JPH0747112B2 - スパイラル型液体分離素子 - Google Patents
スパイラル型液体分離素子Info
- Publication number
- JPH0747112B2 JPH0747112B2 JP1041078A JP4107889A JPH0747112B2 JP H0747112 B2 JPH0747112 B2 JP H0747112B2 JP 1041078 A JP1041078 A JP 1041078A JP 4107889 A JP4107889 A JP 4107889A JP H0747112 B2 JPH0747112 B2 JP H0747112B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid separation
- separation element
- spiral type
- flow path
- type liquid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はスパイラル型液体分離素子の改良に関し,さら
に詳しくは,スパイラル型液体分離素子の部材の1つで
ある透過液側流路材の構造および材質の改良に関する。
に詳しくは,スパイラル型液体分離素子の部材の1つで
ある透過液側流路材の構造および材質の改良に関する。
[従来の技術] 従来からスパイラル型液体分離素子には,逆浸透膜や限
外濾過膜を用いたものが主流である。一般的な逆浸透膜
を用いたスパイラル型液体分離素子は,列状に多数の集
水孔をその管軸方向に配列した中心管の周囲に,第1の
半透膜,透過液側流路材,第2の半透膜,供給液側流路
材を一組とするユニットの単組または複組を巻付けてな
る。逆浸透膜を用いた液体分離では,通常,逆浸透膜の
分離性能を高め処理流体を円滑に流すために,供給液側
と透過液側には差圧が与えられ,逆浸透膜では5kg/cm2
程度から60kg/cm2程度までの運転圧力が加えられるが,
上記流路材のうちとくに透過液側流路材には,運転圧に
対して逆浸透膜の機能を損なうことなく該膜を保持し,
透過液の流路を適切に保持するだけの剛性が要求され
る。また,逆浸透膜の分離性能を高めるためには,透過
液側流路材により構成される流路の抵抗が極力小に抑え
られることが望ましい。流路抵抗を小にするには,流路
材の流路方向断面における開孔率を大にする必要があ
る。膜充填密度を増すためには流路材は基本的にはでき
るだけ薄いものが望ましいが,これは流路抵抗小という
要求と相反するものであり,実際には各々が性能に及ぼ
す影響のバランスを取って最適な厚みに設定される。
外濾過膜を用いたものが主流である。一般的な逆浸透膜
を用いたスパイラル型液体分離素子は,列状に多数の集
水孔をその管軸方向に配列した中心管の周囲に,第1の
半透膜,透過液側流路材,第2の半透膜,供給液側流路
材を一組とするユニットの単組または複組を巻付けてな
る。逆浸透膜を用いた液体分離では,通常,逆浸透膜の
分離性能を高め処理流体を円滑に流すために,供給液側
と透過液側には差圧が与えられ,逆浸透膜では5kg/cm2
程度から60kg/cm2程度までの運転圧力が加えられるが,
上記流路材のうちとくに透過液側流路材には,運転圧に
対して逆浸透膜の機能を損なうことなく該膜を保持し,
透過液の流路を適切に保持するだけの剛性が要求され
る。また,逆浸透膜の分離性能を高めるためには,透過
液側流路材により構成される流路の抵抗が極力小に抑え
られることが望ましい。流路抵抗を小にするには,流路
材の流路方向断面における開孔率を大にする必要があ
る。膜充填密度を増すためには流路材は基本的にはでき
るだけ薄いものが望ましいが,これは流路抵抗小という
要求と相反するものであり,実際には各々が性能に及ぼ
す影響のバランスを取って最適な厚みに設定される。
このような特性に対し,従来逆浸透膜を用いたスパイラ
ル型液体分離素子の透過液側流路材としては,編物が用
