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JPH0781978A - ガラス製光学部品における撥水性を有する反射防止膜 - Google Patents

ガラス製光学部品における撥水性を有する反射防止膜

Info

Publication number
JPH0781978A
JPH0781978A JP5172182A JP17218293A JPH0781978A JP H0781978 A JPH0781978 A JP H0781978A JP 5172182 A JP5172182 A JP 5172182A JP 17218293 A JP17218293 A JP 17218293A JP H0781978 A JPH0781978 A JP H0781978A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antireflection film
film
water
repellent
glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5172182A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyoshi Toyohara
延好 豊原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP5172182A priority Critical patent/JPH0781978A/ja
Publication of JPH0781978A publication Critical patent/JPH0781978A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラス製光学部品表面に高性能かつ耐擦傷性
に優れた撥水性を付与する反射防止膜を得る。 【構成】 高真空の真空蒸着装置でガラス基板へ第1層
から成る反射防止膜を蒸着した。撥水層として、第2層
目に、透明フッ素樹脂を形成した。この後、加熱炉に入
れて180℃で1時間の硬化を行った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撥水性を有する反射防
止膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラス表面に金属酸化物,金属フ
ッ化物および金属窒化物等の薄膜からなる反射防止膜を
形成する方法が知られている。この方法は、光学レン
ズ,眼鏡レンズおよびフィルター等の光学部品に用いら
れている。一般に、反射防止膜は真空蒸着法により形成
するものであり、無機ガラスの場合には無機ガラスを加
熱して蒸着することが出来るので無機ガラスと蒸着膜と
の密着性が良く、強固な膜が形成可能である。
【0003】しかしながら、高湿度下において光学部品
を使用する場合、光学部品表面に水分の付着によるクモ
リが発生したり、人体との接触等により付着する油分が
取れにくいといった問題があった。
【0004】こうした問題点を解決すべく、例えば、類
似技術として特開昭64−86101号公報に示すよう
に、基板表面に設けた反射防止膜の最表層SiO2 の低
屈折率上に有機ケイ素置換基を含む化合物を形成する技
術が提案されている。上記膜構成は、撥水性および撥油
性を有し、反射防止性を損なわないという特徴を持つも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記特開昭
64−86101号公報記載の撥水膜を施した反射防止
膜の構成では、ガラス基板上に施すには充分な光学特性
が望めない。反射防止膜の最表層SiO2 は屈折率が
1.46と高めであり、加えて撥水層として形成される
有機ケイ素置換基を含む化合物も屈折率がおよそ1.4
5と高めである。
【0006】これでは、光学部品に施すには充分な光学
特性を得る事は出来ない。また、前記有機ケイ素置換基
を含む化合物を金属フッ化物上に形成して撥水性を有す
る反射防止膜を作成した場合、膜厚にかかわらず、金属
フッ化物と撥水膜との密着性が悪く耐擦傷性に劣るた
め、撥水性に劣化がみられる。
【0007】因って、本発明は前記従来技術における欠
点に鑑みて開発されたもので、ガラス製光学部品の表面
に優れた撥水性と耐擦傷性とを有する撥水膜を施した優
れた光学特性を有する反射防止膜を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガラス基板の
表面に形成した反射防止膜上に、透明フッ素樹脂をフッ
素系溶剤等で希釈して光学的膜厚にして10nm以下の
所望の膜厚で形成する。反射防止膜を構成する材料は金
属酸化物,金属フッ化物および金属窒化物などであり、
反射防止膜の最上層の低屈折材料は、MgF2 ,AlF
3 ,BaF2 ,LiF,CaF2 ,Na3 AlF6 およ
びNa5 Al3 14等の金属フッ化物で構成される。
【0009】なお、これらの反射防止膜の成膜方法は、
