JPH07256673A - 繊維強化樹脂成形体のプレス成形方法及び成形型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】プレス成形時における型内減圧を短時間で行う
ことにより、型内空気が起因する成形欠陥を減少させた
ＦＲＰ成形体のプレス成形方法及びその成形方法に用い
る成形型を提供する。 【構成】固定型１１に成形材料４を供給した後型を閉じ
ていって、まず第１の環状シール材２にて固定型１１と
可動型１２間を緩閉し、その時発生する内圧は緩閉部か
ら外気に逃がす。緩閉の前又は緩閉と同時以降に減圧路
１２７より吸引を開始し、次いで第２の環状シール材３
にて固定型１１と可動型１２間を密閉しつつ完全に型を
閉じ型内を減圧状態となしてプレス成形を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プレス成形時における
型内減圧を短時間で行うことにより、型内空気が起因す
る成形欠陥を減少させた繊維強化樹脂（以下、ＦＲＰと
いう）成形体のプレス成形方法及びその成形方法に用い
らる成形型に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】浴槽や自動車ボディ等のＦＲＰ成形体を
プレス成形を行う時に、例えば、日刊工業新聞社 昭和
５０年５月１５日改訂版発行の「強化プラスチックハン
ドブック」第１７５〜１７７頁に記載の如く、型内空気
が起因する気泡や巣等の成形欠陥を発生し易いという問
題点があった。

【０００３】しかして、従来、例えば、図１０に示す如
く、固定型ａに、固定型ａと可動型ｂ間を密閉する１本
の環状シール材ｃと、型内を減圧にする減圧路ｄが設け
られた成形型を用いて、固定型ａにＳＭＣを供給した後
型を閉じていって、環状シール材ｃにて固定型ａと可動
型ｂ間を密閉してから、減圧路ｄより吸引して型内を減
圧状態となすか、減圧路ｄより吸引を行いつつ、型を閉
じていって、環状シー１材ｃにて固定型ａと可動型ｂ間
を密閉した後に、完全に型を閉じてプレス成形を行う方
法が試みられている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のプレス成形法による場合には、一本の環状シ
ール材ｃにて固定型ａと可動型ｂ間を密閉するようにし
ているので、ごみ等が入り込んだときに、気密性が得ら
れないという欠点がある。

【０００５】又、型を閉じていって、固定型ａと可動型
ｂ間を環状シール材ｃにて密閉した瞬間に、型内の空気
は圧縮作用を受けて型内の内圧が瞬間的に上昇する。真
空ポンプを用いて型内を必要な減圧状態にするまでには
時間がかかり、その間に型内の成形材料が熱を受けすぎ
て一部の硬化が始まるという、いわゆるプレゲルが発生
し、これに起因して得られる成形体の表面に流れ模様が
発生したり表面がカサカサになったりする等の成形不良
の原因となっていた。尚、プレゲル状態を防止するた
め、減圧が不充分なまま、圧縮成形を行うと気泡や巣等
が成形品表面に発生する成形不良を起こす。

【０００６】本発明は、上記の如き従来の問題点を解消
し、型内を必要な減圧状態に達するまでの時間を短くし
て、型内空気が起因する成形欠陥をなくすることができ
る繊維強化樹脂成形体のプレス成形方法及びその成形方
法に用いられるを提供することを目的としてなされたも
のである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明１は、固定型と可
動型からなる成形型を用いたＦＲＰ成形体のプレス成形
方法であって、固定型あるいは可動型のいずれかに、型
を閉じていったときに、最初に固定型と可動型間を緩閉
する第１の環状シール材と、最終的に固定型と可動型間
を密閉する第２の環状シール材と、型内から外気に通じ
る減圧路が設けられた成形型を用い、固定型に成形材料
を供給した後型を閉じていって、まず第１の環状シール
材にて固定型と可動型間を緩閉し、その時発生する内圧
は緩閉部から外気に逃がすとともに、緩閉の前又は緩閉
と同時以降に減圧路より吸引を開始し、次いで第２の環
状シール材にて固定型と可動型間を密閉しつつ完全に型
を閉じ型内を減圧状態となしてプレス成形を行うＦＲＰ
成形体のプレス成形方法である。

