[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JPH0782280A - 新規なプロドラッグおよびその製造方法 - Google Patents

新規なプロドラッグおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH0782280A
JPH0782280A JP5188903A JP18890393A JPH0782280A JP H0782280 A JPH0782280 A JP H0782280A JP 5188903 A JP5188903 A JP 5188903A JP 18890393 A JP18890393 A JP 18890393A JP H0782280 A JPH0782280 A JP H0782280A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
solution
tyr
cancer
enzyme
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5188903A
Other languages
English (en)
Inventor
Munetaka Matsui
宗隆 松井
Takashi Sekida
隆 関田
Hachiro Yamanaka
八郎 山中
Hisao Honda
久夫 本多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanebo Ltd filed Critical Kanebo Ltd
Priority to JP5188903A priority Critical patent/JPH0782280A/ja
Publication of JPH0782280A publication Critical patent/JPH0782280A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下式(I) 【化1】 (式中、Rは 【化2】 または 【化3】 を示す。)で表わされる化合物またはその薬理学的に許
容される塩およびその製造方法。 【効果】 上記化合物またはその薬理学的に許容される
塩は、アルカリ性フォスファターゼまたはカルボキシペ
プチダーゼのみによっては活性化されず、これら両者の
酵素が作用するときに活性化されて抗腫瘍剤に復元され
る。従って、上記化合物またはその薬理学的に許容され
る塩は、ガン抗体−アルカリ性フォスファターゼ複合体
およびガン抗体−カルボキシペプチダーゼ複合体を使用
するガン治療において、ガン組織で選択的に活性化して
抗腫瘍効果を発揮する、安全性の高いプロドラッグとし
て有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なプロドラッグおよ
びその製造方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、下式(I)
【0003】
【化9】 (式中、Rは
【0004】
【化10】 または
【0005】
【化11】 を示す。)で表わされる化合物またはその薬理学的に許
容される塩、およびその製造方法に関する。
【0006】
【従来の技術】望ましいガンの化学療法のためには、ガ
ン細胞にだけ特異的に作用する薬剤が必要である。すな
わち、ガン組織は、厳密にいえば一種類の均一な細胞か
ら成っていない(たとえばG.Heppner,Cancer Res.,44,2
259-2265,1984)ので、ガン組織中のいろいろな種類の
ガン細胞を殺し、なおかつ正常な細胞は殺さないような
薬剤が必要である。
【0007】現在、不満足ながらガンに効果のある抗腫
瘍剤が存在しているが、これらの薬剤の多くはガン細胞
にというよりは増殖している細胞にはたらくものであ
る。それゆえ、増殖さえしていればガン細胞ばかりでな
く、正常細胞にもはたらくので、副作用を避けることが
困難である。すなわち、実際に使用されている抗腫瘍剤
は抗腫瘍効果と副作用のバランスが見いだされて、なん
とか使用可能である場合があるということである。もし
このような抗腫瘍剤を、さらにガン組織に特異的に作用
させることができればガンの化学治療は大幅に改善され
る。
【0008】このような状況の中で、抗腫瘍剤のプロド
ラッグとガン抗体−酵素複合体を使った抗腫瘍システム
の考え(特許出願公表公報 平2-504630号および特許出
願公開公報 平2-223532号)はガン化学治療に光明をも
たらすものである。
【0009】このシステムでは、まず、抗腫瘍剤の低毒
性プロドッラッグを調製する。次に、ガン細胞表面の抗
原に対する抗体とこの抗腫瘍剤のプロドラッグを活性化
させ得る酵素とよりなる複合体(ガン抗体−酵素複合
体)を投与すると、このガン抗体−酵素複合体は抗原−
抗体反応によりガン細胞表面に局在する。そしてその後
に抗腫瘍剤のプロドラッグを投与するというものであ
る。こうすることによって、投与された抗腫瘍剤のプロ
ドラッグは全身にひろがるけれども、これは主にガン細
胞表面に局在しているガン抗体−酵素複合体によって親
化合物である抗腫瘍剤に変換され、ガン組織と無関係な
ところでは抗腫瘍剤に変換され難いので、その副作用は
親化合物である抗腫瘍剤を投与した場合に比べて少ない
のである。
【0010】このシステムは、ガン抗体と毒素とよりな
る複合体(ガン抗体−毒素複合体)を投与し、ガン細胞
内にこれを特異的に取り込ませることを前提とした従来
のシステム(Vitetta et al.,Science,238,1098-1104,1
987)とは、酵素という繰り返し使用可能な触媒を使っ
ていることで根本的に異なっている。このシステムでは
ガン組織に結合するガン抗体−酵素複合体の数が限られ
ていても、多量のプロドラッグを投与することにより活
性化された抗腫瘍剤の量をガン組織近傍で増加させるこ
とができるという利点を有する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヒトの
血液中にある酵素は生理的にも病理的にもさまざまに変
化しているので、上記のガン抗体−酵素複合体と抗腫瘍
剤のプロドラッグとを使用するシステムにおいて、ヒト
の血液中に存在する1種類の酵素だけで活性化され得る
プロドラッグを使用した場合には、この一時的に血液中
に多量に出現する酵素によって血中でプロドラッグが容
易に活性化され、ガン組織への特異性が失なわれてしま
うという弱点が残っている。すなわち、プロドラッグは
この酵素により血液中で活性化されて抗腫瘍剤として全
身にまわり、副作用が発生する恐れが大きい。
【0012】特許出願公表公報 平2-504630号および特
許出願公開公報 平2-223532号には、例えばアルカリ性
フォスファターゼの作用だけで活性化し得る抗腫瘍剤の
プロドラッグが開示されているが、骨成長期の小児や妊
娠中の婦人は血液中のアルカリ性フォスファターゼが高
値であり、また肝臓や胆道の疾患時にも高値である(E.
