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JPH0798779B2 - 含フッ素シクロペンタン誘導体 - Google Patents

含フッ素シクロペンタン誘導体

Info

Publication number
JPH0798779B2
JPH0798779B2 JP62262748A JP26274887A JPH0798779B2 JP H0798779 B2 JPH0798779 B2 JP H0798779B2 JP 62262748 A JP62262748 A JP 62262748A JP 26274887 A JP26274887 A JP 26274887A JP H0798779 B2 JPH0798779 B2 JP H0798779B2
Authority
JP
Japan
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group
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mixture
fluoro
mmol
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP62262748A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01151541A (ja
Inventor
義富 森澤
利明 中山
新 安田
啓一 内田
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP62262748A priority Critical patent/JPH0798779B2/ja
Priority to EP88101269A priority patent/EP0277599A3/en
Publication of JPH01151541A publication Critical patent/JPH01151541A/ja
Publication of JPH0798779B2 publication Critical patent/JPH0798779B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規な含フッ素シクロペンタン誘導体に関す
るものである。
[従来の技術] 含フッ素糖を有するヌクレオシドは、抗腫瘍剤や抗ウイ
ルス剤として知られている。具体的には、たとえば3−
デオキシ−3−フルオロフラノシド誘導体(特開昭59−
175498号公報,J.A.Wright他、Carbohydrate Research,1
8,345−347(1971)参照)が知られている。しかし、多
くの場合インビトロに比べ、インビボでの活性の低下が
みられる。
本発明者らは、この原因を上記化合物のインビボでの化
学的不安定性に起因するものと結論し鋭意検討を行った
結果、カルボサイクリック誘導体の合成に至った。
カルボサイクリック誘導体は、糖のエーテル部の酸素原
子が炭素原子に置き換わったもので、この置換によりグ
リコシド結合が安定になり、生体内での化学的安定性の
向上、さらにホスホリボシルトランスフェラーゼ等の酸
素に対する安定性が向上することが期待できる。カルボ
サイクリック誘導体としては、アリステロマイシン、ネ
プライシンなどが知られているが、現在までに含フッ素
カルボサイクリック誘導体は知られていない。
[発明の解決しようとする問題点] 本発明は、リボースのカルボサイクリック類似体の含フ
ッ素誘導体のうちリボースの3位の水酸基の立体的位置
にフッ素原子を導入すべく研究検討した結果、新規な含
フッ素カルボサイクリックヌレオシド誘導体の合成中間
体を見出すに至った。また、同時に4位にフッ素原子を
有する誘導体も得られることがわかった。以下、これら
をシクロペンタンの誘導体として表わす。
本発明は、下記の新規なフッ素原子を有するシクロペン
タン誘導体である。
下記式[I]で表わされる3(あるいは4)−フルオロ
−2−ヒドロキシ−1−置換−4−ヒドロキシメチルシ
クロペンタン誘導体。
ただし B:アジド基あるいはアミノ基。
R1、R2:それぞれ独立に、水素原子あるいはベンジル
基。
k:0あるいは1。
式[I]で表わされる本発明の誘導体は、kがOの3−
フルオロ体(即ち、3−フロオロ−2−ヒドロキシ−1
−置換−4−ヒドロキシメチルシクロペンタン誘導体)
とkが1の4−フルオロ体(即ち、4−フロオロ−2−
ヒドロキシ−1−置換−4−ヒドロキシメチルシクロペ
ンタン誘導体)の2種がある。いずれの誘導体において
も、Bの位置はシクロペンタン環に対して4位のヒドロ
キシメチル基(−CH2OR1)と同じ側(即ち、シス)、つ
まりβ位になければならない。また、2位のヒドロキシ
基(−OR2)と3位あるいは4位のフッ素原子はいずれ
もα位になければならない。なお、式[I]においてフ
ッ素原子が存在しない3位あるいは4位(即ち、kがO
の3−フルオロ体の場合は4位、あるいはkがlの4−
フロオロ体の場合は3位)のβ位には水素原子が存在す
る。
本発明の3−フルオロ体は、3−デオキシ−3−フルオ
ロリボフラノスに対応するカルボサイクリック体であ
り、4−フルオロ体は、3−デオキシ−4−フルオロリ
ボフラノースに対応するカルボサイクリック体であると
みなしうる。
本発明の式[I]で表わされる化合物は、下記式[II]
で表わされるシクロペンタンポリオール誘導体をフッ素
化剤でフッ素化して3位(あるいは4位)にフッ素原子
を導入することにより製造することができる。この際R3
はアジド基であることが好ましい。フッ素化後アジド基
をアミノ基に変換してR3をアミノ基とすることができ
る。また、脱保護を行ってR4、R5を水素原子に変換する
ことができる。R4、R5としては特にベンジル基が好まし
い。
ただし R3:アジド基、アミノ基、あるいは保護された
アミノ基。
R4、R5:それぞれ独立に、保護基。
Y:水素原子、あるいは脱離基。
R4、R5はいずれも前記と同様の水酸基の保護基であり、
両者は同一であっても異なっていてもよい。それらは公
知の水酸基の保護基が適当である。たとえば、トリオル
ガノシリル基(有機基としてはアルキル、アリール、あ
るいはアルアルキルなど)、アシル基、アルアルキル基
などがある。アリール基やアルアルキル基の芳香核はア
ルキル基やアルコキシ基などの置換基を有してもよい。
また、トリオルガノシリル基のケイ素原子に結合する3
個の有機基は同一でも互いに異なっていてもよい。具体
的には、たとえば、トリメチルシリル基、トリエチルシ
リル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチ
