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JPH07237968A - 導電性セラミックス及びこれを用いた燃料電池セル - Google Patents

導電性セラミックス及びこれを用いた燃料電池セル

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JPH07237968A
JPH07237968A JP6027805A JP2780594A JPH07237968A JP H07237968 A JPH07237968 A JP H07237968A JP 6027805 A JP6027805 A JP 6027805A JP 2780594 A JP2780594 A JP 2780594A JP H07237968 A JPH07237968 A JP H07237968A
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fuel cell
electrically conductive
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高志 重久
Yoshitake Terashi
吉健 寺師
Shoji Yamashita
祥二 山下
Masahide Akiyama
雅英 秋山
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】少なくとも金属元素としてLaと、Crと、ア
ルカリ土類元素(A)と、周期律表第3b族、第4b族
およびCrを除く第6a族元素のうち少なくとも1種の
金属(B)を含む複合酸化物からなる導電性セラミック
スであって、前記金属元素の原子比をLa(x)A
(y)Cr(z)B(u)と表したとき、x、yおよび
zが0.0001≦u/x+y+z≦0.2、0.01
≦y/x+y+z≦0.2を満足することを特徴とする
ものであり、この導電性セラミックスを燃料電池セルの
セル間を電気的に接続するための集電部材として用い
る。 【効果】LaCrO3 系組成物における焼結性を改善す
ることができ、高い導電性を有するとともに1600℃
以下の焼成温度で緻密化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LaCrO3 系組成か
らなる導電性を有するセラミックスおよびその製造方法
に関し、詳細には、焼結性の改善に関するもので、特に
燃料電池セルのセパレータ、ガスディフューザ及びイン
ターコネクタや、MHD発電用の電極などに好適な導電
性セラミックスに関する。
【0002】
【従来の技術】ランタンクロマイト系酸化物(LaCr
3 )は、高温における化学的安定性に優れ、電子伝導
性が大きいことから固体電解質型燃料電池セルのセパレ
ータ、ガスディフューザ、及びインターコネクタとして
利用されている。
【0003】図1に平板形状の固体電解質型燃料電池セ
ルを示した。平板型燃料電池セルでは、例えばY2 3
安定化ZrO2 からなる固体電解質1の一方にLaMn
O系の空気極2、他方にNiージルコニア等の燃料極が
設けられ、このセル間の接続はLaCrO3 系よりなる
セパレータ(集電部材)4により行われている。燃料電
池セルにおいては、空気極側に酸素を含有するガス例え
ば空気を流し、燃料極側に燃料例えば水素ガスを流しな
がら、1000〜1050℃の温度で発電する。上述の
セパレータ材料としては、CaO、SrOあるいはMg
Oを固溶したLaCrO3 系材料が利用される。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】LaCrO3 系材料
は陽イオンの拡散速度が遅いことに加えて、焼結過程に
おいて材料中からCr成分が揮発し、粒子の接触部(ネ
ック部)にCr2 3 として凝縮堆積して焼結を阻害す
る。このため、大気中では2000℃以上の高温で焼結
させるか、あるいは還元性雰囲気でこのCr2 3 の蒸
発凝縮を抑制しながら焼結させることが必要であるが、
この場合でも1800℃以上の高温度が必要である。こ
のような高温焼結による材料の作製は、経済的な観点か
ら燃料電池セルの量産を著しく困難にさせるとともに、
コストを高める要因になっている。
【0005】一方、LaCrO3 系材料を低温で得るた
めの方法として、電気化学的気相合成(EVD)法が適
