JPH0798592A - 能動的振動制御装置及びその製造方法 - Google Patents
能動的振動制御装置及びその製造方法Info
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- JPH0798592A JPH0798592A JP5252658A JP25265893A JPH0798592A JP H0798592 A JPH0798592 A JP H0798592A JP 5252658 A JP5252658 A JP 5252658A JP 25265893 A JP25265893 A JP 25265893A JP H0798592 A JPH0798592 A JP H0798592A
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- Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)
- Vibration Prevention Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 車載空気調和装置5におけるブロワ6の騒音
を能動的に消音するに当たり、ブロワ6やスピーカ11
から騒音消去位置に至るまでの音の伝達特性によって決
まる所定の周波数領域で消音不可能となるのに対し、分
解能の低い安価な適応フィルタ22を使用しつつ、ブロ
ワ6から騒音消去位置までの振動の伝達特性に対応した
好適な振動消去性能が得られるようにする。 【構成】 ブロワ6の騒音を検出する検出マイクロフォ
ン7からリファレンス信号が適応フィルタ22に伝達さ
れる信号伝達系に、適応フィルタ22により加工できな
い周波数領域のリファレンス信号の信号波形を予め記述
した固定フィルタ24を直列に接続する。
を能動的に消音するに当たり、ブロワ6やスピーカ11
から騒音消去位置に至るまでの音の伝達特性によって決
まる所定の周波数領域で消音不可能となるのに対し、分
解能の低い安価な適応フィルタ22を使用しつつ、ブロ
ワ6から騒音消去位置までの振動の伝達特性に対応した
好適な振動消去性能が得られるようにする。 【構成】 ブロワ6の騒音を検出する検出マイクロフォ
ン7からリファレンス信号が適応フィルタ22に伝達さ
れる信号伝達系に、適応フィルタ22により加工できな
い周波数領域のリファレンス信号の信号波形を予め記述
した固定フィルタ24を直列に接続する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動源からの振動とは
逆位相のアンチ振動を加振手段から発生させて振動を所
定の振動消去位置にて消去するための能動的振動制御装
置及びその製造方法に関する。尚、この発明では、振動
とは純然たる振動のみならず騒音を含むこととし、振動
源は騒音源を、また加振手段はスピーカをそれぞれ含む
ものとする。
逆位相のアンチ振動を加振手段から発生させて振動を所
定の振動消去位置にて消去するための能動的振動制御装
置及びその製造方法に関する。尚、この発明では、振動
とは純然たる振動のみならず騒音を含むこととし、振動
源は騒音源を、また加振手段はスピーカをそれぞれ含む
ものとする。
【0002】
【従来の技術】この種能動型の振動制御装置の基本構成
について説明すると、例えば空間内に騒音源からの騒音
が発生していて、その所定の位置(騒音消去位置)での
騒音を消去しようとする場合において、騒音源の近傍で
その騒音を検出マイクロフォンで検出して、そのアナロ
グ値の騒音信号(リファレンス信号)をデジタル値に変
換した後、デジタルフィルタからなる適応フィルタに入
力させる。この適応フィルタでは、この検出マイクロフ
ォンからのリファレンス信号をゲイン調整及び位相調整
により加工して騒音信号とは逆位相で同振幅のアンチ騒
音信号を生成し、これをスピーカに出力する。そして、
このスピーカから放射されたアンチ騒音と騒音源からの
本来の騒音とが騒音消去位置で互いに打ち消し合い、こ
のことにより騒音消去位置での騒音を消去する。
について説明すると、例えば空間内に騒音源からの騒音
が発生していて、その所定の位置(騒音消去位置)での
騒音を消去しようとする場合において、騒音源の近傍で
その騒音を検出マイクロフォンで検出して、そのアナロ
グ値の騒音信号(リファレンス信号)をデジタル値に変
換した後、デジタルフィルタからなる適応フィルタに入
力させる。この適応フィルタでは、この検出マイクロフ
ォンからのリファレンス信号をゲイン調整及び位相調整
により加工して騒音信号とは逆位相で同振幅のアンチ騒
音信号を生成し、これをスピーカに出力する。そして、
このスピーカから放射されたアンチ騒音と騒音源からの
本来の騒音とが騒音消去位置で互いに打ち消し合い、こ
のことにより騒音消去位置での騒音を消去する。
【0003】また、上記騒音消去位置には、該騒音消去
位置で消音できなかったエラー音をモニタするモニタマ
イクロフォンを配置し、このモニタマイクロフォンから
のモニタ信号に基づき、騒音消去位置でのエラー音が低
減されるよう、例えばLMS(Least Mean Square Meth
od(=最小二乗法))アルゴリズムで上記適応フィルタ
のフィルタ係数を逐次更新して最適化するようになって
いる。
位置で消音できなかったエラー音をモニタするモニタマ
イクロフォンを配置し、このモニタマイクロフォンから
のモニタ信号に基づき、騒音消去位置でのエラー音が低
減されるよう、例えばLMS(Least Mean Square Meth
od(=最小二乗法))アルゴリズムで上記適応フィルタ
のフィルタ係数を逐次更新して最適化するようになって
いる。
【0004】また、特に、車両の車室内で車載エンジン
からの騒音(こもり音)を消去する場合においては、エ
ンジン騒音がその点火周期に関連して発生することに着
目し、エンジン騒音を検出マイクロフォンで検出するの
ではなく、その点火信号を入力してそれを基にリファレ
ンス信号を生成し、このリファレンス信号に対し逆位相
でかつ同振幅の反転音信号を適応フィルタで加工して、
この反転音を車室内にスピーカから発生させることが行
われる。
からの騒音(こもり音)を消去する場合においては、エ
ンジン騒音がその点火周期に関連して発生することに着
目し、エンジン騒音を検出マイクロフォンで検出するの
ではなく、その点火信号を入力してそれを基にリファレ
ンス信号を生成し、このリファレンス信号に対し逆位相
でかつ同振幅の反転音信号を適応フィルタで加工して、
この反転音を車室内にスピーカから発生させることが行
われる。
【0005】そして、このように車室内の騒音を消去す
る場合においては、気温や乗員の着座状態、窓の開閉の
有無等の車室内の環境が変化すると、それに応じて騒音
源やスピーカから騒音消去位置(モニタマイクロフォ
ン)に至るまでの音の伝達特性が変化する。そこで、従
来、本願出願人は、適応フィルタへの入力側に予め環境
の状態変化にそれぞれ対応する所定波形を記述した複数
のフィルタを接続し、このフィルタを環境変化に応じて
切り換えて、適応フィルタに入力されるリファレンス信
号を環境変化に応じて修正するようにすることにより、
適応フィルタでの演算量を低減し、短時間にフィルタを
最適化して消音効果が得られるようにし、騒音制御の応
答性及び制御精度の向上を図るようにしたものを提案し
ている(特開平5―4541号公報参照)。
る場合においては、気温や乗員の着座状態、窓の開閉の
有無等の車室内の環境が変化すると、それに応じて騒音
源やスピーカから騒音消去位置(モニタマイクロフォ
ン)に至るまでの音の伝達特性が変化する。そこで、従
来、本願出願人は、適応フィルタへの入力側に予め環境
の状態変化にそれぞれ対応する所定波形を記述した複数
のフィルタを接続し、このフィルタを環境変化に応じて
切り換えて、適応フィルタに入力されるリファレンス信
号を環境変化に応じて修正するようにすることにより、
適応フィルタでの演算量を低減し、短時間にフィルタを
最適化して消音効果が得られるようにし、騒音制御の応
答性及び制御精度の向上を図るようにしたものを提案し
ている(特開平5―4541号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば車載
空気調和装置におけるブロワの騒音を消音する場合に、
その騒音は、エンジン騒音がエンジン回転周波数の整数
倍の成分を持つものであるのに対し、それとは異なって
広帯域のランダム音であり、しかも周期成分を持たない
ので、一般的な方法に従い、そのブロワ騒音を検出マイ
クロフォンで検出してリファレンス信号を生成し、この
リファレンス信号を検出マイクロフォンからスピーカま
での信号伝達系で騒音源から騒音消去位置までの音の伝
達特性の模式化により加工してスピーカからアンチ騒音
を発生させる必要がある。
空気調和装置におけるブロワの騒音を消音する場合に、
その騒音は、エンジン騒音がエンジン回転周波数の整数
倍の成分を持つものであるのに対し、それとは異なって
広帯域のランダム音であり、しかも周期成分を持たない
ので、一般的な方法に従い、そのブロワ騒音を検出マイ
クロフォンで検出してリファレンス信号を生成し、この
リファレンス信号を検出マイクロフォンからスピーカま
での信号伝達系で騒音源から騒音消去位置までの音の伝
達特性の模式化により加工してスピーカからアンチ騒音
を発生させる必要がある。
【0007】しかし、その場合、次に示す2つの問題が
ある。すなわち、本発明者が車室内の音響特性を計測し
たところ、例えば車室の大きさや形状、シートの位置や
構造、ドア或いは窓の位置や構造等に起因して、騒音源
やスピーカから騒音消去位置(モニタマイクロフォン)
に至るまでに所定の周波数領域で音が吸収され、音の伝
達特性に車室固有の特異点があることが判明した。そし
て、この特異点となる周波数領域では、その信号波形を
適応フィルタに記述することが不可能となり、そのため
に適応フィルタの作動に伴い却って騒音が増大すること
となる。
ある。すなわち、本発明者が車室内の音響特性を計測し
たところ、例えば車室の大きさや形状、シートの位置や
構造、ドア或いは窓の位置や構造等に起因して、騒音源
やスピーカから騒音消去位置(モニタマイクロフォン)
に至るまでに所定の周波数領域で音が吸収され、音の伝
達特性に車室固有の特異点があることが判明した。そし
て、この特異点となる周波数領域では、その信号波形を
適応フィルタに記述することが不可能となり、そのため
に適応フィルタの作動に伴い却って騒音が増大すること
となる。
【0008】この特異点の周波数領域での消音性能を上
げるには、デジタルフィルタからなる適応フィルタの分
解能を増やすことで解決できるが、それには演算量の増
大を招くとともに、適応フィルタに高価なものを要し、
コストアップするのは避けられない。
げるには、デジタルフィルタからなる適応フィルタの分
解能を増やすことで解決できるが、それには演算量の増
大を招くとともに、適応フィルタに高価なものを要し、
コストアップするのは避けられない。
【0009】また、第2の問題として、上記ランダム音
全体をデジタルシステムで消去しようとすると、音響特
性のうち、例えば乗員にとってあまり不快でない周波数
領域や、外部要因の影響をさほど受けずに変動が少ない
定常的な周波数領域があるにも拘らず、それらを含めて
一括的に処理するので、システムの処理演算量が膨大に
なり、大型の制御装置が必要でコストが高くなる。
全体をデジタルシステムで消去しようとすると、音響特
性のうち、例えば乗員にとってあまり不快でない周波数
領域や、外部要因の影響をさほど受けずに変動が少ない
定常的な周波数領域があるにも拘らず、それらを含めて
一括的に処理するので、システムの処理演算量が膨大に
なり、大型の制御装置が必要でコストが高くなる。
【0010】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、制御系の構成を改良することにより、
分解能の低い安価な適応フィルタを使用し、振動制御装
置のコストダウンを図りつつ、振動源から振動消去位置
までの振動の伝達特性に対応した好適な振動消去性能が
得られるようにすることにある。
で、その目的は、制御系の構成を改良することにより、
分解能の低い安価な適応フィルタを使用し、振動制御装
置のコストダウンを図りつつ、振動源から振動消去位置
までの振動の伝達特性に対応した好適な振動消去性能が
得られるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明では、適応フィルタにより加工され
るリファレンス信号を該適応フィルタで処理するのに好
適な所定周波数領域となるように制限することとした。
め、請求項1の発明では、適応フィルタにより加工され
るリファレンス信号を該適応フィルタで処理するのに好
適な所定周波数領域となるように制限することとした。
【0012】すなわち、この発明では、振動源の振動を
検出してリファレンス信号を出力する振動検出手段と、
該振動検出手段からのリファレンス信号を加工して振動
信号とは逆位相で同振幅のアンチ振動信号を出力する適
応フィルタと、該適応フィルタからのアンチ振動信号を
受けてアンチ振動を発生する加振手段と、振動消去位置
に配置され、該振動消去位置でのエラー振動をモニタす
るモニタ手段と、該モニタ手段からのモニタ信号に基づ
き、振動消去位置でのエラー振動が低減されるように上