ルシリル基、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、
トリチル基、ジメトキシトリチル基、モノメトキシトリ
チル基などの保護基がある。さらに、ある場合にはアル
キリ基を保護基として使用しうる。このアルキル基とし
ての低級アルキル基、特にメチル基が適当である。
R4、R5としてはアルキル基やアルアルキル基が好まし
く、特にベンジル基などのアルアルキル基が好ましい。
また、t−ブチルジメチルシリル基や、t−ブチルジフ
ェニルシリル基のようなシリル基であってもよい。最も
好ましいR4、R5はいずれもベンジル基であり、これは式
[I]で表わされる化合物におけるR1、R2である。
Yは水素原子であってもよいが、この場合、3位に結合
した水酸基の脱離およびそれに続く3位あるいは4位の
フッ素化は必ずしも容易ではなく、用いるフッ素化剤と
の組合わせが重要である。即ち、後述のように、フッ素
化剤として金属フッ化物あるいは第4級アンモニウムフ
ッ化物の混合、Yが水素原子であると−OYの脱離が充分
に進行し難く、Yをスルホニル基などの脱離活性化基
(−OYの脱離が容易となるような活性化基)に変えて脱
離を行なうことが好ましい。フッ素化剤がアミノサルフ
ァーフルオリド系フッ素化剤の場合、Yが水素原子であ
っても脱離を行なうことができ、さらにYをトリオルガ
ノシリル基などの脱離活性化基に変えてさらに容易に脱
離を行なうことができる。
式[II]で表わされるシクロペンタンポリオール誘導体
をフッ素化剤でフッ素化すると、−OYが脱離し、かつ3
位あるいは4位にフッ素原子が導入される。3位に導入
されるフッ素原子はα位となる生成物は通常3−フルオ
ロ体と4−フルオロ体の混合物である。即ち、生成物は
平均してkが0と1の間の数値となる混合物が生じる。
この混合物から、3−フルオロ体と4−フルオロ体を容
易に分離することができる。通常のフッ素化反応条件下
において、3−フルオロ体と4−フルオロ体の生成割合
は、および1:9〜9:1の範囲内にある。目的に応じてさら
に反応条件を調節して一方の生成割合を高めることも可
能である。3−フルオロ体と4−フルオロ体はその物理
的あるいは化学的性質の相違により、分離される。たと
えば、カラムクロマトグラフィーなどの手段で容易に分
離できる。3−フルオロ体と4−フルオロ体の分離はフ
ッ素化後の任意の段階で行なうことができる。たとえ
ば、アジド基をアミノ基に変換する前であっても後であ
ってもよい。
3位の水酸基を活性化した後フッ素化を行う場合、3位
の水酸基を脱離活性化基(Y)に変換する。たとえば、
メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル
基、p−トルエンスルホニル基、あるいはイミダゾリル
スルホニル基などのスルホニル基やアセチル基などがあ
る。特にトリフルオロメタンスルホニル基が活性化作用
が高く、好ましい脱離活性化基として使用されう。この
場合、用いられるフッ素化剤としては、カリウムなどの
金属のフッ化物や第4級アンモニウムのフッ化物などの
公知のフッ素化剤を使用しうるが、特にフッ化テトラア
ルキル(あるいはアルアルキル)アンモニウムが適当で
ある。アルキル基としては低級アルキル基、アルアルキ
ル基としてはベンジル基が適当であり、4個のアルキル
基やアルアルキル基は異なっていてもよく、アルキル基
とアルアルキル基の両者からなってもよい。好ましく
は、フッ化テトラビチルアンモニウムが使用される。こ
れらフッ素化剤は通常テトラヒドロフランやアセトニト
リルなどの不活性溶媒中数10度以下の温度で行われ、特
に−70℃〜室温下で行われることが好ましい。
3位水酸基をそのまま、または脱離活性化基(Y)をト
リメチルシリル基あるいはトリエチルシリル基とした
後、フッ素化することもできる。この場合のフッ素化剤
としては、アミノサルファーフルオリド系フッ素化剤が
用いられ、このフッ素化剤は下記式[III]あるいは[I
V]で表わされるような(>N−SE)なる基を有する化
合物である。
(A1)(A2)N−SF3・・・[III] (A3)(A4)N−SF2−N(A5)(A6)・・・[IV] ただし、A1,A2,A3,A4,A5,A6はそれぞれ同一あるい
は異なる1価の有機基であるか、A1とA2,A3とA4、ある
いはA5とA6は窒素原子と共同して複素環基を表わす。
上記式[III]、[IV]においてA1ないし、A6はそれぞ
れ、アルキル基、シクロアルキル基、あるいはアリール
基が好ましい。または、A1とA2,A3とA4、あるいはA5
A6は、窒素原子と共同して5〜7員の窒素原子含有複素
環基を表わすことが好ましく、特に1個の窒素、あるい
は1個の窒素原子と1個の酸素原子を有する5〜6員環
の非芳香族の複素環基が好ましい。具体的化合物として
は、[III]としてたとえばジメチルアミノサルファー
トリフルオリド、ジエチルアミノサルファートリフルオ
リド、ジイソプロピルアミノサルファートリフルオリ
ド、ピペリジノサルファートリフルオリド、モルホリノ
サルファートリフルオリドなどがある。[IV]として
は、たとえばビス(ジメチルアミノ)サルファージフル
オリド、ビス(ジエチルアミノ)サルファージフルオリ
ド、ジメチルアミノジエチルアミノサルファージフルオ
リド、ジエチルアモノピペリジノサルファージフルオリ
ドなどがある。特に好ましいフッ素化剤は、ジエチルア
ミノサルファートリフルオリドやピペリジノサルファー
トリフルオリドなどが上記式[III]で表わされるフッ
素化剤である。
この場合のフッ素化反応は通常不活性溶媒中で行われ
る。この溶媒としてはヘキサン、ペンタンなどの脂肪族
炭化水素系溶媒、ベンゼン、トリエンなどの芳香族炭化
水素溶媒、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエ
タン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素など
のハロゲン化炭化水素溶媒、などが適当であるが、これ
らに限られるものではない。好ましくは、1,2,2−トリ
クロロー1,2,2−トリフルオロエタン、ジクロロメタン
が用いられる。基質に対するフッ素化剤の量は特に限定
されるものではないが、1〜10倍当量用いる。反応温度
は約−78℃から溶媒還流温度の範囲が採用される。
前記式[II]で表わされるシクロペンタンポリオール誘
導体は立体特異的に合成される必要がある。また3位水
酸基の除く他の水酸基はフッ素化反応を受けないように
選択的に保護されていなくてはならない。これらの理由
により、式[II]で表わされるシクロペンタンポリオー
ル誘導体は下記の経路で合成されることが好ましい。な
お、式(1)の化合物は文献既知の化合物である。(S.
