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JPH07316188A - オレアノール酸誘導体の製造方法 - Google Patents

オレアノール酸誘導体の製造方法

Info

Publication number
JPH07316188A
JPH07316188A JP6108178A JP10817894A JPH07316188A JP H07316188 A JPH07316188 A JP H07316188A JP 6108178 A JP6108178 A JP 6108178A JP 10817894 A JP10817894 A JP 10817894A JP H07316188 A JPH07316188 A JP H07316188A
Authority
JP
Japan
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compound
mmol
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protected
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Granted
Application number
JP6108178A
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English (en)
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JP3453188B2 (ja
Inventor
Yoshitaka Araki
美貴 荒木
Kazuhiro Takahashi
和博 高橋
Isao Horibe
功 堀部
Toshiro Konoike
敏郎 鴻池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shionogi and Co Ltd
Original Assignee
Shionogi and Co Ltd
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Publication date
Application filed by Shionogi and Co Ltd filed Critical Shionogi and Co Ltd
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Publication of JPH07316188A publication Critical patent/JPH07316188A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Steroid Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オレアノール酸誘導体の化学合成による製造
方法を提供する。 【構成】 式(I): 【化1】 で示される化合物の製造方法であって、式(II): 【化2】 で示される化合物を、アルカリ金属またはアルカリ土類
金属を用い、Birch反応の条件下で還元することを特徴
とする方法 【効果】 エンドセリンレセプター拮抗物質を始め、様
々な有用な物質の製造原料を効率的に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は式(I):
【化4】 (式中、XおよびYは、いずれか一方が水素であって他
方が保護されていてもよいヒドロキシであるか、一緒に
なって保護されていてもよいカルボニルを形成し、R1
はヒドロキシまたはアミノを表す)で示されるオレアノ
ール酸誘導体(以下、化合物(I)という)の新規な製
造方法に関する。
【0002】
【従来技術と発明が解決すべき課題】化合物(I)は、
ヒトまたは動物のための医薬を含む、様々な化合物の合
成における中間体として有用であり、例えば、エンドセ
リン受容体拮抗物質としてその有用性が知られている、
下記の式(III):
【化5】 [式中、R4は水素または代謝性エステル残基、R5は水
素または−R6−R7を表す。但し、R6はSO3、CH2
COO、COCOOまたはCOR8COO(R8は低級ア
ルキレンまたは低級アルケニレン)、R7は水素または
代謝性エステル残基を表す。]で示されるトリテルペン
誘導体の製造中間体である。このトリテルペン誘導体
(III)は、血管収縮作用を有する内皮細胞由来のペ
プチドであるエンドセリンの受容体拮抗剤であり、従っ
て、エンドセリンの過剰分泌に起因する様々な疾患の治
療または予防に特に有効であることが示唆されている
[PCT/JP91/01707(国際公開番号WO9
2/12991)および特願平第5−140416
号]。そのような疾患の例として、高血圧、虚血性心疾
患、脳循環障害、腎障害、諸臓器の循環不全、喘息など
を挙げることができる。
【0003】このトリテルペン誘導体(III)は、従
来、ミリセロンまたはミリセロール(本明細書中、それ
ぞれ、式(I)において、XおよびYが一緒になってカ
ルボニルを表し、R1がヒドロキシである化合物、並び
にXおよびYの1方がヒドロキシで他方が水素であり、
1がヒドロキシである化合物を意味するものとする)
から、既知の方法(WO92/12991および特願平
第5−140416号)で製造することができる。例え
ば、ミリセロンに、ジメチルホスホノ酢酸を反応させて
式(IV):
【化6】 で示される化合物を得、該化合物と式(V):
【化7】 (式中、R5は上記と同意義であり、R9はBoc(t−ブ
トキシカルボニル基)などのフェノール保護基または水
素原子を表す)で示されるアルデヒドをホーナーエモン
ズ反応の反応条件下で縮合させ、脱保護および/または
化学修飾を行うことで製造することができる。
【0004】従来、ミリセロン等の式(I)で示される
化合物は、シロコヤマモモ(Myricacerifera)から抽出
して得られる、ミリセロンまたはミリセロールの誘導体
を化学修飾することにより製造されていた。即ち、シロ
コヤマモモの枝をメタノール等の極性溶媒で数日間抽出
し、さらに、抽出物を水と混和しないクロロホルム等の
有機溶媒を用いて抽出し、得られた抽出物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィ−で分離し、得られた物質をさ
らに化学修飾することにより、式(I)の化合物を製造
していた。このように従来法は極めて繁雑な工程を要す
るために、目的物質の収率は極めて低かった。従って、
ミリセロンおよびミリセロール等の式(I)で示される
化合物を、市販品又は、容易に入手可能な原料物質より
の効率良く製造する方法の開発が強く望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ある種の
ラクトンをBirch反応の条件下で還元することにより、
容易に目的の化合物(I)を効率良く製造することがで
きることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は化合物(I)の新規な製造
方法であって、式(II):
【化8】 (式中、XおよびYは、いずれか一方が水素であって他
方が保護されていてもよいヒドロキシであるか、一緒に
なって保護されていてもよいオキソを形成し、R2は酸
素、保護されていてもよいヒドロキシイミノまたは保護
されていてもよいイミノ、R3はエステル型ヒドロキシ
