JPH0771804B2 - 炭素繊維プリプレグ及び炭素繊維強化樹脂 - Google Patents
炭素繊維プリプレグ及び炭素繊維強化樹脂Info
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- JPH0771804B2 JPH0771804B2 JP3224779A JP22477991A JPH0771804B2 JP H0771804 B2 JPH0771804 B2 JP H0771804B2 JP 3224779 A JP3224779 A JP 3224779A JP 22477991 A JP22477991 A JP 22477991A JP H0771804 B2 JPH0771804 B2 JP H0771804B2
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- carbon
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素繊維をマトリック
ス樹脂層内に一方向に配列してなる炭素繊維プリプレ
グ,及びこれを積層してなる炭素繊維強化樹脂に関し、
特に炭素繊維による強度,弾性率に優れた特性を有しな
がら、耐衝撃性,靱性を向上でき、かつマトリックス樹
脂との濡れ性,接着性を向上して品質に対する信頼性を
向上できるようにした構造に関する。
ス樹脂層内に一方向に配列してなる炭素繊維プリプレ
グ,及びこれを積層してなる炭素繊維強化樹脂に関し、
特に炭素繊維による強度,弾性率に優れた特性を有しな
がら、耐衝撃性,靱性を向上でき、かつマトリックス樹
脂との濡れ性,接着性を向上して品質に対する信頼性を
向上できるようにした構造に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維強化プラスチック(以下、CF
RPと略す)は、他の繊維強化プラスチックに比べて強
度,弾性率,あるいは軽量性等において優れた力学的特
性を有していることから、航空,宇宙,スポーツレジャ
ー等の様々な分野で応用されており、その需要量も増大
している。しかし、上記CFRPは強度,弾性率等に優
れているものの、耐衝撃性,靱性に劣るという欠点を抱
えており、このため航空機等の構造部材として採用する
にはこの点での改善が必要である。このようなCFRP
における耐衝撃性,靱性を改善するために、従来、炭素
繊維とアラミド繊維とのハイブリッド繊維強化プラスチ
ックがある。また、特開昭58-90943号公報には、炭素繊
維と芳香族ポリアミド繊維とからなる繊維強化複合部材
が提案されている。
RPと略す)は、他の繊維強化プラスチックに比べて強
度,弾性率,あるいは軽量性等において優れた力学的特
性を有していることから、航空,宇宙,スポーツレジャ
ー等の様々な分野で応用されており、その需要量も増大
している。しかし、上記CFRPは強度,弾性率等に優
れているものの、耐衝撃性,靱性に劣るという欠点を抱
えており、このため航空機等の構造部材として採用する
にはこの点での改善が必要である。このようなCFRP
における耐衝撃性,靱性を改善するために、従来、炭素
繊維とアラミド繊維とのハイブリッド繊維強化プラスチ
ックがある。また、特開昭58-90943号公報には、炭素繊
維と芳香族ポリアミド繊維とからなる繊維強化複合部材
が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の炭素繊維とアラミド繊維とのハイブリッド強化プラ
スチックでは、靱性,耐衝撃性を改善するには上記アラ
ミド繊維を相当多量に添加しなければならないことか
ら、炭素繊維の特長である弾性率を低下させてしまうと
いう問題点がある。また、上記アラミド繊維はマトリッ
クス樹脂との濡れ性,接着性が悪いことから、剛性,強
度が低下し易く、品質に対する信頼性が低いという問題
もある。一方、上記従来公報によれば、炭素繊維と芳香
族ポリアミド繊維との繊維強化複合部材は、この両繊維
の長所を生かすことによって、炭素繊維の場合の耐衝撃
性の不足,及びアラミド繊維の場合の弾性率の不足を改
善でき、特にアラミド繊維の代表であるケプラー(米国
デュポン社の登録商標)に比べて耐衝撃性,及びマトリ
ックス樹脂との接着性を改善できることが記載されてい
る。しかし、上記繊維強化複合部材においても上述の用
途からして強度,弾性率,耐衝撃性等の力学的特性の向
上の点では不充分であり、この点での改善が要請されて
いる。
来の炭素繊維とアラミド繊維とのハイブリッド強化プラ
スチックでは、靱性,耐衝撃性を改善するには上記アラ
ミド繊維を相当多量に添加しなければならないことか
ら、炭素繊維の特長である弾性率を低下させてしまうと
いう問題点がある。また、上記アラミド繊維はマトリッ
クス樹脂との濡れ性,接着性が悪いことから、剛性,強
度が低下し易く、品質に対する信頼性が低いという問題
もある。一方、上記従来公報によれば、炭素繊維と芳香
族ポリアミド繊維との繊維強化複合部材は、この両繊維
の長所を生かすことによって、炭素繊維の場合の耐衝撃
性の不足,及びアラミド繊維の場合の弾性率の不足を改
善でき、特にアラミド繊維の代表であるケプラー(米国
デュポン社の登録商標)に比べて耐衝撃性,及びマトリ
ックス樹脂との接着性を改善できることが記載されてい
る。しかし、上記繊維強化複合部材においても上述の用
途からして強度,弾性率,耐衝撃性等の力学的特性の向
上の点では不充分であり、この点での改善が要請されて
いる。
【0004】本発明の目的は、炭素繊維の特長を犠牲に
することなく耐衝撃性,靱性を向上でき、かつマトリッ
クス樹脂との濡れ性,接着性を向上して品質に対する信
頼性を向上でき、ひいては繊維強化部材に要求される全
ての特性を向上して上述の要請に応えられる炭素繊維プ
リプレグ及びこのプリプレグからなる炭素繊維強化部材
を提供することにある。
することなく耐衝撃性,靱性を向上でき、かつマトリッ
クス樹脂との濡れ性,接着性を向上して品質に対する信
頼性を向上でき、ひいては繊維強化部材に要求される全
ての特性を向上して上述の要請に応えられる炭素繊維プ
リプレグ及びこのプリプレグからなる炭素繊維強化部材
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで請求項1の発明