いられ,代表的なものとしてポリエステル繊維をダブル
デンビ組織で編んだトリコット編地を樹脂含浸あるいは
熱融着加工で剛着化したもの,又は,該トリコット編地
を更にカレンダー加工し表面を平滑にしたもの等で、厚
み0.2〜0.3mm程度のものが汎用されている(たとえば特
公昭62−35802号公報)。第3図は透過液側流路材とし
てトリコット編地4aの断面図を示してある。透過液の流
路である溝8、及び逆浸透膜を保持し、該流路の確保す
るための突起9がその表面に形成されている。
ル型液体分離素子の透過液側流路材としては,編物が用
いられ,代表的なものとしてポリエステル繊維をダブル
デンビ組織で編んだトリコット編地を樹脂含浸あるいは
熱融着加工で剛着化したもの,又は,該トリコット編地
を更にカレンダー加工し表面を平滑にしたもの等で、厚
み0.2〜0.3mm程度のものが汎用されている(たとえば特
公昭62−35802号公報)。第3図は透過液側流路材とし
てトリコット編地4aの断面図を示してある。透過液の流
路である溝8、及び逆浸透膜を保持し、該流路の確保す
るための突起9がその表面に形成されている。
近年,半導体の集積度が増すにつれ,その洗浄水として
使用される超純水の要求水質も厳しくなっている。第5
図は一般的な超純水の製造システムである。1次純水シ
ステム(11〜19)では,原水に凝集剤11,殺菌剤12を注
入し,砂濾過13を経て逆浸透膜を用いた液体分離装置16
で処理し,さらにイオン交換樹脂塔19で処理して1次純
水を得る。2次純水システム(20〜23,サブシステムと
もいわれる)では,1次純水を紫外線殺菌21した後ポリッ
シャー22(イオン交換処理)で処理し,この後,限外濾
過膜を用いたモジュール23で処理することで,イオン物
質やTOC,微粒子等を排除し,超純水を製造している。
使用される超純水の要求水質も厳しくなっている。第5
図は一般的な超純水の製造システムである。1次純水シ
ステム(11〜19)では,原水に凝集剤11,殺菌剤12を注
入し,砂濾過13を経て逆浸透膜を用いた液体分離装置16
で処理し,さらにイオン交換樹脂塔19で処理して1次純
水を得る。2次純水システム(20〜23,サブシステムと
もいわれる)では,1次純水を紫外線殺菌21した後ポリッ
シャー22(イオン交換処理)で処理し,この後,限外濾
過膜を用いたモジュール23で処理することで,イオン物
質やTOC,微粒子等を排除し,超純水を製造している。
半導体の集積度増に伴い厳しくなる超純水の要求水質を
満足させるため,最近,サブシステムで限外濾過膜に替
わり,逆浸透膜を用いた液体分離装置をユースポイント
の直前で使用することが検討されている。
満足させるため,最近,サブシステムで限外濾過膜に替
わり,逆浸透膜を用いた液体分離装置をユースポイント
の直前で使用することが検討されている。
この場合,逆浸透膜を用いたスパイラル型液体分離素子
の要求特性として分離性能もさることながら,素子自身
からのイオン物質やTOC成分の溶出がないこと,および
微粒子等の脱落がないこと,さらには液体分離素子の内
部に液の異常滞留部が発生しないことが重要視される。
これらの特性を満足するためには,液体分離素子の中で
とくに透過液と接する部材を,イオン物質やTOC成分の
溶出が極めて少ない材質で,かつ微粒子の脱落および異
常滞留部のない構造にする必要がある。透過液と接する
部材としては前述した透過液側流路材であげられる。従
来から用いられているポリエステル繊維のトリコット編
地では,熱融着加工およびカレンダー加工が施してある
から,微粒子およびTOCについては現在の測定技術の範
囲内において水質を満足するものの,より感度の高いイ
オン物質に関する水質指標である比抵抗に問題があっ
た。つまりイオン物質の溶出は初期の段階から少ないが
長期間この溶出速度が維持されること、透過液流路内に
異常滞留部が発生していることによる。そのため部材の
洗浄性も非常に効率が悪かった。又,この流路材が用い
られている従来のスパイラル型液体分離素子を用い,供