J. King et al.,Med.Bull.,9,160-164,1953)ので、こ
のようなときには従来どうりの抗腫瘍剤の投与と変わら
ない副作用が発生する。また、上記公報にはカルボキシ
ペプチダーゼの作用だけで活性化し得る抗腫瘍剤のプロ
ドラッグも開示されているが、例えば、膵臓疾患などの
時にはカルボキシペプチダーゼAが高値になることが知
られており(Peterson et al.,Analyt.Biochem.,125,42
0-426,1982)、このような場合には、このプロドラッグ
の安全性が問題となる。
【0013】血中の2種の酵素が同時に異常高値になる
確率は、1種の酵素だけが異常高値になる確率よりも低
いので、2種類の酵素が作用することによってはじめて
活性化するプロドラッグは、1種類の酵素だけで活性化
するプロドラッグに比べて、より選択的にガン組織に到
達することができる。
【0014】本発明の目的は、ガン抗体と酵素とよりな
る複合体(ガン抗体−酵素複合体)を使用するガン治療
において、アルカリ性フォスファターゼあるいはカルボ
キシペプチダーゼの血中の濃度が異常に高値である場合
でも、ガン組織で選択的に活性化して抗腫瘍効果を発揮
するプロドラッグとその製造方法を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】検討の結果、本発明者ら
は下式(I)
【0016】
【化12】 (式中、Rは
【0017】
【化13】 または
【0018】
【化14】 を示す。)で表わされる化合物[以下、化合物(I)と
いう]またはその薬理学的に許容される塩が、アルカリ
性フォスファターゼあるいはカルボキシペプチダーゼの
単独では活性化せず、両者が存在するときにのみ活性化
され、本発明の目的に適うプロドラッグであることを見
い出し、本発明を完成した。
【0019】化合物(I)の薬理学的に許容される塩に
はナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カル
シウム、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ト
リエチルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノール
アミン塩などのアミン塩を挙げることができる。
【0020】式(I)において、Rが
【0021】
【化15】 である本発明化合物[化合物(I−a)]またはその薬
理学的に許容される塩は、下記反応式の通り、化合物
(II)を水素化分解して製造することが出来る。
【0022】
【化16】 (式中、Bzlはベンジル基を示す。) すなわち、水素化分解は、化合物(II)が溶解し得る
有機溶媒、例えば、メタノール、エタノールに溶解し、
触媒の共存下に水素雰囲気下、通常、室温〜50℃で撹
拌することにより実施される。触媒には、パラジウム−
炭素、パラジウム黒等、通常の水素化に使用される触媒
が使用し得る。
【0023】なお、化合物(II)は新規化合物であ
り、以下の反応式により製造することが出来る。
【0024】
【化17】 (式中、Bzlはベンジル基を示す。) すなわち、まず、化合物(V)をエーテル系溶媒、例え
ばジエチルエーテル、テトラヒドロフランに溶解し、
0.9〜1.2当量の水素化ナトリウムを通常0〜15
℃で反応させたのち、2〜3当量のジベンジル ホスホ
ロクロリデートを通常0〜15℃で反応させて化合物
(VI)を得る。次に、化合物(VI)を、エーテル系
溶媒(例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン)に溶解し、塩化水素で処理することにより
t−ブチルオキシカルボニル基を脱離させて化合物(V
II)を得る。最後に、化合物(VII)に対して2〜
5当量のトリエチルアミン存在下に0.8〜1.1当量
のp−[N,N,−ビス(2−クロロエチル)アミノ]
ベンゾイルクロリドを0℃〜室温で反応させて化合物
(II)を得る。
【0025】式(I)においてRが
【0026】
【化18】 で表される本発明の化合物[化合物(I−b)]は、下
記反応式に従って製造することができる。
【0027】
【化19】 (式中、Xはハロゲン原子を示す。) すなわち、化合物(VIII)を、それを溶解し得る有
機溶媒、例えばN,N−ジメチルアミノアセトアミドに
溶解し、1〜1.5当量の6−ハロゲノメチル−2,4
−プテリジンジアミン(IX)を室温〜60℃で反応さ
せることにより化合物(I−b)を得る。
【0028】なお、化合物(VIII)は、下記反応式
に従って、製造することができる。
【0029】
【化20】 (式中、Bzlはベンジル基を、Xはハロゲン原子を示
す。) すなわち、まず、化合物(X)をエーテル系溶媒、例え
ばジエチルエーテル、テトラヒドロフランに溶解し、−
30〜−10℃で2〜3当量のトリエチルアミンの存在
下に1〜1.2当量のイソブチルクロロホルメートを反
応させ、続いて0.9〜1.2当量の化合物(VII)
を加え、−30℃〜30℃で反応させて化合物(XI)
を得る。次いで、化合物(XI)をエーテル系溶媒(例
えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン)に溶解し塩化水素で処理することによりt−ブチル
オキシカルボニル基を脱離させ化合物(XII)を得
る。次いでハロゲン系溶媒(例えばクロロホルム、塩化
メチレン)中で、化合物(XII)に対して2〜4当量
のジイソプロピルエチルアミンの存在下に0.9〜1.
2当量の4−[N−(ベンジルオキシカルボニル)メチ
ルアミノ]ベンゾイルハライドを通常0〜15℃で反応
させて化合物(XIII)を得る。
【0030】最後に、化合物(XIII)をそれが溶解
し得る有機溶媒、例えば、メタノール、エタノールに溶
解し、パラジウム−炭素、パラジウム黒等の触媒の共存
下、水素雰囲気下に、通常10〜30℃で撹拌して水素
化分解することにより化合物(VIII)を得る。
【0031】上記方法で製造される本発明化合物(I)
は、常法によりその薬理学的に許容される塩に変換する
ことができ、また常法の塩交換により他の塩に変換する
ことができる。
【0032】本発明化合物(I)またはその薬理学的に
許容される塩は、ガン抗体−酵素複合体と共にガン治療
において使用され、ガン抗体−アルカリ性フォスファタ
ーゼ複合体とガン抗体−カルボキシペプチダーゼ複合体
の両者と共に投与される。ガン抗体−アルカリ性フォス
ファターゼ複合体には例えば、ヒト肺癌に対する抗体で
あるL6にアルカリ性フォスファターゼを結合させた複
合体(Senter,P. D.etal.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85,
4842-4846,1988) が使用され得る。ガン抗体−カルボキ
シペプチダーゼ複合体には例えば、ヒト肺癌に対する抗
体であるKS1/4にカルボキシペプチダーゼAを結合