は、マトリックス樹脂層に一方向に炭素繊維を埋設して
なる素層に、線径 100μm 以下, 引張強度300 〜700 kg
f/mm2 , 破断絞り20%以上の鋼繊維からなる撚り線を上
記炭素繊維に対する鋼繊維の含有率が10容積%以下とな
るように上記炭素繊維と同一方向に混合したことを特徴
とする炭素繊維プリプレグである。また、請求項2の発
明は、請求項1の鋼繊維の単線を、上記炭素繊維と同一
方向に、かつ均一,微細に分散させて混合したことを特
徴とする炭素繊維プリプレグである。さらに請求項3の
発明は、請求項1又は2の炭素繊維プリプレグを積層し
たことを特徴とする炭素繊維強化樹脂であり、請求項4
の発明は上記鋼繊維がめっきされていることを、請求項
5の発明は上記鋼繊維が低炭素二相組織鋼線であること
を、請求項6の発明は上記めっきがNiめっきであるこ
とをそれぞれ特徴としている。
は、マトリックス樹脂層に一方向に炭素繊維を埋設して
なる素層に、線径 100μm 以下, 引張強度300 〜700 kg
f/mm2 , 破断絞り20%以上の鋼繊維からなる撚り線を上
記炭素繊維に対する鋼繊維の含有率が10容積%以下とな
るように上記炭素繊維と同一方向に混合したことを特徴
とする炭素繊維プリプレグである。また、請求項2の発
明は、請求項1の鋼繊維の単線を、上記炭素繊維と同一
方向に、かつ均一,微細に分散させて混合したことを特
徴とする炭素繊維プリプレグである。さらに請求項3の
発明は、請求項1又は2の炭素繊維プリプレグを積層し
たことを特徴とする炭素繊維強化樹脂であり、請求項4
の発明は上記鋼繊維がめっきされていることを、請求項
5の発明は上記鋼繊維が低炭素二相組織鋼線であること
を、請求項6の発明は上記めっきがNiめっきであるこ
とをそれぞれ特徴としている。
【0006】ここで、本発明のプリプレグには、マトリ
ックス樹脂層内に炭素繊維と鋼繊維とを個別に配置した
ものと、両繊維を予め合糸したものを配置したものの両
方が含まれる。また上記鋼繊維は炭素繊維とマトリック
ス樹脂層とからなる素層内あるいは素層間のいずれにも
配置混合できるが、素層間に配置した場合は、素層間に
応力段差が発生し易く、効果が低減するおそれがあるこ
とから、素層内に配置するのがより好ましい。さらに鋼
繊維の配置間隔は、等間隔でも、あるいはランダムでも
よい。
ックス樹脂層内に炭素繊維と鋼繊維とを個別に配置した
ものと、両繊維を予め合糸したものを配置したものの両
方が含まれる。また上記鋼繊維は炭素繊維とマトリック
ス樹脂層とからなる素層内あるいは素層間のいずれにも
配置混合できるが、素層間に配置した場合は、素層間に
応力段差が発生し易く、効果が低減するおそれがあるこ
とから、素層内に配置するのがより好ましい。さらに鋼
繊維の配置間隔は、等間隔でも、あるいはランダムでも
よい。
【0007】また、本発明における撚り線には、複数の
鋼繊維を撚り合わせたものだけでなく、合糸したいわゆ
るヤーンも含まれる。また上記鋼繊維としては、低炭素
二相組織鋼線だけでなく、ピアノ線,ステンレス線を採
用できる。ここで低炭素二相組織鋼線は、本件出願人が
先に提案したもので、これは重量%でC:0,01〜0.50
%、Si:3.0 %以下、Mn:5.0 %以下、残部Fe及
び不可避不純物からなる線径0,01〜0.50mmの線材を一次
熱処理,及び一次冷間伸線、二次熱処理,及び二次冷間
伸線により線径100 μm 以下に強加工して製造されたも
のである( 特開昭62-20824号公報参照) 。上記方法によ
り製造された低炭素二相組織鋼線は、上記強加工による
加工セルが一方向に繊維状に配列された繊維状微細金属
組織を有しており、かつ上記加工セルの大きさ, 繊維間
隔が5 〜100 Å、50〜1000Åであり、さらに引張強度が
300 kgf/mm2 以上である。このような低炭素二相組織鋼
線を金属繊維として採用することによって、極めて少量
の添加量で破断時の伸びを大きくでき、かつ衝撃に対す
る抵抗を大幅に向上できる。
鋼繊維を撚り合わせたものだけでなく、合糸したいわゆ
るヤーンも含まれる。また上記鋼繊維としては、低炭素
二相組織鋼線だけでなく、ピアノ線,ステンレス線を採
用できる。ここで低炭素二相組織鋼線は、本件出願人が
先に提案したもので、これは重量%でC:0,01〜0.50
%、Si:3.0 %以下、Mn:5.0 %以下、残部Fe及
び不可避不純物からなる線径0,01〜0.50mmの線材を一次
熱処理,及び一次冷間伸線、二次熱処理,及び二次冷間
伸線により線径100 μm 以下に強加工して製造されたも
のである( 特開昭62-20824号公報参照) 。上記方法によ
り製造された低炭素二相組織鋼線は、上記強加工による
加工セルが一方向に繊維状に配列された繊維状微細金属
組織を有しており、かつ上記加工セルの大きさ, 繊維間
隔が5 〜100 Å、50〜1000Åであり、さらに引張強度が
300 kgf/mm2 以上である。このような低炭素二相組織鋼
線を金属繊維として採用することによって、極めて少量
の添加量で破断時の伸びを大きくでき、かつ衝撃に対す
る抵抗を大幅に向上できる。
【0008】さらに本発明のマトリックス樹脂には、エ
ポキシ樹脂,フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、あるい
はポリエステル,ポリアミド等の熱可塑性樹脂が採用で
きる。
ポキシ樹脂,フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、あるい
はポリエステル,ポリアミド等の熱可塑性樹脂が採用で
きる。
【0009】
【作用】ここで本発明の強化機構について説明する。複
合材の強度は、一般的には、複合材強度=強化材強度×
容積%+母材強度×容積%で表される。即ち、複合材強
度は、強化材強度とその容積%に依拠しており、従って
強化材強度が高い程、添加すべき容積%は少なくて済む
ことになる。通常のケプラー,アラミド繊維などの補強
材は、複合材強度を数%アップさせるためには、これら
の繊維も数%程添加する必要がある。つまりそれなりの
容積%を添加しなければ強度が上がらず、その分軽量化
の観点からはマイナスとなる。これに対して本発明の鋼
繊維では、後述する実施例のごとく、1%の添加で強度
が20%向上する、あるいは0.5%程度の添加でも10%程
度の向上が図れる等の通常の複合材の常識では考えにく