給水に超純水を用いて処理しても透過液の比抵抗が供給
水のレベルまで到達するのに多大な時間を要し,いわゆ
る立上がり特性が極めて悪かった。立上がり特性が悪い
ということは水の収率の低下を招き,ひいては超純粋の
製造コストを増加させる要因となる。
の要求特性として分離性能もさることながら,素子自身
からのイオン物質やTOC成分の溶出がないこと,および
微粒子等の脱落がないこと,さらには液体分離素子の内
部に液の異常滞留部が発生しないことが重要視される。
これらの特性を満足するためには,液体分離素子の中で
とくに透過液と接する部材を,イオン物質やTOC成分の
溶出が極めて少ない材質で,かつ微粒子の脱落および異
常滞留部のない構造にする必要がある。透過液と接する
部材としては前述した透過液側流路材であげられる。従
来から用いられているポリエステル繊維のトリコット編
地では,熱融着加工およびカレンダー加工が施してある
から,微粒子およびTOCについては現在の測定技術の範
囲内において水質を満足するものの,より感度の高いイ
オン物質に関する水質指標である比抵抗に問題があっ
た。つまりイオン物質の溶出は初期の段階から少ないが
長期間この溶出速度が維持されること、透過液流路内に
異常滞留部が発生していることによる。そのため部材の
洗浄性も非常に効率が悪かった。又,この流路材が用い
られている従来のスパイラル型液体分離素子を用い,供
給水に超純水を用いて処理しても透過液の比抵抗が供給
水のレベルまで到達するのに多大な時間を要し,いわゆ
る立上がり特性が極めて悪かった。立上がり特性が悪い
ということは水の収率の低下を招き,ひいては超純粋の
製造コストを増加させる要因となる。
ここで,トリコットの異常滞留部について図面を用いて
説明する。第2図は中心管1に取付けられた第1の半透
膜2,透過液側流路材4(トリコット編地),第2の半透
膜3の1実施態様の平面展開図である。スパイラル型液
体分離素子を製造する過程において、第1および第2の
半透膜を中心管1にのみ開口し,それ以外の三辺を接着
剤6でシールして封筒状にするが,接着剤が硬化するま
でに中心管に巻き付けるため,中心管付近の接着剤幅が
広くなる。第3図は,第2図におけるX−X断面図であ
る。図に示すとおり,トリコット編地の溝方向(中心管
へ向かっている)にはよく水は流れるが,溝と直角方向
には10倍以上の抵抗がある。従って,中心管にトリコッ
ト溝を通って集水される透過液が,前述の様に接着剤で
流路を閉塞されると,第2図に示すようにその箇所全体
が異常滞留部7となる。上記した現象により,比抵抗が
低下する以外にも,スパイラル型液体分離素子の有効膜
面積が実際の膜面積(接着剤の未塗付部))よりも小さ
くなり,それにより透過液量が減少し、さらには異常滞
留部で微生物が繁殖することも懸念された。
説明する。第2図は中心管1に取付けられた第1の半透
膜2,透過液側流路材4(トリコット編地),第2の半透
膜3の1実施態様の平面展開図である。スパイラル型液
体分離素子を製造する過程において、第1および第2の
半透膜を中心管1にのみ開口し,それ以外の三辺を接着
剤6でシールして封筒状にするが,接着剤が硬化するま
でに中心管に巻き付けるため,中心管付近の接着剤幅が
広くなる。第3図は,第2図におけるX−X断面図であ
る。図に示すとおり,トリコット編地の溝方向(中心管
へ向かっている)にはよく水は流れるが,溝と直角方向
には10倍以上の抵抗がある。従って,中心管にトリコッ
ト溝を通って集水される透過液が,前述の様に接着剤で
流路を閉塞されると,第2図に示すようにその箇所全体
が異常滞留部7となる。上記した現象により,比抵抗が
低下する以外にも,スパイラル型液体分離素子の有効膜
面積が実際の膜面積(接着剤の未塗付部))よりも小さ
くなり,それにより透過液量が減少し、さらには異常滞
留部で微生物が繁殖することも懸念された。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は,上記のごとき従来技術の欠陥を改善するた
