JPH0760037A - セラミックフィルタ素材及びその製造方法 - Google Patents
セラミックフィルタ素材及びその製造方法Info
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- JPH0760037A JPH0760037A JP21429093A JP21429093A JPH0760037A JP H0760037 A JPH0760037 A JP H0760037A JP 21429093 A JP21429093 A JP 21429093A JP 21429093 A JP21429093 A JP 21429093A JP H0760037 A JPH0760037 A JP H0760037A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 低温で加熱処理して製造ができ、かつ強度的
な面や取扱い性に優れたセラミックフィルタのフィルタ
素材及びその製造方法を提供する。 【構成】 セラミック繊維を抄造した支持母材11の片側
面に、セラミック粒子16と少なくとも該セラミック粒子
同士を結合する結合材18と加熱処理時に焼失可能な粒子
素材とを含有するセラミック粒子層15を形成した後に、
フィルター使用温度よりも高温でかつ前記セラミック粒
子の焼結温度よりも低い温度で前記結合助剤がガラス化
する加熱処理を行うセラミックフィルタ素材10の製造方
法、及びこの方法により製造されたセラミックフィルタ
素材10。
な面や取扱い性に優れたセラミックフィルタのフィルタ
素材及びその製造方法を提供する。 【構成】 セラミック繊維を抄造した支持母材11の片側
面に、セラミック粒子16と少なくとも該セラミック粒子
同士を結合する結合材18と加熱処理時に焼失可能な粒子
素材とを含有するセラミック粒子層15を形成した後に、
フィルター使用温度よりも高温でかつ前記セラミック粒
子の焼結温度よりも低い温度で前記結合助剤がガラス化
する加熱処理を行うセラミックフィルタ素材10の製造方
法、及びこの方法により製造されたセラミックフィルタ
素材10。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックフィルタ素材
及びその製造方法に関し、更に詳しくは、各種プラント
から排出される比較的高温のガス等の気体に含まれてい
る塵埃を濾過するセラミックフィルタに使用されて好適
なセラミックフィルタ素材及びその製造方法に関する。
及びその製造方法に関し、更に詳しくは、各種プラント
から排出される比較的高温のガス等の気体に含まれてい
る塵埃を濾過するセラミックフィルタに使用されて好適
なセラミックフィルタ素材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の分野においてフィルタが使
用されており、中でも各種生産工場において煤塵等を濾
過して公害等を防止する目的で使用されているものも多
い。このフィルタの中でも耐温度性能の高いセラミック
フィルタは、例えば焼却炉における煤塵の捕集や、化学
・鉄鋼・窯業等の分野における高温ガスからの製品回収
に使用されてきている。特に最近においては、例えば5
00℃以上もの高温にも耐える集塵装置が望まれてい
る。そして、このような高温雰囲気で使用される集塵装
置用のフィルタとしてセラミックフィルタが用いられて
いるが、このセラミックフィルタは耐熱性に優れている
のみならず、塩酸ガスや亜硫酸ガスに対しても耐蝕性が
あることから、様々なタイプのものが開発されている。
用されており、中でも各種生産工場において煤塵等を濾
過して公害等を防止する目的で使用されているものも多
い。このフィルタの中でも耐温度性能の高いセラミック
フィルタは、例えば焼却炉における煤塵の捕集や、化学
・鉄鋼・窯業等の分野における高温ガスからの製品回収
に使用されてきている。特に最近においては、例えば5
00℃以上もの高温にも耐える集塵装置が望まれてい
る。そして、このような高温雰囲気で使用される集塵装
置用のフィルタとしてセラミックフィルタが用いられて
いるが、このセラミックフィルタは耐熱性に優れている
のみならず、塩酸ガスや亜硫酸ガスに対しても耐蝕性が
あることから、様々なタイプのものが開発されている。
【0003】例えば、実開昭62−190619号公報
には、セラミック粉粒を溶融接合してなる気孔率35〜
60%の筒状体に、軸方向の屈曲が連続的に成形された
セラミックフィルタが記載されている。また、特公昭6
3−24730号公報には、セラミック原料粉末に粘結
剤焼結助剤などを混合し、ドクターブレード法でもって
成形し、所望の大きさに切断した複数のセラミック生シ
ート間に一定方向に有機質線状体を配列した後、上記セ
ラミック生シート同士を圧着する行程を経た後、140
0〜1600℃の高温酸化雰囲気中にて焼結する行程よ
りなるセラミックフィルタの製造方法が記載されてい
る。また、セラミック繊維を抄造してシート形状に加工
し、このセラミック繊維の多孔性を利用したセラミック
フィルタが提案されている。例えば、特開平4−541
2号公報には、セラミック繊維とペロブスカイト型結晶
からなるガラスを配合して1500°C程度にて焼成し
たセラミックフィルタが示されている。また、特開昭6
4−56111号公報には、有機繊維とセラミックスラ
リーを抄造してセラミック生支持体層を形成し、このセ
ラミック生支持体層の表面にセラミック粉を配合したス
ラリーを塗工したのちに乾燥し、その後1250°C程
度に加熱して焼成するセラミックフィルタの製造方法が
