JPH07332454A - 直線作動機のボールねじ軸回転防止装置 - Google Patents
直線作動機のボールねじ軸回転防止装置Info
- Publication number
- JPH07332454A JPH07332454A JP6144065A JP14406594A JPH07332454A JP H07332454 A JPH07332454 A JP H07332454A JP 6144065 A JP6144065 A JP 6144065A JP 14406594 A JP14406594 A JP 14406594A JP H07332454 A JPH07332454 A JP H07332454A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- screw shaft
- ball screw
- force receiving
- pressing force
- coil spring
- Prior art date
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 直線作動機のボールねじ軸の回転防止装置の
提供。 【構成】 回転防止装置60は、対向面間にスラスト軸
受41を介在してボールねじ軸32の基端部に遊嵌され
た押圧力受け回転体42、引張力受け回転体43と、基
端部に固定されて両押圧力受け回転体、引張力受け回転
体を受け止める軸上押圧段部44、軸上牽引部47と、
ハウジング35に固定されて押圧力受け回転体、引張力
受け回転体を受け止める引張力ストッパー51、押圧力
ストッパー52と、押圧力受け回転体、引張力受け回転
体との外周に緊締装着されたコイルスプリング50とを
具えている。回転防止装置60は、直線作動機の出力軸
の軸方向に加わった軸方向外力がボールナットを介して
ボールねじ軸に作用し、ボールねじ軸に正逆回転力が発
生したとき、押圧力受け回転体および引張力受け回転体
の何れか一方が回転してコイルスプリングを締め込みボ
ールねじ軸を回転を阻止する。
提供。 【構成】 回転防止装置60は、対向面間にスラスト軸
受41を介在してボールねじ軸32の基端部に遊嵌され
た押圧力受け回転体42、引張力受け回転体43と、基
端部に固定されて両押圧力受け回転体、引張力受け回転
体を受け止める軸上押圧段部44、軸上牽引部47と、
ハウジング35に固定されて押圧力受け回転体、引張力
受け回転体を受け止める引張力ストッパー51、押圧力
ストッパー52と、押圧力受け回転体、引張力受け回転
体との外周に緊締装着されたコイルスプリング50とを
具えている。回転防止装置60は、直線作動機の出力軸
の軸方向に加わった軸方向外力がボールナットを介して
ボールねじ軸に作用し、ボールねじ軸に正逆回転力が発
生したとき、押圧力受け回転体および引張力受け回転体
の何れか一方が回転してコイルスプリングを締め込みボ
ールねじ軸を回転を阻止する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ねじ軸にねじ込まれた
ナットに固定された出力軸がねじ軸の回転によってハウ
ジングに対し進退動する直線作動機において、出力軸に
軸方向の外力が加わったとき、ねじ軸の回転を防止する
ための装置に関する。
ナットに固定された出力軸がねじ軸の回転によってハウ
ジングに対し進退動する直線作動機において、出力軸に
軸方向の外力が加わったとき、ねじ軸の回転を防止する
ための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の直線作動機は実開平4−
62946号公報に開示されている。この直線作動機
(図示省略)は、ねじ軸とナットと間の摩擦を少なくし
て出力軸の進退動を円滑にするため、摩擦抵抗の少ない
ねじ軸とナットにボールねじが使われている。ところ
が、ボールねじを使用すると、摩擦抵抗が少ないため、
出力軸に軸方向の押圧力あるいは引っ張り力が加わった
場合、ボールナットを介して出力ねじ軸に回転力が発
生、出力ねじ軸が回転するという問題点を有している。
62946号公報に開示されている。この直線作動機
(図示省略)は、ねじ軸とナットと間の摩擦を少なくし
て出力軸の進退動を円滑にするため、摩擦抵抗の少ない
ねじ軸とナットにボールねじが使われている。ところ
が、ボールねじを使用すると、摩擦抵抗が少ないため、
出力軸に軸方向の押圧力あるいは引っ張り力が加わった
場合、ボールナットを介して出力ねじ軸に回転力が発
生、出力ねじ軸が回転するという問題点を有している。
【0003】この問題点を解決する装置として、図4、
図5に示すようなボールねじ軸回転防止装置がある。こ
のボールねじ軸回転防止装置10の構成は、次のように
なっている。ボールねじ軸11の基端部には細径部12
が形成されている。この細径部12には引張力受け回転
体13、中間回転体14、引張力受けスラスト軸受1
5、押圧力受けスラスト軸受16、押圧力受け回転体1
8が順に遊嵌されている。引張力受けスラスト軸受15
と押圧力受けスラスト軸受16との間には軸上円板17
が介在しており、この軸上円板17はビス20によって
細径部12に固定されている。
図5に示すようなボールねじ軸回転防止装置がある。こ
のボールねじ軸回転防止装置10の構成は、次のように
なっている。ボールねじ軸11の基端部には細径部12
が形成されている。この細径部12には引張力受け回転
体13、中間回転体14、引張力受けスラスト軸受1
5、押圧力受けスラスト軸受16、押圧力受け回転体1
8が順に遊嵌されている。引張力受けスラスト軸受15
と押圧力受けスラスト軸受16との間には軸上円板17
が介在しており、この軸上円板17はビス20によって
細径部12に固定されている。
【0004】又、細径部12には圧縮受け円板19が貫
通している。この圧縮受け円板19は、ハウジング21
にねじ込まれた外筒22の内周にねじ込まれハウジング
21に固定されている。外筒22の内周には、引張力受
け回転体13を受け止める止め輪23が装着されてい
る。
通している。この圧縮受け円板19は、ハウジング21
にねじ込まれた外筒22の内周にねじ込まれハウジング
21に固定されている。外筒22の内周には、引張力受
け回転体13を受け止める止め輪23が装着されてい
る。
【0005】中間回転体14、軸上円板17、押圧力受
け回転体18の外周にはコイルスプリング24が装着さ
れている。コイルスプリング24の両端は中間回転体1
4、軸上円板17、押圧力受け回転体18の外周に装着
されているだけであって、中間回転体14と押圧受け回
転体18に固着されていない。このコイルスプリング2
4は、断面方形状の線材をコイル状に巻いて形成されて
いる。さらに、このコイルスプリング24の内径は自由
長において、中間回転体14、軸上円板17、押圧力受
け回転体18の外径よりも小さい。このため、コイルス
プリング24は強制的に内径を拡げられた状態で中間回
転体14、軸上円板17、押圧力受け回転体18に装着
(緊締装着)されている。
け回転体18の外周にはコイルスプリング24が装着さ
れている。コイルスプリング24の両端は中間回転体1
4、軸上円板17、押圧力受け回転体18の外周に装着
されているだけであって、中間回転体14と押圧受け回
転体18に固着されていない。このコイルスプリング2
4は、断面方形状の線材をコイル状に巻いて形成されて
いる。さらに、このコイルスプリング24の内径は自由
長において、中間回転体14、軸上円板17、押圧力受
け回転体18の外径よりも小さい。このため、コイルス
プリング24は強制的に内径を拡げられた状態で中間回
転体14、軸上円板17、押圧力受け回転体18に装着
(緊締装着)されている。
【0006】次にボールねじ軸回転防止装置10の動作
を説明する。出力軸(図示省略)に図4の矢印A方向の
押圧力が加わると、その力はボールナット(図示省略)
を介してボールねじ軸11に作用し、ボールねじ軸11
には図4の矢印B方向の回転力が発生する。ボールねじ
軸11が矢印A方向に押圧されたとき、軸上円板17は
押圧力受けスラスト軸受16を介して押圧力受け回転体
18を固定の圧縮受け円板19に押圧する。押圧力受け
回転体18は圧縮受け円板19に押圧されることによっ
て、回転することができないようになる。
を説明する。出力軸(図示省略)に図4の矢印A方向の
押圧力が加わると、その力はボールナット(図示省略)
を介してボールねじ軸11に作用し、ボールねじ軸11
には図4の矢印B方向の回転力が発生する。ボールねじ
軸11が矢印A方向に押圧されたとき、軸上円板17は
押圧力受けスラスト軸受16を介して押圧力受け回転体
18を固定の圧縮受け円板19に押圧する。押圧力受け
回転体18は圧縮受け円板19に押圧されることによっ
て、回転することができないようになる。
【0007】又、軸上円板17はボールねじ軸11に発
生した矢印B方向の回転力によって、コイルスプリング
24の中間部分を矢印B方向に回転させる。しかし、コ
イルスプリング24の一端(図4において左端)は回転
止めされている押圧力受け回転体18に装着されている