させた複合体(Edgar haenseler et al.,Biochemistry,
31,891-897,1992) が使用され得る。
【0033】本発明化合物(I)またはその薬理学的に
許容される塩は、通常、注射剤の剤形で投与される。こ
の注射剤は、例えば等張化剤(例えば、グルコース、D
−ソルビトール等)、保存剤(例えば、ベンジルアルコ
ール、クロロブタノール等)および緩衝剤(リン酸緩衝
液、酢酸ナトリウム緩衝液)などと混合し常法により製
造することができる。
【0034】本発明化合物(I)またはその薬理学的に
許容される塩は、通常、静脈内に投与され、その投与量
は化合物(I)として通常1〜500mg/kg体重で
あり、この量を1日1回または2〜3回に分けて投与さ
れる。
【0035】
【発明の作用効果】本発明化合物(I)またはその薬理
学的に許容される塩は、アルカリ性フォスファターゼま
たはカルボキシペプチダーゼの単独によっては活性化さ
れずに、アルカリ性フォスファターゼおよびカルボキシ
ペプチダーゼの両者が作用するときにのみ活性化されて
抗腫瘍剤に復元され、その活性を発現する。そして本発
明化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の毒
性は低い(後記試験例1〜3参照)。
【0036】従って、本発明化合物(I)またはその薬
理学的に許容される塩は、アルカリ性フォスファターゼ
の高値になる場合(例えば骨成長期の小児や妊娠中の婦
人および肝疾患時)にも、カルボキシペプチダーゼが高
値になる場合(例えば膵臓疾患時)にも安全に使用し得
る抗腫瘍性プロドラッグとして有用である。
【0037】試験例 以下に、本発明の効果を試験例を挙げて説明する。な
お、試験例中、下記略称は以下の化合物を意味する。 BAM−Tyr−P・・・・・N-[p-N,N-ビス(2- クロロエチ
ル) アミノベンゾイル]-O- ホスホノ-L- チロシン(実
施例1の化合物) BAM−Tyr−P・3Na・・・・・N-[p-N,N-ビス(2- ク
ロロエチル) アミノベンゾイル]- O- ホスホノ-L- チロ
シン 3ナトリウム塩(実施例2の化合物) MTX−Tyr−P・・・・・N-[N-(4- アミノ-4- デオキシ
-10-メチルプテロイル)-α-L- グルタミル]-O-ホスホノ
-L- チロシン(実施例3の化合物) BAM−Tyr・・・・・・N-[p-N,N- ビス(2- クロロエチ
ル) アミノベンゾイル] チロシン(参考例1の化合物) BAM−Tyr・Na・・・・・・N-[p-N,N- ビス(2- クロロ
エチル) アミノベンゾイル] チロシン ナトリウム塩
(参考例1の化合物) MTX−Tyr・・・・・・N-[N-(4-アミノ-4- デオキシ-10-
メチルプテロイル)-α-L- グルタミル]-L-チロシン(参
考例2の化合物) BAM・・・・・・安息香酸マスタード MTX・・・・・・メトトレキサート
【0038】[試験例1]加水分解試験 1)試験材料 a)試験化合物 BAM−Tyr−P・3Na(実施例2の化合物) MTX−Tyr−P(実施例3の化合物) b)酵素溶液 アルカリ性フォスファターゼ溶液:シグマ社製アルカリ
性フォスファターゼを、0.1Mトリス−塩酸緩衝液
(pH7.2)で100ユニット/mlの濃度に調整し
たものを使用した。
【0039】カルボキシペプチダーゼA溶液:シグマ社
製カルボキシペプチダーゼAを、0.1Mトリス−塩酸
緩衝液(pH7.2)で希釈し、BAM−Tyr−P・
3Naの加水分解には500ユニット/mlの濃度に、
MTX−Tyr−Pの加水分解には100ユニット/m
lの濃度に調整したものを使用した。 2)試験方法 BAM−Tyr−P・3Naはジメチルスルホキシドを
1%含有する0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.
2)に、MTX−Tyr−Pは0.1Mトリス−塩酸緩
衝液(pH7.2)にそれぞれ溶解し、濃度が0.5m
g/mlの溶液をそれぞれ調製した。これら溶液400
μlに、アルカリ性フォスファターゼ溶液50μlと
0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.2)50μl、
カルボキシペプチダーゼA溶液50μlと0.1Mトリ
ス−塩酸緩衝液(pH7.2)50μlまたはアルカリ
性フォスファターゼ溶液50μlとカルボキシペプチダ
ーゼA溶液50μlを加えた後、37゜Cにおいて30
分間インキュベートした。それぞれ1.5mlの1N−
塩酸を加えて反応を止めた後、高速液体クロマトグラフ
ィーによって、反応生成物および残存する試験化合物を
分析した。
【0040】高速液体クロマトグラフィーの条件は以下
の通りである。 カラム:Inertsil ODS−2(GLサイエン
ス社)、4.6X150mm カラム温度:40℃ 検出方法:320nmの紫外線吸収 移動層:メタノール−水−酢酸の混合溶媒(BAM−T
yr−P・3Naおよびその反応生成物の分析には混合
比60:40:2、MTX−Tyr−Pおよびその反応
生成物の分析には混合比20:80:2の混合溶媒) 流速:1ml/分。
【0041】なお、反応生成物および未反応の試験化合
物の同定と定量の標準物質には、実施例1のBAM−T
yr−P、参考例1のBAM−Tyr、公知のBAM、
実施例3のMTX−Tyr−P、参考例2のMTX−T
yrおよび公知のMTXを使用した。上記測定条件で各
化合物の保持時間は、BAM−Tyr−P(12.1
分)、BAM−Tyr(5.6分)、BAM(7.8
分)、MTX−Tyr−P(8.6分)、MTX−Ty
r(6.9分)およびMTX(2.9分)である。 3)試験結果 BAM−Tyr−P・3NaあるいはMTX−Tyr−
Pに各酵素を作用させた時に、各反応液から検出された
化合物の種類と、その量(検出された化合物の百分率、
括弧内の数値)を表1に示す。なお、表1中に記載され
た化合物以外の化合物は検出されないか、検出されたと
しても無視できる量であった。
【0042】
【表1】 作用させた酵素* 試験化合物 APase CPaseA APase + CPaseA MTX-Tyr-P MTX-Tyr MTX-Tyr-P + MTX MTX (100) (99.4 : 0.6) (100) BAM-Tyr-P BAM-Tyr BAM-Tyr-P + BAM BAM + BAM-Tyr-P (100) (97.8 : 2.2) (99.1 : 0.9) * APase はアルカリ性フォスファターゼを、CPaseAはカ
ルボキシペプチダーゼAを、APase + CPaseAはこれら酵
素を同時に作用させたことを示す。
【0043】上記試験結果より、以下のことが明らかで
ある。 本発明化合物(MTX−Tyr−P、BAM−Tyr
−P)またはその薬理学的に許容される塩にアルカリ性
フォスファターゼを作用させるとほぼ完全にリン酸基が
加水分解されるが、抗腫瘍剤である親化合物(MTX、
