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JPH0772078A - 赤外線式ガスセンサー - Google Patents

赤外線式ガスセンサー

Info

Publication number
JPH0772078A
JPH0772078A JP21871993A JP21871993A JPH0772078A JP H0772078 A JPH0772078 A JP H0772078A JP 21871993 A JP21871993 A JP 21871993A JP 21871993 A JP21871993 A JP 21871993A JP H0772078 A JPH0772078 A JP H0772078A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
wavelength
detected
filter
light source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21871993A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuro Kawamura
達朗 河村
Takayuki Takeuchi
孝之 竹内
Kenji Iijima
賢二 飯島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP21871993A priority Critical patent/JPH0772078A/ja
Publication of JPH0772078A publication Critical patent/JPH0772078A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被検出ガスの発生及び増加を、同時に存在す
る妨害ガスの発生及び増加に影響されることなく検出で
きる赤外線式ガスセンサーを提供する。 【構成】 被検出空間10に被検出ガスの吸収スペクト
ルである第1の波長λ1及びこれとは異なる第2の波長
λ2の光を照射し、妨害ガスの濃度を第2の波長λ2の
光を用いて測定し、測定された第1の波長λ1の光のに
対応するセンサーの出力6から第2の波長λ2の波長の
光に対応するセンサー7の出力を差分器8により差し引
きし補償する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検出空間における特
定のガスの発生及び増加を、当該被検出空間に共存する
他のガスの発生及び増加による影響を受けることなく検
出するガスセンサーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ガスセンサーとして、例えば
接触型化学センサーや赤外線分析計等が知られている。
接触型化学センサーは、センサー材料へのガス吸着によ
る熱化学的変化や電気化学的変化を測定するものであ
る。また、赤外線分析計は、基準セル、試料セル、干渉
セル等の数々のセルに赤外線を投射し、その吸収をコン
デンサーマイクロフォンで検出し、試料セル中のガス成
分を分析するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、接触型化学セ
ンサーの場合、センサー自身に被測定ガスが直接接触し
ない限り被測定ガスの発生又は増加を検出することがで
きない。従って、ガスの拡散速度をVd、許容検出時間
遅れをTdとすると、ガスの発生点からセンサーまでの
距離LはVd×Td以下にしなければならないという問
題点を有していた。また、一般的にガス選択性が悪く被
測定ガス以外のガスの発生による誤動作も多いという問
題点も有していた。一方、赤外線分析計の場合、赤外線
を透過する素材(CaF2、MgF2等)で作製されたセ
ル容器を複数用い、そのうち試料セルには吸引装置を付
加しなければならないため、装置の構成が大規模かつ複
雑になると言う問題点を有していた。本発明は、被検出
空間が大きく、共存ガスの影響を受けず、かつ簡単な構
成の赤外線式ガスセンサーを提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の赤外線式ガスセンサーは、光源と、
前記光源から発せられた光を被検出空間に投射する光学
系と、第1の波長λ1の光のみを所定の透過率Tf1で
透過する第1のフィルターと、前記被検出空間及び前記
第1のフィルターを透過した光の強度を測定する第1の
