JPH0766250A - 半導体表面薄膜の評価方法 - Google Patents
半導体表面薄膜の評価方法Info
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- JPH0766250A JPH0766250A JP21411093A JP21411093A JPH0766250A JP H0766250 A JPH0766250 A JP H0766250A JP 21411093 A JP21411093 A JP 21411093A JP 21411093 A JP21411093 A JP 21411093A JP H0766250 A JPH0766250 A JP H0766250A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 導電性プロ−ブ1aとシリコン酸化膜2の表
面とを接触させた後、接触帯電量の経時変化を原子間力
顕微鏡(AFM装置)10で測定する半導体表面薄膜の
評価方法。 【効果】 極微小電流を極微小面積に流すことができ、
今までにない空間分解能でシリコン酸化膜等の半導体表
面薄膜の定電流TDDB評価を行なうことができる。
面とを接触させた後、接触帯電量の経時変化を原子間力
顕微鏡(AFM装置)10で測定する半導体表面薄膜の
評価方法。 【効果】 極微小電流を極微小面積に流すことができ、
今までにない空間分解能でシリコン酸化膜等の半導体表
面薄膜の定電流TDDB評価を行なうことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体表面薄膜の評価方
法に関し、より詳細には、シリコン酸化膜あるいはシリ
コン窒化膜など半導体表面に形成される絶縁膜の電気的
特性の評価を行なう半導体表面薄膜の評価方法に関す
る。
法に関し、より詳細には、シリコン酸化膜あるいはシリ
コン窒化膜など半導体表面に形成される絶縁膜の電気的
特性の評価を行なう半導体表面薄膜の評価方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン酸化膜およびシリコン窒
化膜等、半導体表面に形成される絶縁膜の電気的特性に
関する評価は、定電流または定電圧のTDDB試験によ
り行なわれていた。TDDB(Time Dependent Dielect
ric Breakdown )試験とは、材料に破壊耐量以下の電圧
を長時間印加し続けると経過時間に依存して絶縁破壊す
るという現象を利用して前記絶縁膜の信頼性の評価を行
なう試験方法である。例えば定電流TDDB試験方法
は、前記絶縁膜に定電流を流し、該定電流を流すのに必
要な電圧の経時変化を測定して前記絶縁膜の信頼性評価
を行なう試験方法である。その場合、前記絶縁膜が絶縁
破壊を起こすと前記電圧が急激に低下する。したがっ
て、定電流を流し始めてから前記電圧が急激に低下する
時点までの時間が、前記定電流のもとで前記絶縁膜が絶
縁破壊するのに要した時間になる。このような定電流T
DDB試験方法を用いて例えばMOS構造の絶縁膜にお
ける欠陥の有無を観察する場合、数μm四方〜数mm四
方の特定領域を観察・評価することができる。
化膜等、半導体表面に形成される絶縁膜の電気的特性に
関する評価は、定電流または定電圧のTDDB試験によ
り行なわれていた。TDDB(Time Dependent Dielect
ric Breakdown )試験とは、材料に破壊耐量以下の電圧
を長時間印加し続けると経過時間に依存して絶縁破壊す
るという現象を利用して前記絶縁膜の信頼性の評価を行
なう試験方法である。例えば定電流TDDB試験方法
は、前記絶縁膜に定電流を流し、該定電流を流すのに必
要な電圧の経時変化を測定して前記絶縁膜の信頼性評価
を行なう試験方法である。その場合、前記絶縁膜が絶縁
破壊を起こすと前記電圧が急激に低下する。したがっ
て、定電流を流し始めてから前記電圧が急激に低下する
時点までの時間が、前記定電流のもとで前記絶縁膜が絶
縁破壊するのに要した時間になる。このような定電流T
DDB試験方法を用いて例えばMOS構造の絶縁膜にお
ける欠陥の有無を観察する場合、数μm四方〜数mm四
方の特定領域を観察・評価することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記特定領域の大きさ