BAM)は生成しない。 本発明化合物にカルボキシペプチダーゼAを作用させ
てもほとんどは不変のままである。 本発明化合物にアルカリ性フォスファターゼとカルボ
キシペプチダーゼAを同時に作用させてはじめて、抗腫
瘍剤である親化合物(MTX、BAM)が生成する。
【0044】[試験例2] MTX−Tyr−Pの抗腫
瘍効果および毒性試験 MTX−Tyr−Pがアルカリ性フォスファターゼとカ
ルボキシペプチダーゼAの両者の作用により抗腫瘍効果
を発現することの確認のために、また、MTX−Tyr
−Pの毒性、MTX−Tyr−Pのアルカリ性フォスフ
ァターゼによる産生物の毒性およびMTX−Tyr−P
のカルボキシペプチダーゼAによる産生物の毒性を検討
するために、培養ガン細胞系を使用して試験した。 1)試験材料 a)試験化合物 MTX−Tyr−P(実施例3の化合物) MTX(対照化合物) b)酵素溶液 アルカリ性フォスファターゼ溶液:シグマ社製アルカリ
性フォスファターゼを、10mM HPES緩衝液(p
H7.2)を含む無血清RPMI1640培地(日水製
薬社製)に溶解し、25ユニット/mlの濃度に調整し
たものを使用した。
【0045】カルボキシペプチダーゼA溶液:シグマ社
製カルボキシペプチダーゼAを、10mM HEPES
緩衝液(pH7.2)を含む無血清RPMI1640培
地(日水製薬社製)に溶解し、50ユニット/mlの濃
度に調整したものを使用した。
【0046】c)ガン細胞株:HeLa、KBおよびK
ATO III 2)試験方法 a)試験液の調製 酵素を作用させた場合の試験液:MTX−Tyr−P
を、10mM HEPES緩衝液(pH7.2)を含む
無血清RPMI1640培地(日水製薬社製)に溶解
し、濃度0.8mg/mlの溶液を調製した。この80
μlにアルカリ性フォスファターゼ溶液10μlと10
mM HEPES緩衝液(pH7.2)を含む無血清R
PMI1640培地10μl、カルボキシペプチダーゼ
A溶液10μlと10mM HEPES緩衝液(pH
7.2)を含む無血清RPMI1640培地10μl、
またはアルカリ性フォスファターゼ溶液10μlとカル
ボキシペプチダーゼA溶液10μlを加え37℃で30
分間反応させた。90゜Cで1分間反応液を熱処理して
酵素を失活させ、これを、酵素を作用させた場合の試験
液とした。
【0047】酵素を作用させない場合の試験液:MTX
−Tyr−Pを、10mM HEPES緩衝液(pH
7.2)を含む無血清RPMI1640培地(日水製薬
社製)溶液に溶解し、濃度を0.64mg/mlに調整
し、これを酵素を作用させない場合の試験液とした。 b)毒性の測定 HeLa、KBまたはKATOIII 細胞株の培養皿の細
胞をトリプシンによって解離し、10mM HEPES
緩衝液(pH7.2)と10%牛胎児血清(Hyclo
ne社製)を含む無血清RPMI1640培地溶液で細
胞懸濁液とした。この細胞懸濁液100μl(細胞数に
して2000−3000個)ずつを96穴の微小培養皿
(Falcon 3075、ベクトン・デイッキンソン
社)の穴に入れた。試験液をそれぞれ細胞培養液(RP
MI1640、日水製薬社製)で2倍ずつに希釈してこ
の穴にいれ、充分な湿度にした37゜C炭酸ガス培養器
(炭酸ガス濃度5%)の中で3日間培養した。
【0048】次に、上記培養液中の生きている細胞をM
TT法(Green et al.,J.Immunol.Methods,70,257-268,
1984)で測定することにより細胞に対する毒性を決定し
た。すなわち、それぞれの培養液に10μlのMTT溶
液(濃度、5mg/ml)を加え、37゜Cで4時間イ
ンキュベートし、生存細胞由来の酵素によってMTTか
ら生成されるホルマザン(formazan)を100
μlのジメチルスルホキシドで溶解させ、550nmに
おける吸光度を分光光度計で測定した。試験化合物の用
量と吸光度の関係をグラフにプロットして培養細胞数を
50%に抑える試験化合物の濃度(IC50)を求めた。
【0049】なお、参考のため、メトトレキセート(M
TX)の試験溶液を前記2)、a)と同様に調製し、上
記b)に従って、試験した。 3)試験結果 試験結果(2回の試験結果の平均値)を表2に示す。
【0050】
【表2】 IC50(pmol/ml) 作用させた酵素* HeLa株 KB株 KATO III株 なし >896 851 >896 APase 784 582 >896 Cpase 806 762 >896 APase + CpaseA 27 22 29 対照(MTX のIC50) 11 9 7 * Apase はアルカリ性フォスファターゼを、CPaseAはカ
ルボキシペプチダーゼAを、APase+CPaseAはこれら酵素
を同時に作用させたことを示す。
【0051】上記表2の通り、MTX−Tyr−Pに酵
素を作用させなかった場合、アルカリ性フォスファター
ゼを作用させた場合、またはカルボキシペプチダーゼA
を作用させた場合は、いづれも各株細胞に対し毒性が低
い。一方、MTX−Tyr−Pにアルカリ性フォスファ
ターゼおよびカルボキシペプチダーゼAを同時に作用さ
せた場合には、MTXの細胞毒性に近い毒性、すなわち
抗腫瘍効果を示した。
【0052】[試験例3]BAM−Tyr−P・3Na
の抗腫瘍効果および毒性試験 1)試験材料 a)試験化合物 BAM−Tyr−P・3Na(実施例2の化合物) BAM(対照化合物) b)酵素溶液 アルカリ性フォスファターゼ溶液:シグマ社製アルカリ
性フォスファターゼを、10mM HEPES緩衝液
(pH7.2)を含む無血清RPMI1640培地(日
水製薬社製)に溶解し、100ユニット/mlの濃度に
調整したものを使用した。
【0053】カルボキシペプチダーゼA溶液:シグマ社
製カルボキシペプチダーゼAを、10mM HEPES
緩衝液(pH7.2)を含む無血清RPMI1640培
地(日水製薬社製)に溶解し、500ユニット/mlの
濃度に調整したものを使用した。
【0054】c)ガン細胞株:HeLa 2)試験方法 抗腫瘍剤BAMは、KB株およびKATO III株につい
て極めて弱い活性しか示さないので、HeLa株のみを
用いて試験した。 a)試験液の調製 酵素を作用させた場合の試験液:試験例2と同様にして
BAM−Tyr−P・3Naにアルカリ性フォスファタ
ーゼ、カルボキシペプチダーゼAまたはこれら酵素の両
者を作用させ後、Centricon 10(Amic
on社)によって酵素を除去し、これを、酵素を作用さ
せた場合の試験液とした。
【0055】酵素を作用させない場合の試験液:BAM
−Tyr−P・3Naを、10mMHEPES緩衝液
(pH7.2)を含む無血清RPMI1640培地(日
水製薬社製)溶液に溶解し、濃度を0.64mg/ml
に調整し、これを酵素を作用させない場合の試験液とし
た。 b)毒性の測定 測定方法は試験例2に述べた方法と同じである。なお、
参考のために、BAMの細胞毒性も、同様に試験した。 3)試験結果 結果を表3に示す。
【0056】
