JPH0748117A - 多孔質シリカゾルとその製法 - Google Patents
多孔質シリカゾルとその製法Info
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- JPH0748117A JPH0748117A JP5196534A JP19653493A JPH0748117A JP H0748117 A JPH0748117 A JP H0748117A JP 5196534 A JP5196534 A JP 5196534A JP 19653493 A JP19653493 A JP 19653493A JP H0748117 A JPH0748117 A JP H0748117A
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- JP
- Japan
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- porous silica
- silica sol
- refractive index
- ammonia
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 光学材料、特にレンズやガラスにおいて優れ
た効果を持つ反射防止膜を形成するための、低屈折率フ
ィラーである多孔質シリカゾルを生成する。 【構成】 平均粒子径が0.3〜100nmの範囲にあ
り、かつ屈折率が1.2〜1.4である多孔質シリカゾ
ルを、シリコンのアルコキシドをアンモニアで加水分解
した後、アンモニアを除去することによって生成する。 【効果】 反射防止膜形成用の低屈折率フィラーして用
いることができ、非常に優れた反射防止膜形用塗布液を
作製することができる。
た効果を持つ反射防止膜を形成するための、低屈折率フ
ィラーである多孔質シリカゾルを生成する。 【構成】 平均粒子径が0.3〜100nmの範囲にあ
り、かつ屈折率が1.2〜1.4である多孔質シリカゾ
ルを、シリコンのアルコキシドをアンモニアで加水分解
した後、アンモニアを除去することによって生成する。 【効果】 反射防止膜形成用の低屈折率フィラーして用
いることができ、非常に優れた反射防止膜形用塗布液を
作製することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学材料における反射
防止膜形成用の低屈折率フィラーとして用いられる多孔
質シリカゾルとその製法に関する。
防止膜形成用の低屈折率フィラーとして用いられる多孔
質シリカゾルとその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光は通信系や計測系などにおける
媒体として利用されている。ところが、レンズなどの表
面から光の反射による光パワーの損失が起こったり、反
射光が誤信号として出力され、各種機器の誤作動の原因
となっていた。また、前記反射光によって、ディスプレ
ー装置の表示面、前記ディスプレー装置の表面カバー材
料、TVブラウン管の表示面、タッチパネル、液晶表示
装置の表示面、陰極線管の前面映像面などの映像関連機
器、この他にも、絵画の前面ガラス、窓ガラス、ショー
ケースのガラス、時計や計器のカバーガラスへの映り込
みが起こり、これが問題となっていた。
媒体として利用されている。ところが、レンズなどの表
面から光の反射による光パワーの損失が起こったり、反
射光が誤信号として出力され、各種機器の誤作動の原因
となっていた。また、前記反射光によって、ディスプレ
ー装置の表示面、前記ディスプレー装置の表面カバー材
料、TVブラウン管の表示面、タッチパネル、液晶表示
装置の表示面、陰極線管の前面映像面などの映像関連機
器、この他にも、絵画の前面ガラス、窓ガラス、ショー