示されている。
には、セラミック粉粒を溶融接合してなる気孔率35〜
60%の筒状体に、軸方向の屈曲が連続的に成形された
セラミックフィルタが記載されている。また、特公昭6
3−24730号公報には、セラミック原料粉末に粘結
剤焼結助剤などを混合し、ドクターブレード法でもって
成形し、所望の大きさに切断した複数のセラミック生シ
ート間に一定方向に有機質線状体を配列した後、上記セ
ラミック生シート同士を圧着する行程を経た後、140
0〜1600℃の高温酸化雰囲気中にて焼結する行程よ
りなるセラミックフィルタの製造方法が記載されてい
る。また、セラミック繊維を抄造してシート形状に加工
し、このセラミック繊維の多孔性を利用したセラミック
フィルタが提案されている。例えば、特開平4−541
2号公報には、セラミック繊維とペロブスカイト型結晶
からなるガラスを配合して1500°C程度にて焼成し
たセラミックフィルタが示されている。また、特開昭6
4−56111号公報には、有機繊維とセラミックスラ
リーを抄造してセラミック生支持体層を形成し、このセ
ラミック生支持体層の表面にセラミック粉を配合したス
ラリーを塗工したのちに乾燥し、その後1250°C程
度に加熱して焼成するセラミックフィルタの製造方法が
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のセラ
ミックフィルタはいずれの場合も1250°C〜160
0°Cと云う極めて高温の焼結温度にて処理が施されて
いる。この焼結温度による処理によると、この温度にて
処理される焼結体は熱処理後に少ない場合でもその体積
が数パーセント収縮することが知られている。このよう
に焼結処理に伴った体積が大きく収縮すると、微細気孔
の径やその分布にバラツキ等が生じ易くなり孔径等を所
望にコントロールすることが難しくなり、精度の高いフ
ィルタを提供することが極めて困難である。
ミックフィルタはいずれの場合も1250°C〜160
0°Cと云う極めて高温の焼結温度にて処理が施されて
いる。この焼結温度による処理によると、この温度にて
処理される焼結体は熱処理後に少ない場合でもその体積
が数パーセント収縮することが知られている。このよう
に焼結処理に伴った体積が大きく収縮すると、微細気孔
の径やその分布にバラツキ等が生じ易くなり孔径等を所
望にコントロールすることが難しくなり、精度の高いフ
ィルタを提供することが極めて困難である。
【0005】また、上述のように焼結温度が高温である
と、当然のことながら高性能な焼結炉が必要であるばか
りでなく、その他の耐熱設備や耐熱用の付帯設備も多く
なり、又その熱消耗等も速くメンテナンスの頻度が多く
なる。この結果、設備維持に必要なコストが非常に大き
くなってしまい、フィルタ製造単価が大きく引き上げて
しまうという問題を抱えていた。そこで、本発明は従来
のセラミックフィルタの製造時における焼結温度が高い
ことによる種々の欠点を解消するべくなされたものであ
り、従来に比べて低温で加熱処理して製造ができ、かつ
強度的な面や取扱い性に優れたセラミックフィルタのフ
ィルタ素材及びその製造方法を提供することを目的とす
るものである。
と、当然のことながら高性能な焼結炉が必要であるばか
りでなく、その他の耐熱設備や耐熱用の付帯設備も多く
なり、又その熱消耗等も速くメンテナンスの頻度が多く
なる。この結果、設備維持に必要なコストが非常に大き
くなってしまい、フィルタ製造単価が大きく引き上げて
しまうという問題を抱えていた。そこで、本発明は従来
のセラミックフィルタの製造時における焼結温度が高い
ことによる種々の欠点を解消するべくなされたものであ
り、従来に比べて低温で加熱処理して製造ができ、かつ
強度的な面や取扱い性に優れたセラミックフィルタのフ
ィルタ素材及びその製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、セ
ラミック繊維からなる支持母材の片側面にセラミック粒
子層を設けてなるセラミックを骨材としたセラミックフ
ィルタ素材であって、前記セラミック粒子層はセラミッ
ク粒子と少なくとも該セラミック粒子を結合させる結合
材と、このフィルタ素材の製造時の加熱処理により含有
粒子素材が焼失して形成された微細気孔とを備えてお
り、前記結合材がフィルター使用温度よりも高温でかつ
前記セラミック粒子の焼結温度よりも低い温度の範囲に
融点を有しており、該範囲にて加熱処理されて前記骨材
が結合されていることを特徴とするセラミックフィルタ
素材により達成することができる。
ラミック繊維からなる支持母材の片側面にセラミック粒
子層を設けてなるセラミックを骨材としたセラミックフ
ィルタ素材であって、前記セラミック粒子層はセラミッ
ク粒子と少なくとも該セラミック粒子を結合させる結合
材と、このフィルタ素材の製造時の加熱処理により含有
粒子素材が焼失して形成された微細気孔とを備えてお
り、前記結合材がフィルター使用温度よりも高温でかつ
前記セラミック粒子の焼結温度よりも低い温度の範囲に
融点を有しており、該範囲にて加熱処理されて前記骨材
が結合されていることを特徴とするセラミックフィルタ
素材により達成することができる。
【0007】本発明の上記目的は、セラミック繊維を抄
造した支持母材の片側面に、セラミック粒子と少なくと
も該セラミック粒子同士を結合する結合材と加熱処理時
に焼失可能な粒子素材とを含有するセラミック粒子層を
形成した後に、フィルター使用温度よりも高温でかつ前
記セラミック粒子の焼結温度よりも低い温度で前記結合
助剤がガラス化する加熱処理を行うことを特徴とするセ
ラミックフィルタ素材の製造方法によって達成される。