B.Jorgnsen他、Acta Chemica Scandinavica、20、2192
−2164(1966)、A.Maercker 他、Chem.Ber.106、773−
797(1973)、H.Raulsen他、Chem.Ber.、114、346−358
(1981))。
この式(1)の化合物を酸化してエポキシド(式(2)
でR4が水素原子)に変換する。酸化剤として過ギ酸、過
酢酸、m−クロロ過安息香酸などの有機過酸化カルボン
酸やt−ブチルヒドロペルオキシド、その他の過酸化物
を作用しうる。特に、立体特異的にエポキシ化するため
に、モリブデンヘキサカルボニル/t−ブチルヒドロペル
オキシド、バナジルアセチルアセトナート/t−ブチルヒ
ドロペルオキシドなどの金属系触媒を併用する方法が好
ましい。また不斉エポキシドを得るために、(+)−ジ
メチルまたはジイソプロピル酒石酸−チタンテトライソ
プロポキシド/t−ブチルヒドロペルオキシドなどを用い
ることもできる。
次に水酸基を保護する。保護基として、メチル基、ベン
ジル基、トリチル基、t−ブチルジメチルシリル基が好
ましく、特にベンジル基が好ましい。
次に式(2)のエポキシドを還元剤の存在下に開環させ
シクロペンテンアルコール(式(3)R7が水素原子の場
合)に変換する。エポキシド開環反応剤としてジフェニ
ルジセレニドなどの有機セレン化合物が用いられる。導
入されたオルガノセレノ基を30%過酸化水素溶液などの
酸化剤で処理することにより容易にシクロペンテンアル
コール(式(3)R7が水素原子の場合)に変換される。
次いで、3位水酸基を保護する。保護基として、トリメ
チルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチ
ルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基を用いるこ
とが好ましく、あとの工程のために立体的にかさ高いt
−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリ
ル基を用いることが好ましい。
次に、1位、2位のオレフィンをエポキシ化する。酸化
剤としては過酢酸、m−クロロ過安息香酸などの過カル
ボン酸などが適当である。式(3)で採用した3位水酸
基の保護基の立体的効果のために、生成するエポキシド
は1α、2α−エポキシシクロペンタン誘導体となる。
生成したエポキシドをアミノアルコールに変換する。こ
のエポキシドの開環反応にはアジ化ナトリウムが使用さ
れる。アジト基は1位に導入され、2位水酸基は保護さ
れる。保護基としてメチル基、ベンジル基などが使用さ
れるが、ベンジル基が好ましい。次に3位水酸基を脱保
護する。この脱保護には、テトラアルキルアンモニウム
フルオリド、好ましくはテトラブチルアンモニウムフル
オリドやフッ化セシウムなどが、用いられ、アジドシク
ロペンタンポリオール誘導体とする(式(5)でR3がア
ジト基、Yが水素原子の場合。式(5)は式[II]に一
致する)。
また、三フッ化ホウ素エーテル錯体存在下アセトニトリ
ルを反応させた後、ピリジン中で無水酢酸と反応させて
アセチル化することにより、同様にアミノアルコールに
変換することもできる。
前記の通り式[II]で表わされるシクロペンタンポリオ
ール誘導体フッ素化剤でフッ素化することにより、OY基
の脱離とフッ素原子の導入がおこる。3位にフッ素原子
が結合する場合、フッ素原子がOY基の立体的に反対の側
に結合する。4位にフッ素原子が結合する理由は3位の
OY基の脱離性により4位が活性化されるものと考えられ
る。
次に水酸基の脱保護やアジド基の還元を行う。特に、両
反応を一挙に行うことが好ましい。これにはパラジウム
−炭素触媒存在下、水素を添加することが好ましい。こ
れによりBがアミノ基であるアミノジオール(式(6)
でR4、R5が水素原子、R3がアミノ基の場合。式(6)は
式[I]で表わされる本発明の化合物の一種である)が
得られる。
Bがアミノ基である本発明の含フッ素シクロペンタン誘
導体は、含フッ素カルボサイクリックヌクレオシド誘導
体合成用の中間体として有用である。すなわち、そのア
ミノ基を核酸塩基類の残基に変換して含フッ素カルボサ
イクリックヌクレオシド誘導体とすることができる。
上記核酸塩基類とは核酸塩基あるいはその誘導体または
核酸塩基類縁体をいう。核酸塩基あるいはその誘導体と
は置換基を有していてもよいプリン類およびピリジミン
類をいい、その残基(B)とは置換基を有してもよい9
−プリニル基および1−ピリミジン基をいう。置換基と
しては、アミノ基、オキソ基、メチル基は勿論、他の置
換基、たとえばハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキ
ル基、ハロボニル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキ
ル基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アシル
アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、シクロアル
キル基、アリール基、アリールオキシ基、アルアルキル
基などであってもよい。なお、ここにおいてハロゲンと
はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素をいい、特に言及しない
限り以下においても同様である。これら置換基の結合位
置は、プリン類では2位、6位、および8位の少なくと
も1つ、ピリミジン類では2位、4位、および5位の少
なくとも1つである。さらに、環の窒素原子に酸素原子
が結合したアミンオキシドも有用である。
具体的な置換基を有するプリン類としては、たとえば、
アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、キサンチン、2,
6−ジアミノプリン、6−ハロプリン、2−ハロプリ