ケースのガラス、時計や計器のカバーガラスへの映り込
みが起こり、これが問題となっていた。
【0003】そこで、真空蒸着法、スパッタリング法、
イオンプレーティング法およびCVD法により、前記映
像機器、各種ガラスの表面に、単層または多層からなる
反射防止膜を形成させ、反射光を防止している。ところ
が、前記の方法はいずれもかなり高価な膜付け法であ
り、また装置の制約上、基材の大きさが限定され、さら
に基材面に凸凹がある場合などには均一な膜付けができ
ないなどの問題があった。特に、真空蒸着法では、反射
防止膜の膜強度を長期使用に耐えうるだけ十分強くする
には、基材を300℃以上にしなければならず、スパッ
タリング法では装置費が非常に高価であるといった問題
がある。
イオンプレーティング法およびCVD法により、前記映
像機器、各種ガラスの表面に、単層または多層からなる
反射防止膜を形成させ、反射光を防止している。ところ
が、前記の方法はいずれもかなり高価な膜付け法であ
り、また装置の制約上、基材の大きさが限定され、さら
に基材面に凸凹がある場合などには均一な膜付けができ
ないなどの問題があった。特に、真空蒸着法では、反射
防止膜の膜強度を長期使用に耐えうるだけ十分強くする
には、基材を300℃以上にしなければならず、スパッ
タリング法では装置費が非常に高価であるといった問題
がある。
【0004】そこで、前記問題の対策として、前記処理
方法に代わって、塗布方法によって反射防止膜を形成で
きれば、基材の大きさの制限、処理温度の制限、膨張係
数の問題は、バインダーを選定することによって対処で
きるので、非常に有望視されている。
方法に代わって、塗布方法によって反射防止膜を形成で
きれば、基材の大きさの制限、処理温度の制限、膨張係
数の問題は、バインダーを選定することによって対処で
きるので、非常に有望視されている。
【0005】ところで、光学材料、特にレンズやガラス
などにおいては、反射防止膜の屈折率が1.45以下で
ないと、反射防止効果が弱く、現在知られているものの
中で、バインダー単体の屈折率が1.45以下のもの
は、ポリテトラフルオロエチレンのみである。ところ
が、この材料は付着性が悪く、材質が柔らかく、高温処
理が必要であり、さらに非常に高価であることから反射
防止膜形成用塗布液用のバインダーとしては不適とされ
ている。
などにおいては、反射防止膜の屈折率が1.45以下で
ないと、反射防止効果が弱く、現在知られているものの
中で、バインダー単体の屈折率が1.45以下のもの
は、ポリテトラフルオロエチレンのみである。ところ
が、この材料は付着性が悪く、材質が柔らかく、高温処
理が必要であり、さらに非常に高価であることから反射
防止膜形成用塗布液用のバインダーとしては不適とされ
ている。
【0006】この他のバインダーでは、屈折率が1.4
5を越えてしまい、屈折率1.45以下の反射防止膜を
得るためには、屈折率が1.45以下の低屈折率フィラ
ーをバインダー中に分散させる必要がある。屈折率が
1.45以下の低屈折率フィラーとしては、屈折率1.
35の氷晶石があり、これを分散させればよいことが推
察される。ところで、反射防止膜の屈折率が基材の屈折
率の平方根に等しいとき、反射率が0%となることは公
知である。ところが、一般的に用いられる基材である青
板ガラスへの反射防止膜では、反射防止膜の屈折率が
1.22のときに、反射率が0%になる。よって、バイ
ンダーに添加する低屈折率フィラーとしては、氷晶石よ
りも低屈折率材料が好ましいが、現在前記条件を満たす
材料は存在しないとされている。
5を越えてしまい、屈折率1.45以下の反射防止膜を
得るためには、屈折率が1.45以下の低屈折率フィラ
ーをバインダー中に分散させる必要がある。屈折率が
1.45以下の低屈折率フィラーとしては、屈折率1.