また、前記セラミック繊維を抄造した支持母材を焼結し
た後に、前記セラミック粒子層を塗布して前記加熱処理
する製造方法によっても上記目的は達成される。
造した支持母材の片側面に、セラミック粒子と少なくと
も該セラミック粒子同士を結合する結合材と加熱処理時
に焼失可能な粒子素材とを含有するセラミック粒子層を
形成した後に、フィルター使用温度よりも高温でかつ前
記セラミック粒子の焼結温度よりも低い温度で前記結合
助剤がガラス化する加熱処理を行うことを特徴とするセ
ラミックフィルタ素材の製造方法によって達成される。
また、前記セラミック繊維を抄造した支持母材を焼結し
た後に、前記セラミック粒子層を塗布して前記加熱処理
する製造方法によっても上記目的は達成される。
【0008】
【作用】本発明のセラミックフィルタ素材においては、
セラミック繊維からなる支持母材はそのセラミック繊維
が互いに絡み合って可撓性に富むことから機械的強度が
高く成形性がよく又極めて軽量とすることが可能である
一方、セラミック粒子層はセラミック粒子が焼結する温
度よりも低い温度(焼結しない温度)にて結合材がガラ
ス化してこのセラミック粒子同士を結合させたり、また
セラミック粒子層と支持母材とを結合させる作用を有す
るので、フィルタ製造時の処理温度が従来の温度に比べ
て飛躍的に低くなり、熱処理に伴った体積の変化を小さ
くすることができる。また、セラミック粒子層に形成さ
れる気孔は結合材がガラス化あるいは液相化する加熱処
理時に焼失する物質により形成されるが、この加熱処理
温度が低くなることによって収縮率が小さくなるので、
精度の高い微細気孔となる。さらに、本発明の製造方法
によれば、加熱処理温度を低くできることから、加熱処
理によるフィルタ全体形状の収縮を抑えることもでき、
気孔径の精度だけでなくフィルタ寸法精度の誤差を小さ
く抑えることができる。
セラミック繊維からなる支持母材はそのセラミック繊維
が互いに絡み合って可撓性に富むことから機械的強度が
高く成形性がよく又極めて軽量とすることが可能である
一方、セラミック粒子層はセラミック粒子が焼結する温
度よりも低い温度(焼結しない温度)にて結合材がガラ
ス化してこのセラミック粒子同士を結合させたり、また
セラミック粒子層と支持母材とを結合させる作用を有す
るので、フィルタ製造時の処理温度が従来の温度に比べ
て飛躍的に低くなり、熱処理に伴った体積の変化を小さ
くすることができる。また、セラミック粒子層に形成さ
れる気孔は結合材がガラス化あるいは液相化する加熱処
理時に焼失する物質により形成されるが、この加熱処理
温度が低くなることによって収縮率が小さくなるので、
精度の高い微細気孔となる。さらに、本発明の製造方法
によれば、加熱処理温度を低くできることから、加熱処
理によるフィルタ全体形状の収縮を抑えることもでき、
気孔径の精度だけでなくフィルタ寸法精度の誤差を小さ
く抑えることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例について添付した図
面に基づいて詳細に説明する。なお、図1は本発明のセ
ラミックフィルタの断面を模式的に示す要部拡大断面図
であり、図2は本発明のセラミックフィルタの外観を示
す斜視図、図3は図2に示すセラミックフィルタの横断
面図であり、図4はセラミックフィルタを箱型形状とし
た場合の斜視図である。本実施例のセラミックフィルタ
21(図2参照)は、図1に示すように、通気性を有す
るシート状に成形された例えばアルミノシリケート等の
セラミック繊維からなる支持母材11と、この支持母材
11の一方の側の表面に設けられたセラミック粒子層1
5からなる二層構造のフィルタ素材10から構成されて
いる。そして、このセラミック粒子間に微細気孔17が
形成されているが、この微細気孔17はフィルタ素材1
0の熱処理時に焼失する有機物質によって形成された孔
である。
面に基づいて詳細に説明する。なお、図1は本発明のセ
ラミックフィルタの断面を模式的に示す要部拡大断面図
であり、図2は本発明のセラミックフィルタの外観を示
す斜視図、図3は図2に示すセラミックフィルタの横断
面図であり、図4はセラミックフィルタを箱型形状とし
た場合の斜視図である。本実施例のセラミックフィルタ
21(図2参照)は、図1に示すように、通気性を有す
るシート状に成形された例えばアルミノシリケート等の
セラミック繊維からなる支持母材11と、この支持母材
11の一方の側の表面に設けられたセラミック粒子層1
5からなる二層構造のフィルタ素材10から構成されて
いる。そして、このセラミック粒子間に微細気孔17が
形成されているが、この微細気孔17はフィルタ素材1
0の熱処理時に焼失する有機物質によって形成された孔
である。
【0010】前記支持母材11は、例えばアルミナ(A
L2 O3 )およびシリカ(SiO2)を主成分とするア
ルミナシリケートのセラミック材料からなる例えば直径
2〜6ミクロンで長さが1〜50ミリ程度の繊維を漉き
上げることにより、例えば厚さ0.5〜5ミリのシート
状としたもので、長短のセラミック繊維が互いに絡み合
うことにより可撓性に優れるともに極めて軽量かつ丈夫
なものとすることができる。また、セラミック粒子層1
5は、例えば支持母材11と略同成分のセラミック粒子
16と例えば粒子素材である澱粉のごとき有機質さらに
は珪酸ソーダ等の結合材の混合物を支持母材11の表面
に吹き付け等の方法によりコーティングしてから、その
乾燥後に前記結合材がフィルター使用温度よりも高温で
かつセラミック粒子16の焼結温度よりも低い温度によ
り加熱処理されて形成される。この加熱処理の温度は5
