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JPH07309982A - エチレン系共重合体組成物 - Google Patents

エチレン系共重合体組成物

Info

Publication number
JPH07309982A
JPH07309982A JP10421894A JP10421894A JPH07309982A JP H07309982 A JPH07309982 A JP H07309982A JP 10421894 A JP10421894 A JP 10421894A JP 10421894 A JP10421894 A JP 10421894A JP H07309982 A JPH07309982 A JP H07309982A
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JP
Japan
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group
ethylene
transition metal
compound
ligand
Prior art date
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Application number
JP10421894A
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English (en)
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JP3365683B2 (ja
Inventor
Mamoru Takahashi
橋 守 高
Katsunori Yano
野 克 典 矢
Toshiyuki Tsutsui
井 俊 之 筒
Akira Todo
堂 昭 藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP10421894A priority Critical patent/JP3365683B2/ja
Publication of JPH07309982A publication Critical patent/JPH07309982A/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 有機アルミニウムオキシ化合物と、少なくと
も2種の特定の遷移金属化合物とを含むオレフィン重合
用触媒の存在下にエチレンと炭素数3〜20のオレフィ
ンを共重合させることにより得られ、特定の物性を有す
るエチレン・α-オレフィン共重合体(A)と、高圧ラ
ジカル法による低密度ポリエチレン(B)とからなり、
上記共重合体(A)と、上記低密度ポリエチレン(B)
との重量比〔(A):(B)〕が、99:1〜60:4
0の範囲内にあることを特徴とするエチレン系共重合体
組成物。 【効果】 成形性に優れ、光学特性および/または機械
的強度に優れたフィルムを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、エチレン系共重合体組成
物に関し、さらに詳しくは、フィルムなどの素材として
用いられるエチレン系共重合体組成物に関するものであ
る。
【0002】
【発明の技術的背景】エチレン系共重合体は、種々の成
形方法により成形され、多方面の用途に供されている。
エチレン系共重合体は、成形方法や用途に応じて要求さ
れる特性も異なってくる。たとえばインフレーションフ
ィルムを高速で成形しようとする場合、バブルのゆれ、
あるいはちぎれがなく、安定して高速成形を行うために
は、エチレン系共重合体として分子量の割にはメルトテ
ンション(溶融張力)の大きいものを選択しなければな
らない。同様の特性が中空成形におけるたれ下りあるい
はちぎれを防止するために、あるいはTダイ成形におけ
る幅落ちを最小限に押えるために必要である。加えてこ
のような押出成形では、押出時における高剪断下におけ
るエチレン系共重合体の応力が小さいことが成形物の品
質向上や成形時の消費電力減少等の経済面からも必要で
ある。
【0003】ところで、チーグラー型触媒、特にチタン
系触媒を用いて得られるエチレン重合体の溶融張力や膨
比(ダイスウエル比)を向上させて成形性の向上を図る
方法が、特開昭56-90810号公報あるいは特開昭
60-106806号公報などに提案されている。しか
し、一般にチタン系触媒を用いて得られるエチレン系重
合体、特に低密度エチレン系共重合体では、組成分布が
広く、フィルムなどの成形体はベタつきがあるなどの問
題点があった。
【0004】チーグラー型触媒系の内、メタロセン触媒
系を用いて得られるエチレン系重合体では、組成分布が
狭くフィルムなどの成形体はベタつきが少ないなどの長
所があることが知られている。しかしながら、分子量分
布が狭いことから、押出成形時の流動性が悪いことが懸
念される。
【0005】このためもしメルトテンションが高く、機
械的強度に優れるようなエチレン系重合体が出現すれ
ば、その工業的価値は極めて大きい。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような状況に鑑みなさ
れたものであって成形性に優れ、かつ光学特性および/
または機械的強度に優れたフィルムを製造し得るような
エチレン系共重合体組成物を提供することを目的として
いる。
【0007】
【発明の概要】本発明に係るエチレン系共重合体組成物
は、 (A)(a)有機アルミニウムオキシ化合物と、(b-
I)下記一般式[b-I]で表される遷移金属化合物から
選ばれる少なくとも1種の化合物と、 ML1 X … [b-I] (式中Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原
子を示し、L1は遷移金属原子Mに配位する配位子を示
し、これらのうち少なくとも2個の配位子L1は、シク
ロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、
エチルシクロペンタジエニル基であるか、または炭素原
子数3〜10の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種
の基を有する置換シクロペンタジエニル基であり、(置
換)シクロペンタジエニル基以外の配位子L1は、炭素
原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロ
キシ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子または水
素原子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価を示す) (b-II)下記一般式[b-II]で表される遷移金属化合
物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含み、 ML2 X … [b-II] (式中Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原
子を示し、L2は遷移金属原子に配位する配位子であ
り、これらのうち少なくとも2個の配位子L2は、置換
基を有していてもよいシクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子であり、これらの基は、炭化水素基、シリレン
基または置換シリレン基を介して結合されており、シク
ロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子L2
は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、
アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子
または水素原子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価を
示す)前記遷移金属化合物(b-I)と前記遷移金属化合
物(b-II)とのモル比〔(b-I)/(b-II)〕が99
/1〜80/20の範囲にあるオレフィン重合用触媒の
存在下にエチレンと炭素原子数3〜20のα-オレフィ
ンとを共重合させることにより得られ、 (i)密度が0.850〜0.980g/cm3 の範囲
にあり、 (ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフロ
ーレート(MFR)が0.01〜200g/10分の範囲
にあり、 (iii)190℃におけるメルトテンション〔MT
(g)〕とメルトフローレート〔MFR(g/10分)〕
が MT>2.2×MFR-0.84 で示される関係を満たすエチレン・α-オレフィン共重
合体と、 (B)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフロ
ーレート(MFR)が0.01〜100g/10分の範囲
にある高圧法ラジカル法による低密度ポリエチレンから
なり、上記エチレン・α-オレフィン共重合体(A)
と、上記低密度ポリエチレン(B)との重量比
〔(A):(B)〕が99:1〜60:40の範囲にあ
ることを特徴としている。
【0008】このようなエチレン系共重合体組成物は、
成形性に優れている。本発明のエチレン系共重合体組成
物からは、光学特性および/または機械的強度に優れた
フィルムを製造することができる。
【0009】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るエチレン系共
重合体組成物について具体的に説明する。本発明に係る
エチレン系共重合体組成物は、エチレン・α-オレフィ
ン共重合体(A)と、高圧法ラジカル法による低密度ポ
リエチレン(B)とから形成されている。
【0010】本発明に係るエチレン系共重合体組成物を
形成する各成分について詳細に説明する。 [エチレン・α-オレフィン共重合体(A)]本発明に
係るエチレン系共重合体組成物を形成するエチレン・α
-オレフィン共重合体(A)は、エチレンと炭素原子数
3〜20のα-オレフィンとのランダム共重合体であ
る。エチレンとの共重合に用いられる炭素原子数3〜2
0のα-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1
-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オク
テン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキ
サデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げら
れる。これらの中では炭素原子数3〜10のα-オレフ
ィンが好ましく、炭素原子数3〜6のα-オレフィンが
より好ましい。
【0011】エチレン・α-オレフィン共重合体(A)
では、エチレンから導かれる構成単位は、50〜100
重量%、好ましくは55〜99重量%、より好ましくは
65〜98重量%、最も好ましくは70〜96重量%の
割合で存在し、炭素原子数3〜20のα-オレフィンか
ら導かれる構成単位は0〜50重量%、好ましくは1〜
45重量%、より好ましくは2〜35重量%、最も好ま
しくは4〜30重量%の割合で存在することが望まし
い。
【0012】エチレン・α-オレフィン共重合体の組成
は、通常10mmφの試料管中で約200mgの共重合
体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させ
た試料の13C−NMRスペクトルを、測定温度120
℃、測定周波数25.05MHz 、スペクトル幅150
0Hz 、パルス繰返し時間4.2sec.、パルス幅6μse
c.の測定条件下で測定して決定される。
【0013】このようなエチレン・α-オレフィン共重
合体(A)は、下記(i)〜(iii)に示すような特性
を有していることが好ましく、下記(i)〜(vii)に
示すような特性を有していることがより好ましい。
【0014】(i)密度(d)は、0.850〜0.9
80g/cm3、好ましくは0.880〜0.940g
/cm3、より好ましくは0.890〜0.935g/
cm3、最も好ましくは0.900〜0.930g/c
3の範囲にあることが望ましい。
【0015】なお密度(d)は、190℃における2.