光センサーと、前記第1の波長λ1とは異なる第2の波
長λ2の光のみを所定の透過率Tf2で透過する第2の
フィルターと、前記被検出空間及び前記第2のフィルタ
ーを透過した光の強度を測定する第2の光センサー2
と、前記第1の光センサーの出力から前記第2の光セン
サーの出力を減算する減算手段と、前記減算手段からの
出力信号から前記被検出空間における前記第1の波長λ
1の光を吸収する被検出ガスの発生及び増加を検出する
検出手段とを具備するように構成されている。上記構成
において、光源は点滅可能であり、検出手段は、減算手
段からの出力を光源を点滅駆動するための駆動信号を参
照信号として位相検波することが好ましい。また、常時
点灯する光源を機械的チョッパーにより点滅させること
が好ましい。また、本発明の第2の赤外線式ガスセンサ
ーは、光源と、前記光源から発せられた光を被検出空間
に投射する光学系と、第1の波長λ1の光のみを所定の
透過率Tf1で透過する第1のフィルターと、前記第1
の波長λ1とは異なる第2の波長λ2の光のみを所定の
透過率Tf2で透過する第2のフィルターと、前記第1
及び第2のフィルターを交互に切り替える切り換え手段
と、前記被検出空間及び前記切り換え手段にり切り替え
られた前記第1又は第2のフィルターを透過した光の強
度を測定する光センサーと、前記切り換え手段の切り替
え信号を参照信号として前記光センサーの出力を位相検
波し、前記被検出空間における前記第1の波長λ1の光
を吸収する被検出ガスの発生及び増加を検出する検出手
段とを具備するように構成されている。上記構成におい
て、切り換え手段は、第1及び第2のフィルターを有
し、所定方向に回転するチョッピングブレードであるこ
とが好ましい。また、本発明の第3の赤外線式ガスセン
サーは、点滅可能な第1の光源と、第1の波長λ1の光
のみを所定の透過率Tf1で透過する第1のフィルター
と、前記第1の光源から発せられ前記第1のフィルター
を透過した光を被検出空間に投射する第1の光学系と、
点滅可能な第2の光源と、前記第1の波長λ1とは異な
る第2の波長λ2の光のみを所定の透過率Tf2で透過
するフィルター2と、前記第2の光源から発せられ前記
第2のフィルターを透過した光を前記被検出空間に投射
する第2の光学系と、前記被検出空間を透過した前記第
1の光源からの光及び前記第2の光源からの光のそれぞ
れの強度を測定する光センサーと、前記第1又は第2の
光源の点滅信号を参照信号として前記光センサーの出力
を位相検波し、前記被検出空間における前記第1の波長
λ1の光を吸収する被検出ガスの発生及び増加を検出す
る検出手段とを具備するように構成されている。上記構
成において、第1の光学系と第2の光学系とは同一の光
学系を兼用したものであることが好ましい。また、本発
明の第4の赤外線式ガスセンサーは、光源と、前記光源
から発せられた光を被検出空間に投射する光学系と、第
1の波長λ1の光のみを所定の透過率Tf1で透過する
第1のフィルターと、前記被検出空間及び前記第1のフ
ィルターを透過した光の強度を測定する第1の光センサ
ーと、前記第1の光センサーの出力を対数信号に変換す
る第1の対数変換手段と、前記第1の波長λ1とは異な
る第2の波長λ2の光のみを所定の透過率Tf2で透過
する第2のフィルターと、前記被検出空間及び前記第2
のフィルターを透過した光の測定を検知する第2の光セ
ンサーと、前記第2の光センサーの出力を対数信号に変
換する第2の対数変換手段と、前記第2の対数変換回路
の出力強度を調整する利得調整手段と、前記第1の対数
変換手段の出力から前記利得調整手段の出力を減算する
減算手段と、前記減算手段からの出力信号から前記被検
出空間における前記第1の波長λ1の光を吸収する被検
出ガスの発生及び増加を検出する検出手段とを具備する
ように構成されている。
【0005】
【作用】本発明の原理を以下に説明する。酸素、窒素等
の対称2原子分子、ヘリウム、アルゴン等の単原子分子
以外の分子は、赤外領域において各分子固有の吸収スペ
クトルを持っている。従って、被検出ガスの吸収スペク
トルの1つの吸収波長である第1の波長λ1の光を被検
出空間に投射し、この第1の波長λ1の光の吸収率を測
定することにより被検出ガスの発生及び増加を検出する
ことができる。しかし、一般的には、波長λ1の光を吸
収するガスが被検出ガスのみである場合は少なく、同時
に存在する他のガスも吸収を示す場合が多い。例えば、
メタンガスの吸収スペクトルの1つである7.7μm帯
域には、水蒸気の吸収スペクトルが重畳している。この