保護基を表す)で示される化合物を、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属を用い、アミン溶液中で還元するこ
とを特徴とする方法を提供するものである。本発明方法
に用いられる保護基について説明する。
【0007】XまたはYにおけるヒドロキシ保護基とし
ては、還元反応に悪影響を及ぼさないものであれば還元
中に脱保護されるものであってもよく、公知のヒドロキ
シ保護基を幅広く使用でき、アラルキル(メトキシベン
ジル、ニトロベンジル、2,4−ジメトキシベンジル、
トリチル等)、アルキルカルボニル(アセチル、ハロゲ
ン化アセチル、ピバロイル、ホルミル、シクロヘキシル
アセチル等)、アリールカルボニル(ベンゾイル、トル
オイル、キシリル、インダニル等)、アルコキシカルボ
ニル(メトキシカルボニル、ヒーブトキシカルボニル、
シクロプロポキシカルボニル等)、アルケニルオキシカ
ルボニル(プロペニルオキシカルボニル等)、アリール
オキシカルボニル(フェノキシカルボニル等)、アラル
キルオキシカルボニル(ニトロベンジルオキシカルボニ
ル等)、シリル型(トリメチルシリル、t−ブチルジメ
チルシリル、ジメチルフェニルシリル、トーブトキシジ
フェニルシリル等)およびエーテル型(アルキルエーテ
ル、アリールエーテル、アラルキルエーテル、メトキシ
メチル、テトラヒドロフラニル等)等が例示される。好
ましくは、アセチル等のアルカノイルである。尚、該ヒ
ドロキシ部分は本還元反応を行うに当たって、保護され
ていなくても何等不都合はない。
【0008】XおよびYにおける、保護されていてもよ
いオキソにおける保護基としては、還元反応に悪影響を
及ぼさないものであれば公知のカルボニル保護基を幅広
く使用できるが、好ましくは、還元反応中に脱保護され
ず反応後に公知の方法により容易に脱保護されるもので
あり、ジアルキルアセタール型(ジメチルアセタール、
ジエチルアセタール等)、アルキレンジオキシ型(エチ
レンジオキシ、プロピレンジオキシ等)およびアルキレ
ンジチオ型(エチレンジチオ、プロピレンジチオ等)等
が例示され、特に好ましくは、アルキレンジオキシ型で
ある。尚、XおよびYが保護されていないオキソである
場合には、本反応によりヒドロキシに還元された化合物
(I)の三位ヒドロキシ体が主生成物として得られる場
合があるが、該ヒドロキシ体は、例えば、特願平5−1
40416号に記載の方法により容易に三位オキソ体に
変換することが出来る。R2におけるヒドロキシイミノ
の保護基としては、還元反応に悪影響を及ぼさないもの
であれば還元中に脱保護されるものであってもよく、前
記ヒドロキシ保護基のうち、アルキルカルボニル、アル
コキシカルボニル、エーテル型が挙げられる。該ヒドロ
キシ部分は本還元反応を行うに当たって保護されていな
くても何等不都合はない。
【0009】R2におけるイミノの保護基としては、還
元反応に悪影響を及ぼさないものであれば還元中に脱保
護されるものであってもよく、公知のイミノ保護基を幅
広く使用できるが、好ましくはアルキル(エチル、t−
ブチル等)である。R3におけるエステル型ヒドロキシ
保護基としては、還元反応により容易に離脱してかつ反
応に悪影響を及ぼさないものでなければならず、前記ヒ
ドロキシ保護基のうちアルキルカルボニル、アリールカ
ルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカル
ボニルが挙げられる。尚、本還元反応後、化合物(I)
に上記いずれかの保護基が残存する場合には、所望によ
り、当業者に周知の方法により脱保護することが出来
る。本還元反応に係る化合物(I)及び(II)は、ト
リテルペン類の中でもβ−アミリン型の骨格を有する。
本反応においては、Birch反応条件を利用することによ
り、化合物(II)の27位側鎖並びに12位及び13
位部分を1工程で還元でき、化合物(I)を高収率で得
ることが出来る。
【0010】Birch反応は、通常アミン溶液中、アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属を用いて行う還元反応で
あり、その反応条件は当業者に既知であって、多くの文
献に記載されている[例えば、新実験化学講座15「酸
化と還元II」第1章、第165頁(1976年)、お
よび有機化学実験のてびき[3]合成反応(I)東京化
学同人(1990年)40−42頁]。即ち、Birch還
元に用いられるアルカリ金属またはアルカリ土類金属と
しては、リチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウ
ム、マグネシウム、を挙げることができ、本発明方法に
おいては、リチウム、ナトリウム、カルシウムが好まし
い。 アミン溶液としては液体アンモニアまたはメチル
アミン、エチルアミン、エチレンジアミン、ジメチルア
ミン、ジエチルアミン等のモノ又はジ低級アルキルアミ
ンを用いることができ、本発明方法においては、液体ア
ンモニアが特に好ましい。
【0011】通常、2当量以上のアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の存在下、所望により、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、t−ブタノールなどのプ
ロトン供与体(アニオン捕捉剤)の存在下で、好ましく
は無水条件下で反応させる。本発明方法においては、プ
ロトン供与体として、無水エタノールが特に好ましい。
反応溶媒としては、アミン溶液だけでもよいが、所望
によりエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ンなどの補助溶媒を併用しても良い。反応温度は、通
常、氷冷下〜−100℃、好ましくは−50〜−80℃
である。反応後、減圧濃縮し、中和し、有機溶媒で抽出
し、乾燥、濃縮し、シリカゲル、アルミナ等のカラムク
ロマトグラフィーで精製することにより、目的化合物
(I)を得ることができる。
【0012】式(II)で示されるラクトンは、例え
ば、オレアノール酸等を出発原料に当業者既知の方法
[例、D.H.R. Barton et al., Tetrahedron, Supplemen
t No. 7,pp.57-67 (1965)]に従って製造することがで
きる。なお、式(II)において、XおよびYのいずれ
か一方が水素であって他方が保護されていてもよいヒド
ロキシであり、R2がオキソ、保護されていてもよいヒ
ドロキシイミノまたは保護されていてもよいイミノ、R
3が水素またはエステル型ヒドロキシ保護基である化合
物は新規であり、本発明の製造方法の有用な中間体であ
る。本発明方法によれば、従来法と比較して用いる溶媒
の量が格段に少なく、工程も簡単であるために、時間、
労力の節約が可能となり、しかも化合物(I)を高収率
で得ることができるので、最終目的物質の製造効率を飛
躍的に向上し得る。従って、本発明の方法は、式(I)
で示される任意の化合物を用いる製造工程の効率の改善
に広く有用である。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を詳しく説明す
るが、これらの実施例は本発明を制限するものではな
い。実施例1 ミリセロンの製造
【化9】
【化10】
【0014】1) 化合物の合成 オレアノール酸(10.0g、21.9mmol)をクロロホ
ルム(150ml)−アセトン(500ml)混液に溶解し、氷