ン、2,6−ジハロプリン、6−アルキルメチルアミノプ
リン、6−アシルアミノプリン、アデニン1−オキシ
ド、アデニン7−オキシドなどがあり、置換基を有する
ピリミジン類としてはたとえば、ウラシル、シトシン、
チミン、5−ハロウラシル、5−ハロメチルウラシル、
5−ハロチミン、5−ハロメチルチミン、5−β−ブロ
モビニルチミンなどがある。好ましい核酸塩基あるいは
その誘導体は、2−および/または6−置換プリン並び
に2,4−置換あるいは2,4,6−置換ピリミジンであり、特
に、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、キサンチ
ン、2−ハロアデニン、N6−置換アデニン、2,6−ジア
ミノプリン、6−ハロプリン、2,6−ジハロプリン、ウ
ラシル、シトシン、チミン、5−ハロウラシルなどが好
ましい。
本発明における上記核酸塩基縁体とは、プリン類あるい
はピリミジン類に対応する環を有する複素環化合物ある
いはその誘導体をいい、その残基とは、プリン類の9
位、ピリミジン類の1位に対応する位置に結合手を有す
る残基をいう。このような複素環化合物としては、核酸
塩基の類縁体として公知のものが好ましい。具体的に
は、プリン類あるいはピリミジン類の環の窒素原子の少
くとも1つを炭素原子あるいは窒素原子以外のヘテロ原
子に変換するか、環の炭素原子の少くとも1つを窒素原
子あるいは他のヘテロ原子に変換するか、またはそれら
変換の両方を行って得られるような複素環化合物が好ま
しい。さらに好ましくは、プリン類の環の1つの窒素原
子(特に、1位、3位あるいは7位の窒素原子)を炭素
原子あるいは酸素原子に変換して得られる複素環化合
物、プリン類の環の1つの炭素原子(特に2位、5位、
あるいは8位の炭素原子)を窒素原子に変換して得られ
る複素環化合物、およびこの両変換を行って得られる
(即ち1つの窒素原子を炭素原子あるいは酸素原子に変
換し、かつ1つの炭素原子を窒素原子に変換して得られ
る)複素環化合物が好ましい。また、ピリミジン類で
は、同様に3位の窒素原子を炭素原子に変換するか、5
位あるいは6位の炭素原子を窒素原子に変換して得られ
る複素環化合物がより好ましい。これら複素環化合物の
誘導体は、前記と同様の置換基を導入した化合物であ
り、置換基としては特にアミノ基、オキソ基、ハロゲン
基、メチル基が好ましい。具体的化合物として、たとえ
ばグアニンの類縁体である5−アミノ−3,6−ジヒドロ
−7H−1,2,3−トリアジン[4,5−d]ピリミジン−7−
オンなどがある。
核酸塩基類の残基の骨格形成は種々の方法で行いうる。
たとえば、文献(S.Daiuge他,J.Org.Chem.,43,2311(19
78)、Y.F.Shealg他,J.Am.Chem.Soc.,91,3075(196
9)、Y.F.Shealy他,J.Heterocyclic Chem.,13,1015(19
76)の記載の方法などを採用しうる。この方法は、例え
ばアデノシンの場合5−アミノ−4,6−ジクロロピリミ
ジンと式[I](R1とR2が水素原子、Bがアミノ基の場
合)を反応させジアミノピリミジン誘導体としたのち、
オルトギ酸エチルを用いてプリン骨格を形成するもので
ある。プリン環6位の塩素原子はアンモニアで処理して
アデノシンに変換できる。
[実施例] 以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本
発明はこれら実施例に限られるものではない。以下の合
成例は、式[II]で表わされる化合物の合成を示す。ま
た、参考例は本発明の化合物を使用した含フッ素カルボ
サイクリックヌクレオシド誘導体の製造例を示す。な
お、置換基の位置は個々の化合物毎に定めたので、前記
説明中の位置とは必ずしも一致しない。
合成例 2β,3β−エポキシシクロペンタン−1β−メタノ
ール[式(2)においてR4が水素原子である化合物]の
合成。
モリブデンヘキサカルボニル0.16g(0.6mmol)およびt
−ブチルヒドロペルオキシド3.0g(30mmol)のベンゼン
(80ml)懸濁液に、2−シクロペンタンメタノール2.0g
(20mmol)のベンゼン溶液(20ml)を加え、1.5時間加
熱還流した。反応混合物を冷却した飽和亜硫酸ナトリウ
ム水溶液で処理し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫
酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、カラムクロマトグラフ
で精製し、エポキシアルコール1.6g(収率70%)を得
た。1 H−NMR(CDCl3):δ 0.8−1.4(m,1H)、1.4−2,5
(m,5H)、3.56(brs,2H)、3.78(d,J=6.5Hz,2H)。
2β,3β−エポキシシ−1βーシクロペンタンメチ
ル ベンジル エーテル[式(2)においてR4がベンジ
ル基である化合物]の合成。
水素化ナトリウム(55%)5.7g(0.13mmol)をテトラヒ
ドロフラン(90ml)に懸濁させ、0℃に冷却し、ここに
合成例で得られたエポキシアルコール12.32g(0.11mo
l)をテトラヒドロラン(40mol)に溶解して加えた。室
温で30分間撹拌後、ベンジルブロミド25.9g(0.15mol)
を加えて還流条件下30分反応させた。常法通りに後処理
してベンジルエーテル21.8g(収率99%)を得た。1 H−NMR(CDCl3):δ 0.8−1.5(m,5H)、2.4−2,7
(m,4H)、3.62(s,2H)、7.44(s,5H)。
2β,ヒドロキシ−3−シクロペンテン−1β−メ
チル ベンジル エーテル[式(3)でR4がベンジル
基、R7が水素原子である化合物]の合成。
ジフェニルジセレニド33.3g(0.11mol)をエタノール
(131ml)に懸濁させ0℃に冷却した。ここに水素化ホ
ウ酸ナトリウム8.07g(0.21mol)をすこしずつ加えた。
室温で30分撹拌後、合成例で得たエポキシド21.7g
(0.11mol)をエタノール(15.6ml)に溶解して45分か
