JPH07314665A

JPH07314665A - インクジェット記録ヘッド、それを用いた記録装置及び記録方法

Info

Publication number: JPH07314665A
Application number: JP11512994A
Authority: JP
Inventors: Jiro Moriyama; 次郎森山
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1994-05-27
Filing date: 1994-05-27
Publication date: 1995-12-05

Abstract

(57)【要約】【構成】インク液滴が噴射するノズルを有したノズル
プレートを備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、
該ノズルプレート自身の振動により該インク液滴を噴射
させる手段を有するノズルプレートを備えることを特徴
とするインクジェット記録ヘッド及びこれを用いた記録
方法。【効果】高精度のノズルをもち、簡単な構造で安価な
インクジェット記録ヘッドが得られた。簡単な構造であ
ることは、記録ヘッドの信頼性を向上することでもあ
る。また、この構造の記録ヘッドは、構造が簡単であ
り、また、生産コストが安いため、特に、ノズル数の多
い記録ヘッドに対して効果的である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、紙などの記録媒体に向
かって、微小インク液滴を噴射させ、文字や画像を記録
するインクジェット記録装置の記録ヘッドの構造で、特
に、インクが噴射するノズルのあるノズルプレートを有
し、ノズルプレートの振動により、インク液滴を噴射さ
せる構造の記録ヘッドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、微小インク液滴を噴射させて
記録を行うインクジェット記録装置が知られている。こ
の装置は、他の記録装置に比べ、高速記録が可能カラー化が容易普通紙に記録が可能騒音が小さい記録品位が良いといった多くの利点を持っている。

【０００３】このようなインクジェット記録装置は、少
なくとも、インクを噴射するノズルと、そのノズルに連
通しインク噴射のエネルギーを発する圧力室を備えてい
る。記録ヘッドは入力された記録情報に応じて選択的に
噴射口からインク液滴を噴射させ、被記録媒体に文字や
画像を形成する。

【０００４】図６は、従来例１のインクジェット記録ヘ
ッドの構造を示す模式的断面図である。記録ヘッド：２
１は、ノズル：２と、圧力室：１やインク供給路：３を
形成する母材：９と、振動板：５と、圧電素子：４とを
接合して構成される。圧電素子：４に電気信号を印加す
ると、振動板：５が振動して、圧力室：１内の圧力が高
まり、記録ヘッド：２１はインク液滴：６を噴射する。
また、圧電素子：４が無く、代わりに圧電室近傍に発熱
体があり、この発熱体を発熱した場合に圧力室に発生す
る気泡によりインク液滴：６を噴射させる構成の記録ヘ
ッドも知られている。

【０００５】図７は、従来例２のインクジェット記録ヘ
ッドの構造を示す模式的断面図である。記録ヘッド：３
１は、ノズル：２を有するノズルプレート：７と、振動
板：５と圧電素子：４と、インク流路：３や圧電室：１
を形成する母材：９により構成される。インク噴射の原
理は、従来例１と同じであり、発熱体を使用したものも
知られている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
１のインクジェット記録ヘッドは、記録ヘッドが立体的
構造になっておりノズル：２の加工に対し、立体的な加
工の困難さのため、高度な加工精度が厳しく要求され、
製造歩留まりが悪く、記録ヘッドが複雑なために高価に
なってしまう欠点があった。また、従来例２のインクジ
ェット記録ヘッドは、ノズルプレート：７とインクを噴
射させるエネルギー発生部の部材とが直結していない複
雑な構造のため、製造コストが上がり、記録ヘッドが高
価になってしまう欠点があった。

【０００７】本発明は、上記従来例に鑑みてなされたも
ので、構造が簡単で、しかも容易に加工精度が高くな
り、高品位な記録が可能である安価なインクジェット記
録装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するために鋭意検討を行い本発明に到達し
た。即ち本発明はインク液滴が噴射するノズルを有した
ノズルプレートを備えたインクジェット記録ヘッドにお
いて、該ノズルプレート自身の振動により該インク液滴
を噴射させる手段を有するノズルプレートを備えること
を特徴とするインクジェット記録ヘッドである。また
本発明は上記ノズルプレートを振動させる手段として圧
電素子を用いること、この圧電素子がノズルプレートと
一体化されている部材であることを特徴とするインクジ
ェット記録ヘッドである。