場合、波長7.7μmの光の吸収率はメタンガスと水蒸
気の濃度によって決定される。従って、この波長の吸収
率のみを測定していると、水蒸気の増加をメタンガスの
増加と誤検出してしまう。水蒸気は赤外域に広範な吸収
スペクトルを有し、これは水の会合状態によっては、更
に広がることがある。このほか、大気中に存在する二酸
化炭素、オゾン等も同様に広範な吸収スペクトルを有し
ており、これらの吸収スペクトルが全く重畳しない波長
に吸収スペクトルを有する分子は限られている。
【0006】妨害ガスの影響を受け易い分子濃度を検出
するには、妨害ガス濃度を他の波長で測定して、これを
用いて補償する必要がある。この詳細な方法を、数式を
用いて以下に説明する。なお、簡単のため吸収率でなく
透過率に置き換えて考える。被検出分子である第1の分
子と妨害分子である第2の分子が共存する大気中(被検
出空間)に光を投射したときの透過率は以下に示す(式
1)の様ないわゆるランベルト・ベールーの法則で表さ
れる。 T(λ)=T1(λ)・T2(λ) ・・・・(式1) ここで、 T1(λ)=EXP(−σ1(λ)・N1・L) T2(λ)=EXP(−σ2(λ)・N2・L) 但し、 T(λ) :波長λの光に対する被検出空間の透過率 T1(λ):第1の分子の吸収による波長λの光に対す
る被検出空間の透過率 T2(λ):第2の分子の吸収による波長λの光に対す
る被検出空間の透過率 σ1(λ):第1の分子の波長λの光に対する吸収断面
積 σ2(λ):第2の分子の波長λの光に対する吸収断面
積 N1 :単位体積当たりの第1の分子の数 N2 :単位体積当たりの第2の分子の数 L :被検出空間中の光路長 である。なお、上記(式1)は第1及び第2の分子の濃
度が十分に低く、互いの吸収断面積が干渉しない時のみ
成立するが、ガスセンサーが使用される一般的状況にお
いては、この条件は満足されていると考えてさしつかえ
ない。
【0007】第1の分子の検出に最も有利である吸収波
長(第1の波長)λ1を、その吸収断面積、光源の分光
放射発散度、光センサーの分光特性等に基づいて決定す
る。この時、第2の分子も第1の波長λ1において吸収
スペクトルを有するものとし、以下に示す条件式(式2
及び2’)を満足させる第2の波長λ2を選択する。 σ1(λ2)=0 ・・・・(式2) σ2(λ1)=σ2(λ2)>0 ・・・・(式2’) ここで、波長λ1、λ2に対する透過率の対数の差をS
lとして(式3)に示す。 Sl=ln(T(λ1))−ln(T(λ2)) =ln(T1(λ1)・T2(λ1)) −ln(T1(λ2)・T2(λ2)) =−σ1(λ1)・N1・L ・・・・(式3) このSlは、第2の分子の濃度N2にかかわらず、第1
の分子の濃度N1に比例する。すなわち、被検出分子の
発生及び増加を、共存する分子の妨害を受けることなく
検出することができる。
【0008】メタンガスの吸収断面積σは10-222
度(圧力等によって変化する)である。従って、1気圧
における検出濃度を1ppm=N=2.7×10
19-3,被検出空間の光路長Lを10mとした時、上記
(式1)の指数部分は以下に示す(式4)のようにな
る。 σ・N・L=2.7×10-2<<1 ・・・・(式4) (式4)の条件を満たす時、(式1)を以下に示す(式
5)のように表現してもさしつかえない。 T(λ)=1−σ1(λ)・N1・L−σ2(λ)・N2・L ・・・(式5) ここで、(式2)が成立していると、波長λ1、λ2に
対する透過率の差Sは(式6)のようになる。 S=T(λ1)−T(λ2) =1−σ1(λ1)・N1・L−σ2(λ1)・N2・L −(1−σ1(λ2)・N1・L−σ2(λ2)・N2・L) =−σ1(λ1)・N1・L ・・・・(式6) このSはSlと同様に、第2の分子の濃度N2にかかわ
らず、第1の分子の濃度N1に比例する。
【0009】次に、Sl、Sは(式2)の成立時のみ有
効であるので、(式2)の第2式(式2’)が成立しな
い時、すなわち第2の分子の波長λ1とλ2に対する吸
収断面積が等しくない時(第2の分子の吸収スペクトル
の分布から、この様にλ2を選択せざる得ない時がしば
しばある)を考える。それらの比をBとして(式7)に
示す。 B・σ2(λ1)=σ2(λ2) ・・・・(式7) (式7)が成立する時、波長λ1に対する透過率の対数
と、波長λ2に対する透過率の対数の1/Bとの差をS
l’として(式8)に示す。 Sl’=ln(T(λ1))−(1/B)・ln(T(λ2)) =−σ1(λ1)・N1・L−σ2(λ1)・N1・L +σ1(λ2)・N1・L/B+σ2(λ2)・N1・L/B =−σ1(λ1)・N1・L ・・・・(式8)