用されている。しかしながら、この方法は1400℃と
比較的低温でLaCrO3 系材料が作製されるものの、
LaCrO3 の成長速度が遅いため量産性に欠け、ま
た、この方法では主発原料として極めて高価な金属塩化
物を使用する必要があるために経済的にも問題があっ
た。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、上述の
問題点を解決し、低温での焼結性を高めるための方法に
ついて検討を重ねた結果、La、Crおよびアルカリ土
類元素を含む系に対して、周期律表第3b族、第4b族
およびCrを除く第6a族元素のうち少なくとも1種の
金属化合物を添加することにより、焼結性を高め、低温
での焼成による緻密化が可能になることを見いだし、本
発明に至った。
【0007】即ち、本発明を導電性セラミックスは、少
なくとも金属元素としてLaと、Crと、アルカリ土類
元素から選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物から
なる導電性セラミックスであって、前記金属元素の原子
比を下記化1
【0008】
【化1】
【0009】と表したとき、x、yおよびzが 0.0001≦u/x+y+z≦0.2 0.01≦y/x+y+z≦0.2 を満足することを特徴とするものである。また、本発明
によれば、上記導電性セラミックスを、燃料電池セルの
単セル間を電気的に接続するための集電部材として用い
ることを特徴とするものである。
【0010】本発明における導電性セラミックスにおい
ては、従来から知られるLa、Crおよびアルカリ土類
元素を含有する複合酸化物に対して、周期律表第3b
族、第4b族およびCrを除く第6a族元素のうち少な
くとも1種の金属を含有せしめることが大きな特徴であ
る。これらの金属元素は前記化1において、0.000
1≦u/x+y+z≦0.2を満足する量で配合され
る。これは、この値が0.0001より少ないと、低温
焼成により焼結体が充分に緻密化できず、1%以上の開
気孔率が存在することとなり、この値が0.2を越える
と電気伝導度が小さくなり電極材料として適用できなく
なるためである。また、本発明の導電性セラミックスは
水素および酸素雰囲気で安定であるという性質を有する
が、周期律表第3b族、第4b族およびCrを除く第6
a族元素が上記範囲を越えると水素雰囲気安定性が悪く
なり発電中に材料が分解するという問題がある。この範
囲内でも0.005≦u/x+y+z≦0.1の範囲が
良い。
【0011】なお、周期律表第3b族元素としては、
B、Al、Ga、In、Tl、周期律表第4b族元素と
してはSi、Ge、Sn、Pbが、Cr以外の周期律表
第6a族元素としてはMo、Wが挙げられるが、これら
の中でもB、Si、Mo、Wがから選ばれる少なくとも
1種が最も好ましい。
【0012】また、本発明によれば、アルカリ土類元素
量yは、前記式において、0.01≦y/x+y+z≦
0.2であることも必要である。これは、これらの元素
が上記範囲より少ないと、電気伝導度が小さくなり、上
記範囲より多いと水素などの還元雰囲気中で分解するた
めである。なお、上記アルカリ土類元素量yは0.05
≦y/x+y+z≦0.15が最適である。
【0013】本発明の上記導電性セラミックスは、La
2 3 、Cr2 3 や、MgCO3、CaCO3 などの
金属酸化物、あるいは熱処理により酸化物を形成する水
酸化物、炭酸塩、硝酸塩、塩化物などの化合物粉末に対
して、、周期律表第3b族、第4b族およびCrを除く
第6a族元素のうち少なくとも1種の金属の酸化物粉
末、あるいは熱処理により酸化物を形成し得る水酸化物
や炭酸塩、硝酸塩などを前記比率となるように、秤量混
合し、これを所定の形状に成形した後、大気などの酸化
性雰囲気中で1300〜1700℃で2〜5時間程度焼
成することにより緻密化することができる。
【0014】その他、La2 3 、Cr2 3 や、Mg
O、CaOなどのアルカリ土類元素化合物を一旦120
0〜1500℃で仮焼処理後ABO3 型ペロブスカイト
型複合酸化物を作製し、これを粉砕したものに対して、
周期律表第3b族、第4b族およびCrを除く第6a族
元素のうち少なくとも1種の金属の酸化物粉末、あるい
は熱処理により酸化物を形成し得る水酸化物や炭酸塩、
硝酸塩などを前記比率となるように、秤量混合し、これ
を所定の形状に成形した後、大気などの酸化性雰囲気中
で1300〜1700℃で2〜5時間程度焼成すること