16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)測定時
に得られるストランドを120℃で1時間熱処理し、1
時間かけて室温まで徐冷したのち、密度勾配管で測定す
る。
【0016】(ii)190℃、2.16kg荷重におけ
るメルトフローレート(MFR)が0.01〜200g
/10分、好ましくは0.05〜50g/10分、より好ま
しくは0.1〜10g/10分の範囲にあることが望まし
い。
【0017】メルトフローレート(MFR)は、AST
M D1238-65T に従い190℃、2.16kg荷重の条
件下に測定される。 (iii)190℃におけるメルトテンション〔MT
(g)〕とメルトフローレート〔MFR(g/10分)〕
とが MT>2.2×MFR-0.84 好ましくは 8.0×MFR-0.84 >MT>2.3×MFR-0.84 より好ましくは 7.5×MFR-0.84 >MT>2.5×MFR-0.84 で示される関係を満たしていることが望ましい。
【0018】このような特性を有するエチレン・α-オ
レフィン共重合体は、溶融張力(MT)が大きく、成形
性が良好である。なお、溶融張力(MT)は、溶融させ
たポリマーを一定速度で延伸した時の応力を測定するこ
とにより決定される。すなわち、生成ポリマー粉体を通
常の方法で溶融後ペレット化して測定サンプルとし、東
洋精機製作所製、MT測定機を用い、樹脂温度190
℃、押し出し速度15mm/分、巻取り速度10〜20
m/分、ノズル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの
条件で行なった。ペレット化の際、エチレン・α-オレ
フィン共重合体に、あらかじめ二次抗酸化剤としてのト
リ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェートを0.
05重量%、耐熱安定剤としてのn-オクタデシル-3-(4'
-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネー
トを0.1重量%、塩酸吸収剤としてのステアリン酸カ
ルシウムを0.05重量%配合した。
【0019】(iv)190℃における応力が2.4×1
6 dyne/cm2に到達する時のずり速度で定義される
流動インデックス〔FI(1/秒)〕とメルトフローレ
ート〔MFR(g/10分)〕とが FI<150×MFR 好ましくは FI<140×MFR より好ましくは FI<130×MFR で示される関係を満たしていることが望ましい。
【0020】なお、流動インデックス(FI)は、ずり
速度を変えながら樹脂をキャピラリーから押し出し、そ
の時の応力を測定することにより決定される。すなわ
ち、溶融張力測定と同様の試料を用い、東洋精機製作所
製、毛細式流れ特性試験機を用い、樹脂温度190℃、
ずり応力の範囲が5×104〜3×106 dyne/cm2
度で測定される。
【0021】なお測定する樹脂のMFR(g/10分)に
よって、ノズルの直径を次の様に変更して測定する。 MFR>20 のとき0.5mm 20≧MFR>3 のとき1.0mm 3≧MFR>0.8のとき2.0mm 0.8≧MFR のとき3.0mm (v)GPCで測定した分子量分布(Mw /Mn 、ただ
しMw :重量平均分子量、Mn :数平均分子量)が1.
5〜4の範囲にあることが望ましい。
【0022】なお、分子量分布(Mw /Mn )は、ミリ
ポア社製GPC−150Cを用い、以下のようにして測
定した。分離カラムは、TSK GNH HTであり、
カラムサイズは直径72mm、長さ600mmであり、
カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロベン
ゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT
(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml /分
で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量
は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折
計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw <10
00およびMw >4×106 については東ソー社製を用
い、1000<Mw <4×106 についてはプレッシャ
ーケミカル社製を用いた。
【0023】(vi)示差走査型熱量計(DSC)により
測定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度〔Tm
(℃)〕と密度〔d(g/cm3 )〕とが Tm<400×d−250 好ましくは Tm<450×d−297 より好ましくは Tm<500×d−344 特に好ましくは Tm<550×d−391 で示される関係を満たしていることが望ましい。
【0024】なお示差走査型熱量計(DSC)により測
定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm)は、試
料約5mgをアルミパンに詰め10℃/分で200℃ま
で昇温し、200℃で5分間保持したのち20℃/分で
室温まで降温し、次いで10℃/分で昇温する際の吸熱
曲線より求められる。測定は、パーキンエルマー社製DS
C-7 型装置を用いた。
【0025】(vii)室温におけるn-デカン可溶成分量
分率〔W(重量%)〕と密度〔d(g/cm3 )〕とが MFR≦10g/10分のとき、 W<80×exp(−100(d−0.88))+0.1 好ましくは W<60×exp(−100(d−0.8
8))+0.1 より好ましくは W<40×exp(−100(d−0.8
8))+0.1 MFR>10g/10分のとき W<80×(MFR−9)0.26×exp(−100(d−
0.88))+0.1 で示される関係を満たしている。
【0026】なお、n-デカン可溶成分量(可溶成分量の
少ないもの程組成分布が狭い)の測定は、共重合体約3
gをn-デカン450mlに加え、145℃で溶解後室温
まで冷却し、濾過によりn-デカン不溶部を除き、濾液よ
りn-デカン可溶部を回収することにより行われる。
【0027】このように示差走査型熱量計(DSC)に
より測定した吸熱曲線における最大ピーク位置の温度
(Tm)と密度(d)との関係、そしてn-デカン可溶成
分量分率(W)と密度(d)とが上記のような関係を有
するようなエチレン・α-オレフィン共重合体(A)は
組成分布が狭いと言える。
【0028】上記のような特性を有するエチレン・α-
オレフィン共重合体(A)は、後述する有機アルミニウ
ムオキシ化合物(a)、遷移金属化合物(b-I)、遷移
金属化合物(b-II)、および担体、必要に応じて有機
アルミニウム化合物(c)から形成されるオレフィン重
合用触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数3〜20の
α-オレフィンとを、得られる共重合体の密度が0.8
50〜0.980g/cm3となるように共重合させる
ことによって製造することができる。
【0029】次に本発明のエチレン系共重合体組成物を
形成するエチレン・α-オレフィン共重合体(A)の共
重合の際に用いられる触媒成分である有機アルミニウム
オキシ化合物(a)、遷移金属化合物(b-I)、遷移金
属化合物(b-II)、担体および有機アルミニウム化合
物(c)について具体的に説明する。
【0030】本発明においてエチレン・α-オレフィン
共重合体(A)の共重合の際に用いられる有機アルミニ
ウムオキシ化合物(a)(以下「成分(a)」と記載す
ることがある。)は、従来公知のベンゼン可溶性のアル
ミノキサンであってもよく、また特開平2−27680
7号公報で開示されているようなベンゼン不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0031】従来公知のアルミノキサンは、たとえば下
記のような方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する
塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して、有機アルミニウム化合物と吸着水または結
晶水とを反応させる方法。
【0032】(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキル
アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水や
氷や水蒸気を作用させる方法。
【0033】(3)デカン、ベンゼン、トルエン等の媒
体中でトリアルキルアルミニウム等の有機アルミニウム
化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシ
ド等の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0034】なお、このアルミノキサンは、少量の有機
金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアル
ミノキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニ
ウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解しても
よい。
【0035】アルミノキサンを調製する際に用いられる
有機アルミニウム化合物として具体的には、トリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリn-
ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ト
リsec-ブチルアルミニウム、トリtert-ブチルアルミニ
ウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミ
ニウムなどのトリアルキルアルミニウム;トリシクロヘ
キシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウム
などのトリシクロアルキルアルミニウム;ジメチルアル
ミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジ
エチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウ
ムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;ジ
エチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイ
ドライド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチル
アルミニウムエトキシドなどのジアルキルアルミニウム
アルコキシド;ジエチルアルミニウムフェノキシドなど
のジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げら
れる。
【0036】これらのうち、トリアルキルアルミニウム
およびトリシクロアルキルアルミニウムが特に好まし
い。また、この有機アルミニウム化合物として、下記一
般式 (i-C49xAly(C510z (x、y、zは正の数であり、z≧2xである)で表わ
されるイソプレニルアルミニウムを用いることもでき
る。
【0037】上記のような有機アルミニウム化合物は、
単独であるいは組合せて用いられる。アルミノキサンの
調製の際に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ド
デカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化