め,透過液側流路材としてメッシュ状の織物ネットを用
いることにより,透過液側流路材内部の異常滞留部を無
くし,超純水サブシステムにおける比抵抗,TOC,微粒子
の立上がり特性で優れた性能を発揮するとともに,逆浸
透膜を損傷することなく、長期にわたって優れて分離性
能を発揮しかつ維持することのできるスパイラル型液体
分離素子を提供せんとするものである。
め,透過液側流路材としてメッシュ状の織物ネットを用
いることにより,透過液側流路材内部の異常滞留部を無
くし,超純水サブシステムにおける比抵抗,TOC,微粒子
の立上がり特性で優れた性能を発揮するとともに,逆浸
透膜を損傷することなく、長期にわたって優れて分離性
能を発揮しかつ維持することのできるスパイラル型液体
分離素子を提供せんとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、表面に孔を有する中空状の中心管の周囲に第
1の半透膜,透過液流路材,第2の半透膜,供給液流路
材を一組とするユニットの単組または複組を巻付けてな
るスパイラル型液体分離素子において,前記ユニットの
透過液流路材に,厚みが0.1〜2.0mmで目合が0.15〜3.0m
mのメッシュ状平織の織物から成るネットを用いたこと
を特徴とするスパイラル型液体分離素子に関するもので
ある。
1の半透膜,透過液流路材,第2の半透膜,供給液流路
材を一組とするユニットの単組または複組を巻付けてな
るスパイラル型液体分離素子において,前記ユニットの
透過液流路材に,厚みが0.1〜2.0mmで目合が0.15〜3.0m
mのメッシュ状平織の織物から成るネットを用いたこと
を特徴とするスパイラル型液体分離素子に関するもので
ある。
ネットは、メッシュ状の織物であればどのようなもので
もよいが,好ましくは篩網(ボルティングクロス)、あ
るいは/または濾過布(フィルタークロス)等が挙げら
れる。
もよいが,好ましくは篩網(ボルティングクロス)、あ
るいは/または濾過布(フィルタークロス)等が挙げら
れる。
ネットの織物組織としては,透過液の流路を確保し,か
つ透過液が全方向へ分散して流れるような構造を有する
ものであればどのような組織でもかまわないが,平織組
織である必要がある。
つ透過液が全方向へ分散して流れるような構造を有する
ものであればどのような組織でもかまわないが,平織組
織である必要がある。
織物の材質(繊維)は,運転圧力に対し、形態を保持す
るだけの機械的強度を有するものならどのようなもので
もかまわないが,好ましくは,ポリアミド系繊維(ナイ
ロン等),ポリエステル繊維,ポリアクリロニトリル系
繊維,ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン系繊維,ポリ塩化ビニル系繊維,ポリ塩化ビニリデ
ン系繊維,弗素系繊維(ポリフルオロエチレン系等),
炭素繊維等が挙げられる。とくに液体分離素子を超純水
サブシステムに適用する場合には,比抵抗およびTOCの
立上がり特性を考慮してイオン物質や有機物が低溶出で
あること,熱水滅菌に耐えうるだけの耐熱性を有するこ
と,および経済性を考慮してポリプロピレン繊維あるい
は/または弗素系繊維がより好ましい。
るだけの機械的強度を有するものならどのようなもので
もかまわないが,好ましくは,ポリアミド系繊維(ナイ
ロン等),ポリエステル繊維,ポリアクリロニトリル系
繊維,ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン系繊維,ポリ塩化ビニル系繊維,ポリ塩化ビニリデ
ン系繊維,弗素系繊維(ポリフルオロエチレン系等),
炭素繊維等が挙げられる。とくに液体分離素子を超純水
サブシステムに適用する場合には,比抵抗およびTOCの
立上がり特性を考慮してイオン物質や有機物が低溶出で
あること,熱水滅菌に耐えうるだけの耐熱性を有するこ
と,および経済性を考慮してポリプロピレン繊維あるい