00°C〜1000°Cさらに望ましくは700°C〜
750°Cである。
L2 O3 )およびシリカ(SiO2)を主成分とするア
ルミナシリケートのセラミック材料からなる例えば直径
2〜6ミクロンで長さが1〜50ミリ程度の繊維を漉き
上げることにより、例えば厚さ0.5〜5ミリのシート
状としたもので、長短のセラミック繊維が互いに絡み合
うことにより可撓性に優れるともに極めて軽量かつ丈夫
なものとすることができる。また、セラミック粒子層1
5は、例えば支持母材11と略同成分のセラミック粒子
16と例えば粒子素材である澱粉のごとき有機質さらに
は珪酸ソーダ等の結合材の混合物を支持母材11の表面
に吹き付け等の方法によりコーティングしてから、その
乾燥後に前記結合材がフィルター使用温度よりも高温で
かつセラミック粒子16の焼結温度よりも低い温度によ
り加熱処理されて形成される。この加熱処理の温度は5
00°C〜1000°Cさらに望ましくは700°C〜
750°Cである。
【0011】このような温度により加熱処理されると、
セラミック粒子16は焼結することはないが、珪酸ソー
ダは溶融してセラミック粒子16を包み込むようにガラ
ス状被膜18を形成してセラミック粒子16同士を結合
する機能を発揮する。また、この温度で加熱処理される
と、粒子素材である有機物が消失してしまいセラミック
粒子16の間に直径が3μm〜13μm程度の微細な気
孔17が形成される。そして、フィルタとしての濾過作
用はこのセラミック粒子層15により行うことができ
る。また、前記微細気孔17の気孔径は当然、支持母材
11の目より細かいので支持母材11は目詰まりを起こ
すことはない。また、従来の気孔の目の荒いフィルタの
ように、例えばフィルタの使用状態にセットしてからそ
の表面に塵埃を付着させて目を細かくする一次粒子層の
形成が不要であるので、フィルタ使用開始時に要する時
間を短縮することができるようにされている。
セラミック粒子16は焼結することはないが、珪酸ソー
ダは溶融してセラミック粒子16を包み込むようにガラ
ス状被膜18を形成してセラミック粒子16同士を結合
する機能を発揮する。また、この温度で加熱処理される
と、粒子素材である有機物が消失してしまいセラミック
粒子16の間に直径が3μm〜13μm程度の微細な気
孔17が形成される。そして、フィルタとしての濾過作
用はこのセラミック粒子層15により行うことができ
る。また、前記微細気孔17の気孔径は当然、支持母材
11の目より細かいので支持母材11は目詰まりを起こ
すことはない。また、従来の気孔の目の荒いフィルタの
ように、例えばフィルタの使用状態にセットしてからそ
の表面に塵埃を付着させて目を細かくする一次粒子層の
形成が不要であるので、フィルタ使用開始時に要する時
間を短縮することができるようにされている。
【0012】上述のフィルタ素材10の製造方法として
は、前記セラミック繊維を抄造したシート状の支持母材
11を折り曲げたり蛇腹状に折り畳んだりして適宜形状
に成形した後、その表面に前記セラミック粒子層15を
塗布して乾燥し、その後、フィルター使用温度よりも高
温でかつ前記セラミック粒子の焼結温度よりも低い温度
で前記結合材の溶融可能な加熱処理をするのである。こ
のような製造方法により、強度的に強くかつ濾過精度も
よくさらに表面積の大きいセラミックフィルタ21に成
形することができる。
は、前記セラミック繊維を抄造したシート状の支持母材
11を折り曲げたり蛇腹状に折り畳んだりして適宜形状
に成形した後、その表面に前記セラミック粒子層15を
塗布して乾燥し、その後、フィルター使用温度よりも高
温でかつ前記セラミック粒子の焼結温度よりも低い温度
で前記結合材の溶融可能な加熱処理をするのである。こ
のような製造方法により、強度的に強くかつ濾過精度も
よくさらに表面積の大きいセラミックフィルタ21に成
形することができる。
【0013】また、フィルタ素材10の製造についてテ
スト結果を参照して更に詳しく説明する。抄造によって
得られた厚さ1.0mmのセラミック繊維多孔体である
支持母材11をコルゲート状に成型し、内径30mm、
外径60mm、長さ1000mmの筒形にし、その外筒
表面に被覆材としてセラミック粒子層15を塗布した。
セラミック粒子層15は、カオリン、長石、珪酸ソー
ダ、トリポリリン酸ソーダ、澱粉および水からなってい
る。カオリンおよび長石は、セラミック粒子層15に微
細気孔を形成させるための骨材である。珪酸ソーダはガ
ラス質の結合材であり、支持母材11にカオリンおよび
長石を結合させたりセラミック粒子同士を結合させるた
めの所謂接着剤であり、セラミック粒子層塗布後の乾燥
強度が保持され、また加熱処理時においては低温度で骨
材同士の結合を促進させる。この加熱処理の時には、S
iO2 −Na2 O系のガラス状被膜が骨材粒子を包み込
む状態となっている。トリポリリン酸ソーダはカオリン
および長石を含む懸濁液において、沈降を防止するもの
で分散剤である。澱粉は骨材間を充填し、気孔の大きさ
を調整し、かつ気孔を連通孔にするためのもので、加熱
処理過程で焼失する。
スト結果を参照して更に詳しく説明する。抄造によって
得られた厚さ1.0mmのセラミック繊維多孔体である
支持母材11をコルゲート状に成型し、内径30mm、
外径60mm、長さ1000mmの筒形にし、その外筒
表面に被覆材としてセラミック粒子層15を塗布した。
セラミック粒子層15は、カオリン、長石、珪酸ソー
ダ、トリポリリン酸ソーダ、澱粉および水からなってい
る。カオリンおよび長石は、セラミック粒子層15に微
細気孔を形成させるための骨材である。珪酸ソーダはガ
