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JPH08111964A - 回転電機 - Google Patents

回転電機

Info

Publication number
JPH08111964A
JPH08111964A JP24592894A JP24592894A JPH08111964A JP H08111964 A JPH08111964 A JP H08111964A JP 24592894 A JP24592894 A JP 24592894A JP 24592894 A JP24592894 A JP 24592894A JP H08111964 A JPH08111964 A JP H08111964A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling fan
outer shell
air
rotor
electric machine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24592894A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshifumi Nakahama
敬文 中濱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP24592894A priority Critical patent/JPH08111964A/ja
Publication of JPH08111964A publication Critical patent/JPH08111964A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外殻の大形化や冷却ファンの大形化をせずと
も冷却ファンによる通風量や発生圧力の増加を図り、冷
却性能を向上させる。 【構成】 流入口38の周方向に対向する内側面のうち
冷却ファン37の回転方向Gと反対側の内側面に傾斜面
38aを形成し、冷却ファン37の回転により送風され
る空気を滑らかに外殻21の外側から外殻21の内側へ
と導き、これにより流入口38でのオリイフィス損失を
低減させ、冷却風量を増加させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷却性能の向上を図っ
た回転電機に関する。
【0002】
【従来の技術】開放形回転電機である開放形永久磁石付
電動機の従来構成を図9に示す。同図において、電動機
の外殻1は筒状をなす固定子枠2と、この固定子枠2の
両端部に装着された軸受ブラケット3,4とから構成さ
れており、軸受ブラケット3,4の中央に軸受ハウジン
グ3a,4aが形成され、この軸受ハウジング3a,4
aに嵌合する軸受5,5を介して回転軸6が回転可能に
支承されている。
【0003】上記固定子枠2の内面には内方に突出し軸
方向に延びるリブ7が設けられ、このリブ7の内側端部
に内接するように固定子8が配設されている。固定子8
は、リブ7に固定された環状をなす固定子鉄心9と、こ
の固定子鉄心9に巻装された固定子コイル10とから構
成されている。
【0004】前記固定子8の内側には回転子11が配設
されている。回転子11は、回転軸6の外周部に設けら
れた回転子鉄心12と、この回転子鉄心12の外周に設
けられた永久磁石13と、この永久磁石13を軸方向両
側から押えるために回転子鉄心12の軸方向両端面に設
けられた押え板14とから構成されている。
【0005】左側(以下、反負荷側とする)の軸受ブラ
ケット3の外側面には、ファンケーシング15が設けら
れており、軸受ハウジング3aから外側へ突出するよう
に設けられた回転軸6の反負荷側端部には冷却ファン1
6がファンケーシング15内に位置するように固定さ
れ、回転軸6と一体に回転するようになっている。そし
て、この冷却ファン16と対向する軸受ブラケット3に
は流入口17が周方向に沿って間欠的に形成され、固定
子枠2の右側(以下、負荷側とする)端部にはリブ7間
の中央に位置するよう周方向に沿って間欠的に流出口1
8が設けられている。なお、リブ7の反負荷側端面は軸
受ブラケット3から離れて位置し、負荷側端面は軸受ブ
ラケット4と接するように形成されている。
【0006】このように構成された開放形永久磁石付電
動機においては、回転軸6の回転に伴って冷却ファン1