記適応フィルタを制御する制御手段とを備えた能動的振
動制御装置が前提である。
検出してリファレンス信号を出力する振動検出手段と、
該振動検出手段からのリファレンス信号を加工して振動
信号とは逆位相で同振幅のアンチ振動信号を出力する適
応フィルタと、該適応フィルタからのアンチ振動信号を
受けてアンチ振動を発生する加振手段と、振動消去位置
に配置され、該振動消去位置でのエラー振動をモニタす
るモニタ手段と、該モニタ手段からのモニタ信号に基づ
き、振動消去位置でのエラー振動が低減されるように上
記適応フィルタを制御する制御手段とを備えた能動的振
動制御装置が前提である。
【0013】そして、上記振動検出手段から適応フィル
タに伝達されるリファレンス信号の伝達系に、適応フィ
ルタにより加工されるリファレンス信号が所定周波数領
域となるように制限する制限手段を設ける。
タに伝達されるリファレンス信号の伝達系に、適応フィ
ルタにより加工されるリファレンス信号が所定周波数領
域となるように制限する制限手段を設ける。
【0014】請求項2の発明では、上記制限手段は、リ
ファレンス信号のうち所定周波数領域の信号のみを通過
させるフィルタとする。
ファレンス信号のうち所定周波数領域の信号のみを通過
させるフィルタとする。
【0015】請求項3の発明では、上記制限手段は、適
応フィルタにより加工されるリファレンス信号の周波数
領域とは異なる所定周波数領域の信号波形を予め記述し
た固定フィルタとする。
応フィルタにより加工されるリファレンス信号の周波数
領域とは異なる所定周波数領域の信号波形を予め記述し
た固定フィルタとする。
【0016】請求項4の発明では、上記固定フィルタ
は、適応フィルタの記述不可能の所定周波数領域の信号
波形を記述したものとする。
は、適応フィルタの記述不可能の所定周波数領域の信号
波形を記述したものとする。
【0017】請求項5の発明では、請求項1の発明と同
じ前提の能動的振動制御装置において、適応フィルタよ
りも上流側に、適応フィルタが記述不可能な所定周波数
領域の波形信号を記述した固定フィルタを適応フィルタ
に対し直列に配置する。
じ前提の能動的振動制御装置において、適応フィルタよ
りも上流側に、適応フィルタが記述不可能な所定周波数
領域の波形信号を記述した固定フィルタを適応フィルタ
に対し直列に配置する。
【0018】請求項6の発明では、請求項1の発明と同
じ前提の能動的振動制御装置において、適応フィルタに
より加工されるリファレンス信号の周波数領域とは異な
る所定周波数領域の信号波形を予め記述した固定フィル
タを、適応フィルタと並列に設け、この固定フィルタの
記述する信号波形の周波数帯域は、適応フィルタの記述
する信号波形の周波数帯域と異なっている構成とする。
じ前提の能動的振動制御装置において、適応フィルタに
より加工されるリファレンス信号の周波数領域とは異な
る所定周波数領域の信号波形を予め記述した固定フィル
タを、適応フィルタと並列に設け、この固定フィルタの
記述する信号波形の周波数帯域は、適応フィルタの記述
する信号波形の周波数帯域と異なっている構成とする。
【0019】請求項7の発明では、上記固定フィルタを
アナログフィルタとする。
アナログフィルタとする。
【0020】請求項8の発明では、振動源から振動消去
位置までの振動伝達特性が、固定フィルタに記述されて
いる信号波形に対応する振動伝達特性から変化したこと
を検出する情報検出手段と、この情報検出手段により振
動伝達特性の変化が検出されたときに固定フィルタの作
動を禁止する禁止手段とを設ける。
位置までの振動伝達特性が、固定フィルタに記述されて
いる信号波形に対応する振動伝達特性から変化したこと
を検出する情報検出手段と、この情報検出手段により振
動伝達特性の変化が検出されたときに固定フィルタの作
動を禁止する禁止手段とを設ける。
【0021】請求項9の発明では、固定フィルタは、振
動源から振動消去位置までの振動伝達特性に対応しかつ
互いに異なる信号波形を予め記述したものを複数設け
る。
動源から振動消去位置までの振動伝達特性に対応しかつ
互いに異なる信号波形を予め記述したものを複数設け
る。
【0022】また、振動源から振動消去位置までの振動
伝達特性に関する情報を検出する情報検出手段と、この
情報検出手段により所定の情報が検出されたとき、複数
種類の固定フィルタの中から上記検出情報に対応する固
定フィルタを選択切換えする切換手段とを設ける。
伝達特性に関する情報を検出する情報検出手段と、この
情報検出手段により所定の情報が検出されたとき、複数
種類の固定フィルタの中から上記検出情報に対応する固
定フィルタを選択切換えする切換手段とを設ける。
【0023】請求項10の発明では、上記請求項4又は
5の能動的振動制御装置を製造するに当たり、予め、振
動源から振動消去位置までの振動伝達特性に基づいて適
応フィルタの記述不可能の周波数領域を測定し、該記述
不可能の周波数領域の信号波形を記述した固定フィルタ
を用意しておき、その固定フィルタを適応フィルタの信
号入力側に接続する方法とする。
5の能動的振動制御装置を製造するに当たり、予め、振
動源から振動消去位置までの振動伝達特性に基づいて適
応フィルタの記述不可能の周波数領域を測定し、該記述
不可能の周波数領域の信号波形を記述した固定フィルタ
を用意しておき、その固定フィルタを適応フィルタの信
号入力側に接続する方法とする。
【0024】請求項11の発明では、請求項4、5又は
6の能動的振動制御装置を製造する場合に、振動を消去
しようとする制御対象の振動伝達関数についてケプスト
ラム解析を行うことで、適応フィルタ及び固定フィルタ
でそれぞれ処理するのに適した2つの伝達関数を取り出
し、この両伝達関数に基づいて適応フィルタ及び固定フ
ィルタの設計を行う。
6の能動的振動制御装置を製造する場合に、振動を消去
しようとする制御対象の振動伝達関数についてケプスト
ラム解析を行うことで、適応フィルタ及び固定フィルタ
でそれぞれ処理するのに適した2つの伝達関数を取り出
し、この両伝達関数に基づいて適応フィルタ及び固定フ
ィルタの設計を行う。
【0025】
【作用】以上の構成により、請求項1の発明では、能動
的振動制御装置の作動に伴い、基本的に、振動源の振動
が振動検出手段により検出されてリファレンス信号が出
力され、このリファレンス信号は適応フィルタに入力さ
れる。この適応フィルタでは、振動検出手段からのリフ
ァレンス信号が加工されて振動信号とは逆位相で同振幅
のアンチ振動信号が加振手段に出力され、この加振手段
によりアンチ振動が発生する。振動消去位置では、振動
源からの振動と加振手段からのアンチ振動とが互いに打
ち消し合い、このことで振動消去位置での振動を消去す
ることができる。また、振動消去位置では、振動消去で
きなかったエラー振動がモニタ手段によりモニタされ、
このモニタ手段からのモニタ信号を受けた制御手段によ
り、モニタ信号に基づき、振動消去位置でのエラー振動
が低減されるように上記適応フィルタが制御され、その
フィルタ係数が逐次更新されて最適化される。
的振動制御装置の作動に伴い、基本的に、振動源の振動
が振動検出手段により検出されてリファレンス信号が出
力され、このリファレンス信号は適応フィルタに入力さ
れる。この適応フィルタでは、振動検出手段からのリフ
ァレンス信号が加工されて振動信号とは逆位相で同振幅
のアンチ振動信号が加振手段に出力され、この加振手段
によりアンチ振動が発生する。振動消去位置では、振動
源からの振動と加振手段からのアンチ振動とが互いに打
ち消し合い、このことで振動消去位置での振動を消去す
ることができる。また、振動消去位置では、振動消去で
きなかったエラー振動がモニタ手段によりモニタされ、
このモニタ手段からのモニタ信号を受けた制御手段によ
り、モニタ信号に基づき、振動消去位置でのエラー振動
が低減されるように上記適応フィルタが制御され、その
フィルタ係数が逐次更新されて最適化される。
【0026】そのとき、制限手段により、上記適応フィ
ルタにより加工されるリファレンス信号が所定周波数領
域となるように制限される。このため、例えば伝達特性
の複雑な周波数領域のリファレンス信号が適応フィルタ
に入力されるのを防いで、その複雑な周波数領域での適
応フィルタの適応機能を停止させることができ、該リフ
ァレンス信号がそのまま適応フィルタに入力されたとき
の振動消去不良に伴う振動消去性能の悪化を防止するこ
とができる。
ルタにより加工されるリファレンス信号が所定周波数領
域となるように制限される。このため、例えば伝達特性
の複雑な周波数領域のリファレンス信号が適応フィルタ
に入力されるのを防いで、その複雑な周波数領域での適
応フィルタの適応機能を停止させることができ、該リフ
ァレンス信号がそのまま適応フィルタに入力されたとき
の振動消去不良に伴う振動消去性能の悪化を防止するこ
とができる。
【0027】また、このようなリファレンス信号の制限
により、適応フィルタには単純な伝達特性の周波数領域
のリファレンス信号が入力されるので、その分解能は低
くて済み、低価格の適応フィルタを使用してコストダウ
ン化を図ることができる。
により、適応フィルタには単純な伝達特性の周波数領域
のリファレンス信号が入力されるので、その分解能は低
くて済み、低価格の適応フィルタを使用してコストダウ
ン化を図ることができる。
【0028】請求項2の発明では、制限手段がフィルタ
であるので、上記機能を持つ制限手段が容易に得られ
る。
であるので、上記機能を持つ制限手段が容易に得られ
る。
【0029】請求項3の発明では、制限手段は固定フィ
ルタで、この固定フィルタには、適応フィルタにより加
工されるリファレンス信号の周波数領域とは異なる所定
周波数領域の信号波形が予め記述されているので、適応
フィルタで加工されない例えば伝達特性の複雑な周波数
領域のリファレンス信号については固定フィルタにおい
て、その予め固定フィルタに記述された信号波形により
加工でき、振動低減性能を向上させることができる。
ルタで、この固定フィルタには、適応フィルタにより加
工されるリファレンス信号の周波数領域とは異なる所定
周波数領域の信号波形が予め記述されているので、適応
フィルタで加工されない例えば伝達特性の複雑な周波数
領域のリファレンス信号については固定フィルタにおい
て、その予め固定フィルタに記述された信号波形により
加工でき、振動低減性能を向上させることができる。
【0030】請求項4の発明では、固定フィルタは、適
応フィルタの記述不可能の所定周波数領域の信号波形を
記述したものであるので、適応フィルタで加工されない
リファレンス信号を固定フィルタで正確に加工すること
ができる。
応フィルタの記述不可能の所定周波数領域の信号波形を
記述したものであるので、適応フィルタで加工されない
リファレンス信号を固定フィルタで正確に加工すること
ができる。
【0031】請求項5の発明では、請求項1の発明と同
様に、振動検出手段から出力されるリファレンス信号は
適応フィルタに入力されて加工され、振動信号とは逆位
相で同振幅のアンチ振動信号が加振手段に出力され、振
動消去位置で、振動源からの振動と加振手段からのアン
チ振動とにより振動が消去されるとともに、この消去で
きなかったエラー振動に基づき適応フィルタが制御さ
れ、そのフィルタ係数が逐次更新されて最適化される。
様に、振動検出手段から出力されるリファレンス信号は
適応フィルタに入力されて加工され、振動信号とは逆位
相で同振幅のアンチ振動信号が加振手段に出力され、振
動消去位置で、振動源からの振動と加振手段からのアン
チ振動とにより振動が消去されるとともに、この消去で
きなかったエラー振動に基づき適応フィルタが制御さ
れ、そのフィルタ係数が逐次更新されて最適化される。
【0032】そのとき、上記適応フィルタよりも上流側
に、適応フィルタが記述不可能な所定周波数領域の波形
信号を記述した固定フィルタを適応フィルタに対し直列
に配置されているので、適応フィルタで加工されないリ
ファレンス信号を固定フィルタで正確に加工することが
できる。
に、適応フィルタが記述不可能な所定周波数領域の波形
信号を記述した固定フィルタを適応フィルタに対し直列
に配置されているので、適応フィルタで加工されないリ
ファレンス信号を固定フィルタで正確に加工することが
できる。
【0033】また、この適応フィルタ上流側の固定フィ
ルタにより、伝達特性の複雑な周波数領域のリファレン
ス信号が適応フィルタに入力されるのを防いで、その複
雑な周波数領域については適応フィルタの機能を停止さ
せることができ、振動消去性能の悪化を防止することが
できる。さらに、適応フィルタには単純な伝達特性の周
波数領域のリファレンス信号が入力されるので、低価格
の適応フィルタを使用してコストを低下させることがで
きる。
ルタにより、伝達特性の複雑な周波数領域のリファレン
ス信号が適応フィルタに入力されるのを防いで、その複
雑な周波数領域については適応フィルタの機能を停止さ
せることができ、振動消去性能の悪化を防止することが
できる。さらに、適応フィルタには単純な伝達特性の周
波数領域のリファレンス信号が入力されるので、低価格
の適応フィルタを使用してコストを低下させることがで
きる。
【0034】請求項6の発明では、固定フィルタが適応
フィルタと並列に設けられ、この固定フィルタの記述す
る信号波形の周波数帯域と、適応フィルタの記述する信
号波形の周波数帯域とが異なっているので、固定フィル
