JPH0757129A - 硬貨収納処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、投入された硬貨を小容量の金種別
一時保留部と大容量の一括保留部とに分配して保留可能
な２種類の保留構造を活用して、高速収納処理と装置の
小型化とを同時に図れるようにした硬貨収納処理装置の
提供を目的とする。 【構成】この発明は、投入された硬貨を鑑別部で鑑別し
て一時保留部に一時保留した後、硬貨出金用の金種別ス
タッカまたは硬貨回収用のカートリッジに収納処理する
硬貨収納処理装置であって、上記一時保留部を、金種別
スタッカに対応して各金種別硬貨の小容量を金種別に一
時保留する金種別一時保留部と、カートリッジに対応
し、投入される硬貨の投入許容限度枚数を保留可能な一
括保留部とに分割形成し、投入された硬貨枚数が金種別
一時保留部の保留限度枚数を越えるまでは該金種別一時
保留部に保留し、その保留限度枚数を越える余剰硬貨は
一括保留部側に振分けて保留する分配保留手段を備えた
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば現金自動預金
支払機等の自動取引機に内部構成されるような硬貨処理
装置に関し、さらに詳しくは硬貨収納処理の高速化を維
持しながら装置の小型化を図ることができる硬貨収納処
理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種の硬貨収納処理装置は、
投入口に投入された硬貨を鑑別部で鑑別した後、返却可
能に一時保留部で一時保留し、取引成立後に一時保留し
た硬貨を硬貨出金用の金種別スタッカに収納し、収納し
きれない場合は硬貨回収用のカートリッジに収納してい
る。

【０００３】上述の一時保留部は、通常、２種類の保留
構造が知られており、一方の金種別一時保留部の場合
は、各スタッカ毎に対応して金種別に一時保留するた
め、これらの金種別一時保留部からは金種別スタッカに
直ちに収納できる高速収納処理ができる反面、一取引の
投入限度枚数まで保留許容する大きな保留容量を金種毎
に要して、装置の大型化を招来していた。また、他方の
一括保留部の場合は、投入された硬貨を一括して保留す
る一箇所の保留部で済むため、保留スペースの縮小化に
より装置の小型化が図れる反面、一括保留した後の硬貨
を金種別の各スタッカに振分けるときに金種別に鑑別す
る金種鑑別工程を要し、この金種鑑別工程のために高速
収納処理ができない問題を有していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、小
容量の金種別一時保留部と、大容量の一括保留部との２
種類の保留構造を活用して分配保留可能に設けることに
より、投入された硬貨の高速収納処理と装置の小型化と
を同時に図ることができる硬貨収納処理装置の提供を目
的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、投入された
硬貨を鑑別部で鑑別して一時保留部に一時保留した後、
硬貨出金用の金種別スタッカまたは硬貨回収用のカート
リッジに収納処理する硬貨収納処理装置であって、上記
一時保留部を、金種別スタッカに対応して各金種別硬貨
の小容量を金種別に一時保留する金種別一時保留部と、
上記カートリッジに対応し、投入される硬貨の投入許容
限度枚数を保留可能な一括保留部とに分割形成し、上記
投入された硬貨枚数が金種別一時保留部の保留限度枚数
を越えるまでは該金種別一時保留部に保留し、その保留
限度枚数を越える余剰硬貨は上記一括保留部側に振分け
て保留する分配保留手段を備えたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】この発明によれば、投入された硬貨の一時保留
時に、分配保留手段が、投入された硬貨枚数が金種別一
時保留部の保留限度枚数を越えるまで該金種別一時保留
部に保留し、この保留限度枚数を越えた余剰硬貨につい
ては一括保留部側に振分けて保留する。

【０００７】

【発明の効果】この結果、金種別一時保留部に保留した
硬貨は、取引成立後に、これに対応する同金種の金種別
スタッカにそのまま収納でき、保留後の金種鑑別を省略
できるため、収納処理時間を短縮して確実に高速収納処
理ができる。しかも、各金種別一時保留部は小容量の収
納構成のため、装置全体の小型化が図れ、また一括保留
部よりも金種別一時保留部側に優先的に硬貨を収納させ
るため、これより収納される硬貨出金用の金種別スタッ
カは効率よく硬貨の補充がなされる。一方、一括保留部
に保留した硬貨についても、取引成立後に、これに対応
する硬貨回収用のカートリッジにそのまま収納するた
め、円滑に硬貨の高速収納処理が図れる。