【表3】 作用させた酵素* HeLa株に対するIC50(pmol/ml) なし >360 APase 202 Cpase >360 APase + Cpase 126 対照(BAM のIC50) 129 * Apase はアルカリ性フォスファターゼを、CPaseAはカ
ルボキシペプチダーゼAを、Apase+CPaseAはこれら酵素
を同時に作用させたことを示す。
【0057】表3の通り、BAM−Tyr−P・3Na
に酵素を作用させなかった場合またはカルボキシペプチ
ダーゼAを作用させた場合は、HeLa細胞にほとんど
影響を与えず、毒性が低かった。アルカリ性フォスファ
ターゼを作用させた場合は酵素を作用しない場合に比較
してやや強い細胞毒性を示したが、アルカリ性フォスフ
ァターゼとカルボキシペプチダーゼAとを同時に作用さ
せた場合に比べ、低い毒性を示した。一方、アルカリ性
フォスファターゼとカルボキシペプチダーゼAとを同時
に作用させた場合の細胞毒性はより強力であり、BAM
細胞毒性と同程度であった。
【0058】以上の試験例1〜3の結果は、アルカリ性
フォスファターゼとカルボキシペプチダーゼとの両者が
共に作用したときに初めて本発明化合物は活性化されて
抗腫瘍効果を発現し、これら酵素が単独で作用したとき
あるいは全く作用しないときには、低毒性であることを
示すものである。
【0059】従って、本発明化合物は、ガン抗体−アル
カリ性フォスファターゼ複合体およびガン抗体−カルボ
キシペプチダーゼ複合体と共に投与された場合にのみ、
ガン細胞付近で特異的に活性化されるので、全身的な毒
性を示さない安全な制癌剤として有利に使用することが
可能である。もちろん、本発明化合物は、1つのガン抗
体にアルカリ性フォスファターゼとカルボキシペプチダ
ーゼとが結合した複合体と共に使用することも可能であ
る。
【0060】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳しく説明す
る。
【0061】実施例1N-[p-N,N- ビス(2- クロロエチル) アミノベンゾイル]-
O-ホスホノ-L- チロシン(化合物I−a) 以下の(i) 〜(iv)の工程でN-[p-N,N- ビス(2- クロロエ
チル) アミノベンゾイル]-O-ホスホノ-L- チロシンを合
成した。
【0062】(i) ベンジル N-tert-ブトキシカルボニル
-O- ジベンジルホスホノ-L- チロシネート( 化合物V
I)の合成 ベンジル N-tert-ブトキシカルボニル-L- チロシネート
(Fabwerke Hoechst A.G.,Brit.pat.,1201121、7.92g,
0.021mol)の無水テトラヒドロフラン(100ml)溶液に氷
冷撹拌下、水素化ナトリウム(60w/w% 油性, 853mg, 0.0
21mol)を加え氷冷下20分間撹拌した。次に、ジベンジル
ホスホロクロリデート(Atherton et al.,J.Chem.Soc.,2
20,1106-1111,1948、13.9g, 0.047mol) の四塩化炭素(5
0ml)溶液を氷冷下15分間かけて滴下し、滴下終了後更に
氷冷下で1 時間撹拌した。反応液に水(10ml)を加えた
後、減圧下に溶媒を留去した。残渣に酢酸エチル(200m
l) を加え、水、1N- 塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー[展開溶媒:n-ヘキサン
−酢酸エチル(7:3)]で精製し、無色オイルとして標記
化合物を10.44g(収率78%)得た。1H-NMR(60MHz,CDCl3)
δ:1.39(9H,s),3,04(2H,d,J=6.0Hz),4.3-4.9(1H,m),5.0
3(2H,s),5.11(2H,s),5.17(2H,s),6.97(4H,s),7.31(15H,
s).
【0063】(ii) ベンジル O- ジベンジルホスホノ-L-
チロシネート(化合物VII)塩酸塩の合成 ベンジル N-tert-ブトキシカルボニル-O- ジベンジルホ
スホノ-L- チロシネート( 化合物VI)(10.44g, 0.017
mol) に4N-HCl/ ジオキサン溶液(60ml)を加え、氷冷下
1.5 時間撹拌した。減圧下溶媒を留去した後、エーテル
(50ml)を加え室温で一夜放置し、析出した結晶を濾取し
標記化合物を7.41g(収率79%)得た。1 H-NMR(60MHz,CDCl3)δ:3.0-3.7(2H,br),4.1-4.8(1H,b
r),4.8-5.5(6H,m),6.9-7.8(19H,m),8.4-9.3(3H,br).
【0064】(iii)ベンジル N-[p-N,N-ビス(2- クロロ
エチル) アミノベンゾイル]-O-ジベンジルホスホノ-L-
チロシネート(化合物II)の合成 p-[N,N- ビス(2- クロロエチル) アミノ] 安息香酸(Eld
erfield et al.,J.Org.Chem.,26,4996-4997,1961、0.5
g, 1.9mmol)をフラスコにいれ、無水トルエン(2ml) に
溶解し、塩化チオニル(1ml) を加えた。その後85℃で25
分間撹拌し、減圧下溶媒を留去してp-[N,N-ビス(2−
クロロエチル)アミノ]安息香酸クロリドを得た。これ
に無水テトラヒドロフラン(5ml) を加えて溶解し、ベン
ジル O- ジベンジルホスホノ-L- チロシネート塩酸塩(1
g, 1.9mmol) およびトリエチルアミン(1ml) を加えたの
ち室温で1 時間撹拌した。反応溶液を1N- 塩酸で希釈し
た後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗
い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[展
開溶媒:クロロホルム−メタノール(19:1) ]で精製
し、無色オイルとして標記化合物を1.28g(収率87%) 得
た。1 H-NMR(300MHz, CDCl3)δ:3.07(2H,m),3.63(4H,t),3.76
(4H,t),5.08(1H),5.17(6H),6.50(1H,d,J=7.43Hz),6.91
(2H,d,J=8.57Hz),6.99(2H,d,J=8.07Hz),7.31(15H,br),
7.64(2H,d,J=8.88Hz).
【0065】(iv)N-[p-N,N-ビス(2- クロロエチル) ア
ミノベンゾイル]-O-ホスホノ-L- チロシン(化合物I−
a)の合成 ベンジル N-[p-N,N-ビス(2- クロロエチル) アミノベン
ゾイル]-O-ジベンジルホスホノ-L- チロシネート(0.74
g, 0.95mmol) 、および10% パラジウム−炭素(35mg)
をフラスコにいれ、メタノール(10ml)を加えた。フラス
コ内を水素で置換し、水素雰囲気下に室温で1時間撹拌
した。反応溶液を濾過した後、減圧下に溶媒を留去し、
標記化合物を430mg(収率92%) 得た。1 H-NMR(300MHz, DMSO-d6)δ:3.04(2H,m),3.75(8H,m),4.