は/または弗素系繊維がより好ましい。
糸のタイプは,マルチフィラメントまたはモノフィラメ
ントあるいは両者の混合が一般的であるが,超純水サブ
システムに適用する場合には,部材の洗浄効率や微粒子
の立上がり特性を考慮してモノフィラメントがより好ま
しい。
ントあるいは両者の混合が一般的であるが,超純水サブ
システムに適用する場合には,部材の洗浄効率や微粒子
の立上がり特性を考慮してモノフィラメントがより好ま
しい。
次に図を用いて詳細に説明する。第4図は,第3図と同
様,中心管1に取付けられた第1の半透膜2,透過液流路
材4b(モノフィラメントの平織りネット),第2の半透
膜3の第2図に示した如きX−X方向の断面図を示す。
様,中心管1に取付けられた第1の半透膜2,透過液流路
材4b(モノフィラメントの平織りネット),第2の半透
膜3の第2図に示した如きX−X方向の断面図を示す。
ネットの厚みaは,モノフィラメントの太さbにより定
まり,モノフィラメントの太さbを変えることで任意に
設定できる。目合(ピッチ)cも任意に設定できるが,
繊維の剛性とモノフィラメントの太さbにより目合の最
小値は制限される。
まり,モノフィラメントの太さbを変えることで任意に
設定できる。目合(ピッチ)cも任意に設定できるが,
繊維の剛性とモノフィラメントの太さbにより目合の最
小値は制限される。
ネットの厚みa,モノフィラメントの太さb,フィラメント
の目合cの設定は,素子の運転条件(運転圧力,造水
量),モノフィラメントの剛性あるいは機械的強度,織
物組織等に依存する流路抵抗,および膜充填密度,さら
には半透膜の機能を保持し,透過液流路を長期間安定に
保持できることを考慮する必要がある。超純水サブシス
テムで用いるスパイラル型液体分離素子に使用するネッ
トは,上記した要求機能を考慮した場合,ネットの厚み
aが0.1〜2.0mmであり,フィラメントの目合cが0.15〜
3.0mmの範囲であることが必要である。
の目合cの設定は,素子の運転条件(運転圧力,造水
量),モノフィラメントの剛性あるいは機械的強度,織
物組織等に依存する流路抵抗,および膜充填密度,さら
には半透膜の機能を保持し,透過液流路を長期間安定に
保持できることを考慮する必要がある。超純水サブシス
テムで用いるスパイラル型液体分離素子に使用するネッ
トは,上記した要求機能を考慮した場合,ネットの厚み
aが0.1〜2.0mmであり,フィラメントの目合cが0.15〜
3.0mmの範囲であることが必要である。
メッシュ状の織物から成るネットは,上記した長所を有
することから,超純水サブシステムにおいて立上がり特
性の極めて優れた液体分離素子を提供することが可能で
あるとともに,従来からあるスパイラル型液体分離素子
の分離性能,耐久性を向上させ,さらに素子の洗浄,殺
菌を容易にすることが可能である。
することから,超純水サブシステムにおいて立上がり特
性の極めて優れた液体分離素子を提供することが可能で
あるとともに,従来からあるスパイラル型液体分離素子
の分離性能,耐久性を向上させ,さらに素子の洗浄,殺
菌を容易にすることが可能である。
[実施例] 実施例1 透過液側流路材として,ポリプロピレンを原料とするモ
ノフィラメントを平織りした,厚み0.2mm,モノフィラメ
ントの目合50×50Mesh/inchのネットと,比較例として
従来から用いられているポリエステル繊維のマルチフィ
ラメントをダブルデンビ組織に編成し,これを熱処理で
硬化させたトリコット編地をさらにカレンダー加工した
ものをそれぞれ使用して,外径4インチのスパイラル型
液体分離素子を製作した。第5図に示した超純水製造シ
ステムの中で,サブシステムのポリッシャーの後にスパ
イラル型液体分離装置を設置して,上記分離素子の比抵
抗の立上がり特性を比較した。供給水の比抵抗は18.20M
Ω・cmであり,運転圧力10kg/cm2,温度25℃,造水量4T
/日,回収率90%で運転した結果を第6図に示す。従来
から用いられている流路材を使用して製作したスパイラ