【０００８】

【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は硬貨収納処理装置を備えた硬貨処理機を
示し、図１において、この硬貨処理機１１は、接客パネ
ル１２の一部に、利用客が硬貨を投入および取出し許容
する入出金口１３を有し、この入出金口１３をシャッタ
１４で開閉可能に覆っている。

【０００９】この入出金口１３の下部には、Ｃ形状の受
皿１５を設け、この受皿１５の下部に個別分離用のディ
スク１６を内蔵したフィーダ１７を配設し、受皿１５に
投入された硬貨を、このフィーダ１７を駆動して次段の
入金鑑別部１８へと順次、一枚ずつ導くべく構成してい
る。

【００１０】この入金鑑別部１８に導かれた硬貨は、こ
こで真偽および金種が鑑別された後、これより個別搬送
路１９を介して一方の一括保留部２０側と他方の金種別
一時保留部２１側とに分岐搬送される。

【００１１】一方の一括保留部２０は、個別搬送路１９
の終端反転部と対応する下側に配設され、ここで個別搬
送路１９より反転して落下した硬貨を一括保留するもの
であって、一取引分の投入限度枚数をまとめて保留可能
な一括保留スペースを有している。

【００１２】また、一括保留部２０の底部に配設した一
括保留ベルト２２を正転動作させることにより、該ベル
ト２２面上に保留された硬貨をその一端反転部側から下
方の回収カートリッジ２３に落下収容させて回収し、逆
に一括保留ベルト２２を逆転動作させることにより、該
ベルト２２面上に保留された硬貨をその他端反転部側か
ら下方の返却ベルト２４面上に落下させて返却処理す
る。

【００１３】他方の金種別一時保留部２１は、個別搬送
路１９の中間位置に選別搬送路２５を分岐接続し、これ
を介して配設しており、また硬貨出金用に装備される金
種別スタッカ２６の各入口部に個別対応して位置させ、
各スタッカの各入口部で硬貨の小容量枚数を金種別に一
時保留する。

【００１４】この場合、選別搬送路２５の始端部に配設
した保留振分け板２７を開操作することにより、個別搬
送路１９上の硬貨を該選別搬送路２５に取込み、この取
込まれた硬貨は前段の入金鑑別部１８で予め真偽および
金種が鑑別されているので、例えば金種別に個別収納す
る１円、５円、１０円、５０円、１００円、５００円の
６金種の一時保留部２１ａ〜２１ｆとの対応をとって収
納するようにし、各金種別一時保留部２１ａ〜２１ｆの
上方に位置する振分け板Ｆ…を開操作することにより金
種別に収納する。

【００１５】これらの金種別一時保留部２１ａ〜２１ｆ
の下方に、金種対応する６金種の各スタッカ２６ａ〜２
６ｆを対設し、各スタッカ２６ａ〜２６ｆに硬貨を落下
収納させて、入金された硬貨を再利用可能に補充供給す
るように構成している。

【００１６】ところで、スタッカ２６側から硬貨を出金
用に繰出す際は、出金対応するスタッカ２６ａ〜２６ｆ
の下端開口部より硬貨を落下放出し、その下方に対向す
る出金搬送ベルト２８および既述した返却ベルト２４を
介して、放出された硬貨を元の入出金口１３へと返却搬
送して放出する。

【００１７】また、回収カートリッジ２３から硬貨を繰
出す際は、カートリッジ放出ベルト２９および返却ベル
ト２４を介して硬貨を元の入出金口１３へと戻し、さら
に回収カートリッジ２３は回収硬貨満杯時や初期装填セ
ット時に硬貨処理機１１に着脱される。

【００１８】図中、３０は真偽振分け板、２６ｇは取忘
れスタッカ、２６ｈは分配不良スタッカ、３１は出金鑑
別部、Ｍ1 はシャッタ駆動モータ、Ｍ2 はディスク駆動
モータ、Ｍ3 は個別搬送路駆動モータ、Ｍ4 は一括保留
ベルト駆動モータ、Ｍ5 はカートリッジ駆動モータ、Ｍ
6 は選別駆動モータ、Ｍ7 は返却／出金駆動モータであ
る。