6が回転駆動されると、外部の空気がファンケーシング
15内にその反負荷側開放口(以下、吸入口15a)か
ら吸入され、流入口17から外殻1内へと送られる。流
入口17から外殻1内に流入した外気の一部は反負荷側
の軸受ブラケット3と固定子鉄心9との間の空間Aを通
ってそのままリブ7相互間の空間(以下、通風路B)に
流入する。残る外気の一部は固定子コイル10のコイル
端10aに当たって通風路B側に流れる空気と固定子コ
イル10のコイル端10aとの間の空間Cを通って反負
荷側の軸受ブラケット3と回転子11との間の空間Dへ
と流れる空気とに分流する。
【0007】また、回転子11の回転により、その周り
の空気が旋回しつつ外側方向に向かって流れるようにな
り、その旋回流を伴う空気(旋回空気)は、コイル端1
0aと固定子鉄心9との間の隙間を通じて通風路Bへと
流れると共に、上記空間Dに流れ込む外気により押され
て固定子鉄心9の内周面と永久磁石13の外周面との間
の空間Eを通り軸受ブラケット4と固定子鉄心9及び回
転子11との間の空間Fに流れる。そして、通風路B及
び空間Eを通過した空気は流出口18から外部に排出さ
れる。
【0008】一方、開放形永久磁石付電動機の運転に伴
って回転子鉄心12及び固定子鉄心9で鉄損、固定子巻
線10で銅損、軸受5で摩擦損、回転子11表面で風損
が発生する。そして、それらの損失により発生した熱は
上述のように外殻1内を流れる空気に奪われ、外部に放
出される。このように外殻1内で発生する損失の大部分
が外殻1内に流入された空気に放熱されるような通風冷
却系においては、外殻1内を流れる空気流量が冷却性能
を左右する。
【0009】上記構成の開放形永久磁石付電動機の通風
系においては、流入口17から流出口18に至る主な流
路で次のような圧力損失が発生する。すなわち、外部の
空気が吸入口15aからファンケーシング15内に入る
際には入口損失が、そしてこの空気が流入口17を通過
し空間Aに流入する際にはオリフィス損失が、また、コ
イル端10aに当たって分岐するときには分岐損失が発
生すると共に、空間Aから通風路Bに入るときには縮流
損失が発生する。そして、通風路Bを通過した空気が外
殻1内の負荷側の空間Fに入り込むときには拡大損失
が、空気が流出口18から外殻1外側へ排出される際に
は出口損失が発生する。
【0010】これらのうちオリフィス損失とは、流入口
17の通過前後で急激に縮流状態から拡大状態になり、
その流速は急激に早くなった後、また遅くなるというオ
リフィスを通過する如き状態で発生する圧力損失であ
る。なお、その他の損失としては、流入口17から通風
路Bへと流れる空気とコイル端10aと固定子鉄心9と
の間の隙間を通過した空気とが通風路Bの入口部分で合
流するときの合流損、通風路B等での摩擦損等がある。
【0011】これら圧力損失等の合計と冷却ファン16
の送風圧力との釣り合いで空気の流量が決まる。図10
に圧力−流量特性を示す。図中Rは圧力損失を合計した
通風抵抗曲線(通風系が定まると一義的に決まる)を示
し、Sは冷却ファン16の特性曲線を示す。送風できる
流量は圧力損失の合計と冷却ファン16の発生圧力(静
圧)が等しい点、つまり通風抵抗曲線Rと特性曲線Sの
交点、流量Qaとなるわけである。
【0012】高流量域で作動させるためには、各流路の
圧力損失の合計を小さくし、図10における通風抵抗曲
線RをR1側へ移動させればよい。高流量が得られれ
ば、各伝熱面の熱伝達率が増加し、空気への放熱量が大
きくなるので外殻1内の温度上昇を低減することができ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した構
成の電動機においては、冷却用の空気の高流量化を図る
には、冷却ファン16を大形化させて送風量を増加させ
たり、発生圧力を大きくしたりすることが考えられる
が、モータの効率低下や騒音増大等を招くことになり、
しかも冷却ファン16の寸法には制約があって、送風
量、発生圧力のそれ程の増加は望めない。また、高流量
を得るためには、前述したように各流路の圧力損失を低
減して通風抵抗曲線Rの傾斜を小さくすれば良いが、各
流路の断面積を大きくして流速を下げることにより圧力
損失を低減すると、外殻1すなわち電動機全体の大形化
を引き起こすことになる。そこで、本発明の目的は、外
殻を大形化したり、冷却ファンを大形化することなく高
流量が得られ、冷却性能の向上を図り得る回転電機を提