は定電流を流すために前記絶縁膜上に形成される電極面
積の大きさによって決定される。現在の微細加工技術を
用いれば上記数値よりも小さい0.1μmオ−ダ−の直
径の電極を作成することも可能である。さらに走査トン
ネル顕微鏡(STM:Scanning Tunneling Microscope
)を絶縁膜評価に用いれば、STMは数nm2 の極微
小領域に電流を流して該極微小領域における電流−電圧
特性を測定することができるので、nmオ−ダ−の微小
領域における絶縁破壊特性を測定することが可能である
(例えば、Y.FUKANO et al, Jpn. J.Appl.Phys. 32(199
3)290 )。
は定電流を流すために前記絶縁膜上に形成される電極面
積の大きさによって決定される。現在の微細加工技術を
用いれば上記数値よりも小さい0.1μmオ−ダ−の直
径の電極を作成することも可能である。さらに走査トン
ネル顕微鏡(STM:Scanning Tunneling Microscope
)を絶縁膜評価に用いれば、STMは数nm2 の極微
小領域に電流を流して該極微小領域における電流−電圧
特性を測定することができるので、nmオ−ダ−の微小
領域における絶縁破壊特性を測定することが可能である
(例えば、Y.FUKANO et al, Jpn. J.Appl.Phys. 32(199
3)290 )。
【0004】ところが、通常の定電流TDDB試験方法
では10μA/cm2 〜1A/cm2 の定電流を流す
が、該電流を前記0.1μmオ−ダ−の直径の電極また
は前記STMに直接流すには、該電極または前記STM
のプロ−ブに極微小な電流を流さなければならず、通常
の定電流TDDB試験方法で絶縁破壊特性を観察・評価
することができるのは、どうしても上記した数μm四方
〜数mm四方が限度である。例えば、前記STMプロ−
ブの接触面積を1nm2 とすると、10-19 A〜10
-14 Aの極微小電流をSTMに流すことになるが、これ
は毎秒、約0.6個〜6万個の電子を注入することに相
当する。このような極微小電流を現在の電子回路技術で
制御することは不可能である。
では10μA/cm2 〜1A/cm2 の定電流を流す
が、該電流を前記0.1μmオ−ダ−の直径の電極また
は前記STMに直接流すには、該電極または前記STM
のプロ−ブに極微小な電流を流さなければならず、通常
の定電流TDDB試験方法で絶縁破壊特性を観察・評価
することができるのは、どうしても上記した数μm四方
〜数mm四方が限度である。例えば、前記STMプロ−
ブの接触面積を1nm2 とすると、10-19 A〜10
-14 Aの極微小電流をSTMに流すことになるが、これ
は毎秒、約0.6個〜6万個の電子を注入することに相
当する。このような極微小電流を現在の電子回路技術で
制御することは不可能である。
【0005】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであり、従来の定電流TDDB試験方法ではなしえな
い微小領域における絶縁破壊特性を測定・観察すること
ができる半導体表面薄膜の評価方法を提供することを目
的としている。
のであり、従来の定電流TDDB試験方法ではなしえな
い微小領域における絶縁破壊特性を測定・観察すること
ができる半導体表面薄膜の評価方法を提供することを目
的としている。
【0006】
【課題を達成するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る半導体表面薄膜の評価方法は、導電性プ
ローブと半導体表面の薄膜とを接触させた後、接触帯電
量の経時変化を原子間力顕微鏡で測定することを特徴と
している。
に本発明に係る半導体表面薄膜の評価方法は、導電性プ
ローブと半導体表面の薄膜とを接触させた後、接触帯電
量の経時変化を原子間力顕微鏡で測定することを特徴と
している。
【0007】
【作用】本発明に係る半導体表面薄膜の評価方法は、導
電性のプロ−ブを接触させて絶縁膜を帯電させ、帯電さ
せた電荷ΔQの(散逸による)減少を原子間力顕微鏡
(AFM:Atomic Force Microscope)で静電気力ΔF
の減少として測定し、その経時変化を観察する方法であ
る。その場合、絶縁破壊が生じると静電気力ΔFが急激
に減少することとなる。
電性のプロ−ブを接触させて絶縁膜を帯電させ、帯電さ