ラス質の結合材であり、支持母材11にカオリンおよび
長石を結合させたりセラミック粒子同士を結合させるた
めの所謂接着剤であり、セラミック粒子層塗布後の乾燥
強度が保持され、また加熱処理時においては低温度で骨
材同士の結合を促進させる。この加熱処理の時には、S
iO2 −Na2 O系のガラス状被膜が骨材粒子を包み込
む状態となっている。トリポリリン酸ソーダはカオリン
および長石を含む懸濁液において、沈降を防止するもの
で分散剤である。澱粉は骨材間を充填し、気孔の大きさ
を調整し、かつ気孔を連通孔にするためのもので、加熱
処理過程で焼失する。
【0014】被覆材であるセラミック粒子層15の実施
例を下記に示す。 カオリン :100重量部 長石 : 50重量部 珪酸ソーダ : 20重量部 トリポリリン酸ソーダ:0.1重量部 澱粉 : 10重量部 水 :100重量部
例を下記に示す。 カオリン :100重量部 長石 : 50重量部 珪酸ソーダ : 20重量部 トリポリリン酸ソーダ:0.1重量部 澱粉 : 10重量部 水 :100重量部
【0015】本実験例の配合割合で合計280.1グラ
ムを容器に秤量し、電動式攪拌機で30分間攪拌した。
この懸濁液を前もって作製した支持母体11の表面に刷
毛塗りした。刷毛塗りは手動によって2回実施した。カ
オリンはAAカオリンを、長石は福島長石を使用した。
それらの粒度は35μm以下(D50=20μm)であ
った。珪酸ソーダは2号珪酸ソーダを、トリポリリン酸
ソーダは試薬を、澱粉は合成澱粉を使用した。その後、
室内で一昼夜放置し、750℃に保持された電気炉で3
時間加熱処理した。このときのセラミック粒子層15の
厚さは50〜150μmであった。また、セラミック粒
子層15には直径3〜13μmの気孔が形成されている
ことが、レーザー顕微鏡の画像処理によって確認され
た。
ムを容器に秤量し、電動式攪拌機で30分間攪拌した。
この懸濁液を前もって作製した支持母体11の表面に刷
毛塗りした。刷毛塗りは手動によって2回実施した。カ
オリンはAAカオリンを、長石は福島長石を使用した。
それらの粒度は35μm以下(D50=20μm)であ
った。珪酸ソーダは2号珪酸ソーダを、トリポリリン酸
ソーダは試薬を、澱粉は合成澱粉を使用した。その後、
室内で一昼夜放置し、750℃に保持された電気炉で3
時間加熱処理した。このときのセラミック粒子層15の
厚さは50〜150μmであった。また、セラミック粒
子層15には直径3〜13μmの気孔が形成されている
ことが、レーザー顕微鏡の画像処理によって確認され
た。
【0016】この実験例のAl2 O3 、SiO2 、Na
2 Oの重量比は30:60:10であり、通常のセラミ
ックスに比べNa2 Oが多く、ガラス成分に近い。した
がって低温度でガラス相を形成する。本配合においては
珪酸ソーダ中の過剰Naがカオリン、長石およびセラミ
ック繊維中のSiと反応し600℃付近からガラス化が
始まる。750℃においてもガラス化は進行中であり、
固相反応が完結するわけではない。したがって、加熱処
理後はカオリンおよび長石は大部分が骨材として残留し
ており、ガラス状被膜18で覆われている。これはSE
M(走査型顕微鏡)によって確認された。
2 Oの重量比は30:60:10であり、通常のセラミ
ックスに比べNa2 Oが多く、ガラス成分に近い。した
がって低温度でガラス相を形成する。本配合においては
珪酸ソーダ中の過剰Naがカオリン、長石およびセラミ
ック繊維中のSiと反応し600℃付近からガラス化が
始まる。750℃においてもガラス化は進行中であり、
固相反応が完結するわけではない。したがって、加熱処
理後はカオリンおよび長石は大部分が骨材として残留し
ており、ガラス状被膜18で覆われている。これはSE
M(走査型顕微鏡)によって確認された。
【0017】一般にセラミックの焼結においてNa2 O
は融点を著しく低下させる成分であるため、固相反応で
強度を維持するためには極力少なくする。したがって、
従来のこの種のセラミックの焼結温度は1200℃以上
が必要である。しかしながら、本発明のフィルタ素材1
0においては、セラミック粒子層15は焼結していない
が、集塵機用に使用して好適なものであり、例えば引張
強度は実質的に支持母材11の部分に依存した役割分担
した二重構造である。そして、上記実験程度の厚さでも
集塵機用として必要な例えば0.9kg/cm2 以上の耐
圧強度は充分有している。また、集塵機用として使用し
たときには、フィルタを洗浄する所謂逆洗時のパルス空
気圧がフィルタ素材10にかかる圧力はプラス数百mm
Aqであるが、本発明によるフィルタ素材はこの程度の
圧力には充分耐えられるものである。このように、カオ
リン、長石、珪酸ソーダ等の結合材の配合を検討するこ
とによって、この結合材の作用により従来よりも極めて
低い温度にて骨材同士が結合されるが、この温度はこの
配合割合により適宜調節することができる。すなわち、
配合割合はこの実験例に限られるものでなく、カオリン
は35〜70重量部、長石は30〜40重量部、珪酸ソ
ーダは10〜30重量部が望ましい。また、カオリンは
カオリン族鉱物に限られることはなく、ろう石やコーデ
ィライト、ムライト等のアルミナシリケートでもよい。
又、フィルタ素材を製造するとき、濾過性能、強度並び
に生産性等を考慮すると、加熱処理温度は略700°C
〜750°C程度の範囲が望ましい。
は融点を著しく低下させる成分であるため、固相反応で
強度を維持するためには極力少なくする。したがって、
従来のこの種のセラミックの焼結温度は1200℃以上
