JPH0725608U - マイクロストリップアンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 平面アンテナに組み込み可能な、右旋及び左
旋円偏波を共に受信可能としたマイクロストリップアン
テナを提供することを目的とする。 【構成】 ２点給電方式の円偏波パッチアンテナ素子１
の各々の給電路を伝送回路網８に入力する回路と、伝送
回路網８に設けられた伝送路３及び５と、同伝送路３及
び５より伝送波長の約λ／４だけ位相が遅延するように
長くした伝送路４と、伝送路３及び５並びに伝送路４を
切り換える切換器２及び６で構成された切換手段とから
なり、受信する円偏波の旋回方向に応じて前記切換手段
を操作して、前記給電路の各々に接続する伝送路を切り
換えて各々の伝送路により同位相として信号を切換器６
の出力端子ｃ及びｄから出力し、合成して円偏波を受信
するようにしたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、右旋及び左旋円偏波を共に受信可能としたマイクロストリップアン テナに関する。

【０００２】

【従来の技術】

衛星放送は多チャンネル化に伴い同一エリアで右旋円偏波と左旋円偏波とを使 用して放送サービスをする計画が進められているが、従来の右旋円偏波及び左旋 円偏波共用一次放射器としては、例えば図３に示すような一次放射器があり、受 信希望の円偏波に応じて、円形導波管１５の管軸を中心として駆動部１８により 回動自在にした誘電体板１６を回転させて、円偏波を誘電体板１６で直線偏波に 変換し、同直線偏波をプローブ１７に結合させて受信信号を取り出していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、これらの一次放射器はパラボラアンテナに取り付けて使用するもので あり、平面アンテナにそのまま使用できる原理ではなかった。 本考案は、平面アンテナに組み込み可能な、右旋及び左旋円偏波を共に受信可 能としたマイクロストリップアンテナを提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案のマイクロストリップアンテナは、２点給電方式の円偏波パッチアンテ ナ素子の各々の給電路を伝送回路網に入力する回路と、同伝送回路網に設けられ た第１の伝送路と、同第１の伝送路より伝送波長の約λ／４だけ位相が遅延する ように長くした第２の伝送路と、同第１の伝送路と第２の伝送路を切り換える切 換手段とからなり、受信する円偏波の旋回方向に応じて前記切換手段を操作して 、前記給電路の各々に接続する伝送路を切り換えて各々の伝送路より同位相とし て信号を出力し、合成して円偏波を受信することを特徴とする。

【０００５】

【作用】

本考案は上記した構成により、２点給電方式の円偏波パッチアンテナ素子の各 々の給電路から、入射された円偏波の直交する直線偏波成分の信号を取り出すよ うにしており、第１の伝送路と第２の伝送路を切り換える切換手段を円偏波の旋 回方向に応じて操作して、直線偏波成分の信号の位相が進んでいる方を第２の伝 送路を通し、位相が遅れている方を第１の伝送路を通して位相を合致させて合成 して出力し、同出力をコンバータの入力回路等に入力することにより右旋及び左 旋円偏波を受信することが可能となる。

【０００６】

【実施例】

図１は、本考案のマイクロストリップアンテナの一実施例を示すブロック図で ある。 ２点給電方式の円偏波パッチアンテナ素子１の各々の給電路から、入射された 円偏波の直交する直線偏波成分の信号を各々取り出して伝送回路網８に入力して いる。 伝送回路網８は切換器２と切換器６と、切換器２及び切換器６間を接続した伝 送路３、４、５で構成されており、伝送路３及び５は同じ長さの伝送路とし、伝 送路４は伝送路３及び５より伝送波長の約λ／４だけ位相が遅延するように長く し、円偏波パッチアンテナ素子１の給電路は切換器２の入力端子ａ及びｂに入力 している。

【０００７】 切換器２及び切換器６は入力される制御信号により同期して切り換えるものと し、切換器２は入力端子ａに入力された信号を制御信号により切り換えて伝送路 ３あるいは４に接続し、入力端子ｂに入力された信号を制御信号により切り換え て伝送路４あるいは５と接続し、切換器６は出力端子ｃを制御信号により切り換 えて伝送路３あるいは４に接続し、出力端子ｄを制御信号により切り換えて伝送 路４あるいは５と接続し、出力端子ｃ及びｄの信号を合成して伝送回路網８の出 力として出力端子７から出力するようにしている。 円偏波パッチアンテナ素子１としては、図１に示すような正方形形状のもの、 あるいは円形形状（図示せず）のものを用いるようにしても良い。また、切換器 ２及び切換器６としては、ダイオードスイッチ、またはトランジスタを用いたス イッチ回路等を使用して構成する。