【０００８】本発明２は、ＦＲＰ成形体のプレス成形用
の固定型と可動型からなる成形型であって、固定型ある
いは可動型のいずれかに、型を閉じていったときに、最
初に固定型と可動型間を緩閉する第１の環状シール材
と、最終的に固定型と可動型間を密閉する第２の環状シ
ール材と、型内から外気に通じる減圧路とが設けられて
いる成形型である。

【０００９】本発明において、成形材料としては、シー
トモールディングコンパウンド（ＳＭＣ）やバルクモー
ルディングコンパウンド（ＢＭＣ）等が用いられる。成
形材料中には、通常、樹脂成分、硬化剤、補強材、無機
質充填材、内部離型剤、増粘剤の他に、必要に応じて抗
酸化剤、硬化促進剤、重合禁止剤、顔料、低収縮剤等が
含まれる。

【００１０】樹脂成分としては、不飽和ポリエステル樹
脂が好適に使用される。不飽和ポリエステル樹脂とは、
不飽和二塩基酸とグリコールと必要に応じて飽和二塩基
酸とを重縮合せしめた不飽和ポリエステルと、共重合性
単量体からなる混合物である。又、樹脂成分中には、不
飽和ポリエステルの他に、通常、低収縮化のために添加
する熱可塑性樹脂が含まれる。

【００１１】硬化剤としては、例えば、ｔ─ブチルパー
オキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、メチ
ルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、ｔ─ブチルパーオキシ─２─エチルヘキサノエー
ト、１，１─ジ─ｔ─ブチルパーオキシシクロヘキサ
ン、ｔ─パーオキシ─イソプロピルカーボネート等、熱
硬化性樹脂に対する硬化剤として公知の有機過酸化物が
使用される。

【００１２】補強材としては、繊維状のものが有効であ
り、例えば、ガラス繊維や、ポリエステル、フェノー
ル、ビニロン等の有機繊維、カーボン繊維等が使用され
るが、一般的にはガラス繊維が使用される。

【００１３】本発明において、第１の環状シール材と第
２の環状シール材との関係は、第１の環状シール材が固
定型と可動型間を緩閉することが可能なものであり、第
２の環状シール材が固定型と可動型間を密閉することが
可能なものである関係を満たすような関係にあればよ
い。

【００１４】そのような関係として、材料の硬軟の関係
であってもよいし、形状の関係であってもよい。材料の
硬軟の関係としては、例えば、第１の環状シール材の少
なくとも緩閉部が軟質弾性材料からなり、第２の環状シ
ール材が硬質弾性材料からなるもの等が挙げられる。
尚、軟質弾性材料としては、硬度が低いゴム等が挙げら
れ、硬質弾性材料としては硬度が高いゴム等が挙げられ
る。ゴムとしては、例えば、シリコンゴムやフッ素ゴム
等が使用される。

【００１５】又、形状の関係としては、第１の環状シー
ル材の緩閉部が容易に変形する形状、例えば、第１の環
状シール材全体が硬質弾性材料からなる断面外型が三角
形状とされ、その一稜線部が緩閉部とされたものであ
り、第２の環状シール材が第１の環状シール材と同じ硬
質弾性材料からなり、断面外形が円形状とされたものと
してもよいし、又、第１の環状シール材と第２の環状シ
ール材の高さを変え、第１の環状シール材は固定型又は
可動型との密着度が小さくなるように緩閉させ、第２の
環状シール材は固定型又は可動型との密着度が大きくな
るようにして密閉させるものとしてもよい。

【００１６】本発明において、減圧路より吸引を開始す
る時期は、緩閉の前であってもよいし、緩閉と同時であ
ってよいし、又、緩閉以降であってもよいが、緩閉以降
の場合はなるべく緩閉直後であるのが望ましい。

【００１７】以下、本発明のの例を図面を参照して説明
する。図１は本発明２の一例である、浴槽（熱硬化性樹
脂異形成形品）の製造用の成形型の全体を示す断面図、
図２は図１の要部拡大断面図である。