供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に本発明の回転電機は、筒状をなし、両端壁部に軸受を
装着した外殻と、この外殻の周壁部の内側に軸方向に延
びるように突設されたリブと、このリブの内側に嵌着さ
れた固定子と、この固定子の内側に配置された回転子鉄
心を備え、回転軸が前記軸受に支持された回転子と、前
記外殻の一方の端壁部から外方に突出する前記回転軸の
一端部に取着された冷却ファンと、前記外殻のうち、前
記冷却ファン側の部位に周方向に沿って間欠的に形成さ
れ、冷却ファンからの送風空気を外殻内に取り入れるた
めの複数個の流入口と、前記外殻うち、前記冷却ファン
とは反対側の部位に形成され、前記流入口から外殻内に
流入して前記複数のリブ間を流通した空気を外部に排出
する複数個の流出口とを具備し、前記流入口の周方向に
対向する両内側面のうち、前記冷却ファンの回転方向と
反対側の内側面を、前記外殻の外側から内側に向かって
冷却ファンの回転方向に傾くように形成したことを特徴
とするものである(請求項1)。
【0015】この場合、流入口の周方向に対向する両内
側面のうち、冷却ファンの回転方向側の内側面も外殻の
外側から内側に向かって冷却ファンの回転方向に傾くよ
う形成すると良い(請求項2)。また、リブは外殻の一
方の端壁部から離間して設けられ、該外殻の端壁部に対
向するリブの一端面は冷却ファンの回転方向に向かって
他端部側に傾くように形成すると良い(請求項3)。さ
らに、流出口は複数のリブ間に冷却ファンの回転方向と
は反対側に寄せて設けると良い(請求項4)。
【0016】また、回転子鉄心は、外周部に取着された
永久磁石と、この軸方向両端部に取着されて前記永久磁
石を軸方向両側から押える押え板とを備え、押え板に
は、外側面から外周面に至る貫通孔が放射状に形成され
ていると良い(請求項5)。この場合、貫通孔は放射方
向に向かって回転子の回転方向に傾いていると良い(請
求項6)。
【0017】
【作用】請求項1記載の回転電機によれば、冷却ファン
の回転により、外部の空気は冷却ファンの回転方向と同
方向に回転する速度成分を持って流入口を通過し、外殻
内側へ流入するようになる。この場合、流入口の周方向
に対向する両内側面のうち冷却ファンの回転方向と反対
側の内側面が外殻外側から内側に向かって冷却ファンの
回転方向に傾いた状態に形成されているので、流入口の
内側に流入した空気はその傾斜内側面に沿って円滑に流
れ、流入口の内側で渦を生じて圧力を損ずることがな
い。
【0018】請求項2記載の回転電機の場合、流入口の
周方向に対向する内側面のうち冷却ファンの回転方向側
の内側面も外殻外側から内側に向かって冷却ファンの回
転方向に傾いた状態に形成されているので、冷却ファン
により送風され流入口の回転方向側の内側面に向かって
流れ込む空気が、該内側面に当たることなく外殻内側へ
流入し、あるいは前記内側面に当たっても衝突する角度
が小さいため滑らかに向きを変えて外殻内側へ流入す
る。
【0019】また、流入口を通過して外殻内側へ流入し
てきた空気は、その後冷却ファンの回転方向の速度成分
を持ってリブ間に流れ込む。このとき、請求項3記載の
回転電機のように、外殻の冷却ファン側端部から離間し
て設けられたリブの一端面が冷却ファンの回転方向に向
かって他端部側に傾いていると、リブの一端面に当たっ
た空気は滑らかに流れの方向を変えリブ間に入り込む。
【0020】さらに、この固定子鉄心とリブ間を流れる
空気は、冷却ファンの回転方向にやや偏向されてリブ間
を通り外殻の冷却ファンと反対側の端面部にぶつかる。
このとき、請求項4記載の回転電機のように、外殻の冷
却ファンと反対側の端面部に設けられた流出口が冷却フ
ァンの回転方向と反対側に寄せてリブ間に形成されてい
ると、固定子鉄心とリブ間を流れて外殻の冷却ファンと
反対側の端面部にぶつかった空気はそこで圧力上昇し、
低圧側である流出口側に向かって進路を変え流出口から
排出される。また、リブ間の冷却ファンの回転方向と反
対側で澱んでいた空気も流れを乱されながら流出口から
排出されるようになるため、流出口における圧力損失の
低減化は期待できないものの、リブ間を流れる空気の乱
れにより、固定子との間での熱交換が効率よく行われ
る。
【0021】請求項5記載の回転電機の場合、回転子の
回転に伴い、押え板の貫通孔内の空気が遠心力によって
外周面の開口部から貫通孔外に流出する。同時に、軸受
ブラケット側の開口部からは負圧になった貫通孔内に空