【0010】同様に、(式4)及び(式7)が成立する
時、波長λ1に対する透過率と、波長λ2に対する透過
率の1/Bとの差をS’として(式9)に示す。 S’=T(λ1)−(1/B)・T(λ2) =1−σ1(λ1)・N1・L−σ2(λ1)・N1・L −(1−σ1(λ2)・N1・L/B−σ2(λ2)・N1・L/B) =−σ1(λ1)・N1・L ・・・・(式9) これらSl’及びS’はSl及びSと同様に、第2の分
子の濃度N2にかかわらず、第1の分子の濃度N1に比
例する。
【0011】以上説明した原理に基づき、被検出空間に
被検出ガスの吸収スペクトルである第1の波長λ1とは
異なる第2の波長λ2の光を照射し、妨害ガスの濃度を
第2の波長λ2の光を用いて測定する。これを用いて第
1の波長λ1の光の吸収率を補償する。その結果、被検
出空間における特定ガスの発生及び増加を、同時に存在
する他のガスの影響を受けることなく検出する。
【0012】
【実施例】
<第1の実施例>本発明の赤外線式ガスセンサーの第1
の実施例を図1及び図2を用いて説明する。なお、本実
施例(以下の実施例も同様)は、メタンガスセンサーと
して用いられる場合を例として説明する。また、この第
1の実施例は、多くの場合に成立する(式4)を満たす
ときに有効である。図1は第1の実施例に係る赤外線式
ガスセンサーの構成を示すブロック図であろ。図1にお
いて、赤外線式ガスセンサーは、光源1と、光源1を点
滅駆動させるための駆動回路2と、光源1から発せられ
た光を被測定空間10に照射するための光学系3と、第
1の波長λ1の光のみを透過させる第1のフィルター4
と、被測定空間10及び第1のフィルター4を透過した
光の強度を検出するための第1の光センサー6と、第2
の波長λ2の光のみを透過させる第2のフィルター5
と、被測定空間10及び第2のフィルター5を透過した
光の強度を検出するための第2の光センサー7と、第1
の光センサー6の出力と第2の光センサー7の出力との
差信号を発生させる差分器8と、差分器8の出力を駆動
回路2の駆動信号を参照信号として位相検波するロック
インアンプ9とを具備するように構成されている。
【0013】光源1はSiC等による黒体炉でも良く、
また、点滅可能なランプでもよい。本実施例では、数H
zで点滅可能な20Wのハロゲンランプを用いた。第1
の波長λ1=7.65μmとし、第1のフィルター4は
波長λ1=7.65μm(帯域=0.2μm)の光のみ
を透過率Tf1=0.6で透過させる。第2の波長λ2
=5.25μmとし、第2のフィルター5は波長λ2=
5.25μm(帯域=0.2μm)の光のみを透過率Tf2
=0.6で透過させる。第1及び第2の光センサー6及
び7としては、感度の波長依存性がなく、冷却が不要な
焦電型光センサーを用いた。被検出空間10には、水蒸
気等を含んだごく標準的な大気が満たされている。この
第1の実施例では、ロックインアンプ9の出力が上記
(式6)に示したSに相当する。ロックインアンプ9の
出力をモニターすることにより、被検出空間10におけ
るメタンガスの発生を、湿度の増減による影響を受ける
ことなく検出することができた。
【0014】図1に示した第1及び第2のフィルター4
及び5、第1及び第2の光センサー6及び7、差分器8
を一体型構成にした素子の断面構成を図2に示す。図2
において、MgO等の基板11上にスパッタ法等により
Pt等の電極12が形成されている。電極12上にはP
bTiO3、LiTaO3,Pb1-xLaxTi1-x/4
3(x=0〜0.25)等の焦電材料をスパッタ法等に
よって同一方向に配向した薄膜13及び14が形成され
ている。焦電材料の薄膜13、14上には、それぞれス
パッタ法等により電極15及び16が形成されている。
電極15及び16の材料としては、赤外域の吸収率が良
いNiCr,Sb等を用いる。電極15及び16の上に
は、それぞれ誘電体多層膜干渉フィルター17及び18
が設けられている。誘電体多層膜干渉フィルター17及
び18は図1に示す第1及び第2のフィルター4及び5
に相当し、Si,Ge,Se,Te,LiF,NaF,
CaF 2,MgF2等で形成された薄膜の組み合わせによ
り構成されている。なお、焦電材料の薄膜13と14と
の間、電極15と16との間の各素子間は、薄膜形成時
にマスクを用いるか、又は形成後にエッチングによって
分離する。また、各誘電体多層膜干渉フィルター17及
び18はそれぞれ各材料の膜厚が異なるため、マスクを
取り替えて、個々に薄膜を作製する。図2に示す一体型