【０００９】また、本発明は該圧電素子とノズルプレー
トが同一部材であること、また該圧電素子がフイルムで
あることを特徴とするインクジェット記録ヘッドであ
る。

【００１０】本発明ではノズルプレート自身の振動によ
り該インク液滴を噴射させる手段を有するノズルプレー
トを備えるいれば良く、上記の圧電素子を用いる他にも
ノズルプレートを振動させる方法は本発明で利用するこ
ことができる。

【００１１】例えば、該記録ヘッドの圧力室をはさんで
ノズルを有したノズルプレートとその反対側である記録
ヘッドの母材との間に電圧を印加し、静電気力でノズル
プレートを振動させ、インクを噴射させる機能を備えた
インクジェット記録ヘッド。該記録ヘッドのノズルプレ
ートと記録ヘッド後部に配された後部電極との間に電圧
を印加し、静電気力でノズルプレートを振動させ、イン
クを噴射させるインクジェット記録ヘッドなども本発明
に含まれる。

【００１２】本発明の記録ヘッドはインク供給路、圧力
室、ノズルを有したノズルプレートよりなりノズルプレ
ートは振動可能な構造であり、振動させる手段は前記の
ように圧電素子を用いる方法や静電気で振動させる方法
等公知の振動手段が使用される。振動の方法は特に制限
はないが、例えばバイモルフ構造の圧電素子にパルス状
の電圧を与えて圧電素子の収縮動作によりノズルプレー
トを振動させて行う。その際の条件も特に制限はなく、
例えば電圧２０Ｖでパルス幅１０μｓｅｃ程度の条件で
実施できる。振動は好ましくはノズルプレートをプレー
ト面に対して凹凸になる方向で行われ、振動数と振幅は
装置によって当業者が適宜選択できるが、例えば振動数
は数十から数百ｋＨＺ、振幅は０．１〜１０μｍ程度で
ある。

【００１３】ノズルプレートの材質は金属またはプラス
チックが用いられ、これに圧電素子を接合させて使用さ
れる。ノズルプレートを圧電性のあるフィルムとする場
合は通称ＰＶＤＦと呼ばれる圧電性のあるフィルムが使
用でき、これによって構造をさらに簡単にすることがで
きる。

【００１４】さらには実施例４、５において使用したよ
うな振動システムも使用でき、例えばＩＢＭＴｅｃｈ
ｎｉｃａｌＤｉｓｃｌｏｓｕｒｅＢｕｌｌｅｔｉ
ｎ，Ｖｏｌ．１６，Ｎｏ．４，１９７３，Ｓｅｐ．，Ｐ
１１６８ーに記載されている方法があげられる。

【００１５】本発明の方法では構造が簡単なので極めて
容易に精度だ良好なノズルを製造することが可能であ
る。

【００１６】圧力室の構造については特に制限はなく公
知のものが使用できるが、特に形状が、概略ノズル口を
焦点としたパラボラ曲線であるものが好ましい。これ
は、ノズルプレートが振動して圧力室内に圧力を発生さ
せた時、母材側で反射した圧力波が、ノズルに向かって
集中し進行するようにさせるためである。これによって
ノズルプレートの振動力が小さくても液滴を容易に吐出
することが可能になり装置の小型化が可能となる。本発
明のノズルプレートと上記パラボナ構造の圧力室との組
み合わせが特に好ましい。

【００１７】以上のように本発明ではノズルを形成する
部材を振動させてインクを噴射する構成としたので、簡
単な構造で安価なインクジェット記録ヘッドが得られ
た。

【００１８】簡単な構造であることは、記録ヘッドの信
頼性を向上することでもあり、またこの構造の記録ヘッ
ドは、構造が簡単であり、また、生産コストが安いた
め、特に、ノズル数の多い記録ヘッドに対して効果的で
ある。

【００１９】本発明の記録ヘッドは通常のインクタンク
と接続してインク吐出装置として使用することができ、
この吐出装置を具備させてインクジェット記録装置とし
て使用することができる。このインクタンクと記録ヘッ
ドは一体構造のものでもよいしインクタンクをカートリ
ッジとして交換する方法で使用することもできる。

