパネルを作成するための製造装置を用い、
作成したパネルの中央付近を切り出すなど、容易に均一
性の高いパネルを作成することは困難である。上述した
ようにしきい値電圧Vthが5V〜10Vの範囲でばら
つくので、維持電圧Vs、書込電圧および消去電圧Ve
を明確に区別するためには消去電圧Veと維持電圧Vs
との差が10V以上必要であり、また維持電圧Vsと書
込電圧との差が10V以上必要となり、したがって、メ
モリ幅Vmは上述したように20V以上必要となる。
【0010】本発明の目的は、充分に広く、累積駆動時
間が長くなっても変化しないメモリ幅を有する薄膜EL
素子を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともい
ずれか一方が透光性を有する一対の電極と、前記一対の
電極間に配置され、アルカリ土類金属の硫化物を母材と
し、当該母材に遷移元素または希土類元素を発光中心と
して添加したEL発光層と、前記EL発光層と少なくと
もいずれか一方の電極との間に配置されるZnS層とを
含むことを特徴とする薄膜EL素子である。また本発明
は、前記ZnS層の総膜厚は、200nm以上1500
nm以下の範囲に選ばれることを特徴とする。さらにま
た本発明は、前記総膜厚は、500nm以上1500n
m以下の範囲に選ばれることを特徴とする。さらにまた
本発明は、少なくともいずれか一方が透光性を有する一
対の電極と、前記一対の電極間に配置され、アルカリ土
類金属の硫化物を母材とし、当該母材に遷移元素または
希土類元素を発光中心として添加した第1EL発光層
と、前記第1EL発光層と少なくともいずれか一方の電
極との間に配置され、ZnSを母材とし、当該母材に遷
移元素または希土類元素を発光中心として添加した第2
EL発光層とを含むことを特徴とする薄膜EL素子であ
る。さらにまた本発明は、前記第2EL発光層の総膜厚
は、200nm以上1500nm以下の範囲に選ばれる
ことを特徴とする。さらにまた本発明は、前記総膜厚
は、500nm以上1500nm以下の範囲に選ばれる
ことを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明に従えば、少なくともいずれか一方が透
光性を有する一対の電極間には、アルカリ土類金属の硫
化物を母材とし、当該母材に遷移元素または希土類元素
を発光中心として添加したEL発光層が配置され、さら
に前記EL発光層と少なくともいずれか一方の電極との
間には、ZnS層が配置されて、薄膜EL素子が構成さ
れる。また、前記EL発光層を第1EL発光層とし、当
該第1EL発光層と少なくともいずれか一方の電極との
間には、ZnSを母材とし、当該母材に遷移元素または
希土類元素を発光中心として添加した第2EL発光層が
配置されて、薄膜EL素子が構成される。前記ZnS層
または第2EL発光層を設けることによって、メモリ幅
が広くなることが確認された。また、薄膜EL素子を作
成した直後の初期状態からの駆動時間を累積した累積駆
動時間が長くなってもメモリ幅の低下が少ないことが確
認された。なお、メモリ幅とは印加電圧−発光輝度特性
曲線における印加電圧の昇圧時と降圧時との発光輝度の
履歴の電位差のことである。
【0013】また好ましくは、前記ZnS層または第2
EL発光層の総膜厚は、200nm以上1500nm以
下の範囲に選ばれる。200nm以上に選ぶことで、長
時間の駆動を行う前の初期状態において20V以上のメ
モリ幅が得られることが確認された。
【0014】また好ましくは、前記総膜厚は500nm
以上1500nm以下の範囲に選ばれる。500nm以
上に選ぶことによって、100Hz,1000時間の駆
動後においても20V以上のメモリ幅が得られることが
確認された。なお、総膜厚は1500nmを越えると、
駆動電圧が一般的な薄膜EL素子用のIC(Integrated
Circuit)の限界耐圧である400Vを越えてしまうの
で好ましくない。
【0015】
【実施例】図1は、本発明の第1の実施例である薄膜E
L素子1の構成を示す断面図である。薄膜EL素子1
は、透光性基板2、透明電極3、第1絶縁層4、ZnS
層5、EL発光層6、ZnS層7、第2絶縁層8および
金属電極9を含んで構成される。透光性基板2は、たと
えばガラスで実現され、その一方表面2aには透明電極
3が形成される。透明電極3は、たとえばITO(イン
ジウム錫酸化物)膜で実現され、200nmの厚さに形
成される。透明電極3が形成された透光性基板2の一方
表面2aには、前記透明電極3を覆って第1絶縁層4が
形成される。第1絶縁層4は、たとえば200nmの厚
さに形成され、透光性基板2上に積層されるSiO2
と、当該SiO2膜上に積層されるSi34膜とによっ
て実現される。
【0016】前記第1絶縁層4上には、250nmの厚