気が流入するので、結局、貫通孔が送風作用を呈し、そ
の外周側に位置する例えば固定子コイルのコイル端を効
率良く冷却する。このとき、請求項6の回転電機のよう
にこの貫通孔を回転子の回転方向に傾斜するように形成
すると、貫通孔から空気が流出する際に生じる渦の発生
領域が減少するので、騒音や圧力損失を低減できる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を開放形の永久磁石付電動機に
適用した場合の第1実施例について図1ないし図6を参
照して説明する。全体構成の縦断側面図を示す図1にお
いて、電動機の外殻21は周壁部を構成する筒状をなす
鋼板製の固定子枠22と、この固定子枠22の両端部に
装着された端面壁部を構成する軸受ブラケット23,2
4とからなり、軸受ブラケット23,24の中央は軸受
ハウジング23a,24aとして構成されている。軸受
ハウジング23a,24aの内側には軸受25が装着さ
れ、この軸受25に回転軸26が回転可能に支持されて
いる。
【0023】上記固定子枠22の内周面には内方に突出
し軸方向に延びるリブ27が、反負荷側の軸受ブラケッ
ト23からは離間し、負荷側の軸受ブラケット24に接
するように設けられている。また、このリブ27の内側
端部に内接するように固定子28が配設されており、こ
の固定子28は、リブ27に嵌着された環状をなす固定
子鉄心29と、この固定子鉄心29に巻装された固定子
コイル30とから構成されている。このとき、リブ27
の反負荷側端面は固定子鉄心29の反負荷側端面より軸
受ブラケット23側へ若干突き出るように形成されてい
る。
【0024】また、固定子28の内側には固定子鉄心2
9と周方向に対向して回転子31が配設されている。回
転子31は、回転軸26の外周部に設けられた回転子鉄
心32と、この回転子鉄心32の外周に設けられた界磁
用の永久磁石33と、この永久磁石33を軸方向両側か
ら押えて固定するために回転子鉄心32の軸方向両端面
に設けられた押え板34とから構成されている。この押
え板34には、図5に示すように、外側面すなわち軸受
ブラケット23,24側の側面から外周面に向かって放
射状に伸び、且つ固定子コイル30のコイル端30aに
開口する貫通孔35が設けられている。なお、図5で貫
通孔35は反負荷側の押え板34のもののみを示す。
【0025】一方、反負荷側の軸受ブラケット23の外
側面にはファンケーシング36が設けられており、軸受
ハウジング23aから外側へ突出するように設けられた
回転軸26の反負荷側端部には、ファンケーシング36
内に位置するように冷却ファン37が固定され回転軸2
6と一体に回転するようになっている。そして、この冷
却ファン37と対向する反負荷側の軸受ブラケット23
には冷却ファン37からの送風空気を外殻21内に取り
入れるための流入口38が周方向に沿って間欠的に形成
されていると共に、外殻21の冷却ファン37とは反対
側の部位、例えば固定子枠22の負荷側端部には流出口
39がリブ27の相互間に位置するように周方向に沿っ
て間欠的に形成されている。
【0026】しかして、図2に示すように、流入口38
の周方向に対向する両内側面のうち、冷却ファン37の
回転方向(矢印Gで示す)と反対側の内側面は外殻21
の外側から内側に向かって冷却ファン37の回転方向に
傾く傾斜面38aに形成されている。なお、図中37a
は冷却ファン37のブレードである。また、前記リブ2
7の両端面のうち、外殻21の一方の端壁部である反負
荷側の軸受ブラケット23に対向する一端面は、図3に
示すように、冷却ファン37の回転方向に向かって他端
側に傾く傾斜面27aに形成されている。更に、前記リ
ブ27相互間に存する各流出口39は、図4に示すよう
に、冷却ファン37の回転方向と反対側に寄った位置に
設けられている。
【0027】次に、本実施例の作用について述べる。電
動機を起動させると回転子31が回転する。これに伴っ
て冷却ファン35が図2に示すように矢印Gの方向に回
転し、外殻21外側の空気は流入口38から外殻21内
の軸受ブラケット23と固定子28との間の空間Aへ流
入する。このとき、冷却ファン37から送風された空気
は図2に矢印Hで示すように、冷却ファン37の回転方
向と同方向の回転速度成分を持って流入口38から外殻
21内側へ流入するようになる。しかし、流入口38の
周方向に対向する内側面のうち、冷却ファン37の回転
方向と反対側の内側面が外殻21外側から内側に向かっ
て冷却ファン37の回転方向に傾く傾斜面38aに形成