冷下、Jones試薬((CrO3/アセトン/H2SO4)1
6ml、42.7mmol)を加え、30分攪拌する。2−プロ
パノール(2.0ml)を加え、過剰の試薬を分解した後、
水(50ml)を加え減圧下に濃縮する。残渣を酢酸エチル
(200ml×2)で抽出し、食塩水で洗浄した後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去して結晶性
の粗生成物を得た。収量9.95g(21.9mmol)、収
率100%。化合物2 : TLC Rf=0.43(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.81(3H,s),0.9
1(3H,s),0.93(3H,s),1.03(3H,s),1.05
(3H,s),1.08(3H,s),1.14(3H,s),2.84
(1H,dd,J=13.0,4.0Hz),5.30(1H,dd,J
=3.5,3.5Hz)
【0015】2) 化合物の合成 粗生成物(9.95g、21.9mmol)を塩化メチレン(3
00ml)−メタノール(30ml)混液に溶解し、−60℃
以下に冷却する。オゾンガスを溶液が紫色に着色するま
で導入する。次いで、窒素ガスをバブリングさせ過剰の
オゾンを除去後ジメチルスルフィド(2.0ml)を加え室
温で1時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、残渣を2−
プロパノールより結晶化させ化合物を得た。収量9.
24g(19.7mmol)、収率90%。化合物3 : TLC Rf=0.42(塩化メチレン/酢酸エチル=9
/1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.91(3H,s),0.9
9(6H,s),1.05(3H,s),1.10(3H,s),1.19
(3H,s),1.32(3H,s),3.91(1H,br s)
【0016】3) 化合物の合成 化合物(3.24g、6.9mmol)を乾燥ピリジン(50m
l)に溶解し、−40℃に冷却する。ニトロシルクロライ
ド(1.81g、27.6mmol)を窒素ガスと共に導入し、
同温度にて30分間攪拌した。氷水(100ml)を加え、
析出晶を吸引濾取し、水(40ml×2)で洗浄した後、減
圧乾燥を行ない粉末状の化合物を得た。収量3.40g
(3.40mmol)、収率99%。化合物4 : TLC Rf=0.76(塩化メチレン/酢酸エチル=9
/1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.77(3H,s),0.9
5(3H,s),1.01(3H,s),1.06(3H,s),1.11
(3H,s),1.17(3H,s),1.28(3H,s),5.64
(1H,dd,J=3.5,2.0Hz)
【0017】4) 化合物の合成 化合物(20.0g,40.1mmol)の乾燥塩化メチレン
(1.00L)溶液に窒素ガスを10分間バブリングを行
った後、氷冷する。同温度にて窒素バブリング下、高圧
水銀ランプ(450W)を1時間20分照射した。反応液
は減圧下溶媒を留去し、残渣に1,2−ジクロロエタン
(200ml)を加え1.5時間加熱還流した。室温に放冷
ののち、析出晶を吸引濾取し粗生成物(10.6g)を得
た。このものを1,2−ジクロロエタン(80ml)に懸濁
し、加熱した後室温まで放冷した。析出晶を濾取し、無
定形の粉末として化合物を得た。収量9.41g(18.
8mmol)、収率47%。化合物5 : TLC Rf=0.11(塩化メチレン/酢酸エチル=9
/1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.90(3H,s),0.9
5(3H,s),0.98(3H,s),1.03(3H,s),1.07
(3H,s),1.26(3H,s),3.88(1H,br d,J=6.
0Hz)4.20(1H,br d,J=6.0Hz),7.60(1
H,s),8.12(1H,s)
【0018】4) 化合物の合成 化合物(20.0g,40mmol)のジオキサン(300ml)
溶液に酢酸アンモニウム(40.0g,519mmol)、50
%酢酸水溶液(60ml)を加え、氷冷下、三塩化チタン水
溶液(96ml)を滴下する。室温で2時間攪拌後、氷水
(500ml)−酢酸エチル(800ml)混液にあけ、炭酸水
素ナトリウム(270g)にて中和した。有機層を分液
し、水層は酢酸エチル(600ml)で再抽出し、それぞれ
の有機層を食塩水で洗浄した後無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣を酢酸エチルから
結晶化させ粉末状の化合物を得た。収量16.1g(3
3mmol)、収率83%。化合物6 : TLC Rf=0.20(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/
1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.89(3H,s),0.9
2(3H,s),0.99(3H,s),1.02(3H,s),1.05
(3H,s),1.30(3H,s),3.76(1H,br d,J=1
0.3Hz),6.99(1H,br d,J=10.0Hz),8.1
1(1H,br d,J=14.8Hz)
【0019】5) 化合物の合成 化合物(25.37g,53mmol)を1,4−ジオキサン
(500ml)に懸濁し、亜硝酸ナトリウム(36.2g,5
25mmol)と酢酸ナトリウム(36.2g,441mmol)を
加え、攪拌下15℃で50%酢酸水溶液(150ml)を2
0分間で滴下した。室温下、40分攪拌後、反応液を減
圧濃縮し、残渣に酢酸エチル(260ml)と水(300ml)
を加え、次いで炭酸ナトリウム(67g)にて中和した。
混合物を酢酸エチル(400ml×2)で抽出し、酢酸エチ
ル層を食塩水で洗浄の後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減
圧下溶媒を留去して化合物(副生成物)と新規化合物
との混合物(28.2g)を得た。この混合物をテトラヒ
ドロフラン−メタノール混液(3:2、280ml)にて加
温溶解し、室温下、2N水酸化カリウム水溶液(20ml)
を加え40分攪拌した。反応液を2N塩酸水溶液(10m
l)で中和した後減圧濃縮し、残渣を塩化メチレン(20
0ml,100ml)で抽出した。有機層を食塩水で洗浄の
後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、残
渣を2−プロパノールより結晶化させ化合物を得た。
収量22.9g(47mmol)、収率90%。化合物7 : TLC Rf=0.53(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/
1)化合物8 : TLC Rf=0.40(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/
1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.90(3H,s),0.9
4(3H,s),0.98(3H,s),1.02(3H,s),1.06
(3H,s),1.26(3H,s),3.55(1H,d,J=8.5
Hz),3.94(1H,br d,J=8.5Hz),10.01(1
H,s)
【0020】6) 化合物の合成 化合物(25.0g,52mmol)のトルエン(500ml)懸
