JPH0747197Y2 - タレットプレス装置のワークテーブル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、タレットプレス装置のワークテーブル装置に
係り、特に被加工板材がプレス作業部に対して移動され
ることにより被加工板材の所定位置にプレス加工を行う
型式のタレットプレス装置に用いられるワークテーブル
装置に係る。

（従来の技術） NC制御式等のタレットパンチプレスは、ワーククランプ
手段によりワークテーブル上にて被加工板材を把持し、
この被加工板材を上部タレット及び下部タレットに取付
けられたパンチとダイとによるプレス作業部（プレス作
業位置）に対し移動させることにより、被加工板材の所
定位置にパンチプレス加工を行うようになっている。

上述の如きタレットプレス装置に於ては、下部タレット
の外周囲に加えて、下部タレットの中央部、即ち下部タ
レットの円環状のダイホルダの内側にも円盤状のワーク
テーブル、即ちサポートテーブルを設け、これにフリー
ベアリングを配置することが行われる。

（考案が解決しようとする課題） 上述の如きサポートテーブルによる被加工板材の支持位
置が被加工板材のパスラインより低いと、被加工板材に
打痕傷は生じないが、被加工板材がプレス作業部に対し
移動する際にこれと下部タレット上に配置されているダ
イとの接触により被加工板材の裏面に擦り傷が付く虞れ
がある。

これに対しサポートテーブルによる被加工板材の支持位
置が被加工板材のパスラインより高いと、被加工板材に
上述の如き刷り傷は生じないが、しかしプレスによる打
痕傷が被加工板材に発生する。

このことに鑑みてサポートテーブルを流体圧シリンダ装
置を用いて上下動することが考えられるが、しかしこれ
ではサポートテーブルの上下動のプレス速度に対する追
随性が悪く、これがプレス速度を制限し、タレットプレ
ス装置の移動率を低下させる原因になる。

本考案は、上述の如き不具合に鑑み、他に障害を生じる
ことなく擦り傷と打痕傷の発生を確実に防止することが
できる改良されたプレス装置のワークテーブル装置を提
供することを目的としている。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 前述のごとき従来の問題に鑑みて、本考案は、タレット
プレス装置に回転可能に備えた下部タレットの中央部に
サポートテーブルを上下動可能に設けると共に、上記サ
ポートテーブルを上下動するためのテーブル上下駆動手
段を設け、前記タレットプレス装置におけるプレス作業
位置に上下動自在に備えたラムを上下動するためのラム
上下駆動手段と前記テーブル上下駆動手段とを同期させ
る同期手段を設け、前記ラムの上動に同期して前記サポ
ートテーブルを上動して、前記プレス作業位置を越えて
前記下部タレットの中央部に位置する被加工板材の部分
を前記サポートテーブルにより持上げて前記下部タレッ
ト上のダイから前記被加工板材を持上げる構成としてな
るものである。

（作用） 上述の如き構成によれば、サポートテーブルがプレスラ
ムの上下動に同期して上下方向に移動され、これにより
プレス作業部近傍に於て被加工板材は、サポートテーブ
ル上に於ける移動時には持上げられて金型（ダイ）と接
触することを回避され、プレス作業時にはその持上げを
解除されて金型上面と接触する所定のプレス加工位置に
もたらされる。

（実施例） 以下に添付の図を参照して本考案の実施例を詳細に説明
する。

第２図は本考案によるワークテーブル装置を備えたタレ
ット型パンチプレスを示しており、第３図はそのワーク
テーブル部分を示している。タレット型パンチプレスは
門型のフレーム１を有し、フレーム１には複数個のパン
チ（図示省略）を取付けられる上部タレット３と複数個
のダイ（図示省略）を取付けられる下部タレット５とが
各々互いに同心に回転可能に取付けられている。