54(1H,m),6.78(2H,d,J=8.96Hz),7.05(2H,d,J=7.73Hz),
7.26(2H,d,J=8.51Hz),7.71(2H,d,J=8.86Hz),8.37(1H,d,
J=8.11Hz).
【0066】実施例2N-[p-N,N- ビス(2- クロロエチル) アミノベンゾイル]-
O-ホスホノ-L- チロシン 3ナトリウム塩(化合物I−
aの3ナトリウム塩) N-[p-N,N- ビス(2- クロロエチル) アミノベンゾイル]-
O-ホスホノ-L- チロシン(431mg) をメタノール(10ml)に
溶解し、1N- 水酸化ナトリウム(3ml) を加えた。溶媒を
留去し、得られた残渣を水−メタノールの混合溶媒(1:
1) で再結晶し、白色粉末として標記化合物を396mg(収
率82%)得た。 元素分析値(C20H21N2O7Cl2PNa3・2H2Oとして): 計算値(%) C,39.50 ; H,4.14 ; N,4.61 実測値(%) C,39.45 ; H,3.98 ; N,4.42
【0067】実施例3N-[N-(4-アミノ-4- デオキシ-10-メチルプテロイル)-α
-L- グルタミル]-O-ホスホノ-L- チロシン(化合物I−
b) 以下の(i) 〜(iii) の工程でN-[N-(4-アミノ-4- デオキ
シ-10-メチルプテロイル)-α-L- グルタミル]-O-ホスホ
ノ-L- チロシンを合成した。
【0068】(i) ジベンジル N-(N-tert- ブトキシカル
ボニル- α-L- グルタミル)-O-ジベンジルホスホノ-L-
チロシネート(化合物XI)の合成 γ- ベンジル N-tert-ブトキシカルボニル-L- グルタメ
ート(化合物X、C.H. Li et al.,J.Org.Chem.,28,178-
181,1963 、2.49g, 7.4mmol) のテトラヒドロフラン(40
ml)溶液に撹拌下-15 ℃でトリエチルアミン(1.64g, 16.
2mmol) とイソブチルクロロホルメート(1.11g, 8.1mmo
l)を加え、-15 ℃で15分間撹拌した。次にベンジル O-
ジベンジルホスホノ-L- チロシネート塩酸塩(化合物V
II、4.19g, 7.4mmol)を加え、撹拌下、-15 ℃から室
温に3 時間かけて反応温度を上げ、更に室温で18時間撹
拌した。減圧下溶媒を留去し、残渣に酢酸エチル(70ml)
を加え、水、1N- 塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー[展開溶媒:n-ヘキサン−酢酸エ
チル(6:4)]で精製し、無色オイルとして標記化合物を
3.84g(収率61%)得た。1 H-NMR(60MHz,CDCl3)δ:1.40(9H,s),1.7-2.7(4H,m),3.0
2(2H,d,J=6.0Hz),3.9-4.5(1H,m),4.6-5.3(1H,m),5.00(2
H,s),5.06(4H,s),5.15(2H,s),6.97(4H,s),7.28(20H,s).
【0069】(ii) ジベンジル N-[N-[4-[N-( ベンジル
オキシカルボニル) メチルアミノ] ベンゾイル]-α-L-
グルタミル]-O-ジベンジルホスホノ-L- チロシネート
(化合物XIII)の合成 ジベンジル N-(N-tert- ブトキシカルボニル- α-L- グ
ルタミル)-O-ジベンジルホスホノ-L- チロシネート(1.9
4g, 2.3mmol)に4N-HCl/ ジオキサン溶液(20ml)を加え、
氷冷下1 時間撹拌した。減圧下溶媒を留去し、ジベンジ
ル N- α-L- グルタミル-O- ジベンジルホスホノ-L- チ
ロシネート塩酸塩(化合物XII)1.80g(収率100%) を
得た。
【0070】この化合物(1.80g, 2.3mmol) を塩化メチ
レン(30ml)に溶解し、氷冷撹拌下、ジイソプロピルエチ
ルアミン(0.88g, 6.8mmol)と4-[(ベンジルオキシカルボ
ニル) メチルアミン] ベンゾイルクロリド(Piper et a
l.,J.Med.Chem.,25,182-187,1982、0.69g, 2.3mmol)を加
え、氷冷下45分間撹拌した。減圧下に溶媒を留去し、残
渣に酢酸エチル(100ml) を加え、水、1N- 塩酸、水、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留
去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[展
開溶媒:クロロホルム−メタノール(100:1)次いでクロ
ロホルム−メタノール(50:1)]で精製し、標記化合物を
1.29g(収率55%)得た。1 H-NMR(60MHz,CDCl3)δ:1.9-2.8(4H,m),2.9-3.2(2H,m),
3.33(3H,s),4.5-5.4(12H,m),6.99(4H,s),7.0-8.0(4H,
m),7.35(25H,s).
【0071】(iii) N-[N-(4- アミノ-4- デオキシ-10-
メチルプテロイル)-α-L- グルタミル]-O-ホスホノ-L-
チロシン(化合物I−b)の合成 ジベンジル N-[N-[4-[( ベンジルオキシカルボニル) メ
チルアミノ] ベンゾイル]-α-L- グルタミル]-O-ジベン
ジルホスホノ-L- チロシネート(290mg,0.28mmol)に10%
パラジウムー炭素(25mg)とメタノール(15ml)を加え、水
素雰囲気下、室温で2 時間撹拌した。反応溶液を濾過
し、濾液を減圧下濃縮し、N-[N-[4-( メチルアミノ) ベ
ンゾイル]-α-L- グルタミル]-O-ホスホノ-L- チロシン
(化合物VIII)を得た。これを無水N,N-ジメチルア
セトアミド(3ml) に溶解し、窒素雰囲気下6-( ブロモメ
チル)-2,4-プテリジンジアミン塩酸塩(Piper et al.,J.