タではリファレンス信号における伝達特性の複雑な周波
数領域のみを加工し、また、適応フィルタでは上記伝達
特性の複雑な周波数領域以外の周波数領域についてのみ
を加工することができる。
フィルタと並列に設けられ、この固定フィルタの記述す
る信号波形の周波数帯域と、適応フィルタの記述する信
号波形の周波数帯域とが異なっているので、固定フィル
タではリファレンス信号における伝達特性の複雑な周波
数領域のみを加工し、また、適応フィルタでは上記伝達
特性の複雑な周波数領域以外の周波数領域についてのみ
を加工することができる。
【0035】請求項7の発明では、固定フィルタがデジ
タルフィルタよりも安価なアナログフィルタであるの
で、コストをさらに低減することができる。
タルフィルタよりも安価なアナログフィルタであるの
で、コストをさらに低減することができる。
【0036】請求項8の発明では、振動源から振動消去
位置までの振動伝達特性が、固定フィルタに記述されて
いる信号波形に対応する振動伝達特性から変化したこと
が情報検出手段により検出されると、禁止手段により固
定フィルタの作動が禁止される。すなわち、振動源から
振動消去位置までの実際の振動伝達特性が変化して固定
フィルタの特性からずれても、該固定フィルタの作動自
体が禁止されるので、振動低減性能が悪化するのを良好
に防止することができる。
位置までの振動伝達特性が、固定フィルタに記述されて
いる信号波形に対応する振動伝達特性から変化したこと
が情報検出手段により検出されると、禁止手段により固
定フィルタの作動が禁止される。すなわち、振動源から
振動消去位置までの実際の振動伝達特性が変化して固定
フィルタの特性からずれても、該固定フィルタの作動自
体が禁止されるので、振動低減性能が悪化するのを良好
に防止することができる。
【0037】請求項9の発明では、情報検出手段が振動
源から振動消去位置までの振動伝達特性に関する情報の
中から所定の情報を検出したとき、切換手段により、複
数種類の固定フィルタの中から上記検出情報に対応する
固定フィルタが選択切換えされる。このため、振動源か
ら振動消去位置までの振動伝達特性に最適な固定フィル
タが得られるので、振動低減性能を向上させることがで
きる。
源から振動消去位置までの振動伝達特性に関する情報の
中から所定の情報を検出したとき、切換手段により、複
数種類の固定フィルタの中から上記検出情報に対応する
固定フィルタが選択切換えされる。このため、振動源か
ら振動消去位置までの振動伝達特性に最適な固定フィル
タが得られるので、振動低減性能を向上させることがで
きる。
【0038】請求項10の発明では、例えば振動制御対
象を量産するとき、その試作の段階で、予め、振動源か
ら振動消去位置までの振動伝達特性を調べるとともに、
その振動伝達特性に基づいて適応フィルタの記述不可能
の周波数領域を測定し、該記述不可能の周波数領域の信
号波形を記述した固定フィルタを用意しておき、その後
に量産する際に、その固定フィルタを適応フィルタの信
号入力側に接続するだけで済み、能動的振動制御装置の
製造が容易になる。
象を量産するとき、その試作の段階で、予め、振動源か
ら振動消去位置までの振動伝達特性を調べるとともに、
その振動伝達特性に基づいて適応フィルタの記述不可能
の周波数領域を測定し、該記述不可能の周波数領域の信
号波形を記述した固定フィルタを用意しておき、その後
に量産する際に、その固定フィルタを適応フィルタの信
号入力側に接続するだけで済み、能動的振動制御装置の
製造が容易になる。
【0039】請求項11の発明では、制御対象の振動伝
達関数についてケプストラム解析が行われて、適応フィ
ルタ及び固定フィルタでそれぞれ処理するのに適した2
つの伝達関数が取り出される。そして、この両伝達関数
に基づいて適応フィルタ及び固定フィルタの設計が行わ
れるため、制御対象の振動伝達特性に対応した適正な適
応フィルタ及び固定フィルタの設計を迅速に行うことが
できる。
達関数についてケプストラム解析が行われて、適応フィ
ルタ及び固定フィルタでそれぞれ処理するのに適した2
つの伝達関数が取り出される。そして、この両伝達関数
に基づいて適応フィルタ及び固定フィルタの設計が行わ
れるため、制御対象の振動伝達特性に対応した適正な適
応フィルタ及び固定フィルタの設計を迅速に行うことが
できる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (実施例1)図3において、1は自動車の車体で、その
前部にはエンジンルーム2が、また前後中央部には車室
3がそれぞれ設けられ、上記車室3前端のインストルメ
ントパネル4には空気調和装置5が配置され、この空気
調和装置5は騒音源としてのブロワ6を有し、このブロ
ワ6の近傍にはその騒音を検出してリファレンス信号を
出力する振動検出手段としての検出マイクロフォン7が
配設されている。また、車室3内の前部には左右の前座
席8,8が、また後部には左右の後座席9,9がそれぞ
れ設置されており、これらの座席8,9に着座した乗員
の耳の近傍が騒音消去位置(振動消去位置)とされてい
る。尚、2aはドア、12は車室3内前部に位置するス
テアリングホイールである。
する。 (実施例1)図3において、1は自動車の車体で、その
前部にはエンジンルーム2が、また前後中央部には車室
3がそれぞれ設けられ、上記車室3前端のインストルメ
ントパネル4には空気調和装置5が配置され、この空気
調和装置5は騒音源としてのブロワ6を有し、このブロ
ワ6の近傍にはその騒音を検出してリファレンス信号を
出力する振動検出手段としての検出マイクロフォン7が
配設されている。また、車室3内の前部には左右の前座
席8,8が、また後部には左右の後座席9,9がそれぞ
れ設置されており、これらの座席8,9に着座した乗員
の耳の近傍が騒音消去位置(振動消去位置)とされてい
る。尚、2aはドア、12は車室3内前部に位置するス
テアリングホイールである。
【0041】上記車室3内の所定位置にはモニタ手段と
しての8個のモニタマイクロフォン10,10,…と、
加振手段としての2個のスピーカ11,11とがそれぞ
れ配置されている。モニタマイクロフォン10,10,
…は、前座席8及び後座席9に着座している乗員の耳の
近傍の振動消去位置に該座席8,9に埋め込まれた格好
で設置されており、この各モニタマイクロフォン10に
よりその設置箇所(振動消去位置)のエラー騒音をモニ
タのために検出する。
しての8個のモニタマイクロフォン10,10,…と、
加振手段としての2個のスピーカ11,11とがそれぞ
れ配置されている。モニタマイクロフォン10,10,
…は、前座席8及び後座席9に着座している乗員の耳の
近傍の振動消去位置に該座席8,9に埋め込まれた格好
で設置されており、この各モニタマイクロフォン10に
よりその設置箇所(振動消去位置)のエラー騒音をモニ
タのために検出する。
【0042】一方、2個のスピーカ11,11はオーデ
ィオ用スピーカとしてインストルメントパネル4に設置
されており、これらスピーカ11,11から反転音又は
オーディオ音を発生させて車室3内に流すようになって
いる。
ィオ用スピーカとしてインストルメントパネル4に設置
されており、これらスピーカ11,11から反転音又は
オーディオ音を発生させて車室3内に流すようになって
いる。
【0043】上記各スピーカ11はインストルメントパ
ネル4に設置したコントローラ13に接続されている。
このコントローラ13は騒音の低減制御を行うためのも
ので、該コントローラ13には、上記検出マイクロフォ
ン7からの出力信号と、8つのモニタマイクロフォン1
0,10,…からの出力信号と、騒音低減制御のON/
OFFや騒音低減制御とオーディオユニット(図示せ
ず)の作動との切換えを行う切換スイッチ14の切換信
号とが少なくとも入力されており、コントローラ13に
より、基本的に、騒音源としてのブロワ6における所定
周波数成分の騒音とは逆位相のアンチ騒音を各スピーカ
11から該スピーカ11と騒音消去位置にある各モニタ
マイクロフォン10との間の音の伝達特性に応じて発生
させて、騒音消去位置での騒音を消去するようにしてい
る。
ネル4に設置したコントローラ13に接続されている。
このコントローラ13は騒音の低減制御を行うためのも
ので、該コントローラ13には、上記検出マイクロフォ
ン7からの出力信号と、8つのモニタマイクロフォン1
0,10,…からの出力信号と、騒音低減制御のON/
OFFや騒音低減制御とオーディオユニット(図示せ
ず)の作動との切換えを行う切換スイッチ14の切換信
号とが少なくとも入力されており、コントローラ13に
より、基本的に、騒音源としてのブロワ6における所定
周波数成分の騒音とは逆位相のアンチ騒音を各スピーカ
11から該スピーカ11と騒音消去位置にある各モニタ
マイクロフォン10との間の音の伝達特性に応じて発生
させて、騒音消去位置での騒音を消去するようにしてい
る。
【0044】上記コントローラ13内部の構成を図2に
示す。同図において、15は上記検出マイクロフォン7
からのリファレンス信号を増幅する増幅器である。16
は上記各モニタマイクロフォン10からのモニタ信号を
増幅する増幅器、17は該各増幅器16で増幅されたア
ナログ値のモニタ信号をデジタル値の信号に変換するA
/D変換器である。18は上記増幅器15からの出力信
号及び各A/D変換器17からの信号が入力される制御
ブロックで、この制御ブロック18は、各モニタマイク
ロフォン10により検出される騒音を低減させるように
上記各スピーカ11を駆動制御するスピーカ出力信号を
生成する。
示す。同図において、15は上記検出マイクロフォン7
からのリファレンス信号を増幅する増幅器である。16
は上記各モニタマイクロフォン10からのモニタ信号を
増幅する増幅器、17は該各増幅器16で増幅されたア
ナログ値のモニタ信号をデジタル値の信号に変換するA
/D変換器である。18は上記増幅器15からの出力信
号及び各A/D変換器17からの信号が入力される制御
ブロックで、この制御ブロック18は、各モニタマイク
ロフォン10により検出される騒音を低減させるように
上記各スピーカ11を駆動制御するスピーカ出力信号を
生成する。
【0045】また、19は上記制御ブロック18にて生
成される各スピーカ出力信号をデジタル値からアナログ
値に変換するD/A変換器、20は該各D/A変換器1
9からのスピーカ出力信号を増幅する増幅器であって、
該各増幅器20で増幅されたスピーカ出力信号はそれぞ
れ各スピーカ11に出力される。そして、以上構成によ
り、騒音源としてのブロワ6における所定周波数成分の
騒音とは逆位相のアンチ騒音を各スピーカ11から該各
スピーカ11と騒音消去位置にある各モニタマイクロフ
ォン10との間の音の伝達特性に応じて発生させて、騒
音消去位置での騒音を低減するようにしている。
成される各スピーカ出力信号をデジタル値からアナログ
値に変換するD/A変換器、20は該各D/A変換器1
9からのスピーカ出力信号を増幅する増幅器であって、
該各増幅器20で増幅されたスピーカ出力信号はそれぞ
れ各スピーカ11に出力される。そして、以上構成によ
り、騒音源としてのブロワ6における所定周波数成分の
騒音とは逆位相のアンチ騒音を各スピーカ11から該各
スピーカ11と騒音消去位置にある各モニタマイクロフ
ォン10との間の音の伝達特性に応じて発生させて、騒
音消去位置での騒音を低減するようにしている。
【0046】さらに、上記制御ブロック18の構成を図
1により説明すると、21は上記増幅器15で増幅され
た検出マイクロフォン7からのアナログ値のリファレン
ス信号をデジタル信号に変換するA/D変換器、22は
該A/D変換器21からのリファレンス信号を加工して
ブロワ6の騒音信号とは逆位相で同振幅のアンチ振動信
号を上記各D/A変換器19を介して各スピーカ11に
出力するデジタルフィルタからなる適応フィルタであ
る。23は該適応フィルタ22を制御する制御部で、上
記A/D変換器21を経由した検出マイクロフォン7か
らのリファレンス信号とA/D変換器17を経由したモ
ニタマイクロフォン10からのモニタ信号とに基づき、
騒音消去位置でのエラー騒音が低減されるように上記適
応フィルタ22を例えばLMSの適応アルゴリズムによ
り制御し、適応フィルタ22のフィルタ係数を逐次更新
して最適化する。
1により説明すると、21は上記増幅器15で増幅され
た検出マイクロフォン7からのアナログ値のリファレン
ス信号をデジタル信号に変換するA/D変換器、22は
該A/D変換器21からのリファレンス信号を加工して
ブロワ6の騒音信号とは逆位相で同振幅のアンチ振動信
号を上記各D/A変換器19を介して各スピーカ11に
出力するデジタルフィルタからなる適応フィルタであ
る。23は該適応フィルタ22を制御する制御部で、上
記A/D変換器21を経由した検出マイクロフォン7か
らのリファレンス信号とA/D変換器17を経由したモ
ニタマイクロフォン10からのモニタ信号とに基づき、
騒音消去位置でのエラー騒音が低減されるように上記適
応フィルタ22を例えばLMSの適応アルゴリズムによ
り制御し、適応フィルタ22のフィルタ係数を逐次更新
して最適化する。
【0047】そして、この発明の特徴として、上記検出
マイクロフォン7から適応フィルタ22に伝達される信
号入力系、つまり適応フィルタ22の上流側であってか
つ増幅器15とA/D変換器21との間には、所定の信
号波形を記述したアナログフィルタからなる固定フィル