濁液にエチレングリコール(29ml,520mmol)とピリ
ジウム−p−トルエンスルホン酸(650mg,2.6mmol)
を加え、モレキュラーシーブを充填した脱水装置を付し
て1時間加熱還流した。反応液は冷後、トルエン(25
0ml)で希釈し、水(250ml)および食塩水(200ml)
で順次洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶
媒を留去して結晶性の粗生成物を得た。収量27.1
3g(51mmol)、収率99%。化合物9 : TLC Rf=0.38(塩化メチレン/酢酸エチル=9
/1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.79(3H,s),0.8
9(3H,s),0.90(3H,s),0.94(6H,s),1.21
(3H,s),3.26(1H,d,J=7.5Hz),3.94(5
H,m),10.03(1H,s)
【0021】7) 化合物10の合成 化合物(25.4g,48mmol)の乾燥ピリジン(80ml)
溶液に無水酢酸(20ml,200mmol)と4−ジメチルア
ミノピリジン(290mg,2.4mmol)を加え、60℃で
30分攪拌した。反応液は冷後、氷水(500ml)を加
え、析出晶を吸引濾取し、水(100ml×3)で洗浄した
後、風乾した。粗生成物をメタノール(100ml)に懸濁
し、60℃で5分加温し室温に放冷した。析出晶を吸引
濾取して粉末状の新規化合物10を得た。収量25.9
3g(45.5mmol)、収率95%。化合物10 : TLC Rf=0.46(塩化メチレン/酢酸エチル=1
9/1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.80(6H,s),0.9
0(3H,s),0.92(3H,s),0.94(3H,s),1.21
(3H,s),2.12(3H,s),3.95(4H,m),5.26
(1H,dd,J=2.8,2.8Hz),10.23(1H,s)
【0022】8) 化合物11の合成 −78℃に冷却した液体アンモニア(300ml)に金属リ
チウム(1.84g,263mmol)を加え30分攪拌溶解す
る。この中へ化合物10(30g、53mmol)の無水テト
ラヒドロフラン(300ml)溶液を45分にて滴下し、同
温度にて1時間攪拌した。次いで無水エタノール(15m
l)を滴下し、室温に放置してアンモニアを除去した後減
圧濃縮する。残渣に水(150ml)および塩化メチレン
(400ml)を加え、激しく攪拌下2N塩酸水溶液にてp
H4に調整する。有機層を分液し、水層は塩化メチレン
(200ml)で再抽出する。それぞれの有機層は水および
食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、
減圧濃縮する。油状残渣は酢酸エチル−n−ヘキサンよ
り結晶化させ化合物11を得た。 収量23.2g(45mmol)、収率86%化合物11 : TLC Rf=0.40(塩化メチレン/酢酸エチル=9
/1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.70(3H,s),0.8
3(3H,s),0.90(3H,s),091(3H,s),0.92
(3H,s),0.96(3H,s),2.92(1H,dd,J=13.
0,4.0Hz),3.16(1H,d,J=11.8Hz),3.7
8(1H,d,J=11.8Hz),3.93(4H,br s),5.8
3(1H,br s)
【0023】9) 化合物12(ミリセロン)の合成 化合物11(515mg、1mmol)のテトラヒドロン(2.5
ml)溶液に2N塩酸(0.5ml)を加え、1時間加熱還流す
る。この反応液に水(5ml)、塩化メチレン(10ml)を加
え攪拌静置後、有機層を分取し、水層は塩化メチレンで
再抽出する。それぞれの有機層は、食塩水で洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮する。残渣は、塩化
メチレン−メタノールより結晶化させ、化合物12を得
た。収量374mg(0.79mmol)、収率79%。化合物12 : TLC Rf=0.57(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/
1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.79(3H,s),0.9
4(3H,s),0.98(3H,s),1.03(6H,s),1.11
(3H,s),2.3〜2.6(2H,m),2.96(1H,dd,J=
13.2,3.8Hz),3.26(1H,d,J=11.8Hz),
3.81(1H,d,J=11.8Hz),5.89(1H,br s)
【0024】実施例2 ミリセロールの製造
【化11】
【化12】
【0025】1) 化合物’の合成 原料のオレアノール酸(32.42g,71mmol)をピリ
ジン(260ml)に溶かし、室温下、無水酢酸(36.2
g,355mmol)を滴下する。次いで、4−ジメチルアミ
ノピリジン(867mg,7mmol)を加え、室温下、1時間
攪拌する。その後、氷冷下、メタノール(20ml)を流入
し、室温で30分攪拌する。水(400ml)を加えてスラ
リーとし、濾過を行う。得た粗晶を、塩化メチレン(3
00ml)に再溶解し、1N塩酸(110ml)に加える。有
機層を分取し、水層は、塩化メチレンで抽出する。それ
ぞれの有機層を食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、濃縮して粗生成物’を得る。収量3
5.93g(72mmol)、収率100%化合物2’: TLC Rf=0.64(クロロホルム/酢酸エチル=1
5/1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.74(s,3H),0.8
5(s,3H),0.86(s,3H),0.90(s,3H),0.93
(s,3H),0.94(s,3H),1.13(s,3H),1.0〜
2.0(m,22H),2.05(s,3H),2.82(dd,J=1
4.0,4.0Hz,1H),4.50(dd,J=7.8,7.8H
z,1H),5.27(br s,1H)
【0026】2) 化合物’の合成 粗生成物’(35.93g,72mmol)を塩化メチレン
(360ml)−メタノール(50ml)混液に溶かし、−60
℃以下に冷却する。冷却下、オゾンガスを溶液が紫色に
変わるまで導入する。次いで、窒素ガスをバブリングさ
せ、過剰のオゾンを除去(退色)後、濃縮する。容量約2
00mlまで濃縮したら、イソプロパノール(300ml)を
加え再濃縮する。約200ml容量まで濃縮されたスラリ
ーを濾過し、濾さい結晶はイソプロパノール(100ml)
で洗浄後、減圧乾燥を行い、粉末の目的化合物を得る。
収量31.52g(61.2mmol)、収率85%。化合物3 ’: TLC Rf=0.50(クロロホルム/酢酸エチル=1
5/1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.86(s,3H),0.8
7(s,3H),0.91(s,6H),0.99(s,3H),1.15
(s,3H),1.31(s,3H),2.05(s,3H),1.0〜
2.3(m,23H),3.88(br s,1H),4.49(m,1H)13 CNMR(CDCl3ppm; 16.4,16.5,17.