により緻密化することができる。かかる製造方法によれ
ば、開気孔率が1%以下、特に0.5%以下まで緻密化
することができる。
【0015】また、本発明の導電性セラミックスは、そ
の結晶組織としては、少なくともLa、Cr及びアルカ
リ土類元素を構成元素とするペロブスカイト型結晶が5
0体積%以上の主結晶相とするものであって、さらにこ
の主結晶相以外の他相として、周期律表第3b族、第4
b族およびCrを除く第6a族元素のうち少なくとも1
種の金属と、上記ペロブスカイト型結晶の構成元素、特
にLa2 3 との化合物あるいはガラス相からなるもの
である。この他相は、ペロブスカイト型結晶の定比組成
より過剰な成分が析出したものである。
【0016】本発明における導電性セラミックスは、例
えば、燃料電池セルにおける電極材料として好適に使用
される。そこで、図1に平板型燃料電池セルの典型的な
構造を示す。図1によれば、Y2 3 安定化ZrO2
どのからなる板状の固体電解質1の片面には、LaSr
MnO3 やLaCaMnO3 などからなる空気極2が、
また他面にはNi−ZrO2 (Y2 3 安定化)サーメ
ットなどからなる燃料極3が形成され、これを単セルと
してセル間を接続する部材として集電部材4がセルの空
気極と隣接するセルの燃料極と接続する位置に配置され
ている。かかるセルにおいては、空気極2は、大気など
の酸素含有ガスが、燃料極3には水素ガスなどの燃料極
が接触し、空気極2および燃料極3のいずれも多孔質材
料により構成されるが、集電部材4は、その片面は酸素
含有ガスと接触し、片方は水素ガスと接触しこれらを完
全に分離する役割を有することから、高緻密質、高電気
伝導性を有することが要求される。
【0017】前述した導電性セラミックスは、前述した
通り、開気孔率が1%以下の高緻密体であるとともに、
電気伝導度、特に燃料電池の作動時(約1000℃)に
おける電気伝導度が15s/cm以上と高いことから、
集電部材が要求される特性を十分に満足するものであ
る。しかも、この導電性セラミックスは、水素に対する
耐久性に優れることから長期安定性に優れることも集電
部材として好適な1つの理由である。
【0018】
【作用】LaCrO3 系材料は、結晶内の陽イオン拡散
速度が遅いことに加えて、Cr成分が優先的に蒸発しや
すく、大気中ではこれが焼結の際、粒子の接触部に凝縮
してCr2 3 として堆積し、陽イオンの拡散を阻害し
焼結性を悪くする、いわゆるLaCrO3 系材料の焼結
は蒸発凝縮機構が支配的である。
【0019】それに対して、本発明の材料では周期律表
第3b族、第4b族およびCrを除く第6a族元素のう
ち少なくとも1種の金属を添加することにより、焼結時
に液相または反応物が生成され、Crの蒸発を抑制する
と同時に、ペロブスカイト型結晶の構成元素中の陽イオ
ンの拡散を促進させることにより、低温での焼成によっ
て緻密質なLaCrO3 系焼結体を得ることができる。
例えば、SiO2 添加系においては、焼結中にSiO2
−La2 3 を主成分とする液相が生成し、LaCrO
3 の焼結を促進していると推定される。
【0020】しかしながら、本材料は本質的に電気伝導
性を有することが必要であり、焼結後にはペロブスカイ
ト結晶の主結晶相からなるが、上述の液相は一部粒界に
おいて絶縁相を析出すると思われる。このため、粒界が
多いと電気伝導性が低下し、燃料電池セルの発電特性を
低下させる原因となる。このような理由から上記特定金
属の添加量の上限を設定した。このような結晶は量が少
なく電気伝導性に影響しないため、前記の添加量範囲を
満足すればこれを集電部材として用いても特に問題とは
ならないのである。
【0021】
【実施例】 実施例1 市販の純度99.9%のLa2 3 、MgCO3 、Cr
2 3 、SrCO3 、CaCO3 を用いて、これらを所
定の割合で混合した後、1300℃の酸化性雰囲気中で
24時間熱処理後粉砕して、平均粒径が3μmのLa
(Mg0.1 Cr0. 9 )O3 、(La0.9 Sr0.1 )Cr
3 、(La0.9 Ca0.1 )CrO3 固溶体粉末を得
た。次にこの固溶体粉末に周期律表第3b族、第4b族
およびCrを除く第6a族元素の酸化物粉末を所定量添
加し、ボールミルで24時間混合した後、5mm×5m
m、長さ45mmの四角柱に形成し、大気中1450〜
1600℃の温度で焼成した。
【0022】得られた焼結体に対して、アルキメデス法
により試料の開気孔率の測定を行い、焼結性を判断し