【００１８】図１及び図２に示す如く、型１は下型（固
定型）１１と上型（可動型）１２からなる。下型１１に
は、成形すべき浴槽の底壁外面形成部１１１と、側壁外
面成形部１１２と、鍔部下面形成部１１３と、下がり壁
内面形成部１１４と、下がり壁下面形成部１１５と、段
部１１６と、シール面１１７が形成されている。又、下
型１１のシール面１１７の上端には周方向に沿って第１
の凹溝１１８が設けられ、第１の凹溝１１８内には軟質
弾性材料からなる断面外形が円形状の第１の環状シール
材２がその一部を外方に突出するようにして嵌着され、
固定金具とビスにより固定されている。更に、下型１１
の第１の凹溝１１８からやや下方のシール面１１７に
は、周方向に沿って第２の凹溝１１９が設けられ、第２
の凹溝１１９には硬質弾性材料からなる断面外形が円形
状の第２の環状シール材３が嵌着され、固定具とビスに
より固定されている。

【００１９】上型１２には、成形すべき浴槽の底壁内面
形成部１２１と、側壁内面形成部１２２と、鍔部上面形
成部１２３と、下がり壁外面形成部１２４と、段部１２
５と、シール面１２６が形成されている。又、上型１２
には、段部１２５から外気に通じる減圧路１２７が設け
られており、減圧路１２７には、排気管６１、電磁弁６
２、タンク６３を介して、真空ポンプ６４に連結されて
いる。

【００２０】下型１１と上型１２の型面間に、閉型時
に、成形すべき浴槽の外形に対応する内形を有するキャ
ビティ１３が形成されている。そして、型を閉じていっ
たときに、最初に固定型１１のシール面１１７と可動型
１２のシール面１２６間を第１の環状シール材２が緩閉
し、最終的に固定型１１のシール面１１７と可動型１２
のシール面１２６間を第２の環状シール材３が密閉する
ことができるようにされている。

【００２１】次に、図１及び図２に示す成形型を用いた
本発明１の繊維強化樹脂成形体のプレス成形方法の一例
を図３及び図４はの製造工程を参照して説明する。ま
ず、図３に示す如く、下型１１及び上型１２を加熱状態
となし、上型１２を上昇させた状態にて、下型１１の型
面上に成形材料４を供給後、上型１２を一定の移動速度
にて下型１１上に下降移動させていく。

【００２２】まず第１の環状シール材２の外周面が上型
１２のシール面１２６に接触して、下型１１のシール面
１１７と上型１２のシール面１２６間を緩閉する。この
時に上昇する内圧は緩閉部から外気に逃す。そこで、上
型１２の下降を一旦停止し、減圧路１２７から真空ポン
プ６４により型内の空気の吸引を開始し、継続的に型内
の減圧度を高めていく。

【００２３】次いで、再び上型１２を一定の移動速度に
て下型１１上に下降移動させていき、図４に示す如く、
第２の環状シール材３の外周面が上型のシール面１２６
に接触して、下型１１のシール面１１７と上型１２のシ
ール面１２６間を密閉し、型内を減圧状態となした後、
プレス成形を行う。

【００２４】図５は、本発明２の別の例である浴槽（熱
硬化性樹脂異形成形品）の製造用の成形型の全体を示す
断面図、図６は図５の要部拡大断面図である。

【００２５】この例における例で図１を参照して説明し
た装置とは、第１の環状シール材２′の形状と材質が異
なるだけなので、それ以外は対応する図番を図５に付し
てその詳細な説明は省略する。第１の環状シール材２′
は、第２の環状シール材３と同じ材質からなり、断面外
形が四角形状とされ、その一稜線部が外方に突出するよ
うにされている。

【００２６】次に、図５及び図６に示す成形型を用い
た、本発明１の別の例を、図７及び図８を参照して説明
する。まず、図７に示す如く、下型１１及び上型１２を
加熱状態となし、上型１２を上昇させた状態にて、下型
１１の型面上に成形材料４を供給後、上型１２を一定の
移動速度にて下型１１上に下降移動させていく。

【００２７】まず第１の環状シール材２′の外方に突出
する一稜線部が上型１２のシール面１２６に接触して、
下型１１のシール面１１７と上型１２のシール面１２６
間を緩閉する。この時に上昇する内圧は緩閉部から外気
に逃す。そこで、上型１２の下降を停止し、減圧路１２
７から真空ポンプ６４により型内の空気の吸引を開始
し、継続的に型内の減圧度を高めていく。

【００２８】次いで、再び上型１２を一定の移動速度に
て下型１１上に下降移動させていき、図８に示す如く、
第２の環状シール材３の外周面が上型のシール面１２６
に接触して、下型１１のシール面１１７と上型１２のシ
ール面１２６間を密閉し、型内を減圧状態となした後、
プレス成形を行う。