35の氷晶石があり、これを分散させればよいことが推
察される。ところで、反射防止膜の屈折率が基材の屈折
率の平方根に等しいとき、反射率が0%となることは公
知である。ところが、一般的に用いられる基材である青
板ガラスへの反射防止膜では、反射防止膜の屈折率が
1.22のときに、反射率が0%になる。よって、バイ
ンダーに添加する低屈折率フィラーとしては、氷晶石よ
りも低屈折率材料が好ましいが、現在前記条件を満たす
材料は存在しないとされている。
【0007】そこで、低屈折率化の手段として、低屈折
率材料を多孔質化させることにより、このものが原材料
よりも低屈折率を示すことを知見し、このものとして、
多孔質化させたシリカ(多孔質シリカ)が使用できるこ
とを見い出した。ところが、従来の多孔質シリカは、高
分子、あるいは高沸点溶媒を添加し、シリカゲルを調整
した後、高温で有機物を除去して多孔質化を計るため、
粒子径が0.5μm以上となり、塗料化しても十分に透
明な膜を得ることができないなどの問題があった。
率材料を多孔質化させることにより、このものが原材料
よりも低屈折率を示すことを知見し、このものとして、
多孔質化させたシリカ(多孔質シリカ)が使用できるこ
とを見い出した。ところが、従来の多孔質シリカは、高
分子、あるいは高沸点溶媒を添加し、シリカゲルを調整
した後、高温で有機物を除去して多孔質化を計るため、
粒子径が0.5μm以上となり、塗料化しても十分に透
明な膜を得ることができないなどの問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの事
情に鑑みてなされたものであって、光学材料における反
射防止膜形成用の低屈折率フィラーとして用いられる、
多孔質シリカゾルおよびその製法を提供することを目的
としている。
情に鑑みてなされたものであって、光学材料における反
射防止膜形成用の低屈折率フィラーとして用いられる、
多孔質シリカゾルおよびその製法を提供することを目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、平均粒子
径が0.3〜100nmの範囲にあり、かつ、屈折率が
1.2〜1.4である多孔質シリカゾルを、低屈折率フ
ィラーとして用いることで解決される。そして、この多
孔質シリカゾルは、シリコンのアルコキシドをアンモニ
アで加水分解した後、アンモニアを除去することで生成
できる。
径が0.3〜100nmの範囲にあり、かつ、屈折率が
1.2〜1.4である多孔質シリカゾルを、低屈折率フ
ィラーとして用いることで解決される。そして、この多
孔質シリカゾルは、シリコンのアルコキシドをアンモニ
アで加水分解した後、アンモニアを除去することで生成
できる。
【0010】
【作用】シリコンのアルコキシドを用い、これとアンモ
ニア水とを混合し、シリコンのアルコキシドを加水分解
することにより、高度に絡み合って枝別れしたポリマー
状の多孔質シリカゾルを生成することができる。
ニア水とを混合し、シリコンのアルコキシドを加水分解
することにより、高度に絡み合って枝別れしたポリマー
状の多孔質シリカゾルを生成することができる。
【0011】
【実施例】次に、本発明の多孔質シリカゾルの製法につ
いて詳しく説明する。本発明で使用される、シリコンの
アルコキシドとしては、アルキルアルコキシシランまた
はカーボンファンクショナルポリオルガノシロキサンが
用いられる。アルキルアルコキシシランの具体例として
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチ
ルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシ
シラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエ
トキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピ
ルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジ
メチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラ
ン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシ
ラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキ
シシラン、ジエチルジブトキシシラン、メチルエチルジ
メトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシランなど
がある。
いて詳しく説明する。本発明で使用される、シリコンの
アルコキシドとしては、アルキルアルコキシシランまた
はカーボンファンクショナルポリオルガノシロキサンが
用いられる。アルキルアルコキシシランの具体例として
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチ
ルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシ
シラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエ
トキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピ
ルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジ
メチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラ
ン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシ
ラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキ
シシラン、ジエチルジブトキシシラン、メチルエチルジ
メトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシランなど
がある。
【0012】また、カーボンファンクショナルポリオル
ガノシロキサンとしては、3、4ーエポキシシクロヘキ
シルアルキルトリアルコキシシラン、メタクリロキシア
ルキルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシ
ラン、γーグリシドキシアルキルアルコキシシラン、ア
ミノアルキルトリアルコキシシランなどがある。
ガノシロキサンとしては、3、4ーエポキシシクロヘキ
シルアルキルトリアルコキシシラン、メタクリロキシア
ルキルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシ
ラン、γーグリシドキシアルキルアルコキシシラン、ア
ミノアルキルトリアルコキシシランなどがある。
【0013】有機溶媒としては、水可溶性のものであれ
ばよく、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコ
ールエーテル類が用いられる。特に、メタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、
nープロピルアルコールなどのアルコール類が好まし
い。
ばよく、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコ
ールエーテル類が用いられる。特に、メタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、
nープロピルアルコールなどのアルコール類が好まし
い。
【0014】まず、シリカの原料として用意された前記
シリコンのアルコキシドを用い、前記有機溶媒と混合す
る。シリコンのアルコキシドは、単一種で用いてもよ
く、また二種以上の混合物としてもよい。ただし、前記
シリコンのアルコキシドの固形分の濃度としては、0.