タ24が適応フィルタ22に対し直列に接続されてい
る。この固定フィルタ24は、予め、適応フィルタ22
により加工されるリファレンス信号の周波数領域とは異
なる所定周波数領域、具体的には適応フィルタ22の記
述不可能の所定周波数の信号波形を記述しており、この
固定フィルタ24により、適応フィルタ22により加工
されるリファレンス信号が所定周波数領域となるよう制
限する。上記適応フィルタ22の記述不可能の所定周波
数の信号波形は、ブロワ6から騒音消去位置(各モニタ
マイクロフォン10の位置)までの車室内の騒音の伝達
特性に応じて略一律に決まるもので、固定フィルタ24
に記述される信号波形を決定する場合、車両の試作の段
階で、実験等により、予め、ブロワ6から騒音消去位置
までの騒音伝達特性に基づいて適応フィルタ22の記述
不可能の周波数領域を測定し、該記述不可能の周波数領
域の信号波形を記述した固定フィルタ24を用意してお
く。そして、その後に、該固定フィルタ24を適応フィ
ルタ22の信号入力側に接続すればよい。こうすれば、
予め設定した特性の固定フィルタ24を適応フィルタ2
2の信号入力側に接続するだけで済み、この実施例の能
動的振動制御装置を容易に製作することができる。
マイクロフォン7から適応フィルタ22に伝達される信
号入力系、つまり適応フィルタ22の上流側であってか
つ増幅器15とA/D変換器21との間には、所定の信
号波形を記述したアナログフィルタからなる固定フィル
タ24が適応フィルタ22に対し直列に接続されてい
る。この固定フィルタ24は、予め、適応フィルタ22
により加工されるリファレンス信号の周波数領域とは異
なる所定周波数領域、具体的には適応フィルタ22の記
述不可能の所定周波数の信号波形を記述しており、この
固定フィルタ24により、適応フィルタ22により加工
されるリファレンス信号が所定周波数領域となるよう制
限する。上記適応フィルタ22の記述不可能の所定周波
数の信号波形は、ブロワ6から騒音消去位置(各モニタ
マイクロフォン10の位置)までの車室内の騒音の伝達
特性に応じて略一律に決まるもので、固定フィルタ24
に記述される信号波形を決定する場合、車両の試作の段
階で、実験等により、予め、ブロワ6から騒音消去位置
までの騒音伝達特性に基づいて適応フィルタ22の記述
不可能の周波数領域を測定し、該記述不可能の周波数領
域の信号波形を記述した固定フィルタ24を用意してお
く。そして、その後に、該固定フィルタ24を適応フィ
ルタ22の信号入力側に接続すればよい。こうすれば、
予め設定した特性の固定フィルタ24を適応フィルタ2
2の信号入力側に接続するだけで済み、この実施例の能
動的振動制御装置を容易に製作することができる。
【0048】また、上記固定フィルタ24(アナログフ
ィルタ)及び適応フィルタ22(デジタルフィルタ)の
設計を行う方法について図5により説明すると、まず、
図6(a)に示すように、振動を消去しようとする制御
対象の振動伝達関数を計測値等により導き出し、次い
で、図6(b)に示す如く、計算機においてデジタルシ
ステムで制御したい制御対象のインパルス応答時間長t
1(サンプリング周期つまりサンプリング周波数fsの
逆数にタップ長さLtapを掛け合わせたもの)をパラ
メータとして入力し、上記伝達関数についてケプスト
ラム解析を行う。このケプストラム解析は、伝達関数
のスペクトルについて対数をとった後、逆フーリエ変換
してケフレンシを軸とするケプストルを求め、このケプ
ストルをフーリエ変換してスペクトルに戻すもので、こ
のことで、上記インパルス応答時間長t1以下のケフレ
ンシ成分を用いて、図6(c)に示すような、適応フィ
ルタ22(デジタルシステム)で処理するのに適した伝
達関数と、インパルス応答時間長t1以上のケフレン
シ成分を用いて、図6(d)に示す如き、固定フィルタ
24(アナログシステム)で処理するのに適した伝達関
数とをそれぞれ取り出す。しかる後に、これら両伝達
関数,に基づいて適応フィルタ22及び固定フィル
タ24の設計を行う。尚、上記ケプストラム解析の際に
パラメータとしてインパルス応答時間長t1を入力する
段階で、デジタルシステムの仕様が抽出されるので、適
応フィルタ22の設計は、主としてアナログシステムの
適否の検証のために行われる。
ィルタ)及び適応フィルタ22(デジタルフィルタ)の
設計を行う方法について図5により説明すると、まず、
図6(a)に示すように、振動を消去しようとする制御
対象の振動伝達関数を計測値等により導き出し、次い
で、図6(b)に示す如く、計算機においてデジタルシ
ステムで制御したい制御対象のインパルス応答時間長t
1(サンプリング周期つまりサンプリング周波数fsの
逆数にタップ長さLtapを掛け合わせたもの)をパラ
メータとして入力し、上記伝達関数についてケプスト
ラム解析を行う。このケプストラム解析は、伝達関数
のスペクトルについて対数をとった後、逆フーリエ変換
してケフレンシを軸とするケプストルを求め、このケプ
ストルをフーリエ変換してスペクトルに戻すもので、こ
のことで、上記インパルス応答時間長t1以下のケフレ
ンシ成分を用いて、図6(c)に示すような、適応フィ
ルタ22(デジタルシステム)で処理するのに適した伝
達関数と、インパルス応答時間長t1以上のケフレン
シ成分を用いて、図6(d)に示す如き、固定フィルタ
24(アナログシステム)で処理するのに適した伝達関
数とをそれぞれ取り出す。しかる後に、これら両伝達
関数,に基づいて適応フィルタ22及び固定フィル
タ24の設計を行う。尚、上記ケプストラム解析の際に
パラメータとしてインパルス応答時間長t1を入力する
段階で、デジタルシステムの仕様が抽出されるので、適
応フィルタ22の設計は、主としてアナログシステムの
適否の検証のために行われる。
【0049】図7は上記ケプストラム解析により取り出
される2つの伝達関数,の特性を具体的に示す特性
図であり、制御対象の伝達関数についてのケプストラ
ム解析により、伝達関数の短ケフレンシ成分を用いて
デジタルシステムで表現される伝達関数と、伝達関数
の長ケフレンシ成分を用いてアナログシステムで表現
される伝達関数とが抽出され、この両伝達関数,
を基に適応フィルタ22及び固定フィルタ24の設計が
行われる。
される2つの伝達関数,の特性を具体的に示す特性
図であり、制御対象の伝達関数についてのケプストラ
ム解析により、伝達関数の短ケフレンシ成分を用いて
デジタルシステムで表現される伝達関数と、伝達関数
の長ケフレンシ成分を用いてアナログシステムで表現
される伝達関数とが抽出され、この両伝達関数,
を基に適応フィルタ22及び固定フィルタ24の設計が
行われる。
【0050】このように伝達関数のケプストラム解析を
用いてデジタル及びアナログの各システムを設計するこ
とで、適応フィルタ22及び固定フィルタ24の設計を
容易にかつ迅速に行うことができる。
用いてデジタル及びアナログの各システムを設計するこ
とで、適応フィルタ22及び固定フィルタ24の設計を
容易にかつ迅速に行うことができる。
【0051】したがって、上記実施例においては、車室
3内の切換スイッチ14を騒音制御位置に切り換えた状
態で、車載空気調和装置5のブロワ6からの騒音が検出
マイクロフォン7により検出され、この検出マイクロフ
ォン7から検出信号がリファレンス信号として出力さ
れ、このリファレンス信号はコントローラ13の制御ブ
ロック18に入力される。また、車室3内の各モニタマ
イクロフォン10により車室3内の乗員の耳近くでの騒
音が検出され、この各モニタマイクロフォン10の出力
信号も制御ブロック18に入力される。この制御ブロッ
ク18では、その適応フィルタ22で検出マイクロフォ
ン7からのリファレンス信号が加工されて各モニタマイ
クロフォン10により検出される騒音を低減させるため
のスピーカ出力信号が生成され、このスピーカ出力信号
は各スピーカ11に出力されて該各スピーカ11から、
高帯域のランダム音からなるブロワ騒音とは逆位相で同
じ振幅のアンチ騒音が発生し、このスピーカ11からの
アンチ騒音と上記ブロワ6からの騒音とが乗員の耳近く
の各騒音消去位置で互いに打ち消し合い、このことで騒
音消去位置でのブロワ騒音が低減される。
3内の切換スイッチ14を騒音制御位置に切り換えた状
態で、車載空気調和装置5のブロワ6からの騒音が検出
マイクロフォン7により検出され、この検出マイクロフ
ォン7から検出信号がリファレンス信号として出力さ
れ、このリファレンス信号はコントローラ13の制御ブ
ロック18に入力される。また、車室3内の各モニタマ
イクロフォン10により車室3内の乗員の耳近くでの騒
音が検出され、この各モニタマイクロフォン10の出力
信号も制御ブロック18に入力される。この制御ブロッ
ク18では、その適応フィルタ22で検出マイクロフォ
ン7からのリファレンス信号が加工されて各モニタマイ
クロフォン10により検出される騒音を低減させるため
のスピーカ出力信号が生成され、このスピーカ出力信号
は各スピーカ11に出力されて該各スピーカ11から、
高帯域のランダム音からなるブロワ騒音とは逆位相で同
じ振幅のアンチ騒音が発生し、このスピーカ11からの
アンチ騒音と上記ブロワ6からの騒音とが乗員の耳近く
の各騒音消去位置で互いに打ち消し合い、このことで騒
音消去位置でのブロワ騒音が低減される。
【0052】また、各振動消去位置で、消去できなかっ
たエラー騒音がモニタマイクロフォン10により検出さ
れ、制御部23では、このモニタマイクロフォン10か
らのモニタ信号に基づき、騒音消去位置でのエラー騒音
が低減されるように上記適応フィルタ22のフィルタ係
数が逐次更新されて最適化される。
たエラー騒音がモニタマイクロフォン10により検出さ
れ、制御部23では、このモニタマイクロフォン10か
らのモニタ信号に基づき、騒音消去位置でのエラー騒音
が低減されるように上記適応フィルタ22のフィルタ係
数が逐次更新されて最適化される。
【0053】そのとき、上記適応フィルタ22の入力側
には予め信号波形を記述した固定フィルタ24が直列に
接続され、該固定フィルタ24の記述信号波形は適応フ
ィルタ22の記述不可能の所定周波数の信号波形である
ので、適応フィルタ22にブロワ6から騒音消去位置
(各モニタマイクロフォン10の位置)までの車室内の
騒音の伝達特性に応じて決まる記述不可能の信号波形の
周波数領域があっても、その周波数領域のリファレンス
信号を固定フィルタ24により適正にかつ正確に加工す
ることができる。その結果、適応フィルタ22が記述不
可能の信号波形の周波数領域では、適応フィルタ22の
機能が停止し、記述不可能の信号波形のリファレンス信
号がそのまま適応フィルタ22に入力される場合の騒音
消去不良を防止でき、騒音低減性能を向上させることが
できる。
には予め信号波形を記述した固定フィルタ24が直列に
接続され、該固定フィルタ24の記述信号波形は適応フ
ィルタ22の記述不可能の所定周波数の信号波形である
ので、適応フィルタ22にブロワ6から騒音消去位置
(各モニタマイクロフォン10の位置)までの車室内の
騒音の伝達特性に応じて決まる記述不可能の信号波形の
周波数領域があっても、その周波数領域のリファレンス
信号を固定フィルタ24により適正にかつ正確に加工す
ることができる。その結果、適応フィルタ22が記述不
可能の信号波形の周波数領域では、適応フィルタ22の
機能が停止し、記述不可能の信号波形のリファレンス信
号がそのまま適応フィルタ22に入力される場合の騒音
消去不良を防止でき、騒音低減性能を向上させることが
できる。
【0054】また、このように適応フィルタ22にはそ
の記述不可能の信号波形の周波数領域のリファレンス信
号が入力されないので、その分解能は低くて済み、低価
格の適応フィルタ22を使用してコストダウン化を図る
ことができる。しかも、上記固定フィルタ24はデジタ
ルフィルタよりも安価なアナログフィルタであるので、
コストをさらに低減できる。
の記述不可能の信号波形の周波数領域のリファレンス信
号が入力されないので、その分解能は低くて済み、低価
格の適応フィルタ22を使用してコストダウン化を図る
ことができる。しかも、上記固定フィルタ24はデジタ
ルフィルタよりも安価なアナログフィルタであるので、
コストをさらに低減できる。
【0055】因みに、図4は上記実施例の消音効果を具
体的に示したものであり、ANC(消音)システムをO
N状態にしたときには、OFF状態に比べ、消音性能が
向上しているが、所定の周波数領域(図でAにて示す範
囲)では逆に消音性能が悪化している。しかし、上記実
施例の固定フィルタ24を挿入した場合、上記周波数領
域での消音性能が向上していることが判る。
体的に示したものであり、ANC(消音)システムをO
N状態にしたときには、OFF状態に比べ、消音性能が
向上しているが、所定の周波数領域(図でAにて示す範
囲)では逆に消音性能が悪化している。しかし、上記実
施例の固定フィルタ24を挿入した場合、上記周波数領
域での消音性能が向上していることが判る。
【0056】尚、上記実施例では、適応フィルタ22の
記述不可能な信号波形を記述した固定フィルタ24を用
いたが、これに代え、適応フィルタ22に記述されてい
る所定周波数領域の信号のみをリファレンス信号から通
過させるローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンド
パスフィルタ等を用いることもできる。要は、適応フィ