水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタ
ン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソ
リン、灯油、軽油などの石油留分あるいは上記芳香族炭
化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化
物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が
挙げられる。その他、エチルエーテル、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの
溶媒のうち特に芳香族炭化水素が好ましい。
【0038】また本発明で用いられるベンゼン不溶性の
有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに
溶解するAl成分がAl原子換算で10%以下、好まし
くは5%以下、特に好ましくは2%以下であり、ベンゼ
ンに対して不溶性あるいは難溶性である。
【0039】このような有機アルミニウムオキシ化合物
のベンゼンに対する溶解性は、100ミリグラム原子の
Alに相当する該有機アルミニウムオキシ化合物を10
0mlのベンゼンに懸濁した後、攪拌下60℃で6時間
混合した後、ジャケット付G−5ガラス製フィルターを
用い、60℃で熱時濾過を行ない、フィルター上に分離
された固体部を60℃のベンゼン50mlを用いて4回
洗浄した後の全濾液中に存在するAl原子の存在量(x
ミリモル)を測定することにより求められる(x%)。
【0040】本発明においてエチレン・α-オレフィン
共重合体(A)の共重合の際に用いられる遷移金属化合
物(b-I)は、具体的には下記式[b-I]で表わされる
遷移金属化合物であり、また遷移金属化合物(b-II)
は、具体的には下記式[b-II]で表わされる遷移金属
化合物である。
【0041】ML1 X … [b-I] (式中Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原
子であり、L1は遷移金属原子Mに配位する配位子であ
り、これらのうち少なくとも2個の配位子L1は、シク
ロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、
エチルシクロペンタジエニル基であるか、または炭素原
子数3〜10の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種
の基を有する置換シクロペンタジエニル基であり、(置
換)シクロペンタジエニル基以外の配位子L1は、炭素
原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロ
キシ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子または水
素原子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価である。) ML2 X … [b-II] (式中Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原
子を示し、L2は遷移金属原子に配位する配位子であ
り、これらのうち少なくとも2個の配位子L2は、置換
基を有していてもよいシクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子であり、これらの基は、炭化水素基、シリレン
基または置換シリレン基を介して結合されており、シク
ロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子L2
は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、
アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子
または水素原子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価を
示す)。
【0042】以下、上記一般式[b-I]で表わされる遷
移金属化合物(b-I)および上記一般式[b-II]で表
わされる遷移金属化合物(b-II)について、より具体
的に説明する。
【0043】上記式[b-I]において、Mは周期律表第
IVB族から選ばれる遷移金属原子であり、具体的には、
ジルコニウム、チタンまたはハフニウムであり、好まし
くはジルコニウムである。
【0044】L1は、遷移金属原子Mに配位する配位子
であり、これらのうち少なくとも2個の配位子L1は、
シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル
基、エチルシクロペンタジエニル基であるか、または炭
素原子数3〜10の炭化水素基から選ばれる少なくとも
1種の置換基を有する置換シクロペンタジエニル基であ
る。これらの配位子は、各々同一であっても異なってい
てもよい。また(置換)シクロペンタジエニル基以外の
配位子L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アル
コキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、トリアルキ
ルシリル基または水素原子である。
【0045】なお置換シクロペンタジエニル基は、置換
基を2個以上有していてもよく、2個以上の置換基は各
々同一であっても異なっていてもよい。置換シクロペン
タジエニル基は、置換基を2個以上有する場合は、少な
くとも1個の置換基が炭素原子数3〜10の炭化水素基
であればよく、他の置換基は、メチル基、エチル基また
は炭素原子数3〜10の炭化水素基である。
【0046】炭素原子数3〜10の炭化水素基として具
体的には、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アラルキル基などを例示することができる。より具
体的には、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル
基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、
デシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、トリ
ル基などのアリール基;ベンジル基、ネオフィル基など
のアラルキル基を例示することができる。
【0047】これらのうちアルキル基が好ましく、n-プ
ロピル基、n-ブチル基が特に好ましい。本発明では、遷
移金属原子に配位する(置換)シクロペンタジエニル基
としては、置換シクロペンタジエニル基が好ましく、炭
素原子数3以上のアルキル基が置換したシクロペンタジ
エニル基がより好ましく、二置換シクロペンタジエニル
基が更に好ましく、1,3-置換シクロペンタジエニル基が
特に好ましい。
【0048】一般式[b-I]で表される化合物では、一
般式[b-II]で表される化合物のように遷移金属原子
Mに配位する2個の(置換)シクロペンタジエニル基は
炭化水素基などを介して結合されていない。
【0049】また上記一般式[b-I]において、遷移金
属原子Mに配位する(置換)シクロペンタジエニル基以
外の配位子L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、
アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアルキルシリル
基、ハロゲン原子または水素原子である。
【0050】炭素原子数1〜12の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基などを例示することができ、より具体的には、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、
n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘ
キシル基、デシル基などのアルキル基;シクロペンチル
基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニ
ル基、トリル基などのアリール基;ベンジル基、ネオフ
ィル基などのアラルキル基を例示することができる。
【0051】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキ
シ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ
基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ基などを
例示することができる。
【0052】アリーロキシ基としては、フェノキシ基な
どを例示することができる。トリアルキルシリル基とし
ては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ
フェニルシリル基などを例示することができる。
【0053】ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素である。このような一般式[b-I]で表わされる遷
移金属化合物としては、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-プ
ロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(n-ヘキシルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチル-n-プロピ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(ジメチル-n-ブチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス
(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキ
シクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムエトキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムブトキシクロリド、ビス
(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジエト
キシド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムメチルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジメチル、ビス(n-ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムベンジルクロリド、ビス
(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベン
ジル、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムフェニルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムハイドライドクロリドなどが挙げ
られる。なお、上記例示において、シクロペンタジエニ
ル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含み、三置換
体は1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。また、上記のよ
うなジルコニウム化合物において、ジルコニウム金属
を、チタン金属またはハフニウム金属に置き換えた遷移
金属化合物を用いることができる。
【0054】これらの、一般式[b-I]で表わされる遷