5〜15重量%が好ましい。これは、0.5重量%未満
では経済性が悪く、コスト高になってしまい、また、1
5重量%以上では、シリコンのアルコキシドの加水分解
速度が速すぎるため、粒子径が急激に大きくなり、生成
された多孔質シリカゾルの安定性が悪いため、これが沈
降し、前記多孔質シリカゾルをバインダー中に分散させ
たものを反射防止膜形成用塗布液として使用して得られ
る反射防止膜にレイリー散乱が起こり、透明性が低下す
るからである。
シリコンのアルコキシドを用い、前記有機溶媒と混合す
る。シリコンのアルコキシドは、単一種で用いてもよ
く、また二種以上の混合物としてもよい。ただし、前記
シリコンのアルコキシドの固形分の濃度としては、0.
5〜15重量%が好ましい。これは、0.5重量%未満
では経済性が悪く、コスト高になってしまい、また、1
5重量%以上では、シリコンのアルコキシドの加水分解
速度が速すぎるため、粒子径が急激に大きくなり、生成
された多孔質シリカゾルの安定性が悪いため、これが沈
降し、前記多孔質シリカゾルをバインダー中に分散させ
たものを反射防止膜形成用塗布液として使用して得られ
る反射防止膜にレイリー散乱が起こり、透明性が低下す
るからである。
【0015】ついで、前記有機溶媒と混合されたシリコ
ンのアルコキシドを攪拌しながら、アンモニア水を徐々
に滴下する。よって、シリコンのアルコキシドがアンモ
ニアによって加水分解され、酸性下での加水分解と異な
り、高度に絡み合って枝別れしたポリマー状の多孔質シ
リカゾルが生成される。また前記アンモニア濃度は、加
水分解時の溶液のpHが9〜11の範囲にあれば、任意
に設定できる。
ンのアルコキシドを攪拌しながら、アンモニア水を徐々
に滴下する。よって、シリコンのアルコキシドがアンモ
ニアによって加水分解され、酸性下での加水分解と異な
り、高度に絡み合って枝別れしたポリマー状の多孔質シ
リカゾルが生成される。また前記アンモニア濃度は、加
水分解時の溶液のpHが9〜11の範囲にあれば、任意
に設定できる。
【0016】また、前記多孔質シリカゾルには、水可溶
性の不純物としてアンモニアが混入しているので、これ
を除いておく必要がある。前記アンモニアは気化しやす
く、有機溶媒の沸点において還流するか、さらに、空気
または窒素ガスを送り込むことで除去できる。ついで、
生成された多孔質シリカゾルを有機溶媒で希釈すること
により、用途に合わせた濃度の多孔質シリカゾルが生成
される。また、前記多孔質シリカゾルを濃縮してもよ
い。
性の不純物としてアンモニアが混入しているので、これ
を除いておく必要がある。前記アンモニアは気化しやす
く、有機溶媒の沸点において還流するか、さらに、空気
または窒素ガスを送り込むことで除去できる。ついで、
生成された多孔質シリカゾルを有機溶媒で希釈すること
により、用途に合わせた濃度の多孔質シリカゾルが生成
される。また、前記多孔質シリカゾルを濃縮してもよ
い。
【0017】このような製法により、平均粒子径が0.