ルタ22により加工されるリファレンス信号が所定周波
数領域となるように制限する制限手段を設ければよい。
記述不可能な信号波形を記述した固定フィルタ24を用
いたが、これに代え、適応フィルタ22に記述されてい
る所定周波数領域の信号のみをリファレンス信号から通
過させるローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンド
パスフィルタ等を用いることもできる。要は、適応フィ
ルタ22により加工されるリファレンス信号が所定周波
数領域となるように制限する制限手段を設ければよい。
【0057】(実施例2)図8は本発明の実施例2を示
す。尚、以下の各実施例での基本構成は実施例1と同じ
であるので、実施例1の各図と同じ部分については同じ
符号を付してその詳細な説明は省略する。
す。尚、以下の各実施例での基本構成は実施例1と同じ
であるので、実施例1の各図と同じ部分については同じ
符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0058】この実施例では、ブロワ6から騒音消去位
置までの音の伝達特性が自動車のドアの開閉状態に応じ
てある程度変化することに着目し、それに応じて固定フ
ィルタ24の作動をON/OFF切換えするようにした
ものである。
置までの音の伝達特性が自動車のドアの開閉状態に応じ
てある程度変化することに着目し、それに応じて固定フ
ィルタ24の作動をON/OFF切換えするようにした
ものである。
【0059】すなわち、この実施例2では、図示しない
が、コントローラ13には自動車の各ドア2aの開閉状
態を検出するセンサの検出信号が入力されている。そし
て、図8はコントローラ13にて行われる制御動作を示
し、まず、ステップS1で上記センサの出力信号を基に
ドア2aの開放情報、具体的には例えば開放状態にある
ドア2aの数、開放されたドア2aの位置、その開度等
をセンシングし、ステップS2では、上記ドア情報によ
り、固定フィルタ24を利用したアナログシステムの特
性と掛け離れた伝達特性が予測されるかどうかを判定す
る。この判定がNOのときには、ステップS3に進み、
上記実施例1と同様に、アナログフィルタの固定フィル
タ24とデジタルフィルタの適応フィルタ22との双方
を作動させるいわゆるハイブリットANCシステムをO
N状態にする。
が、コントローラ13には自動車の各ドア2aの開閉状
態を検出するセンサの検出信号が入力されている。そし
て、図8はコントローラ13にて行われる制御動作を示
し、まず、ステップS1で上記センサの出力信号を基に
ドア2aの開放情報、具体的には例えば開放状態にある
ドア2aの数、開放されたドア2aの位置、その開度等
をセンシングし、ステップS2では、上記ドア情報によ
り、固定フィルタ24を利用したアナログシステムの特
性と掛け離れた伝達特性が予測されるかどうかを判定す
る。この判定がNOのときには、ステップS3に進み、
上記実施例1と同様に、アナログフィルタの固定フィル
タ24とデジタルフィルタの適応フィルタ22との双方
を作動させるいわゆるハイブリットANCシステムをO
N状態にする。
【0060】一方、ステップS2でYESと判定される
と、ステップS4に進み、上記固定フィルタ24をOF
F状態にしてアナログシステムの作動を禁止し、次いで
ステップS5でデジタルフィルタの適応フィルタ22を
作動させるデジタルANCシステムをON状態にする。
と、ステップS4に進み、上記固定フィルタ24をOF
F状態にしてアナログシステムの作動を禁止し、次いで
ステップS5でデジタルフィルタの適応フィルタ22を
作動させるデジタルANCシステムをON状態にする。
【0061】よって、この実施例では、上記ステップS
1,S2により、ドア2aの開放状態の変化に伴い、ブ
ロワ6から騒音消去位置までの騒音伝達特性が、固定フ
ィルタ24に記述されている信号波形に対応する騒音伝
達特性から変化したことを検出する情報検出手段41が
構成される。
1,S2により、ドア2aの開放状態の変化に伴い、ブ
ロワ6から騒音消去位置までの騒音伝達特性が、固定フ
ィルタ24に記述されている信号波形に対応する騒音伝
達特性から変化したことを検出する情報検出手段41が
構成される。
【0062】また、ステップS4により、上記情報検出
手段41にてドア2aの開放状態の変化により騒音伝達
特性の変化が検出されたときに固定フィルタの作動を禁
止する禁止手段42が構成される。
手段41にてドア2aの開放状態の変化により騒音伝達
特性の変化が検出されたときに固定フィルタの作動を禁
止する禁止手段42が構成される。
【0063】この実施例では、センサの出力信号を基
に、開放ドア数、開放ドア位置、その開度等のドア開放
情報が判定され、このドア情報によりアナログシステム
の特性と掛け離れた伝達特性が予測されないとき、アナ
ログフィルタの固定フィルタ24とデジタルフィルタの
適応フィルタ22との双方が作動する。このときには上
記実施例と同様の効果が得られる。
に、開放ドア数、開放ドア位置、その開度等のドア開放
情報が判定され、このドア情報によりアナログシステム
の特性と掛け離れた伝達特性が予測されないとき、アナ
ログフィルタの固定フィルタ24とデジタルフィルタの
適応フィルタ22との双方が作動する。このときには上
記実施例と同様の効果が得られる。
【0064】しかし、ドア情報でアナログシステムの特
性と掛け離れた伝達特性が予測されるときには、上記固
定フィルタ24がOFF状態となってアナログシステム
の作動が禁止され、適応フィルタ22のみを作動させる
デジタルANCシステムがON状態となる。このため、
ドア2aの開放状態の変化により、ブロワ6から騒音消
去位置までの実際の騒音伝達特性が変化して固定フィル
タ24の特性からずれたとしても、該固定フィルタ24
が作動しないので、騒音低減性能が悪化するのを良好に
防止できる。
性と掛け離れた伝達特性が予測されるときには、上記固
定フィルタ24がOFF状態となってアナログシステム
の作動が禁止され、適応フィルタ22のみを作動させる
デジタルANCシステムがON状態となる。このため、
ドア2aの開放状態の変化により、ブロワ6から騒音消
去位置までの実際の騒音伝達特性が変化して固定フィル
タ24の特性からずれたとしても、該固定フィルタ24
が作動しないので、騒音低減性能が悪化するのを良好に
防止できる。
【0065】尚、この実施例では、ドア2aの開放状態
に基づいてアナログシステムをOFF切換えしている
が、その他、例えば窓の開放状態、座席8,9の前後位
置、そのリクライニング情報、車室3内の温度等をそれ
ぞれセンシングして、それらがアナログシステムの特性
と掛け離れる虞れがあるときには、該アナログシステム
の作動を禁止するようにしてもよく、同様の作用効果が
得られる。
に基づいてアナログシステムをOFF切換えしている
が、その他、例えば窓の開放状態、座席8,9の前後位
置、そのリクライニング情報、車室3内の温度等をそれ
ぞれセンシングして、それらがアナログシステムの特性
と掛け離れる虞れがあるときには、該アナログシステム
の作動を禁止するようにしてもよく、同様の作用効果が
得られる。
【0066】(実施例3)図9及び図10は実施例3を
示し、車載空気調和装置5における空調モードが切り換
えられたときに各々に対応するアナログシステムに変更
切換えするようにしたものである。
示し、車載空気調和装置5における空調モードが切り換
えられたときに各々に対応するアナログシステムに変更
切換えするようにしたものである。
【0067】すなわち、この実施例では、図示しないが
固定フィルタ24として第1及び第2の2つの固定フィ
ルタを備えており、これらは適応フィルタ22の入力側
に並列に接続されている。そして、第2固定フィルタを
停止させかつ第1固定フィルタのみを作動させたときを
アナログシステムIのON状態とし、第1固定フィルタ
を停止させかつ第2固定フィルタを作動させたときをア
ナログシステムIIのON状態としている。第1固定フィ
ルタは、図10(a)に示す如く、空気調和装置5のダ
ンパ(図示せず)が車室3内の内気を吸い込む内気切換
位置にある状態での車室3内の音の伝達特性に対応した
信号波形が記述され、一方、第2固定フィルタは、図1
0(b)に示すように、ダンパが車外の外気を吸い込む
外気切換位置にある状態での同伝達特性に対応した信号
波形が記述されている。
固定フィルタ24として第1及び第2の2つの固定フィ
ルタを備えており、これらは適応フィルタ22の入力側
に並列に接続されている。そして、第2固定フィルタを
停止させかつ第1固定フィルタのみを作動させたときを
アナログシステムIのON状態とし、第1固定フィルタ
を停止させかつ第2固定フィルタを作動させたときをア
ナログシステムIIのON状態としている。第1固定フィ
ルタは、図10(a)に示す如く、空気調和装置5のダ
ンパ(図示せず)が車室3内の内気を吸い込む内気切換
位置にある状態での車室3内の音の伝達特性に対応した
信号波形が記述され、一方、第2固定フィルタは、図1
0(b)に示すように、ダンパが車外の外気を吸い込む
外気切換位置にある状態での同伝達特性に対応した信号
波形が記述されている。
【0068】この実施例においては、コントローラ13
での処理動作が図9のとおり行われる。まず、ステップ
T1でダンパの切換位置に基づいて内外気の切換えを判
定する。ここで内気切換位置と判定されると、ステップ
T2において第1固定フィルタのみを作動させてアナロ
グシステムIを作動させた後、リターンする。
での処理動作が図9のとおり行われる。まず、ステップ
T1でダンパの切換位置に基づいて内外気の切換えを判
定する。ここで内気切換位置と判定されると、ステップ
T2において第1固定フィルタのみを作動させてアナロ
グシステムIを作動させた後、リターンする。
【0069】これに対し、ステップT1での判定が外気
切換位置とされると、ステップT3に進み、第2固定フ
ィルタのみを作動させてアナログシステムIIを作動させ
た後、リターンする。
切換位置とされると、ステップT3に進み、第2固定フ
ィルタのみを作動させてアナログシステムIIを作動させ
た後、リターンする。
【0070】この実施例では、上記ステップT1によ
り、ブロワ6から騒音消去位置までの騒音伝達特性に関
する情報として空気調和装置5のダンパの内外気切換え
を検出する情報検出手段43が構成される。
り、ブロワ6から騒音消去位置までの騒音伝達特性に関
する情報として空気調和装置5のダンパの内外気切換え
を検出する情報検出手段43が構成される。
【0071】また、ステップT2,T3により、上記情
報検出手段43によりダンパの内気切換位置又は外気切
換位置の情報が検出されたとき、第1及び第2の固定フ
ィルタの中から上記ダンパ切換位置に対応する固定フィ
ルタを選択切換えする切換手段44が構成される。
報検出手段43によりダンパの内気切換位置又は外気切
換位置の情報が検出されたとき、第1及び第2の固定フ
ィルタの中から上記ダンパ切換位置に対応する固定フィ
ルタを選択切換えする切換手段44が構成される。
【0072】したがって、この実施例では、空気調和装
置5におけるダンパの切換位置に基づいて内外気の切換
えがセンシングされ、内気切換位置と判定されたときに
は、第1固定フィルタのみを作動させてアナログシステ
ムIが作動するが、外気切換位置と判定されると、第2
固定フィルタのみを作動させてアナログシステムIIが作
動する。こうして2つのアナログの固定フィルタを接続
しておき、内外気の切換えに応じて両固定フィルタの一
方を選択するので、その選択された固定フィルタはブロ
ワ6から騒音消去位置までの騒音伝達特性に最適に適合
することとなる。よって空気調和装置5の内外気の切換
えに拘らず騒音低減性能を向上させることができる。
置5におけるダンパの切換位置に基づいて内外気の切換
えがセンシングされ、内気切換位置と判定されたときに
は、第1固定フィルタのみを作動させてアナログシステ
ムIが作動するが、外気切換位置と判定されると、第2
固定フィルタのみを作動させてアナログシステムIIが作
動する。こうして2つのアナログの固定フィルタを接続
しておき、内外気の切換えに応じて両固定フィルタの一
方を選択するので、その選択された固定フィルタはブロ
ワ6から騒音消去位置までの騒音伝達特性に最適に適合
することとなる。よって空気調和装置5の内外気の切換
えに拘らず騒音低減性能を向上させることができる。
【0073】(実施例4)図11及び図12は実施例4
を示し、上記実施例3では空気調和装置5の内外気の切
換えに応じてアナログシステムを選択切換えするのに対
し、車室内の温度変化に応じてアナログシステムを選択
切換えするようにしたものである。
を示し、上記実施例3では空気調和装置5の内外気の切
換えに応じてアナログシステムを選択切換えするのに対
し、車室内の温度変化に応じてアナログシステムを選択
切換えするようにしたものである。
【0074】すなわち、この実施例におけるコントロー
ラ13の処理動作を説明すると、図11に示すように、
ステップU1で車室内の温度t(℃)の情報を入力し、
ステップU2では、この温度tから音速v(m/秒)を
次式により計算する。
ラ13の処理動作を説明すると、図11に示すように、
ステップU1で車室内の温度t(℃)の情報を入力し、
ステップU2では、この温度tから音速v(m/秒)を
次式により計算する。