【００２０】

【実施例】

実施例１図１は、実施例１の記録ヘッドの断面図である。記録ヘ
ッド：１１は、プレスや成型加工や電鋳等によりつくら
れた母材：４２と、ノズル：２のあるノズルプレート：
７と、ノズルプレート：７を振動させる圧電素子：４、
とにより構成される。ここで、ノズルプレート：７と、
圧電素子：４、とは、接着等の結合手段により、一体化
される。実施例１では、導電性の接着剤で結合されてい
る。圧電素子：４の形状は図１で左側となる正面側から
見ればドーナツ状をしており、一方の電極はノズルプレ
ートに導電性接着剤で接着され取り出され、もう一方の
電極はリード線により外部に取り出される。ノズルプレ
ート：７は、プレスや成型加工や電鋳等により、高精度
に加工されたノズル：２を有している。ノズルの口径
は、５０μｍであり、加工の公差は、２μｍ以下に収め
られている。

【００２１】図１では、１個のノズルと１個の圧電素子
の記録ヘッドを示しているが、これらは、それぞれ複数
個あってもよい。ここで、圧電素子：４にパルス状の電
気信号を与えると、圧電室：１内の圧力が高まり、イン
ク液滴：６がノズル：２から噴射する。母材：４２は、
インク供給路：３も形成し、噴射した量のインクはイン
ク供給路：３の後部から圧電室：１へと供給される。従
来の記録ヘッドとの構成の違いは、高精度に加工された
ノズルプレートが振動する構造となっている点である。
図１で、記録ヘッドの圧電室：１を形成する母材：４２
の形状は、概略、ノズル：２のノズル口を焦点としたパ
ラボラ曲線とするのが良い。これは、ノズルプレート：
７が振動して圧力室：１内に圧力を発生させた時、母
材：４２側で反射した圧力波が、ノズルに向かって集中
し進行するようにさせるためである。この構造の記録ヘ
ッドは、構造が簡単であり、また、生産コストが安いた
め、特に、ノズル数の多い記録ヘッドに対して効果的で
ある。

【００２２】実施例２実施例１では、ノズルプレートと圧電素子とが別部材で
ある例を示したが、図２に示すように、ノズルプレート
が圧電素子と同一部材であっても良い。この場合、構造
がより簡単になるメリットがある。図２は、２層構造の
圧電素子：８がノズルプレートと同一部材である例を示
す。２層の圧電素子は中間層の埋め込み電極に対し、両
側が同一方向に分極処理されている。このため、両端の
電極に電圧を印加させると、バイモルフの動きをして圧
電素子が振動する。圧電素子の形や電極の構造はこの限
りではなく、圧電素子とノズルを形成する部材とが同一
部材である点がポイントである。

【００２３】実施例３さらに、ノズルプレートがフィルム状の圧電素子であっ
ても良い。図３は通称ＰＶＤＦと呼ばれる圧電性のある
フィルムを使用した例を示す。以前から、例えば、特公
昭６０−３４４６９のように、フィルムの収縮力が圧力
室に間接的に作用するものは知られているが、直接的
に、しかも、ノズルを形成する部材と圧電体であるフィ
ルムとが同一である構造の記録ヘッドはなかった。図３
において、圧電フィルムの圧力室側には、薄く、インク
に侵食されにくく、圧電フィルムに電圧を印加しても収
縮しにくい部材がコートされている。このため、圧電フ
ィルムに電圧を印加すると、圧電フィルムの収縮力でノ
ズルを形成しているフィルムが振動する。

【００２４】フィルムの振動は、圧力室内の圧力を高め
るとともに、圧力室内に圧力波を発生させる。圧力波
は、圧力室後部の曲面で反射してノズル方向に向い、ノ
ズル付近で圧力波が集中して、インク液滴が噴射する。
ノズルの穴の加工精度は、厚さが約５０μｍのフィルム
をプレス加工や、レーザー光線の照射で加工して、直径
５０μｍ±２μｍの円形となり、十分な加工精度となっ
ている。

【００２５】実施例４図４は、実施例４のインクジェット記録ヘッドの断面を
示す。記録ヘッドの母材は、電気的に、母材１と母材２
に分離されている。母材１は圧力室：１後部に、また、
母材２は、ノズルプレート：７に電気的に接続されてい
る。記録されるべき入力データ信号は、電圧パルス発生
回路：４６に転送され、母材１と母材２の間に電圧信号
が印加されて、静電気力で、板状のノズルプレートが振
動し、圧力室：１の圧力が変化して、インク液滴が噴射
する。