3〜100nmで、不純物のない多孔質シリカゾルが得
られる。また前記多孔性シリカゾルは、粒子内に空隙が
存在しているため低密度であり、通常のシリカの屈折率
が1.46であるのに比べ、前記多孔質シリカゾルの屈
折率は1.2〜1.4と、屈折率が著しく低下する。
3〜100nmで、不純物のない多孔質シリカゾルが得
られる。また前記多孔性シリカゾルは、粒子内に空隙が
存在しているため低密度であり、通常のシリカの屈折率
が1.46であるのに比べ、前記多孔質シリカゾルの屈
折率は1.2〜1.4と、屈折率が著しく低下する。
【0018】以上のように、本発明の多孔質シリカゾル
は、シリコンのアルコキシドをアンモニアで加水分解
し、ついでアンモニアを除去することによって、平均粒
子径が0.3〜100nmの範囲にあり、かつ、屈折率
が1.2〜1.4を示すものであるので、反射防止膜形
成用の低屈折率フィラーとして用いることができ、さら
にこれを使用した際に、優れた反射防止効果を持つ、反
射防止膜を作製することができる。
は、シリコンのアルコキシドをアンモニアで加水分解
し、ついでアンモニアを除去することによって、平均粒
子径が0.3〜100nmの範囲にあり、かつ、屈折率
が1.2〜1.4を示すものであるので、反射防止膜形
成用の低屈折率フィラーとして用いることができ、さら
にこれを使用した際に、優れた反射防止効果を持つ、反
射防止膜を作製することができる。
【0019】(実施例1)以下、具体例を示し、本発明
の効果を明らかにする。まず、テトラエトキシシラン1
00重量部に、エタノール730.8重量部を添加し、
攪拌した。ついで、これに、30重量%のアンモニア水
29.2重量部とエタノール100重量部の混合物を室
温にて滴下し、48時間攪拌して、多孔質シリカゾルを
生成した。
の効果を明らかにする。まず、テトラエトキシシラン1
00重量部に、エタノール730.8重量部を添加し、
攪拌した。ついで、これに、30重量%のアンモニア水
29.2重量部とエタノール100重量部の混合物を室
温にて滴下し、48時間攪拌して、多孔質シリカゾルを
生成した。
【0020】ついで、エバポレーターによって、エタノ
ールおよびアンモニアを留去して、固形分10重量%の
多孔質シリカゾルを得た。このようにして生成された多
孔質シリカゾルの平均粒子径は約10nmであった。ま
た、屈折率については以下のようにして決定した。
ールおよびアンモニアを留去して、固形分10重量%の
多孔質シリカゾルを得た。このようにして生成された多
孔質シリカゾルの平均粒子径は約10nmであった。ま
た、屈折率については以下のようにして決定した。
【0021】このようにして得られた多孔質シリカゾル
とこの多孔質シリカゾルの分散可能なバインダー、例え
ばテトラメトキシシランの酸性条件下での加水分解物を
用い、種々の多孔質シリカ/バインダーの量比を変化さ
せて反射防止膜を作製した。そして、作製した反射防止
膜の屈折率と多孔性シリカ濃度の関係を求め、その関係
から多孔質シリカ100%の濃度に外挿して、多孔質シ
リカゾルの屈折率を決定した。その結果本実施例におけ
る多孔質シリカゾルの屈折率は1.25であった。
とこの多孔質シリカゾルの分散可能なバインダー、例え
ばテトラメトキシシランの酸性条件下での加水分解物を
用い、種々の多孔質シリカ/バインダーの量比を変化さ
せて反射防止膜を作製した。そして、作製した反射防止
膜の屈折率と多孔性シリカ濃度の関係を求め、その関係
から多孔質シリカ100%の濃度に外挿して、多孔質シ
リカゾルの屈折率を決定した。その結果本実施例におけ
る多孔質シリカゾルの屈折率は1.25であった。
【0022】(実施例2)テトラメトキシシラン73.