が必要である。しかしながら、本発明のフィルタ素材1
0においては、セラミック粒子層15は焼結していない
が、集塵機用に使用して好適なものであり、例えば引張
強度は実質的に支持母材11の部分に依存した役割分担
した二重構造である。そして、上記実験程度の厚さでも
集塵機用として必要な例えば0.9kg/cm2 以上の耐
圧強度は充分有している。また、集塵機用として使用し
たときには、フィルタを洗浄する所謂逆洗時のパルス空
気圧がフィルタ素材10にかかる圧力はプラス数百mm
Aqであるが、本発明によるフィルタ素材はこの程度の
圧力には充分耐えられるものである。このように、カオ
リン、長石、珪酸ソーダ等の結合材の配合を検討するこ
とによって、この結合材の作用により従来よりも極めて
低い温度にて骨材同士が結合されるが、この温度はこの
配合割合により適宜調節することができる。すなわち、
配合割合はこの実験例に限られるものでなく、カオリン
は35〜70重量部、長石は30〜40重量部、珪酸ソ
ーダは10〜30重量部が望ましい。また、カオリンは
カオリン族鉱物に限られることはなく、ろう石やコーデ
ィライト、ムライト等のアルミナシリケートでもよい。
又、フィルタ素材を製造するとき、濾過性能、強度並び
に生産性等を考慮すると、加熱処理温度は略700°C
〜750°C程度の範囲が望ましい。
【0018】上述のようにして製造されたフィルタ素材
10は、その重量は、400〜1100g/m2と超軽量
で、従来のセラミック焼結体からなるフィルタに比較し
て1/10程度の重量である。さらに、濾過性能は、濾
過速度に対する圧力損失で評価して従来のセラミックフ
ィルタと同等である。これは、セラミック素材10の強
度は支持母材11に依存する一方、濾過性能はセラミッ
ク粒子層15に依存するように役割分担をしたことによ
り、軽量且つ高性能なものとすることができたのであ
る。なお、支持母材11としてセラミック繊維からなる
前記シートを複数枚重ねて用いることとしても良い。
10は、その重量は、400〜1100g/m2と超軽量
で、従来のセラミック焼結体からなるフィルタに比較し
て1/10程度の重量である。さらに、濾過性能は、濾
過速度に対する圧力損失で評価して従来のセラミックフ
ィルタと同等である。これは、セラミック素材10の強
度は支持母材11に依存する一方、濾過性能はセラミッ
ク粒子層15に依存するように役割分担をしたことによ
り、軽量且つ高性能なものとすることができたのであ
る。なお、支持母材11としてセラミック繊維からなる
前記シートを複数枚重ねて用いることとしても良い。
【0019】なお、フィルタ素材10の別の製造方法と
しては、上述のようにセラミック繊維12を抄造した支
持母材11の片側面に、セラミック粒子層15を形成し
た後に、フィルター使用温度よりも高温でかつ前記セラ
ミック粒子の焼結温度よりも低い温度で前記結合材がガ
ラス化可能な加熱処理をするのであるが、この場合支持
母材11は加熱処理されてなく、セラミック粒子層15
と同時に加熱処理する。この場合、支持母材11の結合
はセラミック繊維12同士の結合を補助すべく、この支
持母材11側にも上記加熱処理温度でガラス化する結合
材を適宜混入させることが望ましい。
しては、上述のようにセラミック繊維12を抄造した支
持母材11の片側面に、セラミック粒子層15を形成し
た後に、フィルター使用温度よりも高温でかつ前記セラ
ミック粒子の焼結温度よりも低い温度で前記結合材がガ
ラス化可能な加熱処理をするのであるが、この場合支持
母材11は加熱処理されてなく、セラミック粒子層15
と同時に加熱処理する。この場合、支持母材11の結合
はセラミック繊維12同士の結合を補助すべく、この支
持母材11側にも上記加熱処理温度でガラス化する結合
材を適宜混入させることが望ましい。
【0020】次に、上述のフィルタ素材10を用いて成
形されたセラミックフィルタの具体例を説明する。図2
に示すフィルタ組立体20は、上述のフィルタ素材10
を用いて筒形のフィルタとしたもので、セラミックフィ
ルタ21と、このセラミックフィルタ21の下方の開口
をふさぐ封止部材23、およびこのフィルタ21を集塵
装置に取り付けるための取り付け部材25を有してい
る。
形されたセラミックフィルタの具体例を説明する。図2
に示すフィルタ組立体20は、上述のフィルタ素材10
を用いて筒形のフィルタとしたもので、セラミックフィ
ルタ21と、このセラミックフィルタ21の下方の開口
をふさぐ封止部材23、およびこのフィルタ21を集塵
装置に取り付けるための取り付け部材25を有してい
る。
【0021】前記フィルタ21は、上述のフィルタ素材
10から、図3に断面図として示すように壁面に蛇腹状
の屈曲部22を備えた筒形に成形したものである。これ
により、このセラミックフィルタ21の表面積は従来の
円筒形のフィルタに対して2〜3倍に増やされている。
そして、この筒形のフィルタ21の一方の開口はやはり
セラミック製の前記封止部材23により封止されてい
る。また、この筒形のフィルタ21の反対側の開口に
は、このフィルタ組立体20を集塵装置に固定する取り
付け部材25が設けられている。この取り付け部材25
は貫通孔25aを有する円筒形の部材で、その外周面に
はネジ26が刻設されて、集塵装置のフィルタ支持部分
にねじ込むことにより取り付けられるようにされてい
る。そして、このフィルタ組立体20の周囲に供給され
た塵埃を有するガスは、セラミックフィルタ21により
濾過されるとともに、前記貫通孔25aを通って外部に
排出するようにされている。
10から、図3に断面図として示すように壁面に蛇腹状