移金属化合物のうちでは、ビス(n-プロピルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(1-メチル-3-n-プロピルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-n-ブチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、が特に好
ましい。
【0055】上記一般式[b-II]においてMは周期律
表第IVB族から選ばれる遷移金属原子であり、具体的に
は、ジルコニウム、チタンまたはハフニウムであり、好
ましくはジルコニウムである。
【0056】L2は遷移金属原子に配位する配位子であ
り、これらのうち少なくとも2個の配位子L2は、シク
ロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、このシク
ロペンタジエニル骨格を有する配位子は置換基を有して
いてもよい。
【0057】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
として具体的には、たとえばシクロペンタジエニル基、
メチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタ
ジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テト
ラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロ
ペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、メ
チルエチルシクロペンタジエニル基、プロピルシクロペ
ンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル
基、ブチルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシク
ロペンタジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基
などのアルキル置換シクロペンタジエニル基あるいはイ
ンデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基、フル
オレニル基などを例示することができる。これらの基
は、さらにハロゲン原子、トリアルキルシリル基などで
置換されていてもよい。
【0058】これらのシクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子のうち、2個の配位子は、炭化水素基、シリレ
ン基または置換シリレン基を介して結合されている。炭
化水素基としては、エチレン、プロピレンなどのアルキ
レン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの
置換アルキレン基が挙げられ、置換シリレン基として
は、ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチ
ルフェニルシリレン基などが挙げられる。
【0059】また上記式[b-II]において、遷移金属
原子Mに配位するシクロペンタジエニル骨格を有する配
位子以外の配位子L2は、上記一般式[b-I]中のL1
同様の炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ
基、アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン
原子または水素原子である。
【0060】このような一般式[b-II]で表わされる
遷移金属化合物としては、エチレンビス(インデニル)
ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジ
エチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジフ
ェニルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)メチ
ルジルコニウムモノクロリド、エチレンビス(インデニ
ル)エチルジルコニウムモノクロリド、エチレンビス
(インデニル)メチルジルコニウムモノブロミド、エチ
レンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチ
レンビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、エチ
レンビス{1-(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)}ジ
メチルジルコニウム、エチレンビス{1-(4,5,6,7-テト
ラヒドロインデニル)}メチルジルコニウムモノクロリ
ド、エチレンビス{1-(4,5,6,7-テトラヒドロインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1-(4,
5,6,7-テトラヒドロインデニル)}ジルコニウムジブロ
ミド、エチレンビス{1-(4-メチルインデニル)}ジル
コニウムジクロリド、エチレンビス{1-(5-メチルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1-
(6-メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、エ
チレンビス{1-(7-メチルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、エチレンビス{1-(5-メトキシインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1-(2,
3-ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、エ
チレンビス{1-(4,7-ジメチルインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、エチレンビス{1-(4,7-ジメトキシイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデ
ン(シクロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシ
リレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウ
ムジクロリドなどが挙げられる。なお、上記例示におい
て、シクロペンタジエニル環の二置換体は1,2-および1,
3-置換体を含み、三置換体は1,2,3-および1,2,4-置換体
を含む。本発明では、上記のようなジルコニウム化合物
において、ジルコニウム金属を、チタン金属またはハフ
ニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることが
できる。
【0061】これらの、一般式[b-II]で表わされる
遷移金属化合物のうちでは、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシ
リレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドが特
に好ましい。
【0062】本発明では、エチレン・α-オレフィン共
重合体(A)を製造するに際して上記一般式[b-I]で
表される遷移金属化合物から選ばれる少なくとも1種
と、上記一般式[b-II]で表される遷移金属化合物か
ら選ばれる少なくとも1種とを組み合わせて用いる。
【0063】具体的には、ビス(1-メチル-3-n-ブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとエチ
レンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドとの組
み合わせ、ビス(1-メチル-3-n-プロピルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリドとエチレンビス(イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリドとの組み合わせ、ビ
ス(1-メチル-3-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリドとジメチルシリレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリドとの組み合わせ、ビス(1-
メチル-3-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリドとジフェニルシリレンビス(インデニル)
ジルコニウムジクロリドとの組み合わせが好ましい。
【0064】上記一般式[b-I]で表される遷移金属化
合物(b-I)から選ばれる少なくとも1種の遷移金属化
合物と、上記一般式[b-II]で表される遷移金属化合
物(b-II)から選ばれる少なくとも1種の遷移金属化合
物とは、モル比(b-I/b-II)で99/1〜80/2
0、好ましくは97/3〜82/18、より好ましくは
95/5〜85/15の範囲となるような量で用いられ
ることが望ましい。このような比率で上記一般式[b-
I]で表される遷移金属化合物(b-I)から選ばれる少な
くとも1種の遷移金属化合物と、上記一般式[b-II]
で表される遷移金属化合物(b-II)から選ばれる少なく
とも1種の遷移金属化合物とを用いることにより、より
成形性に優れ、光学特性および/または機械的強度に優
れたエチレン系共重合体組成物を形成しうるエチレン・
α-オレフィン共重合体(A)を製造することができ
る。モル比(b-I/b-II)が95/5〜85/15の範
囲となる量で用いると特に光学特性および機械的強度に
優れたエチレン系共重合体組成物を形成しうるエチレン
・α-オレフィン共重合体(A)を製造することができ
る。
【0065】以下「成分(b)」という語は、上記一般
式[b-I]で表される遷移金属化合物(b-I)から選ば
れる少なくとも1種と、上記一般式[b-II]で表され
る遷移金属化合物(b-II)から選ばれる少なくとも1種
とを含む遷移金属化合物触媒成分を意味する場合があ
る。
【0066】本発明においてエチレン・α-オレフィン
共重合体(A)の共重合の際に用いられる担体は、無機
あるいは有機の化合物であって、粒径が10〜300μ
m、好ましくは20〜200μmの顆粒状ないしは微粒
子状の固体が使用される。このうち無機担体としては多
孔質酸化物が好ましく、具体的にはSiO2、Al
2 3、MgO、ZrO2、TiO2、B23、CaO、Z
nO、BaO、ThO2等またはこれらの混合物、たと
えばSiO2-MgO、SiO2-Al23、SiO2-Ti
2、SiO2-V25、SiO2-Cr23、SiO2-T
iO2-MgO等を例示することができる。これらの中で
SiO2およびAl23からなる群から選ばれた少なく
とも1種の成分を主成分とするものが好ましい。
【0067】なお、上記無機酸化物には少量のNa2
3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4
Al2(SO43、BaSO4、KNO3、Mg(NO3
2、Al(NO33、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸
塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差し
つかえない。
【0068】このような担体はその種類および製法によ
り性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる担体
は、比表面積が50〜1000m2/g、好ましくは1
00〜700m2/gであり、細孔容積が0.3〜2.