せた電荷ΔQの(散逸による)減少を原子間力顕微鏡
(AFM:Atomic Force Microscope)で静電気力ΔF
の減少として測定し、その経時変化を観察する方法であ
る。その場合、絶縁破壊が生じると静電気力ΔFが急激
に減少することとなる。
【0008】以下、本発明に係る半導体表面薄膜の評価
方法の原理を説明する。まず、以下のことを仮定する。 ・帯電した電荷ΔQを点電荷とする。 ・帯電した電荷ΔQによりAFMのてこ側や半導体基板
側に誘起される電荷の影響は、AFMのてこと半導体基
板間に印加されるバイアス電圧Vb に比べて無視でき
る。 ・点電荷ΔQはバイアス電圧Vb が作る電界Eb により
静電気力ΔF(=ΔQ×Eb )を受け、該静電気力ΔF
に対する反作用をAFMのてこ側に及ぼす。 ・バイアス電圧Vb が作る電界Eb の大きさは、静電気
力ΔFが最大となる点電荷ΔQの真上では点電荷ΔQと
AFMのてこの先端との距離Zにのみ依存する。したが
って、距離Zが一定なら電界Eb も一定である。
方法の原理を説明する。まず、以下のことを仮定する。 ・帯電した電荷ΔQを点電荷とする。 ・帯電した電荷ΔQによりAFMのてこ側や半導体基板
側に誘起される電荷の影響は、AFMのてこと半導体基
板間に印加されるバイアス電圧Vb に比べて無視でき
る。 ・点電荷ΔQはバイアス電圧Vb が作る電界Eb により
静電気力ΔF(=ΔQ×Eb )を受け、該静電気力ΔF
に対する反作用をAFMのてこ側に及ぼす。 ・バイアス電圧Vb が作る電界Eb の大きさは、静電気
力ΔFが最大となる点電荷ΔQの真上では点電荷ΔQと
AFMのてこの先端との距離Zにのみ依存する。したが
って、距離Zが一定なら電界Eb も一定である。
【0009】これらの仮定から、 最大の静電気力ΔFmax ( t)=ΔQ(t)×Eb … (1) となる。ここで、tは時間である。点電荷ΔQの散逸
は、すべて半導体基板側との電荷の流入出(電流i
(t))によるとすると、 ΔQ(t)=ΔQ(0)−∫i(t)dt … (2) ΔFmax ( t)=Eb ×[ΔQ(0)−∫i(t)dt] … (3) となる。したがって(3)式より、帯電した電荷ΔQに
よる静電気力ΔFmax (t)の経時変化を測定すれば、
点電荷ΔQがバイアス電圧Vb の下で作る電流i(t)
の経時変化を測定することができることになる。
は、すべて半導体基板側との電荷の流入出(電流i
(t))によるとすると、 ΔQ(t)=ΔQ(0)−∫i(t)dt … (2) ΔFmax ( t)=Eb ×[ΔQ(0)−∫i(t)dt] … (3) となる。したがって(3)式より、帯電した電荷ΔQに
よる静電気力ΔFmax (t)の経時変化を測定すれば、
点電荷ΔQがバイアス電圧Vb の下で作る電流i(t)
の経時変化を測定することができることになる。
【0010】ここで、絶縁破壊による経時変化が起こら
ず絶縁抵抗R(t)が一定であるとすると、その場合に
は、i(t)=ic ( 一定)として、 ΔFmax ( t)=Eb ×[ΔQ(0)−ic ×t] … (4) となる。逆に、ΔFmax ( t)の経時変化が一定の速度
で起こっていれば、流れる電流は一定であると考えるこ
とができる。したがって、ΔFmax ( t)の経時変化が
急激になると絶縁破壊したと考えることができる。
ず絶縁抵抗R(t)が一定であるとすると、その場合に
は、i(t)=ic ( 一定)として、 ΔFmax ( t)=Eb ×[ΔQ(0)−ic ×t] … (4) となる。逆に、ΔFmax ( t)の経時変化が一定の速度
で起こっていれば、流れる電流は一定であると考えるこ
とができる。したがって、ΔFmax ( t)の経時変化が
急激になると絶縁破壊したと考えることができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明に係る半導体表面薄膜の評価方
法の実施例を図面に基づいて説明する。図1は実施例に
係る半導体表面薄膜の評価方法に用いるAFM装置10
を概略的に示したブロック図である。
法の実施例を図面に基づいて説明する。図1は実施例に
係る半導体表面薄膜の評価方法に用いるAFM装置10
を概略的に示したブロック図である。
【0012】図中、3はシリコン基板を示しており、シ
リコン基板3上には熱酸化法で成長させたシリコン酸化