ため、コイルスプリング24は締め込まれる。
生した矢印B方向の回転力によって、コイルスプリング
24の中間部分を矢印B方向に回転させる。しかし、コ
イルスプリング24の一端(図4において左端)は回転
止めされている押圧力受け回転体18に装着されている
ため、コイルスプリング24は締め込まれる。
【0008】押圧力受け回転体18と軸上円板17の両
方、又は、片方が、コイルプリング24に対してスリッ
プするか、或いは、軸上円板17が回転阻止されるかし
て、ボールねじ軸11の回転が防止される。コイルスプ
リング24の締め込み状態は、駆動モータ(図示省略)
を逆転させることによって解除される。
方、又は、片方が、コイルプリング24に対してスリッ
プするか、或いは、軸上円板17が回転阻止されるかし
て、ボールねじ軸11の回転が防止される。コイルスプ
リング24の締め込み状態は、駆動モータ(図示省略)
を逆転させることによって解除される。
【0009】次に、図5に示すように、出力軸に矢印C
方向の引っ張り力が加わると、その力はボールナット
(図示省略)を介しボールねじ軸11に作用し、ボール
ねじ軸11には図5の矢印D方向の回転力が発生する。
ボールねじ軸11が矢印C方向に引っ張られたとき、軸
上円板17は押圧力受けスラスト軸受15、中間回転体
14を介して引張力受け回転体13を固定の止め輪23
に圧接する。中間回転体14、第1回転13は、回転す
ることができないようになる。
方向の引っ張り力が加わると、その力はボールナット
(図示省略)を介しボールねじ軸11に作用し、ボール
ねじ軸11には図5の矢印D方向の回転力が発生する。
ボールねじ軸11が矢印C方向に引っ張られたとき、軸
上円板17は押圧力受けスラスト軸受15、中間回転体
14を介して引張力受け回転体13を固定の止め輪23
に圧接する。中間回転体14、第1回転13は、回転す
ることができないようになる。
【0010】又、軸上円板17はボールねじ軸11に発
生した矢印D方向の回転力によって、コイルスプリング
24の中間部分を矢印D方向に回転させる。しかし、コ
イルスプリング24の他端(図4において右端)は回転
止めされている中間回転体14に装着されているため、
コイルスプリング24は締め込まれる。
生した矢印D方向の回転力によって、コイルスプリング
24の中間部分を矢印D方向に回転させる。しかし、コ
イルスプリング24の他端(図4において右端)は回転
止めされている中間回転体14に装着されているため、
コイルスプリング24は締め込まれる。
【0011】中間回転体14と軸上円板17の両方、又
は、片方が、コイルプリング24に対してスリップする
か、或いは、軸上円板17が回転阻止されるかして、ボ
ールねじ軸11の回転が防止される。コイルスプリング
24の締め込み状態は、駆動モータ(図示省略)を逆転
させることによって解除される。
は、片方が、コイルプリング24に対してスリップする
か、或いは、軸上円板17が回転阻止されるかして、ボ
ールねじ軸11の回転が防止される。コイルスプリング
24の締め込み状態は、駆動モータ(図示省略)を逆転
させることによって解除される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
ボールねじ軸回転防止装置10は、軸上円板17の両側
にスラスト軸受15,16と回転体13,14,18を
有しているため、次のような問題点を有している。第1
に、細径部12を長く必要とし、ボールねじ軸11上を
移動するボールナットの移動距離が短くなり出力軸の進
退動ストロークが短くなる。第2に、部品点数が多い。
ボールねじ軸回転防止装置10は、軸上円板17の両側
にスラスト軸受15,16と回転体13,14,18を
有しているため、次のような問題点を有している。第1
に、細径部12を長く必要とし、ボールねじ軸11上を
移動するボールナットの移動距離が短くなり出力軸の進
退動ストロークが短くなる。第2に、部品点数が多い。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、駆動モータに
よって正逆転するボールねじ軸上のボールナットの直線
往復移動によって前記ボールナットに取付けられた出力
軸がハウジングを直線的に進退動する直線作動機におい
て、前記ボールねじ軸の基端部に形成され前記ボールね
じ軸に押圧力が加わったとき前記基端部に遊嵌された押
圧力受け回転体を押圧する軸上押圧段部と、前記ボール
ねじ軸の基端部に固定され前記ボールねじ軸に引張力が
加わったとき前記基端部に遊嵌された引張力受け回転体
を押圧する軸上牽引部と、前記押圧力受け回転体と前記
引張力受け回転体との対向面間に介在するスラスト軸受
と、前記ハウジングに固定され前記ボールねじ軸に押圧
力が加わったとき前記押圧力受け回転体と前記スラスト
軸受を介して前記軸上押圧段部によって押圧される前記
引張力受け回転体を受け止める押圧力ストッパーと、前
記ハウジングに固定され前記ボールねじ軸に引張力が加
わったとき前記引張力受け回転体と前記スラスト軸受を
介して前記軸上牽引部によって押圧される前記押圧力受
け回転体を受け止める引張力ストッパーと、前記押圧力
受け回転体と前記引張力受け回転体との外周に緊締装着
されたコイルスプリングとを有し、前記出力軸の軸方向
に加わった軸方向外力が前記ボールナットを介して前記
ボールねじ軸に作用し、前記ボールねじ軸に正逆回転力
が発生したとき、前記押圧力受け回転体および引張力受
け回転体の何れか一方が回転して前記コイルスプリング
を締め込み前記ボールねじ軸を回転を阻止するボールね
じ軸回転防止装置により、前記の課題を解決した。
よって正逆転するボールねじ軸上のボールナットの直線
往復移動によって前記ボールナットに取付けられた出力
軸がハウジングを直線的に進退動する直線作動機におい
て、前記ボールねじ軸の基端部に形成され前記ボールね
じ軸に押圧力が加わったとき前記基端部に遊嵌された押
圧力受け回転体を押圧する軸上押圧段部と、前記ボール
ねじ軸の基端部に固定され前記ボールねじ軸に引張力が
加わったとき前記基端部に遊嵌された引張力受け回転体
を押圧する軸上牽引部と、前記押圧力受け回転体と前記
引張力受け回転体との対向面間に介在するスラスト軸受
と、前記ハウジングに固定され前記ボールねじ軸に押圧
力が加わったとき前記押圧力受け回転体と前記スラスト
軸受を介して前記軸上押圧段部によって押圧される前記
引張力受け回転体を受け止める押圧力ストッパーと、前
記ハウジングに固定され前記ボールねじ軸に引張力が加
わったとき前記引張力受け回転体と前記スラスト軸受を
介して前記軸上牽引部によって押圧される前記押圧力受
け回転体を受け止める引張力ストッパーと、前記押圧力
受け回転体と前記引張力受け回転体との外周に緊締装着
されたコイルスプリングとを有し、前記出力軸の軸方向
に加わった軸方向外力が前記ボールナットを介して前記
ボールねじ軸に作用し、前記ボールねじ軸に正逆回転力
が発生したとき、前記押圧力受け回転体および引張力受
け回転体の何れか一方が回転して前記コイルスプリング
を締め込み前記ボールねじ軸を回転を阻止するボールね
じ軸回転防止装置により、前記の課題を解決した。
【0014】
【作用】出力軸の軸方向に外力が加わった軸方向外力が
ボールナットを介してボールねじ軸に作用し、ボールね
じ軸に正逆回転力が発生すると、押圧力受け回転体およ
び引張力受け回転体のいずれか一方の回転体が回転して
コイルスプリングを締め込む。
ボールナットを介してボールねじ軸に作用し、ボールね
じ軸に正逆回転力が発生すると、押圧力受け回転体およ
び引張力受け回転体のいずれか一方の回転体が回転して
コイルスプリングを締め込む。
【0015】締め込まれたコイルスプリングは、押圧力
受け回転体および引張力受け回転体に対する摩擦によっ
て、回転する押圧力受け回転体および引張力受け回転体
の回転を阻止する。この結果、ボールねじ軸の回転が防
止される。
受け回転体および引張力受け回転体に対する摩擦によっ
て、回転する押圧力受け回転体および引張力受け回転体
の回転を阻止する。この結果、ボールねじ軸の回転が防
止される。
【0016】
【実施例】以下本発明の実施例を図1乃至図3に基づい
て説明する。直線作動機30(図1参照)は、駆動モー
タ31によって正逆転するボールねじ軸32上のボール
ナット33の移動によってボールナット33に取付けら
れた出力軸34がハウジング35の外筒36を直線的に
進退動するようになっている。 出力軸34の先端に
は、例えば、開閉装置(図示省略)の開閉体が設けられ
ている。
て説明する。直線作動機30(図1参照)は、駆動モー
タ31によって正逆転するボールねじ軸32上のボール
ナット33の移動によってボールナット33に取付けら
れた出力軸34がハウジング35の外筒36を直線的に
進退動するようになっている。 出力軸34の先端に
は、例えば、開閉装置(図示省略)の開閉体が設けられ
ている。
【0017】外筒36(図1参照)はハウジング35に
ねじ込まれ、ハウジング35に固定されている。ボール
ねじ軸32の基端部には、ボールねじ軸32のねじ部4