Org.Chem.,42,208-211,1977、96mg, 0.29mmol) を加え、
室温で14時間、更に55℃で10時間撹拌した。減圧下に溶
媒を留去し、残渣を分取用高速液体クロマトグラフィー
[カラム:YMC-Pack ODS(20x250mm) 、溶媒:メタノー
ル−水−酢酸(20:80:2)]により精製後、メタノールで
洗浄し、黄色粉末として標記化合物を93mg(収率47%)得
た。 融点 195-220℃(分解)1 H-NMR(300MHz,DMSO-d6+D2O)δ:1.7-2.1(2H,m),2.20(2
H,t,J=7.3Hz),2.3-3.2(2H,m),3.25(3H,s),4.3-4.5(2H,
m),4.87(2H,s),6.82(2H,d,J=8.8Hz),6.96(2H,d,J=8.0H
z),7.04(2H,d,J=8.0Hz),7.70(2H,d,J=8.8Hz),8.58(1H,
s). 元素分析値(C29H32N9O10P・5H2Oとして) : 計算値(%) C,48.07;H,4.87;N,17.40 実測値(%) C,48.31;H,4.81;N,17.49
【0072】参考例1N-[p-N,N- ビス(2- クロロエチル) アミノベンゾイル]
チロシン 以下の(1) 〜(2) の工程でN-[p-N,N- ビス(2- クロロエ
チル) アミノベンゾイル] チロシンを合成した。
【0073】(1) ベンジル N-[p-N,N-ビス(2- クロロエ
チル) アミノベンゾイル] チロシネートの合成 p-[N,N- ビス(2- クロロエチル) アミノ] 安息香酸(0.5
g, 1.9mmol) をフラスコに入れ、無水トルエン(2ml) に
溶解した。この溶液中に塩化チオニル(1.1ml,15mmol)
を加え80℃で30分間加熱撹拌した。溶媒を減圧下留去
し、残渣を無水テトラヒドロフラン(5ml) に溶解した。
この溶液中にベンジル-L- チロシネート(590mg, 1.9mmo
l)およびトリエチルアミン(0.5ml) を加え、室温で1時
間撹拌した。反応溶液に1N- 塩酸を加え酢酸エチルで抽
出後、有機層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー[展開溶媒:クロロホルム−メタノー
ル(19:1) ]で精製し、無色オイルとして標記化合物を
0.87g(収率87%) 得た 。1 H-NMR(300MHz, CDCl3)δ:3.12(2H,m),3.61(4H,t),3.75
(4H,t),5.07(1H,t),5.17(2H,q),6.56(1H,d,J=7.82Hz),
6.62(2H,d,J=7.85Hz),6.66(2H,d,J=7.85Hz),6.84(2H,d,
J=8.44Hz),7.35(5H,br),7.63(2H,d,J=8.87 Hz).
【0074】(2) N-[p-N,N-ビス(2- クロロエチル) ア
ミノベンゾイル] チロシンの合成 上記で得たベンジル N-[p-N,N-ビス(2- クロロエチル)
アミノベンゾイル] チロシネート (0.8g, 1.6mmol)、お
よび10% パラジウム−炭素(80mg)をフラスコに入れ、メ
タノール(10ml)を加えた。フラスコ内を水素で置換し、
水素雰囲気下室温で1時間撹拌した。反応溶液を濾過
し、減圧下に溶媒を留去して標記化合物を613mg(収率92
%) 得た。1 H-NMR(300MHz, DMSO-d6)δ:2.98(2H,m),3.76(8H,m),4.
49(1H,m),6.64(2H,d,J=8.42Hz),6.78(2H,d,J=8.98Hz),
7.09(2H,d,J=8.44Hz),7.71(2H,d,J=8.86Hz),8.28(1H,d,
J=8.11Hz,-CONH),9.18(1H,br,-OH),12.6(1H,br,-COOH). この化合物(610 mg)をメタノール(10ml)に溶解し、1N
- 水酸化ナトリウム水溶液(1.5ml)を加え、溶媒を留去
し、残渣を水−メタノール(1:1)で再結晶して白色粉末
としてこのナトリウム塩を520mg(収率75%) 得た。 元素分析値(C20H21N2O4Cl2Na・H2O として): 計算値(%) C,51.63 ; H,4.98 ; N,6.02 実測値(%) C,51.63 ; H,4.94 ; N,5.95
【0075】参考例2N-[N-(4-アミノ-4- デオキシ-10-メチルプテロイル)-α
-L- グルタミル]-L-チロシン 以下の(1) 〜(3) の工程でN-[N-(4-アミノ-4- デオキシ
-10-メチルプテロイル)-α-L- グルタミル]-L-チロシン
を合成した。
【0076】(1) ジベンジル N-(N-tert- ブトキシカル
ボニル- α-L- グルタミル)-L-チロシネートの合成 γ- ベンジル N-tert-ブトキシカルボニルグルタメート
(1.44g, 4.3mmol) のテトラヒドロフラン(25ml)溶液に-
15 ℃で撹拌下、トリエチルアミン(0.95g, 9.4mmol) と
イソブチルクロロホルメート(0.58g, 4.2mmol) を加
え、-15 ℃で15分間撹拌した。次にベンジル L- チロシ
ネート p- トルエンスルホン酸塩(1.89g,4.3mmol)を加
え、撹拌下、-15 ℃から室温まで1 時間かけて反応温度
を上げ、更に室温で30分間撹拌した。減圧下に溶媒を留
去し、残渣に酢酸エチル(50ml)を加え、水、0.5N- 塩
酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩
水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧
下に溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー[展開溶媒:n-ヘキサン- 酢酸エチル(6:4)次
いでn-ヘキサン- 酢酸エチル(1:1) ]で精製し、無色オ
イルとして標記化合物を2.18g(収率87%)得た。1 H-NMR(60MHz,CDCl3)δ:1.39(9H,s),1.7-2.8(4H,m),2.8
-3.2(2H,m),4.0-4.5(1H,m),4.6-5.1(1H,m),5.06(2H,s),
5.08(2H,s),5.55(1H,d,J=8Hz),6.65(2H,d,J=9Hz),6.87
(2H,d,J=9Hz),6.9-7.4(1H,m),7.30(10H,s),7.51(1H,
s). (2)ジベンジル N-[N-(4- アミノ-4- デオキシ-10-メチ
ルプテロイル)-α-L- グルタミル]-L-チロシネートの合
成 ジベンジル N-(N-tert- ブトキシカルボニル- α-L- グ
ルタミル)-L-チロシネート(727mg, 1.2mmol) に4N-HCl/
ジオキサン(10ml)を加え、氷冷下1 時間20分間撹拌し
た。減圧下に溶媒を留去し、ジベンジル N- α-L- グル
タミル-L- チロシネート塩酸塩を得た。
【0077】ジエチルホスホノシアニデート(547mg, 3.
4mmol)のジメチルホルムアミド(20ml)溶液にトリエチル
アミン(340mg, 3.4mmol)と4-アミノ-4- デオキシ-10-メ
チルプテロ酸(Martinelli et al.,J.Med.Chem.,22,869-
874,1979、364mg, 1.1mmol)を加え、室温で10分間、更に
80℃で2 分間撹拌した。次に、トリエチルアミン(125m
g, 1.2mmol)と先に得たジベンジル N- α-L- グルタミ
ル-L- チロシネート塩酸塩を加え、80℃で4 時間撹拌し
た。減圧下に溶媒を留去し、残渣にクロロホルム(60ml)
とメタノール(3ml) を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下
に溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー[展開溶媒:クロロホルム−メタノール(10:1)
]で精製後、メタノールで結晶化させ、標記化合物を3
44mg(収率39%)得た。1 H-NMR(300MHz,DMSO-d6+D2O)δ:1.8-2.1(2H,m),2.38(2
H,t,J=7.5Hz),2.8-3.0(2H,m),3.23(3H,s),4.3-4.5(2H,
m),4.81(2H,s),5.03(2H,s),5.05(2H,s),6.61(2H,d,J=8.