6,18.6,21.2,21.3,23.6,23.9,27.
5,27.9,28.0,28.7,31.6,33.3,33.
9,34.2,36.4,37.8,38.4,39.3,42.
0,42.3,44.5,44.7,51.1,55.3,76.
0,80.9,90.8,171.2,180.2
【0027】3) 化合物’の合成 粉末’(30.98g,60.2mmol)のピリジン(310
ml)溶液を−30〜−40℃に冷却し、ニトロシルクロ
ライド(23.7g,0.36mol)を導入する。1時間攪拌
後、氷水(310ml)を加える。生じたスラリーを濾過
し、濾さいは水(500ml)で洗浄後、塩化メチレン(2
00ml)で再溶解する。無水硫酸マグネシウムで乾燥後n
−ヘキサン(500ml)を加え、容量約100mlまで濃縮
する。生じたスラリーを濾過し、濾さいはn−ヘキサン
(150ml)で洗浄後、減圧乾燥を行い、粉末の目的化合
物を得る。収量32.09g(59.0mmol)、収率98
%。化合物4 ’: TLC Rf=0.74(クロロホルム/酢酸エチル=1
5/1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.74(s,3H),0.8
5(s,3H),0.86(s,3H),0.91(s,3H),0.93
(s,3H),1.14(s,3H),1.21(s,3H),2.04
(s,3H),0.8〜2.4(m,23H),4.47(dd,J=8.
0,8.0Hz,1H),5.59((dd,J=3.0,2.2Hz,
1H)
【0028】4) 化合物’の合成 粉末’(4.0g,7.4mmol)のトルエン(200ml)溶
液に窒素ガスを流通し10分間バブリングを行った後、
氷冷する。窒素バブリング,氷冷下,高圧水銀ランプ(4
50W)を45分間照射する。原料が消失した緑色透
明反応液を、約50ml容量まで濃縮し、その後、80℃
のオイルバスで30分間加熱を行う。次いで、再濃縮
し、カラムクロマトグラフィーにより精製して目的化合
を得る。クロマトグラフィー条件:SiO2100g、
クロロホルム/酢酸エチル=10/1→5/1→酢酸エ
チル。収量2.31g(4.2mmol)、収率58%。化合物5 ’: TLC Rf=0.10(クロロホルム/酢酸エチル=1
5/1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.84(s,6H),0.8
8(s,3H),0.92(s,3H),0.94(s,3H),1.22
(s,3H),2.08(s,3H),0.7〜2.2(m,23H),
3.80(d,9.4Hz,1H),4.20(d,9.4Hz,1H),
4.51(dd,J=11.2,5.4Hz,1H),7.53(s,1
H),8.16(s,1H)
【0029】5) 化合物’の合成 粉末’(13.10g,24mmol)のジオキサン(210m
l)溶液に、酢酸アンモニウム(24.9g,312mmol)、
50%酢酸水(39ml)を加え、氷冷下、三塩化チタン水
溶液(55ml)を滴下する。室温で1.5時間攪拌後、氷
−酢酸エチル(700ml)−10%炭酸ナトリウム(50
0ml)混液にあける。有機層を分取し、水層は酢酸エチ
ルで2回抽出する(300,100ml)。それぞれの有機
層を食塩水で洗浄した後無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、濃縮する。残渣を塩化メチレンで溶かし、n−ヘキ
サンを加え、再濃縮する。析出した固体を濾過し、粉末
の目的の新規化合物’を得る。収量12.01g(23m
mol)、収率94%。化合物6 ’: TLC Rf=0.52(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/
1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.81(s,3H),0.8
3(s,3H),0.89(s,3H),0.92(s,6H),1.26
(s,3H),2.04(s,3H),0.6〜2.3(m,23H),
3.74(d,J=9.4Hz,1H),4.48(dd,J=8.2,
8.2Hz,1H),6.90(br s,1H),8.10(br s,1
H)13 CNMR(CDCl3ppm; 16.5,16.7,17.
5,18.7,21.2,21.3,23.5,24.0,25.
7,27.0,27.8,27.9,31.6,33.2,33.
8,35.7,36.5,37.8,38.2,40.6,43.
6,43.7,44.7,50.0,53.2,55.5,74.