【００１９】図２は金種別一時保留部２１の硬貨収納構
造を示し、この金種別一時保留部２１は隣設する一方の
スタッカ２６と他方の返却通路３２との両方に跨がった
上部に配設され、上方の選別搬送路２５から導かれた硬
貨Ｃ…を上面の開口部より落下収納させて一枚ずつ取込
み、この取込み収納枚数は１０枚程度の少数枚を収納限
度とする小さな収納筒で形成し、この筒底面に配設した
振分けゲート３３を開閉操作して硬貨を下方に落下放出
許容して設け、かつ振分けゲート３３をスタッカ２６側
と返却通路３２側とに振分け操作することにより、金種
別一時保留部２１に収納された硬貨Ｃ…をスタッカ２６
側と返却通路３２側とに振分ける。

【００２０】この振分けゲート３３の振分け開閉動作
は、開閉ゲート駆動モータＭ8 の駆動に基づいて回転す
る駆動ギャ３４および従動ギャ３５を介して開閉動作
し、取引成立時にスタッカ２６側に振分けられた硬貨
は、落下してそのままスタッカ２６内に収納され、取引
不成立時に返却通路３２側に振分けられた硬貨は落下し
て下方の出金搬送ベルト２８上に導かれる。

【００２１】図３は硬貨収納処理装置を備えた硬貨処理
機１１の制御回路ブロック図を示し、ＣＰＵ４１はＲＯ
Ｍ４２に格納されたプログラムに沿って、各回路装置を
制御し、その制御データをＲＡＭ４３で読出し可能に記
憶する。

【００２２】硬貨検知センサＳは、内部の各硬貨搬送経
路および硬貨を出入れ処理する各位置に装備しており、
ＣＰＵ４１がこのセンサＳの検知信号に基づいて、硬貨
の搬送状態および振分け状態等の処理動作を検知管理す
る。

【００２３】各駆動モータＭ1 〜Ｍ8 は、硬貨の入出金
処理機構および各種硬貨搬送路に対応して配設され、こ
れらのモータＭ1 〜Ｍ8 をＣＰＵ４１の制御信号に基づ
いて駆動制御する。また、ソレノイドSOL はＣＰＵ４１
の制御信号に基づいて各振分け板２７，Ｆおよび各種シ
ャッタ等を開閉駆動する。

【００２４】ところで、ＣＰＵ４１は硬貨の一取引が行
われた場合に、投入された硬貨枚数が金種別一時保留部
２１ａ〜２１ｆの保留限度枚数を越えるまでは該金種別
一時保留部２１ａ〜２１ｆに保留させておき、その保留
限度枚数を越える余剰硬貨については一括保留部２０側
に振分ける分配保留機能を有している。これにより、金
種別一時保留部２１側に優先的に硬貨を収納させること
ができ、硬貨出金用として取扱われる金種別スタッカ２
６への硬貨の補充を効率よく施すことができる。また、
金種別一時保留部２１ａ〜２１ｆに保留した硬貨は、取
引成立後に、これに対応する同金種の金種別スタッカ２
６ａ〜２６ｆにそのまま落下させて直ちに収納できるた
め、高速収納処理が図れる。しかも、各金種別一時保留
部２１ａ〜２１ｆは小容量の収納構成で占有スペースが
小さいため装置全体が大型化せず、装置の小型化を同時
に図ることができる。また、一括保留部２０に保留した
硬貨についても、取引成立後に、これに対応する下方の
回収カートリッジ２３へと、そのまま落下収納するだけ
で良いため、硬貨を円滑に高速収納処理できる。

【００２５】このように構成された硬貨処理機１１の硬
貨収納処理動作を図４のフローチャートを参照して説明
する。今、入出金口１３に硬貨が投入されると、この投
入された硬貨は一枚ずつ内部に取込まれ、取込み途中の
入金鑑別部１８で真偽および金種が鑑別され、この鑑別
結果に基づいてＣＰＵ４１は硬貨を個別搬送路１９より
一括保留部２０側と金種別一時保留部２１側とに振分け
る（ステップｎ1 〜ｎ2 ）。

【００２６】このとき、鑑別不良硬貨があれば、元の入
出金口１３へと返却処理し、真硬貨であれば取引確認す
るまで待機し（ステップｎ3 〜ｎ5 ）、顧客が取消し入
力操作した取引不成立の場合は、各々保留した硬貨を直
ちに返却動作させて返却する（ステップｎ6 〜ｎ7 ）。

【００２７】取引成立すれば、一括保留部２０に保留し
た硬貨を回収カートリッジ２３に回収処理させ、金種別
一時保留部２１ａ〜２１ｆに保留した硬貨を金種別のス
タッカ２６ａ〜２６ｆにそれぞれ分配収納させる。ま
た、取忘れ硬貨があれば、取忘れスタッカ２６ｇに収納
させ、分配不良硬貨があれば分配不良スタッカ２６ｈに
収納させる（ステップｎ8 ）。