ル型液体分離素子は,約100時間運転した後でも比抵抗
は供給水レベルに到達せず,18,10MΩ・cmで頭打ちとな
るのに対し,流路材にモノフィラメントの平織りネット
を用いて製作したスパイラル型液体分離素子は,運転開
始後2時間で供給水レベル(18.20MΩ・cm)に到達し,
立上がり時間を大幅に縮小できた。さらに10時間後に
は,理論純水の比抵抗値18.25MΩ・cmまで到達した。
ノフィラメントを平織りした,厚み0.2mm,モノフィラメ
ントの目合50×50Mesh/inchのネットと,比較例として
従来から用いられているポリエステル繊維のマルチフィ
ラメントをダブルデンビ組織に編成し,これを熱処理で
硬化させたトリコット編地をさらにカレンダー加工した
ものをそれぞれ使用して,外径4インチのスパイラル型
液体分離素子を製作した。第5図に示した超純水製造シ
ステムの中で,サブシステムのポリッシャーの後にスパ
イラル型液体分離装置を設置して,上記分離素子の比抵
抗の立上がり特性を比較した。供給水の比抵抗は18.20M
Ω・cmであり,運転圧力10kg/cm2,温度25℃,造水量4T
/日,回収率90%で運転した結果を第6図に示す。従来
から用いられている流路材を使用して製作したスパイラ
ル型液体分離素子は,約100時間運転した後でも比抵抗
は供給水レベルに到達せず,18,10MΩ・cmで頭打ちとな
るのに対し,流路材にモノフィラメントの平織りネット
を用いて製作したスパイラル型液体分離素子は,運転開
始後2時間で供給水レベル(18.20MΩ・cm)に到達し,
立上がり時間を大幅に縮小できた。さらに10時間後に
は,理論純水の比抵抗値18.25MΩ・cmまで到達した。
実施例2 実施例1で用いた透過液側流路材について,各々300時
間までの流動抵抗を圧力15kg/cm2で測定した結果を表1
に示す。従来から用いられているトリコット編地の流路
材の厚みが0.25mmであり,平織りネットの厚みが20%薄
くなっているにもかかわらず,流動抵抗の初期値は10%
小さくすることができた。また,300時間後の流動抵抗の
変化率は5%であり,トリコット編地と同程度の耐久性
を有している。
間までの流動抵抗を圧力15kg/cm2で測定した結果を表1
に示す。従来から用いられているトリコット編地の流路
材の厚みが0.25mmであり,平織りネットの厚みが20%薄
くなっているにもかかわらず,流動抵抗の初期値は10%
小さくすることができた。また,300時間後の流動抵抗の
変化率は5%であり,トリコット編地と同程度の耐久性
を有している。
実施例3 実施例1と同様にしてスパイラル型液体分離素子を製作
し,運転圧力15kg/cm2,温度25℃で0.15%食塩水の分離
性能を比較した。その結果を表2に示す。平織りネット
を用いた分離素子は,トリコット編地を用いたものに比
べて,造水量が約10%増加し,透過液の水質も約40%改
善された。
し,運転圧力15kg/cm2,温度25℃で0.15%食塩水の分離
性能を比較した。その結果を表2に示す。平織りネット
を用いた分離素子は,トリコット編地を用いたものに比
べて,造水量が約10%増加し,透過液の水質も約40%改
善された。
[発明の効果] 本発明は,上記の如き従来技術を改善し,以下の効果を
有するものである。
有するものである。
(1)流路材の表面平骨性が向上して,膜の変形が最小
限に抑えられることにより,液体分離素子の性能低下を
防止し,また寿命を大幅に伸ばす。
限に抑えられることにより,液体分離素子の性能低下を
防止し,また寿命を大幅に伸ばす。
(2)流路材を薄くすることが可能となりその分だけ膜
充填密度を上げることができ,また,接着剤の広がりに
よる有効膜面積の減少を解消することで,液体分離素子
単位体積当りの透過液量が増加する。
充填密度を上げることができ,また,接着剤の広がりに
よる有効膜面積の減少を解消することで,液体分離素子
単位体積当りの透過液量が増加する。
(3)透過液側流路に異常滞留部の発生が無くなったこ