素子の場合、電極15と16との間の信号が差分器8の
信号に相当する。その理由は、焦電材料の薄膜13及び
14は同一方向に配向されているので、電極12を介し
てお互いに極性が向かい合うように接続されている。従
って、電極15と16との間の信号は、誘電体多層膜干
渉フィルター17及び18をそれぞれ別個に透過した赤
外線の強度の差に相当する。このような一体型素子は、
直径2〜6mm、厚さ2〜5mm程度の容器に収納する
ことができ、装置の小型化、簡単化、低廉化、堅牢化に
有効である。
【0015】なお、上記第1の実施例では、光源1を点
滅させる構成としたが、光源1を常時点灯させ、機械的
チョッパー等により光源1からの光をチョッピングして
も同様の効果が得られる。また、背景雑音が十分に小さ
く、第1及び第2の光センサー6及び7、及び差分器8
の直流的安定度が十分良い場合は、光源1の点滅、機械
的チョッパー、ロックインアンプ9は不要になる。さら
に、第1の実施例では、第1の波長λ1と第2の波長λ
2に対する第2の分子の吸収断面積が等しい場合を示し
たが、これらが等しくない場合、(式7)及び(式9)
で示したように、第2のフィルター5の透過率Tf2を
1/Bにするか、または第2の光センサー7の感度もし
くはその後に挿入した増幅器の利得を1/Bにすれば良
い。
【0016】<第2の実施例>次に、本発明の赤外線式
ガスセンサーの第2の実施例を図3を用いて説明する。
なお、第2の実施例も、多くの場合成立する(式4)を
満たすときに有効である。また、図1に示す第1の実施
例と同一の番号を付した構成要素は実質的に同一である
ため、その説明を省略する。図3において、光源1は電
源19により一定強度で発光される。被測定空間10を
挟んで光学系3に対向するようにチョッピングブレード
20が設けられている。チョッピングブレード20は、
図1に示す第1の実施例における第1及び第2のフィル
ター4及び5と同じ特性を有するフィルターを少なくと
も1組有している。このチョッピングブレード20は制
御器21により回転され、第1の波長λ1の光のみを透
過させる第1のフィルター20a及び第2の波長λ2の
光のみを透過させる第2のフィルター20bを切り替え
るセレクター(切り換え手段)として機能する。光セン
サー6には、第1のフィルター20aを透過した光と第
2のフィルター20bを透過した光とが交互に到達す
る。また、制御器21からロックインアンプ9に参照信
号が供給される。ロックインアンプ9は、光センサー6
からの出力を参照信号に基づいて位相検波する。このロ
ックインアンプ9の出力がメタンガスの発生及び増加を
示す。この第2の実施例は、黒体炉のような発光強度は
大きいが熱容量も大きく点滅不可能な光源を用いる場合
や、太陽光等の背景光を利用するときに有効である。ま
た、第2の実施例では光センサーを1個しか用いていな
いため、第1の実施例と異なり光センサーの感度のばら
つきによる影響を受けることはない。
【0017】<第3の実施例>次に、本発明の赤外線式
ガスセンサーの第3の実施例を図4を用いて説明する。
なお、第3の実施例も、多くの場合成立する(式4)を
満たすときに有効である。また、図1に示す第1の実施
例と同一の番号を付した構成要素は実質的に同一である
ため、その説明を省略する。図4において、第1及び第
2の光源22及び23はそれぞれ点滅可能であり、駆動
回路24により交互に点灯される。駆動回路24の駆動
信号はロックインアンプ9に参照信号として供給され
る。光学系25は第1及び第2の光源22及び23から
発せられた光を被検出空間10に投射するものであり、
その直径は第1の光源22と第2の光源23との間隔よ
りも十分大きく、第1及び第2の光源22及び23から
の光を等価的に被検出空間10に投射する。光センサー
6には、第1の光源22から発せられ被検出空間10及
び第1のフィルター20aを透過した光と第2の光源2
3から発せられ被検出空間10及び第2のフィルター2
0bを透過した光とが交互に到達する。光センサー6の
出力をロックインアンプ9により位相検波する。ロック
インアンプ9の出力がメタンガスの発生及び増加を示
す。
【0018】第3の実施例は、第1及び第2のフィルタ
ー20a及び20bの透過率Tf1及びTf2の精度が
不十分な場合であっても有効に機能し得る。その理由を
以下に説明する。一般的に、第1及び第2のフィルター
20a及び20bとして誘電体多層膜干渉フィルターを
用い、その透過波長及び透過率は各薄膜の膜厚及び材料
の屈折率で制御する。しかし、透過波長及び透過率を独
立して制御することは不可能であるため、第1及び第2