5の外径より細い細径部40が形成されている。
ねじ込まれ、ハウジング35に固定されている。ボール
ねじ軸32の基端部には、ボールねじ軸32のねじ部4
5の外径より細い細径部40が形成されている。
【0018】この細径部40(図2参照)には、対向面
間にスラスト軸受41を介在した押圧力受け回転体42
と引張力受け回転体43とが遊嵌している。ボールねじ
軸32の細径部40とねじ部45との境目には、ボール
ねじ軸32の軸方向と直交する軸上押圧段部44が形成
されている。この軸上押圧段部44は、ボールねじ軸3
2に矢印G(図1参照)方向の引張力が作用したとき、
押圧力受け回転体42を受け止めるようになっている。
間にスラスト軸受41を介在した押圧力受け回転体42
と引張力受け回転体43とが遊嵌している。ボールねじ
軸32の細径部40とねじ部45との境目には、ボール
ねじ軸32の軸方向と直交する軸上押圧段部44が形成
されている。この軸上押圧段部44は、ボールねじ軸3
2に矢印G(図1参照)方向の引張力が作用したとき、
押圧力受け回転体42を受け止めるようになっている。
【0019】細径部40には、引張力受け回転体43と
対向する軸上牽引部47が止めねじ46によって固定さ
れている。押圧力受け回転体42には、スラスト軸受4
1と押圧力受け回転体42の一部分を覆う押圧力受け回
転体円筒部48が形成されている。引張力受け回転体4
3にも軸上牽引部47を収納する引張力受け回転体円筒
部49が形成されている。この押圧力受け回転体円筒部
48、引張力受け回転体円筒部49の外径は同径であ
る。
対向する軸上牽引部47が止めねじ46によって固定さ
れている。押圧力受け回転体42には、スラスト軸受4
1と押圧力受け回転体42の一部分を覆う押圧力受け回
転体円筒部48が形成されている。引張力受け回転体4
3にも軸上牽引部47を収納する引張力受け回転体円筒
部49が形成されている。この押圧力受け回転体円筒部
48、引張力受け回転体円筒部49の外径は同径であ
る。
【0020】押圧力受け回転体円筒部48、引張力受け
回転体円筒部49の外周にはコイルスプリング50が装
着されている。コイルスプリング50は、押圧力受け回
転体円筒部48、引張力受け回転体円筒部49の外周に
装着されているだけであって、固着されていない。コイ
ルスプリング50は断面方形状の線材をコイル上に密着
巻きして形成されている。このコイルスプリング50の
内径は、押圧力受け回転体円筒部48、引張力受け回転
体円筒部49の外径より小さく設定されている。このた
め、コイルスプリング50は、内径を強制的に拡げられ
て押圧力受け回転体円筒部48、引張力受け回転体円筒
部49に装着(緊締装着)されている。外筒36の内周
には押圧力受け回転体42を受け止める止め輪(以下、
「引張力ストッパー」と称する。)51が装着されてい
る。
回転体円筒部49の外周にはコイルスプリング50が装
着されている。コイルスプリング50は、押圧力受け回
転体円筒部48、引張力受け回転体円筒部49の外周に
装着されているだけであって、固着されていない。コイ
ルスプリング50は断面方形状の線材をコイル上に密着
巻きして形成されている。このコイルスプリング50の
内径は、押圧力受け回転体円筒部48、引張力受け回転
体円筒部49の外径より小さく設定されている。このた
め、コイルスプリング50は、内径を強制的に拡げられ
て押圧力受け回転体円筒部48、引張力受け回転体円筒
部49に装着(緊締装着)されている。外筒36の内周
には押圧力受け回転体42を受け止める止め輪(以下、
「引張力ストッパー」と称する。)51が装着されてい
る。
【0021】外筒36には、細径部40を貫通し引張力
受け回転体43を受け止める押圧力ストッパー52がね
じ込まれてハウジング35に固定されている。この押圧
力ストッパー52は穴56に工具を引掛けて外筒36に
ねじ込まれている。
受け回転体43を受け止める押圧力ストッパー52がね
じ込まれてハウジング35に固定されている。この押圧
力ストッパー52は穴56に工具を引掛けて外筒36に
ねじ込まれている。
【0022】ハウジング35には細径部40を貫通させ
たボールベアリング53が圧入されている。ボールベア
リング53には傘歯車54が圧入されている。傘歯車5
4は駆動モータ31(図1参照)によって回転する傘歯
車55に噛合している。傘歯車54(図2参照)には細
径部40の一端が挿入されている。傘歯車54と細径部
40は公知のキーとキー溝(図示省略)によって連結さ
れている。
たボールベアリング53が圧入されている。ボールベア
リング53には傘歯車54が圧入されている。傘歯車5
4は駆動モータ31(図1参照)によって回転する傘歯
車55に噛合している。傘歯車54(図2参照)には細
径部40の一端が挿入されている。傘歯車54と細径部
40は公知のキーとキー溝(図示省略)によって連結さ
れている。
【0023】押圧力受け回転体42、引張力受け回転体
43は、引張力ストッパー51と押圧力ストッパー52
との間、及び、軸上押圧段部44と軸上牽引部47との
間で隙間を生じる長さに設定されている。なお、以上の
構成では、軸上押圧段部44を形成するため、ボールね
じ軸32の基端部に細径部40を形成したが、基端部を
ねじ部45と同一径にし、軸上押圧段部に相当する場所
に止め輪(図示省略)を装着し或いは鍔(図示省略)を
形成し、その止め輪或いは鍔を軸上押圧段部の替わりに
使用してもよい。さらに、軸上牽引部47も止め輪であ
ってもよい。
43は、引張力ストッパー51と押圧力ストッパー52
との間、及び、軸上押圧段部44と軸上牽引部47との
間で隙間を生じる長さに設定されている。なお、以上の
構成では、軸上押圧段部44を形成するため、ボールね
じ軸32の基端部に細径部40を形成したが、基端部を
ねじ部45と同一径にし、軸上押圧段部に相当する場所
に止め輪(図示省略)を装着し或いは鍔(図示省略)を
形成し、その止め輪或いは鍔を軸上押圧段部の替わりに
使用してもよい。さらに、軸上牽引部47も止め輪であ
ってもよい。
【0024】次に動作を説明する。出力軸34(図1参
照)に矢印E方向の力が加わると、ボールナット33を
介してボールねじ軸32に同方向の力が加わる。ボール
ねじ軸32(図2参照)には矢印F方向に回転力が発生
する。ボールねじ軸32が矢印E方向に押圧されると、
軸上押圧段部44は、押圧力受け回転体42、スラスト
軸受41を介して引張力受け回転体43を押圧力ストッ
パー52に圧接する。引張力受け回転体43は押圧力ス
トッパー52に圧接され、回転できないようになる。
照)に矢印E方向の力が加わると、ボールナット33を
介してボールねじ軸32に同方向の力が加わる。ボール
ねじ軸32(図2参照)には矢印F方向に回転力が発生
する。ボールねじ軸32が矢印E方向に押圧されると、
軸上押圧段部44は、押圧力受け回転体42、スラスト
軸受41を介して引張力受け回転体43を押圧力ストッ
パー52に圧接する。引張力受け回転体43は押圧力ス
トッパー52に圧接され、回転できないようになる。
【0025】又、軸上押圧段部44は矢印F方向の回転
力によって、押圧力受け回転体42を同方向に回転させ
ようとする。このためコイルスプリング50の右側端部
に同方向の回転力を受ける。しかし、コイルスプリング
50の左側端部が回転止めされている引張力受け回転体
43に装着されているため、コイルスプリング50は内
径を狭める締め込む方向の回転力を受ける。
力によって、押圧力受け回転体42を同方向に回転させ
ようとする。このためコイルスプリング50の右側端部
に同方向の回転力を受ける。しかし、コイルスプリング
50の左側端部が回転止めされている引張力受け回転体
43に装着されているため、コイルスプリング50は内
径を狭める締め込む方向の回転力を受ける。
【0026】コイルスプリング50は、押圧力受け回転
体42、引張力受け回転体43に装着されているだけで
あって固着されていないため、摩擦によって押圧力受け
回転体42の回転を阻止する。押圧力受け回転体42
は、摩擦によって、回転止めされるか、コイルスプリン
グ50に対してスリップする。この結果、軸上押圧段部
44を介して押圧力受け回転体42に圧接されているボ
ールねじ軸32の回転が防止される。コイルスプリング
50の締め込まれた状態は、駆動モータ31を矢印Fと
反対方向にボールねじ軸32を回転させることによって
解除される。
体42、引張力受け回転体43に装着されているだけで
あって固着されていないため、摩擦によって押圧力受け
回転体42の回転を阻止する。押圧力受け回転体42
は、摩擦によって、回転止めされるか、コイルスプリン
グ50に対してスリップする。この結果、軸上押圧段部
44を介して押圧力受け回転体42に圧接されているボ
ールねじ軸32の回転が防止される。コイルスプリング
50の締め込まれた状態は、駆動モータ31を矢印Fと
反対方向にボールねじ軸32を回転させることによって
解除される。
【0027】次に図1に示すように、ボールねじ軸32
に矢印G方向の引張力が加わった場合の動作を説明す
る。出力軸34に矢印G方向の力が加わると、ボールナ
ット33を介してボールねじ軸32に同方向の力が加わ