けて滴下した。1時間加熱還流し冷却して30%−過酸化
水素114.5mlを滴下し、反応温度は15℃以上にならない
ようにした。反応終了後、通常通りに後処理して標記生
成物6.6gを得た。1 H−NMR(CDCl3):δ 2.0−2.7(m,4H)、3.6−3,8
(m,2H)、4.60(s,2H)、4.8−50.(m,1H)、5.8−6.2
(m,2H)、7.44(s,5H)。
2β−t−ブチルジメチルシロキシ−3−シクロペ
ンテン−1β−メチル ベンジル エーテル[式(3)
でR4がベンジル基、R7がt−ブチルジメチルシリル基で
ある化合物]の合成。
合成例で得られたアルコール6.58g(32.3mmol)、ク
ロロt−ブチルジメチルシラン5.8g(38.8mmol)を加え
てシリル化した。1.5時間40℃で反応させたのち、氷水
を加えヘキサンで抽出した。有機層を乾燥、濃縮後、カ
ラムクロマト精製し、シリルエーテル9.82g(収率95
%)を得た。1 H−NMR(CDCLl3):δ 0.18(s,6H)、1.41(s,9H)、
2.3−2.7(m,3H)、3.5−4.0(m,2H)、5.14(d,J=1.8
Hz,2H)、4.9−5.0(m,1H)、5.8−6.2(m,2H)、7.50
(s,5H)。
2β−t−ブチルジメチルシロキシ−3α,4α−エ
ポキシシクロペンタン−1β−メチル ベンジル エー
テル[式(4)でR4がベンジル基、R7がt−ブチルジメ
チルシリル基である化合物]の合成。
合成例で得られた生成物9.10g(28.5mmol)をジクロ
ロメタン(20ml)に溶解し、m−クロロ過安息香酸6.22
g(34.2mmol)のジクロロメタン懸濁液を加えた。2時
間反応後、混合物を飽和亜硫酸水素ナトリウム溶液で処
理し、混合物をカラムクロマトグラフ精製して、標記生
成物7.6g(収率80%)を得た。1 H−NMR(CDCl3):δ 0.19(s,3H)、0.22(s,3H)、
1.00(s,9H)、1.3−1.8(m,2H)、2.0−2.3(m,2H)、
3.4−3.8(m,3H)、4.46(dis−tortod d,J=4.0Hz,1
H)、4.62(d,J=4.3Hz,2H)、7.55(s,5H)。
4β−アジド−3α−ヒドロキシ−2β−t−ブチ
ルジメチルシロキシシクロペンタン−1β−メチル ベ
ンジル エーテル[式(5)でR3がアジド基、R4がベン
ジル基、R5が水素原子、Yがt−ブチルジメチルシリル
基である化合物]の合成。
合成例で得られたエポキシド5.89g(17.6mmol)を水
(20ml)、2−メトキシエタノール(60ml)に溶解し、
塩化アンモニウム1.26gとアジ化ナトリウム6.08gを加え
75℃で18時間反応した。反応終了後、溶媒を留去し、食
塩水、エーテルを加え、エーテルで抽出した。カラムク
ロマトグラフ精製し、標記精製物3.52gと原料2.32gを得
た。1 H−NMR(CDCl3):δ 0.04(s,3H)、0.08(s,3H)、
0.98(s,9H)、1.6−2.4(m,4H)、3.3−3.8(m,3H)、
3.9−4.1(m,2H)、4.5−4.6(m,2H)、7.3−7.5(m,5
H)。
4β−アジド−3α−ヒドロキシ−2β−t−ブチ
ルジメチルシロキシシクロペンタン−1β−メチル ベ
ンジル エーテル[式(5)でR3がアジド基、R4、R5
ベンジル基、Yがt−ブチルジメチルシリル基である化
合物]の合成。
合成例で得られたアルコール3.52g(9.3mmol)を水素
化ナトリウム0.49g(11.2mmol)のテトラヒドロフラン
(20ml)懸濁液に加えた。室温で39分撹拌ののち、エン
ジルブロミド2.2g(13.0mmol)を加え1時間加熱還流し
た。常法通り後処理してカラムクロマトグラフ精製によ
り、標記精製物4.0g(収率93%)を得た。1 H−NMR(CDCl3):δ 0.00(S,6H)、0.84(s,9H)、
1.5−2.6(m,3H)、3.3−3.8(m,4H)、4.0−4.2(m,1
H)、4.4−4.6(m,4H)、7.40(s,10H)。
4β−アジド−3α−ベンジロキシ−2β−ヒドロ
キシシクロペンタン−1β−メチル ベンジル エーテ
ル[式(5)でR3がアジド基、R4、R5がベンジル基、Y
が水素原子である化合物]の合成。
合成例で得られたシリルエーテル4.05g(8.65mmol)
をテトラヒドロフラン(15ml)に溶解し、ここにフッ化
テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン溶液
(ファクター=1)(26ml、26mmol)を40分かけて加
え、室温で2時間撹拌した。溶液を留去後、反応混合物
に飽和塩化アンモニウムを加え、クロロホルムで抽出し
た。カラムクロマト精製し、標記化合物2.58g(収率85
%)を得た。1 H−NMR(CDCl3):δ 1.6−2.6(m,3U),2.9−3.1(m,
1H)、3.6−3.9(m,4H)、4.1−4.4(m,1H)、4.56(s,
2H)、4.72(s,2H)、7.44(s,1H)。
実施例1 合成例で得られた4β−アジド−3α−ベンジルキシ
−2β−ヒドロキシシクロペンタン−1β−メチル ベ
ンジル エーテルの1.84g(5.22mmol)をジクロロメタ
ン(15ml)に溶解し、ピリジン4.2ml(52mmol)、クロ
ロトリメチルシラン2.0ml(16.0mmol)を加え、0℃で3
0分撹拌した。常法通り後処理し、粗生成物をクロロロ
メタン(25ml)に溶解し、ピペリジノアミノサルファー
トリフルオリド1.0ml(7.8mmol)を加え、0℃で1時間
反応した。トリエチルアミン(1.2ml)を加え、飽和炭
酸カリウム水溶液で後処理した。カラムクロマト精製
(シリカゲル、ヘキセン:酢酸エチル=20:1)し、3−
フルオロ体(イ)0.30gと4−フルオロ体(ロ)を得
た。
なお、3−フルオロ体(イ)は4β−アジド−3α−ベ
ンジルキシ−2α−フルオロ−シクロペンタン−1β−