5cm3/gであることが望ましい。該担体は、必要に
応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700
℃で焼成して用いられる。
【0069】このような担体では、吸着水量が1.0重
量%未満、好ましくは0.5重量%未満であることが望
ましく、表面水酸基が1.0重量%以上、好ましくは
1.5〜4.0重量%、特に好ましくは2.0〜3.5
重量%であることが望ましい。
【0070】ここで、担体の吸着水量(重量%)および
表面水酸基量(重量%)は下記のようにして求められ
る。 [吸着水量]200℃の温度で、常圧、窒素流通下で4
時間乾燥させたときの重量減少量を求め、乾燥前の重量
に対する百分率を吸着水量とする。 [表面水酸基量]200℃の温度で、常圧、窒素流通下
で4時間乾燥して得られた担体の重量をX(g)とし、
さらに該担体を1000℃で20時間焼成して得られた
表面水酸基が消失した焼成物の重量をY(g)として、
下記式により計算する。
【0071】 表面水酸基量(重量%)={(X−Y)/X}×100 さらに、本発明に用いることのできる担体としては、粒
径が10〜300μmである有機化合物の顆粒状ないし
は微粒子状固体を挙げることができる。これら有機化合
物としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチ
ル-1-ペンテンなどの炭素原子数2〜14のα-オレフィ
ンを主成分として生成される(共)重合体あるいはビニ
ルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される
重合体もしくは共重合体を例示することができる。
【0072】本発明において共重合体(A)の共重合に
用いられる触媒は、上記有機アルミニウムオキシ化合物
(a)、遷移金属化合物(b-I)、遷移金属化合物(b
-II)、および担体から形成されるが、必要に応じて
(c)有機アルミニウム化合物を含んでいてもよい。
【0073】必要に応じて用いられる(c)有機アルミ
ニウム化合物(以下「成分(c)」と記載することがあ
る。)としては、たとえば下記一般式[IV]で表される
有機アルミニウム化合物を例示することができる。
【0074】R1 nAlX3-n … [IV] (式中、R1 は炭素原子数1〜12の炭化水素基を示
し、Xはハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜
3である。) 上記一般式[IV]において、R1 は炭素原子数1〜12
の炭化水素基たとえばアルキル基、シクロアルキル基ま
たはアリ−ル基であるが、具体的には、メチル基、エチ
ル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などであ
る。
【0075】このような有機アルミニウム化合物(c)
としては、具体的には以下のような化合物が挙げられ
る。トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチル
ヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウ
ム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミ
ニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアル
ミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアル
ミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライ
ド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニ
ウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、
エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニ
ウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどの
アルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウ
ムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライ
ドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなど。
【0076】また有機アルミニウム化合物(c)とし
て、下記一般式[V]で表される化合物を用いることも
できる。 R1 nAlY3-n … [V] (式中、R1 は上記と同様であり、Yは−OR2基、−
OSiR3 3基、−OAlR4 2基、−NR5 2基、−SiR
6 3基または−N(R7)AlR8 2基であり、nは1〜2
であり、R2、R3、R4およびR8はメチル基、エチル
基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル
基、フェニル基などであり、R5は水素原子、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチ
ルシリル基などであり、R6 およびR7 はメチル基、エ
チル基などである。) このような有機アルミニウム化合物としては、具体的に
は、以下のような化合物が挙げられる。 (1)R1 nAl(OR23-n で表される化合物、たと
えばジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミ
ニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシ
ドなど、 (2)R1 nAl(OSiR3 33-n で表される化合物、
たとえばEt2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2
l(OSiMe3)、(iso-Bu)2 Al(OSiE
3)など; (3)R1 nAl(OAlR4 23-n で表される化合物、
たとえばEt2AlOAlEt2 、(iso-Bu)2AlO
Al(iso-Bu)2 など; (4) R1 nAl(NR5 23-n で表される化合物、たと
えばMe2AlNEt2 、Et2AlNHMe 、Me2Al
NHEt、Et2AlN(SiMe32、(iso-Bu)2
AlN(SiMe32 など; (5)R1 nAl(SiR6 33-n で表される化合物、た
とえば(iso-Bu)2AlSiMe3 など; (6)R1 nAl(N(R7)AlR8 23-n で表される
化合物、たとえばEt2AlN(Me)AlEt2 、(i
so-Bu)2AlN(Et)Al(iso-Bu)2 など。
【0077】上記一般式[IV]および[V]で表される
有機アルミニウム化合物の中では、一般式R1 3Al、R
1 nAl(OR23-n 、R1 nAl(OAlR4 23-n
表わされる化合物が好ましく、特にRがイソアルキル基
であり、n=2である化合物が好ましい。
【0078】本発明では、エチレン・α-オレフィン共
重合体(A)を製造するに際して、上記のような成分
(a)、成分(b)および担体、必要に応じて成分
(c)を接触させることにより調製される触媒が好まし
く用いられる。この際の成分(a)〜成分(c)および
担体の接触順序は、任意に選ばれるが、好ましくは担体
と成分(a)とを混合接触させ、次いで成分(b)を混
合接触させ、さらに必要に応じて成分(c)を混合接触
させる。なお成分(b)は、該成分(b)を形成する2
種以上の遷移金属化合物を予め混合した後、他の成分と
混合接触させることが好ましい。
【0079】上記成分(a)〜成分(c)および担体の
接触は、不活性炭化水素媒体中で行うことができ、触媒
の調製に用いられる不活性炭化水素媒体として具体的に
は、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭
化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシク
ロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリ
ド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化
炭化水素あるいはこれらの混合物などを挙げることがで
きる。
【0080】成分(a)、成分(b)、担体および必要
に応じて成分(c)を混合接触するに際して、成分
(b)は担体1g当り、通常5×10-6〜5×10-4
ル、好ましくは10-5〜2×10-4モルの量で用いら
れ、成分(b)の濃度は、約10-4〜2×10-2モル/
リットル(媒体)、好ましくは2×10-4〜10-2モル
/リットル(媒体)の範囲である。成分(a)のアルミ
ニウムと成分(b)中の遷移金属との原子比(Al/遷
移金属)は、通常10〜500、好ましくは20〜20
0である。必要に応じて用いられる成分(c)のアルミ
ニウム原子(Al-c)と成分(a)のアルミニウム原子
(Al-a)の原子比(Al-c/Al-a)は、通常0.02
〜3、好ましくは0.05〜1.5の範囲である。成分
(a)、成分(b)および担体、必要に応じて成分
(c)を混合接触する際の混合温度は、通常−50〜1
50℃、好ましくは−20〜120℃であり、接触時間
は1分〜50時間、好ましくは10分〜25時間であ
る。
【0081】上記のようにして得られたオレフィン重合
用触媒(固体触媒成分)は、担体1g当り成分(b)に
由来する遷移金属原子が5×10-6〜5×10-4グラム
原子、好ましくは10-5〜2×10-4グラム原子の量で
担持され、また担体1g当り成分(a)および成分
(c)に由来するアルミニウム原子が10-3〜5×10
-2グラム原子、好ましくは2×10-3〜2×10-2グラ
ム原子の量で担持されていることが望ましい。
【0082】エチレン・α-オレフィン共重合体(A)
の製造に用いられるオレフィン重合用触媒は、上記のよ
うな成分(a)、成分(b)、担体および必要に応じて
成分(c)の存在下にオレフィンを予備重合させて得ら
れる予備重合触媒であってもよい。予備重合は、上記の
ような成分(a)、成分(b)、担体の存在下、必要に
応じて成分(c)の共存下、不活性炭化水素媒体中にオ