【0075】v=331.5+0.61t 次のステップU3では、上記音速vに所定の定数を掛け
て固定フィルタ24による遮断域の周波数f(Hz)を
計算し、ステップU4では現在の遮断域の周波数f0を
入力する。そして、ステップU5において、上記新しい
遮断域の周波数fと現在の遮断域の周波数f0とが一致
したかどうかを判定し、この判定がf=f0のYESの
ときには、そのままリターンするが、f≠f0のNOの
ときには、ステップU6で遮断域の周波数を現在値f0
から今回の値fに変更した後、リターンする。
て固定フィルタ24による遮断域の周波数f(Hz)を
計算し、ステップU4では現在の遮断域の周波数f0を
入力する。そして、ステップU5において、上記新しい
遮断域の周波数fと現在の遮断域の周波数f0とが一致
したかどうかを判定し、この判定がf=f0のYESの
ときには、そのままリターンするが、f≠f0のNOの
ときには、ステップU6で遮断域の周波数を現在値f0
から今回の値fに変更した後、リターンする。
【0076】この実施例では、上記ステップU1〜U5
により、ブロワ6から騒音消去位置までの騒音伝達特性
に関する情報として車室3内の温度変化を検出する情報
検出手段43が構成される。
により、ブロワ6から騒音消去位置までの騒音伝達特性
に関する情報として車室3内の温度変化を検出する情報
検出手段43が構成される。
【0077】また、ステップU6により、上記情報検出
手段43により車室3内の温度変化が検出されたとき、
固定フィルタ24の遮断域を変え、実質的に多種類の固
定フィルタの中から上記室温に対応する固定フィルタを
選択切換えするようにした切換手段44が構成される。
手段43により車室3内の温度変化が検出されたとき、
固定フィルタ24の遮断域を変え、実質的に多種類の固
定フィルタの中から上記室温に対応する固定フィルタを
選択切換えするようにした切換手段44が構成される。
【0078】この実施例の場合、車室3内の温度tに応
じて音速vが計算されるとともに、固定フィルタ24に
よる遮断域の周波数fが求められ、温度tの変化に伴っ
て音速vが変わったとき、遮断域の周波数が図12
(a)に示す現在の周波数f0から同図(b)に示す新
しい周波数fに切り換えられる。すなわち、車室3内の
温度変化により音の伝達特性が変わっても、それに応じ
て固定フィルタ24の遮断域の周波数が変わるので、そ
の固定フィルタ24はブロワ6から騒音消去位置までの
騒音伝達特性に温度変化に応じて最適に適合し、よって
温度の変動に拘らず騒音低減性能を向上させることがで
きる。
じて音速vが計算されるとともに、固定フィルタ24に
よる遮断域の周波数fが求められ、温度tの変化に伴っ
て音速vが変わったとき、遮断域の周波数が図12
(a)に示す現在の周波数f0から同図(b)に示す新
しい周波数fに切り換えられる。すなわち、車室3内の
温度変化により音の伝達特性が変わっても、それに応じ
て固定フィルタ24の遮断域の周波数が変わるので、そ
の固定フィルタ24はブロワ6から騒音消去位置までの
騒音伝達特性に温度変化に応じて最適に適合し、よって
温度の変動に拘らず騒音低減性能を向上させることがで
きる。
【0079】尚、上記実施例3,4は、空気調和装置5
の内外気の切換え及び車室3内の温度変化に応じてアナ
ログシステムを選択切換えする場合であるが、その他の
状況に応じた複数のアナログシステムを用意しておき、
それらの中から状況に応じた最適なアナログシステムを
選択するようにしてもよい。上記状況例としては、例え
ばドア2aや窓の開放状態、座席8,9の前後位置、そ
のリクライニング情報、乗員の情報等が挙げられる。
の内外気の切換え及び車室3内の温度変化に応じてアナ
ログシステムを選択切換えする場合であるが、その他の
状況に応じた複数のアナログシステムを用意しておき、
それらの中から状況に応じた最適なアナログシステムを
選択するようにしてもよい。上記状況例としては、例え
ばドア2aや窓の開放状態、座席8,9の前後位置、そ
のリクライニング情報、乗員の情報等が挙げられる。
【0080】(実施例5)図13及び図14は実施例5
を示し、固定フィルタ24を有するアナログシステム
を、適応フィルタ22を有するデジタルシステムと並列
に設けたものである。
を示し、固定フィルタ24を有するアナログシステム
を、適応フィルタ22を有するデジタルシステムと並列
に設けたものである。
【0081】この実施例では、図14に示す如く、ブロ
ワ騒音の低い周波数領域でブロワ6から騒音消去位置ま
での伝達特性が複雑であるのに対し、高い周波数領域で
は伝達特性が単純である場合に最適なシステムとされ、
図13に示すように、コントローラ13において固定フ
ィルタ24は適応フィルタ22と並列に接続され、両フ
ィルタ22,24の出力信号(スピーカ出力信号)は加
算器27で加算された後、スピーカ11に出力される。
ワ騒音の低い周波数領域でブロワ6から騒音消去位置ま
での伝達特性が複雑であるのに対し、高い周波数領域で
は伝達特性が単純である場合に最適なシステムとされ、
図13に示すように、コントローラ13において固定フ
ィルタ24は適応フィルタ22と並列に接続され、両フ
ィルタ22,24の出力信号(スピーカ出力信号)は加
算器27で加算された後、スピーカ11に出力される。
【0082】また、上記適応フィルタ22は伝達特性の
単純な高い周波数領域のリファレンス信号を加工するよ
うになっているのに対し、固定フィルタ24には、上記
適応フィルタ22により加工されるリファレンス信号の
高い周波数領域とは異なり、伝達特性の複雑な低い周波
数領域の信号波形が予め記述されている。
単純な高い周波数領域のリファレンス信号を加工するよ
うになっているのに対し、固定フィルタ24には、上記
適応フィルタ22により加工されるリファレンス信号の
高い周波数領域とは異なり、伝達特性の複雑な低い周波
数領域の信号波形が予め記述されている。
【0083】そして、リファレンス信号の周波数帯域を
各フィルタ22,24に分けるために、適応フィルタ2
2の入力側には、検出マイクロフォン7から出力される
リファレンス信号のうちの高い周波数領域を通過させる
ハイパスフィルタ28が、また固定フィルタ24の入力
側には、リファレンス信号のうちの低い周波数領域を通
過させるローパスフィルタ29がそれぞれ接続されてい
る。
各フィルタ22,24に分けるために、適応フィルタ2
2の入力側には、検出マイクロフォン7から出力される
リファレンス信号のうちの高い周波数領域を通過させる
ハイパスフィルタ28が、また固定フィルタ24の入力
側には、リファレンス信号のうちの低い周波数領域を通
過させるローパスフィルタ29がそれぞれ接続されてい
る。
【0084】この実施例においては、検出マイクロフォ
ン7から出力されたリファレンス信号のうち、車室3内
での伝達特性の単純な高い周波数領域の信号はローパス
フィルタ29で遮断されて固定フィルタ24には入力さ
れず、ハイパスフィルタ28を経て適応フィルタ22に
入力され、アンチ騒音が生成される。一方、伝達特性の
複雑な低い周波数領域の信号はハイパスフィルタ28で
遮断されて適応フィルタ22には入力されず、ローパス
フィルタ29を経て固定フィルタ24に入力され、該固
定フィルタ24に予め記述されている信号波形により加
工される。
ン7から出力されたリファレンス信号のうち、車室3内
での伝達特性の単純な高い周波数領域の信号はローパス
フィルタ29で遮断されて固定フィルタ24には入力さ
れず、ハイパスフィルタ28を経て適応フィルタ22に
入力され、アンチ騒音が生成される。一方、伝達特性の
複雑な低い周波数領域の信号はハイパスフィルタ28で
遮断されて適応フィルタ22には入力されず、ローパス
フィルタ29を経て固定フィルタ24に入力され、該固
定フィルタ24に予め記述されている信号波形により加
工される。
【0085】したがって、この場合、固定フィルタ24
及び適応フィルタ22の双方を機能させ、固定フィルタ
24では、リファレンス信号において伝達特性の複雑な
低い周波数領域のみを、また適応フィルタ22では、そ
の他の高い周波数領域のみをそれぞれ分担して加工する
ことができる。
及び適応フィルタ22の双方を機能させ、固定フィルタ
24では、リファレンス信号において伝達特性の複雑な
低い周波数領域のみを、また適応フィルタ22では、そ
の他の高い周波数領域のみをそれぞれ分担して加工する
ことができる。
【0086】(実施例6)図15及び図16は実施例6
を示し、リファレンス信号に対し固定フィルタ24及び
適応フィルタ22の各々の加工する周波数領域を上記実
施例5とは逆にしたものである。
を示し、リファレンス信号に対し固定フィルタ24及び
適応フィルタ22の各々の加工する周波数領域を上記実
施例5とは逆にしたものである。
【0087】すなわち、この実施例では、上記実施例5
とは異なり、図16に示す如く、ブロワ騒音の高い周波
数領域でブロワ6から騒音消去位置までの伝達特性が複
雑であるのに対し、低い周波数領域では伝達特性が単純
である場合に最適なシステムとされ、適応フィルタ22
は伝達特性の単純な低い周波数領域の加工するようにな
っており、一方、固定フィルタ24には、上記適応フィ
ルタ22により加工されるリファレンス信号の低い周波
数領域とは異なり、伝達特性の複雑な高い周波数領域の
信号波形が予め記述されている。
とは異なり、図16に示す如く、ブロワ騒音の高い周波
数領域でブロワ6から騒音消去位置までの伝達特性が複
雑であるのに対し、低い周波数領域では伝達特性が単純
である場合に最適なシステムとされ、適応フィルタ22
は伝達特性の単純な低い周波数領域の加工するようにな
っており、一方、固定フィルタ24には、上記適応フィ
ルタ22により加工されるリファレンス信号の低い周波
数領域とは異なり、伝達特性の複雑な高い周波数領域の
信号波形が予め記述されている。
【0088】そして、図15に示すように、適応フィル
タ22の入力側には、リファレンス信号のうちの低い周
波数領域を通過させるローパスフィルタ29が、また固
定フィルタ24の入力側には、リファレンス信号のうち
の高い周波数領域を通過させるハイパスフィルタ28が
それぞれ接続されている。
タ22の入力側には、リファレンス信号のうちの低い周
波数領域を通過させるローパスフィルタ29が、また固
定フィルタ24の入力側には、リファレンス信号のうち
の高い周波数領域を通過させるハイパスフィルタ28が
それぞれ接続されている。
【0089】したがって、この実施例では、検出マイク
ロフォン7から出力されたリファレンス信号のうち、車
室3内での伝達特性の単純な低い周波数領域の信号はハ
イパスフィルタ28で遮断されて固定フィルタ24には
入力されず、ローパスフィルタ29を経て適応フィルタ
22に入力され、アンチ騒音が生成される一方、伝達特
性の複雑な高い周波数領域の信号はハイパスフィルタ2
8を経て固定フィルタ24に入力され、該固定フィルタ
24に予め記述されている信号波形により加工される。
この実施例でも上記実施例5と同様の作用効果を奏する
ことができる。
ロフォン7から出力されたリファレンス信号のうち、車
室3内での伝達特性の単純な低い周波数領域の信号はハ
イパスフィルタ28で遮断されて固定フィルタ24には
入力されず、ローパスフィルタ29を経て適応フィルタ
22に入力され、アンチ騒音が生成される一方、伝達特
性の複雑な高い周波数領域の信号はハイパスフィルタ2
8を経て固定フィルタ24に入力され、該固定フィルタ
24に予め記述されている信号波形により加工される。
この実施例でも上記実施例5と同様の作用効果を奏する
ことができる。
【0090】(実施例7)図17及び図18は実施例7
を示し、リファレンス信号に対し中間域の周波数のみ適
応フィルタ22で加工し、その他の高低の周波数領域の
信号は固定フィルタで加工するようにしたものである。
を示し、リファレンス信号に対し中間域の周波数のみ適
応フィルタ22で加工し、その他の高低の周波数領域の
信号は固定フィルタで加工するようにしたものである。
【0091】この実施例では、図18に示す如く、ブロ
ワ騒音の中間周波数領域を除いた高低の周波数領域でブ
ロワ6から騒音消去位置までの伝達特性が複雑であるの
に対し、上記中間周波数領域では伝達特性が単純である
場合に最適なシステムとされる。
ワ騒音の中間周波数領域を除いた高低の周波数領域でブ
ロワ6から騒音消去位置までの伝達特性が複雑であるの
に対し、上記中間周波数領域では伝達特性が単純である
場合に最適なシステムとされる。
【0092】図17に示すように、コントローラ13に
おいて2つの固定フィルタ25,26が適応フィルタ2
2と並列に接続され、これに固定フィルタ25,26及
び適応フィルタ22の出力信号は加算器27で加算され
た後、スピーカ11に出力されるようになっている。
おいて2つの固定フィルタ25,26が適応フィルタ2
2と並列に接続され、これに固定フィルタ25,26及
び適応フィルタ22の出力信号は加算器27で加算され
た後、スピーカ11に出力されるようになっている。
【0093】そして、適応フィルタ22は伝達特性の単
純な中間周波数領域の加工するようになっているのに対
し、一方の固定フィルタ25には、伝達特性の複雑な低
い周波数領域の信号波形が、また他方の固定フィルタ2
6には、同様に伝達特性の複雑な高い周波数領域の信号
波形がそれぞれ予め記述されている。
純な中間周波数領域の加工するようになっているのに対