【００２６】実施例５図５は、実施例５のインクジェット記録ヘッドの断面を
示す。記録ヘッドの母材３：４３は、電気的に、ノズル
プレート：７に電気的に接続されている。また、記録ヘ
ッド：１に対して、被記録体：４７である紙の反対側に
は、後部電極：４８が配されている。記録されるべき入
力データ信号は、電圧パルス発生回路：４６に転送さ
れ、記録ヘッドの母材３と、後部電極：４８との間に電
圧信号が印加されて、静電気力で、板状のノズルプレー
トが振動し、圧力室：１の圧力が変化して、インク液滴
が噴射する。

【００２７】

【発明の効果】インクジェット記録ヘッドの構造におい
て、ノズルを形成する部材を振動させてインクを噴射す
る構成としたので、高精度のノズルをもち、簡単な構造
で安価なインクジェット記録ヘッドが得られた。簡単な
構造であることは、記録ヘッドの信頼性を向上すること
でもある。また、この構造の記録ヘッドは、構造が簡単
であり、また、生産コストが安いため、特に、ノズル数
の多い記録ヘッドに対して効果的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１の記録ヘッドの断面図。

【図２】従来例２のインクジェット記録ヘッドの断面
図。

【図３】従来例３のインクジェット記録ヘッドの断面
図。

【図４】実施例４の記録ヘッドの断面図。

【図５】実施例５の記録ヘッドの断面図。

【図６】従来例１の記録ヘッドの断面図。

【図７】従来例２の記録ヘッドの断面図。

【符号の説明】

１圧力室２ノズル３インク供給路４圧電素子５振動板６インク液滴７ノズルプレート９母材１１記録ヘッド２１記録ヘッド３１記録ヘッド４１記録ヘッド４２母材４３母材３４４母材１４５母材２４６電圧パルス発生回路４７被記録体４８後部電極

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】インク液滴が噴射するノズルを有したノ
ズルプレートを備えたインクジェット記録ヘッドにおい
て、該ノズルプレート自身の振動により該インク液滴を
噴射させる手段を有するノズルプレートを備えることを
特徴とするインクジェット記録ヘッド。
【請求項２】該振動の発生源は圧電素子であり、該圧
電素子はノズルプレートと一体化されている部材であ
る、請求項１に記載のインクジェット記録ヘッド。
【請求項３】該振動の発生源は圧電素子であり、該圧
電素子はノズルプレートと同一部材である、請求項１に
記載のインクジェット記録ヘッド。
【請求項４】振動発生源はフィルム状の圧電素子であ
り、該圧電素子はノズルプレートと同一部材である、請
求項３に記載のインクジェット記録ヘッド。
【請求項５】該記録ヘッドの圧力室の形状が、概略ノ
ズル口を焦点としたパラボラ曲線である、請求項１に記
載のインクジェット記録ヘッド。
【請求項６】該記録ヘッドの圧力室をはさんでノズル
を有したノズルプレートとその反対側である記録ヘッド
の母材との間に電圧を印加し、静電気力でノズルプレー
トを振動させ、インクを噴射させる、請求項１に記載の
インクジェット記録ヘッド。
【請求項７】該記録ヘッドのノズルプレートと記録ヘ
ッド後部に配された後部電極との間に電圧を印加し、静
電気力でノズルプレートを振動させ、インクを噴射させ
る、請求項１に記載のインクジェット記録ヘッド。
【請求項８】インク液滴が噴射するノズルを有したノ
ズルプレートと、該ノズルプレートを振動させる手段と
を有した、インクジェット記録ヘッドにおいて該ノズル
プレート自身の振動により該インク液滴を噴射させるこ
とを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項９】請求項１記載のインク液滴が噴射するノ
ズルを有したノズルプレートと、該ノズルプレートを振
動させる手段とを有した、インクジェット記録ヘッドと
インクタンクよりなるインクジェット記録用インク吐出
装置。
【請求項１０】請求項９記載のインク吐出装置を備え
たインクジェット記録装置。