6,80.5,89.1,171.0,179.3,182.7
【0030】6) 化合物’の合成 粉末’(50mg,0.095mmol)をジオキサン(15m
l)−50%酢酸水混液に溶かし、亜硝酸ナトリウム(1
60mg,2.375mmol)を酢酸ナトリウム(160mg,
1.951mmol)を加える。室温下、30分攪拌後、塩化
メチレン(40ml)−水(10ml)混液にあける。有機層を
分取し、水層は塩化メチレンで抽出する。それぞれの有
機層を食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、濃縮して’と’の混合粗生成物である濃縮残
渣(62mg)を得る。濃縮残渣をベンゼン(5ml)に溶か
し、中性アルミナ(1g)を加える。加熱還流1.5時間
後、濾過し、濾さい(アルミナ)を塩化メチレン(約30m
l)で洗浄する。このベンゼン−塩化メチレン溶液を濃縮
して、目的化合物’の粗生成物を得る。収量40mg
(0.076mmol)、収率80%。化合物7 ’: TLC Rf=0.55(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/
1)化合物8 ’: TLC Rf=0.45(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/
1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.83(s,6H),0.8
9(s,3H),0.94(s,6H),1.22(s,3H),2.05
(s,3H),0.6〜2.4(m,23H),3.57(d,J=7.
8Hz,1H),3.94(br d,J=7.4Hz,1H),4.4
5(dd,J=10.4,5.8Hz,1H),10.05(s,1H)13 CNMR(CDCl3ppm; 16.5,17.2,17.
5,18.6,20.9,21.2,21.3,23.5,24.
4,26.9,27.8,31.6,33.1,33.7,36.
3,36.9,37.6,37.8,38.3,43.4,44.
7,46.0,49.9,55.5,58.4,75.3,80.
5,87.1,171.1,179.1,210.0
【0031】7) 化合物’の合成 粗生成物’(90mg,0.17mmol)のピリジン(1ml)
溶液に無水酢酸(0.54g,5.3mmol)とジメチルアミ
ノピリジン(9mg,0.07mmol)を加え、1.5時間の加
熱を行う(油浴85℃)。その後、塩化メチレン(25ml)
−2N塩酸(9ml)混液にあけ、有機層を分取する。水層
は塩化メチレンで抽出し、それぞれの有機層は食塩水で
洗浄する。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃
縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して目的物
’を得る。収量78mg(0.14mmol)、収率80%。化合物9 ’: TLC Rf=0.58(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/
1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.81(s,3H),0.8
3(s,6H),0.92(s,3H),0.93(s,3H),1.21
(s,3H),2.05(s,3H),2.15(s,3H),0.7〜
2.4(m,23H),4.42(dd,J=8.0,4.0Hz,1
H),5.25(br s,1H),10.22(s,1H)
【0032】8) 化合物10’(ミリセロール)の合成 −78℃に冷却した液体アンモニア(5ml)に金属リチウ
ム(45mg,6.5mmol)を加え、30分間攪拌溶解す
る。そこへ、原料’(30mg、0.05mmol)のTHF
溶液を流入し、−78℃下、3時間攪拌する。その後、
塩化アンモニウム(170mg)を加え、反応液が紫から無
色に変化することを確認する。さらに塩化メチレン(2
0ml)を流入後、室温に昇温し、アンモニアを気体とし
て除去し、氷存在下、2N塩酸(10ml)を加える。有機
層を分取し、水層は塩化メチレンで抽出する。それぞれ
の有機層は食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥後、濃縮する。残渣はカラムクロマトグラフィーで精
製し目的化合物10’を得る。収量24mg(0.05mmo
l)、収率97%。化合物10 ’: TLC Rf=0.65(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/
1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.70(s,3H),0.7
5(s,3H),0.88(s,3H),0.91(s,3H),0.96
(s,3H),0.98(s,3H),1.0〜2.0(m,22H),
2.91(br d,J=12.4Hz,1H),3.15〜3.26
(m,2H),3.78(d,J=11.8Hz,1H),5.85(br
s,1H)
【0033】実施例3 27−アミノミリセロールの製
【化13】
【0034】9) 化合物11’の合成 実施例2の4)で調製した化合物’(544mg,1mmo
l)のピリジン(3ml)溶液に無水酢酸(509mg,5mmol)
とジメチルアミノピリジン(54mg,0.44mmol)を加
える。室温下、2時間攪拌後氷−塩化メチレン(20ml)
−6N塩酸(10ml)混液にあける。有機層を分取し、水
層は塩化メチレンで抽出する。それぞれの有機層は食塩
水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮する。
濃縮残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、目的の
新規化合物11’を得る。収量637mg(1.01mmo
l)、収率100%。化合物11 ’: TLC Rf=0.65(塩化メチレン/酢酸エチル=1
0/1)1 H NMR(CDCl3ppm; 0.80(s,3H),0.8
4(s,3H),0.85(s,3H),0.90(s,3H),0.92
(s,3H),1.25(s,3H),2.06(s,3H),2.17
(s,3H),2.25(s,3H),0.7〜2.4(m,23H),
4.48(m,1H),5.16(br s,1H),8.08(s,1H)
【0035】10) 化合物12’(27−アミノミリセ
ロール)の合成 −78℃に冷却した液体アンモニア(6ml)に粉末11
(15mg,0.24mmol)のTHF(2ml)溶液とエタノー
ル(0.5ml)を加える。−78℃下、金属リチウム(91
mg,13.1mmol)を加え、3時間攪拌後、塩化アンモニ
ウム(0.3g)、塩化メチレン(15ml)、メタノール(1
5ml)を加える。昇温してアンモニアを気体として除去
後、氷−塩化メチレン(20ml)−水(15ml)−6N塩酸
(15ml)混液にあける。水層を分取し、酢酸エチル(3
0ml)で抽出する。水層は再び酢酸エチルで抽出し、そ
れぞれの酢酸エチル液は食塩水で洗浄後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、濃縮する。粗生成物として目的化合
12’を得る。収量52mg(0.11mmol)、収率46
%。化合物12 ’: TLC Rf=0.15(酢酸エチル/酢酸/水=30/
1/1)1 H NMR(CDCl3+CD3OD)δppm; 0.77(s,
3H),0.82(s,3H),0.91(s,3H),0.96(s,3
H),0.98(s,3H),0.99(s,3H),0.7〜2.1
(m,22H),2.67(d,J=14.0Hz,1H),3.01
(br d,J=14.0Hz,1H),3.26(m,2H),5.92
(br s,1H) 上記実施例で製造した化合物を用い、例えば、下記の参
考例に示す方法により、抗エンドセリンレセプター活性
を有するトリテルペン誘導体(III)を製造すること
ができる。
【0036】参考例1 ホーナー−エモンズ試薬(化合
物IV)の合成
【化14】
【0037】ジメチルホスホノ酢酸(7.07g,42.