い強度向上率が図れるとともに、炭素繊維プリプレグあ
るいは強化樹脂の致命的欠陥であった破壊靭性(シャル
ピー衝撃強度)を飛躍的に向上させることができる。こ
れは上述した強度向上原理のみでは説明できない本発明
独特の効果である。即ち、従来のCFRPでは、大きな
外力が加わると、元々脆い炭素繊維に破断が生じ、これ
が主として樹脂の亀裂として炭素繊維と垂直方向に伝播
していき、結果として複合材の破壊につながる。これに
対して本発明では上述の特性を有する鋼繊維が存在する
ので、亀裂の伝播が食い止められる、又は鋼繊維自体の
靭性,強度により炭素繊維自体の破断が防止でき、その
効果により、全体の強度が向上するものと考えられる。
従って、本発明でいう鋼繊維とは、それ自体、優れた靭
性を有する必要があり、破断絞りで20%以上,好ましく
は50%以上を有する鋼を言い、例えば表2に示すような
低炭素二相組織鋼線,ピアノ線,ステンレス線が採用で
きる。鋼繊維の強度が高いだけでは上述の軽量化には寄
与するものの、靭性がなければ、炭素繊維そのものの破
断を防止する効果がなく、本発明の優れた破壊靭性が得
られない。例えばケプラー,アラミド繊維などは靭性が
破断絞りで5%程度であって、このような効果を持ち得
ない。又他のタングステン,チタンなどの金属線も同様
である。
合材の強度は、一般的には、複合材強度=強化材強度×
容積%+母材強度×容積%で表される。即ち、複合材強
度は、強化材強度とその容積%に依拠しており、従って
強化材強度が高い程、添加すべき容積%は少なくて済む
ことになる。通常のケプラー,アラミド繊維などの補強
材は、複合材強度を数%アップさせるためには、これら
の繊維も数%程添加する必要がある。つまりそれなりの
容積%を添加しなければ強度が上がらず、その分軽量化
の観点からはマイナスとなる。これに対して本発明の鋼
繊維では、後述する実施例のごとく、1%の添加で強度
が20%向上する、あるいは0.5%程度の添加でも10%程
度の向上が図れる等の通常の複合材の常識では考えにく
い強度向上率が図れるとともに、炭素繊維プリプレグあ
るいは強化樹脂の致命的欠陥であった破壊靭性(シャル
ピー衝撃強度)を飛躍的に向上させることができる。こ
れは上述した強度向上原理のみでは説明できない本発明
独特の効果である。即ち、従来のCFRPでは、大きな
外力が加わると、元々脆い炭素繊維に破断が生じ、これ
が主として樹脂の亀裂として炭素繊維と垂直方向に伝播
していき、結果として複合材の破壊につながる。これに
対して本発明では上述の特性を有する鋼繊維が存在する
ので、亀裂の伝播が食い止められる、又は鋼繊維自体の
靭性,強度により炭素繊維自体の破断が防止でき、その
効果により、全体の強度が向上するものと考えられる。
従って、本発明でいう鋼繊維とは、それ自体、優れた靭
性を有する必要があり、破断絞りで20%以上,好ましく
は50%以上を有する鋼を言い、例えば表2に示すような
低炭素二相組織鋼線,ピアノ線,ステンレス線が採用で
きる。鋼繊維の強度が高いだけでは上述の軽量化には寄
与するものの、靭性がなければ、炭素繊維そのものの破
断を防止する効果がなく、本発明の優れた破壊靭性が得
られない。例えばケプラー,アラミド繊維などは靭性が
破断絞りで5%程度であって、このような効果を持ち得
ない。又他のタングステン,チタンなどの金属線も同様
である。
【0010】
【表2】
【0011】請求項1の発明にかかる炭素繊維プリプレ
グによれば、炭素繊維とマトリックス樹脂層とからなる
素層に鋼繊維からなる撚り線(ヤーンも含む)を炭素繊
維と同一方向に配置混合したので、炭素繊維により高強
度,高弾性率を確保しながら、鋼繊維により耐衝撃性,
靱性を向上でき、さらに上記両繊維の軸方向に対する引
張,曲げ,等に対する強度を飛躍的に向上でき、炭素繊
維強化部材としての力学的特性の全てを満足できる。ま
た、上記鋼繊維を10容積%以下と少量添加するだけで上
記特性が得られることから、従来のアラミド繊維のよう
に大量に添加する必要がなく、そのため炭素繊維による
高弾性率等の特長を犠牲にすることなくハイブリッド化
でき、かつ金属繊維を用いた場合の欠点である重量の増
大を回避でき、軽量化に対応できる。さらに、上記鋼繊
維はマトリックス樹脂との濡れ性,接着性が良いことか
ら、剛性,強度の低下を回避して品質に対する信頼性を
向上できる。また、請求項2の発明によれば、上記マト
リックス樹脂層内に鋼繊維を炭素繊維と同一方向に混合
したので、この場合にも上記請求項1の発明と同様に力
学的特性の全てを向上できる。そしてこの場合、鋼繊維
を単線とし、かつ均一,微細に分散させたので、特性を
均一化できる。また鋼繊維を特性向上の必要な部分のみ
に混合することもできるので、効率良く特性を向上で
き、結果的に軽量化に貢献できる。また、鋼繊維が均
一,微細に配置されているので、上述の亀裂の伝播をよ
り確実に食い止めることができ、この点からさらに全体
の強度を向上できる。 さらに、請求項3の発明では、
上記炭素繊維プリプレグを積層して炭素繊維強化樹脂を
構成したので、例えば航空機等の構造部材に採用した場
合に必要な力学的特性の全てを満足でき、上述の要請に
応えられる。また請求項4の発明では、鋼繊維にめっき
を施しており、特に請求項6のようにNiめっきを施し
た場合はマトリックス樹脂との濡れ性,接着性をさらに
向上できる。しかも線径 100μm以下の鋼繊維を採用し
た場合の素線の活性度を抑制できるとともに、自己潤滑
性,及び耐蝕性を向上できる。さらにまた請求項5の発
明において鋼繊維に採用した低炭素二相組織鋼線は、冷
間加工性に優れており、線材の線径及び加工度を適宜選
択することにより、 100μm 以下のものを容易に得るこ
とができる。しかもこの鋼線は上述の強化メカニズムで
説明したように、引張強度, 弾性率, 伸び,靱性におい
ても優れた特性を有する。従って、この低炭素二相組織
鋼線を採用した場合は、さらに上記力学的特性を向上で
きる。
グによれば、炭素繊維とマトリックス樹脂層とからなる
素層に鋼繊維からなる撚り線(ヤーンも含む)を炭素繊
維と同一方向に配置混合したので、炭素繊維により高強
度,高弾性率を確保しながら、鋼繊維により耐衝撃性,
靱性を向上でき、さらに上記両繊維の軸方向に対する引
張,曲げ,等に対する強度を飛躍的に向上でき、炭素繊
維強化部材としての力学的特性の全てを満足できる。ま