【００２９】

【作用】本発明１のＦＲＰ成形体の成形方法は、固定型
と可動型からなる成形型を用いた繊維強化樹脂成形体の
プレス成形方法であって、固定型あるいは可動型のいず
れかに、型を閉じていったときに、最初に固定型と可動
型間を緩閉する第１の環状シール材と、最終的に固定型
と可動型間を密閉する第２の環状シール材と、型内から
外気に通じる減圧路とが設けられた成形型を用い、固定
型に成形材料を供給した後型を閉じていって、まず第１
の環状シール材にて固定型と可動型間を緩閉し、その時
発生する内圧は緩閉部から外気に逃がすとともに、緩閉
の前又は緩閉と同時以降に減圧路より吸引を開始し、次
いで第２の環状シール材にて固定型と可動型間を密閉し
つつ完全に型を閉じ型内を減圧状態となしてプレス成形
を行うことにより、第１の環状シール材が固定型と可動
型間を緩閉して外気は有効に遮断しつつ、その時に発生
する内圧は速やかに緩閉部から外気に逃がすことがで
き、次いで第２の環状シール材により固定型と可動型間
を密閉することができるので、型内を必要な減圧状態に
達するまでの時間を短縮することができ、型内の成形材
料が一部硬化するプリゲルを発生させることがなく、
又、型内空気が起因する成形欠陥をなくすることがで
き、外観及び成形状態の良好なＦＲＰ成形体を得ること
ができる。

【００３０】本発明２の成形型は、ＦＲＰ成形体のプレ
ス成形用の固定型と可動型からなる成形型であって、固
定型あるいは可動型のいずれかに、型を閉じていったと
きに、最初に固定型と可動型間を緩閉する第１の環状シ
ール材と、最終的に固定型と可動型間を密閉する第２の
環状シール材と、型内から外気に通じる減圧路とが設け
られていることにより、型内を必要な減圧状態に達する
までの時間を短縮することができ、型内の成形材料が一
部硬化するプリゲルを発生させることがなく、又、型内
空気が起因する成形欠陥をなくすることができ、外観及
び成形状態の良好なＦＲＰ成形体を得る成形型として使
用することができる。

【００３１】

【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施例１ 成形材料として、不飽和ポリエステル樹脂１００重量
部、ガラス粉末（平均粒径２０μｍ）１２５重量部、水
酸化アルミニウム（平均粒径１５μｍ）１２５重量部、
ガラス繊維（長さ１．５ｍｍ）１３重量部、硬化剤（タ
ーシャリブチルパーオキシベンゾエート）１重量部、内
部離型剤（ステアリン酸亜鉛）３重量部、増粘剤（酸化
マグネシウム）１重量部を計量後、これらをヘンシェル
ミキサーにて混合混練し、ポリエチレンラミネートセロ
ハンで包んだ後、４０℃にて４０時間熟成増粘し、ＢＭ
Ｃを作製した。

【００３２】この成形材料４．５ｋｇを、図１及び図２
に示す如き、下型１１の温度を１０５℃、上型１２の温
度を１３０℃に加熱した型１の、下型１１の型面に供給
し、図３及び図４を参照して説明した工程に従って、浴
槽の加圧成形を行い、浴槽を得た。得られた浴槽は表面
に流れ模様のない外観状態の良好なものであった。

【００３３】尚、第１の環状シール材２として硬度４０
のシリコンゴムからなる断面外形が円形状のものを用
い、第２の環状シール材３として硬度７０度のフッ素ゴ
ムからなる断面外形が円形状のもの用い、第１の環状シ
ール材２と第２の環状シール材３との間隔を３０ｍｍと
した。又、加圧成形は、成形圧力１００ｋｇ／ｍｍ² 、
加圧時間１２分で３００トンプレス機にて加圧すること
により行った。又、上型１２の移動速度を３ｍｍ／秒と
した。

【００３４】比較例 図１０に示す装置を用いたこと以外は実施例と同様にし
て浴槽を得た。得られた浴槽の表面には流れ模様が見ら
れ外観が悪かった。

【００３５】実施例１及び比較例のプレス成形時におけ
る、上型１２の位置の時間的推移を図９（ａ）に示し、
対応する型内の減圧度の時間的推移を図９（ｂ）に示
す。図９（ａ）において、Ａは上型１２の下降開始点、
Ｂは第２の環状シール材２による緩閉時点、Ｃは減圧開
始点、Ｄは上型１２の下降一旦停止点、Ｅは上型１２の
再下降開始点、Ｆは成形材料に上型１２の底壁内面形成
部１２１が接触した時点、Ｇは完全な閉型時点を示す。