メチルベンジルエーテルであり、4−フルオロ体(ロ)
は4β−アジド−3α−ベンジロキシ−1α−フルオロ
−シクロペンタン−1β−メチルベンジルエーテルであ
る。
3−フルオロ体(イ)のスペクトルデータ19 F−NMR(CDCl3):(CCl3F基準)−191.0(ddd,J=2
2.5,30.7,54.3Hz)。1 H−NMR(CDCl3):δ 1.9−2.4(m,3H)、3.0−4.1
(m,4H)、4.2−5.1(m,5H)、7.39(s,10H)。
IR(neaT):2160,、1500、1460cm-1
4−フルオロ体(イ)のスペクトルデータ マススペクトル326(M+NH21 H−NMR(CDCl3):δ 1.7−1.9(m,1H)、2.0−2.2
(m,1H)、2.3−2.5(m,2H)、3.4−3.6(m,2H)、3.8
−3.9(m,1H)、4.1−4.2(m,1H)、4.60(s,4H)、7.2
−7.5(m,10H)。19 F−NMR(CDCl3).(CDCl3F基準):−141.5(m)。
上で得た3−フルオロ体(イ)300mgをエタノール(50m
l)、クロロホルム(2ml)に溶解し、5%−パラジウム
−炭素(0.5g)を加え、水素添加し、3α−フルオロ−
2α−ヒドロキシ−4β−ヒドロキシメチルー1βーシ
クロペンチルアミン(以下、アミノジオールAという)
を得た。19 F−NMR(CDCl3):(CCl3F基準)−188.10(ddd,J=2
4.2,33.4,56.4Hz)。
一方、前記4−フルオロ体(ロ)0.25g(0.69mmol)を
エタノール(37.ml)、クロロホルム(1.6ml)に溶解
し、5%パラジウム−炭素(0.40g)を加え水素添加
し、4α−フルオロ−2α−ヒドロキシ−4β−ヒドロ
キシメチルー1βーシクロペンチルアミン(以下、アミ
ノジオールBという)0.15gを得た。
参考例1 9−(3α−フルオロ−2α−ヒドロキシ−4β−ヒド
ロキシメチル−1β−シクロペンチル)−6−アミノプ
リンの合成。
実施例2で合成したアミノジオールAの粗生成物を1−
ブタノール(6ml)に溶解し、5−アミノー4,6−ジクロ
ロピリミジン300mg(1.8mmol)、トリエチルアミン(0.
5ml)を加え、18時間加熱還流した。溶媒を留去してク
ロロホルム−水(1:1)で抽出し、水層をアンバーライ
ト CG−100(H+型)(3ml)のカラムを通し、4%アン
モニア水(200ml)を用いて目的生成物を溶出した。溶
媒を濃縮しピリミジン誘導体176mg(収率81%,2段階)
を得た。
ピリミジン誘導体176mg(0.68mmol)をオルトギ酸エチ
ル(6ml)に溶解し、濃塩酸(0.5ml)を加え、オートク
レーブ中100℃で18時間加熱した。溶媒を留去し、1N−H
Cl(5ml)を加え、室温で3時間撹拌し、溶媒留去後、
逆相C−18シリカゲルカラムクロマト精製して、9−
(3α−フルオロ−2α−ヒドロキシ−4β−ヒドロキ
シメチル−1β−シクロペンチル)−6−アミノプリン
103mg(収率61%)を得た。
融点 196.2−199.2(分解)19 F−NMR(DMSO−d6):(CCl3F)−185.9(ddd,J=28.
0,30.0,54.2Hz)。1 H−NMR(DMSO−d6):δ 2.0−3.0(m,3H)、3.0−3.7
(m,5H)、3.8−4.5(m,2H)、5.45(d,J=5.5Hz,1
H)、7.19(brs,2H)、8.11(s,1H)、8.19(s,1H)。
参考例2 9−(4α−フルオロ−2α−ヒドロキシ−4β−ヒド
ロキシメチル−1β−シクロペンチル)−6−アミノプ
リンの合成。
実施例で合成したアミノジオールBの粗生成物を1−ブ
タノール(6ml)に溶解し、5−アミノー4,6−ジクロロ
ピリミジン300mg(1.8mmol)、トルエチルアミン(0.5m
l)を加え、18時間加熱還流した。溶媒を留去してクロ
ロホルム−水(1:1)で抽出し、水層をアンバーライト
CG−120(H+型)(3ml)のカラムを通し、4%アンモニ
ア水(200ml)を用いて目的化合物を溶出した。溶媒を
濃縮しピリミジン誘導体0.15gを得た。
ピリミジン誘導体0.15gをオルトギ酸エチル(6ml)に溶
解し、濃塩酸(0.5ml)を加え、室温で2日間撹拌し
た。溶媒を留去し、0℃で飽和したメタノール−アンモ
ニア(6ml)を加え、オートクレーブ中100℃で18時間加
熱した。溶媒を留去し、1N−HCl(5ml)を加え、室温で
3時間撹拌し、溶媒留去後、逆相C−18シリカゲルカラ
ムクロマト精製して、9−(4α−フルオロ−2α−ヒ
ドロキシ−4β−ヒドロキシメチル−1β−シクロペン
チル)−6−アミノプリン80mgを得た。1 H−NMR(CDCl3):δ 2.0−3.0(m,4H)、3.7−4.0
(s,1H)、4.8−5.0(m,2H)、8.10(s,1H)、8.25(s,
1H)。19 F−NMR(D2O,CCl3F基準):−141.9(m)。
参考例3 1−[3α−フルオロ−2α−ヒドロキシ−4β−ヒド
ロキシメチル−1β−シクロペンチル]ウラシルの合
成。
アミノジオールAの180mg(1.2mmol)をN,N−ジメチル
ホルムアミド(10ml)に溶解し、3−エトキシ−2−プ
ロペノイルイソシアナート(0.4M−ベンゼン溶液、3.0m
l,1.2m mol)を5分かけて滴下した。10分後室温に戻
し、さらに30℃に加熱して溶媒を留去した。エタノール
(5ml×3)で低沸点物を完全に留去した後、2N−塩酸1
0mlを加え、20分間加熱還流した。0℃に冷却後、2N−
水酸化ナトリウムで中和し、40℃に加熱して水を留去し
た。シリカゲルカラムクロマトグラフ精製し、標記化合
物を270mg(収率92%)を得た。19 F−NMR(アセトン−d6,CCl3F基準):−187.0(ddd,
J=24.2,29.6,53.7Hz)。1 H−NMR(アセトン−d6):δ 1.8−2.6(m,3H)3.5−
5.3(m,5H)、5.70(d,J=7.9,Hz,1H)、8.00(d,J=7.