と,および流路材材質に低溶出タイプの繊維を使用した
ことで,超純水サブシステムに適用した場合の立上がり
特性が極めて改善され,超純水の水質の向上,収率の向
上に寄与する。
と,および流路材材質に低溶出タイプの繊維を使用した
ことで,超純水サブシステムに適用した場合の立上がり
特性が極めて改善され,超純水の水質の向上,収率の向
上に寄与する。
(4)モノフィラメントを用いていることにより,超純
水サブシステムに適用した場合の微粒子の脱落数を現在
の測定技術の検出限界値以下まで低減することが可能と
なり,超純水の水質が向上する。
水サブシステムに適用した場合の微粒子の脱落数を現在
の測定技術の検出限界値以下まで低減することが可能と
なり,超純水の水質が向上する。
(5)透過液側流路内での微生物の繁殖が防止でき,ま
た熱水滅菌や洗浄も容易となることから,食品分野でも
好適に利用できる。
た熱水滅菌や洗浄も容易となることから,食品分野でも
好適に利用できる。
なお,本発明に係る装置は,超純水サブシステムに適用
されるスパイラル型液体分離素子はもとより,すべての
スパイラル型液体分離素子に適用可能であり,その利用
分野は極めて広い。
されるスパイラル型液体分離素子はもとより,すべての
スパイラル型液体分離素子に適用可能であり,その利用
分野は極めて広い。
【図面の簡単な説明】 第1図は,本発明に係るスパイラル型液体分離素子の断
面図である。 第2図は,従来技術に係るスパイラル型液体分離素子の
1実施態様の平面展開図であり,従来素子の異常滞留部
を示す。 第3図は,従来技術に係る液体分離素子において、透過
液流路材としてトリコット編地を用いた場合の第2図に
おけるX−X断面図である。 第4図は,本発明に係る透過液流路材としてモノフィラ
メントの平織りネットを用いた場合の液体分離素子のX
−X断面図である。 第5図は,超純水製造システムの概略図の一例である。 第6図は,本発明に係るスパイラル型液体分離素子と従
来技術に係るスパイラル型液体分離素子の超純水サブシ
ステムにおける比抵抗の立上がり特性を示した図であ
る。 1:中心管、1b:集水孔、2:第1の半透膜、4:透過液側流
路材、4a:トリコット編地、4b:透過液流路材、5:供給液
側流路材、6:接着剤、7:異常滞留部、8:溝、9:突起、1
0:織物、11:凝集剤、12:殺菌剤、13:砂過、14:保安フ
ィルター,15:高圧ポンプ、16:液体分離装置、17:透過水
タンク、18:脱気塔、19:イオン交換樹脂塔、20:1次純水
タンク
面図である。 第2図は,従来技術に係るスパイラル型液体分離素子の
1実施態様の平面展開図であり,従来素子の異常滞留部
を示す。 第3図は,従来技術に係る液体分離素子において、透過
液流路材としてトリコット編地を用いた場合の第2図に
おけるX−X断面図である。 第4図は,本発明に係る透過液流路材としてモノフィラ
メントの平織りネットを用いた場合の液体分離素子のX
−X断面図である。 第5図は,超純水製造システムの概略図の一例である。 第6図は,本発明に係るスパイラル型液体分離素子と従
来技術に係るスパイラル型液体分離素子の超純水サブシ
ステムにおける比抵抗の立上がり特性を示した図であ
る。 1:中心管、1b:集水孔、2:第1の半透膜、4:透過液側流
路材、4a:トリコット編地、4b:透過液流路材、5:供給液
側流路材、6:接着剤、7:異常滞留部、8:溝、9:突起、1
0:織物、11:凝集剤、12:殺菌剤、13:砂過、14:保安フ
ィルター,15:高圧ポンプ、16:液体分離装置、17:透過水
タンク、18:脱気塔、19:イオン交換樹脂塔、20:1次純水
タンク
Claims (1)
- 【請求項1】表面に孔を有する中空状の中心管の周囲に
第1の半透膜,透過液流路材,第2の半透膜,供給液流
路材を一組とするユニットの単組または複組を巻付けて
なるスパイラル型液体分離素子において,前記ユニット
の透過液流路材に,厚みが0.1〜2.0mmで目合が0.15〜3.