る。ボールねじ軸32は軸上牽引部47と一体に同方向
に移動するとともに、ボールねじ軸32には矢印H(図
1参照)方向の回転力が発生する。
に矢印G方向の引張力が加わった場合の動作を説明す
る。出力軸34に矢印G方向の力が加わると、ボールナ
ット33を介してボールねじ軸32に同方向の力が加わ
る。ボールねじ軸32は軸上牽引部47と一体に同方向
に移動するとともに、ボールねじ軸32には矢印H(図
1参照)方向の回転力が発生する。
【0028】軸上牽引部47(図3参照)は、引張力受
け回転体43とスラスト軸受41を介して押圧力受け回
転体42を引張力ストッパー51に圧接する。押圧力受
け回転体42は引張力ストッパー51に圧接されて回転
することができなくなる。又、軸上牽引部47は矢印H
方向にも回転し引張力受け回転体43を矢印H方向へ回
転させようとする。
け回転体43とスラスト軸受41を介して押圧力受け回
転体42を引張力ストッパー51に圧接する。押圧力受
け回転体42は引張力ストッパー51に圧接されて回転
することができなくなる。又、軸上牽引部47は矢印H
方向にも回転し引張力受け回転体43を矢印H方向へ回
転させようとする。
【0029】引張力受け回転体43は軸上牽引部47の
回転力を受けて、コイルスプリング50の左側端部を矢
印H方向に回転させようとする。しかし、コイルスプリ
ング50の右側端部は引張力ストッパー51に圧接され
て回転止めされている押圧力受け回転体42によって回
転することができない。このため、コイルスプリング5
0には内径を狭める方向の回転力が加わり、コイルスプ
リング50は押圧力受け回転体42、引張力受け回転体
43を締め込む。
回転力を受けて、コイルスプリング50の左側端部を矢
印H方向に回転させようとする。しかし、コイルスプリ
ング50の右側端部は引張力ストッパー51に圧接され
て回転止めされている押圧力受け回転体42によって回
転することができない。このため、コイルスプリング5
0には内径を狭める方向の回転力が加わり、コイルスプ
リング50は押圧力受け回転体42、引張力受け回転体
43を締め込む。
【0030】コイルスプリング50は、押圧力受け回転
体42、引張力受け回転体43に装着されているだけで
あって固着されていないため、摩擦によって引張力受け
回転体43の回転を阻止する。引張力受け回転体43
は、摩擦によって、回転止めされるか、コイルスプリン
グに対してスリップする。この結果、ボールねじ軸32
の回転が防止される。コイルスプリング50の締め込ま
れた状態は駆動モータ31を矢印H方向とは反対方向に
ボールねじ軸32を回転させることによって解除され
る。
体42、引張力受け回転体43に装着されているだけで
あって固着されていないため、摩擦によって引張力受け
回転体43の回転を阻止する。引張力受け回転体43
は、摩擦によって、回転止めされるか、コイルスプリン
グに対してスリップする。この結果、ボールねじ軸32
の回転が防止される。コイルスプリング50の締め込ま
れた状態は駆動モータ31を矢印H方向とは反対方向に
ボールねじ軸32を回転させることによって解除され
る。
【0031】なお、ボールねじ軸32は、押圧力や引張
力を受けたとき、図1において、矢印E方向と矢印G方
向とにハウジング35や傘歯車54に対して移動する
が、傘歯車54に対しては公知のキーとキー溝(図示省
略)とによって連結されているため、軸方向への移動が
許容される。
力を受けたとき、図1において、矢印E方向と矢印G方
向とにハウジング35や傘歯車54に対して移動する
が、傘歯車54に対しては公知のキーとキー溝(図示省
略)とによって連結されているため、軸方向への移動が
許容される。
【0032】又、ボールねじ軸32に軸方向の力が加わ
っていないとき、押圧力受け回転体42、引張力受け回
転体43は、引張力ストッパー51、軸上牽引部47、
押圧力ストッパー52に対して軽く接触しているか、或
いは、離れている。
っていないとき、押圧力受け回転体42、引張力受け回
転体43は、引張力ストッパー51、軸上牽引部47、
押圧力ストッパー52に対して軽く接触しているか、或
いは、離れている。
【0033】駆動モータ31は、ブレーキを持たないギ
アモータであり、電源が入っていないときボールねじ軸
32に矢印E方向又は矢印G方向の力が加わるとボール
ねじ軸が矢印F方向または矢印H方向へ回転する恐れが
ある。しかし、ボールねじ軸回転防止装置60によっ
て、ボールねじ軸32の回転が阻止されているため、駆
動モータ31は回転させられるようなことがない。
アモータであり、電源が入っていないときボールねじ軸
32に矢印E方向又は矢印G方向の力が加わるとボール
ねじ軸が矢印F方向または矢印H方向へ回転する恐れが
ある。しかし、ボールねじ軸回転防止装置60によっ
て、ボールねじ軸32の回転が阻止されているため、駆
動モータ31は回転させられるようなことがない。
【0034】
【発明の効果】本発明のボールねじ軸回転防止装置は、
主に、2つの回転体と1つのスラスト軸受で構成されて
いるため、従来の装置より構造が簡単且つボールねじ軸
の軸方向に占めるスペースを狭くすることができる。ボ
ールねじ軸の軸方向のスペースを狭くすることによっ
て、ボールナットのストロークを長くすることができ、
ボールナットに取付けられた出力軸のストロークを長く
することができる。
主に、2つの回転体と1つのスラスト軸受で構成されて
いるため、従来の装置より構造が簡単且つボールねじ軸
の軸方向に占めるスペースを狭くすることができる。ボ
ールねじ軸の軸方向のスペースを狭くすることによっ
て、ボールナットのストロークを長くすることができ、
ボールナットに取付けられた出力軸のストロークを長く
することができる。
【図1】 本発明の実施例のボールねじ軸回転防止装置
が組み込まれた直線作動機の正面図であり、ボールねじ
軸に沿った断面図である。
が組み込まれた直線作動機の正面図であり、ボールねじ
軸に沿った断面図である。
【図2】 ボールねじ軸回転防止装置の正面図であり且
つボールねじ軸に沿った断面図であり、ボールねじ軸に
押圧力が加わった状態の図である。
つボールねじ軸に沿った断面図であり、ボールねじ軸に
押圧力が加わった状態の図である。
【図3】 ボールねじ軸に引っ張り方向の力が加わった
状態の図である。
状態の図である。
【図4】 従来のボールねじ軸回転防止装置の正面図で
あり且つボールねじ軸に沿った断面図であり、ボールね
じ軸に押圧力が加わった状態の図である。
あり且つボールねじ軸に沿った断面図であり、ボールね
じ軸に押圧力が加わった状態の図である。
【図5】 図4のボールねじ軸回転防止装置においてボ
ールねじ軸に引っ張り方向の力が加わった状態の図であ
る。
ールねじ軸に引っ張り方向の力が加わった状態の図であ
る。
30 直線作動機 31 駆動モータ
32 ボールねじ軸 33 ボールナット 34 出力軸
35 ハウジング 41 スラスト軸受 42 押圧力受け回転体 43 引張力受け回転体 44 軸上押圧段部
47 軸上牽引部 50 コイルスプリング 51 引張力ストッパー 52 押圧力ストッパー 60 ボールねじ軸回転防
止装置
32 ボールねじ軸 33 ボールナット 34 出力軸
35 ハウジング 41 スラスト軸受 42 押圧力受け回転体 43 引張力受け回転体 44 軸上押圧段部
47 軸上牽引部 50 コイルスプリング 51 引張力ストッパー 52 押圧力ストッパー 60 ボールねじ軸回転防
止装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】次に、図5に示すように、出力軸に矢印C
方向の引っ張り力が加わると、その力はボールナット
(図示省略)を介しボールねじ軸11に作用し、ボール
ねじ軸11には図5の矢印D方向の回転力が発生する。
ボールねじ軸11が矢印C方向に引っ張られたとき、軸
上円板17は引張力受けスラスト軸受15、中間回転体
14を介して引張力受け回転体13を固定の止め輪23
に圧接する。中間回転体14、引張力受け回転体13
は、回転することができないようになる。
方向の引っ張り力が加わると、その力はボールナット
(図示省略)を介しボールねじ軸11に作用し、ボール
ねじ軸11には図5の矢印D方向の回転力が発生する。
ボールねじ軸11が矢印C方向に引っ張られたとき、軸
上円板17は引張力受けスラスト軸受15、中間回転体
14を介して引張力受け回転体13を固定の止め輪23
に圧接する。中間回転体14、引張力受け回転体13
は、回転することができないようになる。
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 直線作動機のボールねじ軸回転防止
装置
装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ねじ軸に螺合したナッ
トに固定された出力軸がねじ軸の回転によってハウジン
グに対し進退動する直線作動機において、出力軸に軸方
向の外力が加わったとき、ねじ軸の回転を防止するため
の装置に関する。
トに固定された出力軸がねじ軸の回転によってハウジン