フレーム１にはラム駆動軸７及びラム駆動軸７の回転に
よって上下動されるラム９とが設けられており、ラム９
には上部タレット３に設けられているパンチ（図示省
略）を打圧するストライカ11が取付けられている。タレ
ット型パンチプレスに於ては、ストライカ11がこれに対
応する位置にある上部タレット３のパンチ（図示省略）
を打圧することにより該パンチと下部タレット５のダイ
（図示省略）とによりパンチプレスが行われる。従っ
て、ストライカ11の中心線がプレス中心Cpとなり、この
部分がプレス作業部（プレス作業位置）である。

フレーム１には、固定のセンターワークテーブル13と、
センターワークテーブル13の両側に配置され案内レール
15に案内されて図にて左右方向に往復動可能な可動のサ
イドワークテーブル17と、固定のリヤワークテーブル19
と、下部タレット５の周囲にこれに近接して設けられた
補助ワークテーブル21とが設けられている。また下部タ
レット５の円環上のダイホルダ23の内側には、即ち下部
タレット５の中央部には円盤状のサポートテーブル27が
上下動可能に設けられている。

サイドワークテーブル17にはキャリッジ29が連結されて
おり、キャリッジ29には被加工板材の把持を行うワーク
クランプ装置31が紙面に直交する方向、謂ゆるＸ軸方向
に移動可能に設けられている。

尚、第３図に於て、符号Ｆはセンターワークテーブル1
3、リヤワークテーブル19、サポートテーブル27に設け
られたフリーベアリングを示している。

本考案によるワークテーブル装置の主要部をなすサポー
トテーブル27の支持構造は第１図に良く示されている。

サポートテーブル27は、これの下底面に連結された縦軸
33によって下部タレット５より上下動可能に支持され、
圧縮コイルばね25によって上方へ付勢されている。横軸
33は、下部タレット５の中心部に設けられた貫通孔35に
ブッシュ37を介して軸線方向、即ち上下方向に摺動可能
に嵌合しており、その下端は貫通孔35より他方へ突出
し、枢軸39によって駆動リンク要素41の一端と枢動連結
されている。駆動リンク要素41は他端にて駆動軸43に取
付けられた偏心カム45と枢動連結されている。これによ
りサポートテーブル27は偏心カム45の回転に伴い図示さ
れている如くパスラインPLに整合する通常位置とこれよ
り上昇した上昇位置との間に下部タレット５、換言すれ
ばダイホルダ23に対し上下動する。

駆動軸43にはタイミングベルトプーリ47が取付けられて
おり、タイミングベルトプーリ47には無端のタイミング
ベルド49が係合している。タイミングベルト49は第２図
に示すごとく、タイミングベルトプーリ47とフレーム１
に装着されたタイミングベルトプーリ51との間に掛渡さ
れている。タイミングベルトプーリ51はタイミングベル
ト式伝動装置53及び55によってラム駆動軸７と同期状態
にて駆動連結されている。

上述の如き構成によれば、ラム駆動軸７の回転によりラ
ム９が上下動すると共にラム駆動軸７の回転が、タイミ
ングベルト式伝動装置55、53及びタイミングベルトプー
リ51、タイミングベルト49、タイミングベルトプーリ47
をもって駆動軸33へ伝達され、これにより駆動軸43がラ
ム駆動軸７の回転に同期して、換言すればラム９の上下
動に同期して回転するようになる。駆動軸43の回転によ
って偏心カム45が回転し、この偏心カム45の回転によっ
て駆動リンク要素41が上下動するようになる。これによ
りサポートテーブル27は縦軸33とブッシュ37との摺動に
よって案内された状態にて偏心カム45の回転に伴いラム
９の上下動に同期して上下動するようになる。

これによりラム９及びストライカ11が上昇位置にある時
にはサポートテーブル27は図示されている如き状態、即
ちパスラインPLに整合する通常位置より図にて上方へ移
動し、これによってサポートテーブル27上の被加工板材
（図示省略）がパスライン位置より持上げられるように
なる。これによりこの状態にてキャリッジ29及びワーク
クランプ装置31によって被加工板材がテーブル上にて移
動されてもその裏面が下部タレット５上のダイに当接す
ることがなく、被加工板材はダイより傷付けられること
なく移動するようになる。尚、この持上げ量は１〜3mm
程度であってよい。

