JPH0736504U - 疑似エンジン音発生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気自動車の種々の運転状態に応じた好適な
疑似エンジン音を発生する。 【構成】 駆動用モータを回転可能にするためのイグニ
ッションスイッチＩＧの信号と、車速センサ１からの車
速パルス信号とを制御回路２に入力し、イグニッション
スイッチＩＧのオン状態で、車両の停止状態（車速パル
スの入力が無し）の時には０．５Hzの電子チャイム音を
スピーカ１０から発生し、走行状態（車速パルスの入力
が有り）の時には車速パルスの周波数に応じて０．５〜
Ｆ_maxHz（任意の最大周波数）の電子チャイム音をスピ
ーカ１０から発生する。 【効果】 アイドリング状態や走行時のエンジン回転数
の大きさに応じた疑似エンジン音にて車両の状態を、運
転者や歩行者に好適に知らせることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電気自動車に於ける疑似エンジン音を発生するための疑似エンジン 音発生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

動力に電動モータを用いた電気自動車にあっては、内燃機関を用いた自動車に 比べて振動が少なく、エンジン音も静かであるという利点がある。また、このよ うな電気自動車にあっては、内燃機関を用いた自動車に於けるスロットル操作と 同様のスロットル操作を行って、運転者の意志に基づいた運転を行うようにした ものがある。

【０００３】 上記したように電気自動車にあってはモータ（エンジン）音が静かであること から、走行可能な状態（イグニッションスイッチのオン状態）であるのか、走行 時のモータの回転がどのような状態になっているのか等、従来の内燃機関の自動 車に於けるエンジン音による判断ができないという問題があった。また、歩行者 などに対して注意を促す必要があり、従来の電気自動車に於いて走行中であるこ とを知らせるための音を発するようにしたものがあった。

【０００４】 上記の音を発するようにしたものとしては、イグニッションのオン状態と同様 の状態で、ある程度の音圧（周波数）レベルの音を発生させ、走行可能な状態で あることを認識させるようにしたものがある。しかしながら、従来の電気自動車 では、停止時や走行時でも一定の音圧（周波数）の音を発生させるものであり、 停止や車速の高低状態を含めた走行状態に対して不自然であるという問題があっ た。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来技術の問題点に鑑み、本考案の主な目的は、電気自動車の種々 の運転状態に応じた好適な疑似エンジン音を発生し得る疑似エンジン音発生装置 を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このような目的は、本考案によれば、電気自動車の駆動用モータを回転可能に するための準備スイッチと、車速を検出するための車速検出手段と、発音体と、 前記発音体から疑似エンジン音を発生させるための発音体駆動制御手段とを有す る疑似エンジン音発生装置であって、前記発音体駆動制御手段が、前記準備スイ ッチにより前記モータの回転可能状態を検出した場合に於いて、前記車速検出手 段により前記電気自動車の停止状態を検出した場合には前記発音体から比較的小 さい音圧または低い周波数の音を発生させ、前記車速検出手段により前記電気自 動車の走行状態を検出した場合には車速の上昇に伴って前記音圧を増大しまたは 前記周波数を高めるように制御することを特徴とする疑似エンジン音発生装置を 提供することにより達成される。

【０００７】

【作用】

このようにすれば、従来の内燃機関エンジン車のアイドリング状態に相当する 状態を、モータの回転可能な状態であってかつ車両の停止状態であるという検出 により判別でき、そのアイドリング状態では比較的小さい音圧または低い周波数 の疑似音を発生し、車速に応じて音圧または周波数を変化させた音を発生するこ とにより、従来の自動車のエンジン音と同様に、運転状態に応じて変化する音を 発生することができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の好適実施例を添付の図面を参照して詳しく説明する。