膜2が形成されている。シリコン基板3はシリコン基板
3をX、Y、Z方向に移動させるPZTチュ−ブ式走査
系4上に載置されており、PZTチュ−ブ式走査系4の
走査に関する情報はAFM(トポグラフィ−)5に提供
されるようになっている。制御駆動系6は干渉計7に接
続され、干渉計7からの情報に基づいてPZTチュ−ブ
式走査系4を駆動するようになっており、干渉計7は光
ファイバ−8を介して導電性カンチレバ−1の変位量を
測定することができるようになっている。導電性カンチ
レバ−1の先端には導電性プロ−ブ1aが装備されてお
り、導電性カンチレバ−1の後端にはバイアス電源9が
接続されている。なお、AFM装置10において、測定
時における導電性プロ−ブ1aの先端とシリコン酸化膜
2との距離Zは制御駆動系6により一定値に保たれるよ
うになっている。
リコン基板3上には熱酸化法で成長させたシリコン酸化
膜2が形成されている。シリコン基板3はシリコン基板
3をX、Y、Z方向に移動させるPZTチュ−ブ式走査
系4上に載置されており、PZTチュ−ブ式走査系4の
走査に関する情報はAFM(トポグラフィ−)5に提供
されるようになっている。制御駆動系6は干渉計7に接
続され、干渉計7からの情報に基づいてPZTチュ−ブ
式走査系4を駆動するようになっており、干渉計7は光
ファイバ−8を介して導電性カンチレバ−1の変位量を
測定することができるようになっている。導電性カンチ
レバ−1の先端には導電性プロ−ブ1aが装備されてお
り、導電性カンチレバ−1の後端にはバイアス電源9が
接続されている。なお、AFM装置10において、測定
時における導電性プロ−ブ1aの先端とシリコン酸化膜
2との距離Zは制御駆動系6により一定値に保たれるよ
うになっている。
【0013】実施例に係る半導体表面薄膜の評価方法に
よるシリコン酸化膜2の評価は、上記の如く構成された
AFM装置10を用いて以下のように行なう。まず、電
圧が印加された導電性プロ−ブ1aでシリコン酸化膜2
上の測定したい箇所に接触帯電させた後、導電性プロ−
ブ1aを離間する。次に、導電性プロ−ブ1aにバイア
ス電圧Vb を印加する。次いで導電性プロ−ブ1aとシ
リコン酸化膜2表面の電荷ΔQとの間の静電気力が測定
できる距離(数nm〜数10nm)にまで導電性プロ−
ブ1aの先端を近づける。そして、接触帯電させた領域
を走査し、静電気力ΔFの分布を繰り返し測定する。測
定した静電気力の最大値ΔFmax の経時変化から(3)
式により点電荷ΔQから流れた電流値を求める。
よるシリコン酸化膜2の評価は、上記の如く構成された
AFM装置10を用いて以下のように行なう。まず、電
圧が印加された導電性プロ−ブ1aでシリコン酸化膜2
上の測定したい箇所に接触帯電させた後、導電性プロ−
ブ1aを離間する。次に、導電性プロ−ブ1aにバイア
ス電圧Vb を印加する。次いで導電性プロ−ブ1aとシ
リコン酸化膜2表面の電荷ΔQとの間の静電気力が測定
できる距離(数nm〜数10nm)にまで導電性プロ−
ブ1aの先端を近づける。そして、接触帯電させた領域
を走査し、静電気力ΔFの分布を繰り返し測定する。測
定した静電気力の最大値ΔFmax の経時変化から(3)
式により点電荷ΔQから流れた電流値を求める。
【0014】なお、接触帯電させる際、実際に接触する
のは導電性プロ−ブ1a先端の原子とシリコン酸化膜2
表面の原子であるため、接触面積は導電性プロ−ブ1a
先端の曲率半径よりも小さくなる。例えば、導電性プロ
−ブ1a先端の曲率半径が1μmであっても、接触面積
は数nm2 程度になる。また、静電気力ΔFを測定する
際の静電気力ΔFの空間分解能は、静電気力ΔFの空間
的広がりのため、静電気力ΔFの分布の半値幅で0.数
〜1μmになる。
のは導電性プロ−ブ1a先端の原子とシリコン酸化膜2
表面の原子であるため、接触面積は導電性プロ−ブ1a
先端の曲率半径よりも小さくなる。例えば、導電性プロ
−ブ1a先端の曲率半径が1μmであっても、接触面積
は数nm2 程度になる。また、静電気力ΔFを測定する
際の静電気力ΔFの空間分解能は、静電気力ΔFの空間
的広がりのため、静電気力ΔFの分布の半値幅で0.数
〜1μmになる。
【0015】図2は実施例に係る半導体表面薄膜の評価
方法を、P型シリコン基板3(面方位(100))上に
熱酸化法で成長させた厚さ5nmのシリコン酸化膜2に