グに対し進退動する直線作動機において、出力軸に軸方
向の外力が加わったとき、ねじ軸の回転を防止するため
の装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の直線作動機は実開平4−
62946号公報に開示されている。この直線作動機
(図示省略)は、ねじ軸とナットと間の摩擦を少なくし
て出力軸の進退動を円滑にするため、摩擦抵抗の少ない
ねじ軸とナットにボールねじが使われている。ところ
が、ボールねじを使用すると、摩擦抵抗が少ないため、
出力軸に軸方向の押圧力あるいは引っ張り力が加わった
場合、ボールナットを介して出力ねじ軸に回転力が発生
して出力ねじ軸が回転するという問題点を有している。
62946号公報に開示されている。この直線作動機
(図示省略)は、ねじ軸とナットと間の摩擦を少なくし
て出力軸の進退動を円滑にするため、摩擦抵抗の少ない
ねじ軸とナットにボールねじが使われている。ところ
が、ボールねじを使用すると、摩擦抵抗が少ないため、
出力軸に軸方向の押圧力あるいは引っ張り力が加わった
場合、ボールナットを介して出力ねじ軸に回転力が発生
して出力ねじ軸が回転するという問題点を有している。
【0003】この問題点を解決する装置として、図4、
図5に示すようなボールねじ軸回転防止装置がある。こ
のボールねじ軸回転防止装置10の構成は、次のように
なっている。ボールねじ軸11の基端部には細径部12
が形成されている。この細径部12には引張力受け回転
体13、中間回転体14、引張力受けスラスト軸受1
5、押圧力受けスラスト軸受16、押圧力受け回転体1
8が順に遊嵌されている。引張力受けスラスト軸受15
と押圧力受けスラスト軸受16との間には軸上円板17
が介在しており、この軸上円板17はビス20によって
細径部12に固定されている。
図5に示すようなボールねじ軸回転防止装置がある。こ
のボールねじ軸回転防止装置10の構成は、次のように
なっている。ボールねじ軸11の基端部には細径部12
が形成されている。この細径部12には引張力受け回転
体13、中間回転体14、引張力受けスラスト軸受1
5、押圧力受けスラスト軸受16、押圧力受け回転体1
8が順に遊嵌されている。引張力受けスラスト軸受15
と押圧力受けスラスト軸受16との間には軸上円板17
が介在しており、この軸上円板17はビス20によって
細径部12に固定されている。
【0004】又、細径部12には圧縮受け円板19が貫
通している。この圧縮受け円板19は、ハウジング21
にねじ込まれた外筒22の内周にねじ込まれハウジング
21に固定されている。外筒22の内周には、引張力受
け回転体13を受け止める止め輪23が装着されてい
る。
通している。この圧縮受け円板19は、ハウジング21
にねじ込まれた外筒22の内周にねじ込まれハウジング
21に固定されている。外筒22の内周には、引張力受
け回転体13を受け止める止め輪23が装着されてい
る。
【0005】中間回転体14、軸上円板17、押圧力受
け回転体18の外周にはコイルスプリング24が装着さ
れている。コイルスプリング24の両端は中間回転体1
4、軸上円板17、押圧力受け回転体18の外周に装着
されているだけであって、中間回転体14と押圧受け回
転体18に固着されていない。このコイルスプリング2
4は、断面方形状の線材をコイル状に巻いて形成されて
いる。さらに、このコイルスプリング24の内径は自由
長において、中間回転体14、軸上円板17、押圧力受
け回転体18の外径よりも小さい。このため、コイルス
プリング24は強制的に内径を拡げられた状態で中間回
転体14、軸上円板17、押圧力受け回転体18に装着
(緊締装着)されている。
け回転体18の外周にはコイルスプリング24が装着さ
れている。コイルスプリング24の両端は中間回転体1
4、軸上円板17、押圧力受け回転体18の外周に装着
されているだけであって、中間回転体14と押圧受け回
転体18に固着されていない。このコイルスプリング2
4は、断面方形状の線材をコイル状に巻いて形成されて
いる。さらに、このコイルスプリング24の内径は自由
長において、中間回転体14、軸上円板17、押圧力受
け回転体18の外径よりも小さい。このため、コイルス
プリング24は強制的に内径を拡げられた状態で中間回
転体14、軸上円板17、押圧力受け回転体18に装着
(緊締装着)されている。
【0006】次にボールねじ軸回転防止装置10の動作
を説明する。出力軸(図示省略)に図4の矢印A方向の
押圧力が加わると、その力はボールナット(図示省略)
を介してボールねじ軸11に作用し、ボールねじ軸11
には図4の矢印B方向の回転力が発生する。ボールねじ
軸11が矢印A方向に押圧されたとき、軸上円板17は
押圧力受けスラスト軸受16を介して押圧力受け回転体
18を固定の圧縮受け円板19に押圧する。押圧力受け
回転体18は圧縮受け円板19に押圧されることによっ
て、回転することができないようになる。
を説明する。出力軸(図示省略)に図4の矢印A方向の
押圧力が加わると、その力はボールナット(図示省略)
を介してボールねじ軸11に作用し、ボールねじ軸11
には図4の矢印B方向の回転力が発生する。ボールねじ
軸11が矢印A方向に押圧されたとき、軸上円板17は
押圧力受けスラスト軸受16を介して押圧力受け回転体
18を固定の圧縮受け円板19に押圧する。押圧力受け
回転体18は圧縮受け円板19に押圧されることによっ
て、回転することができないようになる。
【0007】又、軸上円板17はボールねじ軸11に発
生した矢印B方向の回転力によって、コイルスプリング
24の中間部分を矢印B方向に回転させる。しかし、コ
イルスプリング24の一端(図4において左端)は回転
止めされている押圧力受け回転体18に装着されている
ため、コイルスプリング24は締め込まれる。
生した矢印B方向の回転力によって、コイルスプリング
24の中間部分を矢印B方向に回転させる。しかし、コ
イルスプリング24の一端(図4において左端)は回転
止めされている押圧力受け回転体18に装着されている
ため、コイルスプリング24は締め込まれる。
【0008】コイルスプリング24が締め込まれること
によって、軸上円板17が回転防止され、ボールねじ軸
11の回転が防止される。コイルスプリング24の締め
込み状態は、駆動モータ(図示省略)をB方向と逆方向
へ逆転させることによって解除される。
によって、軸上円板17が回転防止され、ボールねじ軸
11の回転が防止される。コイルスプリング24の締め
込み状態は、駆動モータ(図示省略)をB方向と逆方向
へ逆転させることによって解除される。
【0009】次に、図5に示すように、出力軸に矢印C
方向の引っ張り力が加わると、その力はボールナット
(図示省略)を介しボールねじ軸11に作用し、ボール
ねじ軸11には図5の矢印D方向の回転力が発生する。
ボールねじ軸11が矢印C方向に引っ張られたとき、軸
上円板17は引張力受けスラスト軸受15、中間回転体
14を介して引張力受け回転体13を固定の止め輪23
に圧接する。中間回転体14、引張力受け回転体13
は、回転することができないようになる。
方向の引っ張り力が加わると、その力はボールナット
(図示省略)を介しボールねじ軸11に作用し、ボール
ねじ軸11には図5の矢印D方向の回転力が発生する。
ボールねじ軸11が矢印C方向に引っ張られたとき、軸
上円板17は引張力受けスラスト軸受15、中間回転体
14を介して引張力受け回転体13を固定の止め輪23
に圧接する。中間回転体14、引張力受け回転体13
は、回転することができないようになる。
【0010】又、軸上円板17はボールねじ軸11に発
生した矢印D方向の回転力によって、コイルスプリング
24の中間部分を矢印D方向に回転させる。しかし、コ
イルスプリング24の他端(図4において右端)は回転
止めされている中間回転体14に装着されているため、
コイルスプリング24は締め込まれる。
生した矢印D方向の回転力によって、コイルスプリング
24の中間部分を矢印D方向に回転させる。しかし、コ
イルスプリング24の他端(図4において右端)は回転
止めされている中間回転体14に装着されているため、
コイルスプリング24は締め込まれる。
【0011】コイルスプリング24が締め込まれること
によって、軸上円板17が回転防止され、ボールねじ軸
11の回転が防止される。コイルスプリング24の締め
込み状態は、駆動モータ(図示省略)を逆転させること
によって解除される。
によって、軸上円板17が回転防止され、ボールねじ軸
11の回転が防止される。コイルスプリング24の締め
込み状態は、駆動モータ(図示省略)を逆転させること
によって解除される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
ボールねじ軸回転防止装置10は、軸上円板17の両側
にスラスト軸受15,16と回転体13,14,18を
有しているため、次のような問題点を有している。第1
に、細径部12を長く必要とし、ボールねじ軸11上を
移動するボールナットの移動距離が短くなり出力軸の進
退動ストロークが短くなる。第2に、部品点数が多い。