のフィルター20a及び20bのように、それぞれ透過
波長が異なり、かつ互いの透過率比が任意に設定されて
いるフィルターを作製するのは、必ずしも容易でない。
一方、本発明の場合、透過波長には極めて高い精度が要
求されるため、透過率の作製精度が多少犠牲にされる場
合があり得る。このように透過率の制度が多少不十分な
場合であっても、第1及び第2の光源22及び23の発
光強度を制御することにより、第1及び第2のフィルタ
ー20a及び20bの透過率Tf1及びTf2の誤差を
補償することが可能となる。なお、第3の実施例では光
センサーを1個しか用いていないため、第2の実施例の
場合と同様に、光センサーの感度にばらつきによる影響
を受けることはない。
【0019】<第4の実施例>次に、本発明の赤外線式
ガスセンサーの第4の実施例を図5を用いて説明する。
なお、第4の実施例は、(式4)が必ずしも満たされて
いない時にも有効である。また、図1に示す第1の実施
例と同一の符号を付した構成要素は実質的に同一である
ため、その説明を省略する。図5において、第1及び第
2の光センサー6及び7にはそれぞれ第1及び第2の対
数変換回路26及び27が接続されており、第1及び第
2の光センサー6及び7の出力は対数に変換される。利
得調整回路28は第2の対数変換回路27に接続され、
第2の対数変換回路7の出力強度を制御する。差分器8
は第1の対数変換回路26の出力と利得調整回路28の
出力との差信号を発生する。ロックインアンプ9により
差分器8の出力を位相検波する。このロックインアンプ
9の出力が被検出ガスの発生及び増加を示す。
【0020】利得調整回路28の利得は、(式2)が成
立するときは1に設定し、また(式2)が成立しない時
は(式7)及び(式8)により1/Bに設定すれば良
い。さらに、利得調整回路28の利得を適当に調整する
ことにより、第1及び第2の光センサー6及び7の感度
のばらつき、第1及び第2のフィルター4及び5の透過
率の誤差を補償することができる。なお、背景雑音が十
分に小さく、第1及び第2の光センサー6及び7、差分
器8、利得調整回路28の直流的安定度が十分良い場合
は、光源1の点滅、機械的チョッパー、ロックインアン
プ9は不要になる。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、被検出
空間に被検出ガスの吸収スペクトルである第1の波長λ
1及びこれとは異なる第2の波長λ2の光を照射し、妨
害ガスの濃度を第2の波長λ2の光を用いて測定し、測
定された第1の波長λ1の光のに対応するセンサーの出
力から第2の波長λ2の波長の光に対応するセンサーの
出力を差し引きし補償するので、被検出空間における特
定ガスの発生及び増加を、同時に存在する他のガスの影
響を受けることなく検出することができるという効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤外線式ガスセンサーの第1の実施例
の構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施例における第1及び第2の
フィルター、第1及び第2の光センサー及び差分器を一
体型構成にした素子の構成を示す断面図
【図3】本発明の赤外線式ガスセンサーの第2の実施例
の構成を示すブロック図
【図4】本発明の赤外線式ガスセンサーの第3の実施例
の構成を示すブロック図
【図5】本発明の赤外線式ガスセンサーの第4の実施例
の構成を示すブロック図
【符号の説明】 1:光源 2:駆動回路 3:光学系 4:第1のフィルター 5:第2のフィルター 6:第1の光センサー 7:第2の光センサー 8:差分器 9:ロックインアンプ 10:被検出空間 11:基板 12:電極 13:焦電材料の薄膜 14:焦電材料の薄膜 15:電極 16:電極 17:フィルター 18:フィルター 19:電源 20:チョッピングブレード 21:制御器 22:第1の光源 23:第2の光源 24:駆動回路 25:光学系 26:第1の対数変換回路 27:第2の対数変換回路 28:利得調整回路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、前記光源から発せられた光を被
    検出空間に投射する光学系と、第1の波長λ1の光のみ
    を所定の透過率Tf1で透過する第1のフィルターと、
    前記被検出空間及び前記第1のフィルターを透過した光
    の強度を測定する第1の光センサーと、前記第1の波長
    λ1とは異なる第2の波長λ2の光のみを所定の透過率