されているので、冷却ファン37により送り出された空
気は、収縮することなく傾斜面38aに沿って流入口3
8を円滑に通過して外殻21内側へ流入する。
【0028】また、流路Aに流入した空気の一部は、リ
ブ27相互間の空間(以下、通風路B)に流入する。残
る空気の一部は固定子コイル30のコイル端30aに当
たって通風路B側に流れる空気と、固定子コイル30の
コイル端30aとの間の空間Cを通って左側の軸受ブラ
ケット23と回転子31との間の空間Dへと流れる空気
とに分流する。流路Aから通風路Bに流入する空気も冷
却ファン37の回転により与えられた回転方向の速度成
分を持っているが(図3において矢印Iで示す)、リブ
27の傾斜面27aに沿って円滑に通風路B内に流入
し、その後通風路Bを通って流出口39から外殻21の
外側へ排出される。
【0029】ところで、通風路B内に流入した空気は冷
却ファン37の回転方向の速度成分を有しているため、
通風路B内を図3に矢印Iで示すように冷却ファン37
の回転方向側のリブ27に沿って多量に流れる。そし
て、この冷却ファン37の回転方向側のリブ27に沿っ
て多量に流れる空気は、軸受ブラケット24に衝突して
そこで圧力上昇し、その圧力で図4に矢印Jで示すよう
に低圧側である流出口39側に流れて該流出口39から
外部に排出される。このとき、低圧側である流出口39
側に澱み勝ちな空気は矢印J方向に流れてくる空気によ
り乱され、且つ流出口39から排出される空気に乗じて
該流出口39から排出される。このため、通風路B内を
冷却ファン37の回転方向側のリブ27に沿って多量に
流れる空気が軸受ブラケット24に衝突することによる
圧力損失は避けられないが、リブ27間の冷却ファン3
7の回転方向と反対側で澱んでいた空気はその流れを乱
されながら流出口39から排出されるため、リブ27間
を流れる空気に乱流が生じ、固定子鉄心29との間の熱
交換が効率良く行われ、圧力損失による流量抑制を補っ
て余りあるものとなる。
【0030】一方、回転子31の回転に伴い、遠心力に
よって貫通孔35内の空気が外周面側の開口部から貫通
孔35外に流出すると共に、負圧になった貫通孔35内
に軸受ブラケット23,24側の開口部から空気が流入
することになるので、結局、貫通孔35は送風作用を呈
することとなり、該貫通孔35により送風される空気
(図5において矢印Kで示す)は、押え板34の外周に
位置する固定子コイル30に吹き当たり、そして左側の
押え板34の貫通孔35から送風された空気のうち一部
の空気は固定子コイル30のコイル端30aと固定子鉄
心29との間を通ってリブ27相互間を流れる空気に合
流するようになる。また、空間Dに流入した空気は、固
定子鉄心29と永久磁石33との間の空気を負荷側の空
間Fへ押し流しつつ空間Fを通じて流出口39から外部
に排出される。
【0031】このように本実施例によれば、送風ファン
37からの空気が流入口38を通って外殻21内に流入
するときオリフィス損失を生じるが、その流入口38の
周方向に対向する両内側面のうち、冷却ファン37側の
内側面を傾斜面38aとしたので、冷却ファン37から
の空気が円滑に流入口38を通過するようになる。従っ
て、電動機の通風系において各流路で発生する圧力損失
のうち、流入口38で生じる圧力損失であるオリフィス
損失を低減できることになり、それだけ外殻21内の通
風量が増加して冷却性能が向上する。
【0032】また、反負荷側の軸受ブラケット23と固
定子鉄心29との間の空間Aからリブ27相互間の通風
路Bに向かう空気は、冷却ファン35の回転により与え
られた回転方向の速度成分を持ったまま、リブ27の反
負荷側傾斜面27aに沿って滑らかに流れの方向を変え
通風路Bに入り込むので、この場合も圧力損失である縮
流損失を低減できることになり、冷却性能の向上を図る
ことができる。
【0033】さらに、冷却ファン37により送風された
空気が通風路Bを通過し流出口39から外部へ排出され
る際には、リブ27相互間に存する各流出口39が冷却
ファン37の回転方向と反対側に寄った位置に設けられ
ているので、リブ27間の低圧側である冷却ファン37
の回転方向反対側に澱がちな空気も、その流れを乱され
ながら流出口39へと向かうので、リブ27間を流れる
空気と固定子鉄心32との間の熱交換が効率よく行われ
る。
【0034】加えて、回転子31の押え板34に貫通孔
35を設けたので、貫通孔35からの送風空気によって