ボールねじ軸回転防止装置10は、軸上円板17の両側
にスラスト軸受15,16と回転体13,14,18を
有しているため、次のような問題点を有している。第1
に、細径部12を長く必要とし、ボールねじ軸11上を
移動するボールナットの移動距離が短くなり出力軸の進
退動ストロークが短くなる。第2に、部品点数が多い。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、駆動モータに
よって正逆転するボールねじ軸上のボールナットの直線
往復移動によって前記ボールナットに取付けられた出力
軸がハウジングに対して直線的に進退動する直線作動機
において、前記ボールねじ軸の基端部に形成され前記ボ
ールねじ軸に押圧力が加わったとき前記基端部に遊嵌さ
れた押圧力受け回転体を押圧する軸上押圧段部と、前記
ボールねじ軸の基端部に固定され前記ボールねじ軸に引
張力が加わったとき前記基端部に遊嵌された引張力受け
回転体を押圧する軸上牽引部と、前記押圧力受け回転体
と前記引張力受け回転体との対向面間に介在するスラス
ト軸受と、前記ハウジングに固定され前記ボールねじ軸
に押圧力が加わったとき前記押圧力受け回転体と前記ス
ラスト軸受を介して前記軸上押圧段部によって押圧され
る前記引張力受け回転体を受け止める押圧力ストッパー
と、前記ハウジングに固定され前記ボールねじ軸に引張
力が加わったとき前記引張力受け回転体と前記スラスト
軸受を介して前記軸上牽引部によって押圧される前記押
圧力受け回転体を受け止める引張力ストッパーと、前記
押圧力受け回転体と前記引張力受け回転体との外周に緊
締装着されたコイルスプリングとを有し、前記出力軸の
軸方向に加わった外力が前記ボールナットを介して前記
ボールねじ軸に作用し、前記ボールねじ軸に正逆回転力
が発生したとき、前記押圧力受け回転体および引張力受
け回転体の何れか一方が回転して前記コイルスプリング
を締め込み前記ボールねじ軸の回転を阻止するボールね
じ軸回転防止装置により、前記の課題を解決した。
よって正逆転するボールねじ軸上のボールナットの直線
往復移動によって前記ボールナットに取付けられた出力
軸がハウジングに対して直線的に進退動する直線作動機
において、前記ボールねじ軸の基端部に形成され前記ボ
ールねじ軸に押圧力が加わったとき前記基端部に遊嵌さ
れた押圧力受け回転体を押圧する軸上押圧段部と、前記
ボールねじ軸の基端部に固定され前記ボールねじ軸に引
張力が加わったとき前記基端部に遊嵌された引張力受け
回転体を押圧する軸上牽引部と、前記押圧力受け回転体
と前記引張力受け回転体との対向面間に介在するスラス
ト軸受と、前記ハウジングに固定され前記ボールねじ軸
に押圧力が加わったとき前記押圧力受け回転体と前記ス
ラスト軸受を介して前記軸上押圧段部によって押圧され
る前記引張力受け回転体を受け止める押圧力ストッパー
と、前記ハウジングに固定され前記ボールねじ軸に引張
力が加わったとき前記引張力受け回転体と前記スラスト
軸受を介して前記軸上牽引部によって押圧される前記押
圧力受け回転体を受け止める引張力ストッパーと、前記
押圧力受け回転体と前記引張力受け回転体との外周に緊
締装着されたコイルスプリングとを有し、前記出力軸の
軸方向に加わった外力が前記ボールナットを介して前記
ボールねじ軸に作用し、前記ボールねじ軸に正逆回転力
が発生したとき、前記押圧力受け回転体および引張力受
け回転体の何れか一方が回転して前記コイルスプリング
を締め込み前記ボールねじ軸の回転を阻止するボールね
じ軸回転防止装置により、前記の課題を解決した。
【0014】
【作用】出力軸の軸方向に外力が加わった軸方向外力が
ボールナットを介してボールねじ軸に作用し、ボールね
じ軸に正逆回転力が発生すると、押圧力受け回転体およ
び引張力受け回転体のいずれか一方の回転体が回転して
コイルスプリングを締め込む。
ボールナットを介してボールねじ軸に作用し、ボールね
じ軸に正逆回転力が発生すると、押圧力受け回転体およ
び引張力受け回転体のいずれか一方の回転体が回転して
コイルスプリングを締め込む。
【0015】締め込まれたコイルスプリングは、押圧力
受け回転体および引張力受け回転体に対する摩擦によっ
て、回転する押圧力受け回転体および引張力受け回転体
の回転を阻止する。この結果、ボールねじ軸の回転が防
止される。
受け回転体および引張力受け回転体に対する摩擦によっ
て、回転する押圧力受け回転体および引張力受け回転体
の回転を阻止する。この結果、ボールねじ軸の回転が防
止される。
【0016】
【実施例】以下本発明の実施例を図1乃至図3に基づい
て説明する。直線作動機30(図1参照)は、駆動モー
タ31によって正逆転するボールねじ軸32上のボール
ナット33の移動によってボールナット33に取付けら
れた出力軸34がハウジング35の外筒36を直線的に
進退動するようになっている。 出力軸34の先端に
は、例えば、開閉装置(図示省略)の開閉体が設けられ
ている。
て説明する。直線作動機30(図1参照)は、駆動モー
タ31によって正逆転するボールねじ軸32上のボール
ナット33の移動によってボールナット33に取付けら
れた出力軸34がハウジング35の外筒36を直線的に
進退動するようになっている。 出力軸34の先端に
は、例えば、開閉装置(図示省略)の開閉体が設けられ
ている。
【0017】外筒36(図1参照)はハウジング35に
ねじ込まれ、ハウジング35に固定されている。ボール
ねじ軸32の基端部には、ボールねじ軸32のねじ部4
5の外径より細い細径部40が形成されている。
ねじ込まれ、ハウジング35に固定されている。ボール
ねじ軸32の基端部には、ボールねじ軸32のねじ部4
5の外径より細い細径部40が形成されている。
【0018】この細径部40(図2参照)には、対向面
間にスラスト軸受41を介在した押圧力受け回転体42
と引張力受け回転体43とが遊嵌している。ボールねじ
軸32の細径部40とねじ部45との境目には、ボール
ねじ軸32の軸方向と直交する軸上押圧段部44が形成
されている。この軸上押圧段部44は、ボールねじ軸3
2に矢印E(図1参照)方向の押圧力が作用したとき、
ボールねじ軸32を受け止めるようになっている。
間にスラスト軸受41を介在した押圧力受け回転体42
と引張力受け回転体43とが遊嵌している。ボールねじ
軸32の細径部40とねじ部45との境目には、ボール
ねじ軸32の軸方向と直交する軸上押圧段部44が形成
されている。この軸上押圧段部44は、ボールねじ軸3
2に矢印E(図1参照)方向の押圧力が作用したとき、
ボールねじ軸32を受け止めるようになっている。
【0019】細径部40には、引張力受け回転体43と
対向する軸上牽引部47が止めねじ46によって固定さ
れている。押圧力受け回転体42には、スラスト軸受4
1とコイルスプリング50によって覆われた押圧力受け
回転体円筒部48が形成されている。引張力受け回転体
43にも軸上牽引部47を収納する引張力受け回転体円
筒部49が形成されている。この押圧力受け回転体円筒
部48、引張力受け回転体円筒部49の外径は同径であ
る。
対向する軸上牽引部47が止めねじ46によって固定さ
れている。押圧力受け回転体42には、スラスト軸受4
1とコイルスプリング50によって覆われた押圧力受け
回転体円筒部48が形成されている。引張力受け回転体
43にも軸上牽引部47を収納する引張力受け回転体円
筒部49が形成されている。この押圧力受け回転体円筒
部48、引張力受け回転体円筒部49の外径は同径であ
る。
【0020】押圧力受け回転体円筒部48、引張力受け
回転体円筒部49の外周にはコイルスプリング50が装
着されている。コイルスプリング50は、押圧力受け回
転体円筒部48、引張力受け回転体円筒部49の外周に
装着されているだけであって、固着されていない。コイ
ルスプリング50は断面方形状の線材をコイル状に密着
巻きして形成されている。このコイルスプリング50の
内径は、押圧力受け回転体円筒部48、引張力受け回転
体円筒部49の外径より小さく設定されている。このた
め、コイルスプリング50は、内径を強制的に拡げられ
て押圧力受け回転体円筒部48、引張力受け回転体円筒
部49に装着(緊締装着)されている。外筒36の内周
には押圧力受け回転体42を受け止める止め輪(以下、
「引張力ストッパー」と称する。)51が装着されてい
る。
回転体円筒部49の外周にはコイルスプリング50が装
着されている。コイルスプリング50は、押圧力受け回
転体円筒部48、引張力受け回転体円筒部49の外周に
装着されているだけであって、固着されていない。コイ
ルスプリング50は断面方形状の線材をコイル状に密着
巻きして形成されている。このコイルスプリング50の
内径は、押圧力受け回転体円筒部48、引張力受け回転
体円筒部49の外径より小さく設定されている。このた
め、コイルスプリング50は、内径を強制的に拡げられ
て押圧力受け回転体円筒部48、引張力受け回転体円筒
部49に装着(緊締装着)されている。外筒36の内周
には押圧力受け回転体42を受け止める止め輪(以下、
「引張力ストッパー」と称する。)51が装着されてい
る。