さのZnS層5が形成される。ZnS層5上には、Sr
S:Ceから成るEL発光層6が、たとえば1200n
mの厚さに形成される。当該EL発光層6は、青色の発
光色を発する。EL発光層6上には、250nmの厚さ
のZnS層7が形成される。
【0017】ZnS層7上には、第2絶縁層8が形成さ
れる。第2絶縁層8は、たとえば200nmの厚さに形
成され、前記ZnS層7上に形成されるSi34膜と、
当該Si34膜上に積層されるSiO2 膜とで実現され
る。第2絶縁層8上には、金属電極9が形成される。金
属電極9は、たとえばAl膜で実現され、150nmの
厚さに形成される。
【0018】このようにして構成される薄膜EL素子1
の前記透明電極3としては、ITOの他にZnOにAl
を添加したZnO:Alなどを用いてもよい。また、第
1および第2絶縁層4,8としては、Ta25膜または
Al23膜などを用いてもよい。またこの他にSrTi
3膜、PbTiO3膜、PZT(PbZrTiO3
膜、BaTa26膜などを用いてもよい。このような膜
は、周知のスパッタリング法や電子ビーム蒸着法などに
よって形成される。
【0019】また、前記ZnS層5,7は、ZnSを加
圧成形した後、900℃のArガス雰囲気中で1時間焼
結してペレットを作成し、当該ペレットを用いた電子ビ
ーム蒸着法によって形成される。さらに、EL発光層6
は、SrSにCe,CeCl3 またはCeNなどのCe
化合物を0.1mol%添加した後、加圧成形し、90
0℃のArガス雰囲気中で1時間焼結してペレットを作
成し、当該ペレットを用いた電子ビーム蒸着法によって
形成される。また、金属電極9は、抵抗加熱法などによ
って形成される。
【0020】前記薄膜EL素子1の電極3,9間に20
0V程度の二極性パルス電圧を印加すると、青色発光が
生じ、当該発光が第1絶縁層4、透明電極3を通過して
透光性基板2から出射する。
【0021】図2は、前記薄膜EL素子1の印加電圧と
発光輝度との関係を示すグラフである。破線で示す曲線
10は、ZnS層5,7の総膜厚を500nmとした場
合である本実施例の薄膜EL素子1の結果を示し、実線
で示す曲線11は従来技術の薄膜EL素子、すなわちZ
nS層を有さない薄膜EL素子の結果を示している。ま
た、曲線10a,11aは、昇圧時を、曲線10b,1
1bは降圧時をそれぞれ示している。発光輝度は、10
0Hzの二極性パルス電圧を印加して測定した。従来の
薄膜EL素子に比べて本実施例の薄膜EL素子1は、メ
モリ幅が広くなっていることがわかる。
【0022】図3は、累積駆動時間とメモリ幅との関係
を、ZnS層5,7の総膜厚毎に示すグラフである。ま
た、図4は、ZnS層5,7の総膜厚とメモリ幅との関
係を、累積駆動時間毎に示すグラフである。図3におい
て曲線12〜16は、膜厚0nm,200nm,400
nm,500nm,600nmの場合をそれぞれ示し、
図4において、曲線17,18は累積駆動時間0時間,
1000時間の場合をそれぞれ示す。なお、累積駆動
は、1kHzの二極性パルス電圧を印加して行った。ま
た、各駆動時間での輝度の測定は、100Hzの二極性
パルス電圧を印加して行った。
【0023】ZnS層を設けなかった場合の累積駆動を
行う前の初期状態におけるメモリ幅が約15Vであるの
に対し、ZnS層の総膜厚を200nm以上とすると、
メモリ幅が20V以上となるのがわかる。また、前者に
おいては、累積駆動時間が長くなると、著しくメモリ幅
が狭くなるのに対し、後者は比較的長い時間初期状態に
おけるメモリ幅を維持していることがわかる。総膜厚を
500nm以上とすると、1000時間の駆動後であっ
てもメモリ幅は20Vを維持していることがわかる。
【0024】なお、前記EL発光層6において、本実施
例では母材としてSrSを用いたけれども、母材として
はSrS以外にアルカリ土類金属の硫化物を用いること
ができる。また、発光中心としてCeを用いたけれど
も、発光中心は遷移元素および希土類元素の中から選ば
れる。
【0025】続いて本発明の第2の実施例について説明
する。第2の実施例の薄膜EL素子は、前述した薄膜E
L素子1のEL発光層6を第1EL発光層6とし、前記
ZnS層5,7をともに第2EL発光層5,7としたも
のである。第2EL発光層5,7はともに、ZnS:M
nで実現され、ともに250nmの膜厚に形成される。
当該第2EL発光層5,7は、ZnSにMnを0.3m
ol%添加し、加圧成形した後、900℃のArガス雰
囲気中で1時間焼結してペレットを作成し、当該ペレッ
トを用いた電子ビーム蒸着法によって形成される。Zn
Sに添加する元素は、Mn以外の遷移元素や希土類元素
であってもよく、本実施例のようにMnを用いた場合に
は黄色の発光色が得られる。
【0026】第2の実施例の薄膜EL素子の電極3,9