9Hz,1H)。
参考例4 1−[3α−フルオロ−2α−ヒドロキシ−4β−ヒド
ロキシメチル−1β−シクロペンチル]チミンの合成。
アミノジオールAの240mg(1.6mmol)をN,N−ジメチル
ホルムアミド(10ml)に溶解し、3−メトキシ−2−メ
チル−2−ブロペノイルイソシアナート(0.4M−ベンゼ
ン溶液4.0ml,1.6mmol)を5分かけて滴下した。10分後
室温に戻し、さらに30℃に加熱して溶媒を留去した。エ
タノール(5ml×3)で低沸点物を完全に留去した後、2
N−塩酸10mlを加え、20分間加熱還流した。0℃に冷却
後、2N−水酸化ナトリウムで中和し、40℃に加熱して水
を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフ精製し、
表掲化合物を460mg(収率100%)を得た。19 F−NMR(アセトン−d6,CCl3F基準):−186.9(ddd,
J=23.9,29.8,53.7Hz)。1 H−NMR(アセトン−d6):δ 1.4−2.8(m+s(δ
1.90),totally 5H)、3.5−5.2(m,3H),7.70(br s,1
H)。
参考例5 1−[3α−フルオロ−2α−ヒドロキシ−4β−ヒド
ロキシメチル−1β−シクロペンチル]シトシンの合
成。
参考例3で製造したウラシル誘導体98mg(0.4mmol)を
無水ピリジン(10ml)に溶解し、4−ジメチルアミノピ
リジン(10ml)、無水酢酸(2ml)を加え、室温で1時
間撹拌した。反応液を0.5Mリン酸二水素カリウム水溶液
(20ml)にあけ、クロロホルム(20ml)で抽出し、クロ
ロホルム層を硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧濃縮し
た。この残渣を無水アセトニトリル(5ml)に溶解し、
2−メシチレンスルホニルクロリド270mg(1.2mmol)、
トリメチルアミン170μl(1.2mmol)を加え室温で1時
間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に飽和アンモニ
ア−メタノール溶液(3ml)を加えて、室温で15時間撹
拌した。この反応液を減圧下濃縮し、水(5ml)に溶解
した後にアンバーライトCG−120(H+型)に吸着させ、
水洗後5%アンモニア水で溶出し標記化合物を得た。収
量66mg(67%)。19 F−NMR(D2O,CCl3F基準):−188.4ppm(ddd,J=22.
46Hz,32.23Hz,54.69Hz)。1 H−NMR(D2O):δ 1.48−1.80(m,1H)、2.32−2.82
(m,2H),3.86(m,2H)、4.80−5.44(m,3H)、6.30
(d,J=7.5Hz,1H)、7.94(d,J=7.5Hz,1H)。
参考例6 9−[3α−フルオロ−2α−ヒドロキシ−4β−ヒド
ロキシメチル−1β−シクロペンチル]グアニンの合
成。
アミノジオールAの236mg(1.6mmol)を1−ブタノール
(33ml)に溶解し、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミ
ジン518mg(3.3mmol)、トリエチルアミン440μlを
(3.3mmol)加え15時間加熱還流した。反応液を氷冷
し、生じた沈澱を濾去し、母液を減圧下濃縮し残渣を酢
酸(8ml)、水(8ml)、に溶解して、酢酸ナトリウム三
水和物(3.16g)、4−クロロベンゼンジアゾニウムク
ロリド水溶液3.6ml(1.8mmol)を加え室温で15時間撹拌
し生じた沈澱を濾取し乾燥した。この沈澱に50%エタノ
ール水(25ml)を加えて溶解し、酢酸1.3ml、亜粉末1.3
gを加え、70℃で3時間撹拌した。反応液を濾過し、母
液を濃縮した後に水(20ml)に溶解してエーテルで洗浄
した。この水層をアンバーライトCG−120(H+型)に吸
着させ、水洗した後5%アンモニア水で溶出し、溶出液
を減圧下濃縮してピリミジン体を得た。収量106mg(24
%)。
ピリミジン体250mg(0.85mmol)をN,N−ジメチルホルム
アミド(2ml)に溶解し、トリエチルオルトギ酸エステ
ル(15ml)、濃塩酸(0.5ml)を加え室温で15時間撹拌
した。反応液を減圧下濃縮し、残渣に2N塩酸(20ml)を
加え、3時間加熱還流した。反応液は放冷した後にアン
バーライトCG−120(H+型)に吸着させ、水洗後、5%
アンモニア水で溶出して減圧下濃縮して標記化合物を得
た。収量90mg(37%)。19 F−NMR(CD3OD,CCl3F基準):−189.0ppm(m)。1 H−NMR(CD3OD):δ1.20−1.78(m,1H)、1.98−2.01
(m,3H),3.88(m,2H)、4.72−5.50(m,3H)、8.08
(s,1H)。
参考例7 9−[3α−フルオロ−2α−ヒドロキシ−4β−ヒド
ロキシメチル−1β−シクロペンチル]−2,6−ジアミ
ノプリンの合成。
参考例6で製造した中間体化合物であるピリミジン体25
0mg(0.86mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)
に溶解し、トリエチルオルトギ酸エステル(15ml)、濃
塩酸(0.5ml)を加え、室温で15時間撹拌した。反応減
圧下濃縮し、残渣に飽和アンモニア−メタノール溶液
(3ml)を加え、70℃で15時間放置し、減圧下濃縮し
た。この残渣を水(10ml)に溶解し、アンバーライトCG
−120(H+型)に吸着させ、水洗した後に5%アンモニ
ア水で溶出し、減圧液を減圧下濃縮して標記化合物を得