1mmol)の塩化メチレン溶液(100ml)に、窒素雰囲
気下室温で塩化チオニル(9.21ml,126mmol)を
加える。室温で4時間撹拌した後に濃縮して酸クロリド
(7.85g)を得る。実施例1で調製した化合物12
(6.60g,14.0mmol)の塩化メチレン溶液(70
ml)に、窒素雰囲気下、−78℃でピリジン(4.53
mL,56mmol)を滴下する。このとき内温は、−73
℃まで上昇した。次いで上で合成した酸クロリド(7.
85g,14.0mmol)の塩化メチレン溶液(70ml)
を25分かけて滴下する。このときの内温は−68℃ま
で上昇した。−75℃で40分間撹拌した後、溶媒を減
圧除去する。残渣をTHF(84ml)に懸濁させ、0℃
に冷却した後、2N NaOH(14ml,28mmol)を加
え、0℃で1時間撹拌する。反応液を氷−1N塩酸(5
0ml)−酢酸エチル(200ml)にあけ、有機層を分取
する。水層を酢酸エチル(150ml×2)で抽出し、そ
れぞれの有機層を食塩水(100ml×2)で洗浄する。
有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮す
る。カラムクロマトグラフィーにより精製して目的の化
合物(IV)を得る。クロマトグラフィー条件:SiO2
150g,酢酸エチル/ヘキサン=1/1→酢酸エチ
ル→クロロホルム/メタノール=100/1→50/1
→20/1。収量7.43g(11.97mmol,85
%)。Mp.110−113℃、[α]D 22:+83.9
°(1.01/CHCl3)。化合物(IV) 1 H NMR(CDCl3)δppm:0.80(s,3H),
0.89(s,3H),0.94(s,3H),1.02
(s,3H),1.04(s,3H),1.08(s,3
H),1.0〜2.0(m,20H),2.3〜2.7(m,
2H),2.8〜3.0(m,1H),2.95(d,2PH
=22.0Hz,2H),3.78(s,3H),3.83
(s,3H),4.13(ABq,Apart,J=12.9
Hz,1H),4.32(ABq,Bpart,J=12.9H
z,1H),5.60(br s,1H) IR(CHCl3):2944,1728,1696,1
263cm-1 13 C NMR(CDCl3)δppm:15.3,18.0,1
9.5,21.4,22.7,22.8,23.5,23.
7.26.5,30.6,32.2,32.4,32.8,
32.9,33.6,34.0,34.9,37.0,39.
0,39.9,40.8,45.3,46.3,46.4
(d,1CP=144Hz),47.4,53.1(d,2
COP=6.4Hz),53.2(d,2COP=6.4Hz),
66.8,127.4,137.0,165.3(d,2
CCP=6.4Hz),183.2,217.3
【0038】参考例2 アルデヒド(V)の製造
【化15】
【0039】染井ら(Chem.Pharm.Bull.28
515(1980))の方法を応用してアルデヒドを合
成した。1gのヒドロキシニトロベンズアルデヒドを2
0mlの酢酸−水(1:1)混液に溶解し、三塩化チタン
水溶液25mlを加える。室温で10分撹拌後水−酢酸エ
チルにあける。水層を炭酸ナトリウム水溶液でpH8と
し、酢酸エチルで抽出する。抽出液を無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後約20mlまで濃縮する。この溶液に氷冷下
ピリジン0.46mlを加え、そこに3−メトキシカルボ
ニルアクリル酸クロリド442mgを加える。0℃で30
分撹拌後、酢酸エチルで抽出する。抽出液を濃縮し、析
出した固体を濾過し、アルデヒド(V)の粉末432mg
(29%収率)を得る。化合物(V) 1 H NMR(CDCl3+CD3OD):3.85(s,
3H),6.91(d,1H,J=15.4Hz),7.1
2(d,1H,J=15.4Hz),7.14(d,1H,
J=2.8Hz),7.18(dd,1H,J=8.8,2.
8Hz),8.58(d,1H,J=8.8Hz),9.86
(s,1H)
【0040】参考例3 トリテルペン(III)の合成
【化16】
【0041】1)化合物(IV)と化合物(V)の縮合 参考例1で得た化合物(IV))621mg(1mmol)と
参考例2で得たアルデヒド(V)299mg(1.2mmo
l)をDMF6mlに溶解する。そこにDBU(ジアサビ
シクロウンデセン)0.358ml,塩化リチウム93mg
を加え室温で1.5時間撹拌を続ける。反応液を酢酸エ
チル抽出し、シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホ
ルム/メタノール)にかけ、化合物(IIIa)670
mg(90%収率)を得た。化合物(IIIa) 1 H NMR(CDCl3):0.83(s,3H),0.