5Hz),6.82(2H,d,J=8.9Hz),6.96(2H,d,J=8.5Hz),7.1-7.4
(10H,m),7.70(2H,d,J=8.9Hz),8.58(1H,s).
【0078】(3) N-[N-(4- アミノ-4- デオキシ-10-メ
チルプテロイル)-α-L- グルタミル]-L-チロシンの合成 ジベンジル N-[N-(4- アミノ-4- デオキシ-10-メチルプ
テロイル)-α-L- グルタミル]-L-チロシネート(130mg,
0.16mmol) のジメチルホルムアミド(3ml) 溶液に水(6m
l) と水酸化バリウム・8水和物(103mg, 0.33mmol) を
加え、室温で16時間撹拌した。減圧下に溶媒を留去し、
残渣に水(8ml) 、硫酸ナトリウム(46mg, 0.32mmol) を
加え、室温で30分間撹拌した。不溶物を濾去後、濾液に
10% 酢酸を加えて酸性にし、冷蔵庫で3 日間放置した。
析出した固体を濾取し、黄色粉末として標記化合物を95
mg(収率94%)得た。 融点 190-210℃(分解)1 H-NMR(300MHz,DMSO-d6+D2O)δ:1.8-2.1(2H,m),2.29(2
H,t,J=7.6Hz),2.7-3.0(2H,m),3.23(3H,s),4.3-4.5(2H,
m),4.83(2H,s),6.62(2H,d,J=8.5Hz),6.84(2H,d,J=9.0H
z),7.00(2H,d,J=8.5Hz),7.70(2H,d,J=9.0Hz),8.56(1H,
s). 元素分析値(C29H31N9O7 ・1.5H2O として) : 計算値(%) C,54.03;H,5.32;N,19.56 実測値(%) C,54.31;H,5.31;N,19.62
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 5/06 8318−4H

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式(I) 【化1】 (式中、Rは 【化2】 または 【化3】 を示す。)で表わされる化合物またはその薬理学的に許
    容される塩。
  2. 【請求項2】 下式(II) 【化4】 (式中、Bzlはベンジル基を示す。)で表わされる化
    合物を水素化分解することを特徴とする、下式(I−
    a) 【化5】 で表わされる化合物またはその薬理学的に許容される塩
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 下式(III) 【化6】 で示される化合物と、下式(IV) 【化7】 (式中、Xはハロゲン原子を示す。)で表わされる化合
    物とを反応させることを特徴とする、下式(I−b) 【化8】 で表わされる化合物またはその薬理学的に許容される塩
    の製造方法。
JP5188903A 1993-06-30 1993-06-30 新規なプロドラッグおよびその製造方法 Pending JPH0782280A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5188903A JPH0782280A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 新規なプロドラッグおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5188903A JPH0782280A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 新規なプロドラッグおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0782280A true JPH0782280A (ja) 1995-03-28

Family

ID=16231906

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5188903A Pending JPH0782280A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 新規なプロドラッグおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0782280A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998025886A1 (en) * 1996-12-13 1998-06-18 Patrick Anthony Riley Novel compounds useful as therapeutic agents and assay reagents
JP2011016777A (ja) * 2009-07-10 2011-01-27 Nipro Corp 新規システイン誘導体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998025886A1 (en) * 1996-12-13 1998-06-18 Patrick Anthony Riley Novel compounds useful as therapeutic agents and assay reagents
JP2011016777A (ja) * 2009-07-10 2011-01-27 Nipro Corp 新規システイン誘導体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0781778B1 (en) Paclitaxel prodrugs, method for preparation as well as their use in selective chemotherapy
JP2003518086A (ja) 追加的な官能化側鎖を有する新規なアシル−ジペプチド様化合物
UA126943C2 (uk) Пептидні макроцикли проти acinetobacter baumannii
EP3496764B1 (de) Bitterstoffderivate
JP2013241423A (ja) カルボキシルエステラーゼにより加水分解可能なアルファアミノ酸エステル−薬剤複合体
EP0975353B1 (en) Peptidyl-2-amino-1-hydroxyalkanesulfonic acid cysteine protease inhibitors
JPH05155898A (ja) アミジノフェニルアラニン誘導体およびそれらの製法
JP3390965B2 (ja) 糖結合スフィンゴシンを含有するポリマー化合物
US20090117185A1 (en) 2-(Aminomethyl)-5-Chlorobenzylamide Derivatives and their use as Inhibitors of the Clotting Factor Xa
HUT65359A (en) Process for producing of amidinophenylalanine derivatives and pharmaceutical compositions comprising them
WO1997038705A1 (en) N-formyl hydroxylamine containing compounds useful as ace inhibitors and/or nep inhibitors
JPH03504492A (ja) α‐アミノアシル基により5‐、3’‐、又は5’‐の位置で置換された2’‐デオキシウリジンの新しい誘導体及びその生成方法及びそれらの存在する薬剤
JPH0782280A (ja) 新規なプロドラッグおよびその製造方法
Kafarski et al. N-(Phosphonoacetyl) amino phosphonates. Phosphonate analogs of N-(phosphonoacetyl)-L-aspartic acid (PALA)
CH647228A5 (de) Substituierte phenylessigsaeureamidverbindungen und verfahren zu ihrer herstellung.
JPH05507295A (ja) N―(α―置換―ピリジニル)カルボニルジペプチド抗高血圧剤
CA1298307C (en) Enkephalinase inhibitors
US5362743A (en) Aminoquinoline derivatives
JP2006520360A (ja) シクロブタン−1,1−ジカルボキシレートリガンドを有する白金錯体の蛋白結合誘導体
JP3010173B2 (ja) ジエチレントリアミン三酢酸化合物およびその製造法
CN112972648A (zh) 一种蛋白酶体抑制剂在抑制新型冠状病毒中的应用
US5849797A (en) D-β-lysylmethanediamine derivatives and preparation thereof
JPH0635469B2 (ja) ジエチレントリアミン三酢酸化合物及びその製造中間体並びにそれらの製造法
JPH05213990A (ja) トリペプチド誘導体
JPH0597887A (ja) 新規2’−デオキシ−5−フルオロウリジン誘導体