た、上記鋼繊維を10容積%以下と少量添加するだけで上
記特性が得られることから、従来のアラミド繊維のよう
に大量に添加する必要がなく、そのため炭素繊維による
高弾性率等の特長を犠牲にすることなくハイブリッド化
でき、かつ金属繊維を用いた場合の欠点である重量の増
大を回避でき、軽量化に対応できる。さらに、上記鋼繊
維はマトリックス樹脂との濡れ性,接着性が良いことか
ら、剛性,強度の低下を回避して品質に対する信頼性を
向上できる。また、請求項2の発明によれば、上記マト
リックス樹脂層内に鋼繊維を炭素繊維と同一方向に混合
したので、この場合にも上記請求項1の発明と同様に力
学的特性の全てを向上できる。そしてこの場合、鋼繊維
を単線とし、かつ均一,微細に分散させたので、特性を
均一化できる。また鋼繊維を特性向上の必要な部分のみ
に混合することもできるので、効率良く特性を向上で
き、結果的に軽量化に貢献できる。また、鋼繊維が均
一,微細に配置されているので、上述の亀裂の伝播をよ
り確実に食い止めることができ、この点からさらに全体
の強度を向上できる。 さらに、請求項3の発明では、
上記炭素繊維プリプレグを積層して炭素繊維強化樹脂を
構成したので、例えば航空機等の構造部材に採用した場
合に必要な力学的特性の全てを満足でき、上述の要請に
応えられる。また請求項4の発明では、鋼繊維にめっき
を施しており、特に請求項6のようにNiめっきを施し
た場合はマトリックス樹脂との濡れ性,接着性をさらに
向上できる。しかも線径 100μm以下の鋼繊維を採用し
た場合の素線の活性度を抑制できるとともに、自己潤滑
性,及び耐蝕性を向上できる。さらにまた請求項5の発
明において鋼繊維に採用した低炭素二相組織鋼線は、冷
間加工性に優れており、線材の線径及び加工度を適宜選
択することにより、 100μm 以下のものを容易に得るこ
とができる。しかもこの鋼線は上述の強化メカニズムで
説明したように、引張強度, 弾性率, 伸び,靱性におい
ても優れた特性を有する。従って、この低炭素二相組織
鋼線を採用した場合は、さらに上記力学的特性を向上で
きる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図について説明す
る。図1ないし図3は請求項1の発明に係る第1実施例
の炭素繊維プリプレグ及びこれを用いた炭素繊維強化樹
脂を説明するための図である。図において、1は炭素繊
維強化樹脂であり、これは炭素繊維プリプレグ2を複数
枚積層し、これを加熱,硬化させることにより形成され
た積層体である。上記炭素繊維プリプレグ2は、多数本
の炭素繊維の撚り線4a,及び鋼繊維5を10数本撚り合
わせてなる撚り線4bをマトリックス樹脂層3内に所定
間隔ごとに埋設して構成されている。上記プリプレグ2
内の炭素繊維撚り線4aと鋼繊維撚り線4bとは同一方
向に向けて配列されており、また上記炭素繊維強化樹脂
1は上記炭素繊維プリプレグ2を各層の炭素繊維撚り線
4a,鋼繊維撚り線4bが同一方向を向くように積層し
てなり、該樹脂1中における炭素繊維に対する鋼繊維5
の含有率は0.5 〜10容積%となっている。
る。図1ないし図3は請求項1の発明に係る第1実施例
の炭素繊維プリプレグ及びこれを用いた炭素繊維強化樹
脂を説明するための図である。図において、1は炭素繊
維強化樹脂であり、これは炭素繊維プリプレグ2を複数
枚積層し、これを加熱,硬化させることにより形成され
た積層体である。上記炭素繊維プリプレグ2は、多数本
の炭素繊維の撚り線4a,及び鋼繊維5を10数本撚り合
わせてなる撚り線4bをマトリックス樹脂層3内に所定
間隔ごとに埋設して構成されている。上記プリプレグ2
内の炭素繊維撚り線4aと鋼繊維撚り線4bとは同一方
向に向けて配列されており、また上記炭素繊維強化樹脂
1は上記炭素繊維プリプレグ2を各層の炭素繊維撚り線
4a,鋼繊維撚り線4bが同一方向を向くように積層し
てなり、該樹脂1中における炭素繊維に対する鋼繊維5
の含有率は0.5 〜10容積%となっている。
【0013】上記鋼繊維5は、線径10〜40μm の低炭素
二相組織鋼線であり、これは上述の組成を有し、上述の
製造方法により製造されたものである。そのため、上記
低炭素二相組織鋼線は上述した強加工により生じた加工
セルが一方向に繊維状に配列された繊維状微細組織を有
しており、かつ上記加工セルの大きさ,繊維間隔がそれ
ぞれ5〜100 Å,50 〜1000Åであり、さらに引張強度30
0 〜700 kgf/mm2, 弾性率15〜25Ton/mm2 ,伸び2〜5
%を有している。また、上記鋼繊維5の外表面にはNi
めっき被覆層6が形成されている。このNiめっき被覆
層6は上記線材にめっき処理を行うことによって形成さ
れたものであり、かつ冷間伸線加工する際に同時に塑性
加工されてなる加工歪を有している。
二相組織鋼線であり、これは上述の組成を有し、上述の
製造方法により製造されたものである。そのため、上記
低炭素二相組織鋼線は上述した強加工により生じた加工
セルが一方向に繊維状に配列された繊維状微細組織を有
しており、かつ上記加工セルの大きさ,繊維間隔がそれ
ぞれ5〜100 Å,50 〜1000Åであり、さらに引張強度30
0 〜700 kgf/mm2, 弾性率15〜25Ton/mm2 ,伸び2〜5
%を有している。また、上記鋼繊維5の外表面にはNi
めっき被覆層6が形成されている。このNiめっき被覆
層6は上記線材にめっき処理を行うことによって形成さ
れたものであり、かつ冷間伸線加工する際に同時に塑性
加工されてなる加工歪を有している。
【0014】ここで上記炭素繊維プリプレグ2,及び炭
素繊維強化樹脂1の製造方法について説明する。図4
(a) 及び(b) は炭素繊維プリプレグ2の製造装置を示す
概略構成図であり、この製造装置10は、多数本の炭素
繊維を束ねてなる炭素繊維ヤーン(炭素繊維撚り線)1
1,及び複数本の鋼繊維を束ねてなる鋼繊維ヤーン(鋼
繊維撚り線)24をそれぞれ個別に供給する3組のクリ
ール部12と、該各クリール部12から供給された炭素
繊維ヤーン11を均一に配列し、かつ鋼繊維ヤーン24
を所定間隔ごとに配列するスリット部13と、炭素繊維
ヤーン11,鋼繊維ヤーン24にエポキシ樹脂がコーテ
ィングされた離型紙14,離型フィルム15を熱圧着す
る一対のロール16,16と、これにより形成された炭
素繊維プリプレグシート18を巻き取るドラム17とか