し、一方の固定フィルタ25には、伝達特性の複雑な低
い周波数領域の信号波形が、また他方の固定フィルタ2
6には、同様に伝達特性の複雑な高い周波数領域の信号
波形がそれぞれ予め記述されている。
【0094】そして、図18に示すように、適応フィル
タ22の入力側には、リファレンス信号のうちの中間周
波数領域を通過させるバンドパスフィルタ30が、また
一方の固定フィルタ25の入力側には、リファレンス信
号の低い周波数領域を通過させるローパスフィルタ29
が、さらに他方の固定フィルタ26の入力側には高い周
波数領域を通過させるハイパスフィルタ28がそれぞれ
接続されている。
タ22の入力側には、リファレンス信号のうちの中間周
波数領域を通過させるバンドパスフィルタ30が、また
一方の固定フィルタ25の入力側には、リファレンス信
号の低い周波数領域を通過させるローパスフィルタ29
が、さらに他方の固定フィルタ26の入力側には高い周
波数領域を通過させるハイパスフィルタ28がそれぞれ
接続されている。
【0095】したがって、この実施例では、検出マイク
ロフォン7からのリファレンス信号のうち、車室3内で
の伝達特性の単純な中間周波数領域の信号はバンドパス
フィルタ30を経て適応フィルタ22に入力され、アン
チ騒音が生成される一方、伝達特性の複雑な低い周波数
領域の信号はローパスフィルタ29を経て一方の固定フ
ィルタ25に、また同様に伝達特性の複雑な高い周波数
領域の信号はハイパスフィルタ28を経て他方の固定フ
ィルタ26にそれぞれ入力され、該各固定フィルタ2
5,26に予め記述されている信号波形により加工され
る。よって、この実施例でも上記実施例5,6と同様の
作用効果を奏することができる。
ロフォン7からのリファレンス信号のうち、車室3内で
の伝達特性の単純な中間周波数領域の信号はバンドパス
フィルタ30を経て適応フィルタ22に入力され、アン
チ騒音が生成される一方、伝達特性の複雑な低い周波数
領域の信号はローパスフィルタ29を経て一方の固定フ
ィルタ25に、また同様に伝達特性の複雑な高い周波数
領域の信号はハイパスフィルタ28を経て他方の固定フ
ィルタ26にそれぞれ入力され、該各固定フィルタ2
5,26に予め記述されている信号波形により加工され
る。よって、この実施例でも上記実施例5,6と同様の
作用効果を奏することができる。
【0096】尚、上記各実施例では、車両の騒音として
空気調和装置5のブロワ騒音を消去するようにしている
が、本発明は、勿論、ブロワ騒音以外の他の騒音を消去
するようにしたANCシステムにも適用することができ
る。また、上記実施例では、自動車における車室3内空
間の騒音を消去する場合であるが、その他の車両内の空
間や車両以外の一般の空間を消音する場合にも適用が可
能である。
空気調和装置5のブロワ騒音を消去するようにしている
が、本発明は、勿論、ブロワ騒音以外の他の騒音を消去
するようにしたANCシステムにも適用することができ
る。また、上記実施例では、自動車における車室3内空
間の騒音を消去する場合であるが、その他の車両内の空
間や車両以外の一般の空間を消音する場合にも適用が可
能である。
【0097】(実施例8)図19は実施例8を示す。以
上の各実施例では、振動として騒音を扱っているが、こ
の実施例では純然たる車体振動を消去するようにしたも
のである。
上の各実施例では、振動として騒音を扱っているが、こ
の実施例では純然たる車体振動を消去するようにしたも
のである。
【0098】図19において、車体1の右側前部には路
面から右側前輪(図示せず)を介して車体1に入力され
る上下振動(この場合の振動源はサスペンション)を検
出する検出用上下加速度センサ31が配置されており、
この上下加速度センサ31の出力信号はリファレンス信
号としてコントローラ13に入力される。また、例えば
エンジンルーム2の後部には車体1に振動を与える加振
手段としての加振アクチュエータ32が取り付けられて
おり、この加振アクチュエータ32からアンチ騒音振動
を発生させるようになっている。
面から右側前輪(図示せず)を介して車体1に入力され
る上下振動(この場合の振動源はサスペンション)を検
出する検出用上下加速度センサ31が配置されており、
この上下加速度センサ31の出力信号はリファレンス信
号としてコントローラ13に入力される。また、例えば
エンジンルーム2の後部には車体1に振動を与える加振
手段としての加振アクチュエータ32が取り付けられて
おり、この加振アクチュエータ32からアンチ騒音振動
を発生させるようになっている。
【0099】また、上記各実施例と同様に、左右の前座
席5,5及び後座席6,6に着座した乗員の位置が振動
消去位置とされ、この振動消去位置にはモニタ手段とし
ての4個のモニタ用上下加速度センサ33,33,…が
設置されており、この各モニタ用上下加速度センサ33
によりその設置箇所(振動消去位置)のエラー振動をモ
ニタのために検出する。
席5,5及び後座席6,6に着座した乗員の位置が振動
消去位置とされ、この振動消去位置にはモニタ手段とし
ての4個のモニタ用上下加速度センサ33,33,…が
設置されており、この各モニタ用上下加速度センサ33
によりその設置箇所(振動消去位置)のエラー振動をモ
ニタのために検出する。
【0100】上記アクチュエータ32及び各モニタ用上
下加速度センサ33は上記コントローラ13に接続され
ており、このコントローラ13により、検出用上下加速
度センサ31からのリファレンス信号を加工して車体1
の振動とは逆位相のアンチ振動信号を生成し、このアン
チ振動をアクチュエータ32から該アクチュエータ32
と振動消去位置にある各モニタ用上下加速度センサ3
3,33,…との間の振動伝達特性に応じて発生させ
て、振動消去位置での振動を消去するようにしている。
下加速度センサ33は上記コントローラ13に接続され
ており、このコントローラ13により、検出用上下加速
度センサ31からのリファレンス信号を加工して車体1
の振動とは逆位相のアンチ振動信号を生成し、このアン
チ振動をアクチュエータ32から該アクチュエータ32
と振動消去位置にある各モニタ用上下加速度センサ3
3,33,…との間の振動伝達特性に応じて発生させ
て、振動消去位置での振動を消去するようにしている。
【0101】そして、上記コントローラ13の構成は上
記各実施例と同様であり、適応フィルタ22とは別に、
検出用上下加速度センサ31から適応フィルタ22に伝
達される信号伝達系に、適応フィルタ22により加工さ
れるリファレンス信号が所定周波数領域となるように制
限する制限手段として、リファレンス信号から所定周波
数領域の信号のみを通過させるフィルタや、或いは所定
周波数領域の信号波形を予め記述した固定フィルタ24
が設けられている。
記各実施例と同様であり、適応フィルタ22とは別に、
検出用上下加速度センサ31から適応フィルタ22に伝
達される信号伝達系に、適応フィルタ22により加工さ
れるリファレンス信号が所定周波数領域となるように制
限する制限手段として、リファレンス信号から所定周波
数領域の信号のみを通過させるフィルタや、或いは所定
周波数領域の信号波形を予め記述した固定フィルタ24
が設けられている。
【0102】したがって、この実施例でも上記ブロワ騒
音の場合と同様に、低価格の適応フィルタ22を使用し
てコストダウン化、及び振動消去性能の向上維持を図る
ことができる。
音の場合と同様に、低価格の適応フィルタ22を使用し
てコストダウン化、及び振動消去性能の向上維持を図る
ことができる。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、振動源の振動を検出してそれをリファレンス信
号とし、このリファレンス信号を加工して振動源におけ
る振動とは逆位相のアンチ振動信号を加振手段に出力
し、この加振手段によるアンチ振動で振動源からの振動
を振動消去位置で消去するとともに、振動消去位置での
エラー振動をモニタし、このモニタ振動が低減されるよ
うに適応フィルタを制御する場合において、上記適応フ
ィルタにより加工されるリファレンス信号が所定周波数
領域となるよう制限手段で制限するようにしたことによ
り、低価格の適応フィルタを使用してコストダウン化を
図りながら、その分解能の低い適応フィルタではアンチ
振動信号の加工処理が不十分で伝達特性の複雑な周波数
領域のリファレンス信号が入力されて加工されるのを防
いで、振動消去性能の向上維持を図ることができる。
よれば、振動源の振動を検出してそれをリファレンス信
号とし、このリファレンス信号を加工して振動源におけ
る振動とは逆位相のアンチ振動信号を加振手段に出力
し、この加振手段によるアンチ振動で振動源からの振動
を振動消去位置で消去するとともに、振動消去位置での
エラー振動をモニタし、このモニタ振動が低減されるよ
うに適応フィルタを制御する場合において、上記適応フ
ィルタにより加工されるリファレンス信号が所定周波数
領域となるよう制限手段で制限するようにしたことによ
り、低価格の適応フィルタを使用してコストダウン化を
図りながら、その分解能の低い適応フィルタではアンチ
振動信号の加工処理が不十分で伝達特性の複雑な周波数
領域のリファレンス信号が入力されて加工されるのを防
いで、振動消去性能の向上維持を図ることができる。
【0104】請求項2の発明によると、上記制限手段
を、リファレンス信号から所定周波数領域の信号のみを
通過させるフィルタとしたことにより、上記機能を持つ
制限手段が容易に得られる。
を、リファレンス信号から所定周波数領域の信号のみを
通過させるフィルタとしたことにより、上記機能を持つ
制限手段が容易に得られる。
【0105】請求項3の発明によると、制限手段は、適
応フィルタにより加工されるリファレンス信号の周波数
領域とは異なる所定周波数領域の信号波形を予め記述し
た固定フィルタとしたことにより、適応フィルタで加工
されない周波数領域のリファレンス信号を固定フィルタ
にて予め記述されている信号波形により加工でき、振動
低減性能のより一層の向上を図ることができる。
応フィルタにより加工されるリファレンス信号の周波数
領域とは異なる所定周波数領域の信号波形を予め記述し
た固定フィルタとしたことにより、適応フィルタで加工
されない周波数領域のリファレンス信号を固定フィルタ
にて予め記述されている信号波形により加工でき、振動
低減性能のより一層の向上を図ることができる。
【0106】請求項4の発明によれば、固定フィルタ
は、適応フィルタの記述不可能の所定周波数領域の信号
波形を記述しているので、適応フィルタで加工されない
リファレンス信号を固定フィルタで正確に加工して、振
動低減性能をさらに向上させることができる。
は、適応フィルタの記述不可能の所定周波数領域の信号
波形を記述しているので、適応フィルタで加工されない
リファレンス信号を固定フィルタで正確に加工して、振
動低減性能をさらに向上させることができる。
【0107】請求項5の発明によると、適応フィルタ上
流側に、適応フィルタが記述不可能な所定周波数領域の
波形信号を記述した固定フィルタを直列に配置したこと
により、適応フィルタで加工されないリファレンス信号
を固定フィルタで正確に加工でき、伝達特性の複雑な周
波数領域のリファレンス信号が適応フィルタに入力され
るのを防いで、その複雑な周波数領域についての適応フ
ィルタの機能を停止させることができ、低価格の適応フ
ィルタの使用によりコストダウン化を図りつつ、振動消
去性能の悪化を防止することができる。
流側に、適応フィルタが記述不可能な所定周波数領域の
波形信号を記述した固定フィルタを直列に配置したこと
により、適応フィルタで加工されないリファレンス信号
を固定フィルタで正確に加工でき、伝達特性の複雑な周
波数領域のリファレンス信号が適応フィルタに入力され
るのを防いで、その複雑な周波数領域についての適応フ
ィルタの機能を停止させることができ、低価格の適応フ
ィルタの使用によりコストダウン化を図りつつ、振動消
去性能の悪化を防止することができる。
【0108】請求項6の発明によれば、固定フィルタを
適応フィルタと並列に設け、この固定フィルタの記述す
る信号波形の周波数帯域と適応フィルタの記述する信号
波形の周波数帯域とを異ならせたことにより、伝達特性
の複雑な周波数領域のみのリファレンス信号を固定フィ
ルタで、またその他の周波数領域のみのリファレンス信
号を適応フィルタでそれぞれ分担して加工して、振動低
減性能を高めることができる。
適応フィルタと並列に設け、この固定フィルタの記述す
る信号波形の周波数帯域と適応フィルタの記述する信号
波形の周波数帯域とを異ならせたことにより、伝達特性
の複雑な周波数領域のみのリファレンス信号を固定フィ
ルタで、またその他の周波数領域のみのリファレンス信
号を適応フィルタでそれぞれ分担して加工して、振動低
減性能を高めることができる。
【0109】請求項7の発明によれば、固定フィルタを
安価なアナログフィルタとしたことにより、コストの低
減に有利となる。
安価なアナログフィルタとしたことにより、コストの低
減に有利となる。
【0110】請求項8の発明によれば、振動源から振動
消去位置までの振動伝達特性が、固定フィルタに記述さ
れている信号波形に対応する振動伝達特性から変化した
ときには、固定フィルタの作動を禁止するようにしたこ
とにより、振動源から振動消去位置までの実際の振動伝
達特性が変化して固定フィルタの特性からずれても振動