間に200V程度の二極性パルス電圧を印加すると、第
1EL発光層6および第2EL発光層5,7がともに発
光し、青色発光色と黄色発光色とが混ざり、白色発光が
得られる。この発光は、第1の実施例と同様に第1絶縁
層4および透明電極3を通過して透光性基板2から出射
する。このような第2の実施例の薄膜EL素子は、第1
の実施例と同様に、メモリ幅が広く、累積駆動時間が長
くなっても初期のメモリ幅が維持されていることが確認
された。
【0027】さらに本発明の第3の実施例について説明
する。第3の実施例の薄膜EL素子は、第1の実施例の
薄膜EL素子1のEL発光層6として1400nmの厚
さCaS:Euを用い、ZnS層5,7の膜厚をそれぞ
れ300nm,200nmとしたものである。第3の実
施例の薄膜EL素子は、第1の実施例の薄膜EL素子1
と同様に、メモリ幅が広く、累積駆動が長くなってもメ
モリ幅が減少せず、安定していることが確認された。こ
のように、ZnS層5,7の膜厚は、同じである必要は
なく、ZnS層5,7の総膜厚が200nm以上150
0nm以下の範囲、好ましくは500nm以上1500
nm以下の範囲であれば本発明の効果が得られる。この
ことから、ZnS層5,7の総膜厚が上記範囲であるこ
とが重要であり、したがっていずれか一方であっても本
発明の効果が得られる。また、第2の実施例の第2EL
発光層5,7についても同様である。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、EL発光
層と、少なくともいずれか一方の電極との間にはZnS
層、あるいは第2EL発光層が配置される。したがっ
て、メモリ幅が広くなり、累積駆動時間に対するメモリ
幅の減少が低減する。
【0029】また前記ZnS層または第2のEL発光層
の総膜厚は、200nm以上1500nm以下の範囲に
選ばれる。したがって累積駆動を行う前の初期状態にお
いて、20V以上のメモリ幅が得られる。
【0030】また前記総膜厚は500nm以上1500
nm以下の範囲に選ばれる。したがって累積駆動時間が
比較的長くなっても、20V以上のメモリ幅が維持され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である薄膜EL素子1の
構成を示す断面図である。
【図2】前記薄膜EL素子1の印加電圧と発光輝度との
関係を示すグラフである。
【図3】累積駆動時間とメモリ幅との関係をZnS層
5,7の総膜厚毎に示すグラフである。
【図4】ZnS層5,7の総膜厚とメモリ幅との関係
を、累積駆動時間毎に示すグラフである。
【図5】ヒステリシス特性を有する薄膜EL素子の印加
電圧と発光輝度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 薄膜EL素子 3 透明電極 5,7 ZnS層 6 EL発光層 9 金属電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともいずれか一方が透光性を有す
    る一対の電極と、 前記一対の電極間に配置され、アルカリ土類金属の硫化
    物を母材とし、当該母材に遷移元素または希土類元素を
    発光中心として添加したEL発光層と、 前記EL発光層と少なくともいずれか一方の電極との間
    に配置されるZnS層とを含むことを特徴とする薄膜E
    L素子。
  2. 【請求項2】 前記ZnS層の総膜厚は、200nm以
    上1500nm以下の範囲に選ばれることを特徴とする
    請求項1記載の薄膜EL素子。
  3. 【請求項3】 前記総膜厚は、500nm以上1500
    nm以下の範囲に選ばれることを特徴とする請求項2記
    載の薄膜EL素子。
  4. 【請求項4】 少なくともいずれか一方が透光性を有す
    る一対の電極と、 前記一対の電極間に配置され、アルカリ土類金属の硫化
    物を母材とし、当該母材に遷移元素または希土類元素を
    発光中心として添加した第1EL発光層と、 前記第1EL発光層と少なくともいずれか一方の電極と
    の間に配置され、ZnSを母材とし、当該母材に遷移元
    素または希土類元素を発光中心として添加した第2EL
    発光層とを含むことを特徴とする薄膜EL素子。
  5. 【請求項5】 前記第2EL発光層の総膜厚は、200
    nm以上1500nm以下の範囲に選ばれることを特徴
    とする請求項4記載の薄膜EL素子。
  6. 【請求項6】 前記総膜厚は、500nm以上1500
    nm以下の範囲に選ばれることを特徴とする請求項5記
    載の薄膜EL素子。
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