レフィンを導入することにより行うことができる。
【0083】なお上記成分(a)、(b)および担体か
ら前記固体触媒成分が形成されていることが好ましい。
この場合、固体触媒成分に加えて、さらに担体に担持さ
れていない成分(a)および/または成分(c)を添加
してもよい。
【0084】予備重合の際に用いられるオレフィンとし
ては、エチレンおよび炭素原子数が3〜20のα-オレ
フィン、たとえばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、
4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デ
セン、1-ドデセン、1-テトラデセンなどを例示すること
ができる。これらの中では、エチレン、またはエチレン
と重合の際に用いられるα-オレフィンとの組合せが特
に好ましい。
【0085】予備重合する際には、上記成分(b)は、
該成分(b)に由来する遷移金属原子に換算して通常1
-6〜2×10-2モル/リットル(媒体)、好ましくは
5×10-5〜10-2モル/リットル(媒体)の量で用い
られ、成分(b)は担体1g当り、通常5×10-6〜5
×10-4モル、好ましくは10-5〜2×10-4モルの量
で用いらる。成分(a)のアルミニウムと成分(b)中
の遷移金属との原子比(Al/遷移金属)は、通常10
〜500、好ましくは20〜200である。必要に応じ
て用いられる成分(c)のアルミニウム原子(Al-c)
と成分(a)のアルミニウム原子(Al-a)の原子比
(Al-c/Al-a)は、通常0.02〜3、好ましくは
0.05〜1.5の範囲である。予備重合温度は−20
〜80℃、好ましくは0〜60℃であり、また予備重合
時間は0.5〜100時間、好ましくは1〜50時間程
度である。
【0086】予備重合触媒は、たとえば下記のようにし
て調製される。すなわち、担体を不活性炭化水素で懸濁
状にする。次いで、この懸濁液に有機アルミニウムオキ
シ化合物〔成分(a)〕を加え、所定の時間反応させ
る。その後上澄液を除去し、得られた固体成分を不活性
炭化水素で再懸濁化する。この系内へ遷移金属化合物
〔成分(b)〕を加え、所定時間反応させた後、上澄液
を除去し固体触媒成分を得る。続いて有機アルミニウム
化合物〔成分(c)〕を含有する不活性炭化水素に、上
記で得られた固体触媒成分を加え、そこへオレフィンを
導入することにより、予備重合触媒を得る 予備重合で生成するオレフィン重合体は、担体1g当り
0.1〜500g、好ましくは0.2〜300g、より
好ましくは0.5〜200gの量であることが望まし
い。また、予備重合触媒には、担体1g当り成分(b)
は遷移金属原子として約5×10-6〜5×10-4グラム
原子、好ましくは10-5〜2×10-4グラム原子の量で
担持され、成分(a)および成分(c)に由来するアル
ミニウム原子(Al)は、成分(b)に由来する遷移金
属原子(M)に対するモル比(Al/M)で、5〜20
0、好ましくは10〜150の範囲の量で担持されてい
ることが望ましい。
【0087】予備重合は、回分式あるいは連続式のいず
れでも行うことができ、また減圧、常圧あるいは加圧下
のいずれでも行うことができる。予備重合においては、
水素を共存させて、135℃のデカリン中で測定した極
限粘度[η]が0.2〜7dl/gの範囲、好ましくは
0.5〜5dl/gであるような予備重合体を製造する
ことが望ましい。
【0088】本発明のエチレン系共重合体組成物を形成
するエチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、前記
のような触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数が3
〜20のα-オレフィン、たとえばプロピレン、1-ブテ
ン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1
-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1
-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンとを共
重合することによって得られる。
【0089】本発明では、エチレンとα-オレフィンと
の共重合は、気相であるいはスラリー状の液相で行われ
る。スラリー重合においては、不活性炭化水素を媒体と
してもよいし、オレフィン自体を媒体とすることもでき
る。
【0090】スラリー重合において用いられる不活性炭
化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、イソ
ブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデ
カン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族系炭化
水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロ
ヘキサン、シクロオクタンなどの脂環族系炭化水素;ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素;
ガソリン、灯油、軽油などの石油留分などが挙げられ
る。これら不活性炭化水素媒体のうち脂肪族系炭化水
素、脂環族系炭化水素、石油留分などが好ましい。
【0091】スラリー重合法または気相重合法で実施す
る際には、上記のような触媒は、重合反応系内の遷移金
属原子の濃度として、通常10-8〜10-3グラム原子/
リットル、好ましくは10-7〜10-4グラム原子/リッ
トルの量で用いられることが望ましい。
【0092】また重合に際して、担体に担持されている
有機アルミニウムオキシ化合物〔成分(a)〕および有
機アルミニウム化合物〔成分(c)〕に加えて、さらに
担持されていない有機アルミニウムオキシ化合物および
/または有機アルミニウム化合物を用いてもよい。この
場合、担持されていない有機アルミニウムオキシ化合物
および/または有機アルミニウム化合物に由来するアル
ミニウム原子(Al)と、遷移金属化合物〔成分
(b)〕に由来する遷移金属原子(M)との原子比(A
l/M)は、5〜300、好ましくは10〜200、よ
り好ましくは15〜150の範囲である。
【0093】本発明において、スラリー重合法を実施す
る際には、重合温度は、通常−50〜100℃、好まし
くは0〜90℃の範囲であり、気相重合法を実施する際
には、重合温度は、通常0〜120℃、好ましくは20
〜100℃の範囲である。
【0094】重合圧力は、通常常圧ないし100kg/
cm2、好ましくは2〜50kg/cm2の加圧条件下で
あり、重合は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方
式においても行うことができる。さらに重合を反応条件
の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
【0095】[高圧ラジカル法低密度ポリエチレン
(B)]次に本発明で用いられる高圧ラジカル法低密度
ポリエチレンについて具体的に説明する。
【0096】本発明で用いられる高圧ラジカル法低密度
ポリエチレンは、いわゆる高圧ラジカル重合により製造
される長鎖分岐を有する分岐の多いポリエチレンであ
り、ASTM D1238-65T に従い190℃、2.16k
g荷重の条件下に測定されるMFRが0.01〜100
g/10分、好ましくは0.05〜10g/10分、より好
ましくは、0.1〜8g/10分の範囲であることが望ま
しい。
【0097】また、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン
は、密度(d)が0.910〜0.930g/cm3
範囲にあることが望ましい。密度は、190℃における
2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)測
定時に得られるストランドを120℃で1時間熱処理し
1時間かけて室温まで徐冷したのち、密度勾配管で測定
される。
【0098】さらに、高圧ラジカル法低密度ポリエチレ
ンは、長鎖分岐の度合を表わすスウェル比、すなわち毛
細式流れ特性試験機を用い、190℃の条件下で内径
(D)2.0mm、長さ15mmのノズルより押出速度
10mm/分で押し出したストランドの径(Ds)と、
ノズル内径Dとの比(Ds/D)が1.3以上であるこ
とが望ましい。
【0099】なお、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン
は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、他のα-
オレフィン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル等の重合
性単量体との共重合体であってもよい。
【0100】[エチレン系共重合体組成物]本発明に係
るエチレン系共重合体組成物は、前記エチレン・α-オ
レフィン共重合体(A)と、高圧ラジカル法低密度ポリ
エチレン(B)とからなり、エチレン・α-オレフィン
共重合体(A)と、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン
(B)との重量比〔(A):(B)〕が99:1〜6
0:40の範囲にあることが好ましく、さらに好ましく
は98:2〜70:30の範囲であり、特に好ましくは
98:2〜80:20の範囲にあることが望ましい。
【0101】上記範囲よりも高圧ラジカル法低密度ポリ
エチレンが少ないと、透明性、溶融張力等の改質効果が
不充分なことがあり、また上記範囲よりも多いと、引張
強度、耐ストレスクラック性等が大きく低下することが
ある。
【0102】本発明のエチレン系共重合体組成物には、
本発明の目的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、耐熱
安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキ
ング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、核剤、可塑剤、老
化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤等の添加剤が必要に