パンチプレスのためにラム９及びストライカ11が降下す
ると、これに伴いサポートテーブル27が元の通常位置に
降下し、これによってサポートテーブル27上の被加工板
材はパスライン位置にて下部タレット５上のダイ上に載
置され、この状態にてパンチプレスが行われるようにな
る。これにより被加工板材に打痕傷が生じることが回避
される。

以上に於ては、本考案を特定の実施例について詳細に説
明したが、本考案は、これに限定されるものではなく、
本考案の範囲内にて種々の実施例が可能であることは当
業者にとって明らかであろう。

［考案の効果］ 以上のごとき実施例の説明より理解されるように、要す
るに本考案は、タレットプレス装置に回転可能に備えた
下部タレット（５）の中央部にサポートテーブル（27）
を上下動可能に設けると共に、上記サポートテーブル
（27）を上下動するためのテーブル上下駆動手段を設
け、前記タレットプレス装置におけるプレス作業位置に
上下動自在に備えたラム（９）を上下動するためのラム
上下動駆動手段と前記テーブル上下駆動手段とを同期さ
せる同期手段を設け、前記ラム（９）の上動に同期して
前記サポートテーブル（27）を上動して、前記プレス作
業位置を越えて前記下部タレット（５）の中央部に位置
する被加工板材の部分を前記サポートテーブル（27）に
より持上げて前記下部タレット（５）上のダイから前記
被加工板材を持上げる構成としてなるものである。

上記構成より明らかなように、本考案においては、タレ
ットプレス装置における下部タレット５の中央部にサポ
ートテーブル27が上下動可能に設けてあり、このサポー
トテーブル27の上下動は、前記タレットプレス装置にお
けるラム９の上下動と同期して行う構成であって、プレ
ス作業位置を越えて下部タレット５の中央部に位置する
被加工板材の部分を前記サポートテーブル27によって持
上げて、下部タレット５に備えたダイから被加工板材を
持上げる構成である。

すなわち、本考案においては、下部タレット５の中央部
に設けたサポートテーブル27によって被加工板材を持上
げるので、下部タレット５に備えた全てのダイに対して
被加工板材を持上げることが容易なものであり、被加工
板材の大部分が下部タレット５上に位置するような場合
であっても、全てのダイと被加工板材との接触を解除し
て、ダイの上面を擦ることによる擦傷が被加工板材の裏
面に生じることを防止できるものである。

さらに、サポートテーブル27の上下動はラム９の上下動
に同期して行われる構成であることにより、高速のプレ
ス加工時にも対応できることとなり、作業能率向上に有
効なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるタレットプレス装置のワークテー
ブル装置の一つの実施例を示す断面図、第２図は本考案
によるワークテーブル装置が組込まれるタレット型パン
チプレスの一つの実施例を示す概略構成図、第３図はタ
レット型パンチプレスのワークテーブル部分を示す平面
図である。 １……フレーム、３……上部タレット ５……下部タレット、７……ラム駆動軸 27……サポートテーブル 31……ワーククランプ装置 41……駆動リンク要素、43……駆動軸 45……偏心カム 47……タイミングベルトプーリ 49……タイミングベルト 51……タイミングベルトプーリ 53、55……タイミングベルト式伝動装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】タレットプレス装置に回転可能に備えた下
   部タレット（５）の中央部にサポートテーブル（27）を
   上下動可能に設けると共に、上記サポートテーブル（2
   7）を上下動するためのテーブル上下駆動手段を設け、
   前記タレットプレス装置におけるプレス作業位置に上下
   動自在に備えたラム（９）を上下動するためのラム上下
   動駆動手段と前記テーブル上下駆動手段とを同期させる
   同期手段を設け、前記ラム（９）の上動に同期して前記
   サポートテーブル（27）を上動して、前記プレス作業位
   置を越えて前記下部タレット（５）の中央部に位置する
   被加工板材の部分を前記サポートテーブル（27）により
   持上げて前記下部タレット（５）上のダイから前記被加
   工板材を持上げる構成としてなることを特徴とするタレ
   ットプレス装置のワークテーブル装置。