低減性能が悪化するのを良好に防止することができる。
消去位置までの振動伝達特性が、固定フィルタに記述さ
れている信号波形に対応する振動伝達特性から変化した
ときには、固定フィルタの作動を禁止するようにしたこ
とにより、振動源から振動消去位置までの実際の振動伝
達特性が変化して固定フィルタの特性からずれても振動
低減性能が悪化するのを良好に防止することができる。
【0111】請求項9の発明によると、固定フィルタ
を、振動源から振動消去位置までの振動伝達特性に対応
しかつ互いに異なる信号波形を予め記述したものを複数
とし、振動源から振動消去位置までの振動伝達特性に関
する所定の情報が検出されたとき、複数種類の固定フィ
ルタの中から検出情報に対応する固定フィルタを選択切
換えするようにしたことにより、振動源から振動消去位
置までの振動伝達特性に最適な固定フィルタを選択し
て、振動低減性能を向上させることができる。
を、振動源から振動消去位置までの振動伝達特性に対応
しかつ互いに異なる信号波形を予め記述したものを複数
とし、振動源から振動消去位置までの振動伝達特性に関
する所定の情報が検出されたとき、複数種類の固定フィ
ルタの中から検出情報に対応する固定フィルタを選択切
換えするようにしたことにより、振動源から振動消去位
置までの振動伝達特性に最適な固定フィルタを選択し
て、振動低減性能を向上させることができる。
【0112】請求項10の発明によると、予め、振動源
から振動消去位置までの振動伝達特性に基づいて適応フ
ィルタの記述不可能の周波数領域を測定し、該記述不可
能の周波数領域の信号波形を記述した固定フィルタを用
意しておき、その固定フィルタを適応フィルタの信号入
力側に接続することにより、例えば振動制御対象を量産
するとき、その試作の段階で、固定フィルタを用意して
おき、その後の量産時に固定フィルタを適応フィルタの
信号入力側に接続するだけで済み、上記能動的振動制御
装置を容易に製造することができる。
から振動消去位置までの振動伝達特性に基づいて適応フ
ィルタの記述不可能の周波数領域を測定し、該記述不可
能の周波数領域の信号波形を記述した固定フィルタを用
意しておき、その固定フィルタを適応フィルタの信号入
力側に接続することにより、例えば振動制御対象を量産
するとき、その試作の段階で、固定フィルタを用意して
おき、その後の量産時に固定フィルタを適応フィルタの
信号入力側に接続するだけで済み、上記能動的振動制御
装置を容易に製造することができる。
【0113】請求項11の発明によれば、振動を消去し
ようとする制御対象の振動伝達関数についてケプストラ
ム解析を行って、適応フィルタ及び固定フィルタでそれ
ぞれ処理するのに適した2つの伝達関数を取り出し、こ
の両伝達関数に基づいて適応フィルタ及び固定フィルタ
の設計を行うことにより、制御対象の振動伝達特性に対
応した適正な適応フィルタ及び固定フィルタの設計を迅
速に行うことができる。
ようとする制御対象の振動伝達関数についてケプストラ
ム解析を行って、適応フィルタ及び固定フィルタでそれ
ぞれ処理するのに適した2つの伝達関数を取り出し、こ
の両伝達関数に基づいて適応フィルタ及び固定フィルタ
の設計を行うことにより、制御対象の振動伝達特性に対
応した適正な適応フィルタ及び固定フィルタの設計を迅
速に行うことができる。
【図1】本発明の実施例1におけるコントローラの制御
ブロックを示すブロック図である。
ブロックを示すブロック図である。
【図2】実施例1における能動的振動制御装置の概略構
成及びコントローラの内部構成を示すブロック図であ
る。
成及びコントローラの内部構成を示すブロック図であ
る。
【図3】実施例1における能動的振動制御装置の全体構
成を示す概略図である。
成を示す概略図である。
【図4】消音効果の具体例を示す特性図である。
【図5】制御対象の振動伝達関数についてのケプストラ
ム解析を用いてデジタルフィルタ及びアナログフィルタ
を設計する手順を示す説明図である。
ム解析を用いてデジタルフィルタ及びアナログフィルタ
を設計する手順を示す説明図である。
【図6】制御対象の振動伝達関数からケプストラム解析
により2つの伝達関数を取り出すときの原理を示す説明
図である。
により2つの伝達関数を取り出すときの原理を示す説明
図である。
【図7】ケプストラム解析により取り出される2つの伝
達関数の特性を具体的に示す特性図である。
達関数の特性を具体的に示す特性図である。
【図8】実施例2においてコントローラで行う信号処理
動作を示すフローチャート図である。
動作を示すフローチャート図である。
【図9】実施例3においてコントローラで行う信号処理
動作を示すフローチャート図である。
動作を示すフローチャート図である。
【図10】実施例3における騒音伝達特性を示す特性図
である。
である。
【図11】実施例4においてコントローラで行う信号処
理動作を示すフローチャート図である。
理動作を示すフローチャート図である。
【図12】実施例4における固定フィルタの特性を示す
特性図である。
特性図である。
【図13】実施例5におけるコントローラの内部構成を
示すブロック図である。
示すブロック図である。
【図14】実施例5において適応フィルタ及び固定フィ
ルタの作動する周波数範囲を示す特性図である。
ルタの作動する周波数範囲を示す特性図である。
【図15】実施例6を示す図13相当図である。
【図16】実施例6を示す図14相当図である。
【図17】実施例7を示す図13相当図である。
【図18】実施例7を示す図14相当図である。
【図19】実施例8を示す図3相当図である。
3 車室 5 空気調和装置 6 ブロワ(騒音源) 7 検出マイクロフォン(振動検出手段) 10 モニタマイクロフォン(モニタ手段) 11 スピーカ(加振手段) 13 コントローラ 18 制御ブロック 22 適応フィルタ 23 制御部(制御手段) 24,25,26 固定フィルタ 31 検出用上下加速度センサ(振動検出手段) 32 加振アクチュエータ(加振手段) 33 モニタ用上下加速度センサ(モニタ手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G10K 11/16 H03H 17/04 A 8842−5J 21/00 8842−5J (72)発明者 内田 博志 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内
Claims (11)
- 【請求項1】 振動源の振動を検出してリファレンス信
号を出力する振動検出手段と、該振動検出手段からのリ
ファレンス信号を加工して振動信号とは逆位相で同振幅
のアンチ振動信号を出力する適応フィルタと、該適応フ
ィルタからのアンチ振動信号を受けてアンチ振動を発生
する加振手段と、振動消去位置に配置され、該振動消去
位置でのエラー振動をモニタするモニタ手段と、該モニ
タ手段からのモニタ信号に基づき、振動消去位置でのエ
ラー振動が低減されるように上記適応フィルタを制御す
る制御手段とを備えた能動的振動制御装置において、 上記振動検出手段から適応フィルタに伝達されるリファ
レンス信号の伝達系に、適応フィルタにより加工される
リファレンス信号が所定周波数領域となるように制限す
る制限手段を設けたことを特徴とする能動的振動制御装
置。 - 【請求項2】 請求項1記載の能動的振動制御装置にお
いて、 制限手段は、リファレンス信号のうち所定周波数領域の
信号のみを通過させるフィルタであることを特徴とする
能動的振動制御装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の能動的振動制御装置にお
いて、 制限手段は、適応フィルタにより加工されるリファレン
ス信号の周波数領域とは異なる所定周波数領域の信号波
形を予め記述した固定フィルタであることを特徴とする
能動的振動制御装置。 - 【請求項4】 請求項3記載の能動的振動制御装置にお
いて、 固定フィルタは、適応フィルタの記述不可能の所定周波
数領域の信号波形を記述したものであることを特徴とす
る能動的振動制御装置。 - 【請求項5】 振動源の振動を検出してリファレンス信
号を出力する振動検出手段と、該振動検出手段からのリ
ファレンス信号を加工して振動信号とは逆位相で同振幅
のアンチ振動信号を出力するデジタルフィルタからなる
適応フィルタと、該適応フィルタからのアンチ振動信号
を受けてアンチ振動を発生する加振手段と、振動消去位
置に配置され、該振動消去位置でのエラー振動をモニタ
するモニタ手段と、該モニタ手段からのモニタ信号に基
づき、振動消去位置でのエラー振動が低減されるように
上記適応フィルタを制御する制御手段とを備えた能動的
振動制御装置において、 上記適応フィルタよりも上流側に、適応フィルタが記述
不可能な所定周波数領域の波形信号を記述した固定フィ
ルタを適応フィルタに対し直列に配置したことを特徴と
する能動的振動制御装置。 - 【請求項6】 振動源の振動を検出してリファレンス信
号を出力する振動検出手段と、該振動検出手段からのリ
ファレンス信号を加工して振動信号とは逆位相で同振幅
のアンチ振動信号を出力する適応フィルタと、該適応フ
ィルタからのアンチ振動信号を受けてアンチ振動を発生
する加振手段と、振動消去位置に配置され、該振動消去
位置でのエラー振動をモニタするモニタ手段と、該モニ
タ手段からのモニタ信号に基づき、振動消去位置でのエ
ラー振動が低減されるように上記適応フィルタを制御す
る制御手段とを備えた能動的振動制御装置において、 適応フィルタにより加工されるリファレンス信号の周波
数領域とは異なる所定周波数領域の信号波形を予め記述
した固定フィルタを、適応フィルタと並列に設け、 上記固定フィルタの記述する信号波形の周波数帯域は、
適応フィルタの記述する信号波形の周波数帯域と異なっ
ていることを特徴とする能動的振動制御装置。 - 【請求項7】 請求項3、4、5又は6記載の能動的振
動制御装置において、 固定フィルタは、アナログフィルタであることを特徴と
する能動的振動制御装置。 - 【請求項8】 請求項3又は4記載の能動的振動制御装
置において、 振動源から振動消去位置までの振動伝達特性が、固定フ
ィルタに記述されている信号波形に対応する振動伝達特
性から変化したことを検出する情報検出手段と、 上記情報検出手段により振動伝達特性の変化が検出され
たときに固定フィルタの作動を禁止する禁止手段とを設
けたことを特徴とする能動的振動制御装置。 - 【請求項9】 請求項3又は4記載の能動的振動制御装
置において、 固定フィルタは、振動源から振動消去位置までの振動伝
達特性に対応しかつ互いに異なる信号波形を予め記述し
たものが複数設けられ、 振動源から振動消去位置までの振動伝達特性に関する情
報を検出する情報検出手段と、 上記情報検出手段により所定の情報が検出されたとき、
複数種類の固定フィルタの中から上記検出情報に対応す
る固定フィルタを選択切換えする切換手段とを設けたこ
とを特徴とする能動的振動制御装置。 - 【請求項10】 請求項4又は5記載の能動的振動制御
装置を製造する方法であって、 予め、振動源から振動消去位置までの振動伝達特性に基
づいて適応フィルタの記述不可能の周波数領域を測定
し、該記述不可能の周波数領域の信号波形を記述した固
定フィルタを用意しておき、 その固定フィルタを適応フィルタの信号入力側に接続す
ることを特徴とする能動的振動制御装置の製造方法。 - 【請求項11】 請求項4、5又は6記載の能動的振動
制御装置を製造する方法であって、 振動を消去しようとする制御対象の振動伝達関数につい
てケプストラム解析を行うことで、適応フィルタ及び固
定フィルタでそれぞれ処理するのに適した2つの伝達関
数を取り出し、この両伝達関数に基づいて適応フィルタ
及び固定フィルタの設計を行うことを特徴とする能動的
振動制御装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5252658A JPH0798592A (ja) | 1993-06-14 | 1993-10-08 | 能動的振動制御装置及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
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JP14185693 | 1993-06-14 | ||
JP5-141856 | 1993-06-14 | ||
JP5252658A JPH0798592A (ja) | 1993-06-14 | 1993-10-08 | 能動的振動制御装置及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0798592A true JPH0798592A (ja) | 1995-04-11 |
Family
ID=26474021
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP5252658A Pending JPH0798592A (ja) | 1993-06-14 | 1993-10-08 | 能動的振動制御装置及びその製造方法 |
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JP (1) | JPH0798592A (ja) |
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