【０００８】 入射された円偏波の直交する直線偏波成分は相互に位相が９０度ずれており、 円偏波パッチアンテナ素子１からは各々の直線偏波成分の信号を給電路から取り 出すようにし、例えば、位相の遅れている方を切換器２の入力端子ａに入力し、 位相の進んでいる方を切換器２の入力端子ｂに入力したとする。 制御信号により切換器２及び切換器６を切り換えて、入力端子ａに入力された 信号は伝送路３を介して切換器６の出力端子ｃから出力され、入力端子ｂに入力 された信号は伝送路４を介して切換器６の出力端子ｄから出力されるようにする 。

【０００９】 伝送路４は伝送路３より伝送波長の約λ／４だけ位相が遅延するように長くし てあり、従って出力端子ｃ及びｄから出力される信号の位相は同相となり、合成 して出力端子７から出力し、コンバータの入力回路に入力することにより衛星放 送を受信することが可能となる。 逆旋回の円偏波を受信する場合は、制御信号により切換器２及び切換器６を切 り換えて、入力端子ａに入力された信号は伝送路４を介して切換器６の出力端子 ｃから出力し、入力端子ｂに入力された信号は伝送路５を介して切換器６の出力 端子ｄから出力する。 このようにすれば、出力端子ｃ及びｄから出力される信号は同相となるため、 合成して出力端子７から出力することにより、前記と同様に衛星放送を受信する ことが可能となる。

【００１０】 受信する衛星の円偏波が右旋を使用しているか、あるいは左旋を使用している かは既知の内容であり、また、受信する衛星を特定すれば円偏波パッチアンテナ 素子１の配置により、入力端子ａ及びｂに入力される信号の位相関係も特定され る。 従って、マイコン等の制御部から、右旋円偏波を選択した場合の制御信号及び 左旋円偏波を選択した場合の制御信号とを切換器２及び切換器６に入力すること により、右旋円偏波及び左旋円偏波とで切換器２及び切換器６を切り換えて制御 することが可能となる。

【００１１】 図２は、本考案のマイクロストリップアンテナを複数個使用した場合の一実施 例を示す配置図である。 誘電体板１０に図１に示した円偏波パッチアンテナ素子１と伝送回路網８を組 にして複数個設けて平面アンテナを形成したものである。 誘電体板１０にマイクロストリップライン１１を設けて、伝送回路網８からの 各々の信号をマイクロストリップライン１１で同位相となるように給電点に伝送 して、同給電点より信号を取り出すようにし、各伝送回路網８に制御信号を入力 して各々の伝送回路網８の内部の切換器２及び６を各々制御するようにして、右 旋円偏波と左旋円偏波が受信できるようにしている。制御信号は前記と同様にマ イコン等の制御部から入力できるようにすれば良い。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、右旋円偏波と左旋円偏波とを共用して 受信可能とした、平面アンテナに組み込み可能なマイクロストリップアンテナを 提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のマイクロストリップアンテナの一実施
例を示すブロック図である。

【図２】本考案のマイクロストリップアンテナを複数個
使用した場合の一実施例を示す配置図である。

【図３】従来例を示す右旋及び左旋円偏波共用一次放射
器の一部切欠き斜視図である。

【符号の説明】

１ 円偏波パッチアンテナ素子 ２ 切換器 ３ 伝送路 ４ 伝送路 ５ 伝送路 ６ 切換器 ７ 出力端子 ８ 伝送回路網 １０ 誘電体板 １１ マイクロストリップライン １５ 円形導波管 １６ 誘電体板 １７ プローブ １８ 駆動部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２点給電方式の円偏波パッチアンテナ素
   子の各々の給電路を伝送回路網に入力する回路と、同伝
   送回路網に設けられた第１の伝送路と、同第１の伝送路
   より伝送波長の約λ／４だけ位相が遅延するように長く
   した第２の伝送路と、同第１の伝送路と第２の伝送路を
   切り換える切換手段とからなり、受信する円偏波の旋回
   方向に応じて前記切換手段を操作して、前記給電路の各
   々に接続する伝送路を切り換えて各々の伝送路より同位
   相として信号を出力し、合成して円偏波を受信すること
   を特徴とするマイクロストリップアンテナ。
2. 【請求項２】 前記円偏波パッチアンテナ素子と前記伝
   送回路網を組にして複数個設けて、同伝送回路網からの
   各々の信号を同位相となるように給電点に伝送して、同
   給電点より信号を取り出して円偏波を受信することを特
   徴とするマイクロストリップアンテナ。