【0021】外筒36には、細径部40が貫通し引張力
受け回転体43を受け止める押圧力ストッパー52がね
じ込まれてハウジング35に固定されている。この押圧
力ストッパー52は穴56に工具を引掛けて外筒36に
ねじ込まれている。
受け回転体43を受け止める押圧力ストッパー52がね
じ込まれてハウジング35に固定されている。この押圧
力ストッパー52は穴56に工具を引掛けて外筒36に
ねじ込まれている。
【0022】ハウジング35には細径部40を貫通させ
たボールベアリング53が圧入されている。ボールベア
リング53には傘歯車54が圧入されている。傘歯車5
4は駆動モータ31(図1参照)によって回転する傘歯
車55に噛合している。傘歯車54(図2参照)にはD
形軸孔が形成されて細径部40の一端に形成された断面
D形の軸端が挿入されている。したがって、傘歯車54
と細径部40は回転方向のトルクを伝達し軸方向に滑動
することができる。
たボールベアリング53が圧入されている。ボールベア
リング53には傘歯車54が圧入されている。傘歯車5
4は駆動モータ31(図1参照)によって回転する傘歯
車55に噛合している。傘歯車54(図2参照)にはD
形軸孔が形成されて細径部40の一端に形成された断面
D形の軸端が挿入されている。したがって、傘歯車54
と細径部40は回転方向のトルクを伝達し軸方向に滑動
することができる。
【0023】押圧力受け回転体42、引張力受け回転体
43は、引張力ストッパー51と押圧力ストッパー52
との間、及び、軸上押圧段部44と軸上牽引部47との
間で隙間を生じる長さに設定されている。なお、以上の
構成では、軸上押圧段部44を形成するため、ボールね
じ軸32の基端部に細径部40を形成したが、基端部を
ねじ部45と同一径にし、軸上押圧段部に相当する場所
に止め輪(図示省略)を装着し或いは鍔(図示省略)を
形成し、その止め輪或いは鍔を軸上押圧段部の替わりに
使用してもよい。
43は、引張力ストッパー51と押圧力ストッパー52
との間、及び、軸上押圧段部44と軸上牽引部47との
間で隙間を生じる長さに設定されている。なお、以上の
構成では、軸上押圧段部44を形成するため、ボールね
じ軸32の基端部に細径部40を形成したが、基端部を
ねじ部45と同一径にし、軸上押圧段部に相当する場所
に止め輪(図示省略)を装着し或いは鍔(図示省略)を
形成し、その止め輪或いは鍔を軸上押圧段部の替わりに
使用してもよい。
【0024】次に動作を説明する。出力軸34(図1参
照)に矢印E方向の力が加わると、ボールナット33を
介してボールねじ軸32に同方向の力が加わる。ボール
ねじ軸32(図2参照)には矢印F方向に回転力が発生
する。ボールねじ軸32が矢印E方向に押圧されると、
軸上押圧段部44は、押圧力受け回転体42、スラスト
軸受41を介して引張力受け回転体43を押圧力ストッ
パー52に圧接する。引張力受け回転体43は押圧力ス
トッパー52に圧接され、回転できないようになる。
照)に矢印E方向の力が加わると、ボールナット33を
介してボールねじ軸32に同方向の力が加わる。ボール
ねじ軸32(図2参照)には矢印F方向に回転力が発生
する。ボールねじ軸32が矢印E方向に押圧されると、
軸上押圧段部44は、押圧力受け回転体42、スラスト
軸受41を介して引張力受け回転体43を押圧力ストッ
パー52に圧接する。引張力受け回転体43は押圧力ス
トッパー52に圧接され、回転できないようになる。
【0025】又、軸上押圧段部44は矢印F方向の回転
力によって、押圧力受け回転体42を同方向に回転させ
ようとする。このためコイルスプリング50の右側端部
に同方向の回転力を受ける。しかし、コイルスプリング
50の左側端部が回転止めされている引張力受け回転体
43に装着されているため、コイルスプリング50は内
径を狭める締め込む方向の回転力を受ける。
力によって、押圧力受け回転体42を同方向に回転させ
ようとする。このためコイルスプリング50の右側端部
に同方向の回転力を受ける。しかし、コイルスプリング
50の左側端部が回転止めされている引張力受け回転体
43に装着されているため、コイルスプリング50は内
径を狭める締め込む方向の回転力を受ける。
【0026】コイルスプリング50は、押圧力受け回転
体42、引張力受け回転体43に装着されているだけで
あって固着されていないため、摩擦によって押圧力受け
回転体42の回転を阻止する。押圧力受け回転体42
は、摩擦によって、回転止めされる。この結果、軸上押
圧段部44を介して押圧力受け回転体42に圧接されて
いるボールねじ軸32の回転が防止される。コイルスプ
リング50の締め込まれた状態は、駆動モータ31を矢
印Fと反対方向にボールねじ軸32を回転させることに
よって解除される。
体42、引張力受け回転体43に装着されているだけで
あって固着されていないため、摩擦によって押圧力受け
回転体42の回転を阻止する。押圧力受け回転体42
は、摩擦によって、回転止めされる。この結果、軸上押
圧段部44を介して押圧力受け回転体42に圧接されて
いるボールねじ軸32の回転が防止される。コイルスプ
リング50の締め込まれた状態は、駆動モータ31を矢
印Fと反対方向にボールねじ軸32を回転させることに
よって解除される。
【0027】次に図1に示すように、ボールねじ軸32
に矢印G方向の引張力が加わった場合の動作を説明す
る。出力軸34に矢印G方向の力が加わると、ボールナ
ット33を介してボールねじ軸32に同方向の力が加わ
る。ボールねじ軸32は軸上牽引部47と一体に同方向
に移動するとともに、ボールねじ軸32には矢印H(図
1および図3参照)方向の回転力が発生する。
に矢印G方向の引張力が加わった場合の動作を説明す
る。出力軸34に矢印G方向の力が加わると、ボールナ
ット33を介してボールねじ軸32に同方向の力が加わ
る。ボールねじ軸32は軸上牽引部47と一体に同方向
に移動するとともに、ボールねじ軸32には矢印H(図
1および図3参照)方向の回転力が発生する。
【0028】軸上牽引部47(図3参照)は、引張力受
け回転体43とスラスト軸受41を介して押圧力受け回
転体42を引張力ストッパー51に圧接する。押圧力受
け回転体42は引張力ストッパー51に圧接されて回転
することができなくなる。又、軸上牽引部47は矢印H
方向にも回転し引張力受け回転体43を矢印H方向へ回
転させようとする。
け回転体43とスラスト軸受41を介して押圧力受け回
転体42を引張力ストッパー51に圧接する。押圧力受
け回転体42は引張力ストッパー51に圧接されて回転
することができなくなる。又、軸上牽引部47は矢印H
方向にも回転し引張力受け回転体43を矢印H方向へ回
転させようとする。
【0029】引張力受け回転体43は軸上牽引部47の
回転力を受けて、コイルスプリング50の左側端部を矢
印H方向に回転させようとする。しかし、コイルスプリ
ング50の右側端部は引張力ストッパー51に圧接され
て回転止めされている押圧力受け回転体42によって回
転することができない。このため、コイルスプリング5
0には内径を狭める方向の回転力が加わり、コイルスプ
リング50は押圧力受け回転体42、引張力受け回転体
43を締め込む。
回転力を受けて、コイルスプリング50の左側端部を矢
印H方向に回転させようとする。しかし、コイルスプリ
ング50の右側端部は引張力ストッパー51に圧接され
て回転止めされている押圧力受け回転体42によって回
転することができない。このため、コイルスプリング5
0には内径を狭める方向の回転力が加わり、コイルスプ
リング50は押圧力受け回転体42、引張力受け回転体
43を締め込む。
【0030】コイルスプリング50は、押圧力受け回転
体42、引張力受け回転体43に装着されているだけで
あって固着されていないため、摩擦によって引張力受け
回転体43の回転を阻止する。引張力受け回転体43
は、摩擦によって、回転止めされる。この結果、ボール
ねじ軸32の回転が防止される。コイルスプリング50
の締め込まれた状態は駆動モータ31を矢印H方向とは
反対方向にボールねじ軸32を回転させることによって
解除される。
体42、引張力受け回転体43に装着されているだけで
あって固着されていないため、摩擦によって引張力受け
回転体43の回転を阻止する。引張力受け回転体43
は、摩擦によって、回転止めされる。この結果、ボール
ねじ軸32の回転が防止される。コイルスプリング50
の締め込まれた状態は駆動モータ31を矢印H方向とは
反対方向にボールねじ軸32を回転させることによって
解除される。
【0031】なお、ボールねじ軸32は、押圧力や引張
力を受けたとき、図1において、矢印E方向と矢印G方
向とにハウジング35や傘歯車54に対して移動する
が、傘歯車54に対しては傘歯車の前記D形軸孔との係
合によって連結されている。
力を受けたとき、図1において、矢印E方向と矢印G方
向とにハウジング35や傘歯車54に対して移動する
が、傘歯車54に対しては傘歯車の前記D形軸孔との係
合によって連結されている。
【0032】又、ボールねじ軸32に軸方向の力が加わ
っていないとき、押圧力受け回転体42、引張力受け回