【０００９】 図１は、本考案が適用された電気自動車（例えば電動２輪車）の疑似エンジン 音を発生するための回路全体を示す図である。図１に於いて、例えば駆動用モー タＭの回転数に応じて周波数が変化するパルスを発することにより車速を検出し 得る車速センサ１から発せられる車速パルス信号が、発音体駆動制御手段として の制御回路２内で分岐され、一方がＦ／Ｖ変換器３に入力し、他方が分周回路４ に入力するようになっている。このＦ／Ｖ変換器３は、本実施例では車速パルス 信号の発生を検出したらトランジスタオン信号を出力し、そのトランジスタオン 信号によりリレー駆動用トランジスタＱ１をオンするようになっている。

【００１０】 上記分周回路４は、車速パルス信号が発生したら例えば０．５Hzの信号を出力 し、車速パルス信号の増減に応じて０．５Hz〜Ｆ_max（任意の最大周波数）の周 波数を増減させることができるものである。分周回路４の上記出力信号は、前記 リレー駆動用トランジスタＱ１により駆動されるリレーＲＬ１の２位置選択式接 点の常時開側に出力されるようになっている。そのリレーＲＬ１の２位置選択式 接点の常時閉側には、分周回路４と並列に設けられたアイドル音用発振回路５か らの例えば０．５Hzの発振信号が出力されるようになっている。

【００１１】 上記モータＭをモータ制御回路６を介して制御可能にする準備スイッチとして のイグニッションスイッチＩＧからのオン／オフ信号が、本制御回路２内の遅延 回路７に入力し、その遅延回路７の出力信号が、基準クロック発振回路８と第１ 及び第２発振回路９・１０に入力するようになっている。基準クロック発振回路 ８の出力信号はアイドル音用発振回路５と第１及び第２発振回路９・１０に入力 するようになっている。第１発振回路９は例えば２．０kHz（Ｆ１）の信号を出 力し、第２発振回路１０は例えば１．６kHz（Ｆ２）の信号を出力するものであ る。そして、分周回路４とアイドル音用発振回路５とからリレーＲＹ１の切換接 点を介して出力される信号と、前記第１及び第２発振回路９・１０から出力され る各信号とが、チャイム音生成回路１１に入力するようになっている。

【００１２】 また、発音体としてのスピーカ１２は、電源側のトランジスタＱ２と接地側の トランジスタＱ３とが共にオン状態になったら発音するように接続されている。 上記トランジスタＱ２は、前記チャイム音生成回路１１の出力段のオア回路ＯＲ １の出力信号によりオン状態になるトランジスタＱ４がオンした時にオンし、ト ランジスタＱ３は、チャイム音生成回路１１の出力段の互いに並列な両アンド回 路ＡＤ１・ＡＤ２の出力信号によりオンするようになっている。

【００１３】 上記オア回路ＯＲ１の入力段には、前記分周回路４またはアイドル音用発振回 路５の出力信号の立ち上がり・立ち下がりのタイミング毎に、立ち上がりその後 漸減する波形の信号を形成するＣＲ時定数回路が設けられている。従って、トラ ンジスタＱ２の出力は、図２に示されるように連続的に、立ち上がった後漸減す る波形となる。

【００１４】 また、分周回路４またはアイドル音用発振回路５の出力信号は、上記両アンド 回路ＡＤ１・ＡＤ２にも入力しており、上記立ち上がり・立ち下がりのタイミン グで２．０kHzの信号と１．６kHzの信号とがトランジスタＱ３に出力されること になる。従って、トランジスタＱ３の出力には、図２に示されるように２．０kH zの信号と１．６kHzの信号とが交互に生じる。

【００１５】 このようにして構成された疑似エンジン音発生回路の信号発音要領を以下に示 す。まず、内燃機関エンジン車のエンジンスタートと同様にイグニッションスイ ッチＩＧをオンにすると、遅延回路７を介すことにより０．２ｓ後に、アイドル 音用発振回路５からの０．５Hz信号が出力されると共に、第１及び第２発振回路 ９・１０からそれぞれの周波数Ｆ１・Ｆ２の信号が出力される。なお、発進前の 停止状態（内燃機関エンジン車のアイドリング状態に相当する）では、車速セン サ１から車速パルス信号が発生されていないことからリレーＲＬ１が非励磁状態 であるため、アイドル音用発振回路５からの０．５Hz信号がチャイム音生成回路 １１に入力する。従って、この０．５Hz信号のタイミングにて、疑似エンジン音 として２．０kHzの信号と１．６kHzの信号とが切替わる（図２参照）電子チャイ ム音がスピーカ１２から発音されるため、運転者及び歩行者などは、車両がアイ ドル状態であることを認識することができる。