固定子コイル30からより効率よく放熱させることがで
きるようになる。以上の点から、本実施例では電動機本
体の様々な部分で発生する圧力損失を低減することがで
きると共に、電動機本体内部からの様々な損失により発
生する熱を効率よく放熱することができるようになり、
冷却ファン37の大形化や外殻21の大形化を行うこと
なく冷却性能の向上を図ることができる。
【0035】図7は本発明の第2実施例を示したもので
あり、上記した第1実施例とは次の点が異なっている。
すなわち、流入口40の周方向に対向する両内側面が、
双方共に外殻21外側から内側に向かって冷却ファン3
7の回転方向に傾く傾斜面40a,40bに形成されて
いることである。
【0036】従って、本実施例では上記した第1実施例
の作用効果に加えて次のような作用効果が得られる。す
なわち、冷却ファン37からの送風空気が流入口40の
内側面に衝突することなく外殻21内側へ流入し、ある
いは前記内側面に当たっても、衝突する角度が小さいた
め滑らかに向きを変えて外殻21内側へ流入することが
できるので、流入口40においてみられるオリフィス損
失のうち、入口損失、縮流損失、出口損失をより一層低
減でき、冷却性能の向上を図ることができる。
【0037】図8は本発明の第3実施例を示しており、
第2実施例とは次の点が異なっている。すなわち、回転
子31の押え板32に設けられた貫通孔41が冷却ファ
ン37の回転方向に傾斜させるよう形成されていること
である。
【0038】この場合、貫通孔41を回転方向に傾斜さ
せて設けると、貫通孔41の外周側開口部から空気が流
出する際に生じる渦の発生領域が第2実施例の場合と比
べて減少するため(図6及び図8に二点鎖線で示す領
域)、この部分における圧力損失や流体騒音を低減でき
るので、さらに有効である。
【0039】なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施
例に限定されるものではなく、次のような拡張または変
更が可能である。外殻21は左右二分割のケース(固定
子枠22の片側半分と軸受ブラケット23とを一体に有
するケースと固定子枠22の残る片側半分と軸受ブラケ
ット24とを一体に有するケース)により構成しても良
い。誘導電動機であっても良く、回転電機一般に広く適
用できる。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の回転電機によれば、以下の効果を奏する。
【0041】請求項1記載のものによれば、冷却ファン
からの送風空気が流入口を通って外殻内に流入するとき
オリフィス損失を生じるが、その流入口の周方向に対向
する両内側面のうち、冷却ファンの回転方向と反対方向
側の内側面が、外殻の外側から内側に向かって冷却ファ
ンの回転方向に傾くように形成されているので、冷却フ
ァンからの空気が円滑に流入口を通過することができ
る。従って、電動機の通風系において各流路で発生する
圧力損失のうち、流入口で生じる圧力損失であるオリフ
ィス損失を低減できることになり、それだけ外殻内の通
風量が増加して冷却性能が向上する。
【0042】請求項2記載のものによれば、流入口の周
方向に対向する両内側面が双方共に外殻の外側から内側
に向かって冷却ファンの回転方向に傾くように形成され
ているので、冷却ファンからの送風空気が流入口の内側
面に衝突することなく外殻の内側へ流入し、あるいは前
記内側面に当たっても、衝突する角度が小さいため滑ら
かに向きを変えて外殻内側へ流入することができるの
で、流入口においてみられるオリフィス損失のうち、入
口損失、縮流損失、出口損失をより一層低減でき、冷却
性能の向上を図ることができる。
【0043】請求項3記載のものによれば、外殻の冷却
ファン側壁面部と固定子との間の空間からリブに向かう
空気は、冷却ファンの回転により与えられた回転方向の
速度成分を持ったままリブの一端面に当たり、滑らかに
流れの方向を変えてリブ間に入り込むので、この部分で
生じる圧力損失である縮流損失を低減できることにな
り、より一層冷却性能の向上を図ることができる。
【0044】請求項4記載のものによれば、リブ間のう
ち低圧側である冷却ファンの回転方向と反対側に澱みが
ちな空気も流れを乱されながら流出口から外部へ排出さ
れるため、固定子との間の熱交換が効率よく行われ、よ
り一層、冷却性能の向上を図ることができる。
【0045】請求項5記載のものの場合、回転子の押え
板に貫通孔を設けたので、貫通孔からの送風空気によっ