応じて配合されていてもよい。
【0103】本発明のエチレン系共重合体組成物は、公
知の方法を利用して製造することができ、たとえば、下
記のような方法で製造することができる。 (1)エチレン・α-オレフィン共重合体(A)と、高
圧ラジカル法低密度ポリエチレン(B)、および所望に
より添加される他成分を、押出機、ニーダー等を用いて
機械的にブレンドする方法。
【0104】(2)エチレン・α-オレフィン共重合体
(A)と、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(B)、
および所望により添加される他成分を適当な良溶媒(た
とえば;ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の炭化水素溶
媒)に溶解し、次いで溶媒を除去する方法。
【0105】(3)エチレン・α-オレフィン共重合体
(A)と、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(B)、
および所望により添加される他成分を適当な良溶媒にそ
れぞれ別個に溶解した溶液を調製した後混合し、次いで
溶媒を除去する方法。
【0106】(4)上記(1)〜(3)の方法を組み合
わせて行う方法。 本発明のエチレン系共重合体組成物は、通常の空冷イン
フレーション成形、空冷2段冷却インフレーション成
形、高速インフレーション成形、T−ダイフィルム成
形、水冷インフレーション成形等で加工することによ
り、フィルムを得ることができる。このようにして成形
されたフィルムは、光学特性および/または機械的強度
に優れ、通常のLLDPEの特徴であるヒートシール
性、ホットタック性、耐熱性等を有している。また、エ
チレン・α-オレフィン共重合体(A)の組成分布が極
めて狭いため、フィルム表面のべたつきもない。更にメ
ルトテンションが高いため、インフレーション成形時の
バブル安定性に優れる。
【0107】本発明のエチレン系共重合体組成物を加工
することにより得られるフィルムは、規格袋、重袋、ラ
ップフィルム、ラミ原反、砂糖袋、油物包装袋、水物包
装袋、食品包装用等の各種包装用フィルム、輸液バッ
グ、農業用資材等に好適である。また、ナイロン、ポリ
エステル等の基材と貼り合わせて、多層フィルムとして
用いることもできる。さらにブロー輸液バッグ、ブロー
ボトル、押出形成によるチューブ、パイプ、引きちぎり
キャップ、日用雑貨品など射出成形物、繊維、回転成形
による大型成形品などにも用いることができる。
【0108】
【発明の効果】本発明のエチレン系共重合体組成物は、
有機アルミニウムオキシ化合物と、少なくとも2種の特
定の遷移金属化合物とを含むオレフィン重合用触媒の存
在下にエチレンと炭素原子数3〜20のオレフィンを共
重合させることにより得られ、特定の物性を有するエチ
レン・α-オレフィン共重合体と、高圧ラジカル法によ
る低密度ポリエチレンとから形成されているので成形性
に優れている。このようなエチレン系共重合体組成物か
らは、ヘイズ、グロスなどの光学特性および/またはフ
ィルムインパクトなどの機械的強度に優れたフィルムを
製造することができる。
【0109】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0110】なお、本発明においてフィルムの物性評価
は下記のようにして行った。 [ヘイズ(曇度)]ASTM-D-1003-61にしたがって測定し
た。
【0111】[グロス(光沢)]JIS Z8741に
したがって測定した。 [フィルムインパクト]東洋精機製作所製振子式フィル
ム衝撃試験機(フィルムインパクトテスター)により測
定した。
【0112】
【製造例1】エチレン・1-ブテン共重合体(A−1)の重合 [触媒成分の調製]250℃で10時間乾燥したシリカ
5.0kgを80リットルのトルエンで懸濁状にした
後、0℃まで冷却した。その後、メチルアルミノキサン
のトルエン溶液(Al;1.33モル/リットル)2
8.7リットルを1時間で滴下した。この際、系内の温
度を0℃に保った。引続き0℃で30分間反応させ、次
いで1.5時間かけて95℃まで昇温し、その温度で4
時間反応させた。その後60℃まで降温し上澄液をデカ
ンテーション法により除去した。
【0113】このようにして得られた固体成分をトルエ
ンで2回洗浄した後、トルエン80リットルで再懸濁化
した。この系内へビス(1,3-n-ブチルメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液
(Zr;34.0ミリモル/リットル)7.4リットル
およびエチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロ
リドのトルエン溶液(Zr;1.92ミリモル/リット
ル)14.6リットルを80℃で30分間かけて滴下
し、更に80℃で2時間反応させた。その後、上澄液を
除去し、ヘキサンで2回洗浄することにより、1g当り
3.4mgのジルコニウムを含有する固体触媒(a)を
得た。
【0114】[予備重合触媒の調製]1.7モルのトリ
イソブチルアルミニウムを含有する85リットルのヘキ
サンに、上記で得られた固体触媒(a)0.85kgお
よび1-ヘキセン76.5gを加え、35℃で2時間エチ
レンの予備重合を行うことにより、固体触媒1g当り3
gのポリエチレンが予備重合された予備重合触媒(b)
を得た。
【0115】[重合]充分に窒素置換した内容積2リッ
トルのステンレス製オートクレーブに塩化ナトリウム
(和光純薬特級)150gを装入し、90℃で1時間減
圧乾燥した。その後、エチレンと1-ブテンと水素の混合
ガス(1-ブテン含量:2.5モル%、水素含量:0.0
1モル%)の導入により常圧に戻し、系内を70℃とし
た。
【0116】次いで、上記のように調製した固体触媒
を、ジルコニウム原子換算で0.007mg原子および
トリイソブチルアルミニウム0.7ミリモルをオートク
レーブへ添加した。
【0117】その後、上記エチレンと1-ブテンと水素と
混合ガスを導入し、全圧8kg/cm2-Gとして重合を
開始した。系内の温度は、直ちに80℃に上昇した。そ
の後、混合ガスのみを補給し、全圧を8kg/cm2-G
に保ち、80℃で15時間重合を行った。
【0118】重合終了後、水洗により塩化ナトリウムを
除き、残ったポリマーをメタノールで洗浄した後、80
℃で1晩減圧乾燥した。その結果、190℃、2.16
kg荷重下で測定したMFRが1.9g/10分であり、
密度が0.925g/cm3であり、23℃におけるデ
カン可溶部が0.10重量%であるエチレン・1-ブテン
共重合体(A−1)285gを得た。得られた共重合体
の溶融物性を表1に示す。
【0119】
【製造例2】エチレン・1-ブテン共重合体(A−2)の重合 [触媒成分の調製]ジルコニウム化合物の使用量をビス
(1,3-n-ブチルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリドのトルエン溶液(Zr;34.0ミリモ
ル/リットル)7.8リットル、エチレンビス(インデ
ニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr;
1.92ミリモル/リットル)7.3リットルとした以
外は実施例1と同様にして固体触媒(c)を調製した。
【0120】[予備重合触媒の調製]上記で得られた固
体触媒(c)を用いた以外は実施例1と同様にして予備
重合触媒(d)を調製した。
【0121】[重合]上記で得られた予備重合触媒
(d)を用いた以外は実施例1と同様にしてエチレンと
1-ブテンとを重合した。得られたエチレン・1-ブテン共
重合体(A−2)の溶融物性を表1に示す。
【0122】
【製造例3】エチレン・1-ブテン共重合体(A−3)の重合 [触媒成分の調製]ジルコニウム化合物の使用量をビス
(1,3-n-ブチルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリドのトルエン溶液(Zr;34.0ミリモ
ル/リットル)6.8リットル、エチレンビス(インデ
ニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr;
1.92ミリモル/リットル)21.2リットルとした
以外は実施例1と同様にして固体触媒(e)を調製し
た。
【0123】[予備重合触媒の調製]上記で得られた固
体触媒(e)を用いた以外は実施例1と同様にして予備
重合触媒(f)を調製した。
【0124】[重合]上記で得られた予備重合触媒
(f)を用いた以外は実施例1と同様にしてエチレンと
1-ブテンとを重合した。得られたエチレン・1-ブテン共
重合体(A−3)の溶融物性を表1に示す。
【0125】
【製造例4】エチレン・1-ブテン共重合体(A−4)の重合 [触媒成分の調製]触媒成分中のジルコニウム化合物と
してビス(1,3-n-ブチルメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリドのみを用いた以外は実施例1と
同様にして固体触媒(g)を調製した。
【0126】[予備重合触媒の調製]上記で得られた固
体触媒(g)を用いた以外は実施例1と同様にして予備
重合触媒(h)を調製した。
【0127】[重合]上記で得られた予備重合触媒
(h)を用いた以外は実施例1と同様にしてエチレンと
1-ブテンとを重合した。得られたエチレン・1-ブテン共
重合体(A−4)の溶融物性を表1に示す。
【0128】
【製造例5】エチレン・1-ブテン共重合体(A−5)の重合 [触媒成分の調製]ジルコニウム化合物の使用量をビス
(1,3-n-ブチルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリドのトルエン溶液(Zr;34.0ミリモ
ル/リットル)5.6リットル、エチレンビス(インデ
ニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr;
1.92ミリモル/リットル)42.5リットルとした
以外は実施例1と同様にして固体触媒(i)を調製し
た。
【0129】[予備重合触媒の調製]上記で得られた固
体触媒(i)を用いた以外は実施例1と同様にして予備
重合触媒(j)を調製した。
【0130】[重合]上記で得られた予備重合触媒
(j)を用いた以外は実施例1と同様にしてエチレンと
1-ブテンとを重合した。得られたエチレン・1-ブテン共