【００１６】 次に、スロットルを操作して車両を発進させて車速パルスが生じると、トラン ジスタＱ１がオンし、リレーＬＲ１が切替わるため、分周回路４の信号がチャイ ム音生成回路１１に入力するようになる。そして、車速の上昇に伴って、分周回 路４の信号の周波数が高まり、図２に示されるようにトランジスタＱ２・Ｑ３の 周期が０．５Hzより短くなっていくため、２．０kHz（Ｆ１）の信号と１．６kHz （Ｆ２）の信号との切替わりが車速に応じて早まる。従って、車速に応じて変化 する周期にて２．０kHzの信号と１．６kHzの信号とが切替わるチャイム音が発生 するため、運転者は、車速に応じて変化するチャイム音を認識しつつ運転するこ とができる。また、歩行者なども、近づいてくる車両の速度を音によりある程度 判別可能である。

【００１７】 なお、本実施例ではチャイム音を、その周波数を変化させるようにしたが、周 波数変化に限るものではなく、例えば音圧を変化させるようにしても良い。

【００１８】 また、本考案に係る疑似エンジン音発生装置としては、本実施例に限定されず 、例えば、イグニッションスイッチＩＧのオン状態で比較的小さい音を発するス ピーカやホーンなどの発音体をイグニッションスイッチＩＧに接続すると共に、 車速に連動して周期の変化する音を発生させるべく、モータまたは車軸に回転体 を連結して回転体の回転に伴って発音体をたたく機構にしても良い。また、マイ クロコンピュータなどを用いて、車速入力信号に応じて発音体の発する音の周期 や音圧を変化させるようにプログラムを作成して、制御するようにしても良い。

【００１９】

【考案の効果】

このように本考案によれば、電気自動車に於いて、内燃機関エンジン車のアイ ドリング時に相当する疑似音や、車速の高低に応じて変化する疑似音を発生させ ることにより、内燃機関エンジン車のエンジン音に相当する音の変化を得ること ができ、内燃機関エンジン車から電気自動車に乗り換えても、何等不都合を生じ ることなく運転を行うことができると共に、歩行者などに対しても車両の状態を 的確に知らせることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案が適用された電気自動車の疑似エンジン
音発生回路全体を示す図。

【図２】疑似エンジン音の発生要領を示すタイムチャー
ト。

【符号の説明】

１ 車速センサ ２ 制御回路 ３ Ｆ／Ｖ変換器 ４ 分周回路 ５ アイドル音用発振回路 ６ モータ制御回路 ７ 遅延回路 ８ 基準クロック発振回路 ９ 第１発振回路 １０ 第２発振回路 １１ チャイム音生成回路 １２ スピーカ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気自動車の駆動用モータを回転可能に
   するための準備スイッチと、車速を検出するための車速
   検出手段と、発音体と、前記発音体から疑似エンジン音
   を発生させるための発音体駆動制御手段とを有する疑似
   エンジン音発生装置であって、 前記発音体駆動制御手段が、前記準備スイッチにより前
   記モータの回転可能状態を検出した場合に於いて、前記
   車速検出手段により前記電気自動車の停止状態を検出し
   た場合には前記発音体から比較的小さい音圧または低い
   周波数の音を発生させ、前記車速検出手段により前記電
   気自動車の走行状態を検出した場合には車速の上昇に伴
   って前記音圧を増大しまたは前記周波数を高めるように
   制御することを特徴とする疑似エンジン音発生装置。