ら構成されている。上記製造装置10により炭素繊維プ
リプレグ2を製造するには、各クリール部12から炭素
繊維ヤーン11,鋼繊維ヤーン24をそれぞれ個別に供
給し、スリット部13で炭素繊維ヤーン11,及び鋼繊
維ヤーン24を均一に配列する。次に、両繊維ヤーン1
1,24の下面に離型紙14を、上面に離型フィルム1
5をそれぞれロール16,16で熱圧着してプリプレグ
シート18を形成し、このプリプレグシート18をドラ
ム17に巻き取る。そして、このプリプレグシート18
を所定寸法に切断して炭素繊維プリプレグ2を形成し、
これを所定枚数積層して積層体を形成する。しかる後、
この積層体を圧縮成形機により加熱,硬化させることに
よって炭素繊維強化樹脂1が製造される。なお、かかる
製造方法については、上記炭素繊維ヤーン11と鋼繊維
ヤーン24とを個別に供給する方法以外に、両繊維ヤー
ン11,24を予め合糸状に束ねたものを供給し、これ
を離型紙14上に配列させてもよく、また上記合糸状に
束ねたものを有機溶剤を用いて湿式法でドラムに連続的
にワンディングする方法でもよい。
素繊維強化樹脂1の製造方法について説明する。図4
(a) 及び(b) は炭素繊維プリプレグ2の製造装置を示す
概略構成図であり、この製造装置10は、多数本の炭素
繊維を束ねてなる炭素繊維ヤーン(炭素繊維撚り線)1
1,及び複数本の鋼繊維を束ねてなる鋼繊維ヤーン(鋼
繊維撚り線)24をそれぞれ個別に供給する3組のクリ
ール部12と、該各クリール部12から供給された炭素
繊維ヤーン11を均一に配列し、かつ鋼繊維ヤーン24
を所定間隔ごとに配列するスリット部13と、炭素繊維
ヤーン11,鋼繊維ヤーン24にエポキシ樹脂がコーテ
ィングされた離型紙14,離型フィルム15を熱圧着す
る一対のロール16,16と、これにより形成された炭
素繊維プリプレグシート18を巻き取るドラム17とか
ら構成されている。上記製造装置10により炭素繊維プ
リプレグ2を製造するには、各クリール部12から炭素
繊維ヤーン11,鋼繊維ヤーン24をそれぞれ個別に供
給し、スリット部13で炭素繊維ヤーン11,及び鋼繊
維ヤーン24を均一に配列する。次に、両繊維ヤーン1
1,24の下面に離型紙14を、上面に離型フィルム1
5をそれぞれロール16,16で熱圧着してプリプレグ
シート18を形成し、このプリプレグシート18をドラ
ム17に巻き取る。そして、このプリプレグシート18
を所定寸法に切断して炭素繊維プリプレグ2を形成し、
これを所定枚数積層して積層体を形成する。しかる後、
この積層体を圧縮成形機により加熱,硬化させることに
よって炭素繊維強化樹脂1が製造される。なお、かかる
製造方法については、上記炭素繊維ヤーン11と鋼繊維
ヤーン24とを個別に供給する方法以外に、両繊維ヤー
ン11,24を予め合糸状に束ねたものを供給し、これ
を離型紙14上に配列させてもよく、また上記合糸状に
束ねたものを有機溶剤を用いて湿式法でドラムに連続的
にワンディングする方法でもよい。
【0015】このように本実施例によれば、マトリック
ス樹脂層3内に、炭素繊維撚り線4aと、鋼繊維撚り線
4bとを同一方向に配列して埋設したので、炭素繊維の
有する高強度,高弾性率を確保しながら、鋼繊維5によ
ってプリプレグ2の耐衝撃性,靱性を向上でき、さらに
上記炭素繊維撚り線4a,鋼繊維撚り線4bの軸方向に
おける引張,曲げ,等に対する強度を飛躍的に向上でき
る。そして上記炭素繊維プリプレグ2を複数積層して炭
素繊維強化樹脂1を構成したので、従来は困難であった
航空機等の構造部材にも採用でき、上述の要請に応えら
れる。また、本実施例では、鋼繊維5に低炭素二相組織
鋼線を採用したので、引張強度, 弾性率, 伸び等の全て
の力学的特性をさらに向上できる。さらに、上記低炭素
二相組織鋼線の表面にNiメッキ被覆層6を形成したの
で、マトリックス樹脂層3との接着性,濡れ性を向上で
き、品質に対する信頼性を向上できる。さらにまた本実
施例では、炭素繊維プリプレグ2、ひいては樹脂1にお
ける鋼繊維撚り線4bの含有率を少量にできることか
ら、炭素繊維による高弾性率等の特長を犠牲にすること
なくハイブリッド化でき、かつ金属繊維の欠点である重
量の増大を回避でき、軽量化に対応できる。
ス樹脂層3内に、炭素繊維撚り線4aと、鋼繊維撚り線
4bとを同一方向に配列して埋設したので、炭素繊維の
有する高強度,高弾性率を確保しながら、鋼繊維5によ
ってプリプレグ2の耐衝撃性,靱性を向上でき、さらに
上記炭素繊維撚り線4a,鋼繊維撚り線4bの軸方向に
おける引張,曲げ,等に対する強度を飛躍的に向上でき
る。そして上記炭素繊維プリプレグ2を複数積層して炭
素繊維強化樹脂1を構成したので、従来は困難であった
航空機等の構造部材にも採用でき、上述の要請に応えら
れる。また、本実施例では、鋼繊維5に低炭素二相組織
鋼線を採用したので、引張強度, 弾性率, 伸び等の全て
の力学的特性をさらに向上できる。さらに、上記低炭素
二相組織鋼線の表面にNiメッキ被覆層6を形成したの
で、マトリックス樹脂層3との接着性,濡れ性を向上で
き、品質に対する信頼性を向上できる。さらにまた本実
施例では、炭素繊維プリプレグ2、ひいては樹脂1にお
ける鋼繊維撚り線4bの含有率を少量にできることか
ら、炭素繊維による高弾性率等の特長を犠牲にすること
なくハイブリッド化でき、かつ金属繊維の欠点である重
量の増大を回避でき、軽量化に対応できる。
【0016】ここで、本実施例の炭素繊維強化樹脂の特
性向上効果を確認するために行った実験について説明す
る。本実験は、本実施例による製造方法で2種類の実施
例試料1,2を作製するとともに、3種類の比較試料1
〜3を作製し、それぞれの引張強度,引張弾性率,破断
伸度,曲げ強度,曲げ弾性率,シャルピー衝撃強度を測
定し、その測定値を比較して行った。まず、フィラメン
ト本数6000本からなる炭素繊維ヤーンと、フィラメント
数8本からなる鋼繊維ヤーンを採用し、上述の製造方法
により炭素繊維プリプレグを作成した。ここでエポキシ
樹脂は、エピクロルヒドリン−ビスフェノールA型液状
樹脂及び同固形樹脂と、フェノールノボラック型液状樹
脂との混合物を使用し、また硬化剤はジシアンジアミド
(DICY)と3−(P−クロロフェニル)−1,1−
ジメチル尿素(DCMU)とを併用した。そして、上記
炭素繊維プリプレグを所定枚数積層し、圧縮成形機によ