【００２８】次に、入金された硬貨の振分け処理動作を
図５のフローチャートを参照して説明する。今、入金鑑
別部１８で入金硬貨を鑑別して真硬貨であることを確認
すると（ステップｎ11〜ｎ12）、ＣＰＵ４１は続いて入
金硬貨と金種対応するスタッカ２６の収納許容状態を判
定し、入金硬貨と金種対応するスタッカ２６ａ〜２６ｆ
が収納許容状態にあることを確認すると（ステップｎ1
3）、同様にＣＰＵ４１は入金硬貨と金種対応する金種
別一時保留部２１の保留許容状態を判定し、入金硬貨と
金種対応する金種別一時保留部２１ａ〜２１ｆが保留許
容状態にあることを確認すると、金種別一時保留部２１
ａ〜２１ｆ側に振分けて一時保留する（ステップｎ14〜
ｎ15）。

【００２９】このように、スタッカ２６側が入金許容状
態である限り、投入された入金硬貨はなくなるまで一枚
ずつ金種別一時保留部２１側に導いて保留し、この保留
された硬貨は取引成立後に補充硬貨として再利用可能に
スタッカ２６内に収納処理する（ステップｎ16）。

【００３０】ところで、入金鑑別部１８で鑑別不良硬貨
と判定した場合は、個別搬送路１９より返却ベルト２４
上に落下させて直ちに返却搬送し、元の入出金口１３へ
と返却する（ステップｎ17）。

【００３１】また、ＣＰＵ４１が入金硬貨と金種対応す
るスタッカ２６の収納許容状態を判定したとき、投入さ
れた金種枚数がスタッカ２６の収納限度枚数を越える場
合は、余剰硬貨として一括保留部２０側に振分け、同様
にＣＰＵ４１が入金硬貨と金種対応する金種別一時保留
部２１の保留許容状態を判定したとき、投入された金種
枚数が金種別一時保留部２１の保留限度枚数を越える場
合は、余剰硬貨として一括保留部２０側に振分けて保留
する（ステップｎ17）。

【００３２】上述のように、金種別一時保留部に保留し
た硬貨は、取引成立後に、これに対応する同金種の金種
別スタッカにそのまま収納することができ、また保留後
はそのまま取込み許容して金種鑑別を省略できるため、
入金された硬貨の収納処理時間を短縮して確実に高速収
納処理を図ることができ、しかも各金種別一時保留部は
小容量の収納構成のため、大きな設置スペースを要せ
ず、装置全体の小型化が図れる。また、一括保留部側よ
りも金種別一時保留部側に優先的に硬貨を収納させるた
め、これに対応する金種別の各スタッカは効率よく硬貨
が補充される。

【００３３】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の鑑別部は、実施例の入金鑑別部１
８に対応し、以下同様に、分配保留手段は、ＣＰＵ４１
に対応するも、この発明は、上述の実施例の構成のみに
限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の硬貨収納処理装置を備えた硬貨処理
機の内部構成図。

【図２】この発明の金種別一時保留部の要部構成図。

【図３】この発明の硬貨収納処理装置を備えた硬貨処理
機の制御回路ブロック図。

【図４】この発明の硬貨処理機の硬貨収納処理動作を示
すフローチャート。

【図５】この発明の硬貨収納処理時の振分け処理動作を
示すフローチャート。

【符号の説明】

１１…硬貨処理機 １８…入金鑑別部 ２０…一括保留部 ２１，２１ａ〜２１ｆ…金種別一時保留部 ２３…回収カートリッジ ２６，２６ａ〜２６ｆ…金種別のスタッカ ４１…ＣＰＵ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】投入された硬貨を鑑別部で鑑別して一時保
   留部に一時保留した後、硬貨出金用の金種別スタッカま
   たは硬貨回収用のカートリッジに収納処理する硬貨収納
   処理装置であって、上記一時保留部を、金種別スタッカ
   に対応して各金種別硬貨の小容量を金種別に一時保留す
   る金種別一時保留部と、上記カートリッジに対応し、投
   入される硬貨の投入許容限度枚数を保留可能な一括保留
   部とに分割形成し、上記投入された硬貨枚数が金種別一
   時保留部の保留限度枚数を越えるまでは該金種別一時保
   留部に保留し、その保留限度枚数を越える余剰硬貨は上
   記一括保留部側に振分けて保留する分配保留手段を備え
   た硬貨収納処理装置。