重合体(A−5)の溶融物性を表1に示す。
【0131】
【実施例1】上記製造例1により製造したエチレン・1-
ブテン共重合体(A−1)および表2に示す高圧ラジカ
ル法低密度ポリエチレン(B−1)を混合比(A−1/
B−1)=90/10でドライブレンドし、更に樹脂部
100重量部に対して、二次抗酸化剤としてのトリ(2,
4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェートを0.05重
量部、耐熱安定剤としてのn-オクタデシル-3-(4'-ヒド
ロキシ-3',5'-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネートを
0.1重量部、塩酸吸収剤としてのステアリン酸カルシ
ウムを0.05重量部配合した。しかる後にハーケ社製
コニカルテーパー状2軸押出機を用い、設定温度180
℃で混練してエチレン系共重合体組成物を得た。
【0132】上記で得られたエチレン系共重合体組成物
を用い、20mmφ・L/D=26の単軸押出機、25
mmφのダイ、リップ幅0.7mm、一重スリットエア
リングを用い、エア流量=90リットル/分、押出量=
9g/分、ブロー比=1.8、引き取り速度=2.4m
/分、加工温度=200℃条件下で、厚み30μmのフ
ィルムをインフレーション成形した。
【0133】エチレン系共重合体組成物の溶融物性およ
びフィルム物性を表3に示す。
【0134】
【参考例1】製造例1で得られたエチレン・1-ブテン共
重合体(A−1)を用いて、実施例1と同様にしてイン
フレーション成形により厚み30μmのフィルムを成形
した。共重合体の溶融物性およびフィルム物性を表3に
示す。
【0135】実施例1および参考例1から、実施例1は
高圧ラジカル法低密度ポリエチレンをブレンドすること
により、成形性(MT)およびフィルムの光学特性が向
上したことがわかる。
【0136】
【実施例2】製造例2で得られたエチレン・1-ブテン共
重合体(A−2)および表2に示す高圧ラジカル法低密
度ポリエチレン(B−1)を混合比(A−2/B−1)
=90/10でドライブレンドし、実施例1と同様に溶
融混練することによりエチレン系共重合体組成物を得
た。
【0137】このエチレン系共重合体組成物を用いて、
実施例1と同様にしてインフレーション成形により厚み
30μmのフィルムを成形した。エチレン系共重合体組
成物の溶融物性およびフィルム物性を表3に示す。
【0138】
【参考例2】製造例2で得られたエチレン・1-ブテン共
重合体(A−2)を用いて、実施例1と同様にしてイン
フレーション成形により厚み30μmのフィルムを成形
した。共重合体の溶融物性およびフィルム物性を表3に
示す。
【0139】実施例2および参考例2から、実施例2は
高圧ラジカル法低密度ポリエチレンをブレンドすること
により、成形性(MT)および高剪断域における流動性
(FI)が向上し、フィルムの光学特性が向上したこと
がわかる。
【0140】
【実施例3】製造例3で得られたエチレン・1-ブテン共
重合体(A−3)および表2に示す高圧ラジカル法低密
度ポリエチレン(B−1)を混合比(A−3/B−1)
=90/10でドライブレンドし、実施例1と同様に溶
融混練することによりエチレン系共重合体組成物を得
た。
【0141】このエチレン系共重合体組成物を用いて、
実施例1と同様にしてインフレーション成形により厚み
30μmのフィルムを成形した。エチレン系共重合体組
成物の溶融物性およびフィルム物性を表3に示す。
【0142】
【参考例3】製造例3で得られたエチレン・1-ブテン共
重合体(A−3)を用いて、実施例1と同様にしてイン
フレーション成形により厚み30μmのフィルムを成形
した。共重合体の溶融物性およびフィルム物性を表3に
示す。
【0143】実施例3および参考例3から、実施例3は
高圧ラジカル法低密度ポリエチレンをブレンドすること
により、成形性(MT)および高剪断域における流動性
(FI)が向上たことがわかる。
【0144】
【比較例1】製造例4で得られたエチレン・1-ブテン共
重合体(A−4)および表2に示す高圧ラジカル法低密
度ポリエチレン(B−1)を混合比(A−4/B−1)
=90/10でドライブレンドし、実施例1と同様に溶
融混練することによりエチレン系共重合体組成物を得
た。
【0145】このエチレン系共重合体組成物を用いて、
実施例1と同様にしてインフレーション成形により厚み
30μmのフィルムを成形した。エチレン系共重合体組
成物の溶融物性およびフィルム物性を表3に示す。
【0146】
【比較例2】製造例4で得られたエチレン・1-ブテン共
重合体(A−4)を用いて、実施例1と同様にしてイン
フレーション成形により厚み30μmのフィルムを成形
した。エチレン系共重合体組成物の溶融物性およびフィ
ルム物性を表3に示す。
【0147】実施例1〜3と比較例2とを比べると、実
施例1〜3の方がMFRが大きいにもかかわらず、MT
が高く成形性に優れることがわかる。
【0148】
【比較例3】製造例5で得られたエチレン・1-ブテン共
重合体(A−5)および表2に示す高圧ラジカル法低密
度ポリエチレン(B−1)を混合比(A−5/B−1)
=90/10でドライブレンドし、実施例1と同様に溶
融混練することによりエチレン系共重合体組成物を得
た。
【0149】このエチレン系共重合体組成物を用いて、
実施例1と同様にしてインフレーション成形により厚み
30μmのフィルムを成形した。エチレン系共重合体組
成物の溶融物性およびフィルム物性を表3に示す。
【0150】
【比較例4】製造例5で得られたエチレン・1-ブテン共
重合体(A−5)を用いて、実施例1と同様にしてイン
フレーション成形により厚み30μmのフィルムを成形
した。エチレン系共重合体組成物の溶融物性およびフィ
ルム物性を表3に示す。
【0151】比較例3は、実施例に比べてフィルムの透
明性が劣る。
【0152】
【表1】
【0153】
【表2】
【0154】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤 堂 昭 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a)有機アルミニウムオキシ化合
    物と、(b-I)下記一般式[b-I]で表される遷移金属
    化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物と、 ML1 X … [b-I] (式中Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原
    子を示し、L1は遷移金属原子Mに配位する配位子を示
    し、これらのうち少なくとも2個の配位子L1は、シク
    ロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、
    エチルシクロペンタジエニル基であるか、または炭素原
    子数3〜10の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種
    の基を有する置換シクロペンタジエニル基であり、(置
    換)シクロペンタジエニル基以外の配位子L1は、炭素
    原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロ
    キシ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子または水
    素原子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価を示す) (b-II)下記一般式[b-II]で表される遷移金属化合
    物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含み、 ML2 X … [b-II] (式中Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原
    子を示し、L2は遷移金属原子に配位する配位子であ
    り、これらのうち少なくとも2個の配位子L2は、置換
    基を有していてもよいシクロペンタジエニル骨格を有す
    る配位子であり、これらの基は、炭化水素基、シリレン
    基または置換シリレン基を介して結合されており、シク
    ロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子L2
    は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、
    アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子
    または水素原子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価を
    示す)前記遷移金属化合物(b-I)と前記遷移金属化合
    物(b-II)とのモル比〔(b-I)/(b-II)〕が99
    /1〜80/20の範囲にあるオレフィン重合用触媒の
    存在下にエチレンと炭素原子数3〜20のα-オレフィ
    ンとを共重合させることにより得られ、 (i)密度が0.850〜0.980g/cm3 の範囲
    にあり、 (ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフロ
    ーレート(MFR)が0.01〜200g/10分の範囲
    にあり、 (iii)190℃におけるメルトテンション〔MT
    (g)〕とメルトフローレート〔MFR(g/10分)〕
    が MT>2.2×MFR-0.84 で示される関係を満たすエチレン・α-オレフィン共重
    合体と、 (B)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフロ
    ーレート(MFR)が0.01〜100g/10分の範囲
    にある高圧法ラジカル法による低密度ポリエチレンから
    なり、 上記エチレン・α-オレフィン共重合体(A)と、上記
    低密度ポリエチレン(B)との重量比〔(A):
    (B)〕が99:1〜60:40の範囲にあることを特
    徴とするエチレン系共重合体組成物。
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