6重量部に、メタノール757.2重量部を添加し、攪
拌しておき、これに30重量%のアンモニア水29.2
重量部とメタノール100重量部の混合物を室温にて滴
化して、36時間攪拌して、多孔質シリカゾルを生成し
た。ついで、8時間還流して、アンモニアを除去し、さ
らに、エバポレータによって濃縮して、固形分10重量
%の多孔質シリカゾルを得た。この時の平均粒子径は約
15nmであった。屈折率は実施例1と同様にして決定
した。その結果、本実施例における多孔質シリカゾルの
屈折率は1.28であった。
6重量部に、メタノール757.2重量部を添加し、攪
拌しておき、これに30重量%のアンモニア水29.2
重量部とメタノール100重量部の混合物を室温にて滴
化して、36時間攪拌して、多孔質シリカゾルを生成し
た。ついで、8時間還流して、アンモニアを除去し、さ
らに、エバポレータによって濃縮して、固形分10重量
%の多孔質シリカゾルを得た。この時の平均粒子径は約
15nmであった。屈折率は実施例1と同様にして決定
した。その結果、本実施例における多孔質シリカゾルの
屈折率は1.28であった。
【0023】(実施例3)テトラエトキシシラン50重
量部とメチルトリメトキシシラン29.3重量部に、エ
タノール751.5重量部を添加し、攪拌しておき、こ
れに30重量%のアンモニア水25.6重量部とエタノ
ール100重量部の混合物を室温にて滴化して、48時
間攪拌して、多孔質シリカゾルを生成した。ついで、エ
バポレータによって、エタノールおよびアンモニアを留
去し、さらに、エタノールを添加し、再度エタノールを
留去して、固形分10重量%の多孔質シリカゾルを得
た。この時の平均粒子径は約10nmであった。屈折率
は実施例1と同様にして決定した。その結果、本実施例
における多孔質シリカゾルの屈折率は1.24であっ
た。
量部とメチルトリメトキシシラン29.3重量部に、エ
タノール751.5重量部を添加し、攪拌しておき、こ
れに30重量%のアンモニア水25.6重量部とエタノ
ール100重量部の混合物を室温にて滴化して、48時
間攪拌して、多孔質シリカゾルを生成した。ついで、エ
バポレータによって、エタノールおよびアンモニアを留
去し、さらに、エタノールを添加し、再度エタノールを
留去して、固形分10重量%の多孔質シリカゾルを得
た。この時の平均粒子径は約10nmであった。屈折率
は実施例1と同様にして決定した。その結果、本実施例
における多孔質シリカゾルの屈折率は1.24であっ
た。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多孔性シ
リカゾルはシリコンのアルコキシドをアンモニアで加水
分解した後、アンモニアを除去することによって、平均
粒子径が0.3〜100nmの範囲にあり、かつ、屈折
率が1.2〜1.4を示すものであるため、反射防止膜
形成用塗布液用の低屈折率フィラーとして用いることが
でき、これを使用した際に、非常に優れた反射防止膜を
作製することができるなどの効果が得られる。
リカゾルはシリコンのアルコキシドをアンモニアで加水
分解した後、アンモニアを除去することによって、平均
粒子径が0.3〜100nmの範囲にあり、かつ、屈折
率が1.2〜1.4を示すものであるため、反射防止膜
形成用塗布液用の低屈折率フィラーとして用いることが
でき、これを使用した際に、非常に優れた反射防止膜を
作製することができるなどの効果が得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】 平均粒子径が0.3〜100nmの範囲
にあり、かつ、屈折率が1.2〜1.4であることを特
徴とする多孔質シリカゾル。 - 【請求項2】 シリコンのアルコキシドをアンモニアで
加水分解した後、アンモニアを除去することを特徴とす
る多孔質シリカゾルの製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5196534A JPH0748117A (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | 多孔質シリカゾルとその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5196534A JPH0748117A (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | 多孔質シリカゾルとその製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0748117A true JPH0748117A (ja) | 1995-02-21 |
Family
ID=16359344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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