の屈曲部22を備えた筒形に成形したものである。これ
により、このセラミックフィルタ21の表面積は従来の
円筒形のフィルタに対して2〜3倍に増やされている。
そして、この筒形のフィルタ21の一方の開口はやはり
セラミック製の前記封止部材23により封止されてい
る。また、この筒形のフィルタ21の反対側の開口に
は、このフィルタ組立体20を集塵装置に固定する取り
付け部材25が設けられている。この取り付け部材25
は貫通孔25aを有する円筒形の部材で、その外周面に
はネジ26が刻設されて、集塵装置のフィルタ支持部分
にねじ込むことにより取り付けられるようにされてい
る。そして、このフィルタ組立体20の周囲に供給され
た塵埃を有するガスは、セラミックフィルタ21により
濾過されるとともに、前記貫通孔25aを通って外部に
排出するようにされている。
【0022】すなわち、図2に示すフィルタ組立体20
は壁面に蛇腹状の屈曲部22を備えた筒形に成形したか
ら、その表面積が従来の円筒形のフィルタに対して2〜
3倍に増やされて、フィルタの単位設置面積当たりの集
塵能力が大幅に向上する。さらに、このフィルタ組立体
20は上述のように極めて軽量であるから、集塵機に取
り付けるときに、例えば下方から支持する支持装置が不
要で、集塵機の内部に吊り下げるように取り付けること
ができる。これにより、フィルタ組立体20を取り付け
る集塵機の構造を簡単なものにすることができる。ま
た、図2のようなフィルタ組立体20は筒形とされてい
るので、取り扱いが容易であるから、集塵機への脱着作
業を容易に行うことができると共に、集塵機の容器の断
面形状に合わせた配置でコンパクトに取付けることがで
きる。
は壁面に蛇腹状の屈曲部22を備えた筒形に成形したか
ら、その表面積が従来の円筒形のフィルタに対して2〜
3倍に増やされて、フィルタの単位設置面積当たりの集
塵能力が大幅に向上する。さらに、このフィルタ組立体
20は上述のように極めて軽量であるから、集塵機に取
り付けるときに、例えば下方から支持する支持装置が不
要で、集塵機の内部に吊り下げるように取り付けること
ができる。これにより、フィルタ組立体20を取り付け
る集塵機の構造を簡単なものにすることができる。ま
た、図2のようなフィルタ組立体20は筒形とされてい
るので、取り扱いが容易であるから、集塵機への脱着作
業を容易に行うことができると共に、集塵機の容器の断
面形状に合わせた配置でコンパクトに取付けることがで
きる。
【0023】本発明のセラミックフィルタ素材を利用し
たフィルタ組立体は図2のような構成に限らずその成形
性がよいことから種々の形状に加工でき、例えば図4に
示すような形状のもの容易に製造できる。図4に示すフ
ィルタ組立体30は箱形とされている。そして、上述の
フィルタ素材10のシート状の支持母材11を蛇腹状に
折り曲げて構成した壁面32を互いに向かい合わせると
ともに、その両端末を側壁33で連結し、その後にセラ
ミック粒子層をその外表面に形成したものである。そし
て、その取り付け枠35の四隅に設けられた取り付け孔
36を用いて集塵装置に取り付けるようにされている。
このフィルタ組立体30は、箱形に成形されて大容量の
集塵装置に適したものとすることができる。本発明のセ
ラミックフィルタを用いたフィルタ組立体の形状等の構
成は上記実施例に限定されるものでなく種々変更可能で
あることは云うまでもない。
たフィルタ組立体は図2のような構成に限らずその成形
性がよいことから種々の形状に加工でき、例えば図4に
示すような形状のもの容易に製造できる。図4に示すフ
ィルタ組立体30は箱形とされている。そして、上述の
フィルタ素材10のシート状の支持母材11を蛇腹状に
折り曲げて構成した壁面32を互いに向かい合わせると
ともに、その両端末を側壁33で連結し、その後にセラ
ミック粒子層をその外表面に形成したものである。そし
て、その取り付け枠35の四隅に設けられた取り付け孔
36を用いて集塵装置に取り付けるようにされている。
このフィルタ組立体30は、箱形に成形されて大容量の
集塵装置に適したものとすることができる。本発明のセ
ラミックフィルタを用いたフィルタ組立体の形状等の構
成は上記実施例に限定されるものでなく種々変更可能で
あることは云うまでもない。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、セラ
ミック繊維からなる支持母材はそのセラミック繊維が互
いに絡み合って可撓性に富むことから機械的強度が高く
成形性がよく又極めて軽量とすることが可能であり、か
つセラミック粒子層はセラミック粒子が焼結する温度よ
りも低い温度(焼結しない温度)にて結合材がガラス化
してこのセラミック粒子同士を結合させたり、またセラ
ミック粒子層と支持母材とを結合させる作用を有するの
で、フィルタ製造時の処理温度が従来の温度に比べて飛
躍的に低くなり、熱処理に伴った体積の変化が小さくな
り、この結果、従来のような高温加熱による熱収縮によ
る気孔寸法のバラツキを押えて精度の高い微細気孔を形
成することができ、又、フィルタ全体形状の収縮を抑え
ることもでき、気孔径の精度だけでなくフィルタ寸法精
度の高いものを提供することができる。また、本発明に
よれば、加熱処理温度が低くなることにより、従来のよ
うな高性能な焼結炉も必要でなくなり、その他の耐熱設
備や耐熱用の付帯設備も従来に比べて簡易に設備にでき
ることから、その熱消耗やメンテナンスの頻度も飛躍的
に少なくなり、設備維持に必要なコストを大幅に低減さ
せることができる。
ミック繊維からなる支持母材はそのセラミック繊維が互
いに絡み合って可撓性に富むことから機械的強度が高く