た。また、大きさ3mm×3mm×20mmの試料片を
上記のようにして作製し、4端子法により大気中100
0℃で電気伝導度を測定した。
【0023】比較のため、市販のLa0.9 Sr0.1 Cr
3 組成の原料を2000℃で2時間大気中で焼成した
ものを用い、開気孔率及び電気伝導度を測定した。ま
た、この焼結体を1000℃の水素雰囲気中に24時間
保持した後の試料の安定性を調べ、全く変化はなかった
ものに○、表面に分解が認められたものに×を付した。
結果を表1、2に示した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】表1、2の結果から明らかなように、従来
品の試料No,1では1550℃の焼成温度では開気孔率
が28%と大きく緻密化できなかった。Si量u/x+
y+zが0.20を越える試料No.9,19ではいずれ
も電気伝導度が低下するとともに水素中での安定性に欠
けるものであった。また、アルカリ土類元素量y/x+
y+zが0.01より小さい試料No.38,43,48
ではいずれも電気伝導度が低く、0.20を越える試料
No.42,47,52では水素中での安定性に欠けるも
のであった。
【0027】これらの比較例に対して、本発明品はいず
れも1450〜1600℃の焼成温度で開気孔率1%以
下まで緻密化することができ、しかも1000℃におけ
る電気伝導度が15s/cm以上を示すとともに100
0℃の水素中でも優れた安定性を示した。
【0028】実施例2 上記実施例中のNo.3,23,38,53の組成を用
いて、図1に示した構造の大きさ50mm×50mmの
セパレータを作製した。このセパレータの結晶粒子径は
4〜10μmであった。また、市販の純度99.9%の
8mol%Y23 −92mol%ZrO2 粉末を用
い、理論密度比99.3%の緻密な厚み0.25mmの
固体電解質板を作製した。この一方の面に30μmの厚
みに70重量%NiO−30重量%ジルコニア(8mo
l%Y2 3 含有)の混合粉末を塗布し、1400℃で
2時間焼き付け燃料極とした。その後、他方の面に15
mol%SrOを固溶したLaMnO3 粉末を30μm
の厚みに塗布し、1200℃で2時間焼き付けし、空気
極とした。これを上記のセパレータで挟み空気極側に酸
素ガスを、燃料極側に水素ガスを流し1000℃で60
0時間連続発電し、発電時の出力密度を測定した。その
結果を図2に示した。図2の結果より本発明以外のN
o.38は時間と共に出力密度は減少したが、本発明の
No.3.23は安定した従来品のNo.53と同等以上
の発電特性を示すことが分かる。
【0029】
【発明の効果】以上詳述した通り、LaCrO3 系組成
物における焼結性を改善することができ、高い導電性を
有するとともに1600℃以下の焼成温度で緻密化する
ことができる。しかも、高温の水素雰囲気での安定性に
優れるものであり、例えば、燃料電池などの水素と接触
するインターコネクタ、セパレータ、ガスディフューザ
などの集電部材として好適に使用することにより、安価
でしかも燃料電池としての長期安定性に対応できる電極
材料を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】平板型燃料電池セルの構造の概略図である。
【図2】実施例2における発電時間と出力密度との関係
を示す図である。
【符号の説明】
1 固体電解質 2 空気極 3 燃料極 4 集電部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 雅英 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも金属元素としてLaと、Cr
    と、アルカリ土類元素と、周期律表第3b族、第4b族
    およびCrを除く第6a族元素のうち少なくとも1種の
    金属を含む複合酸化物からなる導電性セラミックスであ
    って、前記金属元素の原子比を下記化1 【化1】 と表したとき、x、yおよびzが 0.0001≦u/x+y+z≦0.2 0.01≦y/x+y+z≦0.2 を満足することを特徴とする導電性セラミックス。
  2. 【請求項2】セル間を電気的に接続するための集電部材
    が請求項1記載の導電性セラミックスからなることを特
    徴とする燃料電池セル。
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