84(s,3H),0.93(s,3H),1.03
(s,3H),1.04(s,3H),1.07(s,3
H),1.0−2.1(m,20H),2.2−2.8(m,
2H),2.8−3.0(m,1H),3.84(s,3
H),4.16,4.40(ABq,2H,J=13.0H
z),5.61(br s,1H),6.27(d,1H,J=
16.0Hz),6.90(dd,1H,J=8.8,2.8
Hz),6.94(d,1H,J=15.2Hz),7.07
(d,1H,J=2.8Hz),7.21(d,1H,J=
15.2Hz),7.44(d,1H,J=8.8Hz),
7.74(d,1H,J=16.0Hz)
【0042】次いで、化合物(IIIa)5mg(6.6
μmol)のメタノール300μl溶液に1N−NaOH
100μlを加える。室温で1.5時間撹拌後酢酸エチル
抽出する。抽出液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロ
マトグラフィー(酢酸エチル:酢酸:水、30−1−
1)にて精製し、化合物IIIbを3.5mg(収率73
%)得た。さらに、この化合物IIIb21.9mg(0.
03mmol)を水1.2mlに懸濁し、0.1N−NaOH
600μlを加える。生じた溶液を凍結乾燥し、二ナト
リウム塩(化合物IIIc)を21.5mg(93%収
率)得た。
【0043】IIIb Rf:0.65(酢酸エチル:酢酸:水;30−1−
1)1 H NMR δppm (CD3OD):0.85(s,3
H),0.87(s,3H),0.94(s,3H),
1.03(s,6H),1.05(s,3H),1.1−
2.0(m,20H),2.3−2.6(m,2H),2.8
−3.0(m,1H),4.11,4.49(ABq,2
H,J=12.6Hz),5.59(br s,1H),6.3
6(d,1H,J=16.0Hz),6.84(d,1H,
J=15.6Hz),6.89(dd,1H,J=8.6,
2.6Hz),7.12(d,1H,J=2.6Hz),7.
14(d,1H,J=8.6Hz),7.20(d,1H,
J=15.6Hz),7.66(d,1H,J=16.0H
z)
【0044】IIIc 1 H NMR δppm (D2O) DSS(Me3SiCH
2CH2CH2SO3Na) standard,0.73(s,3
H),0.80(s,3H),0.87(s,3H),
0.97(s,3H),1.00(s,6H),1.1−
2.0(m,20H),2.2−2.6(m,2H),2.7
−3.0(m,1H),4.05,4.41(ABq,2
H,J=12.4Hz),5.58(br s,1H),6.3
4(d,1H,J=16.0Hz),6.87,6.92
(ABq,2H,J=16.0Hz),7.00(dd,1
H,J=8.6,2.0Hz),7.19(d,1H,J=
8.6Hz),7.21(d,1H,J=2.0Hz),7.
58(d,1H,J=16.0Hz) 上記参考例で得た化合物は、インビトロおよびインビボ
でエンドリンレセプターに対するエンドセリンの結合を
高度に阻害し、エンドセリンの作用を特異的に抑制す
る。
【0045】参考例4 化合物の酸素存在下での光反
【化17】 光反応装置にアセトン120mlを加え氷冷下酵素ガスを
5分通気する。次に原料1.0g(2.0mmol)を加え
回転子撹拌下溶解させる。高圧水銀ランプ(400W)
にて0.5Hν照射する。(反応温度:5−8℃)。反
応液は、減圧濃縮し、残渣にイソプロパノール2mlを加
えて結晶化する。dp221−222℃を示す27−硝酸
塩0.437g(41.2%)を得た。母液をシリカゲ
ルクロマトで精製し、更に96mg(9.1%)を得た。
合計収率50.3%。この化合物13は新規化合物であ
る。Mp.221−222℃(分解)。 元素分析(C30457Nとして) 計算値:C,67.77;H,8.53;N、2.63 実測値:C,67.29;H,8.49;N,2.56 IRνmax(Nujol):3410, 1749, 1701, 1625, 12
78 cm-1 1 H NMR(CDCl3)δ(200MHz):0.92
(s,3H),0.98(s,3H),0.99(s,3
H),1.05(s,3H),1.11(s,3H),
1.24(s,3H),1.2−2.2(m,20H),
2.5(m,2H,J=7.4Hz),3.9(t,1H,
J=2.6Hz),4.76 5.02(ABq,2H,J
=13Hz)
【0046】
【発明の効果】本発明方法によれば、従来のシロコヤマ
モモからの抽出および化学修飾による製造法に比較し
て、高効率、高収率で、医薬等の合成中間体として極め
て有用なミリセロン誘導体を得ることができる。従っ
て、本発明方法は、最終目的物質の大量生産を推進する
上で大きく貢献するものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 (式中、XおよびYは、いずれか一方が水素であって他
    方が保護されていてもよいヒドロキシであるか、一緒に
    なって保護されていてもよいオキソを形成し、R1はヒ
    ドロキシまたはアミノを表す)で示される化合物の製造
    方法であって、式(II): 【化2】 (式中、XおよびYは、上記の定義に従い、R2は酸
    素、保護されていてもよいヒドロキシイミノまたは保護
    されていてもよいイミノ、R3はエステル型ヒドロキシ
    保護基を表す)で示される化合物を、アルカリ金属また
    はアルカリ土類金属を用いアミン溶液中で還元すること
    を特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 さらに、脱保護反応を行う請求項1の方
    法。
  3. 【請求項3】 R3におけるエステル型ヒドロキシ保護
    基がアルキルカルボニルまたはアリールカルボニルであ
    る請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 アルカリ金属がリチウムである請求項1
    の方法。
  5. 【請求項5】 R2が酸素、XおよびYは一緒になって
    保護されたオキソである請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 式(II): 【化3】 (式中、XおよびYは、いずれか一方が水素であって他
    方が保護されていてもよいヒドロキシであるか、一緒に
    なって保護されていてもよいオキソを形成し、R2は酸
    素、保護されていてもよいヒドロキシイミノまたは保護
    されていてもよいイミノ、R3は水素またはエステル型
    ヒドロキシ保護基を表す)で示される化合物。
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