真空蒸着法,イオンプレーティング法およびスパッタリ
ング法などに限定されない。撥水膜として用いるフッ素
樹脂は透明な熱硬化型の特性を持ち、反射防止膜上に光
学的膜厚にして10nm以下の所望の膜厚を形成するよ
うにフッ素系溶剤等で希釈した透明フッ素樹脂をディッ
ピング法(浸漬)あるいはスピンナー法において形成し
た後、80℃以上で加熱することにより硬化させ、所望
の膜厚を形成する。
【0010】
【作用】係る構成のガラス製光学部品における撥水性を
有する反射防止膜において、空気側から1層目は透明フ
ッ素樹脂からなる。10nm以下の光学的膜厚で構成さ
れた上記撥水層は、加熱前、モノマーの状態で反射防止
膜上に存在するが、80℃以上の加熱を行うことによ
り、個々で存在したモノマーが結合を成し、強固な非晶
質ポリマーを形成する。同時に、反射防止膜の最表層中
のフッ素と非晶質ポリマーとの架橋反応がおこり、反射
防止膜と撥水膜との密着が化学的に向上されることによ
り耐久性が向上する。
【0011】また、反射防止膜の最表層として屈折率の
低い金属フッ化物を用いることにより、優れた光学特性
を得る事が出来る。本撥水性を有する反射防止膜に使用
する透明フッ素樹脂は、フッ素系溶剤等を用いて容易に
希釈できる特性から所望の膜厚にコントロールが可能で
あり、超薄膜での制御が可能である。
【0012】従って、上記透明フッ素樹脂を10nm以
下の光学的膜厚で構成することにより、撥水性と膜の擦
傷性を損なわず、光学的に影響を及ぼさない成膜が可能
である。この膜厚を越えて厚くなると、撥水膜の耐擦傷
性は劣化し、擦傷により削り取られることから、問題と
なるレベルで初期と異なった光学特性を示す。
【0013】
【実施例】以下、本発明のガラス製光学部品における撥
水性を有する反射防止膜を実施例により具体的に説明
し、後に記載する試験にしたがい評価した。
【0014】
【実施例1】本実施例は、直径30mmのガラス基板
(SCHOTT製 BK7)をチャンバー径560mm
の真空蒸着装置にセットした後、真空チャンバー内を1
×10-5Torr以下の高真空に排気する。排気系に
は、コールドトラップ付きのディフュージョンポンプあ
るいはクライオポンプを使用する。基板加熱を300℃
で1時間行い、電子線加熱法により、蒸着速度0.5〜
1.0nm/secの条件で表1における基板より第1
層から成る反射防止膜を蒸着した。
【0015】撥水層として、第2層目に、光学的膜厚で
9.5nmの透明フッ素樹脂(旭硝子(株)サイトッ
プ)をスピンナーを用いて形成した。蒸着後充分に洗浄
した基板をスピンナー回転部にセットし、0.005重
量%に希釈した溶剤をスピンナー回転中心部に0.5m
l滴下し、第1次回転数を3000RPMで1sec、
第2次回転数を5000RPMで4sec回転させた。
得た基板を加熱炉に入れて180℃で1時間の硬化を行
った。こうして表1からなり、分光特性が図1である実
施例1のガラス製光学部品における撥水性を有する反射
防止膜を製造した。
【0016】
【表1】
【0017】本実施例の反射防止膜について、撥水性お
よび耐擦傷性を評価した結果を表6に示すとともに、耐
擦傷性試験後の分光特性を図2に示す。本実施例のガラ
ス製光学部品における撥水性を有する反射防止膜は、高
い撥水性と優れた耐擦傷性を示し、分光特性にも劣化が
みられなかった。
【0018】
【実施例2】本実施例は、前記実施例1と同様の手法を
用いて表2の膜厚で2層からなる反射防止膜を成膜した
後、撥水層として、第3層目に、0.006重量%に希
釈した透明フッ素樹脂(旭硝子(株)サイトップ)をス
ピンナーを用いて光学的膜厚で10nm形成し、表2か
らなり、分光特性が図3である実施例2のガラス製光学
部品における撥水性を有する反射防止膜を製造した。
【0019】
【表2】
【0020】本実施例の反射防止膜について、撥水性お
よび耐擦傷性を評価した結果を表6に示すとともに、耐
擦傷性試験後の分光特性を図4に示す。前記実施例1と
同様に、本実施例のガラス製光学部品における撥水性を
有する反射防止膜も、高い撥水性と優れた耐擦傷性を示
し、分光特性にも変化がみられなかった。
【0021】
【実施例3】本実施例は、直径30mmのガラス基板
(SCHOTT製 BK11)を前記実施例1と同様の
条件で表3における基板より第1層から第3層の反射防
止膜を蒸着した。撥水層として、第4層目に、7nmの
光学的膜厚で透明フッ素樹脂(旭硝子(株)サイトッ
プ)をディッピングにより形成した。蒸着後充分に洗浄
した基板をホルダーにセットし、0.1重量%に希釈し
た溶剤に浸漬させ、成膜面に平行に6cm/分で引き上
げる。得た基板を加熱炉にいれ、180℃で1時間の硬
化を行った。こうして表3からなり、分光特性が図5で
ある実施例3のガラス製光学部品における撥水性を有す
る反射防止膜を製造した。
【0022】
【表3】
【0023】本実施例の反射防止膜について、撥水性お
よび耐擦傷性を評価した結果を表6に示すとともに、耐
擦傷性試験後の分光特性を図6に示す。前記実施例1と
同様に本実施例のガラス製光学部品における撥水性を有