【００３６】図９（ｂ）において、実線ｘは実施例１の
場合を示し、点線ｙは比較例の場合を示す。又、狙いと
する減圧度は−７００ｍｍＨｇである。

【００３７】図９（ａ）及び（ｂ）からも明らかな如
く、実施例１の場合は、比較例の場合と比べて、型内を
狙いとする減圧状態に達するまで（減圧開始点Ｃから狙
いとする減圧度−７００ｍｍＨｇに達するまで）の時間
Δｔを３秒間短縮することができた。

【００３８】実施例２ 図５及び図６に示す如き装置を用いて、図７及び図８を
参照して説明した工程に従ったこと、第１の環状シール
材２′として硬度７０度のシリコンゴムからなる断面外
形が四角形状のものをを用いたこと以外は実施例１と同
様にして浴槽を得た。得られた浴槽は表面に流れ模様の
ない外観状態の良好なものであった。

【００３９】又、プレス成形時における型内の減圧度の
時間的推移は図９（ｂ）に示すものとほぼ同様であり、
比較例の場合と比べて、型内を必要な減圧状態に達する
までの時間Δｔを３秒間短縮することができた。

【００４０】

【発明の効果】本発明１のＦＲＰのプレス成形方法は、
上記の如き構成とされているので、外観及び成形状態の
良好なＦＲＰ成形体を得ることができる。本発明２の成
形型は、上記の如き構成とされているので、外観及び成
形状態の良好なＦＲＰ成形体を得る成形型として使用す
ることができる。

【００４１】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明２の成形型の一例の全体を示す断面図で
ある。

【図２】図１に示す成形型の要部拡大断面図である。

【図３】本発明１のＦＲＰのプレス成形方法の一例の前
半の工程を説明する断面図である。

【図４】本発明１のＦＲＰのプレス成形方法の一例の後
半の工程を説明する断面図である。

【図５】本発明２の成形型の別の例の全体を示す断面図
である。

【図６】図５に示す成形型の要部拡大断面図である。

【図７】本発明１のＦＲＰのプレス成形方法の別の例の
前半の工程を説明する断面図である。

【図８】本発明１のＦＲＰのプレス成形方法の別の例の
後半の工程を説明する断面図である。

【図９】図９（ａ）は、プレス成形時における、上型の
位置の時間的推移、図９（ｂ）は対応する型内の減圧度
の時間的推移を示す説明図である。

【図１０】従来の成形形の例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 成形型 ２，２′ 第１の環状シール材 ３ 第２の環状シール材 １１ 下型（固定型） １２ 上型（可動型） １１７，１２６ シール面 １２７ 減圧路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定型と可動型からなる成形型を用いた
   繊維強化樹脂成形体のプレス成形方法であって、固定型
   あるいは可動型のいずれかに、型を閉じていったとき
   に、最初に固定型と可動型間を緩閉する第１の環状シー
   ル材と、最終的に固定型と可動型間を密閉する第２の環
   状シール材と、型内から外気に通じる減圧路とが設けら
   れた成形型を用い、固定型に成形材料を供給した後型を
   閉じていって、まず第１の環状シール材にて固定型と可
   動型間を緩閉し、その時発生する内圧は緩閉部から外気
   に逃がすとともに、緩閉の前又は緩閉と同時以降に減圧
   路より吸引を開始し、次いで第２の環状シール材にて固
   定型と可動型間を密閉しつつ完全に型を閉じ型内を減圧
   状態となしてプレス成形を行うことを特徴とする繊維強
   化樹脂成形体のプレス成形方法。
2. 【請求項２】 繊維強化樹脂成形体のプレス成形用の固
   定型と可動型からなる成形型であって、固定型あるいは
   可動型のいずれかに、型を閉じていったときに、最初に
   固定型と可動型間を緩閉する第１の環状シール材と、最
   終的に固定型と可動型間を密閉する第２の環状シール材
   と、型内から外気に通じる減圧路とが設けられているこ
   とを特徴とする成形型。