た。収量63mg(30%)。19 F−NMR(CD3OD,:−173.77ppm(m)。
参考例8 5−アミノ−3,6−ジヒドロ3−[3α−フルオロ−2
α−ヒドロキシ−4β−ヒドロキシメチル−1β−シク
ロペンチル]−7H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]−ピ
リミジン−7−オンの合成。
参考例6で製造したピリミジン体(中間体)250mg(0.8
6mmol)を1N塩酸(2.5ml)に溶解し、亜硫酸ナトリウム
55mgを加え、氷冷下で1時間撹拌した。反応液をダイヤ
イオンSA−21A(OH型)に通した後に2N塩酸5mlを加え、
3時間加熱還流した。この反応液をアンバーライトCG−
120(H+型)に吸着させ、水洗した後に5%アンモニア
水で溶出し、溶出液を減圧下濃縮して標記化合物を得
た。収量60mg。19 F−NMR(CD3OD,CCl3F基準):−188.7ppm(ddd,J=2
1.71Hz,32.57Hz,55.43Hz)。1 H−NMR(CD3OD):δ 2.14−2.95(m,3H)、3.88(m,2
H),4.32(m,1H)、4.54−5.44(m,2H)。
参考例9 1−[4α−フルオロ−2α−ヒドロキシ−4β−ヒド
ロキシメチル−1β−シクロペンチル]ウラシルの合
成。
アミノジオールBの58mg(0.39mmol)をN,N−ジメチル
ホルムアミド(1.5ml)に溶解し、3−エトキシ−2−
プロペノイルイソシアナート(0.4M−ベンゼン溶液、0.
98ml,0.39mmol)を5分間かけて滴下した。
10分後室温に戻し、さらに30℃に加熱して溶媒を留去し
た。エタノール(2ml×2)で溶媒を完全に留去した
後、2N−塩酸2mlを加え、20分間加熱還流した。0℃に
冷却後、2N−水酸化ナトリウムで中和し、40℃に加熱し
て水を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフ精製
し、標記化合物を53mg(収率56%)を得た。19 F−NMR(CD3OD):−141.2(m)。1 H−NMR(CD3OD):δ 1.5−3.0(m,4H)、3.5−4.0
(m,2H)、4.3−5.4(m,2H)、5.95(d=J=7.9Hz,1
H)、7.95(d,J=7.9Hz,1H)。
参考例10 1−[4α−フルオロ−2α−ヒドロキシ−4β−ヒド
ロキシメチル−1β−シクロペンチル]チミン[式
[I]でR1,R2が水素原子、kがl、Bがチミン残基で
ある化合物]の合成。
アミノジオールBの34mg(0.23mmol)をN,N−ジメチル
ホルムアミド(1.0ml)に溶解し、3−メトキシ−2−
メチル−2−プロペノイルイソシアナート(0.4M−ベン
ゼン溶液、0.57ml,0.23mmol)を5分間かけて滴下し
た。10分後室温に戻し、さらに30℃に加熱して溶媒を留
去した。エタノール(2ml×2)で低沸点を完全に留去
した後、2N−塩酸2mlを加え、20分間加熱還流した。0
℃に冷却後、2N−水酸化ナトリウムで中和し、40℃に加
熱して水を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフ
精製し、標記化合物を28mg(収率47%)を得た。19 F−NMR(アセトン−d6,CCl3F):−138.3(m)。1 H−NMR(アセトン−d6):δ 1.8−2.8(m+s(δ
1.90),totally 7H)、3.4−4.0(m,2H)、4.3−5.1
(m,2H)、7.65(br s,1H)。
参考例11 1−[4α−フルオロ−2α−ヒドロキシ−4β−ヒド
ロキシメチル−1β−シクロペンチル]シトシンの合
成。
参考例9で製造したウラシル誘導体400mg(1.6mmol)を
無水ピリジン(10ml)に溶解し、4−ジメチルアミノピ
リジン(10mg)、無水酢酸(2ml)を加え室温で15分間
撹拌した。反応液を0.5Mリン酸二水素カリウム水溶液
(60ml)にあけ、酢酸エチル(60ml)で抽出し、酢酸エ
チル層を硫酸マグネシウムで乾燥した後に減圧下濃縮し
たこの残渣に無水アセトニル(10ml)を加えて溶解し、
2−メシチレンスルホニルクロリド1.08g(4.9mmol)、
トリエチルアミン680μl(4.9mmol)を加え室温で15分
間撹拌した。この反応液を減圧下濃縮し、残渣に飽和ア
ンモニア−メタノール溶液(5ml)を加え室温で15時間
撹拌した。
反応液を減圧下濃縮し、残渣に水(30ml)を加えて溶解
した後に、アンバーライトCG−120(H+型)に吸着さ
せ、水洗後に5%アンモニア水で溶出し、溶出液を減圧
下濃縮して標記化合物を得た。収率174mg(45%)。19 F−NMR(D2O,CCl3F):−143.5ppm(m)。1 H−NMR(D2O):δ1.94−3.14(m,6H)、4.75(m,1
H)、4.84(m,1H)、6.32(d,J=7.7Hz,1H)、7.96(d,
J=7.7Hz,1H)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I]で表わされる3(あるいは
    4)−フルオロ−2−ヒドロキシ−1−置換−4−ヒド
    ロキシメチルシクロペンタン誘導体。 ただし B:アジド基あるいはアミノ基。 R1、R2:それぞれ独立に、水素原子あるいはベンジル
    基。 k:0あるいは1。
JP62262748A 1987-01-30 1987-10-20 含フッ素シクロペンタン誘導体 Expired - Lifetime JPH0798779B2 (ja)

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