て固定子からより効率良く放熱させることができる。
【0046】請求項6記載のものの場合、押え板に設け
られた貫通孔が放射方向に向かって回転子の回転方向に
傾いていることにより、貫通孔の外周側開口部から空気
が流出する際に生じる渦の発生領域が減少し、流体騒音
や圧力損失を低減できるので、さらに有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す全体構成の縦断面図
【図2】軸受ブラケット、流入口及び冷却ファンをX−
X´を通る円周面で切断したときの部分展開図
【図3】リブをX−X´を通る円周面で切断したときの
部分展開図
【図4】固定子枠の内周面に設けられたリブをY−Y´
面で切断し、矢印方向からみたときの部分展開図
【図5】回転子の押え板を拡大して示す縦断面図
【図6】押え板の展開図
【図7】本発明の第2実施例を示す図2相当図
【図8】本発明の第3実施例を示す図6相当図
【図9】従来例を示す図1相当図
【図10】圧力と流量との関係を示す図
【符号の説明】
21は外殻、25は軸受、26は回転軸、27はリブ、
28は固定子、31は回転子、32は回転子鉄心、34
は押え板、37は冷却ファン、38,40は流入口、3
9は流出口を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状をなし、両端壁部に軸受を装着した
    外殻と、 この外殻の周壁部の内側に軸方向に延びるように突設さ
    れたリブと、 このリブの内側に嵌着された固定子と、 この固定子の内側に配置された回転子鉄心を備え、回転
    軸が前記軸受に支持された回転子と、 前記外殻の一方の端壁部から外方に突出する前記回転軸
    の一端部に取着された冷却ファンと、 前記外殻のうち、前記冷却ファン側の部位に周方向に沿
    って間欠的に形成され、冷却ファンからの送風空気を外
    殻内に取り入れるための複数個の流入口と、 前記外殻のうち、前記冷却ファンとは反対側の部位に形
    成され、前記流入口から外殻内に流入して前記複数のリ
    ブ間を流通した空気を外部に排出する複数個の流出口と
    を具備し、 前記流入口の周方向に対向する両内側面のうち、前記冷
    却ファンの回転方向と反対方向側の内側面を、前記外殻
    の外側から内側に向かって冷却ファンの回転方向に傾く
    ように形成したことを特徴とする回転電機。
  2. 【請求項2】 流入口の周方向に対向する両内側面のう
    ち、冷却ファンの回転方向側の内側面も外殻の外側から
    内側に向かって冷却ファンの回転方向に傾くよう形成し
    たことを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  3. 【請求項3】 リブは外殻の一方の端壁部から離間して
    設けられ、該外殻の一方の端壁部と対向するリブの一端
    面は冷却ファンの回転方向に向かって他端部側に傾くよ
    うに形成されていることを特徴とする請求項1または2
    記載の回転電機。
  4. 【請求項4】 流出口は複数のリブ間に冷却ファンの回
    転方向とは反対側に寄せて設けられていることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかに記載の回転電機。
  5. 【請求項5】 回転子鉄心は、外周部に取着された永久
    磁石と、この軸方向両端部に取着されて前記永久磁石を
    軸方向両側から押える押え板とを備え、押え板には、外
    側面から外周面に至る貫通孔が放射状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の
    回転電機。
  6. 【請求項6】 貫通孔は放射方向に向かって回転子の回
    転方向に傾いていることを特徴とする請求項5記載の回
    転電機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3422533A1 (en) * 2017-06-29 2019-01-02 Rolls-Royce plc Electrical machine apparatus
WO2022255084A1 (ja) * 2021-06-04 2022-12-08 株式会社日立製作所 回転電機

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