り130 ℃×2時間,8kg/cm2 の条件下で加熱,硬化さ
せて炭素繊維強化プラスチックを作製した(実施例試料
1)。また、上記鋼繊維ヤーンのフィラメント数を18本
とし、上記同様の製造方法,同様の条件で炭素繊維強化
プラスチックを作成した(実施例試料2)。次に、比較
試料として、フィラメント数6000本からなる炭素繊維ヤ
ーンと、フィラメント数8本からなる鋼繊維ヤーンとを
縦糸, 及び横糸の密度が9本/25mmになるように織布
(平織)に加工し、これに上記使用した樹脂を溶剤に希
釈した後、湿式法により浸漬させ、この後加熱成形させ
て炭素繊維プリプレグを作製し、これを所定枚数積層し
て、上記同一条件下が圧縮成形して炭素繊維強化プラス
チックを作製した(比較試料1)。また、上記鋼繊維の
代わりにアラミド繊維(フィラメント数50本−金属繊維
と同一体積) を用いて、上記実施例試料1の製造方法と
同様によりアラミド繊維ハイブリッド炭素繊維強化プラ
スチックを作製した(比較試料2)。さらに、炭素繊維
のみからなる炭素繊維強化プラスチックを作製した(比
較試料3)。
性向上効果を確認するために行った実験について説明す
る。本実験は、本実施例による製造方法で2種類の実施
例試料1,2を作製するとともに、3種類の比較試料1
〜3を作製し、それぞれの引張強度,引張弾性率,破断
伸度,曲げ強度,曲げ弾性率,シャルピー衝撃強度を測
定し、その測定値を比較して行った。まず、フィラメン
ト本数6000本からなる炭素繊維ヤーンと、フィラメント
数8本からなる鋼繊維ヤーンを採用し、上述の製造方法
により炭素繊維プリプレグを作成した。ここでエポキシ
樹脂は、エピクロルヒドリン−ビスフェノールA型液状
樹脂及び同固形樹脂と、フェノールノボラック型液状樹
脂との混合物を使用し、また硬化剤はジシアンジアミド
(DICY)と3−(P−クロロフェニル)−1,1−
ジメチル尿素(DCMU)とを併用した。そして、上記
炭素繊維プリプレグを所定枚数積層し、圧縮成形機によ
り130 ℃×2時間,8kg/cm2 の条件下で加熱,硬化さ
せて炭素繊維強化プラスチックを作製した(実施例試料
1)。また、上記鋼繊維ヤーンのフィラメント数を18本
とし、上記同様の製造方法,同様の条件で炭素繊維強化
プラスチックを作成した(実施例試料2)。次に、比較
試料として、フィラメント数6000本からなる炭素繊維ヤ
ーンと、フィラメント数8本からなる鋼繊維ヤーンとを
縦糸, 及び横糸の密度が9本/25mmになるように織布
(平織)に加工し、これに上記使用した樹脂を溶剤に希
釈した後、湿式法により浸漬させ、この後加熱成形させ
て炭素繊維プリプレグを作製し、これを所定枚数積層し
て、上記同一条件下が圧縮成形して炭素繊維強化プラス
チックを作製した(比較試料1)。また、上記鋼繊維の
代わりにアラミド繊維(フィラメント数50本−金属繊維
と同一体積) を用いて、上記実施例試料1の製造方法と
同様によりアラミド繊維ハイブリッド炭素繊維強化プラ
スチックを作製した(比較試料2)。さらに、炭素繊維
のみからなる炭素繊維強化プラスチックを作製した(比
較試料3)。
【0017】
【表1】
【0018】表1は、それらの結果を示す。同表の第1
欄はそれぞれ炭素繊維に対する鋼繊維,又はアラミド繊
維の含有率を示す。同表からも明らかなように、鋼繊維
を織布加工した比較試料1は、加工性は良いがすべての
力学的特性において著しく低くなっている。また、上記
比較試料2,3は引張弾性率がそれぞれ1.15,1.22GPa、
曲げ強度が1420,1513MPa、曲げ弾性率が1.06,1.18GPaと
満足できる値が得られているが、引張強度はそれぞれ12
30,1201MPa、破断伸度は0.92,0.89 %、シャルピー衝撃
強度は0.93,0.90 kgfm/cm2と満足できる値が得られてい
ない。これに対して本実施例試料1,2は、引張弾性率
がそれぞれ1.23,1.23GPa、曲げ強度が1514,1543MPa、曲
げ弾性率が1.18,1.10GPaと満足できる値が得られてお
り、さらに引張強度はそれぞれ1469,1540MPa、破断伸度
は1.09,1.10 %、シャルピー衝撃強度は1.13,1.21 kgfm
/cm2と飛躍的に向上している。この結果から、鋼繊維を
一方向にハイブリッドすることにより、炭素繊維のもつ
特性を犠牲にすることなく、かつ少量の添加で各特性を
バランス良く向上できることがわかる。
欄はそれぞれ炭素繊維に対する鋼繊維,又はアラミド繊
維の含有率を示す。同表からも明らかなように、鋼繊維
を織布加工した比較試料1は、加工性は良いがすべての
力学的特性において著しく低くなっている。また、上記
比較試料2,3は引張弾性率がそれぞれ1.15,1.22GPa、
曲げ強度が1420,1513MPa、曲げ弾性率が1.06,1.18GPaと
満足できる値が得られているが、引張強度はそれぞれ12
30,1201MPa、破断伸度は0.92,0.89 %、シャルピー衝撃
強度は0.93,0.90 kgfm/cm2と満足できる値が得られてい
ない。これに対して本実施例試料1,2は、引張弾性率
がそれぞれ1.23,1.23GPa、曲げ強度が1514,1543MPa、曲
げ弾性率が1.18,1.10GPaと満足できる値が得られてお
り、さらに引張強度はそれぞれ1469,1540MPa、破断伸度
は1.09,1.10 %、シャルピー衝撃強度は1.13,1.21 kgfm
/cm2と飛躍的に向上している。この結果から、鋼繊維を
一方向にハイブリッドすることにより、炭素繊維のもつ
特性を犠牲にすることなく、かつ少量の添加で各特性を
バランス良く向上できることがわかる。
【0019】
【表3】
【0020】また、表3は、炭素繊維のみからなる比較
例試料片と、低炭素二相組織鋼線の撚り線(約1容積
%) からなる本実施例試料片とのシャルピー衝撃試験
値,及びその平均値を示す。同表からも明らかなよう
に、炭素繊維のみの比較例試料の場合は平均値が0.95Kg
fm/cm2となっており、これに対して本実施例試料の場合
は平均値が1.02Kgfm/cm2と約7%向上している。
例試料片と、低炭素二相組織鋼線の撚り線(約1容積
%) からなる本実施例試料片とのシャルピー衝撃試験
値,及びその平均値を示す。同表からも明らかなよう
に、炭素繊維のみの比較例試料の場合は平均値が0.95Kg