0mmのメッシュ状平織の織物から成るネットを用いたこ
とを特徴とするスパイラル型液体分離素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1041078A JPH0747112B2 (ja) | 1989-02-21 | 1989-02-21 | スパイラル型液体分離素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1041078A JPH0747112B2 (ja) | 1989-02-21 | 1989-02-21 | スパイラル型液体分離素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02218421A JPH02218421A (ja) | 1990-08-31 |
JPH0747112B2 true JPH0747112B2 (ja) | 1995-05-24 |
Family
ID=12598429
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1041078A Expired - Lifetime JPH0747112B2 (ja) | 1989-02-21 | 1989-02-21 | スパイラル型液体分離素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0747112B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1625885A1 (en) * | 2004-08-11 | 2006-02-15 | Vlaamse Instelling Voor Technologisch Onderzoek (Vito) | Integrated permeate channel membrane |
DE102008036098B4 (de) * | 2008-08-04 | 2016-04-28 | Mn-Beteiligungs-Gmbh | Filtermodul mit spiralförmig gewickelten Flachfiltern, Verfahren zu dessen Herstellung und daraus aufgebautes Filtrationssystem |
KR102283221B1 (ko) * | 2014-01-31 | 2021-07-29 | 도레이 카부시키가이샤 | 분리막, 시트 유로재 및 분리막 엘리먼트 |
JP7037306B2 (ja) | 2016-09-16 | 2022-03-16 | 日東電工株式会社 | スパイラル型膜エレメント |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL8200880A (nl) * | 1982-03-04 | 1983-10-03 | Shell Int Research | Inrichting voor stofoverdracht. |
JPS6164303U (ja) * | 1984-10-04 | 1986-05-01 | ||
JPH084718B2 (ja) * | 1987-03-05 | 1996-01-24 | 株式会社日立製作所 | 液体分離装置 |
-
1989
- 1989-02-21 JP JP1041078A patent/JPH0747112B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02218421A (ja) | 1990-08-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3430783B2 (ja) | 液体分離素子、装置および処理方法 | |
JP4445862B2 (ja) | 中空糸膜モジュール、中空糸膜モジュールユニット及びこれを用いた膜濾過装置と、その運転方法 | |
US7735660B2 (en) | Porous multilayered hollow fiber and filtration module, and method of manufacturing porous multilayered hollow fiber | |
JPWO2007114069A1 (ja) | 液体分離素子、流路材およびその製造方法 | |
KR100626901B1 (ko) | 스파이럴형 분리막 요소 | |
JPH05168869A (ja) | スパイラル型分離膜モジュール | |
KR20040082997A (ko) | 나선형 분리막 소자 | |
KR20200110331A (ko) | 막분리 시스템 및 막분리 시스템의 운전 방법 | |
JP2000042378A (ja) | 流体分離素子 | |
JP2018015735A (ja) | 分離膜エレメント | |
JP2000000437A (ja) | スパイラル型逆浸透膜エレメントおよびそれを用いた分離装置 | |
JPH0747112B2 (ja) | スパイラル型液体分離素子 | |
JP2001062258A (ja) | 中空糸膜複合体の製造方法 | |
JPS6136964B2 (ja) | ||
JP2000051671A (ja) | スパイラル型分離膜エレメント | |
JP3052958B1 (ja) | スパイラル型逆浸透膜エレメントおよび分離方法 | |
JP4152525B2 (ja) | 濾過膜支持用織物 | |
JPH11235520A (ja) | 流体分離素子 | |
JP3292183B2 (ja) | スパイラル型逆浸透膜エレメント | |
JP2004283701A (ja) | スパイラル型分離膜エレメント | |
JP2007209956A (ja) | スパイラル型分離膜エレメント | |
JP2002095935A (ja) | スパイラル型分離膜エレメント | |
KR20160083562A (ko) | 입도별 여과효율이 개선된 필터집합체 및 이를 포함하는 필터유닛 | |
JPH11188245A (ja) | スパイラル型膜エレメント | |
CN221607828U (zh) | 一种反渗透膜 |