適用した場合の測定結果を概略的に示したグラフであ
る。縦軸には静電気力(nN)、横軸には時間(秒)を
とっている。
方法を、P型シリコン基板3(面方位(100))上に
熱酸化法で成長させた厚さ5nmのシリコン酸化膜2に
適用した場合の測定結果を概略的に示したグラフであ
る。縦軸には静電気力(nN)、横軸には時間(秒)を
とっている。
【0016】図2に示したグラフは、先端曲率半径が約
0.1μmの導電性プロ−ブ1aを用い、最初に導電性
プロ−ブ1aに−4Vの電圧を印加して接触帯電させた
後、導電性プロ−ブ1aに+4Vのバイアス電圧を印加
してシリコン酸化膜2表面から約35nm離して走査
し、導電性プロ−ブ1aにかかる静電気力の最大値ΔF
max の経時変化を測定した結果を示したものである。図
2のグラフから分かるように、時間に対して静電気力が
ほぼ直線的に減少している。このことは、「作用」のと
ころで示した(4)式が成り立っていることを示してい
る。(4)式を用いて計算すると、接触帯電による電荷
ΔQを電流源として流れる電流値は約4×10-16 Aと
見積もることができる。これは、従来技術では直接制御
することが不可能な極微小電流を実施例に係る方法では
ほぼ一定値で流すことができることを示している。
0.1μmの導電性プロ−ブ1aを用い、最初に導電性
プロ−ブ1aに−4Vの電圧を印加して接触帯電させた
後、導電性プロ−ブ1aに+4Vのバイアス電圧を印加
してシリコン酸化膜2表面から約35nm離して走査
し、導電性プロ−ブ1aにかかる静電気力の最大値ΔF
max の経時変化を測定した結果を示したものである。図
2のグラフから分かるように、時間に対して静電気力が
ほぼ直線的に減少している。このことは、「作用」のと
ころで示した(4)式が成り立っていることを示してい
る。(4)式を用いて計算すると、接触帯電による電荷
ΔQを電流源として流れる電流値は約4×10-16 Aと
見積もることができる。これは、従来技術では直接制御
することが不可能な極微小電流を実施例に係る方法では
ほぼ一定値で流すことができることを示している。
【0017】図3は実施例に係る半導体表面薄膜の評価
方法を用いて別の半導体表面薄膜の評価を行なった結果
を示したグラフであり、具体的には上記実施例における
測定と同様の測定を同一試料の別の箇所に対して行なっ
た場合の測定結果を示したグラフである。今回の測定方
法と前回の測定方法とで異なっている点は、今回の場
合、シリコン酸化膜2表面と導電性プロ−ブ1a先端と
の距離が約90nmと前回の場合(約35nm)に比べ
て離れている点のみである。
方法を用いて別の半導体表面薄膜の評価を行なった結果
を示したグラフであり、具体的には上記実施例における
測定と同様の測定を同一試料の別の箇所に対して行なっ
た場合の測定結果を示したグラフである。今回の測定方
法と前回の測定方法とで異なっている点は、今回の場
合、シリコン酸化膜2表面と導電性プロ−ブ1a先端と
の距離が約90nmと前回の場合(約35nm)に比べ
て離れている点のみである。
【0018】図3から分かるように今回の測定において
は、静電気力ΔFmax が測定時間85秒付近から急激に
減少し、急激な電流の増加が起こっている。これは、導
電性プロ−ブ1aで接触帯電させた箇所にシリコン酸化
膜2の欠陥があり、該箇所において絶縁破壊が生じるこ
とにより電流値が急激に増加したことを意味している。
このように、接触帯電による電荷ΔQを供給源として微
小な電流を流し、この電流値の変化をAFM装置10に
より静電気力ΔFmax の変化として測定することで、シ
リコン酸化膜2における微小領域の評価を行なうことが
できる。
は、静電気力ΔFmax が測定時間85秒付近から急激に
減少し、急激な電流の増加が起こっている。これは、導
電性プロ−ブ1aで接触帯電させた箇所にシリコン酸化
膜2の欠陥があり、該箇所において絶縁破壊が生じるこ
とにより電流値が急激に増加したことを意味している。
このように、接触帯電による電荷ΔQを供給源として微
小な電流を流し、この電流値の変化をAFM装置10に
より静電気力ΔFmax の変化として測定することで、シ
リコン酸化膜2における微小領域の評価を行なうことが
できる。
【0019】以上説明したように実施例に係る半導体表
面薄膜の評価方法は、接触帯電による点電荷ΔQからの
電荷の散逸を電流源としているので、従来の技術では制