転体43は、引張力ストッパー51、軸上牽引部47、
押圧力ストッパー52に対して軽く接触しているか、或
いは、離れている。
っていないとき、押圧力受け回転体42、引張力受け回
転体43は、引張力ストッパー51、軸上牽引部47、
押圧力ストッパー52に対して軽く接触しているか、或
いは、離れている。
【0033】駆動モータ31は、ブレーキを持たないギ
アモータであり、電源が入っていないときボールねじ軸
32に矢印E方向又は矢印G方向の力が加わるとボール
ねじ軸が矢印F方向または矢印H方向へ回転する恐れが
ある。しかし、ボールねじ軸回転防止装置60によっ
て、ボールねじ軸32の回転が阻止されているため、駆
動モータ31は回転させられるようなことがない。
アモータであり、電源が入っていないときボールねじ軸
32に矢印E方向又は矢印G方向の力が加わるとボール
ねじ軸が矢印F方向または矢印H方向へ回転する恐れが
ある。しかし、ボールねじ軸回転防止装置60によっ
て、ボールねじ軸32の回転が阻止されているため、駆
動モータ31は回転させられるようなことがない。
【0034】
【発明の効果】本発明のボールねじ軸回転防止装置は、
主に、2つの回転体と1つのスラスト軸受で構成されて
いるため、従来の装置より構造が簡単且つボールねじ軸
の軸方向に占めるスペースを狭くすることができる。ボ
ールねじ軸の軸方向のスペースを狭くすることによっ
て、ボールナットのストロークを長くすることができ、
ボールナットに取付けられた出力軸のストロークを長く
することができる。
主に、2つの回転体と1つのスラスト軸受で構成されて
いるため、従来の装置より構造が簡単且つボールねじ軸
の軸方向に占めるスペースを狭くすることができる。ボ
ールねじ軸の軸方向のスペースを狭くすることによっ
て、ボールナットのストロークを長くすることができ、
ボールナットに取付けられた出力軸のストロークを長く
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例のボールねじ軸回転防止装置
が組み込まれた直線作動機の正面図であり、ボールねじ
軸に沿った断面図である。
が組み込まれた直線作動機の正面図であり、ボールねじ
軸に沿った断面図である。
【図2】 ボールねじ軸回転防止装置の正面図であり且
つボールねじ軸に沿った断面図であり、ボールねじ軸に
押圧力が加わった状態の図である。
つボールねじ軸に沿った断面図であり、ボールねじ軸に
押圧力が加わった状態の図である。
【図3】 ボールねじ軸に引っ張り方向の力が加わった
状態の図である。
状態の図である。
【図4】 従来のボールねじ軸回転防止装置の正面図で
あり且つボールねじ軸に沿った断面図であり、ボールね
じ軸に押圧力が加わった状態の図である。
あり且つボールねじ軸に沿った断面図であり、ボールね
じ軸に押圧力が加わった状態の図である。
【図5】 図4のボールねじ軸回転防止装置においてボ
ールねじ軸に引っ張り方向の力が加わった状態の図であ
る。
ールねじ軸に引っ張り方向の力が加わった状態の図であ
る。
【符号の説明】 30 直線作動機 31 駆動モータ
32 ボールねじ軸 33 ボールナット 34 出力軸
35 ハウジング 41 スラスト軸受 42 押圧力受け回転体 43 引張力受け回転体 44 軸上押圧段部
47 軸上牽引部 50 コイルスプリング 51 引張力ストッパー 52 押圧力ストッパー 60 ボールねじ軸回転防
止装置
32 ボールねじ軸 33 ボールナット 34 出力軸
35 ハウジング 41 スラスト軸受 42 押圧力受け回転体 43 引張力受け回転体 44 軸上押圧段部
47 軸上牽引部 50 コイルスプリング 51 引張力ストッパー 52 押圧力ストッパー 60 ボールねじ軸回転防
止装置
Claims (1)
- 【請求項1】 駆動モータによって正逆転するボールね
じ軸上のボールナットの直線往復移動によって前記ボー
ルナットに取付けられた出力軸がハウジングを直線的に
進退動する直線作動機において、 前記ボールねじ軸の基端部に形成され前記ボールねじ軸
に押圧力が加わったとき前記基端部に遊嵌された押圧力
受け回転体を押圧する軸上押圧段部と、 前記ボールねじ軸の基端部に固定され前記ボールねじ軸
に引張力が加わったとき前記基端部に遊嵌された引張力
受け回転体を押圧する軸上牽引部と、 前記押圧力受け回転体と前記引張力受け回転体との対向
面間に介在するスラスト軸受と、 前記ハウジングに固定され前記ボールねじ軸に押圧力が
加わったとき前記押圧力受け回転体と前記スラスト軸受
を介して前記軸上押圧段部によって押圧される前記引張
力受け回転体を受け止める押圧力ストッパーと、 前記ハウジングに固定され前記ボールねじ軸に引張力が
加わったとき前記引張力受け回転体と前記スラスト軸受
を介して前記軸上牽引部によって押圧される前記押圧力
受け回転体を受け止める引張力ストッパーと、 前記押圧力受け回転体と前記引張力受け回転体との外周
に緊締装着されたコイルスプリングとを有し、 前記出力軸の軸方向に加わった軸方向外力が前記ボール
ナットを介して前記ボールねじ軸に作用し、前記ボール
ねじ軸に正逆回転力が発生したとき、前記押圧力受け回
転体および引張力受け回転体の何れか一方が回転して前
記コイルスプリングを締め込み前記ボールねじ軸を回転
を阻止することを特徴とする、直線作動機ボールねじ軸
回転防止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14406594A JP2860252B2 (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 直線作動機のボールねじ軸回転防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14406594A JP2860252B2 (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 直線作動機のボールねじ軸回転防止装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07332454A true JPH07332454A (ja) | 1995-12-22 |
JP2860252B2 JP2860252B2 (ja) | 1999-02-24 |
Family
ID=15353491
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14406594A Expired - Fee Related JP2860252B2 (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 直線作動機のボールねじ軸回転防止装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2860252B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5910692A (en) * | 1996-12-06 | 1999-06-08 | Tsubakimoto Chain Co. | Ball-threaded shaft anti-slipout type linear actuator |
JP2003301919A (ja) * | 2003-05-13 | 2003-10-24 | Nsk Ltd | リニアアクチュエータ |
CN102853047A (zh) * | 2012-09-25 | 2013-01-02 | 黄幼华 | 一种往复运动机械行程自定位装置 |
CN112729648A (zh) * | 2020-12-30 | 2021-04-30 | 慈兴集团有限公司 | 一种滚珠丝杠摩擦力矩测试装置 |
-
1994
- 1994-06-03 JP JP14406594A patent/JP2860252B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5910692A (en) * | 1996-12-06 | 1999-06-08 | Tsubakimoto Chain Co. | Ball-threaded shaft anti-slipout type linear actuator |
JP2003301919A (ja) * | 2003-05-13 | 2003-10-24 | Nsk Ltd | リニアアクチュエータ |
CN102853047A (zh) * | 2012-09-25 | 2013-01-02 | 黄幼华 | 一种往复运动机械行程自定位装置 |
CN112729648A (zh) * | 2020-12-30 | 2021-04-30 | 慈兴集团有限公司 | 一种滚珠丝杠摩擦力矩测试装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2860252B2 (ja) | 1999-02-24 |
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