する反射防止膜も、高い撥水性と優れた耐擦傷性を示
し、分光特性にも変化がみられなかった。
【0024】
【比較例1】実施例1において、撥水膜を形成せず、表
4の膜厚で、分光特性が図7である反射防止膜を比較例
1とする。比較例1の反射防止膜について、撥水性およ
び耐擦傷性を評価した結果を表6に示すとともに、耐擦
傷性試験後の分光特性を図8に示す。比較例1の反射防
止膜は、耐擦傷性は良いものの、撥水性を示さなかっ
た。
【0025】
【表4】
【0026】
【比較例2】実施例1と同様の手法を用いて表5の膜厚
で反射防止膜を成膜した後、撥水層として、第3層目に
0.007重量%に希釈した透明フッ素樹脂(旭硝子
(株)サイトップ)をスピンナーを用いて光学的膜厚で
10.5nm形成することにより、図9の分光特性を
得、比較例2のガラス製光学部品における撥水性を有す
る反射防止膜を製造した。
【0027】
【表5】
【0028】比較例2の反射防止膜について、撥水性お
よび耐擦傷性を評価した結果を表6に示すとともに、耐
擦傷性試験後の分光特性を図10に示す。比較例2の反
射防止膜は、撥水膜が厚すぎることから、耐擦傷性試験
により膜の剥離が生じ、分光特性において長波長側の反
射率の増加と共にピークが短波長側へシフトするという
問題となるレベルの変化がみられた。
【0029】得られたガラス製光学部品の性能は、以下
の方法に従って試験を行った。 (1)水に対する静止接触角 接触角計を使用し、室温下で直径1.7mmの水滴を針
先に作り、これをガラス基板に触れさせて水滴を作っ
た。この水滴と面との角度をすばやく測定した。 (2)耐擦傷性 スチールウール(♯000)をおよそ150gf/cm
2 の圧力で50往復こすりつけた後、傷の有無と分光特
性の変化を評価した。
【0030】本発明のガラス製光学部品における撥水性
を有する反射防止膜は、比較例1,2に比べて高い撥水
性と優れた耐擦傷性を示した。なお、反射防止膜の最表
層が前記各実施例以外の金属フッ化物についても、同様
の効果が得られた。また、反射防止膜において最上層を
除く他の材料は、SiO2 ,SiO,ZrO2 ,Al2
3 ,TiO,TiO2 ,Ti2 3 ,Y2 3 ,Yb
2 3 ,MgO,Ta2 5 ,CeO2 ,HfO2 等の
酸化物、MgF2 ,AlF3 ,BaF3 ,LiF,Ca
2 ,Na3 AlF6 ,Na5 Al3 14等のフッ化
物、Si3 4 等の窒化物、あるいはそれら2種以上の
混合物を用いても同様の効果が得られた。
【0031】
【表6】
【0032】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明に係るガラス
製光学部品における撥水性を有する反射防止膜によれ
ば、反射防止膜の効果を損なうことのない超薄膜の撥水
膜により、ガラス製光学部品表面に高性能かつ耐擦傷性
に優れた撥水性が付与された。表面エネルギーの低下に
より付着したほこりなどは極めて取り易く、表面に触れ
ることにより付着する人体から分泌される汗や油分等の
有機物も容易に拭き取ることができる。ガラス製光学部
品の汚れを除去するにあたって強く払拭する必要がな
く、反射防止膜を傷つけることもない。以上の優れた特
徴を持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を示すグラフである。
【図2】実施例1を示すグラフである。
【図3】実施例2を示すグラフである。
【図4】実施例2を示すグラフである。
【図5】実施例3を示すグラフである。
【図6】実施例3を示すグラフである。
【図7】比較例1を示すグラフである。
【図8】比較例1を示すグラフである。
【図9】比較例2を示すグラフである。
【図10】比較例2を示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス製光学部品の表面に形成される反
    射防止膜であって、少なくとも1層以上からなり最上層
    が金属フッ化物の反射防止膜の上に、透明フッ素樹脂の
    希釈溶液をディッピング法あるいはスピンナー法により
    塗布し、加熱硬化することによって形成した光学的膜厚
    が10nm以下である透明フッ素樹脂の撥水層を有する
    ことを特徴とするガラス製光学部品における撥水性を有
    する反射防止膜。
JP5172182A 1993-06-18 1993-06-18 ガラス製光学部品における撥水性を有する反射防止膜 Withdrawn JPH0781978A (ja)

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JP5172182A JPH0781978A (ja) 1993-06-18 1993-06-18 ガラス製光学部品における撥水性を有する反射防止膜

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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