fm/cm2となっており、これに対して本実施例試料の場合
は平均値が1.02Kgfm/cm2と約7%向上している。
【0021】なお、鋼繊維の配置態様は各種のものが採
用でき、例えば図5に示すように、外表面部分のみを鋼
繊維撚り線4bで強化し、内側部分には炭素繊維撚り線
4aのみを配置しても良い。これは、撚り線4bを全面
に渡って配置したプリプレグ2と、その両側部分のみに
配置したプリプレグ20とを積層することによって実現
できる。また、炭素繊維プリプレグの積層方向について
も各種の態様が採用でき、例えば図6に示すように繊維
方向が交互に直交するように、又はある角度をもって交
わるように積層しても良い。
用でき、例えば図5に示すように、外表面部分のみを鋼
繊維撚り線4bで強化し、内側部分には炭素繊維撚り線
4aのみを配置しても良い。これは、撚り線4bを全面
に渡って配置したプリプレグ2と、その両側部分のみに
配置したプリプレグ20とを積層することによって実現
できる。また、炭素繊維プリプレグの積層方向について
も各種の態様が採用でき、例えば図6に示すように繊維
方向が交互に直交するように、又はある角度をもって交
わるように積層しても良い。
【0022】図7は請求項2の発明に係る第2実施例の
炭素繊維プリプレグ及びこれを用いた炭素繊維強化樹脂
を説明するための図である。図において、30は炭素繊
維強化樹脂であり、これは炭素繊維プリプレグ31を複
数枚積層し、これを加熱,硬化させて構成されている。
上記炭素繊維プリプレグ31はマトリックス樹脂層34
内に炭素繊維32,及び単線の鋼繊維33を均一に,か
つ微細に分散させて埋設して構成されている。また、上
記炭素繊維32と鋼繊維33とは同一方向に向けて配列
されており、また上記炭素繊維強化樹脂30中における
炭素繊維32に対する鋼繊維33の含有率は0.5 〜10容
積%となっている。さらに上記鋼繊維33は表面にNi
めっき層が被覆された低炭素二相組織鋼線が採用されて
いる。
炭素繊維プリプレグ及びこれを用いた炭素繊維強化樹脂
を説明するための図である。図において、30は炭素繊
維強化樹脂であり、これは炭素繊維プリプレグ31を複
数枚積層し、これを加熱,硬化させて構成されている。
上記炭素繊維プリプレグ31はマトリックス樹脂層34
内に炭素繊維32,及び単線の鋼繊維33を均一に,か
つ微細に分散させて埋設して構成されている。また、上
記炭素繊維32と鋼繊維33とは同一方向に向けて配列
されており、また上記炭素繊維強化樹脂30中における
炭素繊維32に対する鋼繊維33の含有率は0.5 〜10容
積%となっている。さらに上記鋼繊維33は表面にNi
めっき層が被覆された低炭素二相組織鋼線が採用されて
いる。
【0023】本実施例によれば、マトリックス樹脂層3
4内に単線の鋼繊維33を均一,かつ微細に拡散させて
埋設したので、高強度,高弾性率を確保しながら、さら
に耐衝撃性,靱性を効率良く向上できるとともに、特性
を均一化できる。ちなみに上記請求項1の発明の実施例
のように撚り線を間隔をあけて埋設する構造の場合、耐
衝撃性,靱性等の全体における平均値は向上できるもの
の、局所的に鋼繊維が存在しない部分があり、この部分
の特性は向上していないから、特性の均一化には限界が
ある。これに対して本実施例では、単線の鋼繊維を均
一,かつ微細に分散させたので、特性の均一化が容易で
ある。また用途,荷重の作用状況等によっては、部材の
一部分のみの特性を向上させれば良い場合があるが、本
実施例では、特性向上を要する部分のみに鋼繊維を配置
することにより効率よく特性を向上でき、結果的に軽量
化に貢献できる。
4内に単線の鋼繊維33を均一,かつ微細に拡散させて
埋設したので、高強度,高弾性率を確保しながら、さら
に耐衝撃性,靱性を効率良く向上できるとともに、特性
を均一化できる。ちなみに上記請求項1の発明の実施例
のように撚り線を間隔をあけて埋設する構造の場合、耐
衝撃性,靱性等の全体における平均値は向上できるもの
の、局所的に鋼繊維が存在しない部分があり、この部分
の特性は向上していないから、特性の均一化には限界が
ある。これに対して本実施例では、単線の鋼繊維を均
一,かつ微細に分散させたので、特性の均一化が容易で
ある。また用途,荷重の作用状況等によっては、部材の
一部分のみの特性を向上させれば良い場合があるが、本
実施例では、特性向上を要する部分のみに鋼繊維を配置
することにより効率よく特性を向上でき、結果的に軽量
化に貢献できる。
【0024】
【表4】
【0025】ここで、本実施例の炭素繊維強化樹脂の効
果を確認するために行った衝撃試験について説明する。
この試験では、図9に示すように、炭素繊維のみからな
る第1〜第6,第8,第10,第11素層と、単線の低
炭素二相組織鋼線を均一,微細分散してなる第7,第9
素層を順次積層して幅10mm×厚さ1.6mm ×長さ80mmの本
実施例試料片を作製した。そして、表4に示すように、
各試料片の低炭素二相組織鋼線の含有率を1.4 容積%と
し、線径をそれぞれ50,100μm とした場合( 試料 No.
-1, -2) 、また含有率を2.8 容積%とし、線径をそれ
ぞれ50,100μmとした場合( 試料 No.-1, -2) の衝
撃強度を測定した。なお、比較するために炭素繊維のみ
の第1〜第11素層からなる従来試料片(試料 No.)
についても同様の測定を行った。また、上記衝撃試験
は、シャルピー衝撃試験機(5Kgf・m)を使用し、ハ
ンマ振り上げ角度90度(2.5m/S), スパン間距離60mmのフ
ラットワイズ衝撃試験法で行い、各試料片の第11層側
から衝撃を加えた。
果を確認するために行った衝撃試験について説明する。
この試験では、図9に示すように、炭素繊維のみからな
る第1〜第6,第8,第10,第11素層と、単線の低
炭素二相組織鋼線を均一,微細分散してなる第7,第9
素層を順次積層して幅10mm×厚さ1.6mm ×長さ80mmの本
実施例試料片を作製した。そして、表4に示すように、
各試料片の低炭素二相組織鋼線の含有率を1.4 容積%と
し、線径をそれぞれ50,100μm とした場合( 試料 No.
-1, -2) 、また含有率を2.8 容積%とし、線径をそれ
ぞれ50,100μmとした場合( 試料 No.-1, -2) の衝
撃強度を測定した。なお、比較するために炭素繊維のみ
の第1〜第11素層からなる従来試料片(試料 No.)