    Tf2で透過する第2のフィルターと、前記被検出空間
    及び前記第2のフィルターを透過した光の強度を測定す
    る第2の光センサー2と、前記第1の光センサーの出力
    から前記第2の光センサーの出力を減算する減算手段
    と、前記減算手段からの出力信号から前記被検出空間に
    おける前記第1の波長λ1の光を吸収する被検出ガスの
    発生及び増加を検出する検出手段とを具備する赤外線式
    ガスセンサー。
  2. 【請求項2】 光源は点滅可能であり、検出手段は、減
    算手段からの出力を光源を点滅駆動するための駆動信号
    を参照信号として位相検波することを特徴とする請求項
    1記載の赤外線式ガスセンサー。
  3. 【請求項3】 常時点灯する光源を機械的チョッパーに
    より点滅させたことを特徴とする請求項2記載の赤外線
    式ガスセンサー。
  4. 【請求項4】 光源と、前記光源から発せられた光を被
    検出空間に投射する光学系と、第1の波長λ1の光のみ
    を所定の透過率Tf1で透過する第1のフィルターと、
    前記第1の波長λ1とは異なる第2の波長λ2の光のみ
    を所定の透過率Tf2で透過する第2のフィルターと、
    前記第1及び第2のフィルターを交互に切り替える切り
    換え手段と、前記被検出空間及び前記切り換え手段にり
    切り替えられた前記第1又は第2のフィルターを透過し
    た光の強度を測定する光センサーと、前記切り換え手段
    の切り替え信号を参照信号として前記光センサーの出力
    を位相検波し、前記被検出空間における前記第1の波長
    λ1の光を吸収する被検出ガスの発生及び増加を検出す
    る検出手段とを具備する赤外線式ガスセンサー。
  5. 【請求項5】 切り換え手段は、第1及び第2のフィル
    ターを有し、所定方向に回転するチョッピングブレード
    であることを特徴とする請求項4記載の赤外線式ガスセ
    ンサー。
  6. 【請求項6】 点滅可能な第1の光源と、第1の波長λ
    1の光のみを所定の透過率Tf1で透過する第1のフィ
    ルターと、前記第1の光源から発せられ前記第1のフィ
    ルターを透過した光を被検出空間に投射する第1の光学
    系と、点滅可能な第2の光源と、前記第1の波長λ1と
    は異なる第2の波長λ2の光のみを所定の透過率Tf2
    で透過するフィルター2と、前記第2の光源から発せら
    れ前記第2のフィルターを透過した光を前記被検出空間
    に投射する第2の光学系と、前記被検出空間を透過した
    前記第1の光源からの光及び前記第2の光源からの光の
    それぞれの強度を測定する光センサーと、前記第1又は
    第2の光源の点滅信号を参照信号として前記光センサー
    の出力を位相検波し、前記被検出空間における前記第1
    の波長λ1の光を吸収する被検出ガスの発生及び増加を
    検出する検出手段とを具備する赤外線式ガスセンサー。
  7. 【請求項7】 第1の光学系と第2の光学系とは同一の
    光学系を兼用したものであることを特徴とする請求項6
    記載の赤外線式ガスセンサー。
  8. 【請求項8】 光源と、前記光源から発せられた光を被
    検出空間に投射する光学系と、第1の波長λ1の光のみ
    を所定の透過率Tf1で透過する第1のフィルターと、
    前記被検出空間及び前記第1のフィルターを透過した光
    の強度を測定する第1の光センサーと、前記第1の光セ
    ンサーの出力を対数信号に変換する第1の対数変換手段
    と、前記第1の波長λ1とは異なる第2の波長λ2の光
    のみを所定の透過率Tf2で透過する第2のフィルター
    と、前記被検出空間及び前記第2のフィルターを透過し
    た光の測定を検知する第2の光センサーと、前記第2の
    光センサーの出力を対数信号に変換する第2の対数変換
    手段と、前記第2の対数変換回路の出力強度を調整する
    利得調整手段と、前記第1の対数変換手段の出力から前
    記利得調整手段の出力を減算する減算手段と、前記減算
    手段からの出力信号から前記被検出空間における前記第
    1の波長λ1の光を吸収する被検出ガスの発生及び増加
    を検出する検出手段とを具備する赤外線式ガスセンサ
    ー。
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