御することが不可能であった極微小な電流による定電流
TDDB評価を行なうことができる。また、導電性プロ
−ブ1aによる接触帯電であるため、極微小領域の帯電
が可能であり、極微小領域での定電流TDDB評価を行
なうことができる。例えば、上記実施例における接触帯
電により与えた電荷ΔQの空間分布は、静電気力ΔFの
分布の測定値の半値幅で約400nmである。これは従
来のMOSキャパシタ等による評価方法では成しえない
微小領域の測定である。なお、実施例において、流す電
流値は、最初に接触帯電を与える際の接触時間および接
触帯電させるときの電圧で制御することができる。
面薄膜の評価方法は、接触帯電による点電荷ΔQからの
電荷の散逸を電流源としているので、従来の技術では制
御することが不可能であった極微小な電流による定電流
TDDB評価を行なうことができる。また、導電性プロ
−ブ1aによる接触帯電であるため、極微小領域の帯電
が可能であり、極微小領域での定電流TDDB評価を行
なうことができる。例えば、上記実施例における接触帯
電により与えた電荷ΔQの空間分布は、静電気力ΔFの
分布の測定値の半値幅で約400nmである。これは従
来のMOSキャパシタ等による評価方法では成しえない
微小領域の測定である。なお、実施例において、流す電
流値は、最初に接触帯電を与える際の接触時間および接
触帯電させるときの電圧で制御することができる。
【0020】また、実施例に係る半導体表面薄膜の評価
方法を用いれば、シリコン酸化膜2等の絶縁膜の厚さに
は関係なく半導体表面薄膜における微小領域の評価・測
定を行なうことができる。
方法を用いれば、シリコン酸化膜2等の絶縁膜の厚さに
は関係なく半導体表面薄膜における微小領域の評価・測
定を行なうことができる。
【0021】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る半導体
表面薄膜の評価方法を用いれば、従来技術では制御不可
能であった極微小電流を、従来技術では測定不可能であ
った極微小面積に流すことができ、今までにない空間分
解能でシリコン酸化膜等の半導体表面薄膜の定電流TD
DB評価を行なうことができる。
表面薄膜の評価方法を用いれば、従来技術では制御不可
能であった極微小電流を、従来技術では測定不可能であ
った極微小面積に流すことができ、今までにない空間分
解能でシリコン酸化膜等の半導体表面薄膜の定電流TD
DB評価を行なうことができる。
【図1】本発明の実施例に係る半導体表面薄膜の評価方
法を実施する際に使用するAFM装置を概略的に示した
ブロック図である。
法を実施する際に使用するAFM装置を概略的に示した
ブロック図である。
【図2】実施例に係る半導体表面薄膜の評価方法を用い
てシリコン酸化膜の評価を行なった結果を示したグラフ
である。
てシリコン酸化膜の評価を行なった結果を示したグラフ
である。
【図3】実施例に係る半導体表面薄膜の評価方法を用い
て別のシリコン酸化膜の評価を行なった結果を示したグ
ラフである。
て別のシリコン酸化膜の評価を行なった結果を示したグ
ラフである。
1 導電性カンチレバ− 1a 導電性プロ−ブ 2 シリコン酸化膜 3 シリコン基板 5 AFM(トポグラフィ−) 9 バイアス電源 10 AFM装置
Claims (1)
- 【請求項1】 導電性プロ−ブと半導体表面の薄膜とを
接触させた後、接触帯電量の経時変化を原子間力顕微鏡
で測定することを特徴とする半導体表面薄膜の評価方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21411093A JP2900764B2 (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | 半導体表面薄膜の評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21411093A JP2900764B2 (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | 半導体表面薄膜の評価方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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