についても同様の測定を行った。また、上記衝撃試験
は、シャルピー衝撃試験機(5Kgf・m)を使用し、ハ
ンマ振り上げ角度90度(2.5m/S), スパン間距離60mmのフ
ラットワイズ衝撃試験法で行い、各試料片の第11層側
から衝撃を加えた。
【0026】表4,及び図10からも明らかなように、
炭素繊維のみからなる従来試料片(No.参照)では、
衝撃値が1.74〜1.98Kgfm/cm2で平均値は1.84Kgfm/cm2と
なっている。これに対して本実施例試料片( -1,2、
-1,2参照) では、いずれも平均値は2.09〜2.29Kgfm/cm2
となっており、従来試料片に比べて14〜24%も向上して
いることがわかる。また、この試験結果によれば、低炭
素二相組織鋼線の含有%を多くするほど衝撃値は高くな
っており、しかも上述の撚り線を埋設した場合に比べ
て、さらに衝撃値が向上していることがわかる。
炭素繊維のみからなる従来試料片(No.参照)では、
衝撃値が1.74〜1.98Kgfm/cm2で平均値は1.84Kgfm/cm2と
なっている。これに対して本実施例試料片( -1,2、
-1,2参照) では、いずれも平均値は2.09〜2.29Kgfm/cm2
となっており、従来試料片に比べて14〜24%も向上して
いることがわかる。また、この試験結果によれば、低炭
素二相組織鋼線の含有%を多くするほど衝撃値は高くな
っており、しかも上述の撚り線を埋設した場合に比べ
て、さらに衝撃値が向上していることがわかる。
【0027】なお、鋼繊維の配置態様は各種のものが採
用でき、例えば図8に示すように、衝撃荷重が加わる表
面部分のみを鋼繊維33で強化し、内側部分には炭素繊
維のみを配置しても良い。このように構成した場合は、
耐衝撃性を向上しながら、さらに軽量化に貢献できる。
用でき、例えば図8に示すように、衝撃荷重が加わる表
面部分のみを鋼繊維33で強化し、内側部分には炭素繊
維のみを配置しても良い。このように構成した場合は、
耐衝撃性を向上しながら、さらに軽量化に貢献できる。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる炭素繊維
プリプレグによれば、炭素繊維とマトリックス樹脂層と
からなる素層に、単線の鋼繊維、又は該鋼繊維を撚り合
わせてなる撚り線を上記炭素繊維と同一方向に配列し、
また上記炭素繊維プリプレグを積層して炭素繊維強化樹
脂を構成したので、高強度,高弾性率を確保しながら、
また重量増大を回避しながら耐衝撃性,靱性を向上で
き、しかも上記両繊維の軸方向に対する引張,曲げ,等
に対する強度を飛躍的に向上できるとともに、マトリッ
クス樹脂との濡れ性,接着性を向上して品質に対する信
頼性を向上できる効果がある。
プリプレグによれば、炭素繊維とマトリックス樹脂層と
からなる素層に、単線の鋼繊維、又は該鋼繊維を撚り合
わせてなる撚り線を上記炭素繊維と同一方向に配列し、
また上記炭素繊維プリプレグを積層して炭素繊維強化樹
脂を構成したので、高強度,高弾性率を確保しながら、
また重量増大を回避しながら耐衝撃性,靱性を向上で
き、しかも上記両繊維の軸方向に対する引張,曲げ,等
に対する強度を飛躍的に向上できるとともに、マトリッ
クス樹脂との濡れ性,接着性を向上して品質に対する信
頼性を向上できる効果がある。
【図1】請求項1の発明に係る第1実施例による炭素繊
維プリプレグを説明するための斜視図である。
維プリプレグを説明するための斜視図である。
【図2】上記第1実施例の炭素繊維プリプレグからなる
炭素繊維強化樹脂の斜視図である。
炭素繊維強化樹脂の斜視図である。
【図3】上記第1実施例の鋼繊維及び撚り線の断面図で
ある。
ある。
【図4】上記第1実施例の炭素繊維プリプレグの製造装
置を示す概略構成図である。
置を示す概略構成図である。
【図5】上記第1実施例の変形例を示す斜視図である。
【図6】上記第1実施例の他の変形例を示す斜視図であ
る。
る。
【図7】請求項2の発明に係る第2実施例による炭素繊
維プリプレグ及び炭素繊維強化樹脂を説明するための斜
視図である。
維プリプレグ及び炭素繊維強化樹脂を説明するための斜
視図である。
【図8】上記第2実施例の変形例を示す斜視図である。
【図9】上記第2実施例の効果を確認するために行った
試験片を示す分解斜視図である。
試験片を示す分解斜視図である。
【図10】上記第2実施例の試験結果を示す特性図であ
る。
る。
1,30 炭素繊維強化プラスチック 2,31 炭素繊維プリプレグ 3,34 マトリックス樹脂層 4a,32 炭素繊維 4b 撚り線 5,33 鋼繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 5/24 7310−4F // B29K 105:10 B29L 9:00
Claims (6)
- 【請求項1】 一方向に配列された炭素繊維とマトリッ
クス樹脂層とからなる素層に、線径 100μm 以下, 引張
強度300 〜700 kgf/mm2 , 破断絞り20%以上の鋼繊維を
複数本撚り合わせてなる撚り線を、上記炭素繊維に対す
る鋼繊維の含有率が10容積%以下となるよう上記炭素繊
維と同一方向に混合したことを特徴とする炭素繊維プリ
プレグ。 - 【請求項2】 一方向に配列された炭素繊維とマトリッ
クス樹脂層とからなる素層に、線径 100μm 以下, 引張
強度300 〜700 kgf/mm2 , 破断絞り20%以上の鋼繊維の
単線を上記炭素繊維に対する鋼繊維の含有率が10容積%
以下となるよう炭素繊維と同一方向に、かつ均一,微細
に分散させて混合したことを特徴とする炭素繊維プリプ
レグ。 - 【請求項3】 請求項1又は2の炭素繊維プリプレグを
積層したことを特徴とする炭素繊維強化樹脂。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
上記鋼繊維がめっきされていることを特徴とする炭素繊
維プリプレグ及び炭素繊維強化樹脂。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
鋼繊維が低炭素二相組織鋼線であることを特徴とする炭
素繊維プリプレグ及び炭素繊維強化樹脂。 - 【請求項6】 請求項4又は5において、鋼繊維のめっ
きがNiめっきであることを特徴とする炭素繊維プリプ
レグ及び炭素繊維強化樹脂。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3224779A JPH0771804B2 (ja) | 1990-10-12 | 1991-08-09 | 炭素繊維プリプレグ及び炭素繊維強化樹脂 |
US08/030,264 US5344689A (en) | 1991-08-09 | 1992-05-25 | Carbon fiber prepreg and carbon fiber reinforced resin composite |
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