成形性がよく又極めて軽量とすることが可能であり、か
つセラミック粒子層はセラミック粒子が焼結する温度よ
りも低い温度(焼結しない温度)にて結合材がガラス化
してこのセラミック粒子同士を結合させたり、またセラ
ミック粒子層と支持母材とを結合させる作用を有するの
で、フィルタ製造時の処理温度が従来の温度に比べて飛
躍的に低くなり、熱処理に伴った体積の変化が小さくな
り、この結果、従来のような高温加熱による熱収縮によ
る気孔寸法のバラツキを押えて精度の高い微細気孔を形
成することができ、又、フィルタ全体形状の収縮を抑え
ることもでき、気孔径の精度だけでなくフィルタ寸法精
度の高いものを提供することができる。また、本発明に
よれば、加熱処理温度が低くなることにより、従来のよ
うな高性能な焼結炉も必要でなくなり、その他の耐熱設
備や耐熱用の付帯設備も従来に比べて簡易に設備にでき
ることから、その熱消耗やメンテナンスの頻度も飛躍的
に少なくなり、設備維持に必要なコストを大幅に低減さ
せることができる。
【図1】本発明のセラミックフィルタの断面を模式的に
示す説明図である。
示す説明図である。
【図2】本発明のセラミックフィルタから成形した筒形
のフィルタ組立体を示す斜視図である。
のフィルタ組立体を示す斜視図である。
【図3】図2に示すセラミックフィルタの断面図であ
る。
る。
【図4】本発明のセラミックフィルタから成形した箱形
のフィルタの組立体示す斜視図である。
のフィルタの組立体示す斜視図である。
10 フィルタ素材 11 支持母材 12 セラミック繊維 15 セラミック粒子層 16 セラミック粒子 17 微細気孔 18 ガラス状被膜 20 筒形のフィルタ組立体 21 セラミックフィルタ 22 屈曲部 23 封止部材 25 取り付け部材 26 ネジ 30 箱形のフィルタ組立体
Claims (3)
- 【請求項1】 セラミック繊維からなる支持母材の片側
面にセラミック粒子層を設けてなるセラミックを骨材と
したセラミックフィルタ素材であって、前記セラミック
粒子層はセラミック粒子と少なくとも該セラミック粒子
を結合させる結合材と、このフィルタ素材の製造時の加
熱処理により含有粒子素材が焼失して形成された微細気
孔とを備えており、前記結合材がフィルター使用温度よ
りも高温でかつ前記セラミック粒子の焼結温度よりも低
い温度の範囲に融点を有しており、該範囲にて加熱処理
されて前記骨材が結合されていることを特徴とするセラ
ミックフィルタ素材。 - 【請求項2】 セラミック繊維を抄造した支持母材の片
側面に、セラミック粒子と少なくとも該セラミック粒子
同士を結合する結合材と加熱処理時に焼失可能な粒子素
材とを含有するセラミック粒子層を形成した後に、フィ
ルター使用温度よりも高温でかつ前記セラミック粒子の
焼結温度よりも低い温度で前記結合助剤がガラス化する
加熱処理を行うことを特徴とするセラミックフィルタ素
材の製造方法。 - 【請求項3】 前記セラミック繊維を抄造した支持母材
を焼結した後に、前記セラミック粒子層を塗布して前記
加熱処理をすることを特徴とする請求項2に記載のセラ
ミックフィルタ素材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21429093A JPH0760037A (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | セラミックフィルタ素材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21429093A JPH0760037A (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | セラミックフィルタ素材及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0760037A true JPH0760037A (ja) | 1995-03-07 |
Family
ID=16653283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21429093A Pending JPH0760037A (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | セラミックフィルタ素材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0760037A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1818321A3 (en) * | 2006-02-13 | 2010-03-10 | Ibiden Co., Ltd. | Inorganic fiber article |
-
1993
- 1993-08-30 JP JP21429093A patent/JPH0760037A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1818321A3 (en) * | 2006-02-13 | 2010-03-10 | Ibiden Co., Ltd. | Inorganic fiber article |
US7718252B2 (en) | 2006-02-13 | 2010-05-18 | Ibiden